| 【発明の名称】 |
歯科用高温鋳造用石膏系埋没材 |
| 【発明者】 |
【氏名】高山 正行
【氏名】景方 博之
【氏名】渡邊 佳子
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| 【要約】 |
【課題】操作性,膨張性,鋳型強度は従来と同等でありながら優れた耐高温熱分解特性(亀裂,鋳巣,欠陥が無い)を示す歯科用高温鋳造用石膏系埋没材を提供する。
【構成】耐熱材と半水石膏を含む歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする歯科用高温鋳造用石膏系埋没材とする。更に、メタリン酸アルミニウム及び/またはメタリン酸ナトリウムのリン酸塩を0.05〜10重量%配合してもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耐熱材と半水石膏を含む歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる少なくとも1種または2種以上を含有することを特徴とする歯科用高温鋳造用石膏系埋没材。 【請求項2】 単糖類,二糖類,多糖類,糖アルコールより選ばれる少なくとも1種または2種以上が、グルコース,フルクトース,ガラクトース,マンノース,リポースの単糖類、マルトース,スクロース,ラクトース,セロビオースの二糖類、グルセリン,ソルビトール,エリスリトール,キシリトール,マルチトール,ラクチトール,還元パラチノースなどの糖アルコールより選ばれる1種または2種以上である請求項1に記載の歯科用高温鋳造用石膏系埋没材。 【請求項3】 単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上が歯科用高温鋳造用石膏系埋没材粉末中に0.1〜20重量%配合されている請求項1または2に記載の歯科用高温鋳造用石膏系埋没材。 【請求項4】 更に、メタリン酸アルミニウム及び/またはメタリン酸ナトリウムのリン酸塩を0.05〜10重量%配合した歯科用高温鋳造用石膏系埋没材。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、歯科用の高温鋳造用石膏系埋没材に関するものである。 【背景技術】 【0002】 歯科用の埋没材としては大別すると次の二つがある。一つは、石英またはクリストバライト等の耐火材を主成分とし、これにα半水石膏(硫酸カルシウム)と水と結合材として配合する石膏系埋没材で、結合材の反応による凝固膨張(硬化膨張)とクリストバライトの200〜300℃における変態温度領域の急激な膨張との総膨張により金属の鋳造収縮を補償するものであり、金合金、銀合金、金銀パラジウム合金等の比較的低融点の合金の鋳造に使用される(例えば、特許文献1,2参照。)。 【0003】 もう一つは、結合材としてリン酸塩と金属酸化物と水とを用い、耐火材としてクリストバライトや石英を用いるリン酸塩系埋没材で、陶材焼付用合金、Ni−Cr系合金、チタン等の比較的高融点の合金の鋳造に使用される。このリン酸塩系埋没材は、水または特に珪酸のコロイダル溶液との練和により得られる大きな膨張を利用して金属の収縮を補償し適合を得る。しかし、このようなリン酸塩系埋没材は、粘性の高いコロイダルシリカを使用するため操作性に難があるとともに、焼結膨張が不均一でワックスパターンを変形させてしまう問題や、鋳型強度が大きすぎて掘出し時に金属を変形させたり傷付けたりするという問題点がある。 【0004】 そこで、より高融点の合金の鋳造に用いることが可能な石膏系埋没材の開発が望まれているが、石膏はワックス模型等からの炭素が存在すると約700℃以上の高温で炭酸ガスやSO2ガスを発生してしまい鋳造物に亀裂,鋳巣,欠陥が発生してしまうという問題がある。そのため石膏系埋没材は近年需要が増加している陶材焼付用合金等の高融点合金からなる歯科用金属補綴物の鋳造には十分に対応しきれていなかった。 【0005】 このような課題を克服するための石膏系埋没材として、石膏自体に含まれるNa+量、また石膏とともに混合して使用する金属酸化物成分中に含有されるNa+量を所定量以下にすることにより、石膏の分解温度を上げて耐熱分解特性を改善するものや(例えば、特許文献3参照。)、硝酸アンモニウムや硝酸リチウム等炭素を酸化させるための炭素酸化剤を含有させることにより、石膏の熱分解反応を抑制するもの(例えば、特許文献4参照。)等が開示されている。 【0006】 しかしながら、Na+量を低減させた半水石膏は稀少であり、入手し難いためにコストが増してしまう問題がある。硝酸アンモニウムや硝酸リチウム等の硝酸塩は、可燃物を酸化して激しい燃焼や爆発を起こす酸化性固体であるため取り扱いが難しいので保存安定性の面で問題がある。 【0007】 また、収縮抑制剤として石膏ウィスカーを、膨張剤としてZrCまたはTiCを添加して耐高温分解性を改善するものや(例えば、特許文献5参照。)、600℃で燃え抜ける、例えば有機高分子物質等の減水剤を含有させ、減水剤が燃えて抜け出ることで生じた多数の細孔がガスの抜け道となることより、埋没材中に炭素が残らないようにして石膏の分解温度を下げてしまうような還元雰囲気となることを避けるもの(例えば、特許文献6参照。)等も開発されている。 【0008】 しかしながら、石膏ウィスカー等の繊維性物質には埋没材自体の練和性や稠度に影響を与えるため操作性が悪化する。減水剤には鋳型強度を下げる作用があるために一定量を超えて用いると鋳型にクラックが入って鋳造物にバリを発生させてしまう問題がある。 【0009】 【特許文献1】特公平4−40321号公報 【特許文献2】特開昭61−193741号公報 【特許文献3】特開平10−113356号公報 【特許文献4】特開平11−226695号公報 【特許文献5】特開平11−113746号公報 【特許文献6】特開平10−248858号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 そこで本発明は、操作性,膨張性,鋳型強度は従来と同等でありながら優れた耐熱分解特性(亀裂,鋳巣,欠陥が無い)を示す歯科用高温鋳造用石膏系埋没材を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、耐熱材と半水石膏を含む歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上を含有させると、埋没材と水とを混和した時に埋没材中に含まれる単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上が水に溶解し、これらを溶かした溶液の蒸気圧は純水の蒸気圧より低くなるので溶液の沸点が上昇するため加熱によっても石膏が分解し難くなり、耐熱分解特性を得ることが可能であることを見出し本発明を完成した。 【0012】 即ち本発明は、耐熱材と半水石膏を含む歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上を含有した歯科用高温鋳造用石膏系埋没材である。 【発明の効果】 【0013】 本発明により、操作性,膨張性,鋳型強度等は従来と同等でありながら優れた耐熱分解特性を示す歯科用高温鋳造用石膏系埋没材を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明に用いる単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上は、グルコース(ブドウ糖),フルクトース(果糖),ガラクトース,マンノース,リポース等の単糖類、マルトース(麦芽糖),スクロース(ショ糖),ラクトース(乳糖),セロビオース等の二糖類、グルセリン,ソルビトール,エリスリトール,キシリトール,マルチトール,ラクチトール,還元パラチノース等の糖アルコールを例示することができる。なお、アミロース(デンプン),セルロース,アガロース,アルギン酸,イヌリン,グルコマンナン,キチン,ヒアルロン酸等の多糖類では水に溶け難い等の問題があり十分な効果を得ることができない。 【0015】 本発明に係る歯科用高温鋳造用石膏系埋没材の粉中に単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上は0.1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%を配合することが好ましい。0.1重量%より少ないと本発明の効果が得られ難く、20重量%を超えて配合されると鋳型強度が低くなる傾向があるので好ましくない。 【0016】 また、単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上を配合することにより生じる鋳型強度の低下を防ぐために、メタリン酸アルミニウムやメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩を0.05〜10重量%配合することが好ましい。0.05重量%より少ないと鋳型強度の低下を防ぐ効果が得られ難く、10重量%を超えて配合されると鋳型強度が大きくなりすぎて掘出し時に埋没材を破損・変形させたりする虞があるので好ましくない。 【0017】 なお、本発明の埋没材には、上記のほか顔料,香料、場合によっては消毒剤や抗菌剤等の適宜補助成分を加えてもよい。 【実施例】 【0018】 以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0019】 表1に記す割合で物質を配合した。なお、操作性,膨張性,鋳型強度は全て従来と同等であった。 【0020】 <鋳造性の評価> 実施例及び比較例の埋没材を、表1に示した組成割合で各物質を計量し乳鉢で混合した。これらの埋没材は100gに対して水30mL加えて練和し、その練和物を、臨床模型によって作製した単冠のワックスパターンを植立した鋳造用リングに流し込み鋳型を作製した。作製した鋳型を800℃で焼却し、陶材焼着付用合金(商品名:キャスティングボンドMC70)により鋳造し、その鋳造体の亀裂・鋳巣・欠陥の有と無を目視により判定し、亀裂・鋳巣・欠陥の何が一つも無い場合を○、何れか一つでもあった場合を×とした。 【0021】 <適合性の評価> 上記により練和した練和物を、ADA規格のクラウン適合用型にて作製したワックスパターンを植立した鋳造用リングに流し込み、上記の条件により鋳造した。作製した鋳造体をクラウン適合用型に装着し、浮き上がり量を目視により確認しその適合性が良いものを○、悪いものを×として判定した。結果を表1(重量%)に纏めて示す。 【0022】 <表1>
【0023】 表1から明らかなように、本発明に係る歯科用高温鋳造用石膏系埋没材は単糖類,二糖類,糖アルコールより選ばれる1種または2種以上配合することにより、操作性,膨張性,鋳型強度,保存安定性等は従来と同等で優れた耐熱分解特性を示すことが分かった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000181217 【氏名又は名称】株式会社ジーシー
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| 【出願日】 |
平成18年8月1日(2006.8.1) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−35907(P2008−35907A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−210043(P2006−210043) |
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