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【発明の名称】 磁気共鳴イメージング装置,送信感度分布計測装置および送信感度分布計測方法
【発明者】 【氏名】椛沢 宏之

【要約】 【課題】送信感度分布を高精度に計測可能であって、画像品質を向上できる。

【構成】フリップアングルが段階的に変化するように、RF送信コイルからRFパルスを送信させることによって、参照スキャンを、複数、実施後、その実施された複数の参照スキャンのそれぞれに対応するように、参照スキャン画像を複数画像再構成する。そして、その再構成された複数の参照スキャン画像の間において参照スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、その推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出した後に、その補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、その算出された周波数スペクトラムに基づいて送信感度分布を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静磁場空間においてRF送信コイルが被検体の撮影領域へRFパルスを送信し、前記RFパルスが送信された前記撮影領域にて発生する磁気共鳴信号を得るスキャンを実施した後に、前記スキャンの実施によって得られた磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域についての画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記スキャンとして、本スキャンと参照スキャンとを実施するスキャン部と、
前記スキャン部が前記本スキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の本スキャン画像を再構成すると共に、前記スキャン部が前記参照スキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の参照スキャン画像を再構成する画像再構成部と、
前記画像再構成部にて再構成された参照画像に基づいて、前記送信感度分布を生成する送信感度分布生成部と、
前記送信感度分布生成部によって生成された送信感度分布を用いて、前記画像再構成部によって生成された本スキャン画像を補正する画像補正部と
を有し、
前記スキャン部は、フリップアングルが段階的に変化するように、前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信させることによって、複数の前記参照スキャンを実施し、
前記画像再構成部は、前記スキャン部によって順次実施された複数の参照スキャンのそれぞれに対応するように、複数の前記参照スキャン画像を画像再構成し、
前記送信感度分布生成部は、前記画像再構成部によって再構成された複数の参照スキャン画像の間において前記参照スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、前記推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出した後に、前記補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、前記算出された周波数スペクトラムに基づいて前記送信感度分布を生成する
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記画像再構成部は、実画像または虚画像を、前記参照スキャン画像として画像再構成する
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記画像を画面に表示する表示部
を有し、
前記表示部は、前記送信感度分布生成部によって生成された送信感度分布を前記画面に表示する
請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記画像補正部によって補正された前記本スキャン画像を表示する
請求項1から3のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
静磁場空間において被検体の撮影領域にRFパルスを送信することによって前記撮影領域において磁気共鳴信号を生じさせるRF送信コイルの送信感度分布を計測する送信感度分布計測装置であって、
前記RF送信コイルから前記撮影領域に前記RFパルスを送信するスキャンが実施されることによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の画像を再構成する画像再構成部と、
前記画像再構成部にて再構成された画像に基づいて、前記送信感度分布を生成する送信感度分布生成部と
を有し、
前記画像再構成部は、フリップアングルが段階的に変化するように前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信することによって、複数回、順次実施された前記スキャンのそれぞれに対応するように、複数の前記画像を画像再構成し、
前記送信感度分布生成部は、前記画像再構成部にて再構成された複数の画像の間において前記スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、前記推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出した後に、前記補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、前記算出された周波数スペクトラムに基づいて前記送信感度分布を生成する
送信感度分布計測装置。
【請求項6】
前記画像再構成部は、実画像または虚画像を、前記画像として画像再構成する
請求項5に記載の送信感度分布計測装置。
【請求項7】
前記画像を画面に表示する表示部
を有し、
前記表示部は、前記送信感度分布生成部によって生成された送信感度分布を前記画面に表示する
請求項5または6に記載の送信感度分布計測装置。
【請求項8】
静磁場空間において被検体の撮影領域にRFパルスを送信することによって前記撮影領域において磁気共鳴信号を生じさせるRF送信コイルの送信感度分布を計測する送信感度分布計測方法であって、
前記撮影領域に前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信するスキャンが実施されることによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の画像を再構成する画像再構成ステップと、
前記画像再構成ステップにて再構成された画像に基づいて、前記送信感度分布を生成する送信感度分布生成ステップと
を有し、
前記画像再構成ステップにおいては、フリップアングルが段階的に変化するように前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信することによって、複数回、順次実施された前記スキャンのそれぞれに対応するように、複数の前記画像を画像再構成し、
前記送信感度分布生成ステップにおいては、前記画像再構成ステップにて再構成された複数の画像の間において前記スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、前記推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出した後に、前記補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、前記算出された周波数スペクトラムに基づいて前記送信感度分布を生成する
送信感度分布計測方法。
【請求項9】
前記画像再構成ステップにおいては、実画像または虚画像を、前記画像として画像再構成する
請求項8に記載の送信感度分布計測方法。
【請求項10】
前記画像を画面に表示する表示ステップ
を有し、
前記表示ステップにおいては、前記送信感度分布生成ステップにて生成された送信感度分布を前記画面に表示する
請求項8または9に記載の送信感度分布計測方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置,送信感度分布計測装置および送信感度分布計測方法に関する。特に、静磁場空間において被検体の撮影領域にRFパルスを送信することによって、その撮影領域において磁気共鳴信号を生じさせるRF送信コイルの送信感度分布を計測する送信感度分布計測装置,送信感度分布計測方法に関すると共に、その生成された送信感度分布を用いて本スキャン画像を補正する磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)現象を用いて、被検体の断層面についての画像を撮影する装置として、特に、医療用途において多く利用されている。
【0003】
磁気共鳴イメージング装置においては、静磁場空間内に被検体の撮影領域を収容することによって、その撮影領域のプロトン(proton)のスピンを、その静磁場の方向へ整列させ、磁化ベクトルを発生させる。そして、共鳴周波数のRFパルスを照射することによって、核磁気共鳴現象を発生させることにより、スピンをフリップさせ、そのプロトンの磁化ベクトルを変化させる。その後、磁気共鳴イメージング装置は、そのプロトンが元の磁化ベクトルの状態に戻る際に生成される磁気共鳴(MR)信号を受信し、その受信された磁気共鳴信号に基づいて、撮影領域についての断層画像などの画像を生成する。
【0004】
この磁気共鳴イメージング装置において磁気共鳴信号を受信するRF受信コイルとして、フェーズドアレイコイル(phased array coil)などの表面コイルが多く利用されている。しかし、この表面コイルは、その被検体内の磁気共鳴信号の発生源との距離が離れるに伴って、受信する感度が低下する特性を有しており、撮影領域全体での感度分布が空間的に均一でない。このため、表面コイルによって受信された磁気共鳴信号に基づいて生成される画像は、アーチファクトが発生して、画像品質が低下する場合がある。
【0005】
このため、このような表面コイルの受信感度不均一性に起因する不具合に対応するために、受信感度分布を用いて、その画像を補正処理している。具体的には、本スキャンの他に参照スキャンを実施することによって参照画像を取得し、その参照画像を用いて表面コイルの撮影領域における受信感度分布を計測する。その後、その計測された受信感度分布を用いて、本スキャンによって生成される本スキャン画像を補正する(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、被検体の撮影領域を撮影する際においては、ボディコイル(body coil)などのRF送信コイルがRFパルスを送信することによって形成される高周波磁場が、誘電率効果によって不均一になる場合があるために、上記の受信感度分布を用いて、本スキャン画像を補正した場合であっても、アーチファクトの除去が十分にできない場合がある。つまり、送信感度分布が空間的に均一でないことに起因して、本スキャン画像の画像品質を向上することが困難な場合がある。具体的には、画像のコントラストが低下する場合などの不具合が発生する場合がある。特に、磁場強度が3テスラ以上である高い静磁場空間においては、このような不具合が顕著に発生する。
【0007】
そこで、送信感度分布を計測し、その計測した送信感度分布を用いて本スキャン画像を補正している。たとえば、ダブルフリップアングル(Double flip angle)法によって、この送信感度分布を計測する。具体的には、互いに異なるフリップアングルで複数の参照スキャンを実施し、それぞれの参照スキャンにて得られた参照画像を用いて送信感度分布を計測する。その後、本スキャン画像を、その送信感度分布で補正処理することによって、アーチファクトが発生することを抑制している(たとえば、非特許文献1,非特許文献2参照)。
【0008】
また、複数の参照スキャンをフリップアングルが段階的に変化するように実施し、その複数の参照スキャンのそれぞれに対応するように、参照スキャン画像を複数再構成した後に、その複数の参照スキャン画像に基づいて、送信感度分布を生成する方法が提案されている(非特許文献3)。
【0009】
ここでは、たとえば、この参照スキャンのそれぞれにおいては、スライス選択勾配磁場を伴なわずに、矩形状のRFパルスを、振幅一定として印加時間を変化させることによって、段階的に増加させる。そして、スポイラー勾配磁場を、そのRFパルスの送信後に印加する。
【0010】
この後、その再構成した複数の参照スキャン画像の間において参照スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データを、高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出する。そして、この後、その算出された周波数スペクトラムに基づいて、送信感度分布を生成している。
【0011】
この方法は、上記のダブルフリップアングル法よりも、高精度であって高速に送信感度分布を計測することが容易にできる。
【0012】
【特許文献1】特開2005−177240号公報
【非特許文献1】ヒロアキ・ミハラ他(Hiroaki Mihara et.al.),ア・メソッド・オブ・アールエフ・インホモゲネイディ・コレクション・イン・エムアール・イメージング(A method of RF inhomogeneity correction in MR imaging),マグネティック・レゾナンス・マテリアルズ・イン・フィジックス・バイオロジー・アンド・メディシン・7(Magnetic Resonance Materials in Physics, Biology and Medicine 7),米国,1998,p.115−120
【非特許文献2】Jinghua Wang et.al.,イン・ビボ・メソッド・フォー・コレクティング・トランスミット/レシーブ・ノンユニフォーミニティ・ウィズ・フェーズド・アレイ・コイル(In vivo method for correcting transmit/receive nonuniformities with phased array coils),マグネティック・レゾナンス・イン・メディシン・53(Magnetic Resonance in Medicine 53),米国,2005,p.666−674
【非特許文献3】E.De Vita et.al.,ファスト・ビーワン・マッピング・ウィズ・エーピーアイ(Fast B1 Mapping with EPI),マグネティック・レゾナンス・イン・メディシン・11(Magnetic Resonance in Medicine 11),米国,2004,p.2090
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、この方法では、複数の参照スキャンにおいて、フリップアングルが段階的に変化するようにRFパルスを送信させているために、各RFパルスから磁気共鳴信号を収集するまでの時間が異なっているため、その参照スキャン画像においては、T1緩和の影響を受けてしまう場合がある。
【0014】
図10は、再構成した複数(n枚)の参照スキャン画像の間において、複数回(n回)の参照スキャンの実施に対応して推移する画素値P(r)の推移データSr(n)と、その推移データSr(n)を高速フーリエ変換した周波数スペクトラムデータSp(r)とを示す図である。図10においては、図10(A)は、参照スキャン画像がT1緩和の影響を受けていない場合を示し、図10(B)は、参照スキャン画像がT1緩和の影響を受けている場合を示している。そして、図10の左側において示す推移データSr(n)のグラフについては、横軸が、フリップアングルが段階的に変化するように実施された参照スキャンの実施回数nであり、縦軸が、その参照スキャンにおいて得られた参照画像において所定の空間位置rに位置する画素の画素値P(r)である。
【0015】
図10に示すように、参照スキャン画像がT1緩和の影響を受けている場合(図10(B)には、受けない場合(図10(A))に対して、その推移データSr(n)はベースラインがシフトしている。この場合には、図10(B)に示すように、このシフトにより、高速フーリエ変換後のデータには、見かけ上、DC成分が発生してしまう。このため、RFパルスによる変調成分の検出が困難になり、送信感度分布を高精度に計測することが困難になる場合があった。そして、これに伴って、画像品質を向上させることが困難な場合があった。
【0016】
したがって、本発明の目的は、送信感度分布を高精度に計測可能であって、画像品質を向上できる磁気共鳴イメージング装置,送信感度分布計測装置および送信感度分布計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的の達成のために本発明の磁気共鳴イメージング装置は、静磁場空間においてRF送信コイルが被検体の撮影領域へRFパルスを送信し、前記RFパルスが送信された前記撮影領域にて発生する磁気共鳴信号を得るスキャンを実施した後に、前記スキャンの実施によって得られた磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域についての画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、前記スキャンとして、本スキャンと参照スキャンとを実施するスキャン部と、前記スキャン部が前記本スキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の本スキャン画像を再構成すると共に、前記スキャン部が前記参照スキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の参照スキャン画像を再構成する画像再構成部と、前記画像再構成部にて再構成された参照画像に基づいて、前記送信感度分布を生成する送信感度分布生成部と、前記送信感度分布生成部によって生成された送信感度分布を用いて、前記画像再構成部によって生成された本スキャン画像を補正する画像補正部とを有し、前記スキャン部は、フリップアングルが段階的に変化するように、前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信させることによって、複数の前記参照スキャンを実施し、前記画像再構成部は、前記スキャン部によって順次実施された複数の参照スキャンのそれぞれに対応するように、複数の前記参照スキャン画像を画像再構成し、前記送信感度分布生成部は、前記画像再構成部によって再構成された複数の参照スキャン画像の間において前記参照スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、前記推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出した後に、前記補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、前記算出された周波数スペクトラムに基づいて前記送信感度分布を生成する。
【0018】
上記目的の達成のために本発明の送信感度分布計測装置は、静磁場空間において被検体の撮影領域にRFパルスを送信することによって前記撮影領域において磁気共鳴信号を生じさせるRF送信コイルの送信感度分布を計測する送信感度分布計測装置であって、前記RF送信コイルから前記撮影領域に前記RFパルスを送信するスキャンが実施されることによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の画像を再構成する画像再構成部と、前記画像再構成部にて再構成された画像に基づいて、前記送信感度分布を生成する送信感度分布生成部とを有し、前記画像再構成部は、フリップアングルが段階的に変化するように前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信することによって、複数回、順次実施された前記スキャンのそれぞれに対応するように、複数の前記画像を画像再構成し、前記送信感度分布生成部は、前記画像再構成部にて再構成された複数の画像の間において前記スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、前記推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出した後に、前記補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、前記算出された周波数スペクトラムに基づいて前記送信感度分布を生成する。
【0019】
上記目的の達成のために本発明の送信感度分布計測方法は、静磁場空間において被検体の撮影領域にRFパルスを送信することによって前記撮影領域において磁気共鳴信号を生じさせるRF送信コイルの送信感度分布を計測する送信感度分布計測方法であって、前記撮影領域に前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信するスキャンが実施されることによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、前記撮影領域の画像を再構成する画像再構成ステップと、前記画像再構成ステップにて再構成された画像に基づいて、前記送信感度分布を生成する送信感度分布生成ステップとを有し、前記画像再構成ステップにおいては、フリップアングルが段階的に変化するように前記RF送信コイルから前記RFパルスを送信することによって、複数回、順次実施された前記スキャンのそれぞれに対応するように、複数の前記画像を画像再構成し、前記送信感度分布生成ステップにおいては、前記画像再構成ステップにて再構成された複数の画像の間において前記スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、前記推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出した後に、前記補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、前記算出された周波数スペクトラムに基づいて前記送信感度分布を生成する。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、送信感度分布を高精度に計測可能であって、画像品質を向上できる磁気共鳴イメージング装置,送信感度分布計測装置および送信感度分布計測方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下より、本発明にかかる実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0022】
(装置構成)
図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、スキャン部2と、操作コンソール部3とを有しており、静磁場空間においてスキャン部2が被検体の撮影領域へRFパルスを送信し、そのRFパルスが送信された撮影領域にて発生する磁気共鳴信号を得るスキャンを実施した後に、そのスキャンの実施によって得られた磁気共鳴信号に基づいて、その撮影領域についての画像を操作コンソール部3が生成する。
【0024】
スキャン部2について説明する。
【0025】
スキャン部2は、図1に示すように、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、クレードル15と、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24とを有している。スキャン部2は、静磁場が形成された撮像空間B内において、被検体SUのスピンを励起するように被検体SUにRFパルスを送信すると共に、そのRFパルスが送信された被検体SUに勾配パルスを送信することによって、被検体SUにおいて発生する磁気共鳴信号を本スキャンデータとして得る本スキャンASを実施する。そして、スキャン部2は、本スキャンASを実施する共に、この本スキャンASの実施前に、被検体SUについて参照スキャンRSを実施し、その参照スキャンRSにて発生する磁気共鳴信号を参照スキャンデータとして取得する。すなわち、スキャン部2は、スキャンとして、本スキャンと参照スキャンとのそれぞれを実施する。
【0026】
本実施形態においては、スキャン部2は、フリップアングルが段階的に変化するように、RFコイル部14からRFパルスを送信させることによって、その参照スキャンを、複数、実施する。
【0027】
スキャン部2の各構成要素について、順次、説明する。
【0028】
静磁場マグネット部12は、たとえば、超伝導磁石(図示なし)により構成されており、被検体SUが収容される撮像空間Bに静磁場を形成する。ここでは、静磁場マグネット部12は、クレードル15に載置される被検体SUの体軸方向(z方向)に沿うように静磁場を形成する。なお、静磁場マグネット部12は、一対の永久磁石により構成されていてもよい。
【0029】
勾配コイル部13は、静磁場が形成された撮像空間Bに勾配磁場を形成し、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に空間位置情報を付加する。ここでは、勾配コイル部13は、静磁場方向に沿ったz方向と、x方向と、y方向との互いに直交する3軸方向に対応するように3系統からなる。これらは、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成するように、勾配パルスを送信する。具体的には、勾配コイル部13は、被検体SUのスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部14がRFパルスを送信することによって励起させる被検体SUのスライスを選択する。また、勾配コイル部13は、被検体SUの位相エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を位相エンコードする。そして、勾配コイル部13は、被検体SUの周波数エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を周波数エンコードする。
【0030】
RFコイル部14は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成される撮像空間B内において、電磁波であるRFパルスを被検体SUの撮影領域に送信して高周波磁場を形成し、被検体SUのイメージング領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体SUの撮影領域内のプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号として受信する。本実施形態においては、RFコイル部14は、図1に示すように、第1RFコイル14aと、第2RFコイル14bとを有する。ここで、第1RFコイル14aは、たとえば、バードゲージ型のボディコイルであり、被検体SUの撮影領域を囲むように配置されており、たとえば、RFパルスを送信する。一方、第2RFコイル14bは、表面コイルであり、たとえば、磁気共鳴信号を受信する。
【0031】
クレードル15は、被検体SUを載置するテーブルを有する。クレードル15は、制御部30からの制御信号に基づいて、撮像空間Bの内部と外部との間においてテーブルを移動する。
【0032】
RF駆動部22は、RFコイル部14を駆動させて撮像空間B内にRFパルスを送信させて、撮像空間Bに高周波磁場を形成させる。RF駆動部22は、制御部30からの制御信号に基づいて、ゲート変調器(図示なし)を用いてRF発振器(図示なし)からの信号を所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調した後に、そのゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器(図示なし)によって増幅してRFコイル部14に出力し、RFパルスを送信させる。
【0033】
勾配駆動部23は、制御部30からの制御信号に基づいて、勾配パルスを勾配コイル部13に印加して駆動させ、静磁場が形成されている撮像空間B内に勾配磁場を発生させる。勾配駆動部23は、3系統の勾配コイル部13に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
【0034】
データ収集部24は、制御部30からの制御信号に基づいて、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号を収集する。ここでは、データ収集部24は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号をRF駆動部22のRF発振器(図示なし)の出力を参照信号として位相検波器(図示なし)が位相検波する。その後、A/D変換器(図示なし)を用いて、このアナログ信号である磁気共鳴信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0035】
操作コンソール部3について説明する。
【0036】
操作コンソール部3は、図1に示すように、制御部30と、データ処理部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを有する。
【0037】
操作コンソール部3の各構成要素について、順次、説明する。
【0038】
制御部30は、コンピュータと、コンピュータに所定のデータ処理を実行させるプログラムを記憶するメモリとを有しており、各部を制御する。ここでは、制御部30は、操作部32からの操作データが入力され、その操作部32から入力される操作データに基づいて、RF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに制御信号を出力し、所定のスキャンを実行させる。そして、これと共に、データ処理部31と表示部33と記憶部34とへ、制御信号を出力し、制御を行う。
【0039】
データ処理部31は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムを記憶するメモリとを有しており、制御部30からの制御信号に基づいて、データ処理を実施する。ここでは、データ処理部31は、スキャン部2がスキャンを実行することによって得られた磁気共鳴信号をローデータとし、被検体SUの撮影領域についての画像を生成する。そして、データ処理部31は、その生成した画像を表示部33に出力する。
【0040】
図2は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31を示すブロック図である。
【0041】
図2に示すように、データ処理部31は、画像再構成部131と、送信感度分布生成部132と、画像補正部133とを有する。
【0042】
ここで、画像再構成部131は、被検体SUの撮影領域についての本スキャンの実施によって得られた磁気共鳴信号を、ローデータとして、その被検体SUの撮影領域についての本スキャン画像を画像再構成する。また、被検体SUの撮影領域についての本スキャンの実施前に実施された参照スキャンによって得られた磁気共鳴信号を、ローデータとして、その被検体SUの撮影領域についての参照スキャン画像を画像再構成する。本実施形態においては、画像再構成部131は、上記のようにスキャン部2によって順次実施された複数の参照スキャンのそれぞれに対応するように、この参照スキャン画像を、複数、画像再構成する。ここでは、画像再構成部131は、実画像または虚画像を、その参照スキャン画像として画像再構成する。
【0043】
また、送信感度分布生成部132は、画像再構成部131にて再構成された参照画像に基づいて、送信感度分布を生成する。本実施形態においては、送信感度分布生成部132は、画像再構成部131によって再構成された複数の参照スキャン画像の間において、複数の参照スキャンが実施された順に対応して推移する画素値の推移データから、その推移データの画素値の平均値を差分することによって補正データを算出する。その後、その補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、その算出された周波数スペクトラムに基づいて、送信感度分布を生成する。
【0044】
また、画像補正部133は、送信感度分布生成部132によって生成された送信感度分布を用いて、画像再構成部131によって再構成された本スキャン画像を補正する。
【0045】
データ処理部31については、上記のように構成されている。
【0046】
操作部32は、キーボードやポインティングデバイスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作データが入力され、その操作データを制御部30に出力する。
【0047】
表示部33は、CRTなどの表示デバイスにより構成されており、制御部30からの制御信号に基づいて、表示画面に画像を表示する。たとえば、表示部33は、オペレータによって操作部32に操作データが入力される入力項目についての画像を表示画面に複数表示する。また、表示部33は、被検体SUからの磁気共鳴信号に基づいて生成される被検体SUの画像についてのデータをデータ処理部31から受け、表示画面にその画像を表示する。本実施形態においては、表示部33は、送信感度分布生成部132によって生成された送信感度分布を画面に表示する。また、表示部33は、画像補正部133によって補正された本スキャン画像を表示する。
【0048】
記憶部34は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶部34は、その記憶されたデータが必要に応じて制御部30によってアクセスされる。
【0049】
(動作)
以下より、上記の本発明にかかる実施形態の磁気共鳴イメージング装置1を用いて、被検体SUの撮影領域を撮像する際の動作について説明する。
【0050】
図3は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの撮影領域を撮像する際の動作を示すフロー図である。
【0051】
まず、図3に示すように、参照スキャンRSの実施を行う(S11)。
【0052】
ここでは、本スキャンASにて撮像される被検体SUの撮影領域へRFコイル部14がRFパルスを送信し、その被検体SUの撮影領域にて発生する磁気共鳴信号をRFコイル部14が受信する参照スキャンRSnを、スキャン部2が実施する。たとえば、EPI(echo planar imaging)にて、この参照スキャンRSnを実施する。
【0053】
本実施形態においては、フリップアングルが段階的に変化するように、RFパルスRFを送信させることによって、参照スキャンRSを、複数回(n回)実施する。たとえば、所定値ΔB1ごとにRF強度B1を増加させるように、参照スキャンRSのそれぞれを、順次、実施する。すなわち、第1回目の参照スキャンRSにおいては、RF強度ΔB1になるようにRFパルスを送信し、第20回目の参照スキャンRS20においては、そのRF強度ΔB1を20倍したRF強度(ΔB1×20)に対応するように、RFパルスを送信する。そして、この入力したRF強度B1に対して、撮像対象内部では空間位置rに依存して誘導電磁場が生じるため、実際に発生する高周波磁場は、B1(r)となる。
【0054】
図4は、本発明にかかる実施形態において、参照スキャンRSを実施する様子を模式的に示す図である。
【0055】
図4に示すように、この各参照スキャンRSにおいては、たとえば、一定の時間τで印振幅を段階的に変えたハードパルスとして、そのRFパルスRFを送信する。これは、スポイラー勾配磁場(図示なし)の前に送信する。そして、上述したように、データ収集DAにおいては、EPIシーケンスにて、磁気共鳴信号を収集する。
【0056】
つぎに、図3に示すように、参照画像RI(r)の生成を実施する(S21)。
【0057】
ここでは、上記のようにスキャン部2によって順次実施された複数の参照スキャンRSnのそれぞれに対応するように、複数の参照スキャン画像RI(r)を画像再構成部131が画像再構成する。本実施形態においては、上記のように、20回の参照スキャンRS1〜20を実施しているために、その20回の参照スキャンRS1〜20のそれぞれにて得た磁気共鳴信号を用いて、20枚の参照画像RI1〜20(r)のそれぞれを画像再構成する。ここでは、たとえば、実画像を、この参照スキャン画像RIn(r)として画像再構成部131が画像再構成する。なお、虚画像を参照スキャン画像RIn(r)として画像再構成部131が画像再構成してもよい。これは、本手法においては、各画素におけるプリパレーションパルスによる効果を観測するため、画素間での相対位相の一致が不要であるためである。また、この他に、このプリパレーションパルスによってスピンが反転したか否かを判別するために、相対位相を調整し、符号を付するように、画像再構成を実施してもよい。
【0058】
つぎに、図3に示すように、送信感度分布ΔB1(r)の算出を実施する(S31)。
【0059】
ここでは、画像再構成部131にて再構成された参照画像に基づいて、送信感度分布生成部132が送信感度分布ΔB1(r)を生成する。
【0060】
図5は、本発明にかかる実施形態において、送信感度分布生成部132が送信感度分布ΔB1(r)を生成する際の動作を示すフロー図である。
【0061】
送信感度分布ΔB1(r)を生成する際には、まず、図5に示すように、複数の参照スキャン画像RIn(r)の間において、複数の参照スキャンRSが実施された順に対応して推移する画素値P(r)の推移データSr(n)を算出する(S311)。
【0062】
図6は、本発明にかかる実施形態において、複数の参照スキャンRSが実施された順に対応して推移する画素値P(r)の推移データSr(n)を算出する様子を示す図である。また、図7は、本発明にかかる実施形態において、複数の参照スキャン画像RIn(r)の間にて、複数の参照スキャンRSが実施された順に対応して推移する画素値P(r)の推移データSr(n)を示す図である。図7においては、横軸が、フリップアングルが段階的に変化するように実施された参照スキャンRSの実施回数nであり、縦軸が、そのスキャンにおいて得られた画像を構成する画素の画素値P(r)である。
【0063】
ここでは、図6に示すように、参照スキャン画像RIn(r)にて特定の画素位置(ri)を特定した後に、複数の参照スキャン画像RIn(r)の間において、その画素位置(ri)に対応する画素の画素値P(ri)をそれぞれ抽出する。そして、参照スキャンRSが実施された順に、その画素値P(ri)を並べる。これにより、複数の参照スキャンRSが実施された順に対応して推移する画素値P(r)の推移データSr(n)を算出する。前述したように、図7に示すように、参照スキャン画像がT1緩和の影響を受けている場合には、推移データSr(n)は、ベースラインがシフトするように算出される。
【0064】
つぎに、図5に示すように、推移データSr(n)の画素値P(r)の平均値Av(r)を算出する(S321)。
【0065】
たとえば、各参照画像RIn(r)のそれぞれにおいて所定の画素位置(ri)に位置する画素の画素値P(ri)を加算した後に、参照画像RIn(r)の枚数nで割ることによって、この平均値Av(ri)を算出する。そして、このような処理を、全画素位置について実施する。
【0066】
つぎに、推移データSr(n)から、その推移データSr(n)の画素値P(r)の平均値Av(r)を差分することによって補正データHr(n)を算出する(S331)。
【0067】
図8は、本発明にかかる実施形態において、補正前の推移データSr(n)と、補正データHr(n)とを示す図である。
【0068】
図8(A)に示すように、参照スキャン画像がT1緩和の影響を受けることによって、ベースラインがシフトするように算出された推移データSr(n)が、図8(B)に示すように、その平均値Av(r)が差分されることによって、ベースラインに近づくように補正された補正データHr(n)が得られる。
【0069】
つぎに、補正データHr(n)を高速フーリエ変換することによって、周波数スペクトラムデータSp(r)を算出する(S341)。
【0070】
図9は、本発明にかかる実施形態において、算出された周波数スペクトラムデータSp(r)を示す図である。
【0071】
図9に示すように、ここでは、周波数スペクトラムデータSp(r)は、DC成分が、B1による変調成分よりも、小さくなるように算出される。なお、本実施形態においては、周波数分解能の向上のために、ゼロフィリング処理を実施後に、上記のようにして、周波数スペクトラムデータSp(r)を算出する。
【0072】
つぎに、周波数スペクトラムデータSp(r)に基づいて、送信感度分布ΔB1(r)を生成する(S351)。
【0073】
ここでは、周波数スペクトラムデータSp(r)に基づいて、送信感度分布生成部132が送信感度分布ΔB1(r)を算出する。具体的には、以下の数式(1)に示すように、周波数スペクトラムデータSp(r)におけるピーク周波数fmax(r)を用いて、送信感度分布ΔB1(r)を算出する。
【0074】
【数1】


【0075】
なお、本数式(1)は、以下のようにして導かれる。
【0076】
つまり、T1,T2緩和および飽和効果の影響を排除した場合には、以下の数式(2),数式(3)に示すように、Mz(r,n)が収集されるため、Mz(r,n)は、段階的にΔB1ごとにRF強度を増加させてn回の参照スキャンRSを順次実施する場合には、数式(4),数式(5)のように示される。ここで、本数式において、Moは、平衡状態の磁化を示す。また、rは、空間位置を示す。また、ν1(r,n)は、RF分布において歳差運動した際の周波数(precession frequency)を示す。また、γは、磁気回転比を示す。
【0077】
【数2】


【0078】
【数3】


【0079】
【数4】


【0080】
【数5】


【0081】
このため、本実施形態においては、数式(5)おけるν1(r,n)のデータを、周波数スペクトラムデータSp(r)におけるピーク周波数fmax(r)として取得するため、数式(1)に示すような関係が導かれる。
【0082】
上記のようにして、送信感度分布ΔB1(r)を生成した後には、図3に示すように、本スキャンASの実施を行なう(S51)。
【0083】
ここでは、静磁場が形成された撮像空間BにおいてRFコイル部14が被検体SUの撮影領域へRFパルスを送信し、そのRFパルスが送信された撮影領域にて発生する磁気共鳴信号をRFコイル部14が本スキャンデータとして受信することによって、本スキャンASが実施される。たとえば、スピンエコー系列やグラディエントエコー系列のパルスシーケンスに従って、本スキャンASが実施される。
【0084】
つぎに、図3に示すように、本スキャン画像AI(r)の生成を行なう(S61)。
【0085】
ここでは、本スキャンASの実施によって本スキャンデータとして得られた磁気共鳴信号をローデータとし、その撮影領域についての本スキャン画像AI(r)を画像再構成部131が生成する。
【0086】
つぎに、図3に示すように、本スキャン画像AI(r)の補正を行なう(S71)。
【0087】
ここでは、画像再構成部131が生成した本スキャン画像AI(r)を、画像補正部133が、送信感度分布ΔB1(r)を用いて補正処理する。
【0088】
たとえば、グラディエント・エコー法にてスキャンを実施した場合においては、以下の数式(6)に示すように、送信感度分布ΔB1(r)を用いて、本スキャン画像AI(r)から、補正処理後の本スキャン画像AIc(r)を生成する。なお、本数式(6)において、FAは、本スキャン画像を撮像する際のスキャンにおけるフリップアングルであり、B1は、入力したRF強度であり、B1(r)は、この入力したRF強度において実測されたRF強度であって、B1(r)=ΔB1(r)・nにて示される。また、nは、参照スキャンを実施した際のスキャン回数であって、そのスキャンにて得た信号強度が1周期した回数(たとえば、n=20)である。
【0089】
【数6】


【0090】
つぎに、図3に示すように、補正処理後の本スキャン画像AIc(r)の表示を行なう(S81)。
【0091】
ここでは、画像補正部133によって補正処理された後の本スキャン画像AIc(r)を、表示部33が表示画面に表示する。
【0092】
以上のように、本実施形態においては、本スキャンと参照スキャンとをスキャン部2が実施する。そして、そのスキャン部2が本スキャンを実施することによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、撮影領域の本スキャン画像を再構成すると共に、スキャン部2が参照スキャンを実施することによって得られた磁気共鳴信号に基づいて、撮影領域の参照スキャン画像を画像再構成部131が再構成する。そして、その画像再構成部131にて再構成された参照画像に基づいて、送信感度分布生成部132が送信感度分布を生成する。そして、その送信感度分布生成部132によって生成された送信感度分布を用いて、画像再構成部131によって生成された本スキャン画像を画像補正部133が補正する。ここでは、スキャン部2は、フリップアングルが段階的に変化するように、RF送信コイルからRFパルスを送信させることによって、参照スキャンを、複数、実施する。そして、画像再構成部131は、そのスキャン部2によって順次実施された複数の参照スキャンのそれぞれに対応するように、参照スキャン画像を、複数、画像再構成する。そして、送信感度分布生成部132は、その画像再構成部131によって再構成された複数の参照スキャン画像の間において参照スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データから、その推移データにおける画素値の平均値を差分することによって補正データを算出する。その後、その補正データを高速フーリエ変換することによって周波数スペクトラムを算出し、その算出された周波数スペクトラムに基づいて送信感度分布を生成する。このため、本実施形態は、高速フーリエ変換後の推移データにおいてDC成分が発生することを抑制できるため、RFパルスによる変調成分の検出が容易になり、送信感度分布を高精度に計測することが容易に実施することができる。したがって、本実施形態は、画像品質を向上させることが容易にできる。
【0093】
なお、上記の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、本発明の磁気共鳴イメージング装置に相当する。また、上記の実施形態のスキャン部2は、本発明のスキャン部に相当する。また、上記の実施形態の操作コンソール部3は、本発明の送信感度分布計測装置に相当する。また、上記の実施形態の第1RFコイル14aは、本発明のRF送信コイルに相当する。また、上記の実施形態の表示部33は、本発明の表示部に相当する。また、上記の実施形態の画像再構成部131は、本発明の画像再構成部に相当する。また、上記の実施形態の送信感度分布生成部132は、本発明の送信感度分布生成部に相当する。また、上記の実施形態の画像補正部133は、本発明の画像補正部に相当する。また、上記の実施形態の撮像空間Bは、本発明の静磁場空間に相当する。
【0094】
また、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明にかかる実施形態において、被検体SUの撮影領域を撮像する際の動作を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明にかかる実施形態において、参照スキャンRSを実施する様子を模式的に示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態において、送信感度分布生成部132が送信感度分布ΔB1(r)を生成する際の動作を示すフロー図である。
【図6】図6は、本発明にかかる実施形態において、複数の参照スキャンRSが実施された順に対応して推移する画素値P(r)の推移データSr(n)を算出する様子を示す図である。
【図7】図7は、本発明にかかる実施形態において、複数の参照スキャン画像RIn(r)の間にて、複数の参照スキャンRSが実施された順に対応して推移する画素値P(r)の推移データSr(n)を示す図である。
【図8】図8は、本発明にかかる実施形態において、補正前の推移データSr(n)と、補正データHr(n)とを示す図である。
【図9】図9は、本発明にかかる実施形態において、算出された周波数スペクトラムデータSp(r)を示す図である。
【図10】図10は、再構成した複数の参照スキャン画像の間において参照スキャンの実施に対応して推移する画素値の推移データと、その推移データを高速フーリエ変換したデータとを示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1:磁気共鳴イメージング装置(磁気共鳴イメージング装置)
2:スキャン部(スキャン部)、
3:操作コンソール部(送信感度分布計測装置)、
12:静磁場マグネット部、
13:勾配コイル部、
14:RFコイル部、
14a…第1RFコイル(RF送信コイル)、
14b…第2RFコイル
15:クレードル、
22:RF駆動部、
23:勾配駆動部、
24:データ収集部、
30:制御部、
31:データ処理部、
32:操作部、
33:表示部(表示部)、
34:記憶部、
131:画像再構成部(画像再構成部)、
132:送信感度分布生成部(送信感度分布生成部)、
133:画像補正部(画像補正部)
B:撮像空間(静磁場空間)
【出願人】 【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
【出願日】 平成18年9月13日(2006.9.13)
【代理人】 【識別番号】100094053
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久


【公開番号】 特開2008−67830(P2008−67830A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247829(P2006−247829)