| 【発明の名称】 |
フラストレイトした回折領域を有するアポダイズ回折型IOL |
| 【発明者】 |
【氏名】マイケル ジェイ.シンプソン
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| 【要約】 |
【課題】中間視力の強化に供与する眼球内レンズを提供する。
【構成】回折型眼科用レンズ(例えば、回折型IO)は、前方表面と後方表面を有する光学系を含み、この光学系が遠方焦点を供与する。複数の回折区域を備えるフラストレイトした回折構造は、近接焦点を供与するように、上記表面の少なくとも1つの上に配置される。各々の区域は、入射光に対して光学的位相遅延を与える区域境界によって隣接区域から分離される。さらに、少なくとも2つの連続する区域境界は、入射光の一部を上記近接焦点と上記遠方焦点との間の位置に導くように、少なくとも入射光の1波長に対して、該区域境界の関係する位相遅延による差異が約1/4波長より大きくなるように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前方表面と後方表面とを有する光学系であって、遠方焦点を供与する光学系と、 近接焦点を供与するために、少なくとも1つの前記表面に配置される複数の回折区域を備える回折構造であって、各々の回折区域は、入射光に光学的位相遅延を与える区域境界によって隣接区域から分離される回折構造と、を具備する眼科用レンズであって、 入射光の一部を前記近接焦点と前記遠方焦点との間の位置に導くために、少なくとも2つの連続する区域境界は、少なくとも1つの波長に対してそれらの関係する位相遅延による差異が、約1/20波長より大きくなるように構成される眼科用レンズ。 【請求項2】 前記2つの連続する区域境界によって供与される前記位相遅延による差異は、約1/4の波長から約1波長との範囲内にある請求項1に記載のレンズ。 【請求項3】 前記区域境界は、複数のステップを備える請求項1に記載のレンズ。 【請求項4】 少なくとも2つの連続するステップは、それらの関係する位相遅延において前記差異を供与するのに適合する高さの差を示す請求項3に記載のレンズ。 【請求項5】 前記ステップの一部は、回折構造が置かれる表面の中央からの距離が増加するのに応じて、ステップ高さの減少を示す請求項4に記載のレンズ。 【請求項6】 前記回折構造は、該回折構造が置かれる表面の一部をカバーする面取りされた回折構造を備える請求項1に記載のレンズ。 【請求項7】 前記少なくとも1つの波長は、約400nmから約700nmの範囲内にある請求項1に記載のレンズ。 【請求項8】 前記少なくとも1つの波長は、約550nmである請求項7に記載のレンズ。 【請求項9】 前記光学系は、約6Dから約34Dの範囲内で、遠方焦点用の光学的パワーを供与する請求項1に記載のレンズ。 【請求項10】 前記回折構造は、約2Dから約4Dの範囲内で、追加パワーを供与する請求項1に記載のレンズ。 【請求項11】 前記光学系は、生体適合性物質から形成される請求項1に記載のレンズ。 【請求項12】 前記生体適合性物質は、柔軟なアクリル、シリコン、およびヒドロゲルのいずれを備える請求項11に記載のレンズ。 【請求項13】 前記レンズは、IOLを備える請求項1に記載のレンズ。 【請求項14】 前方表面と後方表面とを有する光学系と、 前記表面の少なくとも1つに配置される複数の回折区域を備える回折構造であって、各々の区域は、区域境界によって隣接区域から分離される回折構造と、を具備する眼科用レンズであって、 前記光学系は、前記回折区域の0番目の回折次数に対応する遠方焦点と、前記回折区域の1番目の回折次数に対応する近接焦点と、を供与し、 ここで、前記区域境界は、中間視力を増強するように、前記近接焦点と前記遠方焦点との間の位置に入射光の一部を導くように適合された不均一な位相遅延を生成する複数の不均一なステップ高さによって特徴付けられる眼科用レンズ。 【請求項15】 前記不均一なステップ高さは、各ステップが入射光に位相遅延を与えるような少なくとも2つの連続するステップであって、前記入射光の少なくとも1つの波長に対して、前記連続するステップに関係する前記位相遅延の差異が約1/20波長より大きくなるような連続するステップ、を備える請求項14に記載のレンズ。 【請求項16】 前記光学系は、約6Dから約34Dの範囲内で、遠方焦点の光学的パワーを供与する請求項15に記載のレンズ。 【請求項17】 前記光学系は、約2Dから約4Dの範囲内で、追加パワーに対応する近接焦点の光学的パワーを供与する請求項15に記載のレンズ。 【請求項18】 前記回折区域は、回折要素を欠く各々の表面の一部によって囲まれる請求項14に記載のレンズ。 【請求項19】 前方表面と後方表面とを有する光学系であって、遠方焦点の光学的パワーを供与する光学系と、 近接焦点の光学的パワーを供与するために、少なくとも1つの前記表面に配置される複数の回折区域を備える回折構造と、を具備する眼科用レンズであって、 ここで、少なくとも2つの前記回折区域は、中間視力を増強するために、前記光学系上の入射光の一部を前記近接焦点と前記遠方焦点との間の中間位置に導くのに充分な相違する表面曲率を示す眼科用レンズ。 【請求項20】 前記少なくとも2つの前記回折区域における曲率の差異は、約10%から約50%の範囲内にある請求項19に記載のレンズ。 【請求項21】 前記2つの前記回折区域は、2つの隣接区域を備える請求項20に記載のレンズ。 【請求項22】 前記眼科用レンズは、IOLを備える請求項19に記載のレンズ。 【請求項23】 前記遠方焦点の光学的パワーは、約6Dから約34Dの範囲内にある請求項19に記載のレンズ。 【請求項24】 前記近接焦点の光学的パワーは、約2Dから約4Dの範囲内での追加パワーに対応する請求項19に記載のレンズ。 【請求項25】 前方表面と後方表面とを有する光学系であって、遠方焦点を供与する光学系と、 近接焦点を供与するために、少なくとも1つの前記表面に配置される複数の回折区域を備える回折構造と、を具備する眼科用レンズであって、 ここで、少なくとも1つの前記回折区域の表面は、前記回折構造が、少なくとも入射光の一部を前記近接焦点と前記遠方焦点との間の中間位置に導くような、非球面性を示す眼科用レンズ。 【請求項26】 前記非球面性は、約−10から約−1000の範囲内の円錐定数によって特徴付けられる請求項25のレンズ。 【請求項27】 前記遠方焦点は、約6Dから約34Dの範囲内にある光学的パワーによって特徴付けられる請求項25に記載のレンズ。 【請求項28】 前記眼科用レンズは、IOLを備える請求項25に記載のレンズ。 【請求項29】 前記近接焦点は、約2Dから約4Dの範囲内にある追加パワーによって特徴付けられる請求項25に記載のレンズ。 【請求項30】 前方表面と後方表面とを有する光学系であって、遠方焦点を供与する光学系と、 近接焦点を供与するために、前記光学系の光軸周辺の前記表面の1つに配置される複数の環状の回折区域と、を具備する眼科用レンズであって、 ここで、少なくとも1つの前記回折区域(i)は、次の関係式によって規定される半径上の位置に境界を有し、 ri2=ro2+2iλf ここで、iは、区域番号を示し(i=0は中央区域を示す)、 λは、計画波長を示し、 fは、近接焦点の焦点距離を示し、および roは、中央区域の半径を示し、かつ、 少なくとも他の区域は、半径上の位置に境界を有し、該半径上の位置は、入射光の一部を前記近接焦点と前記遠方焦点との間の中間位置に導くための想定の個別区域のために上記関係式で規定される値とは、充分に異なる眼科用レンズ。 【請求項31】 前記少なくとも他の区域の半径上の位置は、約20%から約50%の範囲内の規模で、前記関係式で規定される半径とは異なる請求項30に記載のレンズ。 【請求項32】 λは、約400nmから約700nmの範囲内にある請求項30に記載のレンズ。 【請求項33】 前記近接焦点は、約2Dから約4Dの範囲内にある追加パワーに対応する請求項30に記載のレンズ。 【請求項34】 前方表面と後方表面とを有する光学系であって、遠方焦点を供与する光学系と、 近接焦点を供与するために、少なくとも1つの前記表面に配置される複数の回折区域と、を具備する眼科用レンズであって、 ここで、前記回折区域は、入射光の少なくとも一部を、前記近接焦点と前記遠方焦点との間の中間位置に導くように、 (λf)1/2から充分に異なる半径を有する中央区域を備え、λは計画波長を示し、fは近接焦点の焦点距離を示す眼科用レンズ。 【請求項35】 λは、約400nmから約700nmの範囲内にある請求項34に記載のレンズ。 【請求項36】 前記近接焦点は、約2Dから約4Dの範囲内にある追加パワーに対応する請求項34に記載のレンズ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、一般的に眼科用レンズに関わり、より詳細に述べれば中間視力の強化に供与する眼球内レンズ(IOLs:intraocular lenses)に関連する。 【背景技術】 【0002】 眼球内レンズは、白内障手術の間、自然の水晶レンズと交換するために、ごく普通に患者の目の中に埋め込まれる。いくつかのIOLは、遠方焦点パワーだけでなく近接焦点パワーについても、患者に供与するために回折構造を採用する。また、このようなIOLは、2つの主要なレンズパワー(すなわち、遠方焦点パワーおよび近接焦点パワー)の焦点ぼけの特性が原因で、中間視力で限界を示す可能性がある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、中間視力を強化することができる回折型IOLに対して、未だニーズがあり、特に、遠方視力と近接視力とを著しく低下させることなく、中間位置での像品質を向上させるようなIOLに対してニーズがある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、一般的に回折型眼球内レンズ(例えば、回折型IOL)に関わり、このレンズは、入射光の一部を遠方焦点と近接焦点との間にある中間位置に導く一方で、遠方焦点および近接焦点にも光を供与する。より特別に、このタイプの回折レンズは、中間位置に入射光の一部を導くのに適合する回折構造を含むことができる。多くの実施例において、入射光の一部を中間位置に導くことは、回折構造の2つ以上の区域境界で生成される位相遅延の間において、充分な差異を供与することで達成される。 【0005】 第1の態様において、本発明は、回折型眼科用レンズ(例えば、回折型IOL)を提示し、このレンズは、前方表面と後方表面とを有する光学系を含み、該表面により、この光学系は、遠方焦点を供与する。複数の回折区域を備える回折構造は、近接焦点を供与するために、少なくとも1つの上記表面に配置される。各々の区域は、入射光に光学的位相遅延を与える区域境界によって隣接区域から分離される。さらに、少なくとも2つの連続した区域境界(2つの異なる区域から、1つの共通回折区域を分離する2つの区域境界)は、入射光の少なくとも1つの波長に対して、それらの関係する位相遅延による差異が、約1/20波長(λ/20)より大きくなるように構成される。さらに好ましくは、上記区域境界は、上記差異が、約1/4波長(λ/4)より大きく、例えば約1/20波長(λ/20)から約1波長(λ)の範囲内になるように構成し、入射光の一部を遠方焦点と近接焦点との間にある中間位置に導けるようにする。 【0006】 関連する態様において、区域境界は、複数のステップを備え、そこで少なくとも2つの連続するステップは、それらの関係する位相遅延において、約1/20波長よりも大きな差異を供与するのに適合する高さの差を示し、さらに好ましくは、約1/4波長よりも大きい、例えば約1/20波長から約1波長の範囲内に入るような差異を供与するのに適合する高さの差を示す。 【0007】 別の態様において、回折構造の区域境界として複数のステップを有する上記IOLにおいて、ステップの一部は、回折構造が置かれた表面の中央から距離が増加するのに応じて、高さを減少させることを示す。すなわち、ステップ高さの一部は、アポダイズされている。 【0008】 別の態様において、眼科用レンズの回折構造は、該回折構造が置かれるレンズ表面の全体よりもむしろ一部をカバーするように面取りされた回折構造を備える。 【0009】 別の態様において、上記IOLにおける2つの連続する区域境界は、少なくとも1波長に対して上述の異なる位相遅延を示し、この波長は、約400nmから約700nm(例えば、550nm)の範囲内を対象とする。 【0010】 別の態様において、光学系は、約6ジオプター(D)から約34Dの範囲内で遠方焦点の光学的パワーを供与する。さらに、回折構造は、約2Dから約4Dの範囲内で近接焦点の追加パワーを供与し、例えば、約2.5Dから約4Dの範囲、または約3Dから約4Dの範囲で近接焦点の追加パワーを供与する。目の中に埋め込まれるときの実効的なIOLの追加パワーは、通常(実際)の追加パワーとは異なる可能性がある。例えば、角膜パワーおよび角膜とIOLとの間の距離間隔による組合せは、IOLの実効的な追加パワーを弱くする可能性がある。例えば、名目上4Dの追加パワーは、目全体として3Dの実効的な追加パワーに終わる可能性がある。以下の箇所において、表記が無ければ、追加パワーで引用する値は、名目上(実際)のレンズの追加パワーを参照しており、IOLが目の中に埋め込まれるときの実効的な追加パワーとは異なる可能性がある。 【0011】 関連する態様において、上記の光学系は、生体適合性の物質から形成される。このような物質のいくつかの例は、柔軟なアクリル、シリコン、ヒドロゲル、または特別な応用のために必要な屈折率を有する別の生体適合性の高分子材料を含むが、これらに限られない。例えば、いくつかの実施例において、この光学系は、2−フェニルエチル・アクリル酸および2−フェニルエチル・メタクリル樹脂の交差結合した共重合体から形成され、これは「Acrysof(登録商標)」として一般に知られている。 【0012】 別の態様において、上記眼科用レンズに関して、前方表面または後方表面の少なくとも1つは、基礎プロフィルを含み、このプロフィルは、非球面性の選択度合(例えば、約−10から約−1000の範囲にある円錐定数によって特徴付けされるものであって、例えば約−10から約−100の範囲に存在)すなわち像品質を改良するためのトーリック性を示す。 【0013】 別の態様において、回折型眼科用レンズは、前方表面、後方表面、および回折構造を有する光学系を含むことを提示し、この回折構造は、上記表面の少なくとも1つに置かれる複数の回折区域を含み、各々の回折区域は、区域境界によって隣接区域から分離される。上記光学系は、回折構造のゼロ次の回折次数に対応する遠方焦点、および回折構造の1次の回折次数に対応する近接焦点とを供与する。さらに、ゼロ次の境界は、複数の不均一なステップ高さで特徴付けられ、このステップ高さは、中間視力を増強するために、近接焦点と遠方焦点との間の位置に入射光の一部を導くのに適した不均一な位相遅延を供与する。 【0014】 関連する態様において、不均一なステップ高さは、各々が入射光に位相遅延を与えるような少なくとも2つの連続するステップを備え、各々での位相遅延による差異は、入射光の少なくとも1つの波長に対して、約1/20の波長(λ/20)(例えば、約1波長に対して約1/20波長の範囲内)より大きくなる。 【0015】 関連する態様において、上記回折レンズにおける光学系は、約6Dから約34Dの範囲内(例えば、約16Dから約28Dの範囲内)で遠方焦点の光学的パワーを供与し、さらに約2Dから約4Dの範囲内で近接焦点の追加パワーを供与する。 【0016】 別の態様において、回折区域は、回折要素を欠いた個別表面の一部によって囲まれる。 【0017】 更なる別の態様において、回折型眼科用レンズ(例えば、IOL)は、前方表面、後方表面を含む光学系を備えることを提示し、これら表面の各々は、基礎プロファイルによって特徴付けられる。この光学系は、遠方焦点(例えば、約6Dから約34Dの範囲内)の光学的パワーを供与し、近接焦点(例えば、約2Dから約4Dの範囲内)の光学的パワーを供与する上記表面の1つに置かれる回折構造を含む。この回折構造は、複数の回折区域を備え、該回折区域の少なくとも2つは、中間視力を増強するために、光学系への入射光の一部を近接焦点と遠方焦点との中間位置に導くことができるように、相違する充分な表面曲率(例えば、約10%から約50%の範囲内での相違)を示す。例えば、いくつかの実施例において、少なくとも2つの隣接区域の表面曲率は、入射光の一部を中間位置に導くのに充分な相違を有する。 【0018】 関連する態様において、上記眼科用レンズに関して、少なくとも1つの区域の表面曲率は、1つ以上の隣接区域の表面曲率から、約20%(例えば、約10%から約50%の範囲内)よりも大きく相違する。 【0019】 別の態様において、本発明は、前方表面、後方表面を有する光学系を供与する回折型眼科用レンズ(例えば、IOL)を提示する。ここで、光学系は、遠方焦点(例えば、約6Dから約34Dの範囲内)を供与する。複数の回折区域を備える回折構造は、近接焦点(例えば、約2Dから約4Dの範囲内で、追加パワーに関係する焦点)を供与するために、上記表面の少なくとも1つの上に置かれる。少なくとも1つの回折区域の表面は、非球面性を示し、回折構造が、入射光の少なくとも一部を近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くようになっている。この非球面性は、例えば約−10から約−1000の範囲内の円錐定数によって特徴付けることができ、例えば約−10から約−100の範囲内で特徴付けることができる。 【0020】 別の態様において、1つ以上の区域境界の位置(例えば、光軸に対する半径上の区域)は、入射光の一部を近接焦点と遠方焦点との間の位置に導くように調整することができる。例えば、眼科用レンズ(例えば、IOL)は、前方表面と後方表面とを有する光学系を含むことができ、これら表面により、この光学系は、遠方焦点を供与する。環状に存在する複数の回折区域が、近接焦点を供与するように、光学系の光軸周辺の表面上に置かれる。ここで、各々の区域は、区域境界によって隣接区域から分離される。少なくとも1つの区域(i)は、次式によって規定される光軸に関係する半径上の位置にある境界を有する。 ri2=ro2+2iλf ここで、iは、区域番号(i=0は、中央区域を示す)を示し、λは、計画波長(例えば、約400nmから約700nmの範囲内)を示し、fは、近接焦点の焦点距離を示し、roは、中央区域の半径を示す。更に、少なくとも別の回折区域は、入射光の少なくとも一部を近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くように想定された個別区域のために上記関係式によって規定される値から、充分に異なる半径上の位置にある境界を有する。一例として、別の回折区域の半径上の位置は、上記関係式によって規定される値から、約20%から約50%の範囲内の規模で相違することができる。 【0021】 別の態様において、回折型眼科用レンズは、前方表面と後方表面とを有する光学系を含むことを提示し、これら表面により、光学系は遠方焦点を供与する。複数の回折区域は、近接焦点を供与するために、これら表面の少なくとも1つの上に置かれる。これら回折区域は、入射光の少なくとも一部を近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くために、 (λf)1/2から充分に異なる半径を有する中央区域を備える。ここで、λは、計画波長を示し、およびfは、近接焦点の焦点距離を示す。 【0022】 別の態様において、上記眼科用レンズの1つ以上の光学的表面は、基礎プロファイルを含むことができ、この基礎プロファイルは、非球面性の選択度合すなわち視力品質を向上させるトーリック性を示す。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 本発明は、図面に関連づけて行う以下の詳細な説明により、さらに良く理解することができる。 【0024】 図1Aおよび図1Bに関連して、本発明の一実施例に関わるIOL10は、光軸18の周辺に配置される前方の光学的表面14と後方の光学的表面16とを有する光学系12を含む。この実施例において、光学的表面14および16は、両凸面の形状のIOLで供与するように、一般的な凸面の形状をしているが、別の実施例において、このIOLは、平面−凸面、平面−凹面、または凸面−凹面のような別の形状を有することもできる。前方表面および後方表面における曲率は、レンズを形成する物質の屈折率と共に、光学系10が遠方焦点の光学的パワーを供与できるように選択される。なお、遠方焦点は、例えば、約6ジオプター(D)から約34Dの範囲内(例えば、約16Dから約34Dの範囲内)に存在する。いくつかの例において、レンズの遠方焦点での光学的パワーは、約−5Dから約5.5Dの範囲内にすることができる。 【0025】 回折構造20は、前方表面14の部分において、近接焦点に追加パワーを供与する。このときの焦点は、例えば、約2Dから約4Dの範囲内(例えば、約2.5Dから約4Dの範囲内、または約3Dから約4Dの範囲内)である。目に埋め込まれるときのIOLの実効的な追加パワーは、名目上(実際)の追加パワーとは異なる可能性がある。例えば、角膜パワーおよび角膜とIOLとの間の距離間隔との組合せが、IOLの追加パワーの効果を弱める可能性がある。例えば、名目上4Dの追加パワーは、光学系全体として3Dの実効的な追加パワーに終わる可能性がある。以下の箇所において、表示が無ければ、追加パワーで引用する値は、名目上(実際)レンズの追加パワーを引用しており、目の中に埋め込まれるときの実効的なIOLの追加パワーとは異なる可能性がある。 【0026】 IOL10は、複数の固定部材すなわち触覚部材22をさらに含むことができ、この触覚部材22は、IOLを患者の目の中に置くことを容易にする。好ましいことに、この光学系は、生体適合性物質から形成される。なお、生体適合性物質とは、柔軟なアクリル、シリコン、ヒドロゲルが該当し、または個々の応用のために、必要な屈折率を有する別の生体適合性高分子物質も該当する。また、この触覚部材22は、適切な重合体物質からも形成することができ、この重合体物質は、ポリメタクリル酸、ポリプロピレン等が該当する。いくつかの実施例において、触覚部材22は、光学系12と一体化して形成することができるが、一方、別の実施例においては、各々を分離して形成し、それから両方を結合させることもできる。一実施形態において、光学系12は、2−フェニルエチル・アクリル酸および2−フェニルエチル・メタクリル樹脂の交差結合した共重合体から形成され、これは「Acrysof 」(登録商標)として一般に知られている。 【0027】 図1A、図1Bおよび図2に関連して、回折構造20は、複数のステップ26によって互いに分離する複数の回折区域24から構成される(図示のステップ高さは、明確にするため誇張している)。より特別なこととして、各々の区域は、入射光に位相遅延を与えるステップによって、隣接区域から分離される(例えば、ステップ26aは、第2の区域24bから第1の区域24aを分離する)。さらに以下で説明するように、この典型的な実施例において、中央区域(第1の区域)を第2の区域から分離するステップ26aによって生成される位相遅延は、レンズへの入射光の一部を、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くための他のステップで生じる位相遅延とは異なる。 【0028】 この典型的な実施例において、回折区域は、複数の環状形区域を備え、この環状形区域の境界は、次式に従い光軸18に対して半径上に置かれる。 ri2=ro2+2iλf ……式(1) ここで、iは、区域番号を示し(i=0は中央区域を示す)、 λは、計画波長を示し、 fは、近接焦点の焦点距離を示し、 roは、中央区域の半径を示し、 いくつかの実施例において、計画波長λは、視力反応の中心である青色光550nmを選択する。さらに、いくつかのケースにおいて、中央区域(ro)の半径は(λf)1/2に設定することができる。 【0029】 以下で詳細に説明するように、他のいくつかの実施例において、1つ以上の区域の境界位置は、入射光の一部を近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くことをさらに容易にするために、上記関係で規定された位置から変位させることができる。 【0030】 既に記述したように、この典型的な実施例において、第1および第2の回折区域から分離するステップ高さは、他のステップ高さ(この実施例では、実質的に均一である)とは異なる。これは、回折構造が、入射光の一部を、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くためである。例えば、ステップ26aで生成される位相遅延と他のステップ(即ち、ステップ26b−26d)の各々で生成される位相遅延との差異は、入射光の少なくとも1つの波長、例えば、400nmから700nmの範囲内にある少なくとも1つの波長に対して、波長の約1/20(λ/20)より大きくすることができ、さらに好ましくは波長の約1/4(λ/4)より大きくすることができる。一例として、一実施例において、ステップ高さは、次式の関係にしたがい規定することができる。 ステップ高さ=bλ/(n2−n1)……式(2) ここで、bは、位相高さを示し、 λは、計画波長を示し、例えば550nmであり、 n2は、光学系の屈折率を示し、および n1は、光学系を囲む媒体の屈折率を示す。 また、ステップ26aにとって、bは約−0.2 から約 0.2 の範囲内に存在し、および 他のステップにとって、bは、約 0.45 から約 0.55 の範囲内に存在し、好ましくは約0.5 に存在する。 【0031】 上式(2)は、中央区域を隣接区域から分離するステップ高さが、残りのステップ高さと異なることを意味する。より特殊なこととして、中央区域を隣接区域から分離するステップ高さ以外のステップ高さは、実質的に均一にし、回折構造において光学的位相遅延を生じさせる。このときの回折構造は、入射光を近接焦点と遠方焦点との間でほぼ等しく分散させ、近接焦点は、回折構造の第1次の回折オーダが応答し、遠方焦点は、回折構造のゼロ次の回折オーダが対応する。その一方、中央区域を隣接区域から分離するステップ高さは、異なる位相遅延を生成させ、この位相遅延が、入射光のいくつかを、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くようにする。換言すれば、中央区域と隣接区域との間にあるステップ高さによって生成される位相遅延は、中央区域に寄与する光を回折構造によって回折される光に変化させる。この結果、中央区域は、入射光を近接焦点と遠方焦点とに寄与することを継続させる一方で、両焦点の間にある中間位置に入射光のいくつかを導く。従って、中央区域は、規則的な回折構造に完全に貢献するわけではない。また、ここに記載したこのような回折構造は、“フラストレイトした回折構造”と呼ばれ、この構造により生成された回折は、また“フラストレイトした回折”と呼ばれる。この回折は、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に入射光のいくつかを方向転換するように、規則的な回折パターンを修正することを示唆する。さらに、この中間位置は、また中間焦点として呼ばれ、多くの実施例を行ったが、中間位置での光の収束は、近接焦点および遠方焦点に存在する焦点ほど鮮明な焦点とはならない。 【0032】 いくつかの実施例において、中央区域を隣接区域から分離するステップは、入射光の一部を中間位置に導くために除去する(すなわち、第1の回折区域と第2の回折区域との間のステップ高さをゼロに設定する)。換言すれば、第1の回折区域と第2の回折区域とは、中間焦点を生成するために、単一の中央区域にされる。 【0033】 いくつかの実施例において、閾値(例えば、約1/20波長よりも大きな値)よりも大きな値で、互いに異なる位相遅延を生成するような少なくとも2つの連続するステップ高さを有することに加えて、IOLの回折構造の回折区域を分離する複数のステップ高さは、瞳孔サイズの変化につれて、近接焦点と遠方焦点との間の光エネルギー分配を移動させるようにアポダイズし、例えばグレア(glare)を減少させるためにアポダイズする。一例として、図3Aおよび図3Bは、本発明の上記のような実施に適う典型的なIOL28を概略的に示す。このIOLは、光軸OA周辺に配置される前方の光学的表面32および後方の光学的表面34、および前方の光学的表面に配置される回折構造36を有する光学系30を含む。先の実施例と類似して、光学系30は、遠方焦点パワーを供与し、例えば、約6Dから約34Dとの範囲内(例えば、約16Dから約28Dとの範囲内)で供与する。更に、光学系30は、患者の目に埋め込むことを容易にする触覚部材38を含む。 【0034】 回折構造36は、複数の回折区域40から形成され、この回折区域は、複数のステップ42a−42eによって、互いに分離される。先の実施例と同様に、回折構造は、第1番目の回折次元に対応する近接焦点および回折構造のゼロ番目の次元に対応する遠方焦点とを生成する。さらに、連続するステップ42aおよび42bによって生成される位相遅延の差異は、例えば、先の実施の関連で上記に説明したと同様な方法で設定される。すなわち、回折構造は、入射光の一部を、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くように設定される。さらに、この実施例において、ステップ42b、42c、42d、および42eの高さは、アポダイズされ、すなわち光軸OAから半径上の距離関数として変化する。例えば、この典型的な実施例において、各々のステップ高さは、光軸OAからの距離が増加するのにしたがい減少する。このアポダイズは、瞳孔サイズが変化するにつれて、近接焦点と遠方焦点の間の光エネルギー分配に移動を生じさせ、すなわち、区域の数が、光の回折変化に寄与するようになる。 【0035】 引き続き、図3Aおよび図3Bの図面に関連して、この典型的な実施例において、回折構造36のゼロ境界のステップ高さは、次式の関係において規定することができる。 第2の区域(すなわち、ステップ42a)から中央区域を分離するステップにおいて、ステップ高さを下式で規定することができる。 ステップ高さ=bλ/(n2−n1)……式(4a) ここで、bは、約−0.2 から約 0.2 の範囲内に存在する値を伴う位相高さであり、他のパラメータ(λ、他)は後で規定する。 別のステップにおいて、ステップ高さを下式で規定することができる。 ステップ高さ=fapodize*bλ/(n2−n1)……式(4b) ここで、bは、約 0.45 から約 0.55 (好ましくは、約0.5)の範囲内に存在する値を伴う位相高さであり、 λは、計画波長を示し、例えば550nmを示し、 n2は、光学系の屈折率を示し、 n1は、光学系の周辺媒体の屈折率を示し、 fapodizeは、アポディゼーション関数を示す。 【0036】 種々のアポディゼーション関数を採用することができる。例えば、いくつかの実施例において、アポディゼーション関数(fapodize)は、以下の関係式にしたがって規定することができる。 fapodize=1−{(ri−rin)/(rout−rin)}exp,rin≦r≦rout ……式(5) ここで、riは、光軸と表面との交差点から各区域境界への半径上の距離を示し、 rinは、アポディゼーション区域の内側境界を示し、この境界内において、上記典型的実施例は、第2の回折区域の内側境界に対応する。 routは、アポディゼーション区域の外側境界を示し、および expは、ステップ高さにおいて要求される減少を得るための指数である。さらに、ステップ高さのアポディゼーションに関する詳細は、例えば米国特許第5,600,142号を参照することができ、本明細書に参照として取り込んでいる。また、別のアポディゼーション関数を使用することもできる。一例として、“面取りされた回折型眼球内レンズ”と称する同時係属出願の中で開示している関数も、代替となるアポディゼーション関数として使用することができる。 【0037】 一例として、図4Aは、計算された像線強度分布(LSF:line spread function)プロファイルを示し、このプロファイルは、従来のアポダイズした回折構造を有するアポダイズされた回折レンズにとって、線対象の像を横断するときの強度に対応する。この従来のアポダイズした回折構造において、ステップ高さの全ては、単一の値b(第1の2つのステップによって生じる位相遅延の間での顕著な相違は無い)と共に、上式(4b)にしたがって規定される。図5Aは、レンズ中央からの距離の二乗関数として、レンズの瞳孔を横切るレンズのために論理的に計算した位相を示す。比較として、図4Bは、本発明の一実施例によるアポダイズした回折レンズのLSFプロファイルを示す。この実施例は、式(4a)および(4b)にしたがって規定されたステップ高さの回折構造(即ち、“フラストレイトした回折”を示すレンズ)を有し、この構造は、従来のレンズに比較して、より大きい中央区域の直径を有し、第1のステップでより小さな位相遅延を有する。また、図5Bは、レンズ中央からの距離の二乗関数として、レンズの瞳孔を横切るようなレンズのために論理的に計算した位相を示す。再び、図4Aおよび図4Bに関連して、両方のLSFプロファイルは、直径3mmの瞳孔サイズについて計算している。フラストレイトした回折レンズに対応するLSFプロファイルは、従来のアポダイズした回折レンズに対応するLSFプロファイルに存在しない明確な中央の線焦点を示す。また、従来のアポダイズした回折レンズは、フラストレイトした回折レンズが、光エネルギーの一部を近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導き、そして中間位置での視力を増加させることを示唆する。 【0038】 いくつかの実施例において、1つ以上の区域境界の位置は、フラストレイトした回折を供与するために、上記の式(1)で規定される位置に変更される。これによって、入射光の一部が、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導かれる。例えば、1つ以上の区域境界の位置は、上記の式(1)で決定される位置から、約20%から約50%の範囲内の規模で変位させることができる。いくつかの実施例において、このような区域境界の配置は、フラストレイトした回折を供与するために、区域境界によって生じる位相遅延を調整する代わりに採用される。しかし、別の実施例において、上記の位相遅延と同様に、区域境界の位置は、フラストレイトした回折を得るように配置することができる。一例において、中央区域の直径は、異なることができ、例えば上記の式(1)で規定される値よりも大きな値にすることができ、この結果、回折構造が、入射光のいくつかを、近接焦点と遠方焦点との間の位置に導くことができる。例えば、中央区域の半径は、(λf)1/2より大きくすることができ、例えば、約20%から約50%の範囲内の規模で大きくすることができる。 【0039】 いくつかの実施例において、1つ以上の区域境界に関係するステップ高さは、調整することができ、例えば、上記で説明した方法で、回折構造が、入射光のいくつかを、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くことができるように調整することができる。 【0040】 更に、いくつかの実施例において、中央区域を隣接区域から分離するステップ高さを調整するよりも、別の区域境界を伴う1つ以上のステップ高さを配置する。例えば上記で説明した方法で、回折構造が、入射光の一部を、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くように、ステップ高さを配置する。例えば、上記配置による回折は、1つ以上の周辺区域において、“フラストレイト”することができる。 【0041】 別のいくつかの実施例において、少なくとも1つの回折区域の表面曲率は、少なくとも1つの隣接回折区域の表面曲率と異なり、回折構造が、入射光の一部を、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くようにする。一例として、図6は、前方の光学的表面48と後方の光学的表面50とを有する光学系46を包含する実施例にしたがう典型的なIOL44を概略的に示す。このIOLは、さらに前方表面部分に置かれた回折構造52を含む。光学系46は、例えば約6Dから34Dの範囲内で遠方焦点の光学的パワーを供与し、例えば約2Dから4Dの範囲内で近接焦点の光学的パワーを供与する。回折構造52は、複数のステップで互いに分離する複数の回折区域54を含み、このステップは、均一にし、アポダイズすることができる(従来方法または本発明の教示に従う方法のいずれかによる)。この典型的な実施例において、回折構造は、複数の実質的に均一なステップ高さによって特徴付けられる。 【0042】 この実施例において、中央の回折区域の表面曲率(即ち、区域54a)は、隣接回折区域(即ち、区域54b)の表面曲率とは異なる(この場合、54bの方が、54aより急勾配)。このため、回折構造は、入射光の一部を、近接焦点と遠方焦点との間の中間位置に導くことになる。一例として、2つの回折区域間での表面曲率の相違は、例えば約10%から約50%の範囲内にすることができ、ある例では、約10%にすることができる。この実施において、中央の回折区域の表面曲率と隣接回折区域の表面曲率とは、入射光のエネルギーを、中間位置に導くように構成されているが、代替の実施例において、別の回折区域を、中間焦点を供与するような方法で構成することができる。さらに、いくつかの実施例において、2つ以上の回折区域の表面曲率を適合させることができ、例えば上記で説明したような方法で入射光を中間位置に導くことができる。 【0043】 いくつかの実施例において、少なくとも1つの回折区域の表面は、回折構造が入射光のエネルギーを中間位置に送達するような非球面性のデザインを示す。一例として、図7は、後方の光学的表面60と、回折構造64が置かれる前方の光学的表面62とを有する光学系58を包含するIOL56を概略的に示す。先に説明した実施例と類似して、回折構造64は、複数のステップによって互いに分離される複数の回折区域から形成される。いくつかのケース(例えば、この典型的な実施例)において、上記ステップは、フラストレイトした回折が生じるように構成される一方で、別の実施例において、ステップは、実質的に均一にするか、または従来の方法によりアポダイズすることができる。前方表面62は、実質的に球面の基礎プロファイルで特徴付けられる。しかしながら、中央の回折区域(区域A)の表面プロファイルは、例えば、約−10から約−1000の範囲内(例えば、約−10から約−100の範囲内)の円錐定数によって特徴付けられる非球面性を示す。この結果、回折構造は、入射光のエネルギーの一部を中間位置に導くことができる。 【0044】 いくつかの実施例において、複数の回折区域の表面プロファイル(区域境界間の表面プロファイル)は、選択された非球面性、例えば入射光を中間位置に導くような上記説明に類似した非球面性のプロファイルを示す。このプロファイルは、直線からの偏差を作成するのに対応し、図5Bに示す鋸歯のようなプロファイルになる。 【0045】 いくつかの実施例において、少なくとも1つのIOLの光学的表面の基礎ファイルは、非球面性の選択度合すなわち視力品質を向上させるためのトーリック性を示す。例えば、図8は、本発明の別の実施例によるIOL66を概略的に示す。このIOL66は、光軸74周辺に置かれる、前方の光学的表面70と後方の光学的表面72とを有する光学系68を含む。本発明の教示によるフラストレイトした回折構造76は、前方表面に置かれる。さらに、後方表面は、光軸から近い距離において、球面(破線で表示)と実質的に一致するプロファイルを含み、光軸からの半径方向距離が増加するにつれて上記球面プロファイルからの偏差が増加する特徴を示す。いくつかの実施例において、視力品質を向上させるために、上記偏差は、後方表面で非球面性の選択度合を、例えば、約−10から約−1000の範囲内(例えば、約−10から約−100の範囲内)の円錐定数で特徴付けられる値で与えることができる。また、いくつかの別の実施例において、フラストレイトした回折構造が置かれる表面(例えば、この場合、前方の光学的表面20)での基礎ファイルは、視力品質を向上させるような非球面性の選択度合を示すことができる。さらに、他の実施例において、フラストレイトした回折構造を有するIOLの1つ以上の表面は、上記IOL66のような表面は、視力品質向上のトーリック性の選択度合を示すことができる。例えば、IOL66の前方表面70及び/又は後方表面72は、トーリックの基礎プロファイルを有することができる。 【0046】 いくつかの実施例において、フラストレイトした回折型IOLは、数種類の青色光用フィルタを供与できる物質から形成することができる。一例として、上記IOLは、Acrysof(登録商標)用の自然物質から形成することができる。更なる一例として、米国特許第5,470,932号は、参照として本明細書にも取り込んでいるが、重合性黄色染料を開示している。この物質は、IOLを透過する青色光の強度を阻止または低減するのに使用することができる。 【0047】 上記実施例において、フラストレイトした回折レンズを供与する種々の方法について説明した。中間焦点を生成する上記実施例で使用される構造の特徴の各々は、個別に採用でき、または1つ以上の他の特徴と組み合わせることでも採用できることを理解すべきである。例えば、いくつかの実施例において、中間焦点を生成するために、中央の区域を隣接区域から分離させるステップ高さを構成する方法に加えて、さらに、入射光の一部を中間焦点に導くような上記で説明した方法で、中央区域の曲率を調整することもできる。 【0048】 上記で説明した種々のレンズは、当業者に既知の製造技術を使用することにより、生成することができる。 【0049】 当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記実施例に種々の変更が実施できることを理解されるであろう。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1A】本発明の典型的な実施例におけるIOLの概略的な断面図である。 【図1B】本発明の典型的な実施例におけるIOLの別の断面図であって、中間焦点に入射光の一部を導くための不均一なステップ高さを特徴とする回折構造を示す断面図である。 【図2】図1BのIOLの概略的な正面図であって、回折構造を形成する複数の環状の回折区域を示す正面図である。 【図3A】アポダイズされた回折構造を有する本発明の別の実施例による回折IOLの概略的な側面図である。 【図3B】図3AのIOLの概略的な正面図である。 【図4A】アポダイズされた回折構造を有する従来の回折レンズに関して、中間焦点における理論的な像線強度分布(LSF)を示す図である。 【図4B】アポダイズされた回折構造を有する本発明の教示による典型的なレンズに関して、中間焦点における理論的な像線強度分布(LSF)を示す図である。 【図5A】横軸はレンズ中央からの距離の二乗を示し、縦軸は光学的位相を示す図において、本発明の教示によるフラストレイした回折構造を欠いたアポダイズされた回折型IOLの瞳孔での理論的な光学的位相を示す図である。 【図5B】横軸はレンズ中央からの距離の二乗を示し、縦軸は光学的位相を示す図において、本発明の一実施によるアポダイズされた回折型IOLの瞳孔での理論的な光学的位相を示す図である。 【図6】回折構造が入射光を中間焦点に導くように、隣接区域の表面曲率と異なる表面曲率を備える中央の回折領域を有する回折構造を包含する本発明の一実施における回折型IOLの概略的な側面図である。 【図7】非球面の表面プロファイルを示す中央区域を有する回折構造を備える本発明の別の実施における回折型IOLの概略的な側面図である。 【図8】本発明の教示による回折構造が置かれる前方表面と、非球面すなわち、いくつかのケースでトーリックの基礎プロファイルを示すことができる後方表面と、を有する本発明の別の実施における回折型IOLの概略的な側面図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501381505 【氏名又は名称】アルコン マニュファクチャリング,リミティド
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| 【出願日】 |
平成19年8月1日(2007.8.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099759 【弁理士】 【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100092624 【弁理士】 【氏名又は名称】鶴田 準一
【識別番号】100102819 【弁理士】 【氏名又は名称】島田 哲郎
【識別番号】100119987 【弁理士】 【氏名又は名称】伊坪 公一
【識別番号】100113826 【弁理士】 【氏名又は名称】倉地 保幸
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| 【公開番号】 |
特開2008−43752(P2008−43752A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2007−200899(P2007−200899) |
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