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【発明の名称】 内視鏡用操作補助装置
【発明者】 【氏名】村上 和士

【氏名】小貫 喜生

【氏名】小宮 孝章

【氏名】市川 裕章

【氏名】橋本 達鋭

【氏名】本田 一樹

【氏名】倉 康人

【要約】 【課題】ハンドルの開閉操作及び内視鏡の進退操作を容易に行え、且つ、内視鏡の挿入部を把持装置越しに把持した状態で、ハンドルに設けられているスイッチの操作を容易に行える使い勝手に優れた内視鏡用操作補助装置を提供すること。

【解決手段】内視鏡用操作補助装置1は、第1のハンドル部材3と第2のハンドル部材4と操作スイッチ5とを備え、第1のハンドル部材3と第2のハンドル部材4とが開閉自在である。第1のハンドル部材3は、内視鏡10の挿入部11を保持する挿入部保持孔8を構成する押圧溝3aを開閉面部3sに有し、開閉面部3sに対設する一面部に、挿入部11の先端部方向に向けて配置される先端側に基端側よりも低い先端面3flを有する、段差部3dを備え、第2のハンドル部材4は、挿入部保持孔8を構成する摺動溝4aを開閉面部4sに備え、操作スイッチ5は、第1のハンドル部材3が備える先端面3flの一側面に並設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のハンドル部材と第2のハンドル部材と操作スイッチとを備え、前記第1のハンドル部材と前記第2のハンドル部材とが開閉自在である内視鏡用操作補助装置において、
前記第1のハンドル部材は、内視鏡の挿入部を保持する挿入部保持孔を構成する溝を開閉面部に有し、この開閉面部に対設する一面部に、前記挿入部の先端部方向に向けて配置される先端側に基端側よりも低い平面を有する、段差部を備え、
前記第2のハンドル部材は、前記挿入部保持孔を構成する溝を開閉面部に備え、
前記操作スイッチは、前記第1のハンドル部材が備える平面の一側面に並設されることを特徴とする内視鏡用操作補助装置。
【請求項2】
前記第2のハンドル部材は、該第2のハンドル部材の開閉面部に対設する他面部を、先端側面部と基端側面部とに分割する隆起部を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項3】
前記隆起部は、前記第1のハンドル部材と前記第2のハンドル部材とが閉状態において、
前記第1のハンドル部材の前記段差部よりも先端側に位置することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項4】
前記隆起部は、前記先端側面部に至る傾斜面を備える構成において、
前記第1のハンドル部材の基端側面は、前記傾斜面に対向する傾斜面であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項5】
前記第1のハンドル部材と前記第2のハンドル部材とが閉状態のとき、前記第1のハンドル部材の有する溝と、前記第2のハンドル部材の有する溝とで構成される挿入部保持孔は、該挿入部保持孔に配設される前記挿入部の外周面に当接する3つの当接面を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項6】
前記3つの当接面のうち、第1の当接面は、第1のハンドル部材の溝に配設される弾性部材によって構成され、前記第2の当接面及び第3の当接面は前記第2のハンドル部材の溝を形成する面によって構成されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項7】
前記第2のハンドル部材は、該第2のハンドル部材の開閉面部の基端側で、且つ前記溝を挟んだ一方側に凸部を有し、
前記第1のハンドル部材は、該第1のハンドル部材の開閉面部の基端側に、前記第1のハンドル部材と前記第2のハンドル部材とを閉状態にしたときに、前記凸部が配置される凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項8】
さらに、ロック機構部を備え、そのロック機構部は、前記第1のハンドル部材と前記第2のハンドル部材とを閉状態にしたとき、該第1のハンドル部材と該第2のハンドル部材とを閉状態に保持することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項9】
前記ロック機構部は、
前記第1のハンドル部材に設けられ、長手方向に進退移動可能で摘みと係止部とを備えるレバーと、
前記第2のハンドル部材に設けられ、前記第1のハンドル部材と前記第2のハンドル部材とを閉状態にしたときに、前記レバーの係止部が配置される係止凹部と、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項10】
前記係止凹部を、前記第2ハンドル部材の凸部に設けたことを特徴とする請求項9に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項11】
前記操作スイッチは、一面から鉛直に突出する操作レバーを備え、この操作レバーを操作することによって、前記内視鏡と共に内視鏡システムを構成する外部機器に該外部機器を操作する指示信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項12】
前記操作スイッチに設けられている前記操作レバーの先端面の高さと前記平面の高さとが一致していることを特徴とする請求項11に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項13】
前記操作スイッチを構成する一面は、前記平面に対して傾いており、その一面の傾きは、基端側が先端側より高いことを特徴とする請求項11に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項14】
前記操作スイッチは、前記第1のハンドル部材に着脱自在であることを特徴とする請求項11に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項15】
前記操作スイッチを前記第1のハンドル部材の前記一側面に取り付ける構成において、
前記操作スイッチに設けられている前記操作レバーの先端面の高さを前記平面の高さに一致させることを特徴とする請求項14に記載の内視鏡用操作補助装置。:
【請求項16】
前記操作スイッチを前記第1のハンドル部材の前記一側面に取り付ける構成において、
前記操作スイッチを構成する一面の基端側が先端側より高くなるようにして前記平面に対して傾けていることを特徴とする請求項14に記載の内視鏡用操作補助装置。:
【請求項17】
前記第1のハンドル部材と第2のハンドル部材とは、連結部によって連結されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項18】
前記連結部はヒンジであって、回動動作によって前記第1のハンドル部材と前記第2ハンドル部材とを開状態から閉状態、或いは閉状態から開状態にすることを特徴とする請求項17に記載の内視鏡用操作補助装置。:
【請求項19】
前記ヒンジは、バネ付きヒンジであることを特徴とする請求項18に記載の内視鏡用操作補助装置。
【請求項20】
前記連結部は、
長孔、及び前記第1のハンドル部材に一体的に固定するためのネジ孔を備える、湾曲形状の摺動板と、
前記摺動板の前記長孔を介して前記第2のハンドル部材に形成されている穴に配置することによって、前記摺動板を前記第2のハンドル部材に摺動自在に取り付ける凸部を備える摺動板押さえ板と、
前記摺動板押さえ板に配設されて、前記摺動板が一体的に固定された第1のハンドル部材を付勢する付勢バネとを備え、
前記付勢バネの付勢力に抗して第1のハンドル部材と第2のハンドル部材とを閉状態にしたとき、第1のハンドル部材の開閉面と第2のハンドル部材の開閉面とが当接する一方、付勢バネの付勢力によって第1のハンドル部材と第2のハンドル部材とが開状態にされたとき、第1ハンドル部材の開閉面と第2ハンドル部材の開閉面とは離間して開状態になることを特徴とする請求項17に記載の内視鏡用操作補助装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の挿入部、特に挿入部を構成する可撓管部に着脱自在な内視鏡用操作補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡は、医療分野において広く利用されている。内視鏡は、一般に細長な挿入部を備え、挿入部の先端側には湾曲自在な湾曲部が設けられている。挿入部の基端側には操作部が設けられ、操作部には内視鏡機能の各種操作を行うためのノブ、スイッチなどが配設されている。
【0003】
内視鏡においては、挿入部を被検体の体腔内に挿入することによって、臓器の観察、或いは、必要に応じて処置具チャンネルを介して体腔内に処置具を導入することによって各種処置等を行える。
【0004】
処置具を処置具チャンネルを介して体腔内に導入する場合、術者は、2mにも達する処置具のチャンネル内への挿入を手送りで行っている。この手送りによる挿入作業は、手間がかかる上、注意力が必要である。また、挿入作業後の処置具の各種操作が極めて面倒である。
【0005】
この不具合を解決するため、例えば特許文献1には内視鏡用処置具挿抜装置が開示されている。この内視鏡用処置具挿抜装置では、処置具を内視鏡の処置具チャンネルに挿抜する機能に加え、処置具の先端に設けられた処置部を動作させる処置具動作手段を備え、この処置具挿抜装置の各種操作をフットスイッチにより行える。したがって、この内視鏡用処置具挿抜装置では、両手を内視鏡に添えたまま、処置具の挿入操作、及び処置部の操作をフットスイッチにより行える。
【0006】
しかし、術者は、内視鏡により撮影されて表示装置に表示される内視鏡画像を観察して検査、治療を行う。このため、フットスイッチに複数の操作スイッチが設けられる構成の場合、所望の操作スイッチを選択するために、一度、表示装置から目を離して、足元にある複数のスイッチの中から所望するスイッチを確認しなければならない。また、処置具の挿入操作、及び処置部の操作を足で行うため、微妙な操作を行うことは困難である。
【0007】
また、特許文献2には内視鏡の外部にある内視鏡付属品を制御するためのシステムが開示されている。このシステムは、内視鏡の先端外部に配列される内視鏡付属品と、制御シースと、制御ハンドルとを具備して構成されている。この制御ハンドルは、内視鏡シャフトの外部表面に摺動可能に装着可能で、制御ハンドルと内視鏡ハンドルとを一方の手で、把持することを可能にしている。
【0008】
さらに、特許文献3には医療処置中に挿入力を測定するカテーテル把持装置が開示されている。このカテーテル把持装置では、カテーテルに配置可能な第1ハンドル部材と、第2ハンドル部材とを備え、第1ハンドル部材と第2ハンドル部材とはヒンジアッセンブリによって開閉可能に連結されている。ヒンジアッセンブリは、術者によってカテーテル把持装置が閉状態に保持されない場合には第1ハンドル部材と第2ハンドル部材とを付勢してカテーテル把持装置を開状態にする。
【0009】
このカテーテル把持装置では閉状態から開状態にすることによって、カテーテル把持装置のカテーテルに対する配置位置を容易に変えることが可能である。また、第1ハンドル部材と第2ハンドル部材とにはそれぞれ弾性部材が設けられているので、第1ハンドル部材と第2ハンドル部材とを閉状態にしてカテーテルを囲んだ場合には、それぞれの弾性部材がカテーテルに接触する。このことによって、カテーテル把持装置でカテーテルを把持して、カテーテルを体腔内に押し入れることが可能である。
【特許文献1】特開2000−207号公報
【特許文献2】WO2004/021868号公報
【特許文献3】特開2006−263474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記特許文献3のカテーテル把持装置では、ハンドル外表面が凹凸の無い単調な面であるため、手、指先がハンドルになじみ難く、開状態から閉状態に移行する操作を行い難かった。また、閉状態にしてカテーテルを進退させる場合にも、単調な面であるため手が滑り進退操作を行い難かった。
【0011】
一方、前記特許文献2の内視鏡付属品制御システムの制御ハンドルでは、内視鏡とともに使用される医療器具を操作するための操作レバーが、把持しようとする挿入部と同一線上に配置されているため、挿入部を取り扱っている際に誤って操作レバーを操作するおそれがある。また、この制御ハンドルでは、操作レバーがハンドルの外周面と略同一面に配置されているので、挿入部を強く把持した状態で操作レバーを操作しようとした場合に、レバー操作する親指を思い通りに動かすことが難しく、操作しづらいという問題があった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ハンドルの開閉操作及び内視鏡の進退操作を容易に行え、且つ、内視鏡の挿入部を把持装置越しに把持した状態で、ハンドルに設けられているスイッチの操作を容易に行える使い勝手に優れた内視鏡用操作補助装置を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の内視鏡用操作補助装置は、第1のハンドル部材と第2のハンドル部材と操作スイッチとを備え、前記第1のハンドル部材と前記第2のハンドル部材とが開閉自在である内視鏡用操作補助装置であって、
前記第1のハンドル部材は、内視鏡の挿入部を保持する挿入部保持孔を構成する溝を開閉面部に有し、この開閉面部に対設する一面部に、前記挿入部の先端部方向に向けて配置される先端側に基端側よりも低い平面を有する、段差部を備え、前記第2のハンドル部材は、前記挿入部保持孔を構成する溝を開閉面部に備え、前記操作スイッチは、前記第1のハンドル部材が備える平面の一側面に並設されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハンドルの開閉操作及び内視鏡の進退操作を容易に行え、且つ、内視鏡の挿入部を把持装置越しに把持した状態で、ハンドルに設けられているスイッチの操作を容易に行える使い勝手に優れた内視鏡用操作補助装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1乃至図11は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡用操作補助装置を備える内視鏡システムの構成を示す図、図2は術者が内視鏡用操作補助装置を把持して、挿入部保持孔に配置された挿入部を操作している状態を説明する斜視図、図3は図2の状態における内視鏡用操作補助装置を説明する側面図、図4は内視鏡用操作補助装置を構成する第1のハンドル部材と第2のハンドル部材とヒンジとを説明する図、図5はヒンジの備えるスプリングの付勢力によって、開状態の内視鏡用操作補助装置を説明する正面図、図6は開状態の内視鏡用操作補助装置を説明する斜視図、図7は閉状態の内視鏡用操作補助装置を先端側から見たときの図、図8は閉状態の内視鏡用操作補助装置を基端側から見たときの図、図9は図7のIX−IX線断面図、図10は摺動溝に配置された挿入部と、摺動溝に配置された挿入部に弾性部材の平面が当接した状態とを説明する図、図11は指標を説明する図である。
【0017】
図1を参照して内視鏡用操作補助装置を備える内視鏡システムを説明する。
図1に示すように本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡用操作補助装置(以下、補助装置と記載する)2と、内視鏡10と、制御装置20、処置具電動開閉装置30、及び処置具電動進退装置40等の内視鏡10の外部機器を備えて構成されている。本実施形態の制御装置20は、光源装置及びビデオプロセッサを兼ね、内視鏡画像を表示する外部機器である図示しないモニタなどの表示手段に接続されている。
【0018】
内視鏡10は、挿入部11と、操作部12と、ユニバーサルコード13とを有している。操作部12は挿入部11の基端に連設されている。ユニバーサルコード13は、操作部12から延設されており、制御装置20に接続される。
【0019】
挿入部11は、先端から順に、先端部11a、湾曲部11b、及び可撓管部11cを連設して、可撓性を備えるチューブ体として構成されている。操作部12は、挿入部11の基端に連設する折れ止め部12aと、処置具挿通部12dを備えた把持部12bと、主操作部12cとを有して構成されている。主操作部12cには湾曲ノブ14a,14b、送気、送水、吸引を操作するためのスイッチ、及び先端部11aに設けられる撮像手段、或いは制御装置20に各種指示を行うための複数のスイッチ15が設けられている。
【0020】
内視鏡10は、処置具挿通部12dから挿入部11の先端部11aの開口に至る図示しない処置具チャンネルを有している。
処置具電動開閉装置30は、電気ケーブル30aによって制御装置20と電気的に接続されている。処置具電動開閉装置30には、例えば、生検鉗子などの医療器具である処置具50のハンドル部53が設置される。処置具電動開閉装置30は、処置部51を開動作する、或いは閉動作する開閉操作時に使用される。
【0021】
処置具電動進退装置40は、電気ケーブル40aによって制御装置20と電気的に接続されている。処置具電動進退装置40は、処置具50のシース52を処置具チャンネルに挿入する、或いは処置具チャンネルから抜去する進退操作時に使用され、例えば、内視鏡10の処置具挿通部12dに設置される。
【0022】
本実施形態の処置具50は、シース52の先端に、処置部51を備えている。ハンドル部53には指掛けリング54と、ハンドル部53に対して進退自在なスライダ55とが設けられている。処置具50のシース52内には、一端が処置部51に連結され、他端がスライダ55に連結された図示しない操作ワイヤが挿通している。処置部51は、この操作ワイヤの進退に伴って、開閉動作する。
【0023】
補助装置2は、内視鏡10の挿入部11、特に可撓管部11cに着脱自在に配置可能であり、第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とはヒンジ(図4の符号6参照)によって、開閉自在に構成されている。第1ハンドル部材3の一側面には、処置具電動開閉装置30と、処置具電動進退装置40とに動作を指示する指示信号を出力するための操作レバー5aを備えた操作スイッチ(以下、スイッチと略記する)5が取り付けられている。スイッチ5は、信号ケーブル5dによって、制御装置20と電気的に接続されている。
なお、第1ハンドル部材3には補助装置2を挿入部11に固設する際に使用される後述する固定レバー7が設けられている。
【0024】
処置具電動開閉装置30は、ベース体31と、リング押さえ部32と、スライダ押さえ部33と、ラック34と、モータ35と、保持ボックス36と、載置部37とを備えて構成されている。
【0025】
リング押さえ部32は、ベース体31から突出して設けられている。リング押さえ部32には処置具50の指掛けリング54の図示されていない孔部が挿通される。スライダ押さえ部33は、処置具50に備えられているスライダ55を挟持する。スライダ押さえ部33は、ラック34の一端部に例えば着脱自在に固設される。
【0026】
ラック34には図示しない直線歯形が設けられている。直線歯形には、モータ35のモータ軸に固設されている図示されていないピニオンギアが噛み合っている。したがって、モータ35が時計方向或いは反時計方向に回転されることによって、ラック34はスライダ押さえ部33と共に進退移動する。このスライダ押さえ部33が進退されることにより、スライダ押さえ部33によって保持されたスライダ55がハンドル部53の軸に沿って進退移動する。
【0027】
保持ボックス36はベース体31に固定されている。保持ボックス36には、モータ35、ラック34が保持されている。載置部37は、ベース体31に例えば一体に取り付けられる。載置部37には処置具50のハンドル部53が載置される。モータ35は、スイッチ5から制御装置20に指示信号が出力されたとき、制御装置20の図示しないCPUの制御の基で駆動される。
【0028】
処置具電動進退装置40は箱体41を備え、箱体41の内部には2つのローラ42、43が回動自在に設けられている。2つのローラ42,43は弾性部材で構成され、ローラ42、43の間にはシース52が配置されるようになっている。シース52はローラ42、43によって押圧して挟持されている。
【0029】
第1ローラ42は例えば駆動側ローラであり、箱体41内に配設されている図示しないモータによって回動される。一方、第2ローラ43は受動側ローラであり、駆動側ローラ42の回動を受けて進退されるシース52の移動に伴って回転する。
【0030】
なお、モータは、スイッチ5から制御装置20に指示信号が出力されたとき、制御装置20の図示しないCPUの制御の基で駆動される。また、箱体41には、処置具挿通部12dに連結するための図示しないスコープ固定部と、シース52が挿入される図示しない処置具挿入部とが設けられている。スコープ固定部は、処置具挿通部12dのチャンネル開口部と気密に接続され、処置具挿入部のシース52が挿入される貫通孔部に弾性部材で形成した鉗子栓が備えられている。
【0031】
図1乃至図9を参照して補助装置2を詳細に説明する。
図1に示す本実施形態の補助装置2を構成する第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とは、術中、図2、図3に示すように挿入部11である例えば可撓管部11cに第1ハンドル部材3が図中上側で、第2ハンドル部材4が図中下側となるように配置され、術者の主に右手によって把持される。
【0032】
ここで、挿入部11の先端部11a側を向いて配置されている補助装置2の一端側を先端側と記載し、この一端側に対向する挿入部11の基端側を向いて配置される補助装置2の他端側を基端側と記載する。
【0033】
補助装置2の第2ハンドル部材4は、把持状態において図に示すように、主に術者の親指以外の4本の指によって把持される。これに対して、第1ハンドル部材3には、把持状態において図に示すように、術者の親指があてがわれる。
【0034】
図4に示すように第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とは例えば、連結部を構成する回動自在に構成された2つのヒンジ6によって、連結される。具体的に、ヒンジ6は、ネジ91によって、第1ハンドル部材3の他側面である側面と第2ハンドル部材4の側面とに固定されて、第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とを回動自在に連結する。
【0035】
本実施形態において、ヒンジ6はバネ付きヒンジであって、そのバネの有する付勢力によって、第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とは、図5、図6に示すような開状態になる。したがって、術者が例えば図2に示すように第2ハンドル部材4を親指以外の複数の指で把持した状態において、術者の親指が第1ハンドル部材3から離されることによって、ヒンジ6の有するバネの付勢力により、第1ハンドル部材3は開状態位置まで移動される。つまり、本実施形態において、第2ハンドル部材4は把持部材であり、第1ハンドル部材3は開閉部材である
また、図5に示す開状態から、ヒンジ6の有するバネの有する付勢力に抗して第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とを近づけていく。そして、第1ハンドル部材3の開閉面部の先端側を構成する先端側開閉面3sfと、第2ハンドル部材4の開閉面部の先端側を構成する先端側開閉面4sfとを当接させることによって、第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とは、図7、図8、図9に示す閉状態になる。閉状態において、補助装置2には可撓管部11cを保持する挿入部保持孔8が構成される。
【0036】
図5に示す開状態において、ヒンジ6を挟んで第1ハンドル部材3の先端側開閉面3sfと、第2ハンドル部材4の先端側開閉面4sfとによって構成される最大開放角度は70度である。最大開放角度を70度に設定したことによって、術者が第2ハンドル部材4を親指以外の4本の指で把持した状態において、第1ハンドル部材3に親指をあてがった際、第1ハンドル部材3はスムーズに閉方向に移動される。言い換えれば、第1ハンドル部材3に親指をあてがった際、第1ハンドル部材3が閉方向とは逆方向に移動されることを防止している。
【0037】
なお、本実施形態においては最大開放角度を70度に設定しているが、最大開放角度が90度以内であれば、上述のように第1ハンドル部材3に親指をあてがった際、第1ハンドル部材3の最大開放角度がその角度よりも大きくなる方向に移動することを防止することができる。
【0038】
図5乃至図8に示すように第1ハンドル部材3の開閉面部3sには第1ハンドル部材3の長手軸に沿って挿入部押圧用溝(以下、押圧溝と記載)3aが形成されている。一方、第2ハンドル部材4の開閉面部4sには第2ハンドル部材4の長手軸に沿って挿入部摺動配置用溝(以下、摺動溝と記載する)4aが形成されている。
【0039】
押圧溝3aは、可撓管部11cの外周面に当接して押圧する第1の当接面を構成する弾性部材9が配設される平面3bを備えている。弾性部材9は、可撓管部11cの外周面に当接する平面9aを備え、例えば接着によって押圧溝3aの平面3bに一体的に取り付けられる。
【0040】
弾性部材9の平面3bは、第2ハンドル部材4の平面4b、4cより弾性力を有している。したがって、弾性部材9の平面3bを可撓管部11cに当接させたときの保持力は、平面4b、平面4cを可撓管部11cに当接させたときの保持力より大きい。弾性部材9の幅寸法w、厚み寸法tは、挿入部保持孔8に配置される可撓管部11cの外径寸法を考慮して設定される。長さ寸法は後述する逃がし部8f、8rを考慮して設定される。
【0041】
一方、摺動溝4aは、可撓管部11cの外周面に当接する第2の当接面を構成する平面4bと第3の当接面を構成する平面4cとを備えている。平面4b、4cは可撓管部11cを押圧して保持する押圧面と、可撓管部11cが配置される挿入部配置面とを兼ねている。
【0042】
図7に示すように第1ハンドル部材3の備える先端側開閉面3sfと第2ハンドル部材4の先端側開閉面4sfとが当接した閉状態において、第1平面4bの平面3bに対する傾斜角度は角度θであって、第2平面4cの平面3bに対する傾斜角度も角度θに構成されている。
【0043】
そして、第1ハンドル部材3の開閉面部3sと第2ハンドル部材4の開閉面部4sとが当接した閉状態において、補助装置2には図7乃至図9に示すように押圧溝3aと摺動溝4aとによって、可撓管部11cが配置される長手方向に細長な挿入部保持孔8が構成される。
【0044】
この閉状態において、摺動溝4aに実線に示す可撓管部11c、或いは破線に示す可撓管部11Cが配置されていた場合、図10に示すように摺動溝4aを構成する平面4b、4cに加えて、弾性部材9の平面9aが可撓管部11c、11Cの外周面に当接する。このことによって、可撓管部11c、11Cは、挿入部保持孔8に備えられた平面9aが当接する第1の当接面と、平面4bが当接する第2の当接面と、平面4cが当接する第3の当接面との三面で、いわゆる三点支持される。
【0045】
つまり、本実施形態の挿入部保持孔8においては、平面9a、平面4b、4cの三面を挿入部11の外周面に当接させて保持する構成であり、弾性部材9の厚み寸法t、或いは平面4b、4cの平面3bに対する傾斜角度を適宜設定して、異なる外径寸法の挿入部であってもバランスよく保持することを可能にしている。
【0046】
なお、挿入部保持孔8に、先端側逃がし部8f及び基端側逃がし部8rを設けて、補助装置2で可撓管部11cを保持している状態において、補助装置2が可撓管部11cに食い付くことによって傷付けられる等の不具合が発生することを防止している。
【0047】
先端側逃がし部8fは、食い付きを防止する一方で、先端側逃がし部8fから延出されている可撓管部11cが補助装置2の挿入部保持孔8に対して位置ずれすることを防止する構成になっている。これに対して、基端側逃がし部8rは、食い付きを防止する一方で、基端側逃がし部8rより後方側に配置された可撓性を有する可撓管部11cの湾曲性が損なわれることを防止する構成になっている。
【0048】
具体的に、図9に示すように先端側逃がし部8f及び基端側逃がし部8rは、第1ハンドル部材3に形成された傾斜面3iと第2ハンドル部材4に形成された傾斜面4iとで構成される。先端側逃がし部8f及び基端側逃がし部8rを構成する傾斜面3i、4iは、傾斜角度を例えば同一に設定して、長手方向の長さを変化させている。先端側逃がし部8fの長さL1を、基端側逃がし部8rの長さL2より短く設定して、先端側逃がし部8fから延出する可撓管部11cのぶれを防止している。
【0049】
図5、図6及び図9に示すように第2ハンドル部材4の開閉面部4sには先端側開閉面4sfより突出した凸部4dが設けられている。凸部4dは、開閉面部4sの基端側であって摺動溝4aを挟んで一方側である一側面側に出っ張って形成されている。これに対して、第1ハンドル部材3の開閉面部3sには凸部4dが配置される凹部3cが形成されている。凹部3cは、先端側開閉面3sfより基端側の押圧溝3aを挟んで一方側である一側面側に凹んで形成されている。
【0050】
凸部4dを第2ハンドル部材4の基端側の所定位置に設けたことによって、図10に示すように第1ハンドル部材3の先端側開閉面3sfと第2ハンドル部材4の先端側開閉面4sfとが最大に開放した開状態においても、摺動溝4aの平面4b、4c上に配置されている可撓管部11cが、この摺動溝4aから脱落することを防止することができる。
【0051】
図1乃至図4に示すように第1ハンドル部材3は、開閉面部3sに対設する一面部である図中の上面に段差部3dを備えている。段差部3dは、先端側であって、段差の低い面を構成する先端面3flと、基端側。段差の高い面を構成する基端面3rhとを備えて構成されている。
【0052】
先端面3flは、先端側開閉面3sfに平行な平面であって、術者が補助装置2を把持して挿入部11を操作するとき、術者の親指の腹部分がこの先端面3fl上に配置される。一方、基端面3rhは、先端面3flに対して傾斜した傾斜面であって、基端に向かうにしたがって高さが徐々に低くなるように構成されている。基端面3rh上には、術者が補助装置2を把持して挿入部11を操作するとき、術者の親指の根本付近とその近傍の手の平部分とが配置される。
【0053】
なお、先端面3flと基端面3rhの段差部分は術者の把持性及び操作性を考慮して傾斜面として構成され、先端面3fl、基端面3rhの稜線部分は術者の把持性及び操作性を考慮して曲面として構成されている。
【0054】
一方、第2ハンドル部材4は、開閉面部4sに対設する他面部である図中の下面に隆起部4eを備えている。隆起部4eは、第2ハンドル部材4の下面、中途部に設けられている。したがって、第2ハンドル部材4の下面は、隆起部4eを挟んで先端側に位置する一端面である先端面4fと基端側に位置する他端面である基端面4rとに分断されている。
【0055】
隆起部4eから先端面4fにかけては、第1ハンドル部材3の基端面3rhの傾斜を考慮した隆起傾斜面4gとして構成されている。この隆起傾斜面4gには、術者が補助装置2を把持して挿入部11を操作するとき、術者の人差し指が配置される。
【0056】
隆起部4eから基端面4rにかけては術者の把持性及び操作性を考慮して傾斜面4hとして構成されている。術者が補助装置2を把持して挿入部11を操作するとき、術者の中指は、傾斜面4h及び基端面4rに配置され、薬指及び小指は基端面4r側に配置される。なお、第2ハンドル部材4の先端面4f、隆起部4e及び基端面4rの稜線は、術者の把持性及び操作性を考慮して曲面として構成されている。
【0057】
前記固定レバー7は、第1ハンド部材3と第2ハンドル部材4とを閉状態にしたとき、その閉状態を保持するロック機構部であって、本実施形態においては細長な摺動部材として構成され、図6に示すように先端側に突起部として形成した摘み7aを備え、基端側に後述する係止凹部4daに配置される係止部7bを備えている。固定レバー7は、取付板7cを第1ハンドル部材3の一側面に例えばネジ92によって固設することによって、第1ハンドル部材3の所定位置に摺動自在に配置される構成になっている。
【0058】
固定レバー7の摺動軸と第1ハンドル部材3の長手軸とは略平行である。言い換えれば、固定レバー7の摺動方向と、挿入部保持孔8内に配置された可撓管部11cの軸方向とが一致している。したがって、摘み7aを図2、図3に示す開放位置から図6に示す固定位置に移動させることによって、固定レバー7の係止部7bが取付板端面7dから突出される。
【0059】
この構成によれば、固定レバー7の係止部7bが突出されたとき、可撓管部11cを係止部7bと第2ハンドル部材4との間に挟んで、可撓管部11cの表面に傷を付ける等の不具合を防止することができる。
【0060】
図5、図6に示すように第2ハンドル部材4に設けられている凸部4dの先端面側には、取付板端面7dから突出する係止部7bが配置されるロック機構部を構成する係止凹部4daが形成されている。図7、図8等に示すように第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とが閉状態において、固定レバー7が図2、図3に示す開放位置から図6に示す固定位置に移動されることによって、固定レバー7の係止部7bが取付板端面7dから突出した後、係止凹部4da内に配置される。すると、閉状態の第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とは、ヒンジ6の有するバネの付勢力によって開状態にされることなく、閉状態で保持される。
【0061】
スイッチ5は、ケース5bの一面である図中上面5uから鉛直して突出する操作レバー5aを備えている。ケース5bは、固定板5cを介して第1ハンドル部材3の一側面に並設される。固定板5cは、例えばネジ93によって、第1ハンドル部材3に螺合される。第1ハンドル部材3に並設されたスイッチ5は、操作レバー5aの操作性を考慮して、上面5uの先端側より基端側が高くなるように傾斜している。また、操作レバー5aの先端面である上面の高さは、先端面3flと略同じ高さに設定している。
【0062】
本実施形態のスイッチ5は、例えば術者によって操作レバー5aが所定の方向に傾倒されることによって、処置具50の処置部51の開閉操作、或いはシース52の進退操作を行える。
【0063】
なお、スイッチ5は、固定板5cをネジ93によって第1ハンドル部材3に螺合することによって並設されるとしているが、スイッチ5を第1ハンドル部材3に例えば接着等によって一体的に固設するようにしてもよい。また、第1ハンドル部材3の先端面3flには例えば傾倒操作方向を指示する図11に示す指標90が配される。
【0064】
具体的に、本実施形態において、術者が例えば、操作レバー5aを指標90のF方向に傾倒することによって、処置具50のシース52を前進させることができる。その逆に、術者が、操作レバー5aを指標90のB方向に傾倒することによって、処置具50のシース52を後退させることができる。
【0065】
一方、術者が、操作レバー5aを指標90のO方向に傾倒することによって、処置具50の処置部51を開くことができる。その逆に、術者が、操作レバー5aを指標90のC方向に傾倒することによって、処置具50の処置部51を閉じることができる。
【0066】
即ち、スイッチ5は、操作レバー5aが指標90のF方向或いはB方向に傾倒されると、信号ケーブル5dを介して、制御装置20に指示信号を出力する。すると、その指示信号を受けた制御装置20では、処置具電動進退装置40に電気ケーブル40aを介して、電力を供給すると共に、処置具電動進退装置40内のモータを所定の方向に回動させる。そして、モータの回動に伴って、駆動側ローラ42が回転することによって、2つのローラ42、43に挟持されていた処置具50のシース52が内視鏡10の処置具チャンネル内で前進、後退する。
【0067】
その結果、術者は、スイッチ5の操作レバー5aを指標90のF方向、或いはB方向へ傾倒させることによって、処置具50の処置部51を挿入部11を介して体腔内へ導出させる操作、或いは体腔内から処置具50を抜去する操作を行うことができる。
【0068】
一方、スイッチ5は、操作レバー5aが指標90のO方向或いはC方向に傾倒されると、信号ケーブル5dを介して、制御装置20に指示信号を出力する。すると、その指示信号を受けた制御装置20では、処置具電動開閉装置30に電気ケーブル30aを介して、電力を供給すると共に、処置具電動開閉装置30内のモータ35を所定の方向に回動させる。すると、モータ35の回動に伴って、ラック34が移動されることによって、スライダ押さえ部33によって保持されている処置具50のスライダ55がハンドル部53の軸に沿って進退される。すると、処置具50の操作ワイヤが牽引、或いは弛緩されて、処置具50の処置部51が開動作、或いは閉動作する。
【0069】
その結果、術者は、スイッチ5の操作レバー5aの指標90のO方向、或いはC方向への傾倒させることによって、処置具50の処置部51を開閉する操作を行うことができる。
【0070】
上述のように構成した補助装置2の作用を説明する。
図1に示す内視鏡システム1を使用するに当たってスタッフは、補助装置2を用意しておく。補助装置2は、予め、挿入部11の可撓管部11cの任意の位置に配置しておくようにしても、術中に術者が可撓管部11cに配置するようにしてもよい。
【0071】
例えば、補助装置2を予め可撓管部11cに配置しておく場合、スタッフは、図6に示すように補助装置2を構成する第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とを開状態にして、第2ハンドル部材4の摺動溝4aに可撓管部11cを配置し、その後、第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とを閉状態にして、固定レバー7の摘み7aを固定位置に移動させておく。
【0072】
術者は、体腔内のポリープなどの病変部位に向けて挿入部11を挿入する際、補助装置2を可撓管部11cに配置する。或いは、予め、可撓管部11cに固定されている補助装置2を使用する。可撓管部11cに固定されている補助装置2を使用する場合、術者は、図2、3に示すようにハンドル部材3、4を把持する。そして、術者は、固定位置に配置されている固定レバー7の摘み7aを開放位置に移動する。
【0073】
術者が把持する補助装置2の第1ハンドル部材3は、ヒンジ6の有するバネの付勢力によって常時、開状態に変化可能な状態になる。言い換えれば、術者は、ヒンジ6の有するバネの付勢力に抗して第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とを把持している。
【0074】
したがって、術者が第1ハンドル部材3と第2ハンドル部材4とを把持する力量を適宜変化させることによって、補助装置2は可撓管部11cに対してスムーズに移動する状態、或いは、補助装置2と可撓管部11cとが強固に一体になった状態等に変化する。
【0075】
具体的には、補助装置2を軽く把持して、ヒンジ6有するバネの付勢力によって第1ハンドル部材3に備えられている弾性部材9の平面9aが可撓管部11cから浮いた状態に調整することによって、補助装置2が可撓管部11cに対してスムーズに移動する状態を得られる。
【0076】
一方、補助装置2を強く把持して、弾性部材9の平面9aと、摺動溝4aを構成する平面4b、4cとの三面を可撓管部11cの外周面に当接させることによって、補助装置2と可撓管部11cとを強固に一体にした状態を得られる。このことは、術者が、自らの手で直接、可撓管部11cを把持して、可撓管部11cを握る力を変化させるときと同様である。
【0077】
術者は、内視鏡画像を見ながら、補助装置2を把持する力量を適宜変化させて、補助装置2で可撓管部11cを保持して挿入部11を挿入する操作と、補助装置2の可撓管部11cに対する位置を変える操作とを繰り返し行う。このことによって、挿入部11は、体腔内に挿入されていく。
【0078】
そして、内視鏡画像に病変部位が表示されたなら、術者は、親指だけを移動させて補助装置2に備えられているスイッチ5の操作レバー5aを、適宜、傾倒操作する。すると、操作レバー5aの傾倒操作に伴って、シース52の進退操作、と処置部51の開閉操作とが行われ、例えば組織の採取が行われる。
【0079】
組織採取後、挿入部11を体腔内から抜去する。その際、例えば補助装置2を使用して挿入部11の抜去を行う。
なお、補助装置2を使用することなく挿入部11を抜去する場合には、補助装置2を挿入部11から取り外す、或いは補助装置2を挿入部11の基端側の所望の位置に移動させた後、固定レバー7の摘み7aを開放位置から固定位置に移動させて補助装置2を可撓管部11cに固定しておく。
【0080】
このように、本実施形態の補助装置2によれば、術者が挿入部11を直接、手で把持した場合と同様に挿入部11の捩り操作、及び挿入、抜去の操作を行うことができる。
また、補助装置2の外径が可撓管部11cの外径より太径であるので、可撓管部11cを直接、手で把持する場合の力量より小さな力量で、挿入部11の捩り操作等を行うことができる。
【0081】
また、補助装置2を構成する第1ハンドル部材3に段差部3dを設け、第2ハンドル部材4に隆起部4eを設けているので、術者が、図2に示すように補助装置2を把持したとき、図3の矢印に示すように把持する術者の手指からの力が第1ハンドル部材3及び第2ハンドル部材4に効率よく伝達されて、補助装置2によって可撓管部11cを確実に把持することができる。
【0082】
また、補助装置2に段差部3d及び隆起部4eを設けたことによって、補助装置2で可撓管部11cを保持して挿入部11を体腔内に挿入するとき、補助装置2を把持する手指が滑ることが段差部3d又は隆起部4eによって防止される。したがって、挿入部11の挿入、抜去及び捩り操作を安定した状態で確実に行うことができる。
【0083】
さらに、補助装置2に設けられた固定レバー7の摘み7aを術者が適宜、開放位置、或いは固定位置に移動することによって、補助装置2が挿入部11に対して移動自在な状態と、挿入部11に固定された状態とを選択的に得ることができる。
【0084】
また、挿入部保持孔8に設けた三つの面9a、4b、4cを可撓管部11cの外周面に当接させて保持する構成において、開閉部材である第1ハンドル部材3に保持力が大きな弾性部材9を設けている。このため、第1ハンドル部材3の弾性部材9を浮かせた状態に調整することによって、補助装置2を可撓管部11cに対して容易かつスムーズに移動することができる。
【0085】
また、第2ハンドル部材4の基端側に凸部4dを設けたことによって、第1ハンドル部材3の弾性部材9を浮かせた状態にして補助装置2を挿入部11に対して移動させるとき、補助装置2が挿入部11から脱落することを防止することができる。そして、補助装置2を挿入部11に対して移動させるとき、凸部4dを可撓管部11cに接触させることにより、補助装置2を可撓管部11cに対してよりスムーズに移動させることができる。
【0086】
さらに、第1ハンドル部材3にスイッチ5を並設させたことによって、補助装置2を開状態にしたとき、スイッチ5が第1ハンドル部材3と共に第2ハンドル部材4から離間されるので、第2ハンドル部材4に備えられている摺動溝4aに挿入部11を容易に配置することができる。
【0087】
また、第1ハンドル部材3にスイッチ5を並設させ、かつ操作レバー5aの先端面の高さを、第1ハンドル部材3の先端面3flと同じ高さに設定したことによって、補助装置2を強固に把持した状態。も、補助装置2を把持する状態を変えることなく、親指を僅かに横方向にずらすだけで、操作レバー5aの操作を行うことができる。したがって、補助装置2を把持する動作と、操作レバー5aを操作する動作との移行がよりスムーズになる。
【0088】
また、操作レバー5aの先端面の高さが、第1ハンドル部材3の先端面3flと同じ高さであるため、補助装置2を用いて挿入部11を挿入する操作を行っているときに、親指が誤って操作レバー5aの側部に接触する不具合を防止することができる。
【0089】
また、第1ハンドル部材3に並設されるスイッチ5を、先端側より基端側が高くなるように傾斜させたことによって、操作レバー5aの前後方向への操作性を向上させることができる。
【0090】
これらのことによって、操作レバー5aの誤操作が防止される。
【0091】
なお、本実施形態においては、スイッチ5が第1ハンドル部材3に並設されるとしているが、スイッチ5を第1ハンドル部材3から取り外した補助装置2であってもよい。そして、スイッチ5を第1ハンドル部材3から取り外したとき、そのスイッチ5を例えば操作部12に取り付けるようにしてもよい。
【0092】
また、本実施形態においては連結部材をヒンジ6としているが、連結部はヒンジに限定されるものではなく、図12乃至図15に示すように補助装置102を構成するようにしてもよい。
【0093】
図12乃至図15は連結部材を摺動部材で構成した補助装置の構成を説明する図であって、図12は連結部を摺動部材で構成した内視鏡用操作補助装置の構成を説明する分解斜視図、図13は図12の部材で構成される開状態の内視鏡用操作補助装置を説明する斜視図、図14は図13の内視鏡用操作補助装置を基端側から見たときの図、図15は閉状態開状態の内視鏡用操作補助装置を基端側から見たときの図である。
なお、上述した実施形態と同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0094】
補助装置102は、内視鏡10の挿入部11、特に可撓管部11cに着脱自在に配置可能であり、第1ハンドル部材103及び第2ハンドル部材104と、連結部を構成する摺動部材と回動部材とを兼ねる所定湾曲形状の摺動板105、摺動板押さえ板(以下、押さえ板と略記する)106及び付勢バネ107を備えて構成されている。
【0095】
押さえ板106は、付勢バネ107が配設されるバネ用空間108、一対の突起109及び一対のネジ100がそれぞれ配置される座ぐり穴110を備えている。
【0096】
第2ハンドル部材104は、摺動板105が配設される摺動板配置部111、一対のネジ100がそれぞれ螺合するネジ孔112及び一対の突起109がそれぞれ配置される穴113を備えている。
【0097】
摺動板105は、押さえ板106の一対の突起109がそれぞれ通過して配置される長孔114と、一対のネジ101がそれぞれ螺合するネジ孔115とを備えている。
【0098】
第1ハンドル部材103は、一対のネジ101がそれぞれ配置される座ぐり穴116を備えている。
【0099】
補助装置102を構成するに当たって、まず、押さえ板106のバネ用空間108に付勢バネ107を配設すると共に、押さえ板106の一対の突起109に摺動板105の長孔114を配置する。その後、摺動板105を摺動板配置部111に所定状態に配置して、一対の突起109を第2ハンドル部材104の穴113内に配置する。そして、一対のネジ100をそれぞれの座ぐり穴110を介してネジ孔112に螺合する。
【0100】
このことによって、摺動板105は、第2ハンドル部材104と押さえ板106とで構成される第1ハンドル部材103側に開口を備える空間内に長孔114の分だけ摺動自在に配置される。
【0101】
次に、摺動板105と第1ハンドル部材103とを一対のネジ101で固定する。このとき、摺動板105を摺動させて、この摺動板105を前記空間の開口から所定量突出させた状態にして、摺動板105を第1ハンドル部材103の内面に所定状態に配置する。その後、一対のネジ101を第1ハンドル部材103のそれぞれの座ぐり穴116内に配置して、このネジ101を摺動板105に設けられているそれぞれのネジ孔115に螺合する。このことによって、第1ハンドル部材103と摺動板105とが一体的に固定される。
【0102】
すると、図13、図14に示す補助装置102が構成される。補助装置102を構成する第1ハンドル部材103は、押さえ板106のバネ用空間108に配設されている付勢バネ107の付勢力によって、摺動板105に形成されている長孔114の長さ分だけ移動されて、第1ハンドル部材103と第2ハンドル部材104とが離間した開状態になる。
【0103】
そして、本実施形態の補助装置102においても、前記実施形態と同様に例えば術者が第2ハンドル部材104を把持した状態で、第1ハンドル部材103に親指をあてがうことによって、第1ハンドル部材103の開閉面117と第2ハンドル部材104の開閉面118とが当接する方向に移動する。すると、第1ハンドル部材103の移動に伴って、空間から突出していた摺動板105が図15に示すように空間内に収納されて、補助装置102が閉状態になる。
【0104】
閉状態の補助装置102から例えば、親指を離すことによって、付勢バネ107の付勢力によって第1ハンドル部材103と共に摺動板105が湾曲形状に沿って移動されて、再び、第1ハンドル部材103と第2ハンドル部材104とが離間した開状態になる。
【0105】
このように、連結部を、長孔114とネジ孔115とを備え第1ハンドル部材103に一端側が固定される湾曲形状の摺動板105と、摺動板105を第2ハンドル部材104に対して摺動自在に取り付ける長孔114に挿通する突起109を備える押さえ板106と、第1ハンドル部材103を付勢する押さえ板106に配設される付勢バネ107とで構成している。このことによって、補助装置102は、第1ハンドル部材103の開閉面117と第2ハンドル部材104の開閉面118とが離間して開状態となる開閉自在な補助装置102を構成することができる。
【0106】
この補助装置102では、第1ハンドル部材103と第2ハンドル部材104とが摺動板105の湾曲形状に沿って、回転移動のみならず、直線的に移動され、閉状態から開状態、或いは開状態から閉状態に変化する。そのため、最大開放角度を例えば45度以下に設定して、挿入部11を摺動溝4aに配置することができる。
【0107】
このことによって、第1ハンドル部材103に親指をあてがった際、第1ハンドル部材103の最大開放角度がその角度よりも大きくなる方向に移動することをより確実に防止することができる。
【0108】
その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】内視鏡用操作補助装置を備える内視鏡システムの構成を示す図
【図2】術者が内視鏡用操作補助装置を把持して、挿入部保持孔に配置された挿入部を操作している状態を説明する斜視図
【図3】図2の状態における内視鏡用操作補助装置を説明する側面図
【図4】内視鏡用操作補助装置を構成する第1のハンドル部材と第2のハンドル部材とヒンジとを説明する図
【図5】ヒンジの備えるスプリングの付勢力によって、開状態の内視鏡用操作補助装置を説明する正面図
【図6】開状態の内視鏡用操作補助装置を説明する斜視図
【図7】閉状態の内視鏡用操作補助装置を先端側から見たときの図
【図8】閉状態の内視鏡用操作補助装置を基端側から見たときの図
【図9】図7のIX−IX線断面図
【図10】摺動溝に配置された挿入部と、摺動溝に配置された挿入部に弾性部材の平面が当接した状態とを説明する図
【図11】指標を説明する図
【図12】連結部を摺動部材で構成した内視鏡用操作補助装置の構成を説明する分解斜視図
【図13】図12の部材で構成される開状態の内視鏡用操作補助装置を説明する斜視図
【図14】図13の内視鏡用操作補助装置を基端側から見たときの図
【図15】閉状態開状態の内視鏡用操作補助装置を基端側から見たときの図
【符号の説明】
【0110】
1…内視鏡システム 2…内視鏡用操作補助装置 3…第1ハンドル部材
3a…押圧溝 3b…平面 3c…凹部 3d…段差部 3fl…先端面
3i…傾斜面 3rh…基端面 3s…開閉面部 3sf…先端側開閉面
4…第2ハンドル部材 4a…摺動溝 4b…平面 4c…平面 4d…凸部
4da…係止凹部 4e…隆起部 4f…先端面 4g…隆起傾斜面
4h…傾斜面 4i…傾斜面 4r…基端面 4s…開閉面部
4sf…先端側開閉面 5…スイッチ 5a…操作レバー 5b…ケース
5c…固定板 5d…信号ケーブル 5u…上面 6…ヒンジ 7…固定レバー
7b…係止部 7c…取付板 7d…取付板端面 8…挿入部保持孔
8f…先端側逃がし部 8r…基端側逃がし部 9…弾性部材 9a…平面
【出願人】 【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
【出願日】 平成20年3月19日(2008.3.19)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進


【公開番号】 特開2008−264517(P2008−264517A)
【公開日】 平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願番号】 特願2008−72269(P2008−72269)