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【発明の名称】 特注矯正ブラケット配置ジグ並びにジグ作製方法および装置
【発明者】 【氏名】クレイグ・エー・アンドレイコ

【要約】 【課題】本発明は、矯正歯科専門医が患者の歯に簡単に正確に配置可能な矯正器具配置ジグ、及び矯正器具とジグの組合せ、並びに矯正器具配置ジグを作製するための方法及び装置を提供する。

【構成】矯正器具を歯上に配置するための配置ジグは、ジグ本体内に歯冠の咬合部分の形状と一致するように形成された空洞を含む。この空洞は剥離性接着剤で被覆されて、器具が歯に接着されるときにジグを歯に保持する。連結構造がジグ本体に固定される。これにより、グループの2つの異なる歯の咬合面上の領域とそれぞれ一致するように形成された少なくとも2つのジグ配置領域が機械加工可能な材料に機械加工され、器具受容構造も各ジグ本体上に機械加工され、矯正器具がジグ本体に対して固定位置及び向きで保持される。矯正器具を患者の歯上に配置するためのジグ本体は、機械加工可能な材料の単一片で形成される。ジグ本体を形成するための方法及び装置を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の少なくとも2本以上6本以下の隣接する歯のグループの1本または複数の歯に1つまたは複数の矯正器具を配置するための矯正器具位置付けジグであって、
前記患者の歯が初期の前処置の位置にあるときそれぞれ前記グループの2つの異なる歯の咬合面上の領域と一致するように形成された少なくとも2つのジグ配置領域を有するジグ本体と、
事前定義された構成の少なくとも1つの矯正器具を前記ジグ本体に対する一定の位置および一定の方向で保持して、前記本体が前記グループの前記歯の上で前記歯の前記咬合面の前記領域と一致して接触している前記本体の少なくとも2つのジグ配置領域と位置合せされた場合に前記器具の取り付け面を前記グループの歯の顔面または舌面の取り付け領域と接触するように搬送するための前記ジグ本体上の器具受容構造と、
を備えることを特徴とする矯正器具位置付けジグ。
【請求項2】
前記矯正器具受容構造が、前記ジグ本体と一体化して形成され、矯正器具を前記本体上で前記グループの前記歯の特定の1つに接着するための位置に取外し可能に支持するように構成された構造を備えることを特徴とする請求項1に記載の矯正器具位置付けジグ。
【請求項3】
前記ジグ本体上の前記ジグ配置領域の各々がその上に剥離性歯科用接着剤の被覆を有することを特徴とする請求項1に記載の矯正器具位置付けジグ。
【請求項4】
3つの矯正器具の1つを患者の3本の隣接する歯のグループの歯ごとに配置するためのジグであって、
前記少なくとも2つのジグ配置領域が、前記グループの前記歯の一番端の歯の咬合面上の領域と接触し一致するように構成された一領域、前記グループの前記歯の他方の一番端の歯の咬合面上の領域と接触し一致するように構成された一領域を含み、前記歯が初期の前処置の位置にある場合に、どの領域も前記グループの他の歯と接触するように構成されず、
前記器具受容構造が前記ジグ本体上の3つの受容部を備えており、該受容部のそれぞれが、3つの矯正器具の異なる1つを、前記ジグ本体に対し一定の位置および一定の方向で保持し、前記本体が歯上で位置合せされた場合に、各受容部のそれぞれの取り付け面を、前記グループの各歯の顔面または舌面上の取り付け領域と接触させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の矯正器具位置付けジグ。
【請求項5】
矯正器具の1つを患者の4本の隣接する歯のグループの歯ごとに配置するためのジグであって、
前記少なくとも2つの領域が、前記グループの前記歯の一番端の歯の咬合面上の領域に接触し一致するように構成された一領域、前記グループの前記歯の他方の一番端の歯の咬合面上の領域と接触し一致するように構成された一領域を含み、前記歯が初期の前処置の位置にある場合にどの領域も前記グループの他の歯と接触するように構成されず、
前記器具受容構造が前記ジグ本体上の4つの受容部を備えており、該受容部のそれぞれが、4つの矯正器具の異なった1つを、前記ジグ本体に対し一定の位置および一定の方向で保持し、前記本体が歯上に位置合わせされた場合に、各受容部のそれぞれの取り付け面を、前記グループの各歯の顔面又は舌面上の取り付け領域と接触させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の矯正器具位置付けジグ。
【請求項6】
歯冠に接着されるように構成された接着ベースを有し、連結構造によって前記ジグの前記本体に取外し可能に連結され、前記接着ベースを前記歯冠上の接着位置に配置するための前記ジグ配置領域に対して位置付けられる矯正器具をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の矯正器具及びジグの組合せ。
【請求項7】
さらに前記器具の前記接着ベース上に未硬化の歯科用接着剤を被覆することを特徴とする請求項6に記載の組合せ。
【請求項8】
前記ジグ本体が機械加工可能な材料の単一片から形成され、
前記ジグ配置領域が矯正歯科の患者の個々の歯の歯冠の特注形状と一致するように前記材料に機械加工されることを特徴とする請求項6に記載の組合せ。
【請求項9】
前記ジグ本体が機械加工可能な材料の単一片から形成され、
前記ジグ配置領域が矯正歯科の患者の個々の歯の歯冠の特注形状と一致するように前記材料に機械加工され、
硬質接着剤がジグ本体及びブラケットの間の破壊可能な接合部を形成することを特徴とする請求項6に記載の組合せ。
【請求項10】
個々の患者用の歯科矯正装具を集合的に形成する矯正器具を配置するための一組のジグの組合せであって、請求項6に記載の複数の組合せを備え、各組合せが機械加工可能な材料の同じ単一片に機械加工されたジグ本体を有し、
矯正歯科の患者の個々の歯の歯冠の特注の形状に一致するように前記材料に機械加工される各ジグ本体の前記ジグ配置領域を備えることを特徴とする一組のジグの組合せ。
【請求項11】
それぞれ前記ジグ本体上の前記ジグ配置領域がその上に剥離性歯科用接着剤の被覆を有することを特徴とする請求項10に記載の矯正器具位置付けジグ。
【請求項12】
それぞれ前記ジグ本体上の前記ジグ配置領域がその上に剥離性歯科用接着剤の被覆を有することを特徴とする請求項10に記載の矯正器具位置付けジグ。
【請求項13】
個々の患者用の歯科矯正装具を集合的に形成する一組の矯正器具を配置するための一組のジグであって、請求項1に記載の複数のジグを備え、それぞれ機械加工可能な材料の同じ単一片に機械加工されたジグ本体を有し、
各ジグ本体の前記ジグ配置領域が矯正歯科の患者の個々の歯の歯冠の特注の形状に一致するように前記材料に機械加工されることを特徴とする一組のジグ。
【請求項14】
個々の患者用の歯科矯正装具の矯正器具の位置付け用の一組の特注の配置ジグを提供する方法であって、
患者の異なった歯の咬合面上の領域にそれぞれ合致するように形状付けられた複数のジグ配置領域を機械加工するステップを含み、複数のジグ本体を機械加工可能な材料の単一片に機械加工するステップと、
所定の構成の複数の矯正器具の各々を、それぞれ一定の位置及び一定の方向で保持するためにジグ本体上で器具受容構造を機械加工し、各器具の取り付け面を、患者の歯の顔面又は舌面上に対応する取り付け領域と接触させるステップと、
を含み、
前記矯正器具受容構造が、それぞれのジグ本体の一体的に機械加工された構造、及び歯の特定の1本に接着するために、所定位置で前記矯正器具受容構造の上に矯正器具を取り外し可能に支持するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記機械加工するステップが、
患者の歯が初期の前処置の位置にある場合に、それぞれが前記グループの2つの異なる歯の咬合面上の領域と合致するように形状付けられた少なくとも2つのジグ配置領域を有する各ジグ本体を機械加工することによって、複数のジグ本体のそれぞれを機械加工可能な材料の単一片に機械加工するステップと、
所定の構成の少なくとも1つの矯正器具を、前記ジグ本体に対し固一定の位置及び一定の方向で保持するために各ジグ本体上で器具受容構造を機械加工し、前記本体が、前記グループの前記歯上で前記歯の前記咬合面の前記領域と合致して接触する前記本体の少なくとも2つのジグ配置領域と位置合せされた場合に、前記器具の取り付け面を前記グループの歯の顔面または舌面上の取り付け領域と接触させるステップと、
を含み、
前記矯正器具受容構造が、前記ジグ本体と一体的に形成され、前記本体上で前記グループの前記歯の特定の1つに接着するために、矯正器具を、所定位置で取外し可能に支持するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ベースと、
前記ベースに回動可能に取り付けられて、機械加工可能な材料のブロックを前記ベースに対して2つの互いに垂直の軸の周りで傾斜させて支持するホルダと、
前記ホルダに取り付けられた機械加工可能な材料のブロックに対して3つの互いに垂直の座標で可動の切削工具と、を備えることを特徴とする請求項14に記載の方法を実施するためのジグ作製装置。
【請求項17】
前記切削工具を作動し、前記ホルダの傾きを調整して、機械加工可能な材料の単一片の複数のジグ本体のそれぞれに前記少なくとも2つのジグ配置領域を機械加工し、機械加工可能な材料の単一片の前記ジグ本体のそれぞれに器具受容構造を一体的に形成するようにプログラミングされた制御装置をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
ベースと、
前記ベース上に水平軸に関して回動するように取り付けられた取り付けブロックと、
前記水平軸に対して垂直である軸に関して回転するように前記取り付けブロックが取り付けられて、機械加工可能な材料のブロックを前記ベースに対して傾斜させて支持するように構成されたホルダと、
前記ホルダに取り付けられた機械加工可能な材料のブロックに対して3つの互いに垂直の座標で可動の切削工具と、
前記切削工具を作動し、前記ホルダの傾きを調整して、機械加工可能な材料の単一片の複数のジグ本体のそれぞれにジグ配置領域を機械加工し、機械加工可能な材料の単一片の前記ジグ本体のそれぞれに器具受容構造を少なくとも部分的に一体的に形成するようにプログラミングされた制御装置と、
を備えることを特徴とするジグ作製装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、矯正器具の歯への位置付けに関し、より詳細には、器具位置付けジグ並びにこうしたジグの製造および使用、特に矯正器具を位置付けるための特注ジグに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2002年5月28日に出願した米国特許出願第10/156,162号明細書(米国特許出願公開第2003/0224310号明細書)の一部継続出願である。
【0003】
本出願は、米国特許出願第09/941,151号明細書、および国際特許出願第PCT/US00/35558号であり、現在の米国特許公開第2002/0028417号、並びに1999年12月29日に出願した米国特許仮出願第60/173,890号にも関連するものであり、これら全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
患者の歯を位置付けるための矯正器具は、患者の歯と接触し、その歯に力を加えて、矯正歯科医が理想的であると決定した配置、または矯正歯科医が他の方法で処置の対象を満足させると決定した配置に歯を強制的に移動させるように設計されたものである。矯正処置の目的には、所望の処置結果を得るために理想的であると決定された歯の仕上がり位置にできるだけ近づくように患者の歯を移動させ、患者が処置に使用される器具を着用する時間を最小限に抑え、患者の処置中における矯正歯科専門医が患者を処置する時間または椅子に座っている時間を最小限に抑えることが含まれる。こうした目的は全て、器具を用いた患者の処置の過程で、矯正歯科専門医に必要な針金曲げなど、手による器具の調整量を低減することによってかなえられる。
【0005】
矯正器具の最も一般的で有用なタイプは、弾力性弧線を支持し、それによって相互連結されるそれぞれ患者の歯ごとに接着される1組のブラケットを備える。弧線は、応力を受けない形状から弾性的に変形され、針金が応力を受けない形状に戻ろうとするにつれてブラケットを通じて歯に力を加えるものである。器具の設計または選択における傾向では、所定の設計位置で歯に固定されたブラケットに取り付けられたとき、針金を曲げる際に矯正歯科医が介入せずに、または最小限の介入で、こうした歯を所望の処置位置に移動させる所定の形状を有する弧線が使用されている。解剖学的平均により設計された標準器具は、通常、患者の処置の過程でいくらかの調整が必要である。特注器具は理想的にこの調整の必要性を回避し、または最小限に抑える。しかし、弧線の調整を最小限に抑え、または調整をなくすには、ブラケットが患者の歯上の器具が設計された正確な位置に正確に配置されなければならない。
【0006】
矯正ブラケットを患者の歯の上に正確に配置するために、特注配置ジグの使用が提案されている。矯正器具のブラケットを配置するためのこうしたジグは、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている、特許文献4、および特許文献3に記載されている。こうしたジグは、患者の歯から精査された歯冠形状データから作成される精密に形成された特注表面を含むことができる。そのような各表面は、それぞれ患者の歯冠上に正確に嵌まり、ブラケットが歯の表面に接着される間、矯正器具のブラケットを歯上の適切な設計位置に対して保持することが意図されている。
【0007】
ブラケットを個々に配置することは時間がかかり、単一の歯冠に接触するジグは正確なブラケットの配置を確実にするために慎重に取り扱う必要がある。一方、複数のブラケットを同時に配置するための全弧トレーは、歯に邪魔されることがあり、扱いおよび使用が難しいことが判明している。
【0008】
そのようなジグの対策が上記で論じた矯正歯科の目的を果たすために役立っているが、それらの矯正歯科の目的をより良く果たすためにそのようなジグの機能及び操作を改善したいとの要請は依然として存在している。
【特許文献1】米国特許出願第10/156,162号明細書、米国特許出願公開第2003/0224310号明細書
【特許文献2】米国特許出願第09/941,151号明細書
【特許文献3】国際特許出願第PCT/US00/35558号明細書、米国特許公開第2002/0028417号明細書、米国特許仮出願第60/173,890号明細書
【特許文献4】米国特許第5,368,478号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、矯正器具を最も効率よく正確に配置することである。
【0010】
本発明の目的には、矯正器具を歯上に位置付けるためのジグ、特に、矯正歯科専門医が患者の歯に接着するために器具を配置するための簡単で効率的に確実に使用することができるジグを提供することが含まれる。本発明の特定の目的は、矯正歯科専門医が患者の歯に簡単で正確に配置することができる矯正器具及びジグの組合せを提供することである。
【0011】
さらに、本発明の他の目的には、矯正歯科専門医によって患者の1つまたは複数の歯に簡単で正確に配置され、器具が接着されている間に歯上で簡単に保持されることができる矯正器具配置ジグおよび矯正器具とジグの組合せを提供することが含まれる。
【0012】
本発明の他の目的は、矯正器具配置ジグを作製するための効率的な方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の原理により、処置を受容する個々の患者の1つまたは複数の歯冠の少なくとも一部と一致し、または1つまたは複数の器具と接触して、歯上に器具を配置して接着するようにするジグ配置面を有する矯正器具位置付けジグを提供する。本発明の原理によれば、矯正器具位置付けジグは、処置されている個々の患者の1つ又は複数の歯冠の少なくとも一部に合致している、又は接着するために歯上に器具を配置するための1つまたは複数の装置を接触させるジグ配置面を備えている。
【0014】
ジグは、ジグが歯に器具を接着するため設計された器具に対してジグを取外し可能に保持する器具連結機能を備えることができる。ジグは、ジグと器具の組合せを歯に対して取外し可能に保持する歯冠連結機構を備えることもできる。
【0015】
本発明の好ましく、図示された実施形態によれば、矯正器具配置ジグは、ジグが1つまたは複数の器具と組み合わされたとき、ジグが患者の複数の歯冠上に複数の接触領域を提供するように構成される。接触領域は、接着するために歯上に器具の位置付けおよび方向付けを最適にするために形成され、間隔があけられる。たとえば、ジグ本体は、2本又はそれ以上の特定の歯の咬合面と係合するために構成された2つ以上の歯冠と一致する接触領域を有し、特定の歯の顔面側表面と接触するように位置付けられたブラケットのベースと1つまたは複数のブラケットを支持することができる。隣接する歯の端の2つの咬合面上の領域と接触するように輪郭形成されたジグ本体で2本〜6本の隣接する歯にブラケットを取り付けるための実施形態では、効率よく正確にブラケットを配置することができる。3本または4本の隣接する歯用のジグは特に有用で効率的である。
【0016】
本発明の他の原理によれば、ジグ配置面の接触領域は、接着するための歯上の位置にあるジグに連結される矯正器具をジグが保持する間、歯に対して一時的にジグを保持する、たとえば感圧または他の粘着剤のような剥離性接着剤で被覆される。剥離性接着剤は、歯科用接着剤が固まる、または硬化する間に専門医の手でジグを保持することに頼らず、器具が歯科矯正用または他の歯科用接着剤で歯に接着される間、定位置で器具を保持する。
【0017】
本発明の記載の一の実施形態では、患者の歯冠の咬合部分の正確な形状と一致するようにコンピュータによる3次元製造プロセスによって本体の中に形成された1つまたは複数の歯冠に一致する特注の空洞を有する硬質発泡体を備える特注配置ジグを提供する。空洞の表面は、器具が歯に接着されるときにジグを歯に対して保持するため、コンタクト接着剤、感圧接着剤、または他の剥離性接着剤で被覆される。
【0018】
本発明は、矯正器具を患者の歯に効率よく正確に配置できるようにする。
【0019】
本明細書に記載した特徴は、標準または特注の矯正器具の配置に便利な特注の配置ジグに特に有用である。さらに、本明細書に記載した特徴の幾つかは、個々の患者用に特注されていない配置ジグにも有用である。
【0020】
本発明の他の目的および利点は、親出願である特許文献1により詳細に記載されている。
【0021】
本発明の上記及びその他の目的および利点は、以下の詳細な図面の記載からさらに容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、矯正器具を患者の歯に配置して接着する際に使用される配置ジグ10の一の実施形態を示す。ジグ10は、材料の単一片で形成されたジグ本体11を備える。空洞、ソケット、または凹面のくぼみ12がジグ本体11内に機械加工される。本体11内の空洞12の壁は、患者の歯の1つの歯冠の独特の部分、好ましくは歯の咬合面の略中心にある歯冠部分に正確に一致するように構成されたジグ配置面13として機能する。
【0023】
図1にジグ10が示されており、ジグ配置面13は患者の歯20の咬合縁部の全般的に中心にある歯20の歯冠の領域上に位置し、歯20は患者の下の中切歯として示されている。ジグ10は矯正ブラケット30の形状において矯正器具を保持しているところが示されており、ブラケット30は接着ベースまたはパッド31を有し、このベース31まで弧線支持部38が延びており、弧線支持部38はその中に弧線スロットを有する。ジグ10はブラケット30を保持しているところが示されており、ブラケット30の接着ベース31は好ましくは特定の患者の処置用に特注で設計された矯正器具セットの一部として機能するように設計された位置で歯20の顔面側に接している。矯正ブラケットは、現在は本明細書に記載されたジグを使用して最もよく配置されるタイプの器具であるが、ジグ10は他のタイプの器具、歯に構造を固定する器具または歯に構造を位置合わせする器具を使用することができる。そのようなブラケット30は、ブラケットのベースがこの位置で歯20に接着されるとき、ブラケット30が構成要素である歯科矯正器具セットの矯正弧線(図示せず)によって、同様に設計され患者の他の歯に接着されるブラケットに通常は相互連結される。
【0024】
ジグ10の本体11が作製される材料は、経口矯正処置に適合性があり、歯冠上に置かれ、矯正歯科医の手によって加えられた最小限の力で歯冠に対して押し付ける際、患者の歯冠上の独特な所定の位置で設置することが可能な位置決めジグを十分な正確性と十分な低コストで形成することができる任意の経済的な硬質材料でもよい。硬質発泡材料またはコンプライアント発泡材料など発泡材料が有用である。たとえばLAST−A−FOAMの名でワシントン州タコマにあるGeneral Plastics Mfg.Co.によって販売されている原型材料など硬質発泡材料が適していることが判明している。この発泡材料は、患者の歯冠の形状を画定する3次元データによって駆動される精密なコンピュータ制御の切削工具でフライス加工することができる。こうしたデータは、たとえば上記で確認され参照により本明細書に組み込まれている関連出願に記載された精査システムによって導出されるものでもよい。別法として、ジグ10の本体11を、たとえば熱可塑性または熱硬化性の材料、あるいは他の成形可能な材料で成形することができる。成形するとき、モールドは、コンピュータ制御機器によって患者の歯冠の3次元部分と一致するように形成することができる。
【0025】
本発明の一の特徴によれば、剥離性接着被覆15は空洞12の内側に張られる表面13を覆う。接着被覆15は、専門医によってジグ10が配置される歯20の歯冠上の位置でジグ10を保持し、ブラケット30のベース31を歯の表面に対してベース31を接着すべき位置に保持し、これにより、ベース31を歯の表面に接着するために使用される歯科用接着剤33が硬化するときに専門医がその組合せを保持し続けなくてもよいようにする。剥離性接着剤は、感圧接着剤など幾つかのタイプの接着剤の任意のものでもよい。被覆15に使用することができる許容可能な接着剤の1つは、PROS−AIDE(登録商標)およびPROS−AIDEII(登録商標)という商品名でCybergraphic Designs、Inc.によって市販されているアクリルエマルジョン系接着剤である。
【0026】
本発明の他の特徴によれば、矯正器具連結構造をジグ本体11上に設けることができる。この器具連結構造は、ジグを患者の歯に運ぶためにジグに対して器具を保持するが、器具が歯に接着された後に器具を解放し、ジグが歯冠から除去されるときに器具を歯に残しておくことができるように構成される。図で示した実施形態では、器具連結構造は、ジグ本体11に固定されるピンまたはペグ41の形態である。ジグが、それぞれ歯冠の咬合部および歯肉に向けて、かつそれから離れるように、また、歯冠上の設計位置、通常は垂直方向に取り付けられたブラケット30に対して移動されるときに、ペグ41はブラケット30内の穴部32に摺動式に出入りする。下の歯である歯20と共に図1で示した配置では、ピン41はジグ本体11にピン41の近位端42で固定されており、ピン41はブラケット30の穴部32の側面と摩擦嵌合する寸法の遠位端43を有する。図で示した実施形態では、ペグ41の遠位下端43は、互いに離れて拡張するようにばね付勢された2つの金属ばね部材(spring metal members)45a、45bを形成されている。ブラケット30内の穴部32は、ペグの遠位端43と共に機能して、ブラケット30をジグ10上で解放可能に担持するように設計された器具上に特別に構成された協働構造である。
【0027】
本発明の他の特徴によれば、ハンドル構造50をジグ10の本体11上に設けることができる。ハンドル構造50を設ける場合は、ハンドル構造50を、好ましくは表面12の反対側のジグ本体11の表面16上に配置する。ハンドル構造50は、矯正歯科専門医によってピンセットまたは他の手で持つ工具で把持されるように構成される。図1では、ハンドル構造50は全般的に球形のノブまたはボール部材51として示されている。このノブまたはボール部材51は支柱部材52を有し、支柱部材52はボール部材51に固定され、ボール部材51をジグ本体11の表面16から離れて支持する。このハンドル構造50は歯20の咬合縁部のすぐ上またはそれの僅かに顔面側に位置付けられ、ジグが歯に配置される又は歯から取り外されるときに水平軸に関して回転するジグ及び器具なしで上下方向の力をこのハンドルに作用する。必ずしもそうする必要はないが、好ましくは、特別のピンセットを使用してハンドル構造50のボール部材51を把持することができる。
【0028】
やはり図1を参照すると、ハンドル構造50を有するジグ10は矯正ブラケット30に取り付けられ、ブラケット30はペグ41によってジグ本体11に連結される。ブラケット30はブラケット30のパッドまたはベース31がジグ本体11の空洞12に対面するようにペグ41上で全般的に配置される。ブラケット30はペグ41上で幾分回転可能であり、ジグ配置表面13が適切な歯冠上に位置付けられたときに、小さな方向の誤差が自動的に修正されるようになされている。ブラケット30のベース31は、歯20に接して配置される前に、矯正器具を歯に接着するのに使用される幾つかのタイプの任意の歯科用接着剤33で被覆される。そのような接着剤は、器具を歯上に配置する前に専門医によって塗布されるタイプでもよく、または矯正歯科専門医に提供される前に、製造時又は矯正器具供給会社によってブラケットに塗布されるタイプのものでもよい。
【0029】
ジグ10及びブラケット30のこの組合せを矯正歯科専門医が手にとって、その組合せを患者の歯20の歯冠上に配置する。次いで図1で示したように、専門医は、ジグ配置表面13を歯20の咬合縁部に対して軽く押しつけ、空洞を着座させることによって、その組合せを歯20上へ下ろしていく。これは、歯20の顔面側に対する正しい接着位置でブラケット30のベース31と共に歯20の歯冠上の独特の位置および方向での歯20の咬合面の一部の負圧に匹敵する。
【0030】
一旦ジグ10が歯20上に置かれると、粘着剤15がジグ10を歯20に対して保持する。次いで専門医は、ブラケット30のベース31上の接着剤が固まる間、ジグを解放することができる。UV硬化接着剤を使用する場合、硬化は、専門医によって使用される硬化処理ガン34(curing gun)からの紫外線に接着剤を露出させることによって行われる。この段階では、粘着剤15がジグ10およびブラケット30を定位置に保持し、専門医の手は自由になる。
【0031】
歯科用接着剤33が固まり、ブラケット30が歯20に接着された後、専門医は、ジグ10を係合し、歯20から咬合方向に離れるように移動して、歯20に接着されたブラケット30を残したまま、粘着剤15が歯20の歯冠から剥離させ、ペグ41の遠位端43がブラケット30の穴部32の外に摺動するようにさせる。次いで、専門医はジグ10を患者の口から取り外すことができる。
【0032】
ジグ10のペグ41を、例えば親出願である特許文献1に示され記載されているように、2つの一致する一対の金属ばね部材45a、45bが画定されるように打ち抜きされ折り曲げられて、金属ばね部材45a、45bが金属ばね部材45a、45bの接合部で接合される2つの層を形成し、それによってペグ41の遠位端43でペグ41の先端部46が画定されるようになされた金属ばねシートの細長い一片を形成することができる。細長い一片の金属ばね部材45a、45bの側面に打抜きまたは他の方法で形成された、外側に延びる停止翼部47は、ペグ41の遠位端43がブラケット30の穴部32内に移動する距離を確実に制限し、それによってジグ10の本体11に対するブラケット30の位置が正確に制御される。
【0033】
一旦ペグ41が本体11の穴に挿入されたペグ41の近位端42でジグ10の本体11を固定されると、ペグ41は本体11から簡単に取り外されない。一方、ペグ41の遠位端43をブラケット30の穴部32内に配置することによって、ブラケット30がジグ10に対して十分な摩擦で保持されて、アセンブリが移動されてもブラケット30がペグ41から抜け落ちることを防止するが、一旦ブラケット30が歯20に接着されると、十分に小さい摩擦でジグ10をブラケット30から簡単に取り外すことができるようになる。
【0034】
ペグ41はジグ本体11の空洞12に対して正確な位置でジグ10の本体11に固定される。空洞12はジグ10を歯20の歯冠上の咬合面上に独自に配置する。ブラケット30のベース31は、ブラケット30の弧線支持部38内の穴部32に対して正確な設計位置および方向で配置されて、ブラケット30がジグ10によって歯20上の所定の位置に位置付けられるようになされている。その結果、空洞12が歯20の歯冠上に独自に位置付けられた状態で歯20上にジグ10を配置することによって、ブラケット30のベース31が歯に接着されるための歯20の歯冠の表面上の正確な設計位置に配置される。
【0035】
図2では、ジグの歯上での位置合せを容易にする特徴を有するジグ10bが示されている。ジグ10aは幅の広い本体11aを備え、本体11aは、上記のジグ10と同様の方法で、その中に空洞12が形成された中央セクション82を有し、歯冠の3次元形状と一致する表面13を有する。さらに、本体11aは、1つまたは両方の隣接する歯冠の部分91、92と接触するように構成された1つまたは2つの側延伸部83を備える。それぞれ側面部83はその中に空洞または凹部84を有し、凹部84は隣接する歯の1つの歯冠の一部の3次元形状に形成された表面を有する。隣接する歯の歯冠のこの部分91、92は、隣接する歯の近心または遠位端上あるいはその周辺部の小さい部分でもよい。
【0036】
凹部84の位置は、前処置の不正咬合状態の歯の3次元精査データに基づいて、中央空洞12に対して本体11a上に位置付けられる。側面部83を有するジグ10aは、歯が最初の位置から移動されるときに隣接する歯を位置合せに正確に使用できることをやめ、その歯は、処置の際に後で再接着しなければならない器具のその後の配置には有用性が低くなる。こうした再接着は接着が失敗した場合、または他の理由で器具を取り外し再配置しなければならないときに必要とされることがある。ジグ本体11aを再使用できるようにするには、側面部83がスロット85によって本体11bの中央部82から分離され、狭窄ウェッブ86で中央部82に連結され、その狭窄ウェッブ86が中央部82から側面部83を取り外すために破壊することができ、それによってジグ11aが後に処置の過程で器具の再接着に再使用可能になる。
【0037】
図3は、患者の複数の歯上での位置合せを容易にするジグ10bを示す。この図では、右下の第2の小臼歯21、右下の第1の小臼歯22、および右下の犬歯23を含む3つの隣接する歯が示されている。ジグ10bも、3つの歯の歯冠にわたって延びる幅広の本体11bを有する。本体11bは、たとえば隣接する歯のグループの一番端の歯、すなわち第2の小臼歯21および犬歯23など、2つの歯の歯冠の咬合面の様々な部分に一致するように構成された2つの歯冠一致表面領域61および62を有する。本体11bは、それぞれ歯の1つに取り付けられるように特別に各々設計された矯正ブラケット35、36、および37を受容し、保持するようにそれぞれ構成された3つのブラケット支持部または受容部63、64、および65も備える。この図では、ブラケット35は右下の第2の小臼歯21用に構成され、ブラケット36は右下の第1の小臼歯22用に構成され、ブラケット37は右下の犬歯23用に構成されている。本体11bはさらに、ブラケット35〜37がそれぞれ受容部63〜65によって保持されたとき、ブラケットのベースがそれぞれ歯21〜23の顔面側の部分と接触し、それと一致するように構成され、そのとき、ジグ10bは歯上で歯21および23の歯冠の咬合部分と一致する領域61および62と位置合せされ、歯は前処置の不正咬合位置である。
【0038】
ジグ10bは、特注矯正器具のブラッケトまたは患者の歯の3次元精査が入手可能である他の状況での器具のブラケットを歯に配置する際に最も有用である。上記のように、たとえば上記で参照した特許文献3では、ブラケット配置ジグを患者の歯の精査によって作製して、患者の歯のディジタル模型を製造することができる。模型からの歯の形状データを使用して、患者の歯の歯冠と一致するように形状付けられた空洞61および62が作製される。さらに、矯正処置前の最初の位置にある歯の精査を行って、空洞61および62を画定するのに使用される精査データと同様な特定関係を持つ2つの異なる歯の領域と一致するように異なる空洞61および62を作製することができる。また、領域は、使用可能な歯の形状データの品質について選択されるべきである。たとえば、歯の一定領域に高解像度の実際のデータが使用可能な場合、こうした領域を低解像度データでしか画定されない領域上で使用すべきである。こうした領域を、補間されたデータまたは推定されたデータによって画定される領域上で使用すべきである。こうすると、ジグ本体11bが歯のグループのうちの2つの歯の領域に対して正確に位置合せされる。
【0039】
さらに、特注矯正器具では、ブラケット35〜37のベースが接着される患者の歯冠の顔面側に対して個々のベースを一致させることができる。器具が特注でない場合、または完全にカスタマイズされていない場合でも、ブラケットのベースを湾曲させて、それぞれの歯の平均的形状に一致させることができる。その結果、ブラケット35〜37が受容部63〜65内で支持されるとき、ブラケット35〜37のパッドが歯21〜23のそれぞれの歯冠の顔面側表面と少なくとも全般的に一致する。それによって、ジグ10b及びブラケット35〜37の全体的な組合せを3本の歯21〜23に対して位置合せすることができるようになり、ジグ、ブラケットのアセンブリ及び歯の間に5つの接触点が与えられる。2つの接触点は空洞61および62によって歯の咬合側に与えられ、3つの接触点が歯の顔面側に与えられる。それによって、不正咬合の歯にブラケットを非常に正確に配置することができるようになる。
【0040】
ジグ10bのような複数の歯のジグを2本から6本の隣接する歯のグループ用に作製することができる。図4で図示したジグ10cは、4本の隣接する歯、たとえば歯21〜23および右下の側方の歯24にブラケット35〜37および39を使用する。ジグ10cは、4本の歯21〜24の歯冠にわたって延びる幅広の本体11cを有する。本体11cは、第2の小臼歯21の歯冠の咬合面の一部に一致するように構成された領域71、および側方の歯24の歯冠の咬合面の一部に一致するように構成された領域72を含む2つの歯冠一致表面領域も有する。領域71および72は、グループの2つの異なる歯、必ずしもそうである必要はないが、好ましくはグループの両端の歯上にある。本体11cは、それぞれ矯正ブラケット35、36、37、および39を受容し、保持するように構成された4つのブラケット支持部または受容部73、74、75、および76も備える。
【0041】
図4A〜4Dの断面図は、歯21および24の咬合面に対する空洞71および72を詳細に示し、ジグ本体11cが歯22および23の咬合面と接触していないことを示している。グループの歯の咬合面上の2つの領域での表面接触が最小限に抑えられ、歯の顔面側領域にブラケットのベースが接触することによって、歯との確実で正確な位置合せが可能になり、誤差や障害が最小限に抑えられる。それによって、矯正歯科医が複数のブラケットを同時に隣接する歯のグループに配置することができるようになる。
【0042】
上記で受容部63〜65および73〜76と呼ばれたジグ本体11bおよび11cの受容部分が、図5A〜5Bに受容部70として詳細に示されている。受容部70は、ジグ本体11から延び、ジグ本体11と一体化して形成される。各受容部70は、その中に、ジグ本体11の他の部位に対して特定の位置および方向で矯正装具のブラケット30の特定の1つを受容して保持するための凹部90が形成されている。凹部90は、ブラケット30のタイウィングを受容するように構成された切欠き91を備え、凹部90内に配置されたブラケット30を定位置に保持し保有するように構成された対向するクランプ面92と93を有する。ブラケット30は、特に器具が完全にカスタマイズされた矯正器具の場合、通常は、矯正器具の注文を受ける器具製造設備でジグ10内に装填される。好ましくは、ブラケット30は、接着剤、たとえばポリビニルアルコール(PVA)接着剤のような食品用接着剤を使用して凹部90内に固定される。適した一接着剤は、ELMER’S WASHABLE SCHOOL GLUEの名でBorden社によって製造されているものである。そのような接着剤は硬質な接着部を形成するが、ブラケットが歯に接着された後に歯からジグを取り外すために壊すことができるようにするものである。
【0043】
上記の特徴を有するジグを使用して、たとえばブラケットなど1つまたは複数の矯正器具を患者の2本から6本の隣接する歯からなるグループの1本から6本の歯に配置することができる。ジグ本体は、グループの少なくとも2つの異なる歯の咬合面上の対応する領域と接触する少なくとも2つの歯冠に一致する領域を有する。さらに、ジグが少なくとも1つの器具と共に組み立てられたとき、少なくとも1つの器具がグループの少なくとも1つの歯の顔面側表面とも接触する。この少なくとも1つの器具は、グループの特定の歯上に配置されるように設計され、または選択されたものである。したがって、組み立てたジグ本体及び1つまたは複数の器具の組合せは、グループの歯冠の表面上の少なくとも3つの領域と接触して、器具を歯に接着するために位置付ける。配置される器具によって歯を移動させる矯正処置の開始前に、歯が患者の口の中で占めていた最初の位置および方向に存在する場合に、組み立てた組合せの領域の相対的な位置は、グループの歯上の所定の接触領域に対応する。
【0044】
ジグ10の製造は、患者の歯の初期の前処置の位置の3次元データに対応する様々なタイプの機器を使用する幾つかの方法の任意のもので行うことができる。機械加工は、光造形(stereo-lithography)、(たとえば3Dデータで動作する装置で作製される型での)成形及び使用可能な他の技法を経済的で正確な技法である。上記のジグ10を機械加工するためのデバイス100が図6に示されている。
【0045】
図6は、回転切削ツールビット104を保持する回転フライスヘッド部102が備えられた数値制御フライスデバイス100を示す。図で示した実施形態では、ツールビット104は垂直軸106に関して回転するが、垂直軸106に対していくらか角度を付けて作動させることもできる。ヘッド部102は、X、Y、およびZ方向に可動である。ヘッド部102および回転軸106は、矢印110および112で示したように水平面に対して平行のX方向およびY方向に可動であり、その上ヘッド部102は、矢印114で示したように軸106上のZ方向にも垂直に可動である。
【0046】
デバイス100は、静置ベース108上に取り付けられ、静置ベース108に、ジグ10を作製すべき材料、好ましくは上記の工学発泡材料を保持する2つの代替の作業ホルダが取り付けられている。こうした材料は、正確に機械加工される例外的な能力を有するように作成される。1つのホルダ120は静置ベース108に固定された静置ホルダであり、発泡材料122の1つまたは複数のブロックを保持するように構成される。このホルダ120上で支持される場合、ツールビット104を操作して、歯冠と一致する空洞をジグの中に形成し、発泡材料122のブロックからジグを切り離すことができる。このホルダ上で、ツールビット104は上方に面する垂直面を切断することができるが、アンダーカット工具用刃または垂直に対して傾斜することができる軸106を有するヘッド部102が備えられていない限り、アンダーカットまたは下方に面する表面を切断することができない。
【0047】
水平に対して角度を付けてジグを機械加工するために発泡材料122のブロックを保持することができるそのような方法で第2のホルダ130が設けられている。ホルダ130は、軸134に関して回転可能なシャフト(図示せず)上に取り付けられたチャック132上で保持される。軸134上のシャフトは、軸134に対して垂直である水平軸138に関してさらに回転可能なブロック136上に回転自在に取り付けられる。軸138は、静置ベース108に固定された取り付けブロック140上で保持されるシャフト(図示せず)によって画定される。第2のホルダ130上に取り付けられた発泡材料122はブロックを矢印142で示したように水平軸138及び、矢印144で示したように軸134に関して傾斜させることができ、それによって、アンダーカットの切断およびジグ10の下方に傾斜する表面の形成が可能になる。それぞれ個々の患者用のブラケットの完全なセットを配置するために使用される各ジグは、発泡材料122の単一ブロックから機械加工されることができる。
【0048】
当業者には理解されるように、本明細書の本発明の適用分野は様々であり、本発明を幾つかの実施形態で記載したが、本発明の原理から逸脱することなく、追加および修正を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】患者の歯冠上の定位置に配置された、矯正ブラケットとの組合せで示した、本発明の特定の実施形態による矯正ブラケット配置ジグを示す斜視図である。
【図2】本発明の原理によるジグの他の実施形態を示す斜視図である。
【図3】3つの隣接する歯上に矯正ブラケットを配置するための一の実施形態で示した、本発明によるジグを示す斜視図である。
【図4】4つの隣接する歯上にブラケットを配置するための一の実施形態で示したジグとブラケットの組合せを示す顔面側の図である。
【図4A】図4の線4A−4Aに沿って切り取られた概略断面図である。
【図4B】図4の線4B−4Bに沿って切り取られた概略断面図である。
【図4C】図4の線4C−4Cに沿って切り取られた概略断面図である。
【図4D】図4の線4D−4Dに沿って切り取られた概略断面図である。
【図5A】図4のジグの受容部分を示す斜視図である。
【図5B】図4のジグの受容部分を示す斜視図である。
【図6】図1〜5のジグ用のジグ本体をフライス加工する装置を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10 ジグ
10a ジグ
10b ジグ
10c ジグ
11 ジグ本体
11a ジグ本体
11b ジグ本体
11c ジグ本体
12 空洞
13 ジグ配置面
15 粘着剤
16 表面
20 歯
21 歯
22 歯
23 歯
24 歯
30 ブラケット
31 ベース
32 穴部
33 接着剤
34 硬化処理ガン
35 ブラケット
36 ブラケット
37 ブラケット
38 弧線支持部
39 ブラケット
41 ペグ
42 近位端
43 遠位端
45a 金属ばね部材
45b 金属ばね部材
46 先端部
47 停止翼部
50 ハンドル構造
51 ボール部材
52 支柱部材
61 領域
62 領域
63 受容部
64 受容部
65 受容部
70 受容部
71 空洞
72 空洞
73 受容部
74 受容部
75 受容部
76 受容部
82 中央部
83 側面部
84 凹部
90 凹部
85 スロット
86 狭窄ウェッブ
91 切欠き
92 クランプ面
93 クランプ面
100 装置
102 ヘッド部
104 ツールビット
106 垂直軸
108 静置ベース
110 矢印
112 矢印
114 矢印
120 ホルダ
122 発泡材料
130 第2ホルダ
132 チャック
134 軸
136 ブロック
138 軸
140 取り付けブロック
142 矢印
144 矢印
【出願人】 【識別番号】599025972
【氏名又は名称】オルムコ コーポレイション
【出願日】 平成19年5月29日(2007.5.29)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉


【公開番号】 特開2008−43731(P2008−43731A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−142385(P2007−142385)