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【発明の名称】 吸収性物品の個装構造
【発明者】 【氏名】森田 彩希

【要約】 【課題】ワンステップ装着方式を実現しながら、使用面側に手が触れずに下着への装着を可能にすることによって衛生状態を維持したウイング状フラップ付き吸収性物品の個装構造を提供する。

【構成】ナプキン1は個装状態で、ウイング状フラップW、Wが透液性表面シート3側に折り畳まれ、本体ズレ止め粘着剤層9,9…及びウイングズレ止め粘着剤層10、10を剥離可能に覆うとともに、生理用ナプキン1を個装する包装シート20によって包装され、この包装シート20が、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分20Aを有し、透液性表面シート3側から生理用ナプキン1の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態とし、かつ各折返しシート部分20A、20Aにより各粘着剤層9…、10…を覆う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の裏面シート側の面に本体ズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品の個装構造であって、
前記吸収性物品は、前記本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆うとともに、前記吸収性物品を個装する包装シートによって包装され、
前記包装シートは、前記裏面シート外面の幅方向略中央に吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で前記吸収性物品を個装していることを特徴とする吸収性物品の個装構造。
【請求項2】
透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の両側部に夫々、外方に延在するウイング状フラップが形成されるとともに、前記本体部分の裏面シート側の面に本体ズレ止め粘着剤層が形成されるとともに、前記ウイング状フラップの裏面シート側の面にウイングズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品の個装構造であって、
前記吸収性物品は、前記ウイング状フラップが前記透液性表面シート側又は裏面シート側に折り畳まれ、前記本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆うとともに、前記吸収性物品を個装する包装シートによって包装され、
前記包装シートは、前記裏面シート外面の幅方向略中央に吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で前記吸収性物品を個装していることを特徴とする吸収性物品の個装構造。
【請求項3】
前記ウイング状フラップは前記透液性表面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分を有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各折返しシート部分により前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、片側のウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造。
【請求項4】
前記ウイング状フラップは前記裏面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、両側部分に夫々、内面側へ折り返した第1折返しシート部分と、この第1折返しシート部分に連続して折り返された第2折返しシート部分とを有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各第1折返しシート部分により前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、前記各第2折返しシート部分により片側のウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造。
【請求項5】
前記ウイング状フラップは前記透液性表面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの側縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態としてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造。
【請求項6】
前記ウイング状フラップは前記裏面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分を有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各折返しシート部分は一方側の面で前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、他方側の面でウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造。
【請求項7】
前記包装シートには、少なくとも本体ズレ止め粘着剤層及び/又はウイングズレ止め粘着剤層を覆う部分に離型処理を施すか、剥離用シート材が一体的に接合されている請求項1〜6いずれかに記載の吸収性物品の個装構造。
【請求項8】
前記開封端に摘み用タブを備える請求項1〜7いずれかに記載に吸収性物品の個装構造。
【請求項9】
前記包装シートの両側縁部と前記ウイング状フラップの先端部とを、前記本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層との粘着強度よりも大きな粘着強度で剥離可能に接着してある請求項2〜7いずれかに記載の吸収性物品の個装構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも下着のクロッチ部分の内面に接着固定して使用される本体ズレ止め粘着剤層を備えた吸収性物品の個装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート、失禁パッドなどの吸収性物品Nとしては、例えば図18および図19に示されるように、ポリエチレンシートまたはポリエチレンラミネート不織布などからなる裏面シート50と、不織布または透孔性プラスチックシートなどからなる透液性表面シート51との間に綿状パルプなどからなる吸収体52を介在させたものが知られている。
【0003】
この種の吸収性物品Nとしては、装着状態でのズレ止めを図るために、例えば非肌当接面側(外面)に1または複数条の粘着剤層53,53を形成し、かつナプキン本体の長手方向両側部に、外方に延在するウイング状フラップW、Wを一体的に形成するとともに、このウイング状フラップW、Wの裏面シート50側の面(外面)に粘着剤層54,54を設けるようにしたものが存在する。
【0004】
前記吸収性物品Nを下着30に固定する際には、図20に示されるように、吸収性物品Nを局所にあてがい、側方に突出する前記ウイング状フラップW、Wを下着より取り出し、両ウイング状フラップW、Wを折返し線RL、RLで折返し、下着のクロッチ部分を巻き込むようにしながら下着30の股間部外面に接着するようにする。
【0005】
一方、前記吸収性物品Nを個装するに際しては、いくつかの態様が提案されている。例えば、下記特許文献1では、前記ウイング状フラップW、Wを非使用面側(裏面側)に折り畳んだ状態(以下、便宜的に背折りということもある。)で個装袋に封入する態様が開示され、下記特許文献2では、図21に示されるように、前記ウイング状フラップW、Wを使用面側に折り畳み(以下、便宜的に腹折りということもある。)、各粘着剤層54,54を覆うとともに、これら粘着剤層54,54間に跨る剥離紙56によって連結した状態で個装袋に封入する態様が開示されている。
【0006】
また、下記特許文献3では、フラップを腹折りした衛生ナプキンにおいて、該衛生ナプキンの長さ方向に配向される二つの脚部と両脚部の略中央に懸架するように形成された横バーとから構成されたH字形状剥離ストリップを、前記横バーがフラップに橋渡され且つフラップの接着剤パッチに剥離可能に貼着するとともに、該横バーの両側部に設けられた前記二つの脚部が前記衛生ナプキンの長さ方向側辺縁部を巻いてバックシートの接着剤パッチに剥離可能に貼着した衛生ナプキンが開示されている(特許文献3の第3図及び第4図参照)。
【特許文献1】特開平9−94267号公報
【特許文献2】実用新案登録第2567607号公報
【特許文献3】特許第3100629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、一般に個装状態の吸収性物品を装着するためには、(1)個装材を開封し、(2)吸収性物品を取り出し、(3)前記H字形状剥離ストリップなどの剥離紙を除去し、(4)吸収性物品を下着に取付け、(5)ウイングを折り返して固定するという操作が必要であった。
【0008】
特に、上記特許文献1に係る個装形態の場合には、個装袋を開封し前記剥離紙を剥がし吸収性物品Nを下着に装着する際、ウイング状フラップW、Wに背側への折り癖が付いているため、手でいちいちウイング状フラップW、Wを拡げなければならないとともに、場合によってはウイング状フラップW、Wの粘着剤層54が本体バックシート50に接着してしまい、これを剥離した際、本体バックシート50の基材が伸びたり、破れたりしてナプキンが使用不能となることがあった。
【0009】
また、上記特許文献2に係る個装形態の場合は、ウイング状フラップW、Wに使用面側への折り癖が付いているため、ウイング状フラップWに形成した粘着剤層54が本体の裏面に形成した粘着剤層53に接着することが無くなる。しかし、ウイング状フラップW、W間に跨設した前記剥離紙56を別途手で剥がし、かつ廃棄する必要があり、ワンステップ装着方式(1回の開封手間で、自動的に剥離紙が取り除かれるとともにフラップが拡げられ、かつ開封に併せて下着に対するズレ止め粘着剤層の接着固定が図れるようにする方式)を実現できていない。
【0010】
さらに、上記特許文献3に係る個装形態の場合は、バックシートの中央に縦長に形成された前記H字形状剥離ストリップの二つの脚部の対向端部から、前記二つの脚部を巻き解いて、ショーツのクロッチ部分に接着し、次いでフラップに橋渡された横バーを剥がした後、フラップを手で拡げてクロッチ部分に折り返すようになっている。このため前記フラップに腹側への折り癖が付いて、手でいちいちフラップを拡げなければならない手間があり、ワンステップ装着方式を実現できていないとともに、フラップを手で拡げる際、必然的に吸収性物品の使用面側に手が触れるため、衛生面で問題があった。また、前記H字形状剥離ストリップの他に、吸収性物品の外面を覆う個装材が別途必要になるとともに、開封の際、この個装材を取り除いてから、さらに前記H字形状剥離ストリップを除去しなければならない手間があった。
【0011】
そこで、本発明の主たる課題は、資材の低減を図るとともに、ワンステップ装着方式を実現することによって着用手間を軽減し、かつ吸収性物品の使用面側に触れずに下着への装着を可能にすることによって衛生状態を維持した吸収性物品の個装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の裏面シート側の面に本体ズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品の個装構造であって、
前記吸収性物品は、前記本体ズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆うとともに、前記吸収性物品を個装する包装シートによって包装され、
前記包装シートは、前記裏面シート外面の幅方向略中央に吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で前記吸収性物品を個装していることを特徴とする吸収性物品の個装構造が提供される。
【0013】
上記請求項1記載の本発明では、少なくとも本体ズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品において、前記包装シートは、前記裏面シート外面の幅方向略中央に吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で前記吸収性物品を個装しているため、この開封端から包装シートを容易に剥離することができ、着用手間が軽減される。

請求項2に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された本体部分の両側部に夫々、外方に延在するウイング状フラップが形成されるとともに、前記本体部分の裏面シート側の面に本体ズレ止め粘着剤層が形成されるとともに、前記ウイング状フラップの裏面シート側の面にウイングズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品の個装構造であって、
前記吸収性物品は、前記ウイング状フラップが前記透液性表面シート側又は裏面シート側に折り畳まれ、前記本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層を剥離可能に覆うとともに、前記吸収性物品を個装する包装シートによって包装され、
前記包装シートは、前記裏面シート外面の幅方向略中央に吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で前記吸収性物品を個装していることを特徴とする吸収性物品の個装構造が提供される。
【0014】
上記請求項2記載の本発明では、本体ズレ止め粘着剤層が形成されるとともに、本体部分の両側部に夫々、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップ及び/又はこれよりも臀部側に位置する部分に第2ウイング状フラップが形成された吸収性物品においても、上記請求項1記載の発明と同様に、前記包装シートは、前記裏面シート外面の幅方向略中央に吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で前記吸収性物品を個装しているため、この開封端から包装シートを容易に剥離することができ、着用手間が軽減される。
【0015】
請求項3に係る本発明として、前記ウイング状フラップは前記透液性表面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分を有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各折返しシート部分により前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、片側のウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造が提供される。
【0016】
上記請求項3記載の本発明は、前記ウイング状フラップを腹折りした状態で、包装シートが、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分を有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各折返しシート部分により前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、片側のウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてあるため、前記開封端から包装シートを両側方に引っ張るだけで腹折りしたウイング状フラップが容易に展開でき、ワンステップ装着方式を実現し、着用手間が軽減できるとともに、装着操作時に吸収性物品の使用面側が常に包装シートによって覆われたまま下着に装着できるため、手などが吸収性物品の使用面側に触れることが無く、衛生状態が維持できる。
【0017】
請求項4に係る本発明として、前記ウイング状フラップは前記裏面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、両側部分に夫々、内面側へ折り返した第1折返しシート部分と、この第1折返しシート部分に連続して折り返された第2折返しシート部分とを有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各第1折返しシート部分により前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、前記各第2折返しシート部分により片側のウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造が提供される。
【0018】
上記請求項4記載の本発明は、前記ウイング状フラップを背折りした状態で、包装シートは、両側部分に夫々、内面側へ折り返した第1折返しシート部分と、この第1折返しシート部分に連続して折り返された第2折返しシート部分とを有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各第1折返しシート部分により前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、前記各第2折返しシート部分により片側のウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてあるため、開封端から包装シートを両側方に引っ張るだけで背折りしたウイング状フラップを容易に展開させることができ、ワンステップ装着方式を実現し、着用手間が軽減できるとともに、装着操作時に吸収性物品の使用面側が常に包装シートによって覆われたまま下着に装着できるため、手など吸収性物品の使用面側が触れることが無く、衛生状態が維持できる。
【0019】
請求項5に係る本発明として、前記ウイング状フラップは前記透液性表面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの側縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態としてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造が提供される。
【0020】
上記請求項5記載の本発明は、前記ウイング状フラップを腹折りした状態で、包装シートが透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの側縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で配置されているため、包装シートの資材低減が図れるとともに、開封端から包装シートを容易に剥離でき着用手間が軽減できる。
【0021】
請求項6に係る本発明として、前記ウイング状フラップは前記裏面シート側に折り畳まれ、前記包装シートは、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分を有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態とし、かつ前記各折返しシート部分は一方側の面で前記本体ズレ止め粘着剤層の片側半分を覆うとともに、他方側の面でウイングズレ止め粘着剤層を覆うようにしてある請求項2記載の吸収性物品の個装構造が提供される。
【0022】
上記請求項6記載の本発明は、前記ウイング状フラップを背折りした状態で、包装シートが両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分を有し、前記透液性表面シート側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、吸収性物品の長手方向に沿って開封端を有する状態で配置されているため、包装シートの資材低減が図れ、開封端から包装シートが容易に剥離でき着用手間が軽減できるとともに、かつ吸収性物品の使用面側に触れずに下着への装着が可能となり衛生状態が維持できる。
【0023】
請求項7に係る本発明として、前記包装シートには、少なくとも本体ズレ止め粘着剤層及び/又はウイングズレ止め粘着剤層を覆う部分に離型処理を施すか、剥離用シート材が一体的に接合されている請求項1〜6いずれかに記載の吸収性物品の個装構造が提供される。
【0024】
上記請求項7記載の本発明は、包装シートに、少なくとも本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層を覆う部分に離型処理を施すか、剥離用シート材が一体的に接合されているため、包装シートが各粘着剤層に剥離可能に貼着でき、資材の低減が図れるとともに、包装シートの開封手間で各粘着剤層を覆う剥離材の剥離が可能となり、ワンステップ装着方式が実現でき、着用手間が軽減できる。
【0025】
請求項8に係る本発明として、前記開封端に摘み用タブを備える請求項1〜7いずれかに記載に吸収性物品の個装構造が提供される。請求項8記載の本発明では、前記開封端からの開封が容易となる。
【0026】
請求項9に係る本発明として、前記包装シートの両側縁部と前記ウイング状フラップの先端部とを、前記本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層との粘着強度よりも大きな粘着強度で剥離可能に接着してある請求項2〜7いずれかに記載の吸収性物品の個装構造が提供される。
【0027】
上記請求項9記載の本発明は、包装シートの両側縁部と前記ウイング状フラップの先端部とを、前記本体ズレ止め粘着剤層及びウイングズレ止め粘着剤層との粘着強度よりも大きな粘着強度で剥離可能に接着することにより、開封端から包装シートを両側方に引っ張って折り畳まれたウイング状フラップを展開する際、ウイング状フラップの先端部まで確実に展開することができるようになる。
【発明の効果】
【0028】
以上詳説のとおり本発明によれば、資材の低減が図れるとともに、ワンステップ装着方式が実現されることによって着用手間が軽減でき、かつ吸収性物品の使用面側に触れずに下着への装着が可能とされることによって衛生状態が維持できる吸収性物品の個装構造が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔第1形態例〕
本発明の第1形態例に係る生理用ナプキン1の個装構造は、ウイング状フラップW、Wを腹折りした状態で個装袋に封入した形態のものである。
【0030】
図1は本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図、図2はその裏面図、図3は図1のIII−III線矢視図である。
【0031】
前記生理用ナプキン1は、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙5と、表面両側部にそれぞれ長手方向に沿って形成されたサイド不織布6,6とから構成されている。前記吸収体4の周囲において、その上下端縁部では、前記裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記裏面シート2と前記サイド不織布6とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。本明細書では、この両側縁部のフラップ部分を「側部外周フラップF」という。
【0032】
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
【0033】
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法、エアスルー法は嵩高でソフトである点で優れている。一方、前記透液性表面シート3の上面には、排血対応部位を跨ぐ両側部にそれぞれ、略長手方向に沿うサイドエンボス7,7が形成されているとともに、前後部にそれぞれ弧状エンボス8,8が形成されている。
【0034】
前記裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばフラッフ状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。本例のように、吸収体4を囲繞するクレープ紙5を設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間にクレープ紙5が介在することになり、吸収性に優れる前記クレープ紙5によって体液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻りを防止するようになる。
【0035】
一方、本生理用ナプキン1の表面がわ両側部にはそれぞれ、長手方向に沿ってかつナプキン1のほぼ全長に亘ってサイド不織布6,6が設けられ、このサイド不織布6,6の一部が側方に延在されるとともに、同じく側方に延在された裏面シート2の一部とにより、外方に延在するウイング状フラップW、Wが形成されている。
【0036】
前記サイド不織布6としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いることが望ましい。また、前記ウイング状フラップW、Wにおける経血等の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるようにすることが望ましい。
【0037】
図2に示されるように、前記透液性表面シート3と裏面シート2との間に吸収体4が介在された本体部分の非肌当接面には、下着に対する固定のために適宜の塗布パターンによって複数条の、図示例では4条の本体ズレ止め粘着剤層9,9…が形成されている。また、前記ウイング状フラップW、Wの裏面シート2側の面には、ウイングズレ止め粘着剤層10、10が形成されている。そして、本生理用ナプキン1は、個装状態で、前記本体ズレ止め粘着剤層9,9…及びウイングズレ止め粘着剤層10、10が、後で詳述する包装シート20によって適宜覆われる。
【0038】
前記ズレ止め粘着剤層9,10を形成する粘着剤としては、たとえばスチレン系ポリマー、粘着付与剤、可塑剤のいずれかが主成分であるものが好適に使用される。前記スチレン系ポリマーとしては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち1種のみを使用しても、二種以上のポリマーブレンドであってもよい。この中でも熱安定性が良好であるという点で、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。また、前記粘着付与剤および可塑剤としては、常温で固体のものを好ましく用いることができ、粘着付与剤ではたとえばC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられ、前記可塑剤では例えば、リン酸トリフレシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のモノマー可塑剤の他、ビニル重合体やポリエステルのようなポリマー可塑剤が挙げられる。
【0039】
本第1形態例に係る生理用ナプキン1は、個装の際、図4及び図5に示されるように、一方のウイング状フラップWを吸収体4側縁の外側近傍位置を折れ線として、側部外周フラップFを含め、包装シート20と共に透液性表面シート3側に折り畳んだ後、他方のウイング状フラップWを吸収体4側縁の外側近傍位置を折れ線として、側部外周フラップFを含め、包装シート20と共に透液性表面シート3側に折り畳む腹折りとされる。
【0040】
ここで、前記包装シート20は、裏面シート2外面の幅方向略中央に生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態で生理用ナプキン1を個装している。さらに具体的には、前記包装シート20は、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分20A、20Aを有し、透液性表面シート3側から生理用ナプキン1の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態としている。そして、前記各折返しシート部分20Aにより本体ズレ止め粘着剤層9,9…の片側半分を覆うとともに、片側のウイングズレ止め粘着剤層10を覆っている。
【0041】
前記包装シート20は、裏面シート2外面の幅方向略中央に生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態で生理用ナプキン1を個装しているため、この開封端21から包装シート20を容易に剥離することができ、着用手間が軽減される。また、ウイング状フラップW、Wを腹折りした状態で、包装シート20が、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分20A、20Aを有し、透液性表面シート3側から生理用ナプキン1の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態とし、かつ各折返しシート部分20Aにより本体ズレ止め粘着剤層9,9…の片側半分を覆うとともに、片側のウイングズレ止め粘着剤層10を覆うようにしてあるため、前記開封端21から包装シート20を両側方に引っ張るだけで腹折りしたウイング状フラップW、Wが容易に展開でき、かつ少なくとも前記本体ズレ止め粘着剤層の下着への接着固定が図れ、ワンステップ装着方式を実現し、着用手間が軽減できるとともに、装着操作時に生理用ナプキン1の使用面側が常に包装シート20によって覆われていて、手などが触れることが無く、衛生状態が維持できるようになる。前記開封端21は、それぞれの折返し縁同士を近接又は接合させるが、ここで「近接」とはそれぞれの折返し縁同士を僅かに離間させたり、ほぼ一致させたり(図示例)、或いは重なりを持たせる態様を含み、「接合」とは重なりを持たせ、該部分を接着剤によって剥離可能に接着したり熱融着によって接合する態様等を含む。
【0042】
前記包装シート20には、少なくともズレ止め粘着剤層9,10を覆う部分に対し、例えばシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、または四フッ化エチレン系樹脂などの離型処理液を塗工するか、スプレー塗布し離型処理した紙またはプラスチックシートなどの剥離用シート材を一体的に接合するようにする。
【0043】
図6に示されるように、本生理用ナプキン1は、上述の通り包装シート20により囲繞され、包装シート20の前後方向端縁20a、20aを接着剤により接合することにより個装状態とされる。さらに、この個装状態の生理用ナプキン1を、長手方向に折り畳んでもよい。この場合、折り畳み方は、図7に示されるように、前記開封端21を外側に向け、折り線α位置にてナプキン後端部側を折り畳んだならば、折り線β位置にてナプキン前端部側を折り畳むようにする。そして、先に折り畳んだナプキン後端部側の包装シート20上面と、後に折り畳んだナプキン前端部側の包装シート20下面とを接着剤による仮止めや、タブテープ15による仮止めをしておくことが好ましい。このように長手方向に折り畳むことにより、個装状態の生理用ナプキン1がコンパクト化でき、携行に便利なものとなる。さらに、開封端21が外側に向けて折り畳まれているため、折り畳んだ状態から、ナプキン中央部の開封端21を側方に開け拡げるだけで、包装シート20に展開しようとする力が作用し、仮止めした前記接着剤又はタブテープ15が剥離できるとともに、長手方向に折り畳んだ状態が解除され、ワンステップ装着方式が維持できる。
【0044】
次に、個装状態の生理用ナプキン1を装着する手順について、図8に基づいて説明する。図8は、本発明の第1形態例に係る生理用ナプキン1の個装構造の装着手順を示す横断面図である。
【0045】
先ず、図8(A)に示されるように、個装状態の生理用ナプキン1の開封端21から包装シート20を両側方に開け拡げて、本体ズレ止め粘着剤層9,9…に剥離可能に貼着された折返しシート部分20A、20Aの基端側部分を剥がす。これにより、本体ズレ止め粘着剤層9,9…が露出するようになる。次に、同図(B)に示されるように、この露出した本体ズレ止め粘着剤層9,9…をショーツのクロッチ部分30に接着固定する。そして、同図(C)に示されるように、本体ズレ止め粘着剤層9,9…から剥離した折返しシート部分20Aを側方に引っ張る。すると、この折返しシート部分20Aの先端部分とウイングズレ止め粘着剤層10とが剥離可能に貼着されているため、腹折りされたウイング状フラップWが側方に引寄せられて展開されるようになる。なお、この操作の間、生理用ナプキン1の使用面側(透液性表面シート3側)は、常に包装シート20に覆われ、手などが触れることが無い。その後、この展開されたウイング状フラップW、Wを、ショーツのクロッチ部分30に巻き込むようにして固定し、包装シート20を除去する(同図(D))。
【0046】
このように、一連の装着操作において、生理用ナプキン1の使用面側は、常に包装シート20によって覆われていて、手などが触れることが無く、衛生状態が維持されている。また、本体ズレ止め粘着剤層9,9…と、ウイングズレ止め粘着剤層10,10とが同時に露出することが無く、誤ってこれら粘着剤層9、10同士が貼着するようなことがない。
【0047】
本生理用ナプキン1は、前述の通り、包装シート20の剥離操作に伴ってウイング状フラップW,Wが展開される構造となっているため、包装シート20の幅方向の長さを適切な寸法にする必要がある。具体的には、図9(A)に示されるように、生理用ナプキン1の個装状態で、ウイングズレ止め粘着剤層10、10及び本体ズレ止め粘着剤層9,9…を含む長さ、さらに具体的には一方のウイング状フラップWの側方端から該ウイング状フラップWのウイングズレ止め粘着剤層10を通ってウイング状フラップWの折返し部を回り込み、本体ズレ止め粘着剤層9、9を通り生理用ナプキン1の裏面中央までの長さA1と、同じく他方の長さA2との和Aが、包装シート20を展開した幅方向の長さBに対して、A<Bの関係を満たすことが要件とされる。
【0048】
また、ウイング状フラップW,Wが確実に最後までスムーズに展開できるように、ウイングズレ止め粘着剤層10,10は、可能な限りウイング状フラップ部分の外側に形成することが好ましい。すなわち、図9(B)に示されるように、ウイング状フラップW,Wを拡げた時の両翼の長さAが、ウイングズレ止め粘着剤層10、10の両端の長さCに対して、A≒Cの関係を満たすことが好ましい。
【0049】
一方、前記開封端21は、開封操作時に包装シート20を容易に摘めるようにするため、図10(A)に示されるように、外方に折り返した摘み部22を備えるようにしても良い。また、同図(B)に示されるように、左右の開封端21、21からそれぞれ外方に配向したタブテープ23、23を備えるようにしても良い。さらに、これらタブテープ23、23は、左右のどちらか一方に配向しても良く、この場合、同図(C)に示されるように、一方のタブテープ23を上下左右のいずれかにずらして配設することが好ましい。
【0050】
また、ウイング状フラップW、Wの確実な展開を実現するため、図11に示されるように、ウイング状フラップWのウイングズレ止め粘着剤層10側の幅方向端部24において、ウイング状フラップWから包装シート20が剥離されにくくする剥離抑制手段を施すことができる。この剥離抑制手段は、例えば、同図(A)に示されるように、包装シート20の側端から、少なくともウイングズレ止め粘着剤層10を含む所定長さの位置で容易に折れ曲がるように折り目25を形成するか、同図(B)に示されるように、包装シート20の両側縁部とウイング状フラップWの先端部とを、本体ズレ止め粘着剤層9,9…及びウイングズレ止め粘着剤層10、10との粘着強度より大きな粘着強度で剥離可能に接着する接合領域26とするか、同図(C)に示されるように、ウイングズレ止め粘着剤層10の外側端部だけ本体ズレ止め粘着剤層9,9…及びウイングズレ止め粘着剤層10、10との粘着強度より大きな粘着強度で剥離可能に接着する粘着剤層27を塗工する手段とすることができる。
【0051】
〔第2形態例〕
本発明の第2形態例は、生理用ナプキン1の構造は前記第1形態例と同様であるが、個装構造が異なる。すなわち、第2形態例に係る生理用ナプキン1の個装構造は、ウイング状フラップW、Wを背折りした状態で個装袋に封入したものである。
図12は、本発明の第2形態例に係る生理用ナプキン1の個装構造を示す、図4のV−V線矢視図である。本第2形態例に係る生理用ナプキン1は、個装の際、図12に示されるように、一方のウイング状フラップWを吸収体4側縁の外側近傍位置を折れ線として、側部外周フラップFを含め、包装シート20と共に裏面シート2側に折り畳んだ後、他方のウイング状フラップWを吸収体4側縁の外側近傍位置を折れ線として、側部外周フラップFを含め、包装シート20と共に裏面シート2側に折り畳む背折りとされる。
【0052】
図12に示される形態例では、前記包装シート20は、両側部分に夫々、内面側へ折り返した第1折返しシート部分20A、20Aと、この第1折返しシート部分20A、20Aに連続して折り返された第2折返しシート部分20B、20Bとを有し、透液性表面シート3側から生理用ナプキン1の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態としている。そして、各第1折返しシート部分20Aにより本体ズレ止め粘着剤層9,9…の片側半分を覆うとともに、各第2折返しシート部分20Bにより片側のウイングズレ止め粘着剤層10を覆うようにしている。
【0053】
次に、個装状態の生理用ナプキン1を装着する手順について、図13に基づいて説明する。図13は、本発明の第2形態例に係る生理用ナプキン1の個装構造の装着手順を示す横断面図である。
【0054】
先ず、図13(A)に示されるように、個装状態の生理用ナプキン1の開封端21から包装シート20及びこの包装シート20に覆われたウイング状フラップW、Wを生理用ナプキン1の両側方に開け拡げて、本体ズレ止め粘着剤層9,9…に剥離可能に貼着された第1折返しシート部分20A、20A部分を剥がす。これにより、本体ズレ止め粘着剤層9,9…が露出するようになるとともに、背折りに折り畳まれたウイング状フラップW、Wが展開する。次に、同図(B)に示されるように、この露出した本体ズレ止め粘着剤層9,9…をショーツのクロッチ部分30に接着固定する。そして、同図(C)に示されるように、本体ズレ止め粘着剤層9,9…から剥離した第1折返しシート部分20Aを側方に引っ張ると、ウイングズレ止め粘着剤層10に剥離可能に貼着された第2折返しシート部分20Bが剥離する。なお、この操作の間、生理用ナプキン1の使用面側(透液性表面シート3側)は、常に包装シート20に覆われ、手などが触れることが無い。その後、ウイング状フラップW、Wを、ショーツのクロッチ部分30を巻き込むようにして固定し、包装シート20を除去する(同図(D))。
このように、一連の装着操作において、生理用ナプキン1の使用面側は、常に包装シート20によって覆われていて、手などが触れることが無く、衛生状態が維持されている。また、本体ズレ止め粘着剤層9,9…と、ウイングズレ止め粘着剤層10,10とが同時に露出することが無く、誤ってこれら粘着剤層9、10同士が貼着するようなことがない。
【0055】
〔第3形態例〕
本発明の第3形態例は、生理用ナプキン1の構造は前記第1形態例と同様であるが、個装構造が異なる。すなわち、図14に示されるように、ウイング状フラップW、Wは透液性表面シート3側に折り畳まれた腹折りとされ、包装シート20は、透液性表面シート3側から吸収性物品の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの側縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態としている。
このように第3形態例に係る本発明は、ウイング状フラップW、Wを腹折りした状態で、包装シート20が透液性表面シート3側から生理用ナプキン1の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの側縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態で配置されているため、包装シートの資材低減が図れるとともに、開封端から包装シートを容易に剥離でき着用手間が軽減できる。
【0056】
〔第4形態例〕
本発明の第4形態例は、生理用ナプキン1の構造は前記第1形態例と同様であるが、個装構造が異なる。すなわち、図15に示されるように、ウイング状フラップW、Wは裏面シート2側に折り畳まれ、包装シート20は、両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分20Aを有し、透液性表面シート3側から生理用ナプキン1の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態としている。さらに、各折返しシート部分20A、20Aは、一方側の面で本体ズレ止め粘着剤層9,9…の片側半分を覆うとともに、他方側の面でウイングズレ止め粘着剤層10を覆うようにしている。
【0057】
このように第4形態例に係る本発明は、ウイング状フラップW、Wを背折りした状態で、包装シート20が両側部分に夫々、内面側へ折り返した折返しシート部分20A、20Aを有し、透液性表面シート3側から生理用ナプキン1の両側部を夫々巻き込むように囲繞し、裏面シート2外面の幅方向略中央でそれぞれの折返し縁同士を近接又は接合することにより、生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態で配置されているため、包装シート20の資材低減が図れるとともに、開封端21から包装シートが容易に取り除けて着用手間が軽減でき、かつ生理用ナプキン1の使用面側(透液性表面シート3側)に触れずに下着への装着が可能となり衛生状態が維持できる。
【0058】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、生理用ナプキン1は、ナプキン本体の両側部に夫々、外方に延在するウイング状フラップW、Wが形成されたものを対象としたが、本発明は、前記ウイング状フラップW、Wが形成されない吸収性物品に対しても適用することが可能である。すなわち、図16(A)に示されるように、透液性表面シート3と裏面シート2との間に吸収体4が介在された本体部分の裏面シート2側の面に本体ズレ止め粘着剤層9,9…が形成された生理用ナプキン1を対象とした個装構造であって、前記本体ズレ止め粘着剤層9,9…を剥離可能に覆うとともに、生理用ナプキン1を個装する包装シート20によって包装されており、図16(B)に示されるように、前記包装シート20によって、裏面シート2外面の幅方向略中央に生理用ナプキン1の長手方向に沿って開封端21を有する状態で個装するようにしてもよい。
【0059】
(2)上記形態例に係る生理用ナプキン1としては、ナプキン本体の両側部に夫々、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップW、Wが形成されたものを対象としたが、本発明は、このウイング状フラップW、Wに代えて、或いはウイング状フラップW、Wに加えて、これよりも臀部側に位置する部分にヒップホールド用のウイング状フラップが形成された吸収性物品を対象としてもよい。このヒップホールド用ウイング状フラップにも、前記ウイング状フラップW、Wと同様に、ウイングズレ止め粘着剤層が夫々形成されており、該ヒップホールド用ウイング状フラップのウイングズレ止め粘着剤層を包装シート20により同様の要領によって剥離可能に覆うようにする。
【0060】
(3)上記第1形態例及び第2形態例では、ウイングズレ止め粘着剤層10、10を覆う部分の包装シート20は、生理用ナプキン1の長手方向全体にわたって等幅で形成されるようになっているが、図17に示されるように、ウイングズレ止め粘着剤層10、10を覆う部分の包装シート20、すなわち第1形態例では折返しシート部分20Aの側方部分、第2形態例では第2折返しシート部分20Bは、少なくともウイングズレ止め粘着剤層10を覆う幅で形成したウイング用シート部分28としてもよい。
【0061】
(4)上記形態例では、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップW、Wが形成されるとともに、このウイング状フラップW、Wの裏面シート2側の面にウイングズレ止め粘着剤層10,10が形成され、このウイング状フラップW、Wが折り畳まれた生理用ナプキン1を対象としていたが、これよりも臀部側に位置する部分に形成されたウイング状フラップに対しても同様に適用することができる。
【0062】
(5)上記形態例では、ウイング状フラップW、Wの折り畳みに際し、側部外周フラップFを含んで、透液性表面シート3側又は裏面シート2側に折り畳むようにしたが、前記側部外周フラップFを含めず、ウイング状フラップW、Wのみを透液性表面シート3側又は裏面シート2側に折り畳むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。
【図2】その裏面図である。
【図3】図1のIII−III線矢視図である。
【図4】ウイング状フラップの折り畳み要領を示す平面図である。
【図5】本発明の第1形態例を示す横断面図(図4のV−V線矢視図)である。
【図6】個装要領を示す斜視図である。
【図7】個装状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1形態例に係る生理用ナプキン1の装着要領を示す模式図である。
【図9】生理用ナプキン1の幅方向の長さ寸法を定義する説明図である。
【図10】開封端21からの開封操作を容易にするための手段を説明する個装状態を示す平面図である。
【図11】ウイング状フラップWの幅方向端部24における剥離抑制手段を説明する装着過程の右半分横断面図である。
【図12】本発明の第2形態例を示す横断面図(図4のV−V線矢視図)である。
【図13】本発明の第2形態例に係る生理用ナプキン1の装着要領を示す模式図である。
【図14】本発明の第3形態例を示す横断面図(図4のV−V線矢視図)である。
【図15】本発明の第4形態例を示す横断面図(図4のV−V線矢視図)である。
【図16】ウイング状フラップW、Wを有しない生理用ナプキン1の個装状態を示す、(A)は斜視図、(B)は横断面図((A)のB−B線矢視図)である。
【図17】他の形態例に係る生理用ナプキン1のウイング状フラップの折り畳み要領を示す平面図である。
【図18】従来の生理用ナプキンNの展開図である。
【図19】その横断面図である。
【図20】その装着状態図である。
【図21】従来のウイング状フラップW、Wの折り畳み要領を示す平面図である。
【符号の説明】
【0064】
1…生理用ナプキン、2…裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…クレープ紙、6…サイド不織布、9…本体ズレ止め粘着剤層、10…ウイングズレ止め粘着剤層、20…包装シート、21…開封端、30…クロッチ部分、W…ウイング状フラップ、F…側部外周フラップ
【出願人】 【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
【出願日】 平成18年9月11日(2006.9.11)
【代理人】 【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志


【公開番号】 特開2008−61930(P2008−61930A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−245353(P2006−245353)