| 【発明の名称】 |
歯科用光重合照射器及び集光用アダプタ |
| 【発明者】 |
【氏名】大川 真一
【氏名】中田 直太郎
【氏名】的場 一成
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| 【要約】 |
【課題】歯牙の狭窄な部位に補綴された光重合樹脂に対して、最も光量が大きな状態で光照射することができる歯科用光重合照射器とこれに用いる集光用アダプタを提供する。
【構成】光照射器本体1と、該光照射器本体1の出光部内に設けられた発光素子からなる発光体2と、該発光体2の周囲に配設され該発光体2からの光を全反射により前方に反射させる為の環状全反射部材31と、該環状全反射部材31の前方環内部に配置され上記発光体2からの直接光を屈折透過させる凸レンズ部材32とを備え、上記環状全反射部材31及び凸レンズ部材32は、上記発光体2からの略全ての出射光を集光し、該全反射部材31及び凸レンズ部材32の出光端面31c,32aからの所定の照射域Fにおいてその光束径が最も小さくなるよう構成されていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光照射器本体と、 該光照射器本体の出光部内に設けられた発光素子からなる発光体と、 該発光体の周囲に配設され該発光体からの光を全反射により前方に反射させる為の環状全反射部材と、 該環状全反射部材の前方環内部に配置され上記発光体からの直接光を屈折透過させる凸レンズ部材とを備え、 上記環状全反射部材及び凸レンズ部材は、上記発光体からの略全ての出射光を集光し、該全反射部材及び凸レンズ部材の出光端面からの所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう構成されていることを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項2】 請求項1に記載の歯科用光重合照射器において、 前記全反射部材の出光端面が凹曲面とされていることを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の歯科用光重合照射器において、 前記環状全反射部材及び凸レンズ部材は、前記光照射器本体の先端部に配設されていることを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項4】 請求項3に記載の歯科用光重合照射器において、 前記発光体が、光照射器本体の先端部の前記環状全反射部材及び凸レンズ部材に近接配置されていることを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項5】 請求項3に記載の歯科用光重合照射器において、 前記発光体が、光照射器本体の内部に配置され、発光体による出射光をライトガイドで前記環状全反射部材及び凸レンズ部材の近接位置にまで導光するようにしたことを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の歯科用光重合照射器において、 前記環状全反射部材及び凸レンズ部材の前方部に近接して、平板状光透過部材を更に備えていることを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の歯科用光重合照射器において、 前記発光体がLEDからなることを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項8】 光照射器本体の出光部内に設けられた発光素子からなる発光体からの出射光をライトガイドによって導光し、光照射器本体の先端部より導出された該ライトガイドの先端より出光させる歯科用光重合照射器におけるライトガイドの先端に装着される集光用アダプタであって、 ライトガイドの先端からの光を全反射により前方に反射させる為の環状全反射部材と、 該環状全反射部材の前方環内部に配置され上記ライトガイドの先端からの直接光を屈折透過させる凸レンズ部材と、 該環状全反射部材及び凸レンズ部材を上記ライトガイドの先端に取付固定する為の装着手段とよりなり、 上記ライトガイドの先端に装着された上記全反射部材及び凸レンズ部材は、上記発光体からライトガイドを経て導光された略全ての出射光を集光し、該全反射部材及び凸レンズ部材の出光端面からの所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう構成されていることを特徴とする歯科用光重合照射器に用いられる集光用アダプタ。 【請求項9】 請求項8に記載の集光用アダプタにおいて、 前記全反射部材の出光端面が凹曲面とされていることを特徴とする歯科用光重合照射器。 【請求項10】 請求項8又は9に記載の集光用アダプタにおいて、 前記環状全反射部材及び凸レンズ部材の前方部に近接して、平板状光透過部材を更に備えていることを特徴とする集光用アダプタ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、歯科用光重合照射器に関し、詳しくは、歯科医院やホームブリーチングにおいて補綴用光重合樹脂を硬化させる為に用いられる歯科用光重合照射器及びこの光照射器に装着される集光用アダプタに関する。 【背景技術】 【0002】 歯科診療においては、歯牙に補綴した光重合樹脂を速やかに硬化させるための光重合器照射器が使用される。このような照射器による光照射は、口腔内の狭い範囲、特に歯牙の根管内に光を高効率で集中する必要があり、この点では広範囲を明るく照らすことが要求される他の分野の照明とは異なる。上記のような光照射器の光源としては、ハロゲンランプやキセノンランプが用いられていたが、最近では、LED(発光ダイオード)や半導体レーザ等、上記ランプに比べ寿命が長く、消費電力が少ない等の特性を有する発光素子の使用も試みられるようになった。このようなLEDや半導体レーザなどの発光素子は、ウエハーから切り出した裸の状態のチップをケース内に封入した実装用デバイスの形態や、ベアチップの形態で提供される。 【0003】 ところで、上記歯科用の光重合照射器の場合、その特性上狭い範囲に光を集中することが要求されると共に、照射時間の短縮などの為に高出力であることが必要である。また、口腔内の狭い空間で使用される為に、小型、軽量、コンパクトであることが望まれる。而して、上記LEDや半導体レーザなどの発光素子は、広範囲に配光されるよう設計されており、その為、上記のように広範囲を明るく照らすことが要求される他の分野の照明には広く採用されているが、照射野における単位面積当りの照度は小さく、結果として1個当たりの出力が小さい為、所望の光量を得るには発光素子の個数を増やすことが考えられるが、小型化の要求には反することになる。本出願人は、特許文献1乃至特許文献3において、高出力化と小型化の相矛盾する問題点を解決し得る医療用光照射器を提案した。また、本出願人は、特許文献4において、発光体からの略全ての出射光を所定の照射域に、具体的には、歯牙の診療対象域に照射させるようにした医療用光照射装置を提案した。 【0004】 また、特許文献5には、全反射と集光の機能を備えた光学レンズユニットによって、LED(発光素子)からの略全ての光を互いに相寄る向きの光として放射し、ライトガイドの受光面に収まるようにし、その径内での照度が略均一若しくは略滑らかに変化するよう構成された光照射装置が開示されている。 【特許文献1】特開2000−316881号公報 【特許文献2】特開2002−306512号公報 【特許文献3】特開2002−360605号公報 【特許文献4】特開2004−355852号公報 【特許文献5】特開2005−93622号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上記特許文献1には、ライトガイドを使用せず、光照射器先端に光源を設けることで光の減衰をなくすと共に、樹脂モールド部或いは樹脂カバーに集光の機能を持たせることが開示されているが、LEDの発する光は拡散するため、樹脂モールド部或いは樹脂カバーによる集光では、十分な集光がなされない。因みに、一般的なレンズの組み込みによって後記するような歯牙の根管という狭窄な部位に補綴された光重合樹脂を均質且つ効率的に硬化させるために必要な集光を得るよう構成すると、高価且つ嵩高いものとなってしまう。また、上記特許文献2及び特許文献3に開示された医療用光照射器は、複数の発光素子を用い、これら各発光素子から出射される光をできるだけ有効に使用すべく、集光手段を採用し或いは導光手段の形状等を改良することにより、その単位面積当たりの光量が大きい照射を可能とするものであり、その実用価値は高く評価されている。しかし、これら特許文献2及び特許文献3に開示された医療用光照射器は、例えば、歯牙に補綴された光重合樹脂を硬化させる為の光重合器であっても、補綴樹脂の表面から深部にまで均質に光を照射するような光束パターンを形成させると言う考えはなく、従って、効率的且つ均質に樹脂硬化を行うと言う観点ではまだ十分ではなく、その抜本的な改良が望まれるところであった。 【0006】 そこで、特許文献4では、所定の照射域が出射光の光軸を中心とする略円筒形の領域であり、この照射領域において、光軸に直交する各照射野の面域内での照度分布が略均一で且つ照度も同じとなるようにすることによって、光重合樹脂の均質且つ速やかな硬化を可能とする医療用光照射装置を提案した。この特許文献4で提案された医療用光照射装置は、歯科用光重合照射器としての適正が飛躍的に増大したが、歯牙の根管のように狭窄な部位に補綴された光重合樹脂を均質且つ効率的に硬化させるには、よりエネルギー密度(単位面積当りの光量)の高いパターンの光照射態様が求められるようになった。 【0007】 一方、特許文献5に開示された光照射装置は、レンズユニットの構成によって、LEDからの略全ての光をライトガイドの受光面に集光させるものであるが、このレンズユニットからの出射光を直接歯牙の光重合樹脂に照射すると言う技術思想はない。更に、特許文献5に開示された光照射装置には、ライトガイドの受光面に略全ての光を集光させるものであるが、この受光面において集光された光束径が最も小さくなるようにすると言う技術思想もない。 【0008】 また、光照射器本体の出光部内に設けられた発光素子からなる発光体からの出射光をライトガイドによって導光し、光照射器本体の先端部より導出された該ライトガイドの先端より出光させる歯科用光重合照射器も用いられている。引用文献5に開示された光照射装置は、歯科医療用に用いられるとの記載から、上記のようなライトガイドを導光された光を歯牙の光重合樹脂の硬化に利用することも提案していると解釈することができる。しかし、このような歯科用光重合照射器の場合、ライトガイドを狭い口腔内に挿入し、診療対象部位にその先端部を近づけることができるから、ハンドリング性において優れるが、ライトガイド先端から照射される光は、一定の出射角度をもっているので、拡散してしまい、ライトガイド先端が照射対象部位から少し離れると、単位面積当たりの光量が大きく低下する。したがって、引用文献5に開示された光照射装置には、ライトガイドより出光される光を、さらに集光させて歯牙の光重合樹脂に照射する技術思想もない。 【0009】 本発明は上記のような実情に鑑みなされたものであり、歯牙の狭窄な部位に補綴された光重合樹脂に対して、最も光量が大きな状態で光照射することができる歯科用光重合照射器とこれに用いる集光用アダプタを提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 第1の発明に係る歯科用光重合照射器は、光照射器本体と、該光照射器本体の出光部内に設けられた発光素子からなる発光体と、該発光体の周囲に配設され該発光体からの光を全反射により前方に反射させる為の環状全反射部材と、該環状全反射部材の前方環内部に配置され上記発光体からの直接光を屈折透過させる凸レンズ部材とを備え、上記環状全反射部材及び凸レンズ部材は、上記発光体からの略全ての出射光を集光し、該全反射部材及び凸レンズ部材の出光端面からの所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう構成されていることを特徴とする。 【0011】 本発明においては、前記環状全反射部材及び凸レンズ部材が、前記光照射器本体の先端部に配設されているものとすることができる。この場合、前記発光体を、光照射器本体の先端部の前記環状全反射部材及び凸レンズ部材に近接配置し、或いは、光照射器本体の内部に配置し、発光体による出射光をライトガイドで前記環状全反射部材及び凸レンズ部材の近接位置にまで導光するよう構成することが可能である。また、上記発光体としてはLEDからなるものが望ましく採用される。 【0012】 第2の発明に係る歯科用光重合照射器に用いられる集光用アダプタは、光照射器本体の出光部内に設けられた発光素子からなる発光体からの出射光をライトガイドによって導光し、光照射器本体の先端部より導出された該ライトガイドの先端より出光させる歯科用光重合照射器におけるライトガイドの先端に装着される集光用アダプタであって、ライトガイドの先端からの光を全反射により前方に反射させる為の環状全反射部材と、該環状全反射部材の前方環内部に配置され上記ライトガイドの先端からの直接光を屈折透過させる凸レンズ部材と、該環状全反射部材及び凸レンズ部材を上記ライトガイドの先端に取付固定する為の装着手段とよりなり、上記ライトガイドの先端に装着された上記全反射部材及び凸レンズ部材は、上記発光体からライトガイドを経て導光された略全ての出射光を集光し、該全反射部材及び凸レンズ部材の出光端面からの所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう構成されていることを特徴とする。 【0013】 第1及び第2の発明においては、前記全反射部材として、その出光端面が凹曲面とされているものが望ましく採用される。また、両発明において、環状全反射部材及び凸レンズ部材の前方部に近接して、平板状光透過部材を更に設けることも可能である。 【発明の効果】 【0014】 第1の発明に係る歯科用光重合照射器によれば、環状全反射部材及び凸レンズ部材は、上記発光体からの略全ての出射光を集光し、該全反射部材及び凸レンズ部材の出光端面からの所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう構成されているから、この所定の照射域を、例えば、出光端面から15mmの距離となるよう設定すれば、歯牙に補綴された光重合樹脂に対して出光端面がこの距離内になるよう近付け照射することにより、光重合樹脂の層には光束径が小さく且つ単位面積当たりの光量が大きな状態で照射される。従って、光重合樹脂は硬化深度が深く、深さ方向全体に渡り均質且つ速やかに硬化され、高硬度の重合特性が得られる。特に、根管治療後のコア或いはポストの植立時の根管底部に装填された光重合樹脂(接着レジン)の硬化時は、歯牙表面近傍にまで近付けられた出光端面から接着レジンまでの距離が5〜10mmとなるが、このような狭窄部内の接着レジンに対して、その内部にまで照射光が及び、光量の低下が少なく効果的に照射がなされる。 【0015】 本発明において、環状全反射部材の出光端面を凹曲面とすれば、凸レンズ部材と組み合わさった光学系の光軸方向の長さを短くすることができ、光照射器本体のコンパクト化が図られ、口腔内に挿入して使用される歯科用光重合照射器としての適性が増大する。さらに、凹曲面による光の屈折作用を利用することで、所望の照射領域において適切な照射面積を得るよう設定することが、一層容易となる。また、前記環状全反射部材及び凸レンズ部材を、前記光照射器本体の先端部に配設するようにすれば、これら光学系が光照射器本体に一体化され、そのコンパクト化が図られる。この場合、発光体を光照射器本体の先端部に配設された前記環状全反射部材及び凸レンズ部材に近接配置すれば、発光体からの光を直接これら光学系に導光させることができ、光量のロスを少なくすると共によりコンパクトな照射器とすることができる。 【0016】 また、発光体を光照射器本体の内部に配置し、発光体による出射光をライトガイドで前記環状全反射部材及び凸レンズ部材の近接位置にまで導光するようにした場合、口腔内に挿入される環状全反射部材及び凸レンズ部材の配設部位がコンパクト化され、歯科用光重合照射器としての適性が増大する。更に、環状全反射部材及び凸レンズ部材の前方部に近接して、平板状光透過部材を更に設けた場合は、環状全反射部材及び凸レンズ部材が保護され、その光学特性が維持される。また、発光体をLEDからなるものすれば、市場入手性或いはその小型である特性等により歯科用光重合照射器としての適性がより増大する。 【0017】 第2の発明に係る歯科用光重合照射器によれば、光照射器本体の先端部より導出されたライトガイドの先端より出光させるようにしているから、口腔内にはライトガイド部分のみを挿入することができ、患者に圧迫感を与えずまたハンドリング性にも優れる。また、このライトガイドを導光された略全ての光は、その先端に装着手段により取付固定された環状全反射部材及び凸レンズ部材によって、全反射部材及び凸レンズ部材の出光端面からの所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう集光されるから、上記同様狭窄部内の光重合樹脂に対して光量の低下が少なく効果的に照射がなされる。前述の通り、ライトガイド方式の歯科用光重合照射器はそのハンドリング性の良さから汎用されているが、その出光端面からの光は拡散状の一定の出射角度を持っているため、被照射部の距離の2乗に反比例して光強度(単位面積当たりの光量)が低下するが、本発明ではライトガイドの先端に上記全反射部材及び凸レンズ部材が取付られているから、そのような光量の低下がなく、ライトガイド方式の歯科用光重合照射器の特性が活かされる。しかも、アダプタとして構成されているから、既存のライトガイド方式の歯科用光重合照射器にも適用することができる。 【0018】 本発明において、全反射部材の出光端面を凹曲面とした場合、口腔内に挿入されるアダプタ自体の嵩を小さくすることができ、患者に対する圧迫感を緩和させることができると共に優れたハンドリング性も活かされる。更に、本発明においても、環状全反射部材及び凸レンズ部材の前方部に近接して、平板状光透過部材を更に設けた場合は、上記同様、環状全反射部材及び凸レンズ部材が保護され、その光学特性が維持される。 【0019】 上記発明において、環状全反射部材は、空気層との屈折率の違いを利用し、その界面において光を全反射するものである。また、全反射部材及び凸レンズ部材は、樹脂又はガラス等の透光部材で一体成型されたもの、或いは全反射部材及び凸レンズ部材の少なくとも一方が樹脂による成型体からなるものとすることができる。樹脂の成型体は、簡易且つ低コストに製することができるから、好ましく採用される。特に、ポリエステル樹脂によるものは、光屈折率が高く、その為、全反射特性に優れ、全体の厚みを薄くすることができるから、その適性が大である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下、本発明の最良の形態について図面に基づき説明する。図1は本発明の歯科用光重合照射器の一実施形態を示す部分切欠平面図、図2は同歯科用光重合照射器における光照射パターンを示す図、図3は同光照射パターンの詳細を説明する図、図4は同歯科用光重合照射器の使用状態を説明する図、図5は同歯科用光重合照射器に用いられる光学部材の変形例を示す図、図6は本発明の歯科用光重合照射器の他の実施形態を示す図1と同様図、図7は同更に他の実施形態を示す部分切欠平面図、図8は図7におけるX部の拡大断面図である。 【実施例1】 【0021】 図1及び図2に示す歯科用光重合照射器Aは、ハンドピースタイプの光照射器本体1のヘッド部1aの先端部(出光部)20内に発光体としてのLED2と、このLED2の発光部に近接する光学部材3(後記する)とが配設されている。光照射器本体1は、ボディ部1bと、これに着脱自在に装着されるヘッド部1aとよりなる。ヘッド部1aとボディ部1bとの着脱部分にはバネ性の着脱用部品4が介在され、この着脱用部品4のフリクション力によってボディ部1bに対するヘッド部1aの長手方向に沿ったワンタッチ着脱操作が可能とされている。また、この着脱部分のボディ部1b側には上記LED2用の電源ソケット5が、ヘッド部1a側にはLED2用の電源ピン6が設けられ、ヘッド部1aをボディ部1bに装着した際、電源ソケット5と電源ピン6との電気的接合がなされる。ボディ部1bの周体には、LED2の手元発光オン・オフスイッチ7が設けられている。この発光オン・オフスイッチ7に代え、或いはこれと併用して不図示のフートスイッチによってLED2の発光をオン・オフするようにしても良い。 【0022】 上記ヘッド部1aはコントラアングル形に形成され、その先端部はヘッド部1aの軸方向に直交する方向に開口し、この開口部1cの奥側が出光部20とされ、上記LED2がその光軸Lをヘッド部1aの軸方向に直交するよう設置されている。ヘッド部1aは複数準備され、各ヘッド部1aに光重合樹脂の硬化特性に応じた波長の異なる(例えば、白色、青色(470nm)、青紫色(405nm)等)LED2が設置され、使用目的に応じて、ボディ部1bに対して着脱交換して用いられる。或いは、発光部として波長の異なる各種LEDを混在させて構成し、スイッチ操作によってこれらを発光制御するようになすことも可能である。更に、LED2の発光をパルス駆動制御することもできる。このようにパルス制御することにより、さらにはデューティ比を徐々に大きくすることにより、光重合樹脂に照射される光量を容易に制御したり、電気回路部品への負担を軽減したり、光重合樹脂材料の重合収縮を緩和したりすることができる。LED2は、その発光面側が透明樹脂ドーム2aによってモールドされて狭指向性のものとされたものが好ましく用いられる。尚、上記のようなヘッド部1aの着脱交換、異なる波長のLEDの混在といった構成は、あくまで一例であって、歯科用光重合照射器として臨床上機能しうるものであれば、上記例のような構成を採らずともよいことは、言うまでも無い。 【0023】 LED2の背後には、LED2を含む光学系の発熱を抑える為のヒートシンク8が配設されている。これらLED2やヒートシンク8の温度を、不図示のサーミスタ等の温度検知手段によって検知し、LED2やヒートシンク8が所定温度を越えた時に強制的にLEDへの電力供給を停止し、それ以上の発熱を防止するよう構成すれば、ヘッド部1a全体の発熱を抑えることができ、安全性の高い光照射器となる。上記ヒートシンク8に代え、或いはこれと併用して冷却空気の循環手段やペルチェ素子等の他の冷却手段を組み込むことも可能である。光照射器本体1の基部には、LED2に電源供給する為の電線を内装するフレキシブルチューブ(いずれも不図示)が着脱自在に接続されるが、LED2用の電源電池とその制御部(いずれも不図示)を内蔵させてコードレスタイプのものとすることも可能である。 【0024】 上記ヘッド部1aの開口部1cには、上記LED2からの出射光を集光し、所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう構成された光学部材3が配設されている。この光学部材3の構成を図3も参照して説明する。この光学部材3は、LED2からの光を全反射により前方に反射させる環状全反射部材31と、この環状全反射部材31の前方環内部に配置され上記LED2からの直接光を屈折透過させる凸レンズ部材32と、この環状全反射部材31及び凸レンズ部材32の前方部に近接して配置された平板状光透過部材33とよりなる。環状全反射部材31及び凸レンズ部材32はポリエステル樹脂の一体成型体からなり、また、平板状光透過部材33はその屈折率が臨床状ほぼ無視できる程度のガラス板からなり、凸レンズ部材32の前側凸曲面32aに透明接着剤で固着されている。環状全反射部材31及び凸レンズ部材32を樹脂の一体成型体とすることによりそのローコスト化が図られるとともに、光照射器1の組立に要する手間を削減することができる。尚、環状全反射部材31と平板状光透過部材33とを、それらの辺縁部において接着することもできる。その場合、環状全反射部材31の辺縁部において全反射され、あるいは平板状光透過部材33の辺縁部を透過する光は、極めて微量であるため、この全反射光及び透過光を光重合に用いないことを前提とすれば、環状全反射部材31と平板状光透過部材33とを辺縁部において接着する接着剤は透明である必要はない。 【0025】 環状全反射部材31の後方環内部と凸レンズ部材32とによって凹部31aが形成され、この凹部31aは上記LED2の透明樹脂ドーム2aを同心的に受容し得る大きさとされている。また、環状全反射部材31の外周面31bは、その断面形状が、前方に拡開する2次曲線の一部をなし、LED2から環状全反射部材31に入射した光が、環状全反射部材31を構成するポリエステル樹脂の屈折率によって、この外周面31bと空気層との界面において全反射するような形状とされている。特に、ポリエステル樹脂と空気層との光屈折率の差異により、外周面31bと空気層との界面における全反射は高効率でなされる。そして、この全反射光の全ては、環状全反射部材31の前端面が凹曲面とされた出光端面31cに指向され、この出光端面31cより出光されるようになされている。また、凸レンズ部材32は通常の凸レンズと同様の形状とされ、その出光端面としての前側凸曲面32aが、環状全反射部材31の出光端面31cより突出するよう形成されている。これら光学部材3は、ねじ式或いはフリクション式の取付部材34によって、ヘッド部1aの開口部1cに取付けられている。この取付部材34による取付は、着脱自在とすることが望ましく、これにより光学部材3を清浄化する等のメンテナンスの為に適宜着脱交換することができる。 【0026】 上記光学部材3からの出射光の略全ては、図3に示すように集光し、その光束径が漸次小さくなり、最小径部分Fを経て鼓状に拡径する照射パターンPとなるよう上記環状全反射部材31及び凸レンズ部材32の光学特性が設定される。即ち、図3における照射パターンPを構成する実線は環状全反射部材31による全反射・屈折光線を、破線は凸レンズ部材32による屈折透過光線を示す。これら光線のトータルによる照射パターンPの光束径は上記部分Fで最小となり、この最小径部分Fで単位面積当たりの光量が最大となる。図2及び3に示す符号D、D1、D2及びFをもとに例示すれば、この最小径部分Fの上記光学部材3の出光端面からの距離Dが5〜20mm、上記光学部材3の出光端面の径D2が10〜20mm、最小径部分Fを所定の照射領域とし、その光束径D1が2〜10mmとなるよう光学部材3の光学特性を設定すれば、最小径部分Fに至るまでは、単位面積当りの光量が低下することがないから、殆どの歯科の光重合治療の臨床的応用に好適に対応することができる。 【0027】 図4は、上記歯科用光照射器Aの使用状態を示している。図は、歯牙tの根管t1内にポストpを植立し、このポストpを根管t1内に装填された接着レジン(光重合樹脂)rを硬化させることによって固定化させんとするものである。上記のように光学特性が設定された光学部材3の出光端面を、接着レジンrの表面までの距離D3が5〜10mmとなるまで近づけ、LED2の発光をオンとすると、光学部材3の出光端面からは図2或いは図3に示すような照射パターンP(たとえばD=15mm、D1=4mm、D2=9mm)で根管t1内に光照射される。接着レジンrには、その装填範囲(深さ)に亘り、単位面積当たりの光量が大きい状態の照射野で照射されることになるから、接着レジンrの硬化が速やか且つ均質になされ、十分な硬化深度が得られる。従来の光重合照射器により図例のような歯牙t内の接着レジンrを硬化させんとすると、その光量が50〜30%にまで低下するため、特に光源から遠い位置における光重合樹脂の硬化が不十分となる恐れがあるが、上記のような照射パターンPによる場合は、光量の低下が少なく接着レジンrの効率的な硬化がなされる。尚、図4は模式的に示すものであって、実際の使用にあたっては、適宜照射角度(光軸Lの角度)等を変えながら使用されることは言うまでもない。 【0028】 図5は、上記光学部材3を構成する環状全反射部材31と、凸レンズ部材32とが別部材で構成されている例を示している。環状全反射部材31及び凸レンズ部材32の夫々の形状は上記と同様であるが、両者は個別に作製され、接着剤等で図例のように一体化されている。両者の材料の組み合わせは、樹脂と樹脂、樹脂とガラス、ガラスとガラスのいずれも可能であり、これらは屈折率を始めとする光学特性、コスト及び耐久性等を勘案して適宜選択採用される。 【0029】 光学部材3は、上記のように構成されるから簡易に作製することができ、また環状全反射部材31の出光端面31cを凹曲面とすることにより、歯科の光重合対象において光束径が最小となるよう設定することが容易になし得る上に、凸レンズ部材32も含む光軸L方向の長さを小さくすることができるから、ヘッド部1aの先端部分のコンパクト化が図られ、口腔内に挿入して使用される歯科用光重合照射器としての適性を十分に備えることになる。また、平板状光透過部材33を環状全反射部材31及び凸レンズ部材32の出光端面31c、32aに近接して配設することにより、環状全反射部材31及び凸レンズ部材32の傷付きによる屈折率の変化等が防止され、特にこの平板状光透過部材33をガラス板により構成すればその表面の滅菌消毒等もし易く衛生的である。 【実施例2】 【0030】 図6は他の実施形態の歯科用光重合照射器を示すものであり、この実施形態の歯科用光重合照射器Bは、発光体としてのLED2が照射器本体1(ヘッド部1a)の内部に配置され、LED2による出射光をライトガイド9により、ヘッド部1aの開口部1cに装着された光学部材3の背後近接位置にまで導光するようにしたものである。ライトガイド9は、オプティカルファイバー等の導光体からなり、図6はガイド筒に挿通されて光学部材3の背部近傍にまで配設されているものとして示している。光学部材3は、上記同様、環状全反射部材31、凸レンズ部材32及び平板状光透過部材33からなり、取付部材34によって上記開口部1cに着脱自在に装着されている。環状全反射部材31の後方環内部及び凸レンズ部材32の背面により上記同様の凹部31aが形成され、この凹部31aの開口部にライトガイド9の先端出光端9aが同心的に及んでいる。 【0031】 LED2からの出射光は、このライトガイド9を導光され、その出光端9aから出射される。出光端9aから出射される光は拡散するが、出光端9aが上記凹部31aの開口部に及ぶよう配設されているから、略全ての光は凹部31aに入光し、光学部材3の上記同様の光学特性によって、図2或いは図3に示すと同様の照射パターンPを以って光学部材3の出光端面より出射される。従って、上記と同様の効果を奏する。その他の構成は上記と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。 【実施例3】 【0032】 図7及び図8は更に他の実施形態の歯科用光重合照射器を示すものであり、この実施形態の歯科用光重合照射器Cは、光照射器本体1の出光部内に設けられたLED2からの出射光をライトガイド10によって導光し、光照射器本体1の先端部より導出された該ライトガイド10の先端に集光用アダプタ11を装着し、この集光用アダプタ11からの出射光が、所定の照射域においてその光束径が最も小さくなるよう構成したものである。ライトガイド10は、上記同様オプティカルファイバー等の導光体からなり、その後端の入光端10aはLED2の発光部に対峙し、その先端の出光端10bは後記する集光用アダプタ11を構成する光学部材3の背部近傍に及んでいる。また、ライトガイド10は、光照射器本体1のヘッド部1aからは、ガイド筒12に挿通された状態で導出されている。 【0033】 集光用アダプタ11は、上記と同様の環状全反射部材31、凸レンズ部材32及び平板状光透過部材33からなる光学部材3と、この光学部材3を組込み上記ガイド筒12の先端部に取付ける為の装着部材(装着手段)35とよりなる。この装着部材35は、その内部に上記光学部材3を一括保持し、取付部に形成された雌ねじ部35aをガイド筒12の先端に形成された雄ねじ部12aに螺合させることによって、ガイド筒12の先端部に着脱自在に取付けられる、カバーナット状に形成される。この取付は、ねじによる場合の他、フリクション等によるものも可能である。アダプタ11は、光学部材3の光学特性が異なるもの(例えば、照射パターンの異なるもの)を各種準備しておき、治療目的に応じて適宜着脱交換して使用することができる。 【0034】 アダプタ11が、装着部材35によってガイド筒12の先端に取付られた状態では、環状全反射部材31の後方環内と凸レンズ部材32の背面とにより形成される上記同様の凹部31aの開口部にライトガイド10の先端出光端10bが同心的に位置する。LED2からの出射光は、このライトガイド10を導光され、その出光端10bから出射される。出光端10bから出射される光は拡散するが、出光端10bが上記凹部31aの開口部に及ぶよう位置しているから、略全ての光は凹部31aに入光し、光学部材3の上記同様の光学特性によって、図2或いは図3に示すと同様の集光された照射パターンPを以って光学部材3の出光端面より出射される。従って、上記と同様の効果を奏する。特に、ライトガイド10の先端部から集光された光が照射されるから、狭い口腔内へはライトガイド10の先端部のみを挿入すれば良く、そのハンドリング性に優れると共に、患者に圧迫感を与えることがない。加えて、ヘッド部を挿入するものに比べて術者の視界を妨げることが少なく、施術もし易くなる。ライトガイド10を導光中光量が低下するが、今後LEDの出力アップも予想されるところであり、その実用価値が大いに高まることが期待される。その他の構成は上記と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。 【0035】 尚、発光体としてLEDを用いた例について述べたが、半導体レーザ或いはベアチップ等の他の発光素子も用いることができる。また、環状全反射部材31及び凸レンズ部材32の形状は、用いる材料の屈折率により設計的事項として適宜変更し得るものである。更に、光学部材3と他の集光特性レンズや狭指向性変換レンズ等と組み合わせて用いることも可能である。 【図面の簡単な説明】 【0036】 【図1】本発明の歯科用光重合照射器の一実施形態を示す部分切欠平面図である。 【図2】同歯科用光重合照射器における光照射パターンを示す図である。 【図3】同光照射パターンの詳細を説明する図である。 【図4】同歯科用光重合照射器の使用状態を説明する図である。 【図5】同歯科用光重合照射器に用いられる光学部材の変形例を示す図である。 【図6】本発明の歯科用光重合照射器の他の実施形態を示す図1と同様図である。 【図7】同更に他の実施形態を示す部分切欠平面図である。 【図8】図7におけるX部の拡大断面図である。 【符号の説明】 【0037】 1 光照射器本体 2 LED(発光体) 20 出光部 3 光学部材 31 環状全反射部材 31c 出光端面 32 凸レンズ部材 32a 出光端面 33 平板状光透過部材 35 装着部材(装着手段) 9 ライトガイド 10 ライトガイド 11 集光用アダプタ A 歯科用光重合照射器 B 歯科用光重合照射器 C 歯科用光重合照射器 F 光束径最小部分(所定の照射域)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000138185 【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
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| 【出願日】 |
平成18年6月29日(2006.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087664 【弁理士】 【氏名又は名称】中井 宏行
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| 【公開番号】 |
特開2008−6043(P2008−6043A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−179053(P2006−179053) |
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