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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】長原 進介

【要約】 【課題】吸収体を備えた後方フラップを有する吸収性物品において、該吸収体に吸収された体液が後方フラップの周縁部から漏れ出しにくい吸収性物品を提供すること。

【構成】本体表面シート21、本体裏面シート22及びこれらの間に介在する本体吸収体23を備えた実質的に縦長の吸収性本体2と、吸収性本体2における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップ3,3とを有する吸収性物品1であって、後方フラップ3は、フラップ表面シート31、フラップ裏面シート32及びこれらの間に介在するフラップ吸収体33を備えており、フラップ吸収体33とフラップ裏面シート32とは、平面方向に間欠的に接合材で接合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体表面シート、本体裏面シート及びこれらの間に介在する本体吸収体を備えた実質的に縦長の吸収性本体と、該吸収性本体における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップとを有する吸収性物品であって、
前記後方フラップは、フラップ表面シート、フラップ裏面シート及びこれらの間に介在するフラップ吸収体を備えており、
前記フラップ吸収体と前記フラップ裏面シートとは、平面方向に間欠的に接合材で接合されている吸収性物品。
【請求項2】
前記フラップ吸収体は、シート状に形成され、前記吸収性本体に亘って延在し、前記本体吸収体と一体化している請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記フラップ吸収体の構成繊維は、間欠的に配置した前記接合材の間において、前記フラップ裏面シートに向けて突出している請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記フラップ吸収体の密度は、これと一体化している前記本体吸収体の密度よりも高くなっている請求項2又は3に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン等の吸収性物品には、表面シート、裏面シート及びこれらの間に介在する吸収体を備えた吸収性本体と、該吸収性本体の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップとを有するものがある。後方フラップとは、吸収性本体から延出した状態で折り返されることなくショーツ等の下着に装着されて用いられるもので、下着のクロッチ部の外面側に折り返されて用いられるウイング部とは異なるものである。
また、後方フラップを有する生理用ナプキンにおいて、後方フラップに吸収体(以下「フラップ吸収体」という)を設け、吸収性本体から溢れた体液を後方フラップにおいて吸収できるようにして、生理用ナプキン全体としての防漏性を向上させる技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−189459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の生理用ナプキンにおいては、フラップ吸収体とフラップ裏面シート(後方フラップの下面を形成する裏面シート)との界面の空間の大きさは極めて小さくなっている。そのため、後方フラップにおいて、フラップ吸収体に吸収された体液は、厚み方向に移動した後、毛管力により、フラップ吸収体とフラップシートとの界面の空間を過度に拡散しやすく、これに起因してフラップ吸収体に一旦吸収された体液が後方フラップの周縁部から漏れ出しやすい。このような現象は、フラップ吸収体の液拡散性が低い場合に特に顕著に発生する。
【0005】
従って、本発明の目的は、吸収体を備えた後方フラップを有する吸収性物品において、該吸収体に吸収された体液が後方フラップの周縁部から漏れ出しにくい吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本体表面シート、本体裏面シート及びこれらの間に介在する本体吸収体を備えた実質的に縦長の吸収性本体と、該吸収性本体における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップとを有する吸収性物品であって、前記後方フラップは、フラップ表面シート、フラップ裏面シート及びこれらの間に介在するフラップ吸収体を備えており、前記フラップ吸収体と前記フラップ裏面シートとは、平面方向に間欠的に接合材で接合されている吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸収体を備えた後方フラップを有する吸収性物品において、該吸収体に吸収された体液が後方フラップの周縁部から漏れ出しにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の吸収性物品について、その好ましい一実施形態(第1実施形態)に基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の吸収性物品は、生理用ナプキン1であり、図1〜図3に示すように、本体表面シート21、本体裏面シート22及びこれらの間に介在する本体吸収体23を備えた実質的に縦長の吸収性本体2と、吸収性本体2における少なくとも後方部Bの両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップ3,3と、吸収性本体2における前方部Aの両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対のウイング部4,4とを有している。
【0009】
吸収性本体2において、「前方部A」とは、使用時において着用者の前方側に位置する部分を意味し、具体的には、吸収性本体2の長手方向中央部よりも前側に位置する部分である。また、「後方部B」とは、使用時において着用者の後方側に位置する部分を意味し、具体的には、吸収性本体2の長手方向中央部よりも後側に位置する部分である。「少なくとも後方部B」とは、後方フラップ3の一部が前方部Aから延出している形態を含む意味である。
【0010】
また、特に明記のない限り、「長手方向」とは、吸収性物品(吸収性本体2)の長手方向に沿う方向であり、「幅方向」とは、吸収性物品(吸収性本体2)の幅方向に沿う方向である。また、「上面」及び「下面」とは、それぞれ展開状態における上面及び下面のことである。
【0011】
吸収性本体2は、図2に示すように、液透過性の本体表面シート21、液不透過性又は撥水性の本体裏面シート22及び液保持性の本体吸収体23からなる。本体吸収体23は、平面視で略長方形形状を有している。本体吸収体23は、上層本体吸収体23aと下層本体吸収体23bとの積層体からなる。本体表面シート21は、本体吸収体23の上面全域を被覆している。本体裏面シート22は、本体吸収体23の下面全域を被覆している。
【0012】
吸収性本体2の上面には、図1に示すように、本体表面シート21から本体吸収体23に向けて凹んだ圧搾溝Dが設けられている。圧搾溝Dは、例えばヒートエンボス加工により形成され、本体表面シート21と本体吸収体23とを一体化している。
このように、吸収性本体2は、本体表面シート21、本体吸収体23及び本体裏面シート22の順で積層した積層体からなる。
【0013】
後方フラップ3は、図1に示すように、吸収性本体2から延出した状態で折り返されることなくショーツ等の下着に装着されて用いられるものである。ただし、後方フラップ3は、生理用ナプキンの個装形態等においてコンパクトにするために吸収性本体2の上面側又は下面側に折り返してもよい。
後方フラップ3を有する生理用ナプキン1の長さは、26cm以上、好ましくは30cm以上である。後方フラップ3の(片側の)幅(生理用ナプキンの幅方向に沿う幅)は、1cm以上、好ましくは3cm以上である。後方フラップ3の幅は、個装形態から生理用ナプキンを取り出す際の取り扱い易さや生理用ナプキンの装着し易さの観点から、吸収性本体2の幅よりも短い方が好ましい。本実施形態における後方フラップ3は、後方部Bに配されており、前方部Aから後方部Bに向けて幅が拡がる形状を有している。
【0014】
後方フラップ3は、図2に示すように、液透過性のフラップ表面シート31、液不透過性又は撥水性のフラップ裏面シート32及び液保持性のフラップ吸収体33からなる。フラップ吸収体33は、平面視で、後方フラップ3を一回り小さくした形状を有している。フラップ表面シート31は、フラップ吸収体33の上面全域を被覆している。フラップ裏面シート32は、フラップ吸収体33の下面全域を被覆している。
このように、後方フラップ3は、フラップ表面シート31、フラップ吸収体33及びフラップ裏面シート32の順で積層した積層体からなる。
【0015】
ウイング部4は、下着のクロッチ部の外面側に折り返されて用いられるもので、その位置、平面視形状等が異なる以外は、後方フラップ3と同様の構成を有している。本実施形態におけるウイング部4は、図1に示すように、下底(上底よりも長い辺)が吸収性本体2の側部側に位置する略台形形状を有している。
具体的には、ウイング部4は、図3に示すように、液透過性のウイング表面シート41、液保持性のウイング吸収体43及び液不透過性又は撥水性のウイング裏面シート42の順で積層した積層体からなる。ウイング吸収体43は、平面視で、ウイング部4を一回り小さくした形状を有している。ウイング表面シート41は、ウイング吸収体43の上面全域を被覆している。ウイング裏面シート42は、ウイング吸収体43の下面全域を被覆している。
このように、ウイング部4は、ウイング表面シート41、ウイング吸収体43及びウイング裏面シート42の順で積層した積層体からなる。
【0016】
吸収性本体2、後方フラップ3及びウイング部4を構成する前記各部材は、それぞれ別体で構成することもできるが、複数の部材を一体的に構成することもできる。
本実施形態においては、図2及び図3に示すように、本体表面シート21、一対のフラップ表面シート31,31及び一対のウイング表面シート41,41は、一つの一体表面シート11から形成されている。また、本体裏面シート22、一対のフラップ裏面シート32,32及び一対のウイング裏面シート42,42は、一つの一体裏面シート12から形成されている。
【0017】
また、下層本体吸収体23b、一対のフラップ吸収体33,33及び一対のウイング吸収体43,43は、一つの一体吸収体13から形成され、一体化している(直接的な一体化)。一体吸収体13は、それぞれ別体の下層本体吸収体23b、フラップ吸収体33及びウイング吸収体43を、一部重ね合わせることにより形成することもできる(間接的な一体化)。
【0018】
別の見方をすると、フラップ吸収体33及びウイング吸収体43は、吸収性本体2に亘って延在し、本体吸収体23の一部(下層本体吸収体23b)と直接的あるいは間接的に一体化している。
フラップ吸収体33が吸収性本体2に亘って延在し、本体吸収体23の一部と一体化していると好ましい理由は、次の通りである。フラップ吸収体33においては、体液は、本体吸収体23を介して間接的に又は直接的に、フラップ吸収体33における吸収性本体2近傍の領域に吸収される場合が多い。そのような場合においても、フラップ吸収体33と一体化している本体吸収体23の存在により、フラップ吸収体33における吸収性本体2近傍の領域に吸収された体液は、吸収ポイントから同心円状に徐々に拡散することができるため、後方フラップ3の周縁部から漏れ出しにくい。
【0019】
なお、フラップ吸収体33と本体吸収体23とが一体化されておらず、それぞれ独立(分離)している場合には、吸収性本体2による液の拡散の影響を受け難い。
また、上層本体吸収体23aと一体吸収体13とは、別体となっている。
【0020】
一体表面シート11は、上層本体吸収体23a及び一体吸収体13の集合体(23a,13)の上面全域を被覆している。一体表面シート11の周縁部は、集合体(23a,13)の周縁部から延出している。
また、一体裏面シート12は、一体吸収体13の下面全域を被覆している。一体裏面シート12の周縁部は、一体吸収体13の周縁部から延出している。
そして、集合体(23a,13)の周縁部から延出している、一体表面シート11の周縁部と一体裏面シート12の周縁部とは、ヒートシール、ホットメルト接着剤等により接合されている。別の見方をすると、フラップ表面シート31とフラップ裏面シート32とはフラップ吸収体33の周縁部の外方において接合されている。同様に、ウイング表面シート41とウイング裏面シート42とはウイング吸収体43の周縁部の外方において接合されている。
【0021】
フラップ吸収体33とフラップ裏面シート32とは、図4及び図5に示すように、平面方向に間欠的に配置した接合材(以下「フラップ接合材」ともいう)6で接合されている。本実施形態においては、フラップ裏面シート32の内面32aにドット状のフラップ接合材6が千鳥配置で設けられており、このフラップ接合材6により、フラップ吸収体33とフラップ裏面シート32とが非連続的に接合されている。
ここで、フラップ接合材6及びフラップ裏面シート32を一体的に捉えると、図4に示すように、フラップ接合材6の上面が基面で、フラップ裏面シート32の内面32aが凹部の底面となる凹状構造が形成されていることになる。
【0022】
ドット状のフラップ接合材6の平面視面積は、好ましくは0.1〜10mm2、更に好ましくは0.5〜5mm2である。ドット状のフラップ接合材6の密度(単位面積あたりの個数)は、好ましくは4〜20個/cm2、更に好ましくは5〜15個/cm2である。ドット状のフラップ接合材6の平面視形状は、本実施形態においては円形であるが、例えば、楕円形、矩形でもよい。
ドット状のフラップ接合材6は、フラップ裏面シート32の内面32aに全面的に設けられていることが好ましいが、部分的に設けられていてもよい。
後方フラップ3における前記凹状構造の深さ、つまりフラップ接合材6の厚みは、好ましくは0.1〜5mm、更に好ましくは0.2〜2mmである。
【0023】
フラップ吸収体33の構成繊維は、間欠的に配置したフラップ接合材6の間において、フラップ裏面シート32に向けて突出している。
このようにフラップ吸収体33の構成繊維がフラップ裏面シート32に向けて突出した構成を形成する方法としては、例えば、フラップ接合材6によりフラップ吸収体33とフラップ裏面シート32とを非連続的に接合した後に、フラップ吸収体33に対して熱風処理を行う方法が挙げられる。
このように、フラップ吸収体33の構成繊維が、間欠的に配置したフラップ接合材6の間において、フラップ裏面シート32に向けて突出しているに向けて突出していると、後方フラップ3には擬似的な液の保持空間が形成され、該保持空間は、その周囲よりも密度が低くなるため、液の拡散が起こり難い。
【0024】
後方フラップ3において、フラップ表面シート31はフラップ吸収体33に接合されている。この接合には、例えばホットメルト接着剤が用いられる。接着剤の塗工形状は、特に制限されず、例えば、面状(いわゆるべた塗り)、スパイラル状、長手方向又は幅方向に延びるストライプ状、Ω状、ドット状である。
【0025】
吸収性本体2においても、後方フラップ3と同様に、本体吸収体23と本体裏面シート22とは、平面方向に間欠的に配置した本体接合材(図示せず)により接合されて、凹状構造が形成されていることが好ましい。
例えば、本体裏面シート22の内面には、ドット状の前記本体接合材が千鳥配置で設けられて、凹状構造が形成されている。ドット状の本体接合材の平面視面積は、好ましくは0.1〜10mm2、更に好ましくは0.5〜5mm2である。ドット状のフラップ接合材6の密度(単位面積あたりの個数)は、好ましくは4〜20個/cm2、更に好ましくは5〜15個/cm2である。ドット状の本体接合材の平面視形状は、例えば、円形、楕円形、矩形である。
前記本体接合材の厚みは、好ましくは0.1〜5mm、更に好ましくは0.2〜2mmである。
【0026】
吸収性本体2の本体裏面シート22の凹状構造及び後方フラップ3のフラップ裏面シート32の凹状構造は、同じ構造が採用されても良く、異なる構造が採用されていても良い。しかしながら、フラップ裏面シート32の凹状構造の液保持機能による液の拡散抑制効果を利用することが好ましいことを考慮すると、フラップ裏面シート32の凹状構造が不定形である場合には、定形の構造体による加工によって、定形の凹状構造が単独で形成されている状態、又は不定形の凹状構造と定形の凹状構造とが併用された状態とすることにより、また、フラップ裏面シート32の凹状構造が定形である場合には、凹状構造の面積・密度・厚み等を適宜設定することにより、フラップ裏面シート32の凹状構造の容積を吸収性本体2の本体裏面シート22の凹状構造の容積よりも10〜30%程度大きく形成することが好ましい。
【0027】
ウイング部4においても、後方フラップ3と同様に、ウイング吸収体43とウイング裏面シート42とは、平面方向に間欠的に配置したウイング接合材(図示せず)により接合されて、凹状構造が形成されていることが好ましい。
前述の後方フラップ3におけるフラップ接合材6に関する説明は、吸収性本体2における前記本体接合材及びウイング部4における前記ウイング接合材に適宜適用される。
吸収性本体2、後方フラップ3及びウイング部4の下面には、即ち、一体裏面シート12の下面の所定位置には、ズレ止め材として、それぞれ本体粘着部、フラップ粘着部及びウイング粘着部(何れも図示せず)が設けられている。
【0028】
上層本体吸収体23aは、吸収性物品における吸収体として従来から用いられているものを特に制限なく用いることができる。上層本体吸収体23aは、嵩高で、液保持能が高いものが好ましい。
下層本体吸収体23b、フラップ吸収体33及びウイング吸収体43は、即ち、一体吸収体13は、シート状に形成されていることが好ましく、特に、液拡散性の低いシート状材料から形成されていることが好ましい。該シート状材料の具体例としては、パルプを積繊し、バインダーで固定した乾式パルプシート〔商品名「JS−50HB」ハビックス(株)製等〕や、湿式吸収紙にエンボス加工したエンボス吸収紙等が挙げられ、そのうち、コストの点からエンボス吸収紙が特に好ましい。
【0029】
フラップ吸収体33及びウイング吸収体43は、本体吸収体23から溢れた体液を吸収する補足的なもので、液吸収時の拡散性が低いものが好ましい。具体的には、1gの生理食塩水を吸収体の約1cm上方から滴下した後、1分後の吸収面積が80cm2以下であるものが好ましく、50cm2以下であるものが更に好ましい。吸収面積を80cm2以下とすることにより、液の拡散を遅くすることができ、体液がフラップ吸収体33及びウイング吸収体43を過度に拡散して漏れることを防止できる。
【0030】
前記エンボス吸収紙は、エンボス加工を施すことにより、吸収紙に厚みを出し、且つ液が1方向に拡散しないようにしたものである。そのエンボスパターンは特に限定されないが、1〜30個/cm2の密度でドット状にエンボス加工されていることが好ましい。
【0031】
フラップ吸収体33(一体吸収体13)は、(本体吸収体23よりも密度が低くなされている場合には特に、)非肌当接面側の密度が肌当接面側の密度よりも低いことが好ましく、0.05〜0.2g/cm3程度低いことが更に好ましい。尚、「肌当接面側」とは、着用時に着用者の肌側に配される側であり、「非肌当接面側」とは、肌当接面側の反対側である。
これらの密度は、電子顕微鏡を用い、次のように計測する。まず、後方フラップ3を解体せずにフラップ吸収体33の厚みを計測する。その後、フラップ吸収体33を後方フラップ3の他の構成部材から分離して、質量及び面積を計測し、この質量、面積及び厚みから密度を算出する。この際、分離したフラップ吸収体33の面積が200cm2未満である場合、異なるサンプルのフラップ吸収体33を分離してサンプルを補充する等して、サンプルの面積を200cm2以上として密度を計測する。密度の計測は、複数のサンプルを用いて計測することが好ましい。また、フラップ吸収体33の厚みは、毛羽を含めて計測する。
【0032】
非肌当接面側の密度を肌当接面側の密度よりも低くする方法としては、例えば、フラップ吸収体33の非肌当接面側から肌当接面側に向けてヒートエンボス加工を施し、その後、熱風によりフラップ吸収体33の嵩を回復させる方法が挙げられる。
フラップ吸収体33において、非肌当接面側の密度が肌当接面側の密度よりも低くなっていると、後方フラップ3における液の拡散抑制効果が高まり、モレ防止効果を向上できる観点から好ましい。
【0033】
フラップ吸収体33の密度は、これに延在している本体吸収体(本実施形態においては、下層本体吸収体23b)の密度よりも高いことが好ましく、0.05〜0.2g/cm3程度高いことが更に好ましい。
フラップ吸収体33の密度をこれと一体化している本体吸収体の密度よりも高くする方法としては、例えば、後方フラップのみにロール間において熱および圧力を加える方法や、フラップ表面シート31とフラップ吸収体33とを熱エンボス加工等により接合する方法がある。
フラップ吸収体33の密度がこれと一体化している本体吸収体の密度よりも高くなっていると、フラップ吸収体33に吸収された体液が、これと一体化している本体吸収体に戻りにくい点で好ましい。
【0034】
フラップ吸収体33の座屈強度は、ヨレ防止及び装着感向上の観点から、20〜500gであることが好ましく、50〜300gであることが更に好ましい。座屈強度を20g以上とすることにより、後方フラップ3がヨレにくくなり、一方、座屈強度を500g以下とすることにより、後方フラップ3の全体が固くなり過ぎることを防止して、装着時に違和感を感じないようにすることができる。
【0035】
前記座屈強度は、下記のようにして測定される。
〔座屈強度の測定方法〕
測定は、20℃、65%RH下において、1日以上放置した吸収体を用いて、この温度及び湿度条件下にて行う。
詳細には、吸収体を縦150mm×横30mmに切り出し、これを試料とする。この試料の長手方向端部を、その重ね合わせ部分の幅が5mmとなるように重ね合わせ、輪状とする。その後、上下各1cmの部分を、ステープラーにより針の長さ方向が圧縮方向と直角の方向となるように2箇所固定し、リング状のサンプルを得る。得られたリング状のサンプルを、テンシロン試験機〔商品名「RTM−25」東洋ボールドウィン(株)製〕の試料台に、試料の長手方向を下面にして設置する。設置後、圧縮試験モードにて測定速度10mm/minで試料を圧縮し、座屈したときの最大強度を求める。別に作成した5つのサンプルについて同様に測定を行い、平均を求めて、座屈強度とする。
【0036】
フラップ吸収体33の厚さは、好ましい剛性及び拡散性を得るために、2.5g/m2荷重下において0.2〜3mmであることが好ましく、0.3〜2mmであることが更に好ましい。
前述のフラップ吸収体33の各種物性に関する説明は、ウイング吸収体43の各種物性にも適宜適用される。
【0037】
本実施形態の生理用ナプキン1は、後方フラップ3を吸収性本体2から延出した状態で折り返することなくショーツ等の下着に装着し、ウイング部4を下着のクロッチ部の外面側に折り返して用いられる。
詳細には、本実施形態の生理用ナプキン1は、吸収性本体2をショーツのクロッチ部の内面に配設し、後方フラップ3をショーツの内面に配設し、ウイング部4をクロッチ部の外面側に折り返して、吸収性本体2、後方フラップ3及びウイング部4をそれぞれ本体粘着部、フラップ粘着部及びウイング粘着部によりショーツの内面又は外面に止着することにより、位置ズレを防止しながら装着することができる。
【0038】
そして、本実施形態の生理用ナプキン1においては、吸収性本体2の後方部Bから滲出した液や、吸収されずに流れる液を、後方フラップ3で効果的に吸収できるため、後方部Bからの液漏れ防止性に優れる。
仮に、後方フラップ3において、フラップ接合材6が設けられていないとすると、フラップ吸収体33とフラップ裏面シート32との界面には、極めて小さい空間しか形成されない。そのため、界面の空間に大きな毛管力が作用し、フラップ吸収体33に吸収された体液は、過度に拡散し、後方フラップ3の周縁部から漏れやすい。
【0039】
これに対し、本実施形態における後方フラップ3においては、フラップ吸収体33とフラップ裏面シート32とは、平面方向に間欠的に配置したフラップ接合材6で接合されている。従って、フラップ吸収体33とフラップ裏面シート32との界面は、フラップ接合材6の厚み分離間し、該界面には十分な大きさの空間が形成される。そのため、フラップ吸収体33に吸収された体液は、フラップ吸収体33とフラップ裏面シート32との界面に移動しても、十分な大きさの空間の存在により、毛管力が生じ難いと共に凹状構造(フラップ接合材6)が抵抗となって、過度の拡散が抑制される。その結果、フラップ吸収体33に吸収された体液は、後方フラップ3の周縁部から漏れにくい。
同様に、吸収性本体2の前方部Aから滲出した液や、吸収されずに流れる液を、ウイング部4で効果的に吸収できるため、前方部Aからの液漏れ防止性に優れる。
【0040】
第1実施形態においては、例えば、図6(a)に示すように、複数条の帯状のフラップ接合材6を、フラップ裏面シート32の内面32aに所定間隔をあけて平行に配列して設けることができる。帯状のフラップ接合材6は、生理用ナプキン1の長手方向に沿って延びていることが好ましい。
また、図6(b)に示すように、複数本のスパイラル状のフラップ接合材6を、フラップ裏面シート32の内面32aに所定間隔をあけて平行に配列して設けることができる。スパイラル状のフラップ接合材6は、生理用ナプキン1の長手方向に沿って連続していることが好ましい。
また、本体吸収体23は、上層本体吸収体23aをなくし、下層本体吸収体23bのみの1層構造で構成することができる。
【0041】
次に、本発明の吸収性物品の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、上述した第1実施形態と異なる点を主として説明し、同様の点は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
【0042】
第2実施形態の生理用ナプキンは、図7に示すように、第1実施形態に比して、下層本体吸収体23bが吸収性本体2の幅方向全域に亘っておらず、吸収性本体2の両側部近傍のみに分離して設けられている点が主として異なる。
このように構成された第2実施形態の生理用ナプキン1によれば、第1実施形態と同様の効果が奏される他、本体吸収体23への液の戻りにくさや後方部Bのフィット性がより高まる効果も奏される。
【0043】
第3実施形態の生理用ナプキン1は、図8に示すように、第2実施形態に比して、フラップ吸収体33が、吸収性本体2に亘って延在しておらず、本体吸収体23と一体化していない点が主として異なる。本体吸収体23は、単層構造でも複数構造でもよい。
このように構成された第3実施形態の生理用ナプキン1によれば、第2実施形態と同様の効果が奏される他、後方フラップ3のフィット性、フラップ吸収体33と本体吸収体23との段差が少なくなることによる液の受け取り性、さらに本体吸収体23の吸収容量が向上する等の効果も奏される。
【0044】
本発明の吸収性物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、ウイング部4にはウイング吸収体が設けられていなくてもよい。また、ウイング部4自体がなくてもよい。
フラップ表面シート31及びウイング表面シート41は、液不透過性又は撥水性のシートから構成することができる。
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンに制限されず、例えば、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッドにも適用することができる。本発明の吸収性物品が装着される下着は、ショーツに制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態としての生理用ナプキンを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すII−II断面図である。
【図3】図3は、図1に示すIII−III断面図である。
【図4】図4は、図2の模式的部分拡大図である。
【図5】図5は、フラップ接合材の配置形態を示す平面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、それぞれフラップ接合材の別の配置形態を示す平面図(図5対応図)である。
【図7】図7は、本発明の吸収性物品の第2実施形態としての生理用ナプキンを示す断面図(図2対応図)である。
【図8】図8は、本発明の吸収性物品の第3実施形態としての生理用ナプキンを示す断面図(図2対応図)である。
【符号の説明】
【0046】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 吸収性本体
21 本体表面シート
22 本体裏面シート
23 本体吸収体
23a 上層本体吸収体
23b 下層本体吸収体
3 後方フラップ
31 フラップ表面シート
32 フラップ裏面シート
32a 内面
33 フラップ吸収体
4 ウイング部
41 ウイング表面シート
42 ウイング裏面シート
43 ウイング吸収体
6 フラップ接合材
A 前方部
B 後方部
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修

【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之


【公開番号】 特開2008−48997(P2008−48997A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−229921(P2006−229921)