| 【発明の名称】 |
歯科用印象分離装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】上田 順一
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| 【要約】 |
【課題】歯科用印象と歯科用模型とを容易に分離させることができ、分離の際に歯科用模型が破損してしまうことを防止することが可能な歯科用印象分離装置を提供する。
【構成】分離装置は、歯科用印象を収める印象用トレーTを固定するトレー固定部材1と、印象用トレーTに収められた歯科用印象に付着した石膏Plを固定する石膏固定部材と、トレー固定部材1に収められた歯科用印象と石膏固定部材に固定された石膏Plとを、石膏Plに形成された歯牙の植立方向に沿って分離する分離用ネジ17,19とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科用印象を収める印象用トレーを固定するトレー固定手段と、 前記印象用トレーに収められた前記歯科用印象に付着した石膏を固定する石膏固定手段と、 前記トレー固定手段に収められた前記歯科用印象と前記石膏固定手段に固定された前記石膏とを、前記石膏に形成された歯牙の植立方向に沿って分離する分離手段とを備えること、 を特徴とする歯科用印象分離装置。 【請求項2】 前記分離手段は、前記トレー固定手段、又は前記石膏固定手段の少なくとも一方に支持されたネジ部材であり、 前記ネジ部材は、回動することによって前記トレー固定手段と前記石膏固定手段とを分離することが可能に形成されていること、 を特徴とする請求項1記載の歯科用印象分離装置。 【請求項3】 前記分離手段は、前記ネジ部材を少なくとも3本備えること、 を特徴とする請求項2記載の歯科用印象分離装置。 【請求項4】 前記トレー固定手段は、前記印象用トレーの取っ手部分を固定すること、 を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかの項記載の歯科用印象分離装置。 【請求項5】 前記石膏固定手段は、前記石膏を前記分離手段による分離方向とは略垂直に固定すること、 を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかの項記載の歯科用印象分離装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、歯科用印象と石膏とを分離する歯科用印象分離装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、歯科技工士が、歯科医師によって患者から採取された歯科用印象の石膏模型を形成する際、まず印象用トレーに収められた、例えばシリコンによって形成された歯科用印象に石膏を流し込む。そして、石膏が硬化した後、該石膏によって形成された患者の歯型模型を歯科用印象から分離する。そして、石膏によって形成された歯型模型と、歯科用印象を分離する方法としては、一方の手で歯型模型を押さえ、他方の手で歯科用印象、又は該歯科用印象が収められた印象用トレーを押さえ、腕力によってこれらを分離する手法が用いられている。しかし、歯型模型と歯科用印象とが密着した状態にあることに起因して、腕力によって歯型模型と歯科用印象とを分離しようとすると、相当な腕力が必要となり、これらを分離することが困難であるという問題があった。また、腕力によってこれらを分離しようとすると、歯科用印象に余分な負荷が加わり、歯型模型に形成された歯牙が破損してしまうという問題があった。 【0003】 この様な課題を解決する為の石膏取出装置としては、特許文献1に記載された装置がある。 【0004】 【特許文献1】特開平2−299650公報 【0005】 具体的には、この特許文献1には、歯科用印象を収める上フラスコと、該上フラスコに形成された切り込みと、該切り込みに挿し込む係止片と、石膏を収める下フラスコと、該下フラスコを固定する手段とを備える石膏取出装置が記載されている。そして、石膏取出装置は、上フラスコと下フラスコとが重なった状態で係止片を切り込みに挿し込み、ネジ等を用いて係止片を垂直方向に移動させることで上フラスコに収められた歯科用印象を、下フラスコに収められた石膏から分離することとしている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、上述の様な石膏取出装置を使用した場合、該装置では垂直方向にしか上フラスコを移動させることができない為、石膏によって形成される歯科用模型の形状によっては、歯科用模型が破損してしまうという問題があった。歯科用印象によって現される歯型は患者毎にことなるものであるが、該石膏取出装置を使用した場合、歯型に合わせて上フラスコと下フラスコの分離作業を行うことができない。そして、特に、歯科用模型における細い歯牙が形成された箇所や、歯科用印象を形成するシリコンが歯牙の下部に回り込んでしまっている箇所では、歯科用印象又は歯科用模型を垂直方向に分離することで破損し易い状態となっている。 【0007】 そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、歯科用印象と歯科用模型とを容易に分離させることができ、分離の際に歯科用模型が破損してしまうことを防止することが可能な歯科用印象分離装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決する為に、本発明に係る歯科用印象分離装置は、歯科用印象を収める印象用トレーを固定するトレー固定手段と、前記印象用トレーに収められた前記歯科用印象に付着した石膏を固定する石膏固定手段と、前記トレー固定手段に収められた前記歯科用印象と前記石膏固定手段に固定された前記石膏とを、前記石膏に形成された歯牙の植立方向に沿って分離する分離手段とを備えることを特徴としている。 【0009】 この構成によれば、歯科用印象分離装置は、分離手段によって石膏固定手段に固定された石膏と、歯科用印象とを、該石膏に形成された歯牙の植立方向に沿って分離することが出来る。そして、分離手段によって石膏と歯科用印象とを分離する方向を歯牙の植立方向に沿った方向とすることで分離作業中に歯牙が破損することを防止することができる。また、分離手段によって石膏と歯科用印象とを分離することができる為、腕力を使用することなく容易にこれらを分離することができる。 【発明の効果】 【0010】 この様に本発明によれば、歯科用印象と歯科用模型とを容易に分離することができ、且つ、分離の際に歯科用模型が破損してしまうことを防止することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 【0012】 本発明の実施の形態に係る分離装置は、例えば歯科医師が採取した、患者の歯型が形成された歯科用印象と、該歯科用印象を型として石膏により形成された歯科用模型とを分離する。そして、分離作業を行う際、ユーザは、複数箇所に形成されたネジを歯牙の植立方向を検討しながら少しずつ回転させて歯科用印象と歯科用模型とを分離することで歯科用模型が破損することを防止することができる。 【0013】 図1に示す様に分離装置は、印象用トレーを固定するトレー固定台1を備える。トレー固定台1は、略U字型の平面を備える台座3と、印象用トレーを支持するトレー固定部5とを備える。 【0014】 台座3は、歯科用模型によって形成される歯の並びの様に、略U字形状を備える。詳細は後述するが、トレー固定台1によって印象用トレーを固定する際は、両者は、歯科用模型の歯によって形成されるU字型と、台座3によって形成される略U字型が同一の方向を向く様に、且つ両者の中心線が重複する様に配置される。 【0015】 この様なトレー固定台1は、図2に示す様な印象用トレーTを固定する。尚、同図に示す様に、印象用トレーTは、一般的に用いられている印象用トレーであり取っ手部の先端にシリコン等の印象材を詰め込むU字形状のトレーが形成された印象用トレーである。そして、説明の便宜上、印象用トレーTに備えられた図示せぬ印象材上には、既に歯科模型用の石膏Plが流し込まれ、硬化し、石膏Plが歯科用印象に付着した状態にあるものとする。 【0016】 トレー固定台1の台座3には、印象用トレーTの取っ手部分を挿入する取手挿入孔6が形成される。そして、取手挿入孔6に挿入された取っ手部分は、取手固定用ネジ7a,7bを閉めることによって台座3の表面に押し付けられ、印象用トレーTは台座3上に固定される。 【0017】 また、図3に示す様に、分離装置は、歯科用模型を形成する石膏Plを固定する石膏固定部材8を備える。石膏固定部材8は、分離作業を行う際、石膏Plが印象用トレーT及び歯科用印象と共に移動しない様に石膏Plを固定する。また、具体的な固定方法としては、石膏固定部材8は、分離装置による分離方向とは略垂直方向に力を加えて石膏Plを固定することが好ましい。この様な石膏固定部材8は、石膏Plを載置する基台9と、基台9に形成された石膏固定部11a,11b,11cを備える。 【0018】 石膏固定部11a,11b,11cは、分離作業中に石膏Plが基台9上から離れない様に、石膏Plを基台9上に固定する。具体的には、石膏固定部11a,11b,11cは、石膏Plの周囲から石膏Plに圧力を加える。この様な石膏固定部11a,11b,11cは、例えば略円形状を有する基台9の上面に、所定の間隔をもって配置されている。より具体的には、石膏固定部11cは、基台9の任意の中心線上に形成されている。また、石膏固定部11a,11bは、該中心線を介して線対称な位置に形成されている。また、石膏固定部11a,11bは、基台9の中心部に向けて突出する石膏固定ピン13a,13bを備える。 【0019】 石膏固定ピン13a,13bは、石膏Plが基台9に載置された際に、石膏Plの一部と接触する。具体的には、石膏固定ピン13a,13bは、先端部を石膏Plの一部に食い込ますことが可能となる様、先鋭な形状を備える。 【0020】 また、石膏固定部11cは、中心部に形成されたネジ孔に、石膏固定用ネジ15が挿通される。石膏固定用ネジ15は、その先端が石膏Plに食い込むことが可能となる様、先鋭な形状を備える。そして、石膏固定用ネジ15の先鋭な先端と、石膏固定ピン13a,13bの先鋭な先端とは同一平面状に形成されていることが好ましい。これにより、石膏固定ピン13a,13b及び石膏固定用ネジ15によって石膏Plを固定した際に、石膏Plに対してモーメントが発生し難くなり、安定して石膏Plを固定することができる。また、石膏固定用ネジ15は、石膏固定部11cに形成されたネジ孔に挿通され、ユーザによって所定方向に回転させられることによって基台9の中心部に向けて、又は基台9の外側に向けて移動する。そして分離装置では、石膏固定ピン13a,13b、及び石膏固定用ネジ15によって基台9上に載置された石膏Plを固定する。具体的には石膏Plを基台9上に固定する場合、石膏Plの一部、好ましくは模型の基底となる、石膏の余剰部分を石膏固定ピン13a,13bに接触させた後、石膏固定用ネジ15を回転させながらその先端を基台9の中心部に向けて移動させる。そして、石膏固定用ネジ15が石膏Plと接触すると、石膏Plは石膏固定用ネジ15によって石膏固定ピン13a,13bの方向に押し込まれる。そして、基台9上に載置された石膏Plは、石膏固定ピン13a,13b、及び石膏固定用ネジ15によって基台9上に固定される。 【0021】 また、石膏固定部材8は、分離手段としての複数の分離用ネジ17,19,21、及び該分離用ネジ17,19,21が挿通されるネジ固定部23,25,27を備える。ネジ固定部23,25,27は、基台9の外周に沿って形成されており、ネジ固定部23,25,27の中心部近傍には、内部に分離用ネジ17,19,21に対応するネジ山が形成されたネジ孔29,31,33を備える。 【0022】 ネジ孔29,31,33は、基台9の上面から、該面と略垂直方向に向けて穿設される。また、ネジ孔29,31,33には、分離用ネジ17,19,21が基台9の下面の方向から上面の方向に向けて挿通される。そして、ユーザが各分離用ネジ17,19,21の取手部材35を所定の方向に回転させることで、分離用ネジ17,19,21の先端は、基台9の上面と垂直方向に向けて徐々に移動する。 【0023】 この様なネジ孔29,31,33に挿通された分離用ネジ17,19,21の先端は、トレー固定台1の台座3の下面に接触する。そして、上述の様に、ユーザが取手部材35を所定の方向に回転させることによって、分離用ネジ17,19,21の先端が上方に移動し、台座3の下面を上方に押し上げることとなる。 【0024】 この様な分離装置は、図4に示す様な方法で、石膏Plが付着した印象用トレーを固定する。具体的には、先ずユーザは、石膏Plが付着した印象用トレーTを、基台9上に載置する。次に、ユーザは、印象用トレーTに付着した石膏Plにおける歯型が形成されていない基底部分に石膏固定ピン13a,13bを押し当てる。次に、ユーザは、石膏固定用ネジ15を所定の方向に回転させることによって、石膏固定用ネジ15の先端が、印象用トレーTに付着した石膏Plにおける歯型が形成されていない基底部分を、石膏固定ピン13a,13bの方向に押し込む様に、石膏Pl及び該石膏Plが付着した印象用トレーTを固定する。次に、ユーザは、印象用トレーTの取っ手部が取手挿入孔6に挿入される様に、印象用トレーTをトレー固定台1を配置する。またこのときトレー固定台1は、分離用ネジ17,19,21の延長線上に台座3の下面が位置する様に、配置される必要がある。次に、ユーザは、取手固定用ネジ7a,7bを下方に移動させ、その先端が印象用トレーTの取っ手部を台座3の上面に押圧する様に、印象用トレーTをトレー固定台1に固定する。この様に分離装置を一体的に構成した場合、同図に示すA−A´断面は、図5に示す様な断面となる。 【0025】 次に、ユーザは、石膏Plによって形成された歯牙の植立方向を考慮しながら分離用ネジ17,19,21を個別に回転させる。例えば、分離用ネジ21を回転させ、分離用ネジ21を上方に移動させた場合、分離用ネジ21の先端が台座3を押し上げる。このとき台座3の内、分離用ネジ21と接触している箇所のみが押し上げられる為、台座3には所定の傾斜が与えられることとなる。そして、台座3に所定の傾斜が与えられると、印象用トレーTの取っ手部が取手固定用ネジ7a,7bによって台座3に固定されていることに起因して、歯科用印象と石膏Plが付着している箇所の内、分離用ネジ21に近接した箇所が上方に持ち上げられることとなる。そして、ユーザは、歯牙の植立方向を考慮しながら、分離用ネジ17,19,21を個別に回転させることで、歯科用印象を石膏Plから分離することが可能となる。この場合において、特に前歯の植立方向を考慮すると、分離装置の前面に形成された分離用ネジ19を用いて台座3を押し上げた後に、分離装置の側面に形成された分離用ネジ17,21を用いて台座3を押し上げるという順序で分離作業を行うことが好ましい。 【0026】 この様に、第1の実施の形態にかかる分離装置によれば、腕力に頼らず、分離用ネジ17,19,21を回転させることによって分離用ネジ17,19,21の軸方向に発生する押圧力を利用して歯科用印象と石膏からなる歯科用模型とを容易に分離することができる。また、分離装置は、分離用ネジ17,19,21を複数本備える為、様々な方向に歯科用印象を傾けることが可能となる。そして、分離装置では、分離用ネジ17,19,21を個別に少しずつ回転させることで歯牙の植立方向を考慮して分離作業を行うことが可能となる為、石膏によって形成された歯科用模型が破損することを防止することが可能となる。 【0027】 また、第1の実施の形態にかかる分離装置によれば、印象用トレーTと、歯科用模型の歯型が形成されていない基底部分を固定して分離作業を行うことができる為、歯科用模型が破損してしまうことを防止することが可能となる。 【0028】 また、第1の実施の形態にかかる分離装置によれば、印象用トレーや石膏に特殊な加工を施す必要がない為、歯科用印象を採取する歯科医師に対して何ら特殊な動作を要求する必要がなく、従来から用いられている印象用トレーをそのまま使用することが可能となる。 【0029】 以下、本発明の第2の実施の形態について詳細な説明を行う。 【0030】 図6に示す様に、第2の実施の形態にかかる分離装置は、印象用トレーTを固定するトレー固定台101と、印象用トレーTに収められた歯科用印象に付着した石膏Plを固定する石膏固定台102と、トレー固定台101に収められた歯科用印象と石膏固定台102に固定された石膏Plとを、石膏に形成された歯牙模型の植立方向に沿って分離する分離手段としての分離用ネジ103a,103b,103cとを備える。 【0031】 トレー固定台101には、歯科用印象と石膏Plとの分離作業時に印象用トレーTが配置される。そしてトレー固定台101は、分離作業時に、配置された印象用トレーTが動かない様に印象用トレーTを固定する。また、トレー固定台101は、分離作業時に分離用ネジ103a,103b,103cを保持することが可能に形成される。この様なトレー固定台101は、図7に示す様に、印象用トレーTを配置する台座104と、分離手段としての分離用ネジ103a,103b,103cを保持するネジ保持台105とを備える。 【0032】 台座104は、上面が平坦に形成されたブロック形状を備える。台座104の上面は、略台形状に形成され、この様な台座104の平坦な上面には、歯科用印象に石膏Plが付着した印象用トレーTが配置される。このとき印象用トレーTは、石膏Plが上方に位置する様に配置される。また台座104は、分離作業時に分離用ネジ103a,103b,103cから加わる圧力に耐えられる様に一定の強度を有する材料を用いて形成することが好ましい。また、台座104は、分離作業時に分離装置全体を安定させることができる様に、一定の重量を有することが好ましい。 【0033】 ネジ保持台105は、分離作業時に、分離用ネジ103a,103b,103cを保持する。具体的にはネジ保持台105は、略台形状に形成された台座104の上面のうち、長辺を除いた三辺に沿って形成される。そしてこの様に台座104の上面の三辺に沿ってネジ保持台105が形成されると、トレー固定台101は、中央部分が窪んだ形状となる。そしてトレー固定台101の中央部分に形成された窪みには、上述の様に印象用トレーTが配置される。 【0034】 またトレー固定台101は、印象用トレーTの取っ手部分を挿入する取手挿入孔106を備える。取手挿入孔106には、印象用トレーTをトレー固定台101上に固定する際に、印象用トレーTの取っ手部分が挿入される。この様な取手挿入孔106は、ネジ保持台105の一部を、台座104の上面と平行方向に貫通して形成される。また取手挿入孔106は、ネジ保持台105の上方から穿設されたネジ孔107と合流する様に形成される。ネジ孔107には、上方から取手固定用ネジ108が挿入される。そして取手固定用ネジ108が閉められると、取手固定用ネジ108の先端部分が印象用トレーTの取っ手部分を台座104に押し付ける。これにより印象用トレーTは、台座104上に固定される。 【0035】 またまたトレー固定台101は、分離用ネジ103a,103b,103cの先端部を保持するネジ受け109a,109b,109cを備える。ネジ受け109a,109b,109cには、分離作業時に、分離用ネジ103a,103b,103cの先端部が配置される。そして分離作業時には、分離用ネジ103a,103b,103cからトレー固定台101に一定の圧力が加わるが、このときネジ受け109a,109b,109cは、分離用ネジ103a,103b,103cがトレー固定台101上から脱落しない様に分離用ネジ103a,103b,103cをトレー固定台101上に保持する。具体的には、ネジ受け109a,109b,109cは、ネジ保持台105の上面に形成された凹部である。各ネジ受け109a,109b,109cは、3本の分離用ネジ103a,103b,103cに対応して形成される。また、ネジ受け109a,109b,109cは、石膏固定台102がトレー固定台101上で安定する様に、二等辺三角形を形成する様に配置される。そして分離用ネジ103a,103b,103cが石膏固定台102を介して一体的に固定され、石膏固定台102がトレー固定台101上に配置されると、石膏固定台102から同一方向に向けて突出する複数の分離用ネジ103a,103b,103cの先端は、対応するネジ受け109a,109b,109cに収まる様に配置される。この様なネジ受け109a,109b,109cの直径としては、分離用ネジ103a,103b,103cの直径が5mmであるとすると、略20mm程度であることが好ましい。この様に分離用ネジ103a,103b,103cの直径に対してネジ受け109a,109b,109cの直径を比較的大きくすることで、分離用ネジ103a,103b,103cは、ネジ受け109a,109b,109c内部にスライド可能に保持される。そして分離用ネジ103a,103b,103cがトレー固定台101上に、スライド可能に保持されることで、石膏固定部材102は、分離作業時に印象用トレーTと石膏とが歯牙の植立方向に応じて自然に水平方向に移動することが可能となる為、石膏が破損することを防止することができる。 【0036】 またトレー固定台101は、印象用トレーTのうち、歯科用印象を収容するトレー部分を固定する固定部110a,110bを備える。トレー固定部材110a,110bは、分離作業時に印象用トレーTが上方に移動しない様に、印象用トレーTを台座104上に固定する。この様なトレー固定部材110a,110bは、台座104の中心線Lを介して線対称の位置に、台座104に固定される。尚、トレー固定部材110aと、トレー固定部材110bとは、固定される位置以外の構成については、同一の構成を有する為、以下ではトレー固定部材110aについてのみ詳細な説明を行う。 【0037】 具体的にはトレー固定部材110aは、トレー固定用ネジ111aと、トレー固定用ネジ111aの台座104の上面からの高さを調整する調整用ステー112aとを備える。トレー固定用ネジ111aは、台座104の上面と略平行の軸を有し、回動することによって台座104の上面と略平行方向に移動する。そして分離作業時には、トレー固定用ネジ111aの先端部は、例えば印象用トレーTの臼歯に対応する部分に接触する様に配置される。これにより印象用トレーTは、取手部分を含めた3箇所でバランス良くトレー固定台101上に固定される。 【0038】 調整用ステー112aは、直方体状に形成され、調整用ステー112aの軸方向に延在する様な細長形状のボルト孔113aと、トレー固定用ネジ111aが挿通されるネジ孔114aとを備える。そして調整用ステー112aは、ボルトBをボルト孔113aに挿通することで台座104の側面に固定される。またこのとき調整用ステー112aは、ネジ孔114aが台座104の上面より、所定の距離分、上方に突出する様に配置される。そしてネジ孔114aが台座104の上面から突出する距離は、ボルト孔113aを介して調整用ステー112aを上下に移動させることで調整することが可能となる。また、調整用ステー112aは、ボルトB回りに回動可能に支持される為、調整用ステー112aの傾きを変化させることも可能となる。この様な調整用ステー112aを用いることによって、分離装置は、トレー固定用ネジ111aの台座の上面からの高さ、及び左右の位置を自由に調整することが可能となり、様々な種類の印象用トレーに対応することが可能となる。 【0039】 また、石膏固定台102は、図8に示す様に、トレー固定台101に対応する台形を縁取った様な形状の基材115と、基材115の外部から内部に向けて基材115を貫通する方向に配置される石膏固定用ネジ116a,116b,116cを備える。また、石膏固定台102は、石膏固定用ネジ116a,116b,116cを保持する調整ステー117a,117b,117cを備える。そして分離装置では、石膏固定用ネジ116a,116b,116c及び調整ステー117a,117b,117cによって、それぞれが石膏固定部材118a,118b,118cを構成する。 【0040】 基材115は、その長辺部分における略中央に、調整用ステー117aを固定する為のボルト孔119aを備える。そして調整用ステー117aは、上述した調整用ステー112aと同様の構成を備える。そして調整用ステー117aは、ボルトBをボルト孔120aに挿通して基材115に固定される。そして石膏固定用ネジ116aは、ネジ孔121aを介して調整用ステー117aに挿通され、その先端部が、基材の中空部に配置される石膏Plに接触する様に配置される。石膏固定用ネジ116aの先端部は、先鋭な形状を備え、石膏Plに食い込む様に形成される。 【0041】 また、石膏固定用ネジ116b,116cは、それぞれ調整用ステー117b,117cを介して、基材115の短辺と斜辺との角部近傍に配置される。そして、分離装置では、石膏Plを3点で支持する。具体的には、石膏固定用ネジ116aは、石膏Plの前歯に相当する部分の裏側から石膏Plを支持し、石膏固定用ネジ116b,116cはそれぞれ石膏Plの前歯に相当する部分の略正面から石膏Plを支持する。 【0042】 また、石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、先端部が石膏固定台102に対して上下方向に移動可能に形成されることが好ましい。石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、調整用ステー117a,117b,117cに形成されたネジ孔121a,121b,121cを介して調整用ステー117a,117b,117cに保持される。そしてこのとき石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、ネジ孔121a,121b,121cを支点として、上下方向に回動する様に支持される。また、石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、図9に示す様に、台座104の上面に対して微小な鋭角を形成する様に調整用ステー117a,117b,117cに保持されることが好ましい。換言すれば、石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、その先端部が上方を向く様に、石膏固定用ネジ116a,116b,116cの軸と台座104の上面とが鋭角を形成する様に保持される。この様な石膏固定用ネジ116a,116b,116cの先端部を上下方向に移動可能に、且つ、石膏固定用ネジ116a,116b,116cが台座104の上面に対して微小な鋭角を形成する構成は、石膏固定用ネジ116a,116b,116cの直径をネジ孔121a,121b,121cの直径よりも小さくなる様に形成し、且つ、調整用ステー117a,117b,117cの立設する角度を傾けてネジ孔121a,121b,121cの角度を傾け又はネジ孔121a,121b,121cが穿設される角度を予め調整することで実現される。 【0043】 この様に石膏固定用ネジ116a,116b,116cの直径をネジ孔121a,121b,121cの直径よりも小さくすることで石膏固定用ネジ116a,116b,116cを石膏固定台102に対して上下方向に移動可能となる。この場合、例えば石膏固定用ネジ116a,116b,116cの直径が5mmであったとすると、ネジ孔121a,121b,121cの直径を6mm程度に形成する。これにより石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、先端部が移動可能に、且つ、ネジ孔121a,121b,121cから脱落しない様に調整用ステー117a,117b,117cに保持される。 【0044】 また、調整用ステー117a,117b,117cの立設する角度を傾けることでネジ孔121a,121b,121cの角度を傾け、又はネジ孔121a,121b,121cが穿設される角度を予め上方に向けて調整することで石膏固定用ネジ116a,116b,116cが台座の上面に対して微小な鋭角を形成する。 【0045】 そしてこの様な構成によれば、先ず、石膏Plを石膏固定台102に固定する際には、石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、先端部が上方を向く様に石膏Plに食い込む。そして分離作業時には、石膏Plに対しては下向きに力が加わる為、石膏固定用ネジ116a,116b,116cの先端部が下向きに移動し、石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、ネジ孔121a,121b,121cを支点として、下方向に回動する。そして石膏固定用ネジ116a,116b,116cが下方向に回動すると、各石膏固定用ネジ116a,116b,116cの先端部同士の間の距離が縮まり、石膏固定用ネジ116a,116b,116cがより深く石膏Plに食い込み、石膏Plはより強固に保持される。 【0046】 この様な分離装置を使用する際、ユーザは先ず、図10に示す様に、石膏Plが収納された状態の印象用トレーTを台座104の上面に配置すると共に、印象用トレーTの取っ手部分を取手挿入孔106に挿入し、取手固定用ネジ108を用いて印象用トレーTの取っ手部分を固定する。このとき印象用トレーTは、石膏Plが上方に位置する様に配置される。次にユーザは、トレー固定部材110a,110bを用いて印象用トレーTを台座104上に確実に固定する。具体的にはユーザは、トレー固定用ネジ111a,111bを回動させ、トレー固定用ネジ111a,111bの先端部分を印象用トレーTに接触させる。これにより印象用トレーTは、トレー固定台101に固定される。 【0047】 次にユーザは、石膏固定台102をトレー固定台101上に配置する。このとき石膏固定台102は、分離用ネジ103a,103b,103cが、対応するネジ受け109a,109b,109cに収まる様に配置される。また、このとき分離用ネジ103a,103b,103cは、緩められた状態にあり、これにより石膏固定台102の基材115は、トレー固定台101のネジ保持台105に近接する様な状態となる。 【0048】 次にユーザは、石膏固定用ネジ116a,116b,116cを回動させ、石膏固定用ネジ116a,116b,116cの先端部を石膏Plに接触させる。これにより石膏Plは、石膏固定台102に固定される。 【0049】 次にユーザは、図11に示す様に、植立方向を検討しながら分離用ネジ103a,103b,103cを少しずつ回転させて印象用トレーTに収められた歯科用印象と、石膏Plとを分離する。例えば分離用ネジ103aを回転させると、基材115が分離用ネジ103aに沿って上昇する。そして基材115の上昇に伴って、基材115に固定された石膏固定用ネジ116bが上昇する為、石膏Plは上方に持ち上げられる。このとき石膏Plに下向きの力が加わることに起因して、石膏固定用ネジ116a,116b,116cは、ネジ孔121a,121b,121cを支点として回動し、石膏Plをより強固に保持する。 【0050】 この様に、第2の実施の形態にかかる分離装置によれば、腕力に頼らず、分離用ネジ103a,103b,103cを回転させることによって分離用ネジ103a,103b,103cの軸方向に発生する押圧力を利用して歯科用印象と石膏からなる歯科用模型とを容易に分離することができる。また、分離装置は、分離用ネジ103a,103b,103cを複数本備え、それぞれが独立して石膏固定台102とトレー固定台101との間の距離を調整可能に形成される為、様々な方向に歯科用印象を傾けることが可能となる。そして、分離装置では、分離用ネジ103a,103b,103cを個別に少しずつ回転させることで歯牙の植立方向を考慮して分離作業を行うことが可能となる為、石膏によって形成された歯科用模型が破損することを防止することが可能となる。 【0051】 また第2の実施の形態にかかる分離装置によれば、分離作業時に歯科用印象に形成された歯牙の形状によって石膏Plが垂直に上昇せずに斜め方向に上昇した場合においても、石膏固定台102を支持する分離用ネジ103a,103b,103cがトレー固定台101上にスライド可能に保持されている為、石膏Plの台座104の上面に対する水平方向への移動に伴って石膏固定台102も移動する。これにより、石膏Plが強制的に上昇させられることによって石膏Plが破損してしまうことを防止することができる。 【0052】 また、上述の実施の形態では、石膏Plを固定する際に、石膏固定用ネジ116a,116b,116cの先端部を石膏Plに食い込ませることとしたが、例えば歯科医師から提供された歯科用印象に石膏Plが充填されていない場合には、歯科用印象に石膏Plを充填する作業に際して、石膏固定用ネジ116a,116b,116cの先端部を引掛けることが可能なフック等の引掛部材を石膏に埋め込むことも可能である。この場合、引掛部材を石膏Plの上方に露出している面に、石膏固定用ネジ116a,116b,116cに対応させて埋め込む。そして引掛部材の埋め込み部分にネジ山を形成しておくことにより、歯科用模型の分離後に、容易に引掛部材を取り除くことができる。これにより、歯科用模型の底部が破損することを防止することができる。 【0053】 尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。 【0054】 例えば、分離装置による分離方法としては、分離用ネジ17,19,21を用いることとしたが、石膏と歯科用印象とを複数の方向から、徐々に分離することが可能な構成であればどの様な構成であっても良い。 【0055】 また例えば、分離装置は分離用ネジ17,19,21を3本備える構成としたが、分離用ネジ17,19,21の本数は3本に限られるものではない。 【0056】 また例えば、石膏固定手段として、石膏固定部材8を用いて詳細な説明を行ったが、石膏固定手段としては、分離作業中に石膏Plを固定することが可能な構成であればどの様な構成であっても良い。また、トレー固定手段として、トレー固定台1を用いて詳細な説明を行ったが、トレー固定手段としては、分離作業中に印象用トレーTを固定することが可能な形状であればどの様な形状であっても良い。 【0057】 また、分離装置では、石膏固定部材8に分離用ネジ17,19,21を挿通する石膏固定部11a,11b,11cを形成する構成について詳細な説明を行ったが、石膏固定部11a,11b,11cは、トレー固定部材1に形成する構成としても良い。 【0058】 また、基台9の変形例として、基台9の中心部を空洞、又は窪んだ形状とすることも可能である。これにより、例えば石膏Plにおける基台9と接触する部分が平坦でない場合においても、石膏固定部材8によって、安定して石膏Plを固定することが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【0059】 【図1】本発明の第1の実施の形態に係る分離装置のトレー固定部材を示す斜視図であり、同トレー固定台の構成について説明する為の図である。 【図2】同トレー固定台によって固定される印象用トレーを示す斜視図である。 【図3】同分離装置の石膏固定部材を示す斜視図であり、同石膏固定部材の構成について説明する為の図である。 【図4】同分離装置によって分離作業を行う際の分離装置の状態を示す斜視図である。 【図5】同分離装置によって分離作業を行う際のA−A´断面の断面図である。 【図6】本発明の第2の実施の形態に係る分離装置の斜視図であり、同分離装置の構成について説明する為の図である。 【図7】同分離装置のトレー固定台を示す斜視図であり、同トレー固定台の構成について説明する為の図である。 【図8】同分離装置の石膏固定台を示す斜視図であり、同石膏固定台の構成について説明する為の図である。 【図9】同石膏固定台を用いて石膏を固定した状態の概略を示す断面図である。 【図10】同分離装置によって分離作業を行う際の分離装置の状態を示す断面図である。 【図11】同分離装置によって分離作業を行う際の分離装置の状態を示す断面図である。 【符号の説明】 【0060】 1 トレー固定台 3 台座 5 トレー固定部 6 取手挿入孔 7a,7b 取手固定用ネジ 8 石膏固定部材 9 基台 11a,11b,11c 石膏固定部 13a,13b 石膏固定ピン 15 石膏固定用ネジ 17,19,21 分離用ネジ 21 分離用ネジ 23,25,27 ネジ固定部 29,31,33 ネジ孔 35 取手部材 101 トレー固定台 102 石膏固定台 103a,103b,103c 分離用ネジ 104 台座 105 ネジ保持台 106 取手挿入孔 107 ネジ孔 108 取手固定用ネジ 109a,109b,109c ネジ受け 110a,110b トレー固定部材 111a,111b トレー固定用ネジ 112a 調整用ステー 113a ボルト孔 114a ネジ孔 115 基材 116a,116b,116c 石膏固定用ネジ 117a,117b,117c 調整ステー 118a,118b,118c 石膏固定部材 119a,119b,119c ボルト孔 Pl 石膏 T 印象用トレー
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| 【出願人】 |
【識別番号】594139746 【氏名又は名称】上田 順一
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| 【出願日】 |
平成19年5月28日(2007.5.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100110434 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 勝
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| 【公開番号】 |
特開2008−6271(P2008−6271A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2007−140601(P2007−140601) |
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