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【発明の名称】 歯牙表面状態観察材
【発明者】 【氏名】門林 勇生

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然色素を含むことを特徴とする歯牙表面状態観察材。
【請求項2】
ベニコウジ色素、ナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、アカネ色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素から選ばれる一または二以上の色素を含むことを特徴とする歯牙表面状態観察材。
【請求項3】
ベニコウジ色素、クチナシ青色素から選ばれる一または二以上の色素を含むことを特徴とする歯牙表面状態観察材。
【請求項4】
請求項1〜3記載の歯牙表面状態観察材に、溶媒を含ませることを特徴とする歯牙表面状態観察液。
【請求項5】
請求項4記載の歯牙表面状態観察材を不織布に浸漬させた歯牙表面状態観察材保持具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
歯科口腔観察や治療において、歯表面情報を取得する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯面情報を取得する方法としては、歯科用カメラを用いていた。しかし、写真撮影を行ったとしても歯表面のクラックや歯表面の浮彫像などを観察することは難しかった。浮彫像とは歯表面上にある細かな凹凸のことである。
クラックを観察する手法として、特開平11-160264に細孔又はヒビ割れ検出装置が開示されているが、外面に細孔又は微細なヒビを持つ物体の細孔度又はヒビの隙間の程度を非破壊的に検出する装置であって、簡単に歯面状態を観察できるものではなかった。
歯表面の情報を容易に取得できる方法が求められていた。患者が鏡などで容易に目視できる材料が求められていた。
【特許文献1】特開平成11年160264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ブリーチング材を用いる際には、歯質表面のクラックの有無やコンポジット充填状況を知ることは重要である。現在の方法では目視にて、クラックの有無を観察することになるが、容易には観察することは難しい。また、小さなクラックを見落とすことで、ブリーチングの治療後に「歯牙がしみる」というような問題が生じることとなる。歯表面に有するクラックなどを容易に見つける方法が求められていた。
また、コンポジットが付着したり充填されている部分はブリーチング効果が十分に発揮できない場合があり、コンポジットの再充填などの治療計画を立てる情報が望まれていた。また、これらの状況を今までは写真等に写すことができなかった。クラックを含めた初期状態を正確にカルテに残すことも求められていた。
【0004】
近年、歯科補綴物の作製において、隣接する天然歯牙と協調した修復物を再現することが重要である。これらの検討の中で、特に注目されてきた観点として、(1)天然歯牙の透明性や深み(素材)を表現する為の検討(材料の透明性、3層構造)、(2)隣接する天然歯牙の形状を再現する為の検討(カメラ等)、(3)隣接天然歯牙の色調を表現する為の検討(色見本、カメラ等)の3点である。しかし、歯牙表面の質感が隣接する歯牙と異なれば修復後に違和感を感じ、自然感のある再現ができず、天然歯牙を再現した補綴物にはならない。
多くの場合、質感は素材の種類で大きく左右されるが、表面状態も大きな要因の一つである。天然歯牙は溝、隆線、結節(マクロ的形状)を有し、更に微細構造的に観察すると浮彫像(ミクロ的形状)を有する。これらの形状でマクロ的形状は写真等で概ね観察することができ、更に院内で患者を直接観察することで、評価することが可能である。しかし、ミクロ的形状は写真では観察することができなく、患者を直接観察しても十分に観察することは難しい。これらの情報を容易に観察できる材料が求められている。
今まで写真等に写すことができなかった歯質表面を含めた隣接歯の状態を観察でき且つその観察の結果を写真などを用いて正確に技工士に伝えることが望まれている。
微細な歯質表面に残っているコンポジットなども発見することが望まれ、その結果、診療計画も立て易く、患者への説明にも用いる事ができる。矯正後のボンディング材の観察にも容易に用いる事ができる。PMTCの効果として経過観察も可能である。
また、患者に初期の歯牙表面の状態を正確に伝える方法が望まれ、このことにより患者とのトラブルを避けることができる。
歯牙先端の細かなチッピングも容易に観察することができる方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はベニコウジ色素、ナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、アカネ色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素から選ばれる一または二以上の色素を含むことを特徴とする歯牙表面状態観察材である。
この歯牙表面状態観察材を水に浸漬した不織布に付け、歯表面に色素を乗せることによって容易に歯表面情報を得ることができる。
【0006】
本発明はベニコウジ色素、クチナシ青色素から選ばれる一または二以上の色素を含むことを特徴とする歯牙表面状態観察材である。
【0007】
歯牙表面状態観察材に、水を含ませることを特徴とする歯牙表面状態観察液である。歯牙表面状態観察材では、水に浸漬した不織布等に取らなければならないが、不織布等を歯牙表面状態観察液に浸けることで容易に歯面情報を得る材料とすることができる。また、予め、歯牙表面状態観察材を不織布に浸漬させた歯牙表面状態観察材保持具であることは好ましい。
【発明の効果】
【0008】
ブリーチング材を用いる際などに、歯牙表面のクラックの有無を観察することができる。本発明の歯牙表面状態観察材を塗布することで容易には観察することができる。また、小さなクラックを見落とすことがなくなり、ブリーチングの治療後の「歯牙がしみる」というような問題が生じなくなる。歯表面に有するクラックなどを容易に見つけることができる。
また、コンポジットが付着している部分も容易に見つけることができ、治療計画を立てる情報を得ることもできる。患者にも容易にクラックやコンポジットの場所を説明することができる。今まで写真等に写すことができなかったクラックを含めた初期状態を、写真撮影により、正確なカルテに残すこともできる。
【0009】
歯科補綴物の作製用に、隣接する天然歯牙と同様な色調や表面状態を再現する為に、隣接歯の歯牙表面の質感を容易に観察することができる。その結果、隣接する天然歯牙を再現した補綴物を作製する事ができる。
本発明によって、ミクロ的表面形状を写真等に映し出し観察することができ、更に院内で患者を直接容易に観察することができる。更に、患者も鏡などで直接観察して歯牙状態を観察することができる。
今まで写真等に写すことができなかった歯質表面を含めた隣接歯の状態を写真などを用いて正確に技工士に伝えることができる。
微細な歯質表面に残っているコンポジットなども発見することでき、その結果、診療計画も立て易く、患者への説明も容易に行う事ができる。矯正後のボンディング材の観察にも用いる事ができる。PMTCの効果として経過観察も可能である。
また、患者の歯牙表面の状態を初期に正確に伝えることにより、患者とのトラブルを避けることができる。歯牙先端の細かなチッピングも容易に観察することができる。歯肉の表面状況も容易に観察できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に用いる色素は天然色素である。本発明に用いる色素は、水分散性の高い色素を用いる事ができる。具体的な色素の種類はベニコウジ色素、ナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、アカネ色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素から選ばれる一または二以上の色素を含むことである。
好ましくはベニコウジ色素、クチナシ青色素から選ばれる一または二以上の色素を含むことである。
これらの色素の粉末を水に浸漬した不織布に付け、歯表面に色素をのせることによって容易に歯表面情報を得ることができる。これらの色素の粉末は粉末や顆粒であっても良い。
【0011】
歯牙表面状態観察材に溶媒を含ませた歯牙表面状態観察液とすることにより、容易に使用することができる。好ましくは水、エチルアルコールである。水とエチルアルコールの混合系は更に好ましい。
その配合割合は、歯牙表面状態観察材が1〜95%、溶媒が5〜99%である。好ましくは歯牙表面状態観察材が3〜60%、溶媒が40〜97%である。更に好ましくは歯牙表面状態観察材が5〜40%、溶媒水が60〜95%である。更に好ましくは歯牙表面状態観察材が10〜30%、溶媒が90〜70%である。
水が少ないと塗布し辛くなり、歯牙表面状態観察材が少ないと発色性に影響を与える。
歯牙表面状態観察液を口に含み、歯牙表面状態観察液を吐き出すことにより、容易に効果を得ることができる。綿球で歯面に塗布することで容易に効果を得ることができる。
歯牙表面状態観察材や歯牙表面状態観察液の補助材として、防腐剤、甘味料等を配合することができる。
【0012】
歯牙表面状態観察液を不織布に浸漬させた歯牙表面状態観察材保持具であることは好ましい。また、歯牙表面状態観察材保持具に柄が接続されていることが好ましい。
【実施例】
【0013】
(実施例1)
ベニコウジ色素粉末を水に浸漬した不織布に付け、歯表面に塗布して歯牙表面を観察した。
(実施例2)
クチナシ青色素粉末を水に浸漬した不織布に付け、歯表面に塗布して歯牙表面を観察した。
(実施例3〜5)
下記表1に示す溶液を作製し不織布に付け、歯表面に塗布して歯牙表面を観察した。
【0014】
【表1】


【0015】
実施例1〜8のいずれの場合も、良好に歯表面状態を観察することができた。実施例3〜8の様に溶液とすることで容易に利用することができることが確認できた。
参考の為に、実施例5と実施例6の材料を歯面に塗布した状態の写真を示すと共に、歯牙表面状態観察材を用いない場合の写真も示す。
【産業上の利用可能性】
【0016】
歯面の微細な凹凸がある表面の状態を観察することが必要な場合や、その表面を写真撮影して残す場合にも応用することができると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例5(ベニコウジ色素粉末)の材料を歯面に塗布した状態の写真
【図2】実施例6(クチナシ青色素粉末)の材料を歯面に塗布した状態の写真
【図3】本発明を用いない状態の写真
【出願人】 【識別番号】390011143
【氏名又は名称】株式会社松風
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−29443(P2008−29443A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204114(P2006−204114)