| 【発明の名称】 |
歯間清掃具 |
| 【発明者】 |
【氏名】梶田 恵介
【氏名】中島 賢治
|
| 【要約】 |
【課題】長期間安定な香味を有する歯間清掃具を提供する。
【構成】歯間清掃部を有する歯間清掃具であって、該歯間清掃部2の少なくとも一部が(1)水難溶性樹脂、(2)粉末香味成分ならびに(3)クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールを含む皮膜3で被覆されている歯間清掃具。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯間清掃部を有する歯間清掃具であって、該歯間清掃部の少なくとも一部が(1)水難溶性樹脂、(2)粉末香味成分ならびに(3)クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールを含む皮膜で被覆されている歯間清掃具。 【請求項2】 前記水難溶性樹脂がアミノアルキルメタクリレート共重合体、酢酸ビニル樹脂、セラックおよびポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートからなる群から選択される請求項1記載の歯間清掃具。 【請求項3】 前記アミノアルキルメタクリレート共重合体が、メタクリル酸アルキルとメタクリル酸ジアルキルアミノエチルとの共重合体である請求項2記載の歯間清掃具。 【請求項4】 前記アミノアルキルメタクリレート共重合体の平均分子量が約100,000〜200,000であることを特徴とする請求項3記載の歯間清掃具。 【請求項5】 前記粉末香味成分が、メントール、カルボン、アネトール、リモネン、スペアミント油、ペパーミント油およびラベンダー油からなる群から選ばれる少なくとも1種の香味成分をシクロデキストリンで包接した包接化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 【請求項6】 前記包接化合物が、l−メントールのβシクロデキストリン包接体である、請求項5に記載の歯間清掃具。 【請求項7】 前記クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールが、クエン酸トリエチルおよび/またはポリエチレングリコール4000〜8000である請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 【請求項8】 前記皮膜が、水難溶性樹脂、粉末香味成分ならびにクエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールを低級アルコールに溶解・分散させ、この低級アルコール分散液を歯間清掃部に塗布、乾燥させて形成されたものである請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 【請求項9】 前記低級アルコール分散液中に水難溶性樹脂が0.5〜15重量%含まれる請求項8記載の歯間清掃具。 【請求項10】 前記低級アルコール分散液中に粉末香味成分が1〜50重量%含まれる請求項8または9記載の歯間清掃具。 【請求項11】 前記低級アルコール分散液中にクエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールが合計で0.05〜2.0重量%含まれる請求項8〜10のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 【請求項12】 前記歯間清掃部が樹脂で構成されている請求項8〜11のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 【請求項13】 歯間清掃部を構成する前記樹脂がポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂およびスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の歯間清掃具。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、歯間清掃具に関する。 【背景技術】 【0002】 現在市場で香味が付いた歯間清掃具は、香味剤をワックスに混ぜて樹脂製の歯間清掃具に塗布したり、香味剤を水溶性の液に溶解させ木製のつまようじに含浸させたりした製品が存在する。 【0003】 ワックスタイプは常温で固体と液体の2種類があり、固体のものは製造方法が困難で且つ歯間にワックスが詰まり使用感が良くない。一方液体タイプは製品自体がべたつく為、製品を持ったとき、または口腔清掃後に口腔内がべたつく欠点があった。また含浸タイプは木を使用しなければいけない制約がある為、本来望まれている歯間清掃具の形状に成形することが困難である。すなわち、歯間清掃しやすい形状で使用感が良い香味付き歯間清掃具は市場には存在しない。 【0004】 特許文献1は、賦香料のサイクロデキストリン包接化合物とワックスを有する歯間清掃用フロスを開示し、特許文献2は、香味料粒子をワックスを用いてフロスに塗布した歯牙用フロスを開示する。特許文献1および2は、賦香料/香味料を粒子として有するため香りの持続性に優れているが、粒子を保持するためにワックスを使用しているため、ワックスが歯間に詰まり、使用感が悪い欠点があった。 【0005】 特許文献3は、エタノール可溶性粘結剤(ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー)とケイ酸マグネシウム、シリカなどの無機質粉末とエタノールからなる分散液を用いてつまようじ先端に塗布する技術を開示する。特許文献3で使用されているエタノール可溶性粘結剤はいずれも水溶性であるため、唾液で溶解し粘つき、使用感を悪化させる原因であった。 【0006】 特許文献4は、活性成分を水難溶性樹脂の皮膜に有する歯間清掃用具を開示する。活性成分には香料としてl−メントールが例示されているが、l−メントールは揮発性であるため、水難溶性樹脂の皮膜から徐々に失われる欠点があった。また、揮発すると皮膜上に孔が開き、皮膜の付着強度が低下する欠点があった。 【特許文献1】特開平3-146053号公報 【特許文献2】特公昭58-15137号公報 【特許文献3】特公昭61-59604号公報 【特許文献4】特開2003-144231号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、長期間安定な香味を、歯間清掃部に塗布した新規の歯間清掃具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者は、従来知られているコーティング剤である水難溶性樹脂と、長期間安定に香味を保持できるシクロデキストリン包接化合物などの粉末香味成分を使用して、歯間清掃具における歯間清掃部に塗布することで、薄く剥がれない皮膜を形成させ得ることを見出した。 【0009】 本発明は、以下の歯間清掃具に関する。 1. 歯間清掃部を有する歯間清掃具であって、該歯間清掃部の少なくとも一部が(1)水難溶性樹脂、(2)粉末香味成分ならびに(3)クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールを含む皮膜で被覆されている歯間清掃具。 2. 前記水難溶性樹脂がアミノアルキルメタクリレート共重合体、酢酸ビニル樹脂、セラックおよびポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートからなる群から選択される項1記載の歯間清掃具。 3. 前記アミノアルキルメタクリレート共重合体が、メタクリル酸アルキルとメタクリル酸ジアルキルアミノエチルとの共重合体である項2記載の歯間清掃具。 4. 前記アミノアルキルメタクリレート共重合体の平均分子量が約100,000〜200,000であることを特徴とする項3記載の歯間清掃具。 5. 前記粉末香味成分が、メントール、カルボン、アネトール、リモネン、スペアミント油、ペパーミント油およびラベンダー油からなる群から選ばれる少なくとも1種の香味成分をシクロデキストリンで包接した包接化合物である項1〜4のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 6. 前記包接化合物が、l−メントールのβシクロデキストリン包接体である、項5に記載の歯間清掃具。 7. 前記クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールが、クエン酸トリエチルおよび/またはポリエチレングリコール4000〜8000である項1〜6のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 8. 前記皮膜が、水難溶性樹脂、粉末香味成分ならびにクエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールを低級アルコールに溶解・分散させ、この低級アルコール分散液を歯間清掃部に塗布、乾燥させて形成されたものである項1〜7のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 9. 前記低級アルコール分散液中に水難溶性樹脂が0.5〜15重量%含まれる項8記載の歯間清掃具。 10. 前記低級アルコール分散液中に粉末香味成分が1〜50重量%含まれる項8または9記載の歯間清掃具。 11. 前記低級アルコール分散液中にクエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールが合計で0.05〜2.0重量%含まれる項8〜10のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 12.前記歯間清掃部が樹脂で構成されている項8〜11のいずれか一項に記載の歯間清掃具。 13. 歯間清掃部を構成する前記樹脂がポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド(ナイロン(登録商標))樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(テフロン(登録商標))およびスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体からなる群から選択されることを特徴とする項12に記載の歯間清掃具。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、粉末香味成分、特にシクロデキストリンの包接化合物を使用しているので、香味成分を長期間安定に保持することができる。粉末香味成分は、歯間清掃具における歯間清掃部に樹脂により付着させることは困難であり、従来はワックスが使用されていた。本発明者は、水難溶性樹脂とクエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールを含む皮膜を使用することで、ワックスを使用することなく、粉末香味成分を長期間安定に保持できることを実証した。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 本発明の歯間清掃具は、歯間清掃具本体と歯間清掃部とを備え、歯間清掃部の少なくとも一部が、粉末香味成分を保持する水難溶性樹脂と、クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールとを含む皮膜で被覆されている。 【0012】 歯間清掃具は、樹脂製、木製、金属(ステンレス合金など)製など種々のものがあげられるが、なかでも、使用感や皮膜の付着性の点から歯間清掃部が樹脂製の歯間清掃具が好ましい。例えば、歯間清掃具本体が歯間清掃部と同一の樹脂からなる場合は、歯間清掃具本体と歯間清掃部は一体成形されていてもよい。歯間清掃具が柄付きフロスの場合、該柄付きフロスはフロス(糸)と該フロスを固定する歯間清掃具本体から構成され、該フロスの部分に皮膜が形成される。歯間清掃具が歯間ブラシである場合、金属製/樹脂製/セラミック製のブラシ軸にブラシ毛(樹脂製の歯間清掃部)を設けたブラシ部と、該ブラシ部を固定する歯間清掃具本体から構成され、ブラシ毛に皮膜が形成される。歯間清掃部を構成する樹脂としては、樹脂製の歯間清掃部への付着性・香味感を高める為に、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン(登録商標))、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(テフロン(登録商標))、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体などが使用され、特にポリエチレン樹脂が好ましい。ポリエチレン樹脂としては、低密度、中密度、高密度のいずれのポリエチレンも使用でき、低密度ポリエチレンが好ましい。ポリエチレン樹脂は適度な柔軟性を有し、歯間の清掃時に歯/歯間の形状に応じて変形することができる。歯間清掃具本体は、樹脂、金属、セラミックなどの任意の材料からなり、樹脂としては、歯間清掃部を構成する樹脂と同様なものが好ましく使用される。 【0013】 本発明の歯間清掃具の一例を図1に示す。該歯間清掃具は、歯間清掃具本体(4)に溝を有する樹脂製の歯間清掃部(2)と、歯の清掃を行いやすくするために少し曲げられた先端部(1)を有し、先端部を含む前記歯間清掃部(2)に皮膜(3)が付着されている。歯間清掃部(2)の複数の溝は、皮膜を保持し、剥離を抑制するのに役立つ。 【0014】 該皮膜(3)は、例えば歯間清掃部(2)を、水難溶性樹脂、粉末香味成分およびクエン酸アルキルエステル又はポリエチレングリコールを低級アルコールに溶解・分散させた分散液に浸漬し、引き上げた後に乾燥させて形成することができる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、樹脂の溶解特性が常温で高く製造しやすいという点から好ましくはエタノールが挙げられる。 【0015】 前記低級アルコール分散液100重量部には、好ましくは (1)水難溶性樹脂が0.5〜15重量部(特に1〜10重量部)、 (2)粉末香味成分が1〜50重量部(特に5〜40重量部)、 (3)クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールが合計で0.05〜2.0重量部(特に0.1〜1.5重量部) (4)低級アルコールが40〜95重量部(特に48〜93.5重量部) 含まれる。水難溶性樹脂の濃度が高すぎると、被覆された皮膜中の粉末香味成分の絶対量が少なくなり、口腔内での粉末香味成分の放出が遅くなり、低すぎると粉末香味成分の保持が困難になる。 【0016】 粉末香味成分の濃度が高すぎると、粉末香味成分の分散および皮膜中での保持が難しくなり、低すぎると粉末香味成分の絶対量が少なくなる。 クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールの合計濃度が高すぎると、皮膜の強度が低下し、低すぎると皮膜の形成が困難になる。 【0017】 粉末香味成分100重量部に対し、水難溶性樹脂は、1〜1500重量部、好ましくは2.5〜200重量部を使用する。水難溶性樹脂の濃度が高すぎると、皮膜が厚くなり香味がしなくなり、かつ皮膜の割れ等が発生しやすく、低すぎると、皮膜が形成されにくく粉末香味成分の付着性が悪くなり、製造が困難となる傾向がある。 【0018】 水難溶性樹脂100重量部に対し、クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールの合計量として0.4〜400重量部、好ましくは1〜150重量部を使用する。クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールの濃度が高すぎると、高い付着性を有した皮膜の形成が困難となり、剥離が発生しやすく、低すぎると、水難溶性樹脂に可塑性を与えることが出来ず、皮膜が硬くなり割れが発生しやすい。 【0019】 これらの範囲内に規定することで、得られる皮膜の、歯間清掃部への付着性を高めることができ、粉末香料成分の香味を長期安定的に保つことができるため好ましい。 【0020】 皮膜100重量部中には、水難溶性樹脂1〜93重量部(好ましくは2.4〜66重量部)、粉末香味成分6.3〜95重量部(好ましくは33.3〜94重量部)、クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールが合計で0.4〜4重量部(好ましくは0.7〜3.5重量部)含まれる。 【0021】 皮膜の厚みとしては、5〜200μm、好ましくは10〜100μmが挙げられる。皮膜が薄すぎると、粉末香味成分の保持性が不十分になり、皮膜が厚すぎると、皮膜の剥離が起きやすくなり、また口腔内での歯間清掃具の使用の際に粉末香味成分の溶出が遅くなる。 【0022】 歯間清掃具への付着性、香味感を高める為に、粉末香味成分の粒子は直径75μm〜350μmが好ましい。前記粉末香味成分は、粉末であればとくに限定されないが、使用前には香料成分が揮発せずに、使用時に長期間香味を感じる点、水難溶性樹脂とクエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールとの組合せにより付着性に優れた皮膜とすることができる点などからメントール、カルボン、アネトール、リモネン、スペアミント油、ペパーミント油、ラベンダー油などからなる群から選ばれる少なくとも1種をシクロデキストリンで包接したものが挙げられる。シクロデキストリンとしては、α、βまたはγシクロデキストリンが挙げられ、包接される化合物のサイズに応じて適宜選択される。特に好ましい粉末香味成分は、長期間香味を感じ、かつ優れた嗜好性の点からl−メントールをβシクロデキストリンで包接したものである。 【0023】 上記のように、皮膜の厚みに対して粉末香味成分の粒子径がかなり大きいことも、粉末香味成分の歯間清掃部への安定な付着・保持を困難にしている。 【0024】 前記水難溶性樹脂は、低級アルコール、特にエタノール可溶性であるものから好ましく選択される。例えば、水難溶性樹脂としては、アミノアルキルメタクリレート共重合体、酢酸ビニル樹脂、セラックおよびポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートが挙げられる。中でも好ましくはアミノアルキルメタクリレート共重合体が挙げられる。付着性、柔軟性がより好ましい前記アミノアルキルメタクリレート共重合体は、メタクリル酸アルキルとメタクリル酸ジアルキルアミノエチルとの共重合体である。メタクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピルなどが挙げられ、メタクリル酸ジアルキルアミノエチルとしては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジブチルアミノエチル、メタクリル酸ジプロピルアミノエチルなどが挙げられる。なかでも、メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルとメタクリル酸ジメチルアミノエチルとの共重合体が最も好ましい。 【0025】 前記水難溶性樹脂がアミノアルキルメタクリレート共重合体である場合、その平均分子量は、100,000〜200,000程度であるのが好ましい。水難溶性樹脂の平均分子量が小さすぎると皮膜形成力が弱く皮膜が剥がれやすい。一方、平均分子量が大きすぎると皮膜が硬くなりすぎて、割れの原因と香味の低減に繋がる。 【0026】 水難溶性樹脂に可塑性を与える物質としては、クエン酸アルキルエステルおよび/またはポリエチレングリコールが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。クエン酸アルキルエステルとしては、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸イソプロピル、クエン酸トリオクチルなどが挙げられ、 歯間清掃部に粉末香味成分を強く付着させることができ、かつ口腔内に入れたときに強い香味を感じることができる皮膜を形成できる点からクエン酸トリエチルが好ましい。ポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール1540、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000、ポリエチレングリコール9000、ポリエチレングリコール11000、ポリエチレングリコール12000、ポリエチレングリコール20000などが挙げられ、歯間清掃部に粉末香味成分を強く付着させることができ、かつ口腔内に入れたときに強い香味を感じることができる皮膜を形成できる点から好ましくはポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000が挙げられる。 【0027】 本発明の歯間清掃具としてはとくに限定されないが、例えば、樹脂製のフィラメントを使用した柄付きフロス、歯間ブラシ、木製や樹脂製のつまようじ(デンタルピック)などが挙げられる。 【実施例】 【0028】 以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。 実施例1〜70および比較例1〜31 以下の表1〜表4に示される配合量で、エタノール、水難溶性樹脂(メタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体(デグサジャパン株式会社製「オイドラギット E100」、平均分子量150,000)、酢酸ビニル樹脂(電気化学工業株式会社製「サクノールSN−08H」、平均重合度780))、セラック(日本シェラック工業株式会社製「ラックグレーズ32E」、平均分子量1,051)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(三共株式会社製「AEA「三共」」、平均分子量65,000))、粉末香味成分としてのシクロデキストリン包接体(l−メントールとβシクロデキストリンの1:1包接化合物;粒径75〜350μm)、ならびにクエン酸アルキルエステル(クエン酸トリエチル)および/またはポリエチレングリコール(4000または6000)を混合してシクロデキストリン包接体のエタノール分散液を調製し、図1に示される形状の歯間清掃具本体(低密度ポリエチレン樹脂製)を該分散液に浸漬し、エタノールを風乾させて、本発明の歯間清掃具を得た。得られた歯間清掃部における皮膜の厚みは約25〜50μmであった。 【0029】 試験例1 (1)官能試験 実施例1〜70および比較例1〜31で得られた歯間清掃具を50℃(相対湿度60%)の恒温恒湿室にて1ヶ月間放置し、l−メントールに基づく味覚の官能試験を、パネラー10名について以下の基準にしたがって行い、その平均を算出した(小数点以下は四捨五入した)。 +++:強い味を感じる ++:普通に味を感じる +:弱いが味を感じる −:味を感じない (2)皮膜の付着性確認試験 実施例1〜70および比較例1〜31で得られた歯間清掃具25本をまとめてチャック付きポリ袋(株式会社生産日本社製 「ユニパックD−4」)(歯間清掃具とチャック付きポリ袋の総重量7.5g)に入れて、100cmの高さからコンクリート面に2回落下させ、皮膜の剥離の程度を以下の4段階で評価し、その平均を算出した(小数点以下は四捨五入した)。 +++:皮膜の剥離が認められない ++:皮膜の1〜4割の剥離がある +:皮膜の5〜8割の剥離がある −:皮膜はほとんど剥離する (3)使用感試験 実施例1〜70および比較例1〜31で得られた歯間清掃具の使用感試験を、パネラー10名について以下の基準にしたがって行い、その平均を算出した(小数点以下は四捨五入した)。 +++:清掃感が良く、強い味が安定的に持続する ++:清掃感は良く、弱い味が安定的に持続する +:味の持続性は弱いが、清掃感は良い −:清掃感、味の持続性が共に悪い 【0030】 上記の結果を表1〜表4に示す。 【0031】 【表1】
【0032】 【表2】
【0033】 【表3】
【0034】 【表4】
【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】本発明の歯間清掃具を示す。 【符号の説明】 【0036】 1 先端部 2 歯間清掃部 3 皮膜 4 歯間清掃具本体
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000186588 【氏名又は名称】小林製薬株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年7月3日(2006.7.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065215 【弁理士】 【氏名又は名称】三枝 英二
【識別番号】100076510 【弁理士】 【氏名又は名称】掛樋 悠路
【識別番号】100099988 【弁理士】 【氏名又は名称】斎藤 健治
|
| 【公開番号】 |
特開2008−11944(P2008−11944A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−183950(P2006−183950) |
|