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【発明の名称】 有床義歯の製造方法及びそれに使用する光重合樹脂製シート材
【発明者】 【氏名】植野 正人

【氏名】橋本 一寛

【要約】 【課題】

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
維持部を有するメタルフレームを備え、該メタルフレームの該維持部に一体に連結された義歯床を備えた有床義歯を、作業模型を使って製造する有床義歯の製造方法であって、
光重合樹脂からなるスペーサシートを、該作業模型の有床部の模型面に被さるように圧接すると共に該作業模型の模型面の有床部に引かれた該維持部の設計ラインよりも大きめに形成した後、光重合して所定形状のスペーサプレートを形成し、
光重合樹脂からなるパターン材を上記メタルフレームの設計ラインに沿って圧接して、上記メタルフレーム作成用の樹脂パターンを製作し、
該樹脂パターンを上記作業模型の模型面から外して、該樹脂パターンに基づいたメタルフレームを鋳造し、
該鋳造したメタルフレームを上記作業模型の模型面に装着し、
次に、光重合樹脂からなるベースシートを、該スペーサプレート及び該メタルフレームの該維持部の上から、該有床部に被さるように圧接すると共に該模型面の該有床部の該設計ラインに応じた形状に形成した後、光重合してベースプレートを形成し、
該ベースプレートと該スペーサプレートとで該メタルフレームの維持部を挟んで一体化した基礎床を製作し、
該基礎床の上にワックスにて蝋提を作成し、
口腔内試適、咬合採得、人工歯配列等を順次行い、上記蝋提と人工歯と基礎床が一体化された仮有床義歯用部材を製作し、
該仮有床義歯用部材から上記スペーサプレートの該維持部の下方領域部分を除去した後、該仮有床義歯用部材の該蝋堤、該ベースプレート及び該スペーサプレートを歯肉材に置換して、有床義歯を製作することを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項2】
維持部を有するメタルフレームを備え、該メタルフレームの該維持部に一体に連結された義歯床を備えた有床義歯を、作業模型を使って製造する有床義歯の製造方法であって、
光重合樹脂からなるスペーサシートを、該作業模型の有床部に所定形状で該有床部の模型面に被さるように圧接すると共に該模型面の該有床部の設計ラインに応じた所定形状に形成した後、光重合して所定形状のスペーサプレートを形成し、
光重合樹脂からなるパターン材を上記メタルフレームの設計ラインに沿って圧接して、上記メタルフレーム作成用の樹脂パターンを製作し、
該樹脂パターンを上記作業模型の模型面から外して、該樹脂パターンに基づいたメタルフレームを鋳造し、
該鋳造したメタルフレームを上記作業模型の模型面に装着し、
次に、上記スペーサプレートと該メタルフレームの該維持部とが重なった基礎床を製作し、
該基礎床の上にワックスにて蝋提を作成し、
口腔内試適、咬合採得、人工歯配列等を順次行い、上記蝋提と人工歯と基礎床が一体化された仮有床義歯用部材を製作し、
上記仮有床義歯用部材から上記スペーサプレートの該維持部の下方領域部分を除去した後、該仮有床義歯用部材の該蝋堤、該ベースプレート及び該スペーサプレートを歯肉材に置換して、有床義歯を製作することを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項3】
維持部を有するメタルフレームを備え、該メタルフレームの該維持部に一体に連結された義歯床を備えた有床義歯を、作業模型を使って製造する有床義歯の製造方法であって、
光重合樹脂からなるスペーサシートを、該作業模型の有床部の模型面に被さるように圧接すると共に該作業模型の模型面の有床部に引かれた該維持部の設計ラインよりも大きめに形成した後、光重合して所定形状のスペーサプレートを形成し、
上記メタルフレームの設計ラインに沿ってメタルフレームを製作し、
該製作したメタルフレームを該作業模型の模型面に装着し、
次に、光重合樹脂からなるベースシートを、該スペーサプレート及び該メタルフレームの該維持部の上から、該有床部に被さるように圧接すると共に該模型面の該有床部の該設計ラインに応じた形状に形成した後、光重合して上記スペーサプレートと一体化されたベースプレートを形成し、
該ベースプレートと該スペーサプレートとで該メタルフレームの維持部を挟んで一体化した基礎床を製作し、
該基礎床の上にワックスにて蝋提を作成し、
口腔内試適、咬合採得、人工歯配列を順次行い、上記蝋提と人工歯と基礎床が一体化された仮有床義歯用部材を製作し、
該仮有床義歯用部材から上記スペーサプレートの該維持部の下方領域部分を除去した後、該仮有床義歯用部材の該蝋堤、該ベースプレート及び該スペーサプレートを歯肉材に置換して、有床義歯を製作することを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記スペーサシートが、0.2mm〜1.5mmの一定の厚さからなることを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記ベースシートが、0.8mm〜2.0mmの一定の厚さからなることを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなることを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記メタルフレームがクラスプを備え、上記有床部が略馬蹄形になっており、上記ベースシートが略馬蹄形に形成され、パーシャルデンチャーを製造することを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の有床義歯の製造方法において、上記樹脂パターンは、上記メタルフレームの維持部、クラスプなどの部位に応じて個々に上記模型面に圧接して仮重合して仮剛体を成形し、別の部位を圧接して仮重合して仮剛体を成形し、該仮剛体を最終的に光重合させて樹脂パターンを作製することを特徴とする有床義歯の製造方法。
【請求項9】
メタルフレームと義歯床を備えた有床義歯を作成する際に、該義歯床用の作業模型の有床面と該メタルフレームの維持部との間で、該有床面に被さるように配設されるスペーサシート材であって、該シート材が光重合樹脂からなり、厚さが0.2mm〜1.5mmであることを特徴とする有床義歯用スペーサシート材。
【請求項10】
請求項9記載の有床義歯用スペーサシート材において、該スペーサシート材の上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなることを特徴とする有床義歯用スペーサシート材
【請求項11】
請求項9又は10記載の有床義歯用スペーサシート材において、該スペーサシ−ト材は矩形状に形成され、該スペーサシート材の両面が光遮断性シート材で覆われてプレス成形によりシート状に形成されていることを特徴とする有床義歯用スペーサシート材。
【請求項12】
請求項11記載の有床義歯用スペーサシート材において、上記光遮断性シート材がアルミシート材であって、その内側表面には離型剤が被覆されていることを特徴とする有床義歯用スペーサシート材。
【請求項13】
メタルフレームと義歯床を備えた有床義歯を作成する際に、義歯床用の作業模型の有床面上に配設されるメタルフレームの維持部の上に被さり、該有床面上を覆うベースシート材であって、該ベースシート材が光重合樹脂からなり、厚さが0.8mm〜2.0mmであることを特徴とする有床義歯用ベースシート材。
【請求項14】
請求項13記載の有床義歯用ベースシート材において、該ベースシート材の上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなることを特徴とする有床義歯用ベースシート材。
【請求項15】
請求項13又は14記載の有床義歯用ベースシート材において、該ベースシ−ト材は矩形状に形成され、該ベースシート材の両面が光遮断性シート材で覆われてプレス成形によりシート状に形成されていることを特徴とする有床義歯用ベースシート材。
【請求項16】
請求項15記載の有床義歯用ベースシート材において、上記光遮断性シート材がアルミシート材であって、その内側表面には離型剤が被覆されていることを特徴とする有床義歯用ベースシート材。
【請求項17】
歯科技工用のスペーサ用シート材であって、該シート材が光重合樹脂からなり、厚さが0.2mm〜1.5mmであり、該スペーサ用シート材の上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなり、該シ−ト材は矩形状に形成され、該シート材の両面が光遮断性シート材で覆われてプレス成形によりシート状に形成されていることを特徴とする歯科技工用のスペーサ用シート材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、有床義歯の製造方法及びそれに使用する光重合樹脂製シート材に関し、特にパーシャルデンチャーの製造方法及びそれに使用する光重合樹脂製シート材に関する。
【背景技術】
【0002】
総義歯、パーシャルデンチャー等の義歯は少なくとも次の要件を満足させるものでなければならない。すなわち、(a)装着したときに歯茎に対する密着性が良いこと、(b)装着したときに違和感がなく痛みがないこと、(c)食物を十分に咬み砕くことができること、(d)装着したときに歯茎の密着性が良いこと、(e)発音に支障がないこと、即ち筋肉の動きを邪魔しないこと、(f)食物を飲み込むときに支障がないこと、などである。
【0003】
例えば、パーシャルデンチャー(部分入れ歯)では、残存歯に金属製バネと呼ばれる維持部材(以下メタルフレームと称す)のクラスプで義歯の維持・安定が図られており、食べる時の咬合力負担圧は、その多くを残存歯が受ける構造となっている。パーシャルデンチャーの製造方法としては、一般的には、口腔内の印象から石膏製作業模型を作製し、該作業模型の欠損部に対してはワックスによって蝋堤を作成し、該蝋堤に人工歯を埋め込むと共にメタルフレームを連結し、脱漏して、蝋堤のワックスを除去後アクリル樹脂、シリコーン樹脂等を充填して歯肉を形成して義歯とすることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0004】
特許文献1や2では、ワックスで作業模型の欠損部を製作するので、このワックスの基床部の強度が無く、形状を設定することが難しく、熟練工でもかなりの時間を要する。また、メタルフレームをワックスで保持しているので、メタルフレームを試適した際にも、咬合圧で破折によるトラブルが起き易く、配列した人工歯がバラバラになることもある。更に、メタルフレームの維持部と作業模型の顎堤との間の僅かな隙間にワックスを入れ込む必要があり、作業性が悪い。
【0005】
また、光重合樹脂製パターン材を、メタルフレームのクラスプ、リンガルバー、パタレルバー、パタレルプレート及び維持部などに使用することが知られている(例えば、特許文献3)。
【0006】
この光重合樹脂製パターン材を使用することによって、作業模型に直接圧接することができるので耐火模型が不要であり、メタルフレームのパターンをスピーディーに採得することができることや、1つのリングに複数のパターンを埋没できることなどのメリットがあり、技工作業の省力化を図れ、実用化されている。
【特許文献1】特開平05−168652号公報
【特許文献2】特開2002−336274号公報
【特許文献3】特開平05−168653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び2に示すような従来技術のものでは、上述したように、ワックスでメタルフレームを保持しているので、メタルフレームを試適した際にも、咬合圧で破折によるトラブルが起き易く、配列した人工歯がバラバラになるなどの不具合を有する。
【0008】
特許文献3のものでは、メタルフレーム自体を効果的に製作できるが、義歯の欠損部は従来通りワックスで製作して、このワックスに上記メタルフレームを連結するしかできない。
【0009】
ワックスで製作した蝋堤を確実に欠損部に高強度で保持でき、且つメタルフレームを確実に保持できる構造について、研究を重ねていった。その結果、メタルフレームの維持部を保持する部分に光重合樹脂製シートを使用し、この光重合樹脂製シートを欠損部の顎堤に被せるようにして基床部を形成することによって、メタルフレームを確実に保持できることを見いだし、本発明に至ったものである。特に、予め所定厚さの光重合樹脂製シートを欠損部の顎堤に圧接するように被せて光重合で硬化させておいて、それにメタルフレームの維持部を重ねて、光重合樹脂製シートとメタルフレームとを一体化させるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
具体的には、請求項1の発明は、維持部を有するメタルフレームを備え、該メタルフレームの該維持部に一体に連結された義歯床を備えた有床義歯を、作業模型を使って製造する有床義歯の製造方法であって、
光重合樹脂からなるスペーサシートを、作業模型の有床部の模型面に被さるように圧接すると共に該作業模型の模型面の有床部に引かれた該維持部の設計ラインよりも大きめに形成した後、光重合して所定形状のスペーサプレートを形成し、
光重合樹脂からなるパターン材を上記メタルフレームの設計ラインに沿って圧接して、上記メタルフレーム作成用の樹脂パターンを製作し、
該樹脂パターンを上記作業模型の模型面から外して、該樹脂パターンに基づいたメタルフレームを鋳造し、
該鋳造したメタルフレームを上記作業模型の模型面に装着し、
次に、光重合樹脂からなるベースシートを、該スペーサプレート及び該メタルフレームの該維持部の上から、該有床部に被さるように圧接すると共に該模型面の該有床部の該設計ラインに応じた形状に形成した後、光重合してベースプレートを形成し、
該ベースプレートと該スペーサプレートとで該メタルフレームの維持部を挟んで一体化した基礎床を製作し、
該基礎床の上にワックスにて蝋提を作成し、
口腔内試適、咬合採得、人工歯配列等を順次行い、上記蝋提と人工歯と基礎床が一体化された仮有床義歯用部材を製作し、
該仮有床義歯用部材から上記スペーサプレートの該維持部の下方領域部分を除去した後、該仮有床義歯用部材の該蝋堤、該ベースプレート及び該スペーサプレートを歯肉材に置換して、有床義歯を製作することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、維持部を有するメタルフレームを備え、該メタルフレームの該維持部に一体に連結された義歯床を備えた有床義歯を、作業模型を使って製造する有床義歯の製造方法であって、
光重合樹脂からなるスペーサシートを、作業模型の有床部に所定形状で有床部の模型面に被さるように圧接すると共に該模型面の該有床部の設計ラインに応じた所定形状に形成した後、光重合して該所定形状のスペーサプレートを形成し、
光重合樹脂からなるパターン材を上記メタルフレームの設計ラインに沿って圧接して、上記メタルフレーム作成用の樹脂パターンを製作し、
該樹脂パターンを上記作業模型の模型面から外して、該樹脂パターンに基づいたメタルフレームを鋳造し、
該鋳造したメタルフレームを上記作業模型の模型面に装着し、
次に、上記スペーサプレートと該メタルフレームの該維持部とが重なった基礎床を製作し、
該基礎床の上にワックスにて蝋提を作成し、
口腔内試適、咬合採得、人工歯配列等を順次行い、上記蝋提と人工歯と基礎床が一体化された仮有床義歯用部材を製作し、
上記仮有床義歯用部材から上記スペーサプレートの該維持部の下方領域部分を除去した後、該仮有床義歯用部材の該蝋堤、該ベースプレート及び該スペーサプレートを歯肉材に置換して、有床義歯を製作することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、維持部を有するメタルフレームを備え、該メタルフレームの該維持部に一体に連結された義歯床を備えた有床義歯を、作業模型を使って製造する有床義歯の製造方法であって、
光重合樹脂からなるスペーサシートを、該作業模型の有床部の模型面に被さるように圧接すると共に該作業模型の模型面の有床部に引かれた該維持部の設計ラインよりも大きめに形成した後、光重合して所定形状のスペーサプレートを形成し、
上記メタルフレームの設計ラインに沿ってメタルフレームを製作し、
該製作したメタルフレームを該作業模型の模型面に装着し、
次に、光重合樹脂からなるベースシートを、該スペーサプレート及び該メタルフレームの該維持部の上から、該有床部に被さるように圧接すると共に該模型面の該有床部の該設計ラインに応じた形状に形成した後、光重合して上記スペーサプレートと一体化されたベースプレートを形成し、
該ベースプレートと該スペーサプレートとで該メタルフレームの維持部を挟んで一体化した基礎床を製作し、
該基礎床の上にワックスにて蝋提を作成し、
口腔内試適、咬合採得、人工歯配列等を順次行い、上記蝋提と人工歯と基礎床が一体化された仮有床義歯用部材を製作し、
該仮有床義歯用部材から上記スペーサプレートの該維持部の下方領域部分を除去した後、該仮有床義歯用部材の該蝋堤、該ベースプレート及び該スペーサプレートを歯肉材に置換して、有床義歯を製作することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記スペーサシートが、0.2mm〜1.5mmの一定の厚さからなることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記ベースシートが、0.8mm〜2.0mmの一定の厚さからなることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の有床義歯の製造方法において、上記メタルフレームがクラスプを備え、上記有床部が略馬蹄形になっており、上記ベースシートが略馬蹄形に形成され、パーシャルデンチャーを製造することを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7記載の有床義歯の製造方法において、上記樹脂パターンは、上記メタルフレームの維持部、クラスプなどの部位に応じて個々に上記模型面に圧接して仮重合して仮剛体を成形し、別の部位を圧接して仮重合して仮剛体を成形し、該仮剛体を最終的に光重合させて樹脂パターンを作製することを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、メタルフレームと義歯床を備えた有床義歯を作成する際に、該義歯床用の作業模型の有床面と該メタルフレームの維持部との間で、該有床面に被さるように配設されるスペーサシート材であって、該シート材が光重合樹脂からなり、厚さが0.2mm〜1.5mmであることを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、請求項9記載の有床義歯義歯用スペーサシート材において、該スペーサシート材の上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなることを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項9又は10記載の有床義歯用スペーサシート材において、該スペーサシ−ト材は矩形状に形成され、該スペーサシート材の両面が光遮断性シート材で覆われてプレス成形によりシート状に形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項12の発明は、請求項11記載の有床義歯用スペーサシート材において、上記光遮断性シート材がアルミシート材であって、その内側表面には離型剤が被覆されていることを特徴とする。
【0022】
請求項13の発明は、メタルフレームと義歯床を備えた有床義歯を作成する際に、義歯床用の作業模型の有床面上に配設されるメタルフレームの維持部の上に被さり、該有床面上を覆うベースシート材であって、該ベースシート材が光重合樹脂からなり、厚さが0.8mm〜2.0mmであることを特徴とする。
【0023】
請求項14の発明は、請求項13記載の有床義歯用ベースシート材において、該ベースシート材の上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなることを特徴とする。
【0024】
請求項15の発明は、請求項13又は14記載の有床義歯用ベースシート材において、該ベースシ−ト材は矩形状に形成され、該ベースシート材の両面が光遮断性シート材で覆われてプレス成形によりシート状に形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項16の発明は、請求項15記載の有床義歯用ベースシート材において、上記光遮断性シート材がアルミシート材であって、その内側表面には離型剤が被覆されていることを特徴とする。
【0026】
請求項17の発明は、歯科技工用のスペーサ用シート材であって、該シート材が光重合樹脂からなり、厚さが0.2mm〜1.5mmであり、該スペーサ用シート材の上記光重合樹脂が、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなり、該シ−ト材は矩形状に形成され、該シート材の両面が光遮断性シート材で覆われてプレス成形によりシート状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
請求項1の発明によれば、ベースプレートとスペースプレートとでメタルフレームを確実に保持でき、位置決めされるので咬み合い試適が確実に行われる。また、メタルフレームを保持した後は、スペーサシートを除去することによって、メタルフレームの下側(即ちメタルフレームと歯茎との間)には、的確に均一な空隙が確保されるので、この空隙に義歯用の人工歯肉が的確に形成されることとなる。その結果、歯茎とのマッチングを良好に行え、実際の使用時にも装着時の違和感が無く、咬み合い時のガタツキ感もない。
【0028】
請求項2の発明によれば、スペーサプレートでメタルフレームを確実に保持でき、位置決めされるので咬み合い試適が確実に行われる。また、スペーサシートを除去することによって、メタルフレームの下側(即ちメタルフレームと歯茎との間)には、的確に均一な空隙が確保されるので、この空隙に義歯用の人工歯肉が的確に形成されることとなる。その結果、歯茎とのマッチングを良好に行え、実際の使用時にも装着時の違和感が無く、咬み合い時のガタツキ感もない。
【0029】
請求項3の発明によれば、ベースプレートとスペースプレートとでメタルフレームを確実に保持でき、位置決めされるので咬み合い試適が確実に行われる。また、メタルフレームを保持した後は、スペーサシートを除去することによって、メタルフレームの下側(即ちメタルフレームと歯茎との間)には、的確に均一な空隙が確保されるので、この空隙に義歯用の人工歯肉が的確に形成されることとなる。その結果、歯茎とのマッチングを良好に行え、実際の使用時にも装着時の違和感が無く、咬み合い時のガタツキ感もない。
【0030】
請求項4の発明によれば、スペーサシートによって欠損部とメタルフレームの維持部との間に適切な空隙を確保でき、確実に歯茎にマッチングできると共に、装着時の違和感がない。適切な厚さであり扱いが容易である。
【0031】
請求項5の発明によれば、ベースシートによって、メタルフレームを確実に保持できると共に、適切な厚さであり扱いが容易である。
【0032】
請求項6の発明によれば、光重合樹脂材が、光重合して硬化する前は、成形性がよく、ベトツキ感(表面の強度な粘着性)が無く、取り扱いが容易であり、光重合して硬化した後には、適正な靱性と剛性を備える。
【0033】
請求項7の発明によれば、スペーサシートによって欠損部とメタルフレームの維持部との間に適切な空隙を確保できると共に、メタルフレームのクラスプを確実に保持でき、装着時の違和感がない。
【0034】
請求項8の発明によれば、メタルフレームを短時間で効果的に成形できる。また、作業中に接触する等して不用意に外れる又は損傷することを防止でき、安心して製作できる。
【0035】
請求項9の発明によれば、適正な厚さであり、取り扱いが容易であり、成形がよく且つ光重合して硬化した後には、適正な靱性と剛性を備える。
【0036】
請求項10の発明によれば、使用目的にあった適正な素材からなるスペースシートを得られる。
【0037】
請求項11の発明によれば、使用する前は光を遮断することで、長期保存できる。また、使用時には、スペーサシートを光遮断性シート材から簡単に剥がすことができる。また、部分的に使用して残部が生じた際には、光遮断性シート材を閉じることで、長期保存して再使用できる。
【0038】
請求項12の発明によれば、使用時には、スペーサシートを光遮断性シート材から簡単に剥がすことができる。また、部分的に使用して残部が生じた際には、光遮断性シート材を閉じることで、長期保存して再使用できる。
【0039】
請求項13の発明によれば、適正な厚さであり、取り扱いが容易であり、成形がよく且つ光重合して硬化した後には、適正な靱性と剛性を備える。
【0040】
請求項14の発明によれば、使用目的にあった適正な素材からなるベースシートを得られる。
【0041】
請求項15の発明によれば、使用する前は光を遮断することで、長期保存できる。また、使用時には、スペーサシートを光遮断性シート材から簡単に剥がすことができる。また、部分的に使用して残部が生じた際には、光遮断性シート材を閉じることで、長期保存して再使用できる。
【0042】
請求項16の発明によれば、使用時には、スペーサシートを光遮断性シート材から簡単に剥がすことができる。また、部分的に使用して残部が生じた際には、光遮断性シート材を閉じることで、長期保存して再使用できる。
【0043】
請求項17の発明によれば、適正な厚さであり、取り扱いが容易であり、成形がよく且つ光重合して硬化した後には、適正な靱性と剛性を備える。それと共に、使用する前は光を遮断することで、長期保存できる。また、使用時には、スペーサシートを光遮断性シート材から簡単に剥がすことができる。また、部分的に使用して残部が生じた際には、光遮断性シート材を閉じることで、長期保存して再使用できる。
【0044】
本発明では、スペーサシートは、薄過ぎると剛性が不足すると共に、メタルフレームの下側に形成される人工歯肉が必然的に薄くなり、装着時の歯茎との摩擦でメタルフレームの維持部が露出するおそれがある。また厚過ぎると装着時に違和感がある。従って、スペースシートの厚さは、0.2mm〜1.5mmの一定の厚さからなることが好ましく、特に0.35mm〜1.0mmの一定の厚さからなることが好ましい。
【0045】
本発明では、ベースシートは、メタルフレームを確実に位置決めして保持すると共に、欠損部の模型面に応じた形状、例えば馬蹄形に成形するために、0.8mm〜2.0mmの一定の厚さからなることが好ましく、特に、0.9mm〜1.5mmの一定の厚さからなることが好ましい。なお、スペーサシート及びベースシートとし上記範囲の厚さでは、厚さが不足する場合には、2枚又は3枚と重ねて使用して、厚さを確保するようにすることが好ましい。
【0046】
本発明において、メタルフレーム用の光重合樹脂、スペーサシートの光重合樹脂、ベースシートの光重合樹脂としては、特許3155315号公報、特許3155316号公報、特許3155389号公報、特許3155430号公報に記載された光重合樹脂材が使用できるものであり、特に、光重合モノマー及び光重合オリゴマーの少なくとも一種を25〜95重量%、光重合開始剤を0.05〜3.0重量%、重合助剤を0.05〜3.0重量%、有機充填材を5〜70重量%からなるが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜12に基づいて説明する。図1は、部分義歯(パーシャルデンチャー)のための下歯の作業模型の斜視図を示し、図2は図1の平面図を示す。図1及び図2に示すように、作業模型1の表面の模型面2には、欠損部顎堤6の内外表面に跨って義歯床(有床部)3を形成する設計ライン7が引かれ、メタルフレーム用の設計ライン8が天然歯5に架かるように形成されている。この実施形態1では、メタルフレーム21は、主として有床部3の頂部の一部に架かる維持部24、天然歯5に架かるクラスプ22、及び維持部24とクラスプ22とを連結するリンガルバー23とで構成され、これらのクラスプ22、リンガルバー23、維持部24等の外形線が設計ライン8として引かれている。
【0048】
図12は実施形態1で使用するスペーサシート10aを示す。スペーサシート10aは、40mm×110mmの矩形状で、厚さが0.45mmのものであって、両面が光遮断性の銀紙(アルミフィルム)11,11で覆われている。銀紙11,11の内面側には、シリコーン等の離型剤が被覆され、剥がれ易くなっている。製造方法としては、銀紙11,11に挟まれた状態でプレス型内に充填されたスペーサシート10aの粘性素材がプレスされてシート状に形成され、銀紙でサンドイッチ状態になったスペーサシート10aが得られるようになっている。
【0049】
図12に示すように、端縁部にバリ13のような極薄いスペーサシート10aが形成されることとなり、使用時にどちらか一方の銀紙11を持って開くと、スペーサシート10aはどちらか一方の銀紙に付着した状態となり、それから他方の銀紙とスペーサシート10aを剥がすことが容易でない。したがって、端縁部を含む部分を使用する場合には、端縁部からで無く、使用する大きさに切断した部分から端縁部に向かって剥がすようにすると好ましい。ベースシート30aは、40mm×110mmの矩形状で、厚さが1.0mmのものであって、両面が光遮断性の銀紙11,11で覆われている(図12と同様であり図示を省略)。
【0050】
次に、図13のフローチャート及び、図1〜図10に基づいて、実施形態1のパーシャルデンチャーの製造方法を工程順に説明する。
【0051】
〔ステップ1〕
通法に従って製作した作業模型1の模型面2に、パーシャルデンチャーのメタルフレーム用の設計ライン8及び義歯床用の外形形状の設計ライン7を引き、この設計ライン7,8内に速乾性分離剤(第1分離材)を塗布する。第1分離材は速乾性分離剤であればよく、詳細な説明及び図示を省略する。
【0052】
〔ステップ2〕
図12に示すように、光重合樹脂からなるスペーサシート10aを銀紙11,11から剥がして取り出す。そして、図3に示すように、該維持部24の設計ラインより少し大きめの大きさに切断して、模型面2の有床部3に描かれたメタルフレーム22の維持部24を覆うように馬蹄形に形成すると共に、上記有床部3に被さるように圧接した後、光重合してスペーサプレート10bを製作する。
【0053】
〔ステップ3〕
スペーサプレート10bの表面に第1分離剤を塗布する。次に粘着性分離剤をスペーサプレート10b表面及びメタルフレーム用の設計ライン8内に塗布し、乾燥する。粘着性分離剤は、仮接着できる接着力を備えたものであればよく、詳細な説明及び図示を省略する。
【0054】
〔ステップ4〕
図4に示すように、光重合樹脂からなるパターン材をメタルフレーム用の設計ライン8に沿って圧接して、メタルフレーム21作成のための樹脂パターン20を製作する。
【0055】
具体的には、樹脂パターンの中で床、リンガルバー23等の大きい部分から先に圧接作業・予備重合を行い、順次維持部24やクラスプ22等へとステップバイステップで圧接作業・予備重合を適宜繰り返しながら作業を進めていく。即ち重合しにくい大きいものから先に製作して、クラスプのように細くて変形しやすい部分を後から製作することで、全体が短時間で効率良く製作できると共に、製作中の不意の接触による変形や破損を防止できる。クラスプ22と床、バー23等を連結する場合には、接着剤を連結部に塗布して仮重合する。
【0056】
また、鋳造用のスプール(図示省略)を上記樹脂パターン20の一部を利用して製作し、一体に形成すると後の鋳造作業が容易となる。
【0057】
〔ステップ5〕
図5に示すように、該樹脂パターン20を模型面2から外して、該樹脂パター20に基づいたメタルフレーム21を鋳造して作成する。なお、リンガルバー23等の太い棒状部材で、模型面2に接した部分は十分に光重合できてない可能性があり、そのために、樹脂パターン20を模型面2から取り外した後、樹脂パターン20を裏返して光を当てて光重合を確実に行うようにしても良い。
【0058】
〔ステップ6〕
図6に示すように、上記スペーサプレート10bに塗布した第1分離剤及び粘着用分離剤を除去した後、上記メタルフレーム21の維持部24に第1分離剤を塗布してから、該メタルフレーム21を作業模型1に装着する。
【0059】
〔ステップ7〕
上記スペーサプレート10bと上記メタルフレーム21との接触部分の周囲に点在させて接着剤を塗布する。この接着剤で上記スペーサプレート10bと後述するベースプレート30bとを接着し、該スペーサプレート10bと該ベースプレート30bとで上記メタルフレーム21を挟み込むようにしている。
【0060】
なお、上記スペーサプレート10bと該ベースプレート30bとの接着は、上記方法に限らず、例えば、上記ベースシート30aに対して、上記接着剤が点在する領域部分に孔を開けておき、スペーサプレート10bの上に重ねてセットし、その後光重合してベースプレート30bを形成し、上記孔からワックスを充填し、上記スペーサプレート10bと上記ベースプレート30bとを仮接着するようにしても良い。この場合には、孔開け作業が必要であるが、接着剤を別途用意する必要が無く、且つ後でこのベースプレート30bの上に重ねられる蝋提のワックスと同じものを使用できるので、好都合である。
【0061】
〔ステップ8〕
図7に示すように、光重合樹脂からなるベースシート30aを上記スペーサプレート10b及びメタルフレーム21の上から模型面2の有床部3の上面に押し当てて、該有床部3の設計ライン7に応じて馬蹄形に形成して切断し、上記スペーサプレート10b、メタルフレーム21の維持部24及び有床部3を包み込むように圧接した後、光重合してベースプレート30bを作成する。
【0062】
〔ステップ9〕
その結果、図8に示すように、スペーサプレート10bとベースプレート30bとでメタルフレーム21が挟み込まれて上記スペーサフレーム10b、メタルフレーム21の維持部24、ベースプレート30bが一体化した基礎床31を製作する。これにより、メタルフレーム21の維持部24が有床部3の形状に形成されたベースプレート30bに強固に保持されるので、口腔内試適や咬合採得時等でも位置ズレを起こすことなく、且つ破損、分離などを生じることなく、適正に実施できる。
【0063】
〔ステップ10〕
図9に示すように、該作業模型1に装着された該基礎床31の上にワックスにて蝋提42を作成し、該蝋提42付き該基礎床31を該作業模型1から外して口腔内試適、咬合採得を行う。
【0064】
〔ステップ11〕
その後、再度該作業模型1に戻して、該作業模型1ごと咬合器(図示省略)にセットして人工歯43配列を行う。次に、該蝋提42付き該基礎床31を該作業模型1から外して口腔内試適を行い、上記蝋提42と人工歯43と基礎床31が一体化された仮有床義歯用部材40を製作する。
【0065】
〔ステップ12〕
上記仮有床義歯用部材40から上記スペーサプレート10bを除去した後、該仮有床義歯用部材40を上記作業模型1に装着して、該基礎床31を修正・固定する。
【0066】
〔ステップ13〕
その後レジン重合用フラスコ(図示省略)に埋没セットし、脱蝋して蝋提42を除去し、更に該ベースプレート30bを取り除き、該蝋堤42、該ベースプレート30b及び該スペーサプレート10bの空間を確保する。
【0067】
〔ステップ14〕
次に、図10に示すように、該蝋堤42、該ベースプレート30b及び該スペーサプレート10bの空間に床用レジンを充填して重合して歯肉41を形成し、歯肉41、人工歯43及びメタルフレーム30bが一体となった有床義歯50を製作する。
【0068】
(実施形態2)
実施形態2を図14及び図15に基づいて説明する。実施形態1では、スペーサプレート10bとべースプレート30bを使用したが、実施形態2では、スペーサプレート10d1枚に両プレートの機能を持たせるようにしたものである。即ちスペーサプレート10dの大きさを、実施形態1のベースプレート30bと同じ大きさにして、実施形態1のスペーサプレート10bの位置に配置してベースプレートを無くし、このスペーサプレート10dにベースプレートの機能も持たせたものである。
【0069】
実施形態2のパーシャルデンチャーの製造方法を図14に基づいて工程順に説明する。
【0070】
なお、実施形態1と異なる部分のみの説明とし、同じ部分の説明は省略する。
【0071】
実施形態2では、ステップ2のスペーサシート10cの圧接工程において、スペーサシート10cの大きさが有床部3の設計ライン7の大きさとなっており、有床部3の表面に馬蹄形で圧接され、光重合されてスペーサプレート10dが形成されるようになっている。
【0072】
その後、ステップ3、4、5、6については、実施形態1と同様である。実施形態2では、ステップ7において、ワックスでスペーサプレート10dとメタルフレーム21とを仮接着する。メタルフレーム21の維持部の形状が、形状的に安定していれば、敢えてステップ7を行わずに、メタルフレーム21の維持部24をスペーサプレート10d上に単に重ねておくだけでも良い。
【0073】
ステップ8において、スペーサプレート10dとメタルフレーム21とが重なった基礎床31'を製作する。この基礎床31'を用いて、後は実施形態1と同様なステップを行う。なお、ステップ11において、作業模型1に装着する前に、スペーサシート10dを除去する時には、スペーサプレート10dの一部、即ち維持部24の下側にある部分のみを取り除く。
【0074】
(その他実施形態)
上記実施形態1において、スペーサプレート10bをメタルフレーム21の維持部24の外径線より少し大きい大きさとしたが、このスペーサプレート10bをベースプレート30bと同じく有床部3の外形線の大きさとしても良い。特に、欠損部の深さが深い有床義歯に対してはこの実施形態が有効である。この場合には、ステップ12において作業模型1に装着する前に、スペーサプレート10bを除去する時には、スペーサプレート10bの一部、即ち維持部24の下側にある部分のみを取り除く。
【0075】
実施形態1及び2では、メタルフレームを光重合樹脂で形成したものに対して、スペーサシートやベースシートを使用する方法であったが、本発明のスペーサシートやベースシートは、メタルフレーム作成に光重合樹脂を使用しないで従来どおり耐火模型などを使用するものに対しても、適用可能である。
【0076】
また、例えば、通常の金属床製作時のスケルトン部(維持部)のリリーフ材としてワックスシートに替えてスペーサシートを使用し印象採得して、耐火模型により製作する、メタルフレーム完成後、作業模型に装着して、以降前述の実施形態1や実施形態2の方法で製作するようにしても良い。
【0077】
また、メタルフレームのクラスプとバー等が連結されてないケースの場合、クラスプやバー等の維持部のスペーサとして、本発明のスペーサシート10aを使用し、鋳造するようにしても良い。
【0078】
なお、上記実施形態では、スペーサシート10aは図12に示すような略矩形状の構造であった。しかし、図11に示すように、一方の端縁部にリブ12が一体に形成するようにしても良い。使用時にどちらか一方の銀紙11を持って開くと、スペーサシート10aはどちらか一方の銀紙に付着した状態となる。その後、端縁部のリブ13を使って剥がすことで、銀紙からスペーサシート10aを簡単に剥がすことができ、作業が容易となる。
【0079】
なお、図11のスペーサシートでは、上記リブ13を設けたが、この構造に限られるものではなく、リブを端縁部から少し離れて薄い層を設けてブリッジ状に連結される構成としても良い。また、バリの発生する付近での型合わせ部分(バリの出る部分)の幅を極力少なくして、その外側を開放して(即ち、型合わせしないスペースを確保する)、型合わせ部分(バリ発生部分)からはみ出た樹脂がその開放部分で少し厚めに固まるようにしたものでも良い。即ち、極薄いバリの発生を抑制するか、端部に少し大きめの固まりができるようにすれば、上記構造に限られるものではない。
【0080】
本発明のスペーサシート及び/又はベースシートは、上記実施形態に限らず、歯科技工用のスペーサシートとして、使用可能である。例えば、有床義歯用スペーサシート、ブリッジ用スペーサとして使用可能である。ブリッジ用スペーサとしては、セラモメタルブリッジ製作時において、ロストワックス形成時のポンテック基底部の陶材用スペーサとして使用できる。
【0081】
また、本発明のベースシートは、インプラント技工において、アクセスホールを決めるためのステントとして使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上説明したように、本発明に関わる有床義歯の製造方法及びそれに使用する光重合樹脂製シート材は、歯科技工用のスペーサシートに適用できる。例えば老若男女の上歯、下歯の総義歯、一部が欠けた場合の部分入れ歯に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施形態1に関わるパーシャルデンチャーの製造方法に使用する作業模型の斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1に対して、スペーサシートを有床部に圧接した状態を示す斜視図である。
【図4】図3に対して、メタルフレーム用の樹脂パターンを製作した状態を示す斜視図である。
【図5】図4の樹脂パターンを作業模型から取り外した状態を示す斜視図である。
【図6】図5の樹脂パターンを鋳造してメタルフレームを製作した後に、作業模型に戻した状態を示す斜視図である。
【図7】図6に対して、ベースシートを有床部に圧接した状態を示す斜視図である。
【図8】図7に対して、ベースシートを光重合して形成したスペーサプレート、ベースプレートとメタルフレームの維持部とを一体化した基礎床を示す斜視図である。
【図9】基礎床部に蝋堤を製作する状態を説明する側面図である。
【図10】図9に対して、有床義歯を製作した状態を示す側面図である。
【図11】スペースシートの別の実施形態を説明する断面図である。
【図12】実施形態1に関わるスペースシートを説明する断面図である。
【図13】実施形態1に係わるパーシャルデンチャーの製造方法を工程順に説明するフローチャートである。
【図14】実施形態2に係わるパーシャルデンチャーの製造方法を工程順に説明するフローチャートである。
【図15】実施形態2に関わり、図8と同様な図である。
【符号の説明】
【0084】
1 作業模型
2 模型面
3 有床部
7 設計ライン
8 設計ライン
10a スペーサシート
10b スペーサプレート
20 樹脂パターン
21 メタルフレーム
22 クラスプ
23 リンガルバー
24 維持部
30a ベースシート
30b ベースプレート
31 基礎床
41 歯肉
42 蝋堤
43 人工歯
【出願人】 【識別番号】301065870
【氏名又は名称】植野 正人
【識別番号】591014525
【氏名又は名称】シージーケー株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−12182(P2008−12182A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188478(P2006−188478)