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【発明の名称】 手術用カセット及び同手術用カセットを備えた手術システム
【発明者】 【氏名】ショーン エックス.ガオ

【氏名】ナダー ナザリファー

【要約】 【課題】音波反射器を有する手術用カセットを提供する。

【構成】手術用カセットは、堅固なプラスチック製の構成部品またはハウジングの中に形成された堅固な流体チャネルを備えている。超音波流量計の圧電結晶がこの流体チャネルの一方の側に位置している。流体チャネルで圧電結晶とは反対側に位置する側壁は、内側が流体チャネル内の流体にさらされ、外側は周囲の空気にさらされている。壁と空気の界面が、超音波流量計が動作するための音波反射器として機能する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)流路と該流路と揃った位置にある透過窓とを備える弁板と;
b)該弁板に取り付けられる本体とを備えていて、該本体が、上記弁板に取り付けられたときに上記透過窓と揃った位置に空気との界面を有する手術用カセット。
【請求項2】
上記弁板とは反対側において上記本体に対して取り付けられたカバーをさらに備える、請求項1に記載のカセット。
【請求項3】
上記弁板に取り付けられた複数のエラストマーをさらに備え、これらエラストマーが複数の流路を形成している、請求項1に記載のカセット。
【請求項4】
上記弁板に取り付けられたエラストマー製音響カプラーをさらに備え、該エラストマー製音響カプラーが、上記弁板上で、上記本体の空気との界面と揃うように配置されている、請求項1に記載のカセット。
【請求項5】
a)カセット収容部を有する手術コンソールと;
b)この手術コンソールのカセット収容部の中に位置していて、流路を流れる流体の流量を測定するのに適した超音波トランスデューサと;
c)複数の流路を有する手術用カセットと;
d)上記カセットの一部を形成している音波空気反射器とを備えていて、上記カセットが上記手術コンソールのカセット収容部の中に設置されたとき、上記音波空気反射器が上記カセットに対する上記超音波トランスデューサと揃った位置にあることにより、上記カセット内の複数の流路の少なくとも1つの中を流れる流体の流量を上記超音波トランスデューサが測定できる手術システム。
【請求項6】
上記カセットに取り付けられたエラストマー製音響カプラーをさらに備え、このエラストマー製音響カプラーが、上記超音波トランスデューサと揃った位置にあって該超音波トランスデューサと接触するように上記カセット上に配置されている、請求項5に記載の手術システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波流量センサーに関するものであり、より詳細には、超音波流量センサーを備える手術システムとカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の眼科手術装置システムでは、手術部位を吸引するための真空と、その部位に灌注するための正圧(positive pressure)とを利用している。一般に、カセットが、圧力発生手段と手術装置を直列に接続している。手術部位での灌注流と吸引流の制御を助けるのにカセットを手術装置とともに用いることがよく知られている。特許文献1及び2(Cook)、特許文献3(Wang他)、特許文献4(Steppe他)、特許文献5(DeMeo他)、特許文献6、特許文献7(Sundblom他)、特許文献8、特許文献9(Beuchat)、特許文献10(Jung他)の何れにも、チューブを備えた眼科手術用カセット、またはチューブのない眼科手術用カセットが開示されている(これら特許文献は、この参照によりその全体がこの明細書に組み込まれているものとする)。吸引流体の流速、ポンプの速度、真空レベル、灌注流体の圧力、灌注流体の流速は、眼科手術の間を通じて正確に制御する必要のあるパラメータのいくつかの例である。
【0003】
従来の装置では、吸引ラインと灌注ラインで圧力センサーを利用し、感知した圧力に基づいて流体の流速が計算されていた。これまで手術用カセット内の流体の圧力測定は非常に正確になされてきたため、流路内の抵抗がわかると、流体の流速を流体の圧力から信頼性よく算出することが可能である。しかし最近になって超音波流量センサーが改良されたことで、今や非侵襲的に流体の流れを正確に測定することが可能になっている。
【0004】
例えば特許文献11(Shkarlet)に開示されている超音波流量センサーは、容器または管の中を流れる流体の流量を正確に測定できる流量センサーである。この流量センサーでは、いろいろな角度の反射面を用いることにより、流れ分布の非一様性に対する感度が低下し、全体のサイズが小さくなっている。いろいろな角度の反射面により、1つ以上の超音波トランスデューサからの入射超音波が、流れている流体の中を多数回、その超音波の平面配向を変化させることなく多数の方向に通過するようにさせられる。流れている流体での多数回の反射と多方向からの照射によって生じる波の経路のため、プローブのサイズが小さくなり、空間分布の非一様性に対する感度が低下する。いろいろな角度の反射面があることで、送信用超音波トランスデューサと受信用超音波トランスデューサを互いに近づけて配置することもできるため、プローブの全体的なサイズが小さくなり、眼科手術で使用される比較的小さな流体流カセットの中に組み込む上で特に有用である。超音波流量センサーが機能するためには、トランスデューサは、流体が流れる管と音響的にカップリングしていて、トランスデューサと管の間に存在するすべての空気が除去されていなくてはならない。従来の流量センサーは、一般に、音響ゲル(例えば水を多く含むヒドロゲル材料)を用いて音響的カップリングを実現している。手術コンソールの中に設置した手術用カセットに関して音響的カップリングを利用する必要がある場合には、殺菌と清潔さが問題であるため、音響ゲルよりも、カセットまたはコンソールの一部として形成されていてゲルを必要としない音響的カップリングのほうが望ましい。
【0005】
特許文献12(Moscaritolo他)に記載されている従来の装置では、測定している流れチャネルの内壁を音波反射器(acoustic reflector)として利用している。しかしこの装置は、機能するためには内壁を非常に正確に加工する必要がある。このように精密な加工は、特に手術用カセットで利用される比較的小さくて複雑な流路の場合には難しくてコストがかかる。
【0006】
したがって、手術用カセット上でまたは手術用カセットとともに使用できる、簡単で、信頼性があり、正確な音波反射器に対する要求が相変わらず存在している。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,493,695号明細書
【特許文献2】米国特許第4,627,833号明細書
【特許文献3】米国特許第4,395,258号明細書
【特許文献4】米国特許第4,713,051号明細書
【特許文献5】米国特許第4,798,850号明細書
【特許文献6】米国特許第4,758,238号明細書
【特許文献7】米国特許第4,790,816号明細書
【特許文献8】米国特許第5,267,956号明細書
【特許文献9】米国特許第5,364,342号明細書
【特許文献10】米国特許第5,747,824号明細書
【特許文献11】米国特許第6,098,466号明細書
【特許文献12】米国特許第6,901,812号明細書
【特許文献13】米国特許第4,592,741号明細書
【特許文献14】米国特許第4,773,897号明細書
【特許文献15】米国特許第5,117,698号明細書
【特許文献16】米国特許第5,514,102号明細書
【特許文献17】米国特許第5,526,699号明細書
【特許文献18】米国特許第5,650,572号明細書
【特許文献19】米国特許第5,746,241号明細書
【特許文献20】米国特許第6,599,277号明細書
【特許文献21】米国特許第6,634,237号明細書
【特許文献22】米国特許第7,034,937号明細書
【発明の開示】
【0008】
本発明は、堅固なプラスチック製の構成部品またはハウジングの中に形成された堅固な流体チャネルを備える手術用カセットを提供することにより、従来技術を改良するものである。超音波流量計の圧電結晶がこの流体チャネルの一方の側に位置している。流体チャネルで圧電結晶とは反対側に位置する側壁は、内側が流体チャネル内の流体にさらされ、外側は周囲の空気にさらされている。壁と空気の界面が、超音波流量計が動作するための音波反射器として機能する。
【0009】
したがって本発明の1つの目的は、音波反射器を有する手術用カセットを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、手術用カセットの一部として形成されている音波反射器を有する手術用カセットを提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、音波空気反射器(acoustic air reflector)を有する手術用カセットを提供することである。
【0012】
本発明のこれらの利点および目的とそれ以外の利点および目的は、以下の詳細な説明、添付の図面および特許請求の範囲から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1、図2、図3から最もよくわかるように、本発明のカセット10は、一般に、弁板12、本体14、カバー16を備えている。弁板12、本体14、カバー16はすべて、比較的硬い適切な熱可塑性プラスチックで形成することができる。弁板12は、エラストマー22と24によって流体が漏れないよう封止された複数の開口部18とポンピング・チャネル20を備えていて、複数の流路を形成している。ポート26が、カセット10のさまざまな灌注機能と吸引機能のためのカセット10と手術コンソール100の間のコネクタとなっている。このような機能にはフィルタ28の使用が必要とされる場合がある。流路34を形成しているのは側壁35であり、その側壁は本体14の一部となっている。側壁35の部分37は、弁板12が図4に示したようにして本体14上へ組み合わされるとき、凹部36の透過窓125と揃う位置に来る。弁板12上の凹部36の中にはエラストマー製の音響カプラー38が配置されている。カセット10がコンソール100のカセット収容部110に設置されると、超音波トランスデューサ120がエラストマー製音響カプラー38に押しつけられてトランスデューサ120と流路34の間に音響カップリングが確立する。そのため超音波を流路34に照射し、壁の部分37の外側39によって形成される壁/空気の界面41で反射された超音波を受信することにより、超音波トランスデューサ120を用いて流路34を流れる流体の流速を測定することができる。エラストマー製音響カプラー38は、弁板12の凹部36の中においてエラストマー材料(例えば熱可塑性エラストマーまたはシリコーン・ゴム)を外側被覆(over molding)することで形成することが好ましい。このような製造法により、エラストマー製音響カプラー38を弁板12に付着させる接着剤が不要になり、エラストマー製音響カプラー38と弁板12の間からすべての空気が確実に除去される。壁の部分37の外側39によって形成される外壁/空気の界面41を利用すると、独立した音波反射器と、それに伴って必要とされるカップル用材料が不要になるため、流量センサーの信頼性が向上し、カセット10がより単純に、そしてより安価になる。
【0014】
この記述は例示と説明を目的としている。当該技術の当業者には、ここに説明した本発明の範囲と精神を逸脱することなく変更が可能であることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明によるカセットの正面側の斜視図である。
【図2】図2は、本発明によるカセットの裏側の斜視図である。
【図3】図3は、本発明によるカセットの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明によるカセットの部分断面図である。
【図5】図5は、本発明のカセットとともに使用できる手術コンソールの正面側の斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
10 カセット
12 弁板
14 本体
16 カバー
34 流路
【出願人】 【識別番号】500319044
【氏名又は名称】アルコン,インコーポレイティド
【出願日】 平成19年8月27日(2007.8.27)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二


【公開番号】 特開2008−55160(P2008−55160A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−219949(P2007−219949)