| 【発明の名称】 |
貼付材及び貼付材の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】明見 仁
【氏名】東尾 和広
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| 【要約】 |
【課題】比較的簡便な方法により、低コストで、貼付材の操作性のみならず貼付材の安定性をも改善する。
【構成】支持体1の片面に形成された厚さRの粘着剤層2と、当該粘着剤層3上に積層された厚さTのライナー3とを備えた貼付材において、例えば、前記ライナー3に溝幅が200μm以下、溝の深さが少なくともライナー厚さの14T/15以上、(T+R)未満である断面略矩形状をした溝状のハーフカット4を設ける。当該ハーフカット4は、例えば、粘着剤層3上に積層したライナー3上から、レーザービームを照射することによって設けることができる。また、ハーフカット4の溝幅を50μm以上として、前記ライナー3表面に前記ハーフカット4の両溝縁部に盛り上がり部5を設けるのが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体の片面に形成された厚さRの粘着剤層と、該粘着剤層上に積層された厚さTのライナーとを備えた貼付材であって、該ライナー側から内容物の滲み出しを防ぎつつ取り扱い性を良好にするハーフカットが形成されていることを特徴とする貼付材。 【請求項2】 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%未満を含有し、かつ、前記ハーフカットは、溝幅が200μm以下、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする請求項1記載の貼付材。 【請求項3】 前記ハーフカットの断面形状が、略矩形状又は略逆三角形状であることを特徴とする請求項2記載の貼付材。 【請求項4】 前記ハーフカットの溝幅が50μm以上、200μm以下であり、かつ、前記ライナー表面の溝縁部に盛り上がり部を有することを特徴とする請求項2記載の貼付材。 【請求項5】 前記ハーフカットの溝幅が50μm未満であることを特徴とする請求項2記載の貼付材。 【請求項6】 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有し、かつ、前記ハーフカットは、断面形状が溝縁部に盛り上がり部を有する略矩形状であって、溝幅が50μm以上、200μm以下であり、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする請求項1記載の貼付材。 【請求項7】 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有し、かつ、前記ハーフカットは、断面形状が刃の先端角度が45°未満のダイロールを用いて切断された略矩形状であって、溝幅が20μm未満であり、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする請求項1記載の貼付材。 【請求項8】 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有し、かつ、前記ハーフカットは、断面形状が略逆三角形状であって、溝幅が200μm以下であり、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする請求項1記載の貼付材。 【請求項9】 ライナーの片面に粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層上に支持体を設ける工程と、前記ライナー表面にレーザービームを照射して、該ライナー側から所定のハーフカットを形成する工程とを具備することを特徴とする貼付材の製造方法。 【請求項10】 前記ハーフカットは、断面形状がライナー表面の溝縁部に盛り上がり部を有する略矩形状であり、溝幅が200μm以下、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする請求項9記載の貼付材の製造方法。 【請求項11】 ライナーの片面に粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層上に支持体を設ける工程と、前記ライナー表面からレザーを用いて所定のハーフカットを形成する工程とを具備することを特徴とする貼付材の製造方法。 【請求項12】 前記ハーフカットの断面形状が略逆三角形状であることを特徴とする請求項11記載の貼付材の製造方法。 【請求項13】 ライナーの片面に粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層上に支持体を設ける工程と、前記ライナーを一時的に剥離した状態で一部切断し、その後、粘着剤層上に再貼付することにより所定のハーフカットを形成する工程とを具備することを特徴とする貼付材の製造方法。 【請求項14】 前記ライナーの切断をダイロールを用いて行うことを特徴とする請求項13記載の貼付材の製造方法。 【請求項15】 前記ライナーの切断をレザーを用いて行うことを特徴とする請求項13記載の貼付材の製造方法。 【請求項16】 前記ハーフカットは、断面形状が略矩形状であり、溝幅が15μm以下であることを特徴とする請求項13記載の貼付材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は貼付材及び貼付材の製造方法に関する。具体的には、貼付材において粘着剤層上に備えられたライナーの構造及び当該ライナーを備えた貼付材の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、各種の貼付材、すなわち薬物を皮膚を通して投与する経皮吸収製剤や絆創膏のたぐいが各種開発されている。図6及び図7はそれぞれ、このような貼付材の一例を示す斜視図である。貼付材は、布帛やプラスチックフィルムなどからなる支持体1上に粘着剤層2が積層され、当該粘着剤層2上に、当該粘着剤層2露出面の保護として、あるいは柔軟な支持体1の支持性を補強し、貼付時の操作性を高めるために、いわゆるライナー3が備えられている。 【0003】 これらの貼付材は、連続した投与や傷口の保護という観点からは非常に優れたものである。また、貼付材の性能向上のために、粘着剤や支持体1の技術開発が活発に行われ、年々進歩を遂げている。 【0004】 しかしながら、貼付材の開発最終段階にて、往々にしてコストや操作性、安定性等で問題が生じ、その解決に苦労することが多い。特にコスト面で問題が生じた場合には、致命的であり、設計のやり直しに至る場合が多い。また、安定性で問題が生じた場合には包装材料で解決できる場合があるが、この場合には包装材料のコストが高くなり、開発上不利なものとなる。 【0005】 操作性については、単にライナー3の剥離性の改善で問題を解決できるならば、図6や図7に示す如くライナー3にハーフカット4を設け、ハーフカット4のライン形状(平面的な形状)を、例えば図6に示す如く直線状から図7に示す如く波線状などに変更することによって達成することができる。これらのハーフカット4は、粘着剤層2上に積層されたライナー3を、ダイロールなどで切断することによって設けることができる。なお、図中3aは、ハーフカット4によって分割されたライナー片を示す。 【0006】 しかし、ハーフカット4のライン形状を変更するだけでは、製剤としての安定性や製造コストをも考慮した総合的な問題を改善する有効な対策とは成り得ない。また、ライン形状を変更するためには、カッター形状などをも変更しなければならず、コスト面ではやはり不利な状況である点には変わりがなかった。 【特許文献1】特開平04−012834号公報 【特許文献2】特許第2563846号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は貼付材や貼付製剤の操作性、安定性、経済性が問題になった場合に、比較的簡便な方法でこれらの問題点を解決し、経済的に有利な貼付材や貼付製剤を提供することにある。 【0008】 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意努力したところ、ハーフカットの形状(断面形状)を種々変更検討したところ、比較的簡便な方法により、低コストで、貼付材の操作性のみならず貼付材の安定性、特に内容物の滲み出しをも改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。 【課題を解決するための手段】 【0009】 すなわち、本発明は: (1) 支持体の片面に形成された厚さRの粘着剤層と、該粘着剤層上に積層された厚さTのライナーとを備えた貼付材であって、該ライナー側から内容物の滲み出しを防ぎつつ取り扱い性を良好にするハーフカットが形成されていることを特徴とする貼付材; (2) 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%未満を含有し、かつ、前記ハーフカットは、溝幅が200μm以下、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする(1)記載の貼付材; (3) 前記ハーフカットの断面形状が、略矩形状又は略逆三角形状であることを特徴とする(2)記載の貼付材; (4) 前記ハーフカットの溝幅が50μm以上、200μm以下であり、かつ、前記ライナー表面の溝縁部に盛り上がり部を有することを特徴とする(2)記載の貼付材; (5) 前記ハーフカットの溝幅が50μm未満であることを特徴とする(2)記載の貼付材; (6) 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有し、かつ、前記ハーフカットは、断面形状が溝縁部に盛り上がり部を有する略矩形状であって、溝幅が50μm以上、200μm以下であり、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする(1)記載の貼付材; (7) 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有し、かつ、前記ハーフカットは、断面形状が刃の先端角度が45°未満のダイロールを用いて切断された略矩形状であって、溝幅が20μm未満であり、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする(1)記載の貼付材; (8) 前記粘着剤層は粘着力調節のための添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有し、かつ、前記ハーフカットは、断面形状が略逆三角形状であって、溝幅が200μm以下であり、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする(1)記載の貼付材; (9) ライナーの片面に粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層上に支持体を設ける工程と、前記ライナー表面にレーザービームを照射して、該ライナー側から所定のハーフカットを形成する工程とを具備することを特徴とする貼付材の製造方法; (10) 前記ハーフカットは、断面形状がライナー表面の溝縁部に盛り上がり部を有する略矩形状であり、溝幅が200μm以下、溝の深さが14T/15以上、(T+R)未満であることを特徴とする(9)記載の貼付材の製造方法;
(11) ライナーの片面に粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層上に支持体を設ける工程と、前記ライナー表面からレザーを用いて所定のハーフカットを形成する工程とを具備することを特徴とする貼付材の製造方法; (12) 前記ハーフカットの断面形状が略逆三角形状であることを特徴とする(11)記載の貼付材の製造方法; (13) ライナーの片面に粘着剤層を形成する工程と、該粘着剤層上に支持体を設ける工程と、前記ライナーを一時的に剥離した状態で一部切断し、その後、粘着剤層上に再貼付することにより所定のハーフカットを形成する工程とを具備することを特徴とする貼付材の製造方法; (14) 前記ライナーの切断をダイロールを用いて行うことを特徴とする(13)記載の貼付材の製造方法; (15) 前記ライナーの切断をレザーを用いて行うことを特徴とする(13)記載の貼付材の製造方法;および (16) 前記ハーフカットは、断面形状が略矩形状であり、溝幅が15μm以下であることを特徴とする(13)記載の貼付材の製造方法; を提供する。 【発明の効果】 【0010】 本発明の貼付材は、支持体の片面に形成された厚さRの粘着剤層と、該粘着剤層上に積層された厚さTのライナーとを備えた貼付材であって、該ライナー側から内容物の滲み出しを防ぎつつ取り扱い性を良好にするハーフカットが形成されているので、貼付材の設計上、例えば粘着剤層中の添加剤含有量が異なることによって生じる操作性、安定性等に関する問題が、非常に簡単かつ安価な方法で解決され、経済的に有利な貼付材にできる。 【0011】 このハーフカットは、所定幅及び所定深さの断面略矩形状若しくは断面略逆三角形状であり、これらのハーフカットは、例えばレーザービームによる照射やダイロールやレザー(刃)による加工などによって簡単に設けることができる。従って、コストを掛けることなく、ライナーの剥離性や取り扱い性、貼付材の安定性を向上できる。 【0012】 例えば、粘着剤層中に粘着力調節のための添加剤を25重量%未満含有する場合には、ハーフカットの溝幅を200μm以下、溝の深さを14T/15以上、(T+R)未満にすればよい。 【0013】 例えば、添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有する場合には、ハーフカットを、断面形状が溝縁部に盛り上がり部を有する略矩形状とし、その溝幅を50μm以上、200μm以下とし、溝の深さを14T/15以上、(T+R)未満とすればよい。 【0014】 また、添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有する場合には、ハーフカットを、断面形状が刃の先端角度が45°未満のダイロールを用いて切断された略矩形状とし、その溝幅を20μm未満、溝の深さを14T/15以上、(T+R)未満とすればよい。 【0015】 さらに、添加剤を25重量%以上、70重量%未満含有する場合には、ハーフカットを、断面形状が略逆三角形状であって、溝幅を200μm以下、溝の深さを14T/15以上、(T+R)未満とすればよい。 【0016】 このように、本発明によれば、粘着剤(層)の特性に応じて、ハーフカットの断面形状を適宜変更することによって、安定性を低下させることなくその取り扱い性の向上を容易図ることができ、しかも安価な方法で安定性、取り扱い性の問題について簡単に対処できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明について各図を用いて詳細に説明する。 【0018】 図1は、本発明の一実施形態である貼付材を一部破断した断面図である。 本発明の貼付材は、ライナー3側から内容物(粘着剤)の滲み出しを防ぎつつ取り扱い性を良好にするハーフカット4が形成されたものであって、従来の貼付材とほぼ同様な構造をしており、テープ状若しくはシート状をした支持体1上に厚さRの粘着剤層2が積層され、当該粘着剤層2上に厚みTのライナー3が積層されている。図1に示す貼付材にもハーフカット4が設けられ、2枚のライナー片3aに分けられている点では、従来の貼付材と同様であるが、当該ハーフカット4の断面形状が異なっている。 【0019】 図1に示す貼付材のハーフカット4は、その断面形状が略矩形状である溝状をなしている。本発明において、断面形状は、長方形、正方形のように4つの角が直角である矩形状のものに限られず、例えば図1に示すように一部の辺が湾曲していたり、あるいはごくわずかに台形状に歪んだものも含まれるものであって、その加工方法に応じた誤差範囲のものを含む意である。ハーフカット4の溝幅wは、200μm以下に設定される。ハーフカット4の深さは、少なくともライナー3の厚みの14T/15以上、粘着剤層2の厚みRとライナー3の厚みTを足し合わせた厚み(T+R)未満である。図1の貼付材においてはハーフカット4は粘着剤層2にまで達し、その深さがライナー3の厚さTを越え粘着剤層2にまで形成されたものである。 【0020】 このハーフカット4は、レーザー加工によって簡単に設けることができる。レーザー加工としては、例えばCO2レーザーやYAGレーザーを用いた切断方法が挙げられる。また、この断面形状を有するハーフカット4は、例えば図6に示す如く平面視で直線状に加工してもよく、また図7に示す如く平面視で蛇行曲線状(波線状)に加工することも可能なものである。 【0021】 当該レーザー加工の条件は、適用するライナー3の材質やその厚みに応じて異なり、レーザー出力やレーザービームの走査速度を調整することにより、所望する断面形状のハーフカット4を容易に施すことが出来る。例えば、75μm厚のポリエステル製ライナー3の場合には、レーザー加工機(消費電力450VA)を用いた場合、その最高出力の75%、走査速度200〜300mm/secの範囲で上記断面形状を有するハーフカット4を施すことができる。 【0022】 図1に示す貼付材では、ライナー3が完全に2つのライナー片3aに分割され、2つのライナー片3a同士の間には隙間が設けられているために、ライナー3の剥離時にその端面同士が接触することなく、スムーズに剥離することができ、その取り扱い性が大きく向上する。その一方、粘着剤層2がわずかに露出され、当該露出領域から、粘着剤や添加剤が滲み出るおそれがあるが、溝幅wを200μm以下に設定することにより、このようなおそれを防ぐことができる。つまり、粘着剤層2中に粘着力を調節するために添加剤を含有させる場合があるが、このような添加剤を25重量%未満を含む場合に、溝幅wを200μm以下とすることによりライナー3側から内容物の滲み出しを抑えることができる。また、添加剤の含有量が25重量%未満である場合には、図1に示すようにライナー3を完全に分割し、粘着剤層2を完全に分割しない範囲で粘着剤層2にまでハーフカット4を設けても内容物の滲み出しを抑えることができる。従って溝幅wが200μm以下であればよく、好ましくは50μm以上に設定される。200μmを越えると露出される粘着剤層2表面が多くなり過ぎ、上記理由から安定性に及ぼす悪影響が大きくなる。特に、粘着力調節のための添加剤を25重量%以上、70重量%未満で含有した場合には、内容物がライナー3側から滲み出すおそれが強くなる。一方、50μm未満であると、十分な剥離性、取り扱い性を確保できなくなる。また、加工時に、以下に述べる盛り上がり部5同士が接触するおそれもあり、取り扱い性に悪影響を及ぼす場合がある。もちろん、添加剤の重量が25重量%未満であれば、ハーフカット4の溝幅wを50μm未満にしても滲み出しを防げる。 【0023】 さらに、ハーフカット4の両側のライナー3(ライナー片3a)表面には、ハーフカット4の溝縁部に断面略半円状の盛り上がり部5が形成されている。ライナー3を剥離する際には、通常、貼付材をハーフカット4の部分において2つ折りにし、ライナー片3aの端部を持ち上げるようにしてライナー3を剥離する。この場合、ライナー片3aの端部に盛り上がり部5を設けることにより、当該部分の厚みが増し、その取り扱いが非常に容易になる。特に、指先の自由が利きにくくなった老人などにとっては、より一層剥離しやいものとなる。さらに、ハーフカット部分が包装材料の内面に接着しにくくなるので、粘着剤層2中の添加剤などの滲み出しによる貼付材の付着(密着)が防止できる。この盛り上がり部5の大きさは特に限定されるものではなく、ハーフカット4の溝幅や深さに委ねられ、その高さは概ね30〜100μmとされる。また、上記レーザー加工によって、この盛り上がり部5を簡単に形成できる。 【0024】 次に図2は本発明の第2の実施形態である貼付材の一部破断した断面図である。この貼付材のハーフカット4においては、図1に示す断面形状とほぼ同様な形状をしているが、その深さはライナー3の厚さT未満であり、粘着剤層2まで達しておらず、2つのライナー片3aがハーフカット4の底部(連接部)でつながった状態になっている点で異なっている。貼付材の粘着力を調整するために、25重量%以上70重量%未満で多量の添加剤を粘着剤に添加することがあるが、この場合、図1に示す貼付材では粘着剤層2が一部露出された状態になるため、粘着剤層2が含有する添加剤の影響で、粘着剤や添加剤が当該ハーフカット4から滲み出し、操作性を損ねたり、安定性に悪影響を及ぼすおそれが強い。しかし、ハーフカット4の深さを粘着剤層2に達しない程度に設け、当該領域において非常に薄いライナー3によって粘着剤層2を覆うことにより、上記のような弊害を防止しながら、取り扱い性を向上できる。 【0025】 このとき、連接部におけるライナー3の厚みは、ライナー3の材質等によっても異なるが、出来る限り薄い方が好ましく、容易に2つのライナー片3aに裂ける程度に設定するのがよい。具体的に言えば、望ましくはライナー3の厚みの1/15未満、すなわちハーフカット4の深さがライナー3の厚みTの14/15以上となるように設定される。このとき、深さが14/15未満であれば、ライナー3の剥離時に、ハーフカット4においてライナー3が2つに切断できないおそれが強くなる。 【0026】 このように、ハーフカット4の断面形状を上記形状にすることにより、粘着剤層2の構成、例えば40重量%もの多量の添加剤を配合した場合にも、粘着剤や添加剤の滲み出しを防止しつつ、操作性、安定性を確保することができる。すなわち、本発明によれば、ハーフカット4の断面形状を変更するという至極簡単な設計変更によって、低コストで安定性を考慮しつつ、その取り扱い性を向上できる。 【0027】 図3は本発明の第3の実施形態である貼付材の一部破断した断面図である。当該貼付材のハーフカット4の断面形状は、単純な矩形状である。ハーフカット4は粘着剤層2にまで達しており、ライナー3が2つのライナー片3aに切断されている。このように、ハーフカット4を単純な略矩形状とすることにしてもよく、溝幅wの調整されたハーフカット4によってライナー3を2つのライナー片3aに切断しても、ライナー3側からの滲み出しを防止しつつ、その取り扱い性を向上できる。 【0028】 当該ハーフカット4の溝幅wも、内容物の滲み出しを抑える観点から、200μm以下であり、ハーフカット4の溝縁部に盛り上がり部5がないため、50μm未満であっても差し支えない。さらに、望ましくは15μm以下に設定される。この方法によっても、粘着力調整のための添加剤を25重量%以上70重量%未満で含有させた場合でも、ライナー3側からの滲み出しを抑えることができる。例えば、粘着剤層2中の添加剤が30重量%以下であるような場合には、この程度の溝幅で内容物の滲み出しを防ぐことができ、安定性を確実に担保できる。また、ライナー3が2つに切断されているため、操作性にも優れたものである。なお、ハーフカット4は必ずしも粘着剤層2に達している必要はなく、ハーフカット4の深さがライナー3の厚みTの14/15以上であれば、操作性を低下させることはない。 【0029】 当該ハーフカット4は、レーザー加工によっても形成できるが、ダイロールによっても簡単に設けることができる。すなわち、一旦ロール状に巻回した積層体から粘着剤層2上に積層されたライナー3を一時的に剥離しながら、ダイロールによってライナー3を切断し、その後直ちに粘着剤層2上に再び貼り合わせることによって、図3に示す貼付材を得ることができる。すなわち、ライナー3を粘着剤層2から部分的に剥離した状態で、その剥離した一部分を切断することになる。この場合には、ダイロールの刃の先端角度が45°未満のものを用いて、溝幅wを20μm未満とするのが好ましく、さらには先端角度30°以下のものを用いて溝幅wを15μm以下とするのが望ましい。ダイロールの刃の先端角度が45°以上になれば、ライナー3側からの滲み出しが多くなり、取り扱い性、安定性に欠けるものとなる。 【0030】 このように、ダイロールを用いて、溝幅wが20μm未満、好ましくは15μm以下で、断面形状が略矩形状ハーフカット4を設けることによっても、取り扱い性に優れ、ライナー3側からの滲み出しが少なく安定性のよい貼付材を安価かつ確実に得ることができる。これによって、添加剤の含有量が25重量%未満の場合はもちろんのこと、25重量%を越え30重量%程度する粘着剤層2(場合によってはこれ以上の添加剤を含有してもよい)であれば、このような単純な断面形状のハーフカット4によって滲み出しを十分に抑えることができる。 【0031】 図4は第4の実施形態である貼付材の断面図である。該貼付材においては、ハーフカット4の断面が断面略逆三角形状(V字形状)に形成されており、ハーフカット4は粘着剤層2にまで達し、その深さがライナー3の厚さTを越え粘着剤層2にまで形成されたものである。このような断面形状に加工することにより、ライナー3の表面部分では、ハーフカット4の溝幅が広くなり、従来例に比してライナー片3aを剥離しやすくなっている。また、ハーフカット4の先端部分は鋭角状になっているため、粘着剤層2にまで達する略矩形状のハーフカット4を設けた場合、例えば図3に示すハーフカット4に比べて、滲み出す粘着剤が実質的に少なくなる。 【0032】 当該ハーフカット4の断面形状も、添加剤の含有量が25重量%未満の粘着剤層2や、25重量%以上70重量%未満の添加剤を含有する粘着剤層2に対して適用できるものであり、このような形状をしたハーフカット4を設けることにしても、安定性を損ねることなく貼付材の取り扱い性を向上させ、低コストで製品の信頼性を高めることができる。 【0033】 このような断面略逆三角形状をした溝状のハーフカット4は、レザー(刃)を用いることによって簡単に形成できる。なお、当該ハーフカット4の溝幅は、ライナー3の厚み及び粘着剤層2の厚みによって相対的に決定されるものであるが、一般的にはライナー3と粘着剤層2との境界において、50μm以上200μm未満に設定される。このハーフカット4は、ライナー3を粘着剤層2に積層した状態でライナー3表面からレザーによる切断によって形成される。また、ダイロールによる場合と同様、積層体から粘着剤層2上に積層されたライナー3を一時的に剥離しながら、レザーを用いてライナー3を切断し、その後直ちに粘着剤層2上に再貼付することによってもハーフカット4を形成できる。 【0034】 図5は第5の実施形態である貼付材の断面図である。この貼付材においては、ハーフカット4は粘着剤層2が露出されない程度の深さ(ライナー3の厚さT未満)とされ、ライナー3を完全に切断するものではない。この場合には、ハーフカット3が設けられた領域(連接部)における厚みは薄い程好ましく、少なくともライナー3厚みTの1/15未満、すなわちハーフカット4の深さがライナー3厚みTの14T/15以上に設定するのが好ましい。このようなライナー厚に設定することにより、ライナー3を容易に2つのライナー片に引き裂くことができる。また、ライナー3の先端は鋭角状になっているため、図2に示すライナー3に比べてより容易に引き裂くことができるという利点もある。この場合、ハーフカット4は粘着剤層2に達していないので溝幅に特に制限はないが、ライナー3の取り扱い性を考慮すればライナー3表面において200μm以下とされる。これは、ハーフカット4が粘着剤層2に達している場合でも同様であって、ライナー3の表面における溝幅が200μmを越えると却って取り扱い性、例えば触感が低下したり、使用前にライナー3が剥離するおそれが強くなる。 【0035】 本発明の貼付材に使用される支持体1や粘着剤あるいはライナー3に用いられる材質は特に限定されるものではなく、従来から使用されている公知である種々の材料が用いられるが、本発明においては、上記どのようなハーフカット4を選択するかは重要な観点であり、貼付材としての特性、特に粘着剤層2の組成、ライナー3の材質によって望ましいものが選択される。また、その製造工程も、ライナー3に粘着剤層2を形成した上で支持体1を設けて貼付材を得る工程に限られず、支持体1に直接粘着剤層2を形成するなど、公知の製造方法に従えばよい。 【0036】 支持体1には、例えば各種プラスチックフィルム、不織布、紙、織布や編布などが用いられる。また、プラスチックフィルムにしても、ポリ塩化ビニル単体若しくはエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン等とその他モノマーとの共重合体物、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルポリエステルなどのポリエステル系ポリマー、ポリエーテルポリアミドブロックポリマー等のポリアミド系ポリマーなどからなる各種フィルムが挙げられる。これらの支持体は、その使用目的に応じて適宜好ましいものが選択される。 【0037】 また、粘着剤としても特に限定されるものではなく、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが用いられる。さらに、これらの粘着剤においては、紫外線照射や電子線照射などの放射線照射による物理的架橋、三官能性イソシアネートなどのイソシアネート系化合物や有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラート、金属キレート化合物、多官能性化合物(多官能性外部架橋剤やジアクリレートやジメタクリレートなどの多官能性内部架橋用モノマー)などの各種架橋剤を用いた化学的架橋処理を必要に応じて施してもよい。 【0038】 さらに、ライナー3には、上記所定の断面形状を有する溝状のハーフカットを設けることができればよく、プラスチック製のライナーであればその材質は特に制限されるものではないが、加工の施しやすさや加工精度を考慮すれば、均一な厚みを有するものが望ましく、その一方、余りにも厚いものや硬いものは好ましくない。当該ライナーには、例えばポリエチレンフィルム(PE)やポリプロピレンフィルム(PP)、ポリエステルフィルム(PET)などが挙げられる。また、これらに紙を貼り合わせた複合フィルム、あるいは紙単独からなるものも好適に使用できるものである。 【0039】 このように、本発明においてはハーフカット4の断面形状を適宜変更することによって、コストを掛けることなく、粘着剤や支持体の特性に応じて安定性や取り扱い性を確保できる。 【実施例】 【0040】 次に本発明の実施例である各種貼付材を作製し、本発明の効果について、その取り扱い性、安定性の観点から評価した。 (粘着剤の製造) 内容積1000Lの重合装置に、2−エチルヘキシルアクリレート(東亜合成社製)228kg、アクリル酸(東亜合成社製)12kg及び酢酸エチル(昭和電工社製)60kgを仕込み、40℃に保ち回転翼を30rpmで回転させながら窒素置換を行なった。また、滴下装置に滴下用として酢酸エチル385kgを準備した。次に、開始剤として「ナイパーBW」(商品名、三井東圧社製)640gを酢酸エチル4kgに溶かしたものを添加し、内浴温度60±2℃で12時間重合を行なった。温度制御は、外浴温度の調整及び酢酸エチルの滴下により行なった。反応終了後、外浴温度を80℃に上げ、さらに25時間加熱を続けた後、最後に滴下用酢酸エチルの残量全てを滴下、冷却して粘着剤の重合溶液を得た。 (貼付材原反の製造) (1)原反Aの製造 上記粘着剤の重合溶液に酢酸エチルを加えて粘度調整をした後、コンマコーターと2ゾーンの乾燥塔を備えた塗工機を用いて、75μm厚、幅60cmのポリエステル製ライナー(三菱化学ポリエステル社製)の剥離処理面に、粘着剤層の幅が58cm、乾燥後の厚みが60μmとなるように塗工した。次いで、乾燥後60cm幅、厚み12μmのポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステル社製)を積層し、全塗工量500mの原反ロール(積層体)を得た。当該原反ロールをスリッターを用いて裁断し、幅7cmの試験用原反Aを調整した。 (2)原反Bの製造 上記粘着剤の重合溶液の固形分75重量部に対して、ミリスチン酸イソプロピル25重量部と粘着剤固形分に対して0.2wt%となるように架橋剤として「コロネートHL」(商品名、日本ポリウレタン社製)を加え、さらに酢酸エチルを加えて溶質分25wt%となるように100kg配合し、これを高速ディスパーで20分間撹拌、塗工液を得た。この塗工液を用いて原反Aと同様にして塗工ロールを得た後、70℃、48時間加熱処理し、その後スリッターを用いて裁断して、幅7cmの試験用原反Bを調整した。 (3)原反Cの製造 粘着剤固形分とミリスチン酸イソプロピルの配合比(重量比)を50:50にした以外は、原反Bの製造と同様にして試験用原反Cを調整した。 (ハーフカットの加工処理) (1)レーザー切断加工 レーザーマーカーML9100(キーエンス社製、CO2レーザー、消費電力450VA)内蔵の切断装置(建徳産業社製)を用い、レーザー出力75%、走査速度70〜400mm/secの範囲でハーフカットを設けた後、当該原反から5cm×5cmの正方形に切り取って貼付材を作製した。この貼付材を、内面がハイトロン樹脂からなる包装材料(東洋アルミ社製)で密封包装した。 (2)ダイロール加工 刃の先端角度が20°、30°、45°であるダイカット装置(日東精機社製、ダイロール:江東彫刻社製)を用いた。各原反を搬送しながら、ライナーを粘着剤層から一旦剥離し、ダイロールによってライナーを搬送方向に切断後直ちに剥離した粘着剤層に再び貼り合わせて巻き取った。その後当該原反より5cm×5cmの正方形に切り取って貼付材を作製した。この貼付材を内面がハイトロン樹脂からなる包装材料(東洋アルミ社製)で密封包装した。 (3)レザー(刃)加工 スリッターS300(三和技研社製)を用いて、搬送速度30m/minで搬送しながら、セラミックス製レザーをライナー側から進入させ、ハーフカットを設けた。その後、5cm×5cmの正方形に切り取って貼付材を作製した。この貼付材を、内面がハイトロン樹脂からなる包装材料(東洋アルミ社製)で密封包装した。 (評価方法) 包装したサンプルを40°、3ヶ月間保存した後、55才以上の男性パネラーに、貼付材の取り扱い性(ライナーの剥離しやすさ)を、良いを5点、悪いを1点として5段階評価してもらった。また、ハーフカットからの包装材内への粘着剤の滲み出しを目視で観察し、滲み出しがない場合を「○」で、滲み出しがわずかな場合を「△」で、滲み出しが認められた場合を「×」で、滲み出しがひどい場合には「××」で表わした。 一方、ハーフカットの断面形状は、マイクロスコープ(キーエンス社製)を用いて観察した。なお、結果表中「−」は、判定の必要がないか又は判定不能を示す。 (検討結果) 評価結果を表1〜表3に示す。 【0041】 各表から分かるように、本発明に係るハーフカットによれば、粘着剤層の特性(例えば、添加剤の含有量)に応じて、幅のあるハーフカットの断面形状を適宜変えることにより、取り扱い性の向上を図ることができる。例えば、レーザー加工によって、所定幅、所定深さのハーフカットを形成し、その両側に盛り上がり部を構成することによりその取り扱い性が一段と向上するだけでなく、安定性も向上する(No.2、3、4、5、8、9、14、15)。この場合には、添加剤が25重量%未満である原反A(添加剤量:なし)の場合のみならず、粘着剤層中の含有量が25重量%である原反B(添加剤量:25.1重量%)、含有量が70重量%未満である原反C(添加剤量50.0重量%)のいずれにおいても、内容物の滲み出しがなく、良好な取り扱い性が得られた。なお、No1、7、13は、ハーフカット部において1T/15以上のライナーが残り、ハーフカットとしての機能を果たさなかった。 【0042】 また、例えば、断面が単純な略矩形状をした溝幅15μm以下のハーフカットを備えることによっても、良好な安定性及び取り扱い性が得られた(No.21、24、25、27、28)。この場合も、いずれの原反でも内容物の滲み出しを抑えることができた。 【0043】 さらに、粘着剤の種類(原反A、B)によっては、レザー(刃)加工を施し、断面略逆三角形状の溝状をしたハーフカットを設けても、安定性、取り扱い性を向上することができた(No.31、32)。 【0044】 【表1】
【0045】 【表2】
【0046】 【表3】
【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】本発明の一実施形態である貼付材を一部破断した断面図である。 【図2】本発明の別な実施形態である貼付材を一部破断した断面図である。 【図3】本発明のさらに別な実施形態である貼付材を一部破断した断面図である。 【図4】本発明のさらに別な一実施形態である貼付材を一部破断した断面図である。 【図5】本発明のさらに別な実施形態である貼付材を一部破断した断面図である。 【図6】従来例である貼付材の斜視図である。 【図7】別な従来例である貼付材の斜視図である。 【符号の説明】 【0048】 1 支持体 2 粘着剤層 3 ライナー 3a ライナー片 4 ハーフカット 5 盛り上がり部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003964 【氏名又は名称】日東電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年11月7日(2007.11.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−62075(P2008−62075A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2007−289237(P2007−289237) |
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