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【発明の名称】 吸収性物品及びその包装構造
【発明者】 【氏名】横松 弘行

【氏名】河崎 宏典

【氏名】長原 進介

【要約】 【課題】柔軟性及び身体追従性に優れ、装着感及び防漏性が高いサイド防漏部を有する吸収性物品及びその包装構造を提供すること。

【構成】本発明の生理用ナプキン1は、液保持性の吸収層11及び液不透過性の防漏層12を有し、実質的に縦長の吸収性本体10を備え、一対のサイド防漏部5,5により、吸収性本体10における肌当接面側の長手方向両側部が覆われており、一対の該サイド防漏部5,5それぞれは、サイド防漏部形成シート50により、吸収性本体10の幅方向の内方に折り返し端部51を有するように、該サイド防漏部形成シート50が本体幅方向の外方に折り返されて形成されている。サイド防漏部形成シート50における吸収性本体10の幅方向の外方部には、多数のエンボス部52,52…が設けられており、一対のサイド防漏部5,5それぞれにおける折り返し端部51の近傍において、サイド防漏部形成シート50同士が接合されていない非接合領域5Aを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収層及び防漏層を有し、実質的に縦長の吸収性本体を備え、一対のサイド防漏部により、前記吸収性本体における肌当接面側の長手方向両側部が覆われている吸収性物品であって、
一対の前記サイド防漏部それぞれは、サイド防漏部形成シートにより、前記吸収性本体における幅方向の内方に折り返し端部を有するように、該サイド防漏部形成シートが該幅方向の外方に折り返されて形成されており、
前記サイド防漏部形成シートにおける前記幅方向の外方部には、多数のエンボス部が設けられており、
一対の前記サイド防漏部それぞれにおける前記折り返し端部の近傍において、前記サイド防漏部形成シート同士が接合されていない非接合領域を有している吸収性物品。
【請求項2】
前記折り返し端部は、少なくとも前記吸収性本体における排泄部対向領域の両側において、折り癖がつかないように前記サイド防漏部形成シートが折り返されて形成されている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記非接合領域において、折り返されている前記サイド防漏部形成シートの相対向する内面側に、該サイド防漏部形成シートの一部が突出した突出部が形成されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記非接合領域において、前記サイド防漏部形成シートにはエンボスによる多数の凹部が設けられており、該凹部は、底面部と該底面部の周囲に連設された壁部とからなり、
前記底面部は、折り返されている前記サイド防漏部形成シートの相対向する内面側に突出しており、前記突出部は、前記底面部及び前記壁部の一部から形成されている請求項3記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記非接合領域において、前記サイド防漏部形成シートには、折り返されている該サイド防漏部形成シートの相対向する内面側に向かって突出する多数の畝部が設けられており、前記突出部は、前記畝部から形成されている請求項3記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記サイド防漏部の前記外方部において、前記サイド防漏部形成シート同士は前記エンボス部により接合されている請求項1〜6の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性本体における前記長手方向の両側縁から延出する一対のウイング部を有しており、一対の該ウイング部それぞれは、前記吸収性本体から延出する前記サイド防漏部形成シートから形成されている請求項1〜6の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の吸収性物品と、これを個装する内面が剥離処理された包装材とからなり、前記吸収性本体の非肌当接面側に本体粘着部が設けられており、該本体粘着部が前記包装材の内面に当接するように該包装材に剥離自在に粘着されている吸収性物品の包装構造であって、
前記吸収性物品と前記包装材とは、該吸収性物品の長手方向の一方の端縁側から肌当接面側を内側として、2回以上順次折曲されて折り重ねられており、該折曲により前記吸収性物品には複数の折線が形成されており、
前記吸収性本体における排泄部対向領域の長手方向の中央に最も近い位置にある2つの前記折線間における前記非接合領域の幅が、前記吸収性本体の前後端部それぞれと、該前後端部それぞれに最も近い位置にある前記折線との間における前記非接合領域の幅よりも大きい吸収性物品の包装構造。
【請求項9】
請求項1〜7の何れかに記載の吸収性物品と、これを個装する内面が剥離処理された包装材とからなり、前記吸収性本体の非肌当接面側に本体粘着部が設けられており、該本体粘着部が前記包装材の内面に当接するように該包装材に剥離自在に粘着されている吸収性物品の包装構造であって、
前記吸収性本体の前記吸収層には、前記吸収性本体の排泄部対向領域の前後端部間に亘る中高部が形成されており、
前記吸収性物品と前記包装材とは、該吸収性物品の長手方向の一方の端縁側から肌当接面側を内側として、1回又は2回以上順次折曲されて折り重ねられており、
前記折曲により形成された折線が前記中高部を跨ぐように形成されている吸収性物品の包装構造。
【請求項10】
前記吸収性物品と前記包装材とは、前記吸収性本体の排泄部対向領域で折曲されないように折曲されている請求項8又は9記載の吸収性物品の包装構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用ナプキン等の吸収性物品には、一対のサイド防漏部を設けたものがある。この種の吸収性物品は、吸収層及び防漏層を有する吸収性本体の両側部からの横漏れを防止するために、一対のサイド防漏部が、吸収性本体における肌当接面側の両側部に設けられている。これにより、吸収性物品の肌当接面側における長手方向両側部に液の拡散を抑制する領域が形成され、場合によっては立体的な壁が形成され、液が横方向へ移動することが防止されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、透液性の表面シートと、バックシートと、表面シートとバックシートとの間に挟まれる吸収コアとを有しており、生理用ナプキンの表面には、吸収コアと表面シートとから成る全吸収領域の幅方向の中央に主吸収領域が、この主吸収領域よりも幅方向の外側には、吸収コアと表面シートとが凹状に形成された溝部が、溝部よりもさらに幅方向の外側には、生理用ナプキンの長手方向に延びるサイド防漏部が設けられ、主吸収領域に位置する表面シートの繊維密度と、溝部での表面シートの繊維密度と、サイド防漏部の繊維密度との関係が、溝部>サイド防漏部>主吸収領域の順である生理用ナプキンが開示されている。この生理用ナプキンのサイド防漏部は、一枚の不織布が折り返されて形成されており、折り返されている不織布の相対向する内面間が離間した中空の立体的な形状を有している。
【0004】
また、特許文献2には、吸収層及び防漏層を有する吸収性本体を備え、実質的に縦長であり、一対のサイド防漏部が、吸収性本体における肌当接面側の長手方向両側部に設けられており、サイド防漏部は、熱可塑性繊維で形成された不織布または熱可塑性繊維を含む不織布と、縦方向に弾性収縮力を発揮する弾性部材とを有し、サイド防漏部を構成する不織布には、波の頂部と底部が基端から自由端に向けて延び且つ波が縦方向に規則的に繰り返す凹凸皺が成形された剛性領域が設けられており、且つサイド防漏部の基端と自由端との中間領域には、凹凸皺が不連続となる剛性境界部が縦方向に延びるように形成されている生理用ナプキンが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−245927号公報
【特許文献2】特開2001−252306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の生理用ナプキンにおけるサイド防漏部は、その中空の立体的な形状が、個包装によって、またはナプキン着用時に、押し潰されて液漏れが生じるおそれがある。また、サイド防漏部の形状には、柔軟性、身体追従性及び装着感を高める工夫がなされていない。
【0007】
また、特許文献2に記載の生理用ナプキンにおけるサイド防漏部は、ナプキン着用時に、主として中間領域で折れ曲がるため、着用者の様々な動きや姿勢の変化に追従し切れないため、身体追従性及び装着感に劣ると考えられる。
【0008】
従って、本発明の目的は、柔軟性及び身体追従性に優れ、装着感及び防漏性が高いサイド防漏部を有する吸収性物品を提供することにある。また、本発明の目的は、前述した吸収性物品に適した吸収性物品の包装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、吸収層及び防漏層を有し、実質的に縦長の吸収性本体を備え、一対のサイド防漏部により、前記吸収性本体における肌当接面側の長手方向両側部が覆われている吸収性物品であって、一対の前記サイド防漏部それぞれは、サイド防漏部形成シートにより、前記吸収性本体における幅方向の内方に折り返し端部を有するように、該サイド防漏部形成シートが該幅方向の外方に折り返されて形成されており、前記サイド防漏部形成シートにおける前記幅方向の外方部には、多数のエンボス部が設けられており、一対の前記サイド防漏部それぞれにおける前記折り返し端部の近傍において、前記サイド防漏部形成シート同士が接合されていない非接合領域を有している吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0010】
また、本発明は、前述した吸収性物品と、これを個装する内面が剥離処理された包装材とからなり、前記吸収性本体の非肌当接面側に本体粘着部が設けられており、該本体粘着部が前記包装材の内面に当接するように該包装材に剥離自在に粘着されている吸収性物品の包装構造であって、前記吸収性物品と前記包装材とは、該吸収性物品の長手方向の一方の端縁側から肌当接面側を内側として、2回以上順次折曲されて折り重ねられており、該折曲により前記吸収性物品には複数の折線が形成されており、前記吸収性本体における排泄部対向領域の長手方向の中央に最も近い位置にある2つの前記折線間における前記非接合領域の幅が、前記吸収性本体の前後端部それぞれと、該前後端部それぞれに最も近い位置にある前記折線との間における前記非接合領域の幅よりも大きい吸収性物品の包装構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0011】
また、本発明は、前述した吸収性物品と、これを個装する内面が剥離処理された包装材とからなり、前記吸収性本体の非肌当接面側に本体粘着部が設けられており、該本体粘着部が前記包装材の内面に当接するように該包装材に剥離自在に粘着されている吸収性物品の包装構造であって、前記吸収性本体の前記吸収層には、前記吸収性本体の排泄部対向領域の前後端部間に亘る中高部が形成されており、前記吸収性物品と前記包装材とは、該吸収性物品の長手方向の一方の端縁側から肌当接面側を内側として、1回又は2回以上順次折曲されて折り重ねられており、前記折曲により形成された折線が前記中高部を跨ぐように形成されている吸収性物品の包装構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のサイド防漏部を有する吸収性物品によれば、サイド防漏部は、柔軟性及び身体追従性に優れ、装着感及び防漏性が高い。また、本発明の吸収性物品の包装構造は、前述した吸収性物品の包装に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
【0014】
第1実施形態の吸収性物品1は生理用ナプキンであり、図1〜4に示すように、液保持性の吸収層11及び液不透過性の防漏層12を有し、実質的に縦長の吸収性本体10を備え、一対のサイド防漏部5,5により、吸収性本体10における肌当接面側の長手方向両側部が覆われている。ナプキン1における吸収層11は、液透過性の表面シート2及び液保持性の吸収体4からなり、防漏層12は、通気性及び液不透過性を有する裏面シート3からなる。
また、本実施形態の生理用ナプキン1において、一対のサイド防漏部5,5それぞれは、サイド防漏部形成シート50により、吸収性本体10における幅方向の内方に折り返し端部51を有するように、該サイド防漏部形成シート50が吸収性本体10の幅方向の外方に折り返されて形成されている。サイド防漏部形成シート50における吸収性本体10の幅方向の外方部には、多数のエンボス部52,52…が設けられており、一対のサイド防漏部5,5それぞれにおける折り返し端部51の近傍において、サイド防漏部形成シート50同士が接合されていない非接合領域5Aを有している。
【0015】
本実施形態の生理用ナプキン1(以下、単にナプキンともいう)について更に詳述する。ナプキン1は縦長であり、その長手方向が吸収性本体10の長手方向(以下、本体長手方向ともいう)と一致している。表面シート2及び裏面シート3それぞれは、縦長であり、その長手方向が本体長手方向と一致している。吸収体4は、縦長であって、その長手方向が本体長手方向と一致しており、表面シート2及び裏面シート3間に狭持固定されている。表面シート2の幅は、吸収体4の幅と略同じであって、裏面シート3の幅よりも狭く形成されている。表面シート2は、吸収体4における肌当接面側の面全域を覆っている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ吸収体4の長手方向両端から延出し、その延出部分において互いにヒートシール、接着剤による接着等の公知の接合方法により接合されている。
【0016】
ナプキン1は、図1に示すように、その長手方向に前方部A、該長手方向中央領域である排泄部対向部B(着用者の主として液排泄部に対向配置される排泄部対向領域を幅方向中央に有する部分)及び後方部C(着用者の主として臀部に対向配置される部分)に区分される。前記排泄部対向領域は、縦長であり、その長手方向は本体長手方向と一致している。前方部Aは、ナプキン着用時に、着用者の最も前側に位置する部位であり、後方部Cは、着用者の最も後側に位置する部位である。
【0017】
本実施形態のナプキン1における一対のサイド防漏部5,5について、更に説明すると、一対のサイド防漏部5,5それぞれは、図1に示すように、縦長に形成されており、その長手方向が本体長手方向と一致している。一対のサイド防漏部5,5それぞれは、略同じ幅を有し、本体長手方向の両端部間に亘って配されている。
【0018】
サイド防漏部5は、図2に示すように、吸収性本体10の側縁部において、シール部8により裏面シート3と接合されている。サイド防漏部5は、サイド防漏部形成シート50が、吸収性本体10の側縁部から吸収性本体10の幅方向(以下、単に本体幅方向ともいう)の内方に向かって延び、折り返し端部51としての内側縁部が形成されるように、吸収層11に向かって本体幅方向の外方に折り返された後、本体幅方向の外方に向かって延びている。折り返されたサイド防漏部形成シート50の先端部は、再びシール部8において、裏面シート3と接合されている。シール部8は、ヒートシール、接着剤による接着等の公知の接合手段により形成することができる。
本実施形態のナプキン1において、サイド防漏部形成シート50は不織布から形成されている。
【0019】
次に、サイド防漏部形成シート50について、更に説明する。
サイド防漏部形成シート50を形成する不織布には、図1〜図3に示すように、エンボスによる多数の凹部52a,52a…が設けられている。
【0020】
サイド防漏部形成シート50において、凹部52aは、図1に示すように、いわゆる千鳥状のパターンで配されており、個々の凹部52aは、それぞれ平面視円形状で不連続に形成されている。凹部52aは、不織布の繊維が圧密化されていて、密度が大きくなっている。
【0021】
凹部52aは、図2及び図3に示すように、サイド防漏部5の外面50c側から内面50a,50b側に向って延出する不織布により形成されている。凹部52aは、サイド防漏部5の外面50cに、開口を有している。各凹部52aは、同寸法であることが好ましい。
【0022】
ここで、サイド防漏部5の外面50cは、サイド防漏部5の肌当接面側の面であり、サイド防漏部5の内面50a,50bは、折り返されているサイド防漏部形成シート50の相対向する面である。尚、サイド防漏部5の外面50cは、サイド防漏部形成シート50が折り返されていることにより、その一部分が表面シート2と対向している。
【0023】
凹部52aの態様としては、例えば円筒状や、凹部52aの径が外面50c側から内面50a,50b側に向かって漸次増加していく錐台状の形状が挙げられるが、図2及び図3に示すように、凹部52aの径が外面50c側から内面50a,50b側に向かって漸次減少していく逆錐台状の形状が、凹部52aの立体的形状の安定性の観点から好ましい。本実施形態においては、凹部52aは、逆円錐台状の形状を有している。凹部52aは、底面部56aと該底面部56aの周囲に連設された壁部57とからなる。底面部56aの外面は、サイド防漏部5の内面50a,50bの一部分である。
【0024】
凹部52aにおけるサイド防漏部5の外面50cにおける開口径は、1〜8mm、特に1.5〜6mmであることが、サイド防漏部5の良好な肌触り及びクッション性を得る上で好ましい。
【0025】
凹部52aの底面部56aは、図1及び図3に示すように、平面視が円形状を有しており、平板状に形成されており、フィルム化されている。底面部56aがフィルム化されている部分は、底面部56aを平面視した面積に対して、20〜90%、特に30〜80%であることが、サイド防漏部5の立体的形状の安定性を得る上で好ましい。本実施形態において、底面部56aは、全てフィルム化されている。
【0026】
本明細書において、フィルム化は、不織布の構成繊維の構成樹脂のうちの少なくとも最も融点が低い樹脂が軟化(好ましくは溶融固化)して、構成繊維がフィルム状に密着した状態であり、そのフィルム化された部分は、繊維形状がほぼ失われていることが好ましい。フィルム化されている底面部56aは、凹部52aのフィルム化されていない部分より、更に、厚みが薄く、密度が高くなっており、またその表面は平滑になっている。
【0027】
一方、サイド防漏部5の非エンボス部及び非凹部の不織布は、エンボス加工がされてなく、フィルム化もされていないため、柔らかな風合いを有し、凹凸による段差感が軽減される点が良い。ナプキン着用者の肌と直接触れるサイド防漏部5の外面は、不織布のエンボス加工がされていない部分から形成されているため、肌触りが良好である。
【0028】
一対のサイド防漏部5,5それぞれは、図1に示すように、折り返し端部51の近傍においては、サイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b同士が接合されていない非接合領域5Aを有しており、該非接合領域5Aよりも本体幅方向の前記外方部においては、相対向する内面50a,50b同士が接合されている接合領域5Bを有している。
【0029】
次に、サイド防漏部5の非接合領域5Aについて、更に説明する。
非接合領域5Aは、縦長であり、その長手方向は本体長手方向と一致している。非接合領域5Aは、所定の幅を有し、サイド防漏部5の長手方向の両端部間に亘り形成されている。本実施形態のナプキン1において、排泄部対向部Bにおける非接合領域5Aの幅は、前方部A及び後方部Cにおける幅よりも大きく形成されている。また、前方部A及び後方部Cにおける幅は略同じである。非接合領域5Aの幅は、非接合領域5Aの本体幅方向の長さである。
【0030】
本実施形態のナプキン1において、非接合領域5Aにおける幅広部分の本体長手方向の位置は、排泄部対向部Bと一致して形成されているが、前記幅広部分は、排泄部対向部Bを含むように形成されていれば良く、排泄部対向部Bから前方部Aに向かって延びるように形成されていても良いし、排泄部対向部Bから後方部Cに向かって延びるように形成されていても良いし、又は排泄部対向部Bから前方部A及び後方部Cそれぞれに向かって延びるように形成されていても良い。
【0031】
非接合領域5Aでは、図2に示すように、サイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b同士が少なくとも部分的に離間しており、サイド防漏部5は中空部を有し、ナプキン着用時に良好なクッション性を示す。
【0032】
また、非接合領域5Aにおいて、サイド防漏部形成シート50には、エンボスによる離間した多数の凹部52a,52a…が設けられており、折り返されているサイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b側に、サイド防漏部形成シート50の一部が突出した突出部が形成されている。詳述すると、底面部56aは、図2及び図3に示すように、折り返されているサイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b側に突出しており、前記突出部は、底面部56a及び壁部57の一部から形成されている。
【0033】
サイド防漏部形成シート50を平面状に展開した状態において、離間した多数の凹部52a,52a…それぞれは、折り返し端部51に対して、線対称の位置となるように形成されていることが好ましい。少なくとも、相対向するサイド防漏部形成シート50の内面50a,50b同士を近づけていった場合、凹部52aの底面部56a同士が部分的に接するように、凹部52a,52a…が配されていることが好ましい。
【0034】
非接合領域5Aには凹部56aが前述したように形成されているため、ナプキン着用時にサイド防漏部5が着用者の肌に押されて、相対向するサイド防漏部形成シート50の内面50a,50b同士が近づくと、図3に示すように、凹部52aの底面部56a同士が接した状態が形成される。底面部56aの外面は平面状であり、底面部56a同士は、面と面とが接しているため、底面部56a同士は、比較的大きな接触面積を有している。
凹部52aの底面部56a同士は、略全体が重なり合っていることが好ましく、この場合には、一対の逆円錐台形状が底面(径の小さい方の底面)同士で接している形状となる。
【0035】
前述した構成を有するサイド防漏部5の非接合領域5Aは、ナプキン着用時においても、嵩高でクッション性を有し装着感に優れると共に、立体的形状の安定性が優れている。
特に、排泄部対向部Bにおける非接合領域5Aの幅は、前方部A及び後方部Cにおける非接合領域5Aの幅よりも広く形成されているため、サイド防漏部5に中空の空間がより幅広に形成されるので、クッション性及び防漏性が高められている。
【0036】
また、製造工程の加工精度によっては、サイド防漏部形成シート50が折り返されてサイド防漏部5が形成される際に、本来の折り返し位置からずれて折り返えされる場合があるが、本実施形態のサイド防漏部5では、実際の折り返し位置の本体幅方向におけるずれが、本来の折り返し位置に対して、底面部56aの径の半分以下であれば、少なくとも部分的に底面部56a同士が接した状態を得ることができる。
【0037】
好ましい底面部56aの径は、製造工程の加工精度にもよるが、通常、以下の範囲であることが、底面部56a同士が接した状態を得る上で好ましい。凹部52aの底面部56aの径は、0.5〜7mm、特に1〜5mmであることが好ましい。
また、互いに重なり合っている底面部56aの割合は、底面部56aを平面視した面積に対して、10〜90%、特に20〜80%であることが、サイド防漏部5の立体的形状の安定性を得る上で好ましい。
【0038】
また、最近接距離にある凹部52a同士間の間隔(例えば中心間の間隔)は、本体長手方向に1〜10mm、特に2〜7mm、本体幅方向に1〜10mm、特に2〜7mmであることが、同様の理由から好ましい。なお、エンボスの配置によっては中心間の間隔では、長手方向及び幅方向とならない場合もあるため、本体長手方向および本体幅方向は、エンボス同士を結ぶ長手方向線、幅方向線を仮想的に設定し、この仮想線と最近接距離にあるエンボス部52aの中心との間隔によって求める場合もある。
【0039】
非接合領域5Aにおける本体幅方向の一方の端部が、内側縁部としての折り返し端部51である。折り返し端部51は、少なくとも吸収性本体10における前記排泄部対向領域の両側において、即ち排泄部対向部Bにおいて、折り癖がつかないようにサイド防漏部形成シート50が折り返されて形成されていることが好ましい。
【0040】
ここで「折り癖」は、折り返し端部51において、2つの面が交わる直線状の折り癖が形成されていないことであり、図2に示す断面図においては、サイド防漏部形成シート50が所定の角度を有するように2つ折りされて、折り返し端部51が形成されていないことをいう。
【0041】
前述した折り返し端部51は、図2に示すように、丸みを帯びた形状を有しており、ナプキン着用者の肌に柔らかく接するため、サイド防漏部5はフィット性に優れている。
【0042】
次に、サイド防漏部5の接合領域5Bについて、更に説明する。
接合領域5Bは、サイド防漏部5の前記外方部である。接合領域5Bは、縦長であり、その長手方向は本体長手方向と一致している。接合領域5Bは、所定の幅を有し、サイド防漏部5の長手方向の両端部間に亘り形成されている。接合領域5Bは、サイド防漏部5の非接合領域5Aを除いた部分であり、図1において、斜線で示されている。本実施形態のナプキン1において、排泄部対向部Bにおける接合領域5Bの幅は、前方部A及び後方部Cにおける幅よりも小さく形成されている。また、前方部A及び後方部Cにおける幅は略同じである。接合領域5Bの幅は、接合領域5Bの本体幅方向の長さである。
【0043】
サイド防漏部5の前記外方部である接合領域5Bにおいて、サイド防漏部形成シート50には、図4に示すように、多数のエンボス部52,52…が設けられており、折り返されているサイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a、50b同士はエンボス部52,52…それぞれにより接合されている。
エンボス部52,52…それぞれは、接合領域5Bにおけるサイド防漏部形成シート50の凹部52a及び非該凹部の部分それぞれに形成されている。
【0044】
相対向するサイド防漏部形成シート50の内面50a、50b同士が、接合領域5Bにおいて接合されているため、相対向するサイド防漏部形成シート50のズレによる中空状態の喪失や内端部に折れ易い領域の移動が防止でき、前述した非接合領域5Aにおける中空の状態及び折り返し端部51の丸みを帯びた形状が、安定して維持される。
【0045】
接合領域5Bにおけるエンボス部52は、図4に示すように、いわゆる千鳥状のパターンで配されており、個々のエンボス部52は、それぞれ平面視円形状で不連続に形成されている。
【0046】
エンボス部52の径は、凹部52aの径よりも小さいことが好ましく、具体的には0.1〜5mm、特に0.3〜3mmであることが、サイド防漏部5の肌触り、柔軟性及び強度の観点から好ましい。
また、最近接距離にあるエンボス部52同士間の間隔(例えば中心間の間隔)は、本体長手方向に1〜5mm、特に2〜4mm、本体幅方向に1〜5mm、特に2〜4mmであることが、同様の観点から好ましい。
【0047】
サイド防漏部5について更に説明すると、サイド防漏部5は、シール部8よりも本体幅方向における内方側の部分が、表面シート2とは接合されていないことが好ましい。ただし、本体長手方向の両端部では、折り返し端部51とシール部8との間の部分が、本体幅方向に亘って又は折り返し端部51近傍で表面シート2と接合されていることが好ましい。
【0048】
サイド防漏部5を吸収性本体10に接合する際に、サイド防漏部5の長手方向の両端部それぞれに、本体長手方向の外方に向って張力をかけながら、サイド防漏部5を吸収性本体10に接合することが好ましい。その結果、ナプキン1の自然状態において、サイド防漏部5の折り返し端部51が、表面シート2から離間した状態が得られ、サイド防漏部5の防漏性が高められる。
【0049】
また、サイド防漏部5の折り返し端部51は、表面シート2から少なくとも部分的に離間していることが、サイド防漏部5が立体的な障壁を形成する上で好ましい。前記内側縁部は、後述する溝7が形成されていることにより、表面シート2が溝7周囲で沈み込むため、表面シート2に対するサイド防漏部5の立体度が増しており、本体幅方向内方から外方へ向かって、表面シート2上を流れてきた体液の移動を効果的に防止する。
【0050】
前述した一対のサイド防漏部5,5それぞれの幅は、以下のような寸法を有していることが、良好な防漏性及び装着感を得る上で好ましい。本体長手方向における一対のウイング部6,6(後述する)が設けられている部分において、そのウイング部6の長手方向中心線上で、シール部8と本体幅方向の内方側の端縁との間を、本体幅方向にサイド防漏部5の表面に沿って測定した長さは、10〜30mm、特に15〜25mmであることが好ましい。
【0051】
排泄部対向部Bにおける非接合領域5Aの幅は、3〜15mm、特に5〜10mmであることが、サイド防漏部5の優れた柔軟性、潰れ難さ及び身体追従性を得る上で好ましい。
また、前方部A及び後方部Cにおける非接合領域5Aは、実質的に形成されていなくても良いが、前方部A及び後方部Cにおける非接合領域5Aの幅は、2〜7mm、特に3〜5mmであることが、サイド防漏部5の優れた柔軟性及び潰れ難さを得る上で好ましい。
【0052】
さらに、前方部A及び後方部Cより、排泄部対向部Bにおける非接合領域5Aの幅が広く形成されていることから、後述する個装形態において、排泄部対向部Bの非接合領域5Aの上面には、(折り畳みによって)外方側へ移動するような力が働く。そのため、折り返し端部51は、個装形態ではその位置が移動して、折りが形成されない。
【0053】
本実施形態のナプキン1について、更に説明すると、図1に示すように、吸収性本体10における長手方向の両側縁から延出する一対のウイング部6,6を有しており、一対の該ウイング部6,6それぞれは、吸収性本体10から延出するサイド防漏部形成シート50から形成されている。一対のウイング部6,6は、排泄部対向部Bに形成されている。
【0054】
一対のウイング部6、6それぞれと、本体長手方向の同じ側のサイド防漏部5とは、一枚のサイド防漏部形成シート50から一体的に形成されている。一枚のサイド防漏部形成シート50は、シール部8を境にして、サイド防漏部5とウイング部6とに分かれている。シール部8の形状は、連設しているウイング部6が、ショーツ股下部の縁部に沿って折り曲げられた時に、該ショーツ股下部の縁部とフィットし易いように、長手方向の中央部において、本体幅方向内方に括れた形状を有している。
【0055】
非接合領域5Aは、排泄部対向部Bにおいて、その本体幅方向内方側の端縁が、シール部8の形状に沿って本体幅方向内方に括れた形状を有している。また、排泄部対向部Bにおいて、ウイング部6と連設している接合領域5Bの部分は、シール部8の形状に沿って本体幅方向内方に括れた形状を有している。
【0056】
一対のウイング部6,6それぞれを構成するサイド防漏部形成シート50の片面には、ショーツ股下部の縁部に沿って折り曲げたウイング部6を、該ショーツの外表面に固定するためのウイング粘着部6a(図示せず)が設けられている。
【0057】
また、ナプキン1における吸収性本体10の肌当接面側には、図1に示すように、溝7が設けられている。溝7は、本体長手方向に延びる一対のエンボス溝、及び該エンボス溝の長手方向の両端部において、本体幅方向に延びるエンボス溝とから形成されている。溝7は、排泄部対向部Bの前後端部間に亘り延びるように形成されている。本体長手方向に延びる一対の前記エンボス溝それぞれは、本体幅方向の外方に向って凸に湾曲する部分が本体長手方向に3つ連なった形状を有している。
【0058】
また、本体幅方向に延びる前記エンボス溝は、本体長手方向外方に向って、凸な形状を有している。溝7によって、表面シート2及び吸収体4が接合されている。サイド防漏部5の折り返し端部51は、図2に示すように、溝7のすぐ外側に位置している。
【0059】
溝7の内側に配されている吸収体4の部分の坪量は、溝7の外側の部分よりも大きく、吸収性本体10の吸収層11には、排泄部対向部Bの前後端部間に亘る中高部13が形成されている。中高部13の平面視形状は、溝7と同形である。
【0060】
吸収体4の厚みは、溝7の内側の部分及び外側の部分それぞれで、略一定であることが好ましい。溝7の内側に配されている吸収体4の部分の厚みは、外側に配されている吸収体4の部分の厚みに対して、1〜10mm、特に2〜8mm装着面側に突出していることが、詳しくは後述するが、ナプキンの包装構造において、ナプキン1のサイド防漏部5に包装による折り癖が形成されにくくなるため、及び液吸収保持性の観点から好ましい。なお、溝7の内側については、幅方向中央を、溝7の外側については、溝7より10mm程度離間した、溝7の影響を受けにくい部位を計測の基準とする。計測には、カトーテック製「KES−G5」を用い、T0値(0.5g/cm2)を厚みとする。(測定条件:「SENS」2、「SPEED RANGE」0.1、「DEF感度」5)
【0061】
次に、本実施形態のナプキン1を形成する材料について説明する。
まず、サイド防漏部形成シート50を形成する不織布としては、従来公知の不織布を特に制限なく用いることができる。例えば、カード法により製造された熱融着繊維ウエブを熱風処理して得られるエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布を用いることができる。これらの不織布における繊維の結合手段に特に制限はなく、例えば、バインダーによる結合や熱融着による結合を用いることができる。また、繊維の結合に代えて、スパンレース不織布等のように繊維の機械的な絡合を利用してもよい。サイド防漏部5に、滑らかな肌触りや、柔らかさを顕著に実現するためには、不織布として、カード法により得られた熱融着繊維ウエブを熱風処理し、強固な圧縮を与えずに不織布化したエアスルー不織布が最も好適に用いられる。
【0062】
サイド防漏部形成シート50を形成する不織布の坪量は、10〜100g/m2、特に15〜50g/m2、さらには20〜50g/m2であることが、サイド防漏部5の立体性が高められて防漏性が向上すると共に、サイド防漏部5の良好な装着感を得る上で好ましい。
【0063】
坪量の測定は、例えば、以下のようにして測定される。サイド防漏部形成シート50を10mm×10mm以上、好ましくは30mm×30mm以上の大きさに裁断し、一つのナプキンから合計面積が250mm2以上の測定片を採取し、この測定片の重量を最小表示1mgの電子天秤を用いて測定し坪量に換算することで求める。坪量の測定精度を高めるために、複数のナプキンより測定片を採取し、5点以上の計測値の平均を求めることが好ましい。
【0064】
また、表面シート2、裏面シート3又は吸収体4の形成材料としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている各種材料を特に制限することなく用いることができる。
【0065】
本実施形態のサイド防漏部形成シート50は、例えば次に説明する方法によって好適に製造される。エアスルー不織布を、多数の凹凸が形成されており且つ互いに噛み合い形状になっている金属製の一組のロール間に挿通させて、スチールマッチエンボス加工を施して、凹形状が付与されたサイド防漏部形成シート50を得る。この際、凹部52aの底面部56aをフィルム化するために、一組のロール間のクリアランスを、部分的に前記不織布の厚みよりも十分に小さくしておき、且つ前記ロールの一方又は両方を、該不織布を構成する樹脂のうちの融点が最低の樹脂の軟化点あるいは融点以上としておくことが好ましい。
【0066】
次に本発明の第2実施形態の生理用ナプキンを、図5〜9を参照しながら以下に説明する。第2実施形態について、特に説明しない点については、前述した実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図5〜9において、図1〜4と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0067】
本発明の好ましい第2実施形態のナプキン1は、図5〜9に示すように、非接合領域5Aにおいて、折り返されているサイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b側に、該サイド防漏部形成シートの一部が突出した突出部が形成されている。詳述すると、サイド防漏部形成シート50には、折り返されている該サイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b側に向かって突出する多数の畝部58,58…が設けられており、前記突出部は、該畝部58,58…から形成されている。
【0068】
本実施形態のナプキン1について、更に説明すると、サイド防漏部5を形成するサイド防漏部形成シート50には、図6(a)に示すように、平面部を有しないように多数の畝部58,58…と溝部59,59…とが交互に配列されている。畝部58は凸状に湾曲し且つ溝部9は凹状に湾曲している。畝部58及び溝部59それぞれは、直線状に形成されている。
【0069】
畝部58と溝部59とは交互に配列されており、溝部59は畝部58からの連続面で形成されている。隣り合う畝部58間の間隔は、0.5〜5mm、特に1〜3mmであることが好ましい。また、隣り合う溝部59間の間隔も同様に0.5〜5mm、特に1〜3mmであることが好ましい。
【0070】
本実施形態のサイド防漏部5は、前述したサイド防漏部形成シート50が、図6(b)に示すように、畝部58及び溝部59が配列されている方向と斜めに交差する仮想線Lに沿って、折り癖がつかないようにサイド防漏部形成シート50が折り返されて形成されている。
サイド防漏部5の折り返し端部51には、図7及び図8に示すように、畝部58及び溝部59それぞれが、本体長手方向と斜めに交差するように形成されている。

【0071】
非接合領域5Aには、折り返されているサイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b側に向かって突出する多数の畝部58,58…が設けられているため、ナプキン着用時にサイド防漏部5が着用者の肌に押されて、相対向するサイド防漏部形成シート50の内面50a,50b同士が近づくと、畝部58同士が部分的に接した状態が形成されるため、非接合領域5Aが押し潰され難くなっている。このため、相対向するサイド防漏部形成シート50が重なってクッション性を低下させることがなく、折り返し端部51には畝溝構造による筋状のパターンが形成されているため、折り線が形成されにくい。
【0072】
前述した構成を有するサイド防漏部5の非接合領域5Aは、ナプキン着用時においても、嵩高でクッション性を有し装着感に優れると共に、立体的形状の安定性が優れている。また、サイド防漏部5の肌当接面側にも、図7及び図8に示すように、同様に、多数の畝部58,58…と溝部59,59…に対応する多数の溝部と畝部とが形成されているため、肌触りが優れている。畝部58は、サイド防漏部5の肌当接面側において、肌当接面側に向って凹状に湾曲しており、溝部59は肌当接面側に向って凸状に湾曲している。
【0073】
また、接合領域5Bにおいて、前述した実施形態と同様に、サイド防漏部形成シート50には、図9に示すように、多数のエンボス部52,52…が設けられており、サイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b同士は、エンボス部52,52…それぞれにより接合されている。エンボス部52は、畝部58及び溝部59それぞれに形成されている。
【0074】
前述した本実施形態のナプキン1によれば、前実施形態のナプキンと同様の効果が奏される。
【0075】
次に、本発明の吸収性物品の包装構造を、前述した本発明のナプキンを用いてその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
【0076】
第1実施形態のナプキンの包装構造20は、図10〜12に示すように、ナプキン1と、これを個装する内面が剥離処理された包装材21とからなり、吸収性本体10の非肌当接面側に本体粘着部10a(図示せず)が設けられており、該本体粘着部10aが包装材21の内面に当接するように該包装材21に剥離自在に粘着されている。
【0077】
本実施形態のナプキンの包装構造20について、更に説明する。
ナプキン1は、前述した本発明の第1実施形態又は第2実施形態のナプキンである。
吸収性本体10の非肌当接面側には、本体長手方向の両側部に一対の本体粘着部10a,10a(図示せず)が形成されている。一対の本体粘着部10a,10aそれぞれは、縦長であり、その長手方向が本体長手方向と一致している。
本体粘着部10aは、ナプキン着用時にショーツの内側に粘着して、吸収性本体10を固定するものであり、いわゆるズレ止め材である。
【0078】
また、一対のウイング部6,6それぞれの非肌当接面側には、前述したウイング部粘着部6a(図示せず)が形成されている。
【0079】
そして、一対のウイング部6,6は、図12に示すように、ウイング部粘着部6a,6aを上方に向けて、吸収性本体19の上に折り返されており、ウイング部粘着部6a,6aの上には一枚の剥離紙(図示せず)が、その剥離処理面をウイング部粘着部6a,6a側に向けて剥離自在に粘着されている。尚、図12において、一対のウイング部6,6は、点線で示されている。また、ナプキン1には、凹部52a、又は畝部58及び溝部59は記載されていない。
【0080】
次に、包装材21について、更に説明する。
包装材21は、図12に示すように、その展開平面が縦長矩形である。包装材21は、その内面全面あるいはナプキン1と当接した部分及びその周辺が剥離処理されており、剥離性を有するものである。尚、本発明においては、内面全面を剥離処理する必要はなく、その一部、例えば、内面の周縁部以外の部分のみ剥離処理してなるものを用いることもできる。更には、ナプキン1の有する粘着部と当接する包装材21の内面の部分のみに、剥離処理が施されていれば良い。
また、包装材21の前端部には、図12に示すように、タブテープ22が設けられている。
【0081】
ナプキン1は、図12に示すように、包装材21の略中央に位置し、ナプキン1の長手方向と包装材21の長手方向とを概ね一致させて、本体粘着部10a、10aが包装材21の内面に当接するように該包装材21に剥離自在に粘着されている。
包装材21は、図12に示すように、その長さ及び幅は、ナプキン1の長さ及び幅よりも大きく形成されている。
【0082】
そして、ナプキン1と包装材21とは、図11に示すように、該ナプキン1の長手方向の一方の端縁である後端縁側から肌当接面側を内側として、2回順次折曲されて折り重ねられており、該折曲によりナプキン1には2つの折線S1、S2が形成されており、吸収性本体10における前記排泄部対向領域の長手方向の中央に最も近い位置にある2つの折線S1、S2間における非接合領域5Aの幅が、吸収性本体10の前後端部それぞれと、該前後端部それぞれに最も近い位置にある折線S1、S2との間における非接合領域5Aの幅よりも大きい。図12において、吸収性本体10における前記排泄部対向領域の長手方向の中央が、中央線CLにより示されている。
【0083】
また、本実施形態のナプキンの包装構造20において、ナプキン1と包装材21とは、吸収性本体10の前記排泄部対向領域で折曲されないように折曲されている。
【0084】
折線S1は、前方部Aと排泄部対向部Bとの境に形成されており、折線S2は、排泄部対向部Bと後方部Cとの境に形成されている。2つの折線S1、S2は、ナプキン1の吸収性本体10における前記排泄部対向領域の長手方向の中央の前後に位置している。
尚、2つの折線S1、S2の何れか一方が、前記排泄部対向領域の長手方向の中央と一致して形成されている場合には、該中央と一致している折線が、該中央に最も近い位置にある折線の一つとなる。
【0085】
ナプキン1は、前述したように、排泄部対向部Bにおける非接合領域5Aの幅が、前方部A及び後方部Cにおける非接合領域5Aの幅よりも広く形成されている。従って、2つの折線S1、S2間における非接合領域5Aの幅は、吸収性本体10の前端部と折線S1との間における非接合領域5Aの幅よりも大きい。同様に、2つの折線S1、S2間における非接合領域5Aの幅は、吸収性本体10の後端部と折線S2との間における非接合領域5Aの幅よりも大きい。
【0086】
また、折線S1、S2は、図12に示すように、中高部13を本体幅方向に跨ぐように形成されている。ナプキン1は、折線S1、S2において、図11に示すように、中高部13の厚みにより折曲されにくくなっているため、サイド防漏部5は、包装による折り癖が形成されにくくなっており、包装による折り癖が形成された場合にも、その程度は弱いものとなる。特に折り返し端部51近傍は、中高部13に近接しているため、非接合領域5Aにおいて包装による折り癖が形成されにくくなっている。
【0087】
そして更に、包装材21は、図11に示すように、その左右両側縁部及び前端縁において封止されている。左右両側縁部においては、ヒートシールにより封止されており、前端縁においては、タブテープ22により封止されている。また、前記の左右両側縁部においては、ヒートシールされているが、開封をより容易にするために、このヒートシールされた部分に沿ってミシン目を設けることも好ましい。
【0088】
本実施形態の包装構造20によれば、包装構造20から取り出されたナプキン1の排泄部対向部Bには、折線による折り癖が形成されないため、排泄部対向部Bのサイド防漏部5における非接合領域5Aでは、サイド防漏部形成シート50の相対向する内面50a,50b同士が少なくとも部分的に離間し、サイド防漏部5は中空部を有し、且つ折り返し端部51は、丸みを帯びた形状を有している。
また、包装構造20から取り出されたナプキン1の排泄部対向部Bの前後に形成された折線S1、S2による折り癖は、その程度が弱いものとなっている。
従って、本実施形態の包装構造20から取り出されたナプキン1のサイド防漏部5は、装着感及び防漏性が高い。
【0089】
次に第2実施形態の吸収性物品の包装構造20を、図13を参照しながら以下に説明する。第2実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図13において、図10〜12と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0090】
本発明の好ましいナプキンの包装構造の第2実施形態は、図13に示すように、吸収性本体10の吸収層11には、吸収性本体10の前記排泄部対向領域の前後端部間に亘る中高部13が形成されており、ナプキン1と包装材21とは、該ナプキン1の長手方向の一方の端縁である後端縁側から肌当接面側を内側として、1回折曲されて折り重ねられており、前記折曲により形成された折線S3が中高部13を跨ぐように形成されている。
【0091】
本実施形態の包装構造20について、更に説明すると、折線S3は、吸収性本体10の前記排泄部対向領域の長手方向の中央線CLと略一致して形成されている。折線S3は、図13に示すように、中高部13を本体幅方向に跨ぐように形成されている。ナプキン1は、折線S3において、中高部13の厚みにより折曲されにくくなっているため、サイド防漏部5には、包装による折り癖が形成されにくくなっており、包装による折り癖が形成されたとしても、その程度は弱いものとなる。特に折り返し端部51近傍は、中高部13に近接しているため、非接合領域5Aにおいて包装による折り癖が形成されにくくなっている。
【0092】
本実施形態の包装構造20によれば、前述した実施形態と同様の効果が奏される。
【0093】
本発明は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の吸収性物品において、一対のサイド防漏部5,5は、吸収性本体10の全長に亘って形成されていることが好ましいが、少なくとも排泄部対向部Bの前後端部に亘り形成されていれば良い。また、前述した実施形態の生理用ナプキン1において、折り返されたサイド防漏部形成シート50の先端部は、吸収性本体10における長手方向の側縁部でシール部8より裏面シート3と接合されていたが、折り返されたサイド防漏部形成シート50の先端部は、前記側縁部よりも本体幅方向の内方側に位置していても良い。この場合、前記先端部は、表面シート2又は相対向しているサイド防漏部形成シート50の部分と接合されていることが好ましい。また、第一実施形態の生理用ナプキン1において、凹部52aの平面視形状は円形状であったが、円形状の他、楕円形、三角形、矩形又はこれらの組み合わせ等であってもよい。
【0094】
また、本発明の吸収性物品の包装構造の第1実施形態において、ナプキン1は2回折曲されていたが、3回以上折曲されていても良い。また、第2実施形態の包装構造20において、ナプキン1は1回折曲されていたが、2回以上順次折曲されていても良い。また、折線S3は、中央線CLと一致していなくても良い。
【0095】
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンであっても良いが、パンティライナー、失禁パッド等であっても良い。
前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品としての生理用ナプキンの第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図2は、図1におけるX−X線断面図である。
【図3】図3は、図1に示す生理用ナプキンにおけるサイド防漏部の非接合領域の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】図4は、図1の生理用ナプキンにおけるサイド防漏部の接合領域の一部Pを拡大して示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の吸収性物品としての生理用ナプキンの第2実施形態を示す平面図である。
【図6】図6(a)及び(b)は、図5の生理用ナプキンにおけるサイド防漏部形成シートを示しており、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【図7】図7は、図5における一部破断Y−Y線断面図である。
【図8】図8は、図5の生理用ナプキンのサイド防漏部を示す一部破断斜視図である。
【図9】図9は、図5の生理用ナプキンにおけるサイド防漏部の接合領域の一部Qを拡大して示す平面図である。
【図10】図10は、本発明の生理用ナプキンの包装構造の第1実施形態を示す斜視図である。
【図11】図11は、図10のZ−Z線断面図である。
【図12】図12は、図10の生理用ナプキンを包装材に当接させた状態を示す平面図(包装構造の展開図)である。
【図13】図13は、本発明の生理用ナプキンの包装構造の第2実施形態を示す図12に相当する平面図である。
【符号の説明】
【0097】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
10 吸収性本体
11 吸収層
12 防漏層
13 中高部
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 サイド防漏部
5A 非接合領域
5B 接合領域
50 サイド防漏部形成シート
50a 一方の内面
50b 他方の内面
50c 外面
51 折り返し端部
52 エンボス部
52a 凹部
56 先端
56a 底面部
57 壁部
58 畝部
59 溝部
6 ウイング部
7 溝
8 シール部
A 前方部
B 排泄部対向部
C 後方部
20 生理用ナプキンの包装構造(吸収性物品の包装構造)
21 包装紙
22 タブテープ
S1、S2,S3 折線
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年9月4日(2006.9.4)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修

【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之


【公開番号】 特開2008−55110(P2008−55110A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−239026(P2006−239026)