| 【発明の名称】 |
吸収性物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】味村 浩司
【氏名】糸井 隆
【氏名】山崎 大輔
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| 【要約】 |
【課題】消臭効果が一層優れた吸収性物品を提供すること。
【構成】本発明の吸収性物品は、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる、BET比表面積が10m2/g以上で且つ金属イオンを含有している消臭粒子を備えている。前記消臭粒子は水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により得られたものであることが好ましい。また、本発明の吸収性物品は、表面シート11、裏面シート12及び両シート11,12間に配置された吸収体10を備えており、前記消臭粒子は、粒子の状態で、吸収体10の構成繊維に担持されていることが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる、BET比表面積が10m2/g以上で且つ金属イオンを含有している消臭粒子を備えた吸収性物品。 【請求項2】 前記消臭粒子は水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により得られたものである請求項1記載の吸収性物品。 【請求項3】 表面シート、裏面シート及び両シート間に配置された吸収体を備えており、 前記消臭粒子は、粒子の状態で、吸収体の構成繊維に担持されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。 【請求項4】 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在する吸収体を備えており、 繊維材料に前記消臭粒子が付着して形成された粒子付着シートが、表面シートと吸収体との間、吸収体内又は吸収体と裏面シートとの間に配設されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。 【請求項5】 前記粒子付着シートは湿式抄造法により得られたものである請求項4記載の吸収性物品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、消臭能を有する吸収性物品に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、使い捨ておむつ等の吸収性物品においては、ゼオライトや活性炭等の消臭剤を用いて、排泄物の臭いを吸収性物品の外に出さないようにした消臭効果を有するものが提案されている(例えば、本出願人の先願に係る下記特許文献1参照)。 特許文献1記載の吸収性物品は、特定の開口面積を有する細孔を特定の割合で有する消臭剤を用いることにより、前述の消臭効果を奏するものである。 【0003】 【特許文献1】特開2001−70339号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 特許文献1記載の吸収性物品によれば、相当の消臭効果が奏されるが、吸収性物品においては、消臭効果の一層の向上が望まれている。 【0005】 従って、本発明の目的は、消臭効果が一層優れた吸収性物品を提供することにある。 【0006】 本発明は、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる、BET比表面積が10m2/g以上で且つ金属イオンを含有している消臭粒子を備えた吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。 【発明の効果】 【0007】 本発明の吸収性物品は、悪臭ガスの性質によらず高い消臭能を示す消臭粒子を備えることで、優れた消臭効果を奏させている。該消臭粒子は、ポリマー粒子中のヘテロ芳香環に金属イオンを担持させることにより、消臭能が飛躍的に高まり、多数の悪臭成分の複合臭である人尿に対しても非常に高い消臭能を示す。従って、本発明の吸収性物品は、排泄物に起因する悪臭を効果的に消臭することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態に基づき説明する。本発明の吸収性物品は、主として尿や経血等の排泄体液を吸収保持するために用いられるものである。本発明の吸収性物品には、例えば、使い捨ておむつ、失禁パッド、生理用ナプキンが包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。 【0009】 本発明の吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。表面シート及び裏面シートとしては、当該技術分野において通常用いられている材料を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シートとしては、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。裏面シートとしては、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネート等の液不透過性又は撥水性のシートを用いることができる。裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。 吸収性物品は、更にその具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。例えば、吸収性物品を使い捨ておむつや生理用ナプキンに適用する場合には、吸収性物品の左右両側部に一対の立体ガードを配置することができる。 【0010】 本発明の吸収性物品は、消臭粒子を備えている。該消臭粒子は、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合することにより得ることができる。 【0011】 架橋性ビニルモノマーは、ビニル基を二つ以上有するモノマーである。架橋性ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、ジビニルベンゼンが好ましい。モノマー成分中の架橋性ビニルモノマーの割合が大きいほど、BET比表面積の大きい消臭粒子が得られる。従って、全モノマー成分中における架橋性ビニルモノマーの割合は、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。該割合の上限は、98質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。 【0012】 ヘテロ芳香環を有するビニルモノマーは、ビニル基及びヘテロ芳香環を含む化合物であれば特に制限されない。ヘテロ芳香環とは、環状の有機化合物における環であって、構成要素として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などを含むものをいう。窒素原子を含むものとしては、ピリジン、ピロール、キノリン等の窒素原子を環に1個有するもの、イミダゾール、ピリミジン、ピラジン、ピラゾール等の窒素原子を環に2個有するものが例示される。また、チオフェン、チアゾール等の硫黄原子を環に有するもの、フラン等の酸素を環に有するものが例示される。ヘテロ原子の有する孤立電子対が悪臭物質の吸着を高め、また、金属イオンの化学結合に関与するものと考えられる。これらの中でも、ピリジン、イミダゾール、ピリミジンが好ましい。ヘテロ芳香環を有するビニルモノマーとしては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリミジン等が挙げられ、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンが好ましい。 【0013】 十分に悪臭成分を吸着させるため、また十分な量の金属塩を担持させるために、全モノマー成分中のヘテロ芳香環を有するビニルモノマーの割合は十分に大きいことが好ましく、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましい。また、消臭粒子のBET比表面積を大きくすることで吸収効果を高める場合には、全モノマー成分中のヘテロ芳香環を有するビニルモノマーの割合は、50質量%以下にすることが好ましく、30質量%以下にすることがより好ましい。 【0014】 本発明における消臭粒子においては、モノマー成分として、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマー以外に、これらと共重合可能な他のモノマーを用いることができる。該他のモノマーとしては、例えば、芳香族系ビニルモノマー、不飽和酸エステル、不飽和酸等が挙げられる。芳香族系ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルベンジルクロライド等が例示され、不飽和酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が例示され、不飽和酸としては、(メタ)アクリル酸が例示される。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も用いることができる。これらの中では芳香族系ビニルモノマーが好適であり、特にスチレンが好ましい。 【0015】 尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。 【0016】 本発明における消臭粒子のBET比表面積は、架橋性ビニルモノマーの割合や、重合に用いる有機溶剤の選定により任意に設定することができが、大きいほど消臭効果が高い。高い物理消臭能を有する観点から、10m2/g以上であり、50m2/g以上が好ましく、200m2/g以上がより好ましく、300m2/g以上がさらに好ましい。BET比表面積の上限は特に限定されないが、800m2/g以下が好ましい。なおBET比表面積は、下記実施例に示すBET1点法により求めた値である。 消臭粒子の粒径は、特に規定されず、これが用いられる吸収性物品に応じて適当なものを選定することができる。消臭粒子は、粒径が0.1〜5mm程度の粒状でもよく、粒径が0.1〜100μm程度の粉末でもよい。粒径が0.1〜10μmの粉末の消臭粒子を用いると他の材料との配合が容易である。湿式抄造法に使用する場合には、粒径は、1〜1000μmであることが好ましく、特に10〜200μmであることが好ましい。 【0017】 本発明における消臭粒子は、水中油型懸濁重合法又は沈殿重合法により製造することが好ましい。 【0018】 水中油型懸濁重合法においては、架橋性ビニルモノマーとヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分、有機溶剤、界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、水中油型エマルションを調製する。該エマルションを加熱して重合させると、ポリマー粒子が有機溶剤から相分離して生成される。その後、濾過を行い、水及び界面活性剤を除き、更に乾燥させて有機溶剤を除去することにより、多孔性の消臭粒子を得ることができる。 【0019】 沈殿重合法においては、架橋性ビニルモノマーとヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分、有機溶剤、必要に応じて重合開始剤を混合し、これらの混合物を加熱して重合させることによってポリマー粒子が生成される。その後、乾燥させて有機溶剤を取り除き、多孔性の消臭粒子を得ることができる。 【0020】 水中油型懸濁重合法で用いる有機溶剤としては、芳香族化合物及び脂肪族炭化水素及びアルコール類から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、シクロヘキサン、n−ブタノール、t−ブタノール、1−ヘキサノール等が挙げられ、ヘプタン、オクタン、トルエンが好ましい。有機溶剤の使用割合は、粒子の比表面積を低下させない観点から、使用する全モノマー質量に対して5質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。また良好な重合速度を得る観点から、使用する全モノマー質量に対して300質量%以下が好ましく、150質量%以下がより好ましい。 【0021】 沈澱重合法で用いる有機溶剤としては、上記水中油型懸濁重合法で用いられる有機溶剤に加え、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、メチルイソブチルカルビノール等のような水溶性の高いアルコール類を、単独あるいは他の有機溶剤と混合して、モノマー成分との溶解度パラメータ差の絶対値が0〜2.0になるようにして用いることが可能である。有機溶剤の使用割合は、粒子の比表面積を低下させず、また溶液のゲル化を防止して均一に撹拌させる観点から、使用する全モノマー質量に対して100質量%以上が好ましく、200質量%以上がより好ましい。また良好な重合速度を得る観点から、使用する全モノマー質量に対して1000質量%以下が好ましく、500質量%以下がより好ましい。 【0022】 水中油型懸濁重合法及び沈澱重合法によって十分なBET比表面積を持つ消臭粒子を得るためには、モノマー成分と有機溶剤の溶解度パラメータとの差が小さいことが望ましい。溶解度パラメータとは、Fedorsの方法[R.F.Fedors, Polym. Eng. Sci., 14, 147(1974)]により計算され、単位は(cal/cm3)1/2で表されるものである。溶解度パラメータは、モノマー成分と有機溶剤との親和性を表す指標の一つであり、この値が近いほど両者の相溶性が高いことを示す。 【0023】 化合物の溶解度パラメータδは次式で求められる。 δ=(ΔE/V)1/2 (cal/cm3)1/2 (式中、ΔEは蒸発エネルギー、Vはモル体積を表す。) 【0024】 また、2種以上の化合物から成る混合物の溶解度パラメータδmixは、次式で表される。 δmix=Σδiφi (cal/cm3)1/2 (式中、δiは混合物を構成する各成分の溶解度パラメータ、φはその成分の体積分率を示す。) 【0025】 モノマー成分と有機溶剤との溶解度パラメータの差が大き過ぎると、得られる消臭粒子のBET比表面積が著しく小さくなる。従って、BET比表面積が大きい消臭粒子を得るためには、モノマー成分と有機溶剤との溶解度パラメータの差の絶対値を0〜2.0とすることが好ましい。溶解度パラメータの差の絶対値は、1.6以下であることがより好ましい。水中油型懸濁重合法によって消臭粒子を製造する場合には、溶解度パラメータの差の絶対値の下限には特に制約はない。沈殿重合法によって消臭粒子を製造する場合には、溶解度パラメータの差の絶対値は0.5以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。 【0026】 水中油型懸濁重合法で用いる界面活性剤は、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を水と混合した際に、安定な水中油型エマルションを形成できるものであれば特に制限されない。該界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、N−ステアリルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのサルフェート塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリビニルアルコール等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、N−ステアリルタウリン酸ナトリウム又はポリビニルアルコールが好ましい。用いる界面活性剤の量は、水中油型乳化状態が安定であれば特に制限はないが、水に対して濃度が0.01〜3質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。 【0027】 重合開始剤は、熱でラジカル分解してモノマーの付加重合を開始させるもので、例えば、油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が一般的である。 【0028】 本発明における消臭粒子は、更に金属イオンを含有している。消臭粒子は、そのポリマー表層に存在するヘテロ芳香環との配位結合により、その細孔表面に金属イオンを担持させることが可能である。この場合、アンモニア、アミン類、メルカプタン類、脂肪酸等の悪臭ガスは、金属イオンとの配位結合により吸着される。つまり、金属イオンを担持した消臭粒子は、大きなBET比表面積による物理消臭能と、担持した金属イオンによる化学消臭能とを兼ね備えた格段に高い消臭能を持つ粒子である。 【0029】 金属イオンとしては、例えば、銀イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ジルコニウムイオン、セリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、白金イオン等が挙げられ、銀イオン、亜鉛イオンが好ましい。 【0030】 金属イオンを担持した消臭粒子は、上記重合終了後のスラリー、又は乾燥し且つ有機溶剤を除去した粒子と、金属塩を溶解させた溶剤とを接触させ、必要であれば30〜80℃に加熱しながら混合することにより製造することができる。 金属イオンの担持量は、ポリマー粒子に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。金属イオンの担持量の上限は、特に制限されないが、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。 【0031】 消臭粒子に金属イオンを担持させるために用いられる金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に制限されない。該金属塩としては、例えば、硝酸銀、硝酸アルミニウム、硝酸コバルト、硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸銅、硝酸ニッケル、酢酸銀、塩化セリウム、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、塩化銅、過塩素酸銀、過塩素酸アルミニウム、過塩素酸白金、過塩素酸亜鉛、過塩素酸ジルコニウム、硫酸銀、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸亜鉛等が挙げられ、これらを単独で用いても、2種類以上用いてもよい。特に好ましくは硝酸銀、酢酸銀、及び塩化亜鉛である。 【0032】 金属塩を溶解させる溶剤は、用いる金属塩が溶解し、消臭粒子が均一に分散するものであれば特に制限されない。該溶剤としては、例えば、水、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、グリセリン等のアルコール類が挙げられ、これらを単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。 【0033】 吸収性物品が消臭粒子を備える構成は、特に制限されないが、表面シート、裏面シート及び両シート間に配置された吸収体を備えた典型的な形態の吸収性物品においては、例えば、(a)消臭粒子が粒子の状態で吸収体の構成繊維に担持されている構成、(b)繊維材料に消臭粒子が付着して形成された粒子付着シートが、表面シートと吸収体との間、吸収体内又は吸収体と裏面シートとの間に配設されている構成が挙げられる。 【0034】 (a)の消臭粒子が粒子の状態で吸収体の構成繊維に担持されている構成は、例えば、短繊維又は長繊維のウエブ等の構成繊維の集合体に、消臭粒子を散布し、それらを台紙で被覆することで得られる。構成繊維には、更に高吸収性ポリマーを担持させることができる。その場合には、散布前に消臭粒子及び高吸収性ポリマーを予め混合しておき、その混合物を構成繊維の集合体に散布するのが簡便である。また、消臭粒子を予め高吸収性ポリマーに付着しておき、その付着物を構成繊維の集合体に散布しても良い。 吸収性物品に配合する消臭粒子の量は、特に制限されないが、例えば尿を100ml吸収する吸収性物品の場合、物品1枚あたり40mg以上が好ましい。 【0035】 (b)の粒子付着シートにおける繊維材料は、湿式抄紙の可能なものが好ましい。好ましい繊維材料としては、例えば、パルプ、レーヨン等のセルロース系繊維が挙げられる。これらの繊維に加えて熱可塑性樹脂からなる熱融着性繊維を少量併用することもできる。 【0036】 (b)の粒子付着シートは、消臭粒子を含む単層シートの形態でもよく、消臭粒子を含む複数のシートが積層されてなる積層シートの形態でもよい。粒子付着シートが単層シートの形態である場合、該シートは、例えば、繊維材料及び消臭粒子を含むスラリーを原料とした湿式抄造法によって製造される。 【0037】 粒子付着シートが積層シートの形態である場合、該シートの一例としては、図1に示す形態の複層のシートが挙げられる。図1に示す粒子付着シート1は、同サイズの長方形形状の2枚のパルプシート間、即ち第1のパルプシート2,第2のパルプシート3間に、これらのパルプシート2,3よりも幅方向の長さが短い長方形形状の内層シート4を介在させてなる積層シートである。内層シート4は、消臭粒子が付着した繊維材料のシート、つまり、先に述べた単層のシートと同様のものである。内層シート4は、2枚のパルプシート2,3間に幅方向中央部で挟持されている。内層シート4とパルプシート2,3とは、抄き合わせによって積層されている。 【0038】 粒子付着シート1の側部1a,1bには、その長さ方向全体に亘って内層シート4が介在されておらず、該側部1a,1bは、2枚のパルプシート2,3が積層されてなる2層構造となっている。側部1a,1bにおけるパルプシート2,3同士がそれぞれ接合されることにより、粒子付着シート1の両側端部が封止されて、該側端部からの消臭粒子の脱落が防止される。側部1a,1bの幅は、消臭粒子の脱落防止及び消臭粒子の機能を十分に発現させる点から、好ましくは0.1〜20cm、更に好ましくは1〜6cmである。 【0039】 消臭粒子が付着した繊維材料のシート(つまり前述した単層のシート及び内層シート4)は、前述した通り、繊維材料及び消臭粒子を含むスラリーを原料とした湿式抄造法によって製造される。繊維材料への消臭粒子の付着量を高める観点から、スラリー中に凝集剤を添加してもよい。凝集剤としては、例えばポリアクリルアミドが好適に用いられる。スラリー中における消臭粒子の量は、繊維材料100質量部に対して0.1〜50質量部、特に0.5〜30質量部であることが好ましい。スラリー中における繊維材料の濃度は、0.5〜5.0質量%、特に1.0〜3.0質量%であることが好ましい。 【0040】 湿式抄造法によって得られたシート(つまり前述した単層のシート及び内層シート4)における消臭粒子の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、2質量%以上が一層好ましい。含有量の上限に特に制限はないが、経済的な観点からは、30質量%以下であることが好ましい。具体的な用途にもよるが、該シートの坪量は、好ましくは10〜100g/m2、更に好ましくは10〜50g/m2である。 【0041】 粒子付着シートは、破断片状に小さく切り刻んで使用することもできる。例えば、破断片状に切り刻まれた粒子付着シートを、吸収体の構成繊維に担持させて用いることができる。 また、消臭粒子が付着した繊維材料の高濃度スラリーを、押出機からストランド状に押し出し、所定の大きさに切断して粒状となし、それを、吸収体の構成繊維に担持させて用いることができる。 【0042】 粒子付着シートは、例えば、液透過性の表面シートと液保持性の吸収体との間、該吸収体内、又は該吸収体と液不透過性又は撥水性の裏面シートとの間に配設することができる。図2には、吸収体を図1で示した複層の粒子付着シートで被覆した状態が示されている。粒子付着シート1は単層でも良い。吸収体10は、パルプ繊維と高吸収性ポリマーの粒子とから構成されている。吸収体10は、粒子付着シート1の一側部1aと他側部1bとが重ね合わされるようにして、粒子付着シート1に被覆されている。この状態下、吸収体10は、表面シート(図示せず)と裏面シート(図示せず)とに挟持されている。 従って、本形態においては、粒子付着シート1は、吸収性物品における表面シートと吸収体10との間、及び裏面シートと吸収体10との間に配設されることになる。 【0043】 また、粒子付着シート1は、吸収体内に配設することができる。具体的には、図4に示すように、構成繊維の集合体13とそれを包む台紙14とからなる吸収体10において、粒子付着シート1は、構成繊維の集合体13を外包し且つ台紙14に内包された形態で配設されている。吸収体10は、表面シート11と裏面シート12とに挟持されている。 【実施例】 【0044】 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。以下の例中、特に断りのない限り「%」は、「質量%」を意味する。 【0045】 〔実施例1−1〕 消臭粒子を、以下に示す水中油型懸濁重合法により得た。オクタン112.5g及びトルエン37.5gにモノマー(スチレン/ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=12.5%/75%/12.5%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解させ、これに、N−ステアリルタウリン酸ナトリウム1.5gを溶かし込んだ500gの水を加えて重合槽に仕込んだ。このとき、モノマー混合物及び有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.32(cal/cm3)1/2、7.92(cal/cm3)1/2であり、その差は1.40(cal/cm3)1/2であった。その後、仕込まれた混合液を、ホモジナイザーを用いて、10000rpmで5分間撹拌することで乳化させ、これを200rpmの撹拌条件下、85℃で4時間、更に95℃で3時間加熱することで重合し、水と有機溶剤を濾過して除いた後に乾燥し、消臭粒子を得た。消臭粒子の体積平均径は7.3μmであった。得られた消臭粒子100gを、硝酸銀0.5gを溶解させたエタノール1000gに加え、室温で6時間撹拌し、担持処理を行った。これを濾過した後、水洗浄し、硝酸銀担持消臭粒子を得た。得られた消臭粒子のBET比表面積は416m2/g、銀イオン含有率は0.27%であった。体積平均径、BET比表面積及び銀イオン含有率は次の方法で測定した。 【0046】 体積平均径:消臭粒子をコーヒーミルで解砕し、ヘキサンに分散させた状態でコールターカウンター(Coulter Corporation製)により測定した。 BET比表面積:フローソーブ2300(島津製作所製)を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%、ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、120℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の質量で除して比表面積を求めた。 銀イオン含有率:モノクロ励起EDX蛍光X線を用いて測定した。 【0047】 得られた消臭粒子を用いて、図3に示す構造のモデル吸収性物品を作製した。具体的には、吸収体10の構成繊維として、パルプ繊維の集合体13を2g用い、この集合体13に、消臭粒子を20mg、高吸収性ポリマーを2gそれぞれ散布して担持させた。これを台紙14(坪量15g/m2)で包み、吸収体10を形成した。 そして、吸収体10を、表面シート11(エアスルー不織布:25g/m2)と、裏面シート12(透湿フィルム:40g/m2)とで挟み込むように包んだ。このようにしてモデル吸収性物品を作製した。 【0048】 〔実施例1−2〕 吸収体10における消臭粒子の含有量を40mgとした。それ以外は、実施例1−1と同じである。 〔実施例1−3〕 吸収体10における消臭粒子の含有量を78mgとした。それ以外は、実施例1−1と同じである。 【0049】 〔実施例2−1〕 消臭粒子を、以下に示す沈殿重合法により得た。 オクタン225g及びトルエン75gにモノマー(スチレン/ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=12.5%/75%/12.5%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解して加えて重合槽に仕込んだ。このとき、モノマー混合物及び有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.32(cal/cm3)1/2、7.92(cal/cm3)1/2であり、その差は1.40(cal/cm3)1/2であった。その後、仕込まれた混合液を85℃で4時間、更に95℃で3時間加熱することで重合した後、乾燥し、消臭粒子を得た。得られた消臭粒子100gを、硝酸銀0.5gを溶解させたエタノール1000gに加え、室温で6時間撹拌し、担持処理を行った。これを濾過した後、水洗浄し、硝酸銀担持消臭粒子を得た。得られた消臭粒子のBET比表面積は486m2/g、銀イオン含有率は0.28%であった。 消臭粒子の製造方法が異なる以外は、実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製した。 【0050】 〔実施例2−2〕 吸収体における消臭粒子の量を40mgとした。それ以外は、実施例2−1と同じである。 〔実施例2−3〕 吸収体における消臭粒子の量を78mgとした。それ以外は、実施例2−1と同じである。 【0051】 〔比較例1−1〜1−3〕 比較例1−1〜1−3は、それぞれ実施例1−1〜1−3に比して、前記消臭粒子に代えて、同量の塩化亜鉛賦活活性炭を用いている。それ以外は実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製した。 【0052】 〔比較例2〕 粒子を以下に示す懸濁重合法により得た。それ以外は実施例1−3と同様にモデル吸収性物品を作製した。 オクタン112.5g及びトルエン37.5gにモノマー(スチレン/ジビニルベンゼン=25%/75%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解させ、これに、N−ステアリルタウリン酸ナトリウム1.5gを溶かし込んだ500gの水を加えて重合槽に仕込んだ。このとき、モノマー混合物及び有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.27(cal/cm3)1/2、7.92(cal/cm3)1/2であり、その差は1.35であった。その後、仕込まれた混合液を、ホモジナイザーを用いて、10000rpmで5分間撹拌することで乳化させ、これを200rpmの撹拌条件下、85℃で4時間、更に95℃で3時間加熱することで重合し、水と有機溶剤を濾過して除いた後に乾燥し、粒子を得た。得られた粒子のBET比表面積は、427m2/gであった。 【0053】 〔比較例3〕 比較例3は、実施例1−3に比して、前記消臭粒子に代えて、非多孔ポリスチレン粒子であるGP−1B(東洋スチレン(株)製:BET比表面積0.17m2/g)を同量用いている。それ以外は実施例1−3と同様にモデル吸収性物品を作製した。 【0054】 〔比較例4〕 実施例1−1に比して、前記消臭粒子を省略した。それ以外は実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製した。 【0055】 〔消臭能の評価方法〕 成人男性5名の尿を各100ml混合した人尿500mlを調整する。前記各実施例及び各比較例で得られたモデル吸収性物品に人尿30gを吸収させ、容積1.2リットルの密閉容器(タイトボックスNo.3:蝶プラ工業株式会社製)中に素早く入れて気密状態にした。60分後に該容器の蓋を開け、容器中の臭いを5名のモニターに評価させた。その評価基準は以下の通りである。5人の評価の平均を算出し、その値を臭気強度の官能値とした。官能値は、その値が小さいほど臭気が弱いことを意味する。なお、使用した人尿は、実施例及び比較例で全て同じものを用いた。評価結果を下記表1に示す。 【0056】 〔評価基準〕 3.0;尿特有の匂いを強く感じる 2.0;尿特有の匂いを感じる 1.0;匂いを感じるが、尿臭の匂いとは感じられない 0.0;匂いがしない 【0057】 【表1】
【0058】 表1に示す結果から明らかなように、本発明の実施例(実施例1−1〜1−3及び実施例2−1〜2−3)においては前記消臭粒子を備えることにより、活性炭からなる従来の消臭剤(比較例1−1〜1−3)と同等以上の消臭能が得られることがわかる。活性炭からなる消臭剤は黒色を呈しているのに対し、本発明における消臭粒子は、白色であるため吸収性物品用の消臭剤として特に適している。また、ヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含まない粒子(比較例2)やBET比表面積が小さい粒子(比較例3)は消臭性能が低い。 【0059】 また、下記実施例3−1〜3−3及び前記実施例1−1〜1−3を用いて、吸収性物品の構成の相違による消臭能の差について評価した。 【0060】 〔実施例3−1〕 実施例1−1における消臭粒子と同じ消臭粒子を用いて、以下に示す湿式抄造法により粒子付着シートを作製した。 消臭粒子、針葉樹クラフトパルプ、湿潤紙力剤(WS4024:星光PMC社製)、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤(アコフロックA95:三井アクアポリマー社製)を添加混合し、スラリーを得た。パルプは、叩解によってそのCSFが200mlに調整されたものを用いた。スラリー中におけるパルプ濃度は2%、消臭粒子の濃度はパルプに対して3%、湿潤紙力剤の濃度はパルプに対して0.5%、高分子凝集剤の濃度はパルプに対して0.1%であった。このスラリーを原料として、手すき抄紙機により25cm×25cmの粒子付着シートを得た。その坪量は30g/m2であった。このシートを20cm×20cmに切り、粒子付着シート1を得た。粒子付着シート1における消臭粒子の量は20mgであった。 【0061】 そして、この粒子付着シートを用いて、図4に示す構造のモデル吸収性物品を作製した。具体的には、吸収体10の構成繊維として、パルプ繊維の集合体13を2g用い、この集合体13に、高吸収性ポリマーを2g散布して担持させた。これを粒子付着シート1で包み、更に、台紙14で包み、吸収体10を形成した。 そして、吸収体10を、表面シート11と裏面シート12とで挟み込むように包んだ。このようにしてモデル吸収性物品を作製した。尚、特に説明しない点は実施例1−1と同じである。 【0062】 〔実施例3−2〕 消臭粒子の濃度をパルプに対して6%にしたこと、及び粒子付着シート1における消臭粒子の量が36mgであった以外は、実施例3−1と同じである。 【0063】 〔実施例3−3〕 消臭粒子の濃度をパルプに対して10%にしたこと、及び粒子付着シート1における消臭粒子の量が60mgであった以外は、実施例3−1と同じである。 【0064】 実施例1−1〜1−3及び実施例3−1〜3−3を、前記〔消臭能の評価方法〕により評価した。その評価結果を前記表1及び下記表2に示す。 【0065】 【表2】
【0066】 表1及び表2に示す結果から明らかなように、消臭粒子を粒子の状態で吸収体の構成繊維に担持させた形態(実施例1−1〜1−3)と、消臭粒子を粒子付着シートに含ませた形態(実施例3−1〜3−3)とで、同様の消臭能が得られることがわかる。 【0067】 〔実施例4〕 消臭粒子を、以下に示す水中油型懸濁重合法により得た。トルエン30g、t−ブタノール20gにモノマー(ジビニルベンゼン/2−ビニルピリジン=75%/25%)100g及び過酸化ラウロイル3gを溶解させ、これに、N−ステアリルタウリン酸ナトリウム1.5gを溶かし込んだ500gの水を加えて重合槽に仕込んだ。モノマー混合物と有機溶剤の溶解度パラメータはそれぞれ9.37(cal/cm3)1/2、9.40(cal/cm3)1/2であり、その差は0.03(cal/cm3)1/2であった。その後、仕込まれた混合液を、ホモジナイザーを用いて、10000rpmで5分間撹拌することで乳化させ、これを200rpmの撹拌条件下、55℃で4時間、65℃で3時間加熱することで重合し、水と有機溶剤を濾過して除いた後に乾燥し、消臭粒子を得た。消臭粒子の体積平均径は5.3μmであった。得られた消臭粒子100gを硝酸銀0.5gを溶解させたエタノール100gに加え、室温で6時間担持処理を行った。これを濾過した後、水洗浄し、硝酸銀担持消臭粒子を得た。得られた消臭粒子のBET比表面積は18.3m2/g、銀イオン含有率は0.14%であった。 消臭粒子の製造方法が異なること、消臭粒子の量が50mgであること以外は、実施例1−1と同様にモデル吸収性物品を作製し、前記〔消臭能の評価方法〕により評価した。その評価結果を下記表3に示す。 【0068】 【表3】
【図面の簡単な説明】 【0069】 【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態における粒子付着シートを示す斜視図である。 【図2】図1に示す粒子付着シートで吸収体を被覆した状態を示す斜視図である。 【図3】実施例1−1で作製した吸収性物品の幅方向の断面図である。 【図4】実施例3−1で作製した吸収性物品の幅方向の断面図である。 【符号の説明】 【0070】 1 粒子付着シート 2,3 パルプシート 4 内層シート 10 吸収体 11 表面シート 12 裏面シート
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年6月27日(2007.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修
【識別番号】100101292 【弁理士】 【氏名又は名称】松嶋 善之
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| 【公開番号】 |
特開2008−62029(P2008−62029A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2007−168521(P2007−168521) |
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