| 【発明の名称】 |
施術用器具 |
| 【発明者】 |
【氏名】水口 稔之
【氏名】神蔵 ▲功▼
【氏名】福田 秀幸
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| 【要約】 |
【課題】上顎洞底挙上術において、上顎洞底骨を槌打による骨折挙上をしないことで、安全性および確実性の向上が図れ、歯牙再生治癒期間の短縮化を可能とする施術用器具を提供する。
【構成】テーパ形状を有し、タッピング溝を先端よりに有するネジ山からなる骨内ネジ部(4)と、ネジ山を備えた円筒形状の推進力付与ネジ部(1)と、旋回させる治具と嵌合する複数の面を備えた回転力付与部(6)とを有するスクリュウ体と、貫通孔の内周面に、前記推進力付与ネジ部(1)と螺合するネジ山(10)を備えた歯冠固定ガイド部(8)と、歯冠固定ガイド部(8)から水平方向に伸長し、先端に突起部を備えた2つ(あるいは1つ)のフランジ部(9)とを有するプレート体とからなり、欠損部に固定されたプレート体により位置決めし、スクリュウ体を旋回させることにより、上顎洞粘膜を上顎洞内へ押し上げることを可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テーパ形状の外周面に設けられたネジ山と、該ネジ山の先端寄りに設けられたタッピング溝からなる骨内ネジ部と、該骨内ネジ部と同軸に配され、円筒形状の外周面にネジ山を備えた推進力付与ネジ部と、該骨内ネジ部および推進力付与ネジ部とを旋回させるための回転力付与部とを有することを特徴とするスクリュウ体。 【請求項2】 前記回転力付与部が、前記骨内ネジ部および推進力付与ネジ部と同軸に配され、旋回のための治具と嵌合する複数の面を備えることを特徴とする請求項1に記載のスクリュウ体。 【請求項3】 前記骨内ネジ部の先端部が略球面形状であることを特徴とする請求項1に記載のスクリュウ体。 【請求項4】 前記骨内ネジ部の先端部は、軸方向に垂直な断面における輪郭に円弧形状を含むことを特徴とする請求項1に記載のスクリュウ体。 【請求項5】 貫通孔の内周面にネジ山を備えた歯冠固定ガイド部と、該歯冠固定ガイド部から水平方向に伸長し、先端に前記貫通孔の軸方向に突出する突起部を備えた1つまたは2つのフランジ部とを有することを特徴とするプレート体。 【請求項6】 請求項1から4のいずれかに記載のスクリュウ体と、請求項5に記載のプレート体とからなり、該スクリュウ体の前記推進力付与ネジ部のネジ山は、該プレート体の歯冠固定ガイド部のネジ山に螺合可能であることを特徴とする施術用器具。 【請求項7】 請求項1から4のいずれかに記載の複数のスクリュウ体と、請求項5に記載のプレート体とからなり、該複数のスクリュウ体はそれぞれ異なる骨内ネジ部の外径を有しており、該複数のスクリュウ体のそれぞれの推進力付与ネジ部のネジ山は、該プレート体の歯冠固定ガイド部のネジ山に螺合可能であることを特徴とする施術用器具。 【請求項8】 前記複数のスクリュウ体は、1つのスクリュウ体の骨内ネジ部の基部側の外径が、他の1つのスクリュウ体の骨内ネジ部の先端側の外径と等しいか、大きいように、先端部が順に太いという寸法関係を有することを特徴とする請求項7に記載の施術用器具。 【請求項9】 上顎洞底挙上術に使用されることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の施術用器具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、施術用器具に関し、特に、歯牙の齲蝕、歯周病あるいは歯列矯正等による歯牙欠損、または治療のために抜歯を行った際の歯牙再生術として、上顎臼歯部に人工歯根の埋入を施す際に、上顎骨臼歯部が骨吸収等により骨高さの不足が生じた場合に行う上顎洞底挙上術に使用する上顎洞底挙上術用器具に関する。 【背景技術】 【0002】 上顎骨に埋入する人工歯根に対し、上顎骨臼歯部の骨高さの不足が生じている症例がある。このような個所に適用される人工歯根およびその人工歯根床の形成方法が特表2001−509401号に記載されているが、その適用に際しては、上顎洞底挙上術を施す必要がある。 【0003】 図5は、従来の上顎洞底挙上術に用いられる施術用器具を示す斜視図であり、図6は、従来の上顎洞底挙上術を行う状態を示す断面図である。 【0004】 図6に示すように、人工歯根床(29)を形成しようとする部分は、歯冠(17、19)および歯根(18、20)が健康である部分と比較して、上顎骨(14)の厚さ、すなわち上顎骨臼歯部の骨高さが、不足している場合がある。 【0005】 従来の施術用器具の一例が、特開2003−199773号公報に記載されている。このような施術用器具は、図5に示すように、先端部(23)から、2つの屈曲部(25、26)を経由し、端部が平面形状あるいは球面形状である槌打部(28)が設けられた取手(27)までが一体に構成される。さらに、先端部(23)には、先端凹部(24)が形成されている。 【0006】 図6に示すように、従来の上顎洞底挙上術の施術時には、インプラント用のドリルを使用して、上顎骨(14)に対して人工歯根床(29)を穿孔し、上顎洞底骨(30)を薄く残した状態とする。その後、人工歯根床(29)に先端部(23)を挿入し、槌打部(28)を、図示しない槌にて槌打することにより、上顎骨(14)が円形に貫通するように骨折させて、上顎洞粘膜(15)と共に上顎洞(16)内への挙上を行う。従って、上顎洞底骨(30)は、上顎洞底骨(31)の位置に到る。その後、骨補填材(22)を充填する。 【0007】 しかし、上顎骨(14)が骨折に到らず、槌打しただけの時の手の感覚と、上顎骨(14)が円形に貫通するように骨折する瞬間の手の感覚との間には、大きな差異がなく、そのため、槌打部(28)を通じて感じる槌打感に生じる変化が、術者には察知し辛いため、槌打部(28)を槌打する加減は、術者の経験と勘に頼らざるを得ず、上顎洞粘膜(15)を突き破ることがあるという問題があった。 【0008】 また、特開2001−170078号公報には、上顎洞底挙上術を行わないで済む平板状のインプラントが記載されているが、上顎骨を切削する工程が複雑であるという問題があった。 【0009】 以上のように、上顎洞底挙上術の施術には、多大な時間が必要であり、術者に高度な技術が要求されていた。 【特許文献1】特表2001−509401号公報 【特許文献2】特開2003−199773号公報 【特許文献3】特開2001−170078号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 本発明の目的は、上顎臼歯部の歯牙欠損時に歯牙再生術を行うため、上顎臼歯部に人工歯根を埋入する際の上顎洞底挙上術において、上顎洞底骨を槌打による骨折挙上をしないことで、安全性および確実性の向上が図れ、歯牙再生治癒期間の短縮化を可能とする施術用器具を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明に係る施術用器具は、スクリュウ体とプレート体とからなる。 【0012】 このうち、スクリュウ体は、テーパ形状の外周面に設けられたネジ山と、該ネジ山の先端寄りに設けられたタッピング溝からなる骨内ネジ部と、該骨内ネジ部と同軸に配され、円筒形状の外周面にネジ山を備えた推進力付与ネジ部と、該骨内ネジ部および推進力付与ネジ部とを旋回させるための回転力付与部とを有することを特徴とする。 【0013】 前記回転力付与部が、前記骨内ネジ部および推進力付与ネジ部と同軸に配され、旋回のための治具と嵌合する複数の面を備えることが好ましい。 【0014】 また、前記骨内ネジ部の先端部が略球面形状であることが好ましい。 【0015】 あるいは、前記骨内ネジ部の先端部は、軸方向に垂直な断面における輪郭に円弧形状を含むことが好ましい。 【0016】 一方、プレート体は、貫通孔の内周面にネジ山を備えた歯冠固定ガイド部と、該歯冠固定ガイド部から水平方向に伸長し、先端に前記貫通孔の軸方向に突出する突起部を備えた1つまたは2つのフランジ部とを有することを特徴とする。 【0017】 本発明に係る施術用器具においては、前記スクリュウ体の前記推進力付与ネジ部のネジ山が、前記プレート体の歯冠固定ガイド部のネジ山に螺合可能である。 【0018】 また、複数のスクリュウ体を用意し、該複数のスクリュウ体はそれぞれ異なる骨内ネジ部の外径を有し、該複数のスクリュウ体のそれぞれの推進力付与ネジ部のネジ山は、該プレート体の歯冠固定ガイド部のネジ山に共通して螺合可能であるようにすることが好ましい。 【0019】 この場合、前記複数のスクリュウ体は、1つのスクリュウ体の骨内ネジ部の基部側の外径が、他の1つのスクリュウ体の骨内ネジ部の先端側の外径と等しいか、大きく、さらに、後者のスクリュウ体の骨内ネジ部の基部側の外径が、さらに異なる1つのスクリュウ体の骨内ネジ部の先端側の外径と等しいか、大きいように、先端部が順に太いという寸法関係を有することが好ましい。 【0020】 本発明の施術用器具は、特に、上顎洞底挙上術に使用され、さらに、骨を押し広げながら骨幅を拡大する整形分野における他の施術用器具に適用することが可能である。 【発明の効果】 【0021】 本発明の施術用器具を上顎洞底挙上術に使用して、押すことで骨折挙上をすることにより、上顎洞底骨を槌打で骨折挙上をする従来と異なり、安全で、かつ、患者に衝撃を与えず、正確である上顎洞底粘膜の挙上が可能となり、結果として手術時間の短縮が図れ、患者への肉体的および精神的な負担が軽減でき、さらに、費用の軽減も可能になるという効果が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 本発明の施術用器具について、図面を参照して説明する。 【0023】 図1は、本発明のスクリュウ体およびプレート体の一実施例を示す斜視図である。図2は、先端の太さが異なる3つのスクリュウ体を示す斜視図である。図3は、本発明のスクリュウ体およびプレート体の異なる実施例を示す斜視図である。 【0024】 本発明の施術用器具は、スクリュウ体と、プレート体とからなる。 【0025】 本発明のスクリュウ体は、全体に軸方向に伸長する略円筒状のピン体からなる。軸方向先端側に、テーパ形状の外周面に設けられたネジ山と、該ネジ山の先端寄りに設けられたタッピング溝(3)からなる骨内ネジ部(4a、4b、4c)を備える。また、軸方向中間部に、該骨内ネジ部(4a、4b、4c)と同軸に配され、前記骨内ネジ部(4a、4b、4c)の基端部の外径よりも大きく、円筒形状の外周面にネジ山を備えた推進力付与ネジ部(1)を備える。さらに、軸方向後端側に、前記骨内ネジ部(4a、4b、4c)と推進力付与ネジ部(1)と同軸に配され、軸を中心に旋回させるための外部治具と嵌合する複数の面を備えた回転力付与部(6)とを備える。さらに、回転を加える際に芯振れを抑制することが可能な構造の垂直ガイド部(7)とを備え、これらが一体に形成される。 【0026】 なお、上顎洞底挙上術には、上述した構造を備えることが好ましいが、他の施術に用いる場合には、回転力付与部をクランク形状として、その後端側をハンドルとして、骨内ネジ部や推進力付与ネジ部の軸を中心にして、旋回させる構造としてもよく、また、垂直ガイド部を省略してもよい。 【0027】 本発明のプレート体の一態様は、中間歯欠損の場合に適用されるもので、図1に示すように、貫通孔の内周面にネジ山(10)を備えた略円筒形状の歯冠固定ガイド部(8)を備える。該歯冠固定ガイド部(8)は、施術の対象となる位置で、施術時に隣接する歯冠間に配置される。歯冠固定ガイド部(8)からは、隣接する歯冠方向に水平に伸長し、その先端に隣接する歯冠の位置で歯冠と反対側に突出し、前記貫通孔の軸方向に伸長する突起部をそれぞれ有する2つのフランジ部(9)を備える。スクリュウ体の推進力付与ネジ部(1)のネジ山は、プレート体の歯冠固定ガイド部(8)のネジ山(10)に螺合可能となっている。 【0028】 本発明のプレート体の異なる態様は、遊離端欠損の場合に適用されるもので、図3に示すように、前記態様と異なり、歯冠固定ガイド部(11)の片方側に1つのフランジ部(12)を備える。 【0029】 これらの2つの態様のプレート体を用意し、選択して使用することが好ましい。 【0030】 骨内ネジ部(4a)の先端部(2a)は、略球面形状である。また、骨内ネジ部(4b、4c)の先端部(2b、2c)は、軸方向に垂直な断面における輪郭に円弧形状を含み、先端には円形の平坦部を有する。 【0031】 なお、スクリュウ体において、骨内ネジ部(4a、4b、4c)と、推進力付与ネジ部(1)との間の中間部外周面に、スクリュウ体の軸方向移動量を目視で認識することができるように、任意の位置に深度マーク(5)を公知技術のいずれかにより、刻んだり、塗布して、設ける。 【0032】 また、本発明の施術用器具の材質としては、周知材料のいずれかから選択すればよいが、例えば、チタンまたはチタン合金を例示することができる。 【0033】 本発明のスクリュウ体およびプレート体を使用した上顎洞底挙上術について、図面を参照して説明する。 【0034】 図4は、本発明の施術用器具を用いて、上顎洞底挙上術を行う状態を示す断面図である。 【0035】 上顎洞底挙上術の時には、隣接する歯冠(17、19)に対して、プレート体のフランジ部(9)を被うようにして樹脂充填材料(21)を使用し固定する。このような固定方法以外に、図示しない金具あるいは金属線を使用することにより、フランジ部(9)と、隣接する歯冠(17、19)との間を、強固に固定することも可能であり、上顎骨(14)の骨質に応じた多様な固定方法が可能である。 【0036】 その後、歯冠固定ガイド部(8)に、スクリュウ体を挿入して旋回することにより、タッピング溝(3)と骨内ネジ部(4)とにより、人工歯根床(29)の孔径拡大を行う。それとともに、回転力付与部(6)にて与えられた回転が、推進力付与ネジ部(1)にて、スクリュウ体の軸方向推進力となり、先の丸い先端部(2)が、上顎洞粘膜(15)を上顎洞(16)内へ、押し上げる。 【0037】 また、前記骨内ネジ部(4)のテーパ形状面にタッピング溝(3)を複数箇所に設けることで、滑らかに人工歯根床(29)の拡大を行うことが可能となる。 【0038】 前記スクリュウ体の外形寸法については任意であるが、先端部(2)の球面はR1を、骨内ネジ部(4)のテーパ角度は4度を例示することができる。 【0039】 スクリュウ体の円筒面には、深度マーク(5)を施してあるので、上顎洞粘膜(15)が上顎洞(16)内へ押し上げられる高さである挙上量の把握が可能となる。 【0040】 その後、スクリュウ体とプレート体を外し、挙上された上顎洞粘膜(15)と上顎骨(14)との隙間には、骨補填材(22)を充填し、上顎臼歯部の骨高さの不足を補う。 【0041】 本発明の上顎洞底挙上術用の施術用器具は、複数(図2に示した例では、3つ)のスクリュウ体と、例えば2つのプレート体とからなり、例えば、図2で左に図示したスクリュウ体の骨内ネジ部(4a)の基部側の外径が、図2で中央に図示したスクリュウ体の骨内ネジ部(4b)の先端側の外径と等しいか大きく、図2で中央に図示したスクリュウ体の骨内ネジ部(4b)の基部側の外径が、図2で右に図示したスクリュウ体の骨内ネジ部(4c)の先端側の外径と等しいか大きいように、それぞれ寸法付けされる。 【0042】 このように、先端部が順に太いという寸法関係を有する複数のスクリュウ体を使用することにより、上顎洞底挙上術において、孔径拡大および骨幅の拡大を容易に行うことが可能となる。 【産業上の利用可能性】 【0043】 本発明は、上顎洞底挙上術以外にも、骨を押し広げながら骨幅を拡大する施術に利用することが可能であり、例えば整形の分野における施術にも適用することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0044】 【図1】本発明のスクリュウ体およびプレート体の一実施例を示す斜視図である。 【図2】先端の太さが異なる3つのスクリュウ体を示す斜視図である。 【図3】本発明のスクリュウ体およびプレート体の異なる実施例を示す斜視図である。 【図4】本発明の施術用器具を用いて、上顎洞底挙上術を行う状態を示す断面図である。 【図5】従来の上顎洞底挙上術用器具を示す斜視図である。 【図6】従来の上顎洞底挙上術を行う状態を示す断面図である。 【符号の説明】 【0045】 1 推進力付与ネジ部 2、2a、2b、2c 先端部 3 タッピング溝 4、4a、4b、4c 骨内ネジ部 5 深度マーク 6 回転力付与部 7 垂直ガイド部 8、11 歯冠固定ガイド部 9、12 フランジ部 10、13 ネジ山 14 上顎骨 15 上顎洞粘膜 16 上顎洞 17、19 歯冠 18、20 歯根 21 樹脂充填材料 22 骨補填材 23 先端部 24 先端凹部 25、26 屈曲部 27 取手 28 槌打部 29 人工歯根床 30、31 上顎洞底骨
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| 【出願人】 |
【識別番号】502278024 【氏名又は名称】株式会社プラトンジャパン
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| 【出願日】 |
平成18年6月28日(2006.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108877 【弁理士】 【氏名又は名称】鴨田 哲彰
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| 【公開番号】 |
特開2008−5960(P2008−5960A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−177717(P2006−177717) |
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