| 【発明の名称】 |
体力判定方法および体力判定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】米澤 義道
【氏名】橋本 昌巳
【氏名】青木 朗
【氏名】西澤 茂治
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| 【要約】 |
【課題】より簡易な手段で体力の判定を可能にする体力判定方法を提供する。
【構成】本発明に係る体力判定方法は、可動台12上に立つ被検者が、可動台12の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、複数のセンサ14a、14b、14cと、複数のセンサ14a、14b、14cからの検出信号が入力される制御部28によって、被検者の重心の移動として検出し、該重心の移動範囲の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、複数のセンサと、該複数のセンサからの検出信号が入力される制御部によって、被検者の重心の移動として検出し、該重心の移動範囲の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする体力の判定方法。 【請求項2】 可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、複数のセンサと、該複数のセンサからの検出信号が入力される制御部によって、被検者の重心の移動速度として検出し、該重心の移動の戻り速度の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする体力の判定方法。 【請求項3】 前記重心の移動範囲が、1または複数の設定範囲のどの設定範囲内であるか否かにより被検者の体力を判定することを特徴とする請求項1記載の体力の判定方法。 【請求項4】 重心の移動の設定範囲を、被検者の左右方向に設定することを特徴とする請求項3記載の体力判定方法。 【請求項5】 重心の移動の設定範囲を、被検者の前後方向に設定することを特徴とする請求項3または4記載の体力判定方法。 【請求項6】 前記センサが前記可動台の複数個所に配設した荷重センサであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の体力の判定方法。 【請求項7】 前記荷重センサがロードセルであることを特徴とする請求項6記載の体力判定方法。 【請求項8】 可動台を、中心位置から、被検者に対し、水平左方向あるいは右方向に、アトランダムに間欠的に動かすことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の体力判定方法。 【請求項9】 可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、被検者の下半身と上半身に取付けた加速度センサーにより加速度として検出し、該加速度の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする体力の判定方法。 【請求項10】 前記加速度の大きさが、1または複数の設定範囲のどの設定範囲内であるか否かにより被検者の体力を判定することを特徴とする請求項9記載の体力の判定方法。 【請求項11】 可動台を、中心位置から、被検者に対し、水平左方向あるいは右方向に、アトランダムに間欠的に動かすことを特徴とする請求項10項記載の体力判定方法。 【請求項12】 可動台と、 該可動台を、中心位置から水平左方向および水平右方向に直線往復動させるリニアアクチュエータと、 前記可動台の複数個所に配設された荷重センサと、 該荷重センサからの検出信号が入力される制御部とを具備し、 前記制御部は、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、前記荷重センサから入力される検出信号に基づいて、被検者の重心の移動として検出し、該重心の移動範囲の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする体力の判定装置。 【請求項13】 可動台と、 該可動台を、中心位置から水平左方向および水平右方向に直線往復動させるリニアアクチュエータと、 前記可動台の複数個所に配設された荷重センサと、 該荷重センサからの検出信号が入力される制御部とを具備し、 前記制御部は、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、前記荷重センサから入力される検出信号に基づいて、被検者の重心の移動速度として検出し、該重心の移動の戻り速度の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする体力の判定装置。 【請求項14】 前記荷重センサがロードセルであることを特徴とする請求項12または13記載の体力判定装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、身障者、高齢者等の体力を簡易に判定できる体力判定方法および体力判定装置に関する。 【背景技術】 【0002】 身障者や高齢者の体力を判定し、リハビリの参考にしたり、転びやすさ、躓きやすさなどを判定し、注意を促す体力判定装置が必要とされている。特開2005−185557には、重心計と筋電計とにより、重心の移動と筋力との相関関係から体力を判定するものが提案されている。 【特許文献1】特開2005−185557 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、従来の上記体力判定方法は、筋力を必ずしも良好に判定することができないという課題がある。 本発明は、筋力を直接測定することを要せず、より簡易な手段で体力の判定を可能にする体力判定方法および体力判定装置を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明に係る体力判定方法は、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、複数のセンサと、該複数のセンサからの検出信号が入力される制御部によって、被検者の重心の移動として検出し、該重心の移動範囲の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 【0005】 また本発明に係る体力判定方法は、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、複数のセンサと、該複数のセンサからの検出信号が入力される制御部によって、被検者の重心の移動速度として検出し、該重心の移動の戻り速度の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 【0006】 前記重心の移動範囲が、1または複数の設定範囲のどの設定範囲内であるか否かにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 前記重心の移動の設定範囲を、被検者の左右方向に設定することを特徴とする。 また、前記重心の移動の設定範囲を、被検者の前後方向に設定することを特徴とする。 【0007】 前記センサが前記可動台の複数個所に配設した荷重センサであることを特徴とする。 前記荷重センサがロードセルであることを特徴とする。 可動台を、中心位置から、被検者に対し、水平左方向あるいは右方向に、アトランダムに間欠的に動かすことを特徴とする。 【0008】 また本発明に係る体力判定方法は、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、被検者の下半身と上半身に取付けた加速度センサーにより加速度として検出し、該加速度の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 【0009】 前記加速度の大きさが、1または複数の設定範囲のどの設定範囲内であるか否かにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 また、可動台を、中心位置から、被検者に対し、水平左方向あるいは右方向に、アトランダムに間欠的に動かすことを特徴とする。 【0010】 本発明に係る体力判定装置は、可動台と、該可動台を、中心位置から水平左方向および水平右方向に直線往復動させるリニアアクチュエータと、前記可動台の複数個所に配設された荷重センサと、該荷重センサからの検出信号が入力される制御部とを具備し、前記制御部は、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、前記荷重センサから入力される検出信号に基づいて、被検者の重心の移動として検出し、該重心の移動範囲の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 【0011】 また本発明に係る体力判定装置は、可動台と、該可動台を、中心位置から水平左方向および水平右方向に直線往復動させるリニアアクチュエータと、前記可動台の複数個所に配設された荷重センサと、該荷重センサからの検出信号が入力される制御部とを具備し、前記制御部は、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、前記荷重センサから入力される検出信号に基づいて、被検者の重心の移動速度として検出し、該重心の移動の戻り速度の大きさにより被検者の体力を判定することを特徴とする。 前記荷重センサがロードセルであることを特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、可動台上に立つ被検者が、可動台の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身を移動と同方向に、下半身を移動と反対方向に移動させる動作を、センサにより被検者の重心の移動もしくは重心の移動速度として検出し、または加速度センサにより、加速度の大きさとして検出し、該重心の移動範囲の大きさ、重心の移動の戻り速度の大きさや加速度の大きさにより被検者の体力を判定するものであるため、筋力を測定することを要せず、すなわち、上記一連の動作が筋力を前提としているものであるので、直接に筋力を測定することを要せず、重心の移動、重心の移動速度や加速度の大きさを検出するというより簡易な手段で体力の判定が可能であるという効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下本発明における最良の実施の形態を添付図面により詳細に説明する。 図1は体力判定装置10の一例を示す平面図、図2はその側面図である。 12は可動台であり、3個のロードセル等の荷重センサ14a、14b、14cを介して支持台16上に固定されている。 【0014】 支持台16は、基台18に配設された2本のレール20、20上に、図1において左右方向に移動可能にガイドされている。22はリニアアクチュエータであり、図示の例では、支持台16に螺合するボールネジ24と、このボールネジ24を回転駆動するモータ26とにより構成されている。 【0015】 リニアアクチュエータ22は、制御部28(図3)により、可動台12を、図1の左右方向の中央をゼロ位置として、それぞれ左方向および右方向に往復動させる。 その際、リニアアクチュエータ22は、可動台12を、制御部28により、任意の複数段階の設定加速度(最大加速度)にて往復動させることができるようになっている。 この設定加速度は、図示しない入力手段により設定および変更が可能であり、制御部28によりモータ26が制御されて実行される。 【0016】 また、支持台16にはエンコーダ17が配設され、このエンコーダ17の回転軸には、基台18上を転動する車輪19が取付けられていて、リニアアクチュエータ22により可動台12が移動される際の、実際の加速度を検出しうるようになっている。 なお、リニアアクチュエータ22は、ボールネジ24とモータ26の構成ばかりでなく、シリンダ装置、クランク機構を直線運動に変換する機構、リニアモータ等、他のアクチュエータを採用しうることは勿論である。 【0017】 3個の荷重センサ14a、14b、14cは、二等辺三角形の頂点の位置にくるように配設されている。被検者が、可動台12のほぼ中心位置に足マーク13を目印として立つと、各荷重センサ14a、14b、14cにほぼ等荷重が加わり、したがって、可動台12のほぼ中心位置に被検者の重心がくるようになっている。 【0018】 図3に示すように、荷重センサ14a、14b、14cの検出信号は制御部28に入力される。制御部28は、入力された検出信号をそれぞれ増幅するアンプ29と、各アンプ29に接続されたフィルタ30と、A/D変換器31と、A/D変換器31によりデジタル化された信号を演算する演算部32を有する。演算部32は入力された信号により被検者の重心位置を算出し、記憶するとともに、表示部33に、重心の移動軌跡を表示しうるようになっている。 また、演算部32は、あらかじめ設定され、メモリー34に記憶された重心の移動範囲を、メモリー34から取得できる。 【0019】 本発明では、可動台12上に立つ被検者が、可動台12の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身(特に頸部)を移動と同方向に、下半身(特に腰部)を移動と反対方向に移動させる動作を、複数のセンサ14a、14b、14cと、該複数のセンサセンサ14a、14b、14cからの検出信号が入力される制御部28によって、被検者の重心の移動として検出し、該重心の移動範囲の大きさにより被検者の体力を判定するのである。ことを特徴とする。 【0020】 なお、複数の健常者の重心の移動を計測し、その平均値をもって基準値とし、被検者の重心の移動範囲が、この基準値の範囲内であるかどうか、あるいはこの基準値から複数段階の設定移動範囲のどの設定範囲内であるか否かにより被検者の体力を判定するようにすると好適である。 【0021】 図4により、可動台12が突然直線的に右方向に移動させられた場合(同図(b))を考える。このとき、当初、すなわち身体の対応反応が起動しないうちは、身体は慣性で上半身も下半身も可動台12の移動方向とは反対側に移動する。次に、正常反応では、図4(c)のように、上半身(頚部)を可動台12の移動と同方向に移動させ、その反動で、下半身(腰部)を可動台12の移動と反対方向に突き出し、これにより身体のバランスをとろうとする。 【0022】 しかし可動台12からの外力が大きい場合には、図4(c)の動きのみではバランスがとれず、図4(d)のように、可動台12の移動と反対方向に倒れかかるから、足の踏み出しを行って転倒を防御する体制となる。 また、この動作もできないと、図4(e)に示すように、ほとんど初期移動のままで転倒することになる。 【0023】 図5〜図7は、上記重心の移動を模式的に示したものである。図5は、図4(c)の状態でバランスがとれた場合、図6は図4(d)の状態に至った場合、図7は図4(e)の状態に至った場合を示す。各図の下の太い黒線は身体の動きを模式的に示したものである。 【0024】 実際の体力の判定は次のように行う。 まず、各年代における健常者の平均的な重心の移動を計測する。そのために、複数人のデータを収集する。データの収集には、被検者に可動台12上に立ってもらい、その重心位置が表示部33における中心位置となるように、被検者に動いてもらい、次に、リニアアクチュエータ22を駆動して、可動台12を、その中心位置から、左方向、あるいは右方向に間欠的に、しかも移動方向は被検者に予期し得ないように予期アトランダムになるようにして移動させるのである。また、図示しない、移動台の駆動部により、適宜、その最大加速度を変更して行う。このようにして複数人の重心の移動のデータを収集する。なお、安全のため、体力判定装置10の周囲に適宜手すりを配置して行うとよい。 【0025】 図8〜図11は、健常者の重心移動を実際に計測し、表示部33に表示させた場合の図である。 両足の内側の間隔を5cm(裸足)とし、最大加速度を1.05、2.10、3.15、4.20、5.25m/s2の5段階に設定して、可動台12を中央から左右いずれかに10cm移動させて計測した。いずれも転倒状態は見られなかった。 【0026】 図8は、40代の男性(被検者A)のものである。なお、L1.05とは、可動台12を左方向に最大加速度1.05m/s2で移動させた場合のものであり、R1.05とは、可動台12を右方向に最大加速度1.05m/s2で移動させた場合のものである。 図9は20代の男性(被検者B)のものであり、図10は20代の男性(被検者C)のものであり、図11は20代の男性(被検者D)のものである。 なお、図12は、20代男性、60代男性の、各移動加速度における計測値(重心の揺らぎ距離)を示す。60代男性の重心の移動距離の方が20代男性の重心の移動距離よりもおおきくなっている。 【0027】 図8〜図11に示されるように、重心の移動軌跡は当然ながら閉ループを形成する。可動台12は、被検者に対して左右方向に移動するものであるため、当然、重心の移動は左右方向に大きくなる。しかし、前後方向への重心移動も起こる。 本発明においては、筋力を測定することはしていない。被検者は、可動台12が左方向、あるいは右方向に移動することによって、倒れまいとして筋力を働かせる。体力(筋力)の大きい人ほど、踏ん張る力が大きくなることから、左右への体の移動が少なく、したがって、重心がそれほど大きく動かないのである。 【0028】 年齢別、性別に重心移動のデータをとり、平均化したデータを求める。 これら平均化したデータを基準値とし、図13に示すように、表示画面上に、重心の移動の設定範囲を、基準値を中心として、左右方向に複数段階、例えばL1、L2、L3、R1、R2、R3に設定するようにし、また前後方向にも、例えば、F1、F2、F3、B1、B2、B3に設定するようにし、被検者の重心移動がどの範囲(段階)にあるかにより、体力を判定するようにするのである。なお、可動台12の最大加速度がどの大きさの場合に最適かを検討し、この最適な最大加速度でのデータとの比較により体力を判定するようにするのがよい。 【0029】 なお、可動台12を左方向、右方向へ移動させて、それぞれの方向へ移動させた場合の被検者の重心の移動を検出して、設定データと比較することによって、被検者の左足、あるいは右足の筋力を推定することができ、倒れやすさを判定できる。また前後方向への重心移動は、例えば躓きやすさを推定することもできる。 【0030】 また、体力は、被検者の測定値の基準値からの隔たりによって、例えば転倒や躓きの危険度として表わしてもよいし、体力年齢などで表してもよい。 また、本実施の形態における体力判定装置10は、訓練(トレーニング)装置としても用いることができる。すなわち、可動台12を可動させることによって、筋力やバランス感覚を向上させることができる。そして、その都度、重心の移動を計測することができるので、体力の向上を自覚しつつトレーニングが行え、使用者のトレーニングの励みにもなる。本発明における体力測定装置は、このような訓練装置を含むものとする。 【0031】 なお、上記実施の形態では、重心の移動範囲(距離)で体力を判定したが、重心移動に対する応答の速さ、すなわち、重心の移動を小さくしようとする、その各部の移動の早さを計測することによっても、体力の判定をしうる。体力のある人ほど、応答が速いといえるからである。この応答の速さは、重心の移動信号の速度成分の分析によって行える。 【0032】 図14(a)、(b)は、上記の重心の移動速度を検出する実施の形態を示す。同図には、2つの波形が記されている。2つの波形は時間的に同期している。 図14(a)は可動台12の左右方向への動きを位置(縦軸)と時間(横軸)で示している。台形の波形の上の水平部分は可動台12が右位置にあるとき、下の水平部分は可動台12が左にあるときを表している。両位置間の差は150mmである。 【0033】 2つの上下の水平部分の間の斜めの部分は、可動台12の移動中を表す。このときの加速度は2.1m/s2とした。可動台12はまず図の左端の部分では、右から左に向かってこの加速度で移動し、やがて負の同じ加速度で減速して左位置に停止する。 このときの重心移動が図14(b)のグラフで表されている。可動台12の移動が起きても身体は追従できずに、足元がとられ一瞬重心位置が右方向に移動する。しかし体のバランス動作と可動台12の動きの停止動作が重心を元の位置に戻している。 【0034】 可動台12が左から右に移動する次のステップでは重心の移動も逆方向になっている。この図14では左右移動それぞれ4回についての重心移動が記録されている。図14に示す例は20歳男性の場合であるが、高齢化によって、あるいは障害がある場合には、重心バランスがすばやく対応できないために、もっと大きな重心位置移動量が発生したり、重心位置復帰(戻り)に時間がかかったりする傾向が観察されることになる。 【0035】 図14(b)は、縦軸に重心の移動距離、横軸に時間をとっている。制御部28に経過時間と重心の移動距離が入力され、これにより、重心の移動速度が演算可能となる。重心の戻り速度は、重心移動に対する応答の速さということになり、この重心の移動速度の大きさにより、体力の判定を行うことができる。 【0036】 次に、本発明に係る他の実施の形態では、可動台12上に立つ被検者が、可動台12の動きにより転倒しないようにバランスをとる一連の動作において、上半身(特に頚部)を移動と同方向に、下半身(特に腰部)を移動と反対方向に移動させる動作を、被検者の下半身と上半身に取付けた加速度センサー(図示せず)により加速度として検出し、該加速度の大きさにより被検者の体力を判定する。 【0037】 なお、複数の健常者の加速度の大きさを計測し、その平均値をもって基準値とし、被検者の加速度の大きさが、この基準値の範囲内であるかどうか、あるいはこの基準値から複数段階の設定範囲のどの設定範囲内であるか否かにより被検者の体力を判定するようにすると好適である。 【0038】 上記重心移動と併せて加速度を検出してもよいし、加速度のみを検出するようにしてもよい。 図15〜図17は、図4(c)〜(e)の状態のときの加速度の変化を模式的に示したものである。これらの過程で、上半身(頸部)と下半身(腰部)とはそれぞれ異なった動きをするために、被検者の頸部と腰部とに加速度センサーを取付けておけば、各部の動きにおける加速度の変化を把握できることになる。倒れる状態に至らない、図4(c)、すなわち図15の加速度の変化を検出することによって体力の判定を行うことができる。動きの小さいほど、すなわち加速度の小さいほど、筋力で踏ん張っていることになり、体力が大きいことを意味する。 【0039】 図18は被検者Aの検出状況を示す。同図(a)はステージ(可動台12)の移動方向と大きさ(距離)を示し、同図(b)は腰部の加速度を示し、同図(c)は頸部の加速度を示す。腰部の加速度に比べ頸部の加速度の変化は大きいが、体力の判定には、足の踏ん張り具合が直接に現れる腰部の加速度の変化を見る方が正確に判定できると考えられる。 【0040】 図19は、被検者Bの場合の、可動台12の移動方向と大きさ(同図(a))、荷重センサ(ロードセル)の荷重変化(同図(b))と、腰部の加速度(同図(c))を示す。 図20は、被検者Cの場合の、可動台12の移動方向と大きさ(同図(a))、荷重センサ(ロードセル)の荷重変化(同図(b))と、腰部の加速度(同図(c))を示す。 図21は、被検者Dの場合の、可動台12の移動方向と大きさ(同図(a))、荷重センサ(ロードセル)の荷重変化(同図(b))と、腰部の加速度(同図(c))を示す。 【0041】 このようにして、多数の年齢別、性別の健常者の加速度の変化を計測して、その平均値をデータ化し、被検者の計測データをこれらと比較し、その大きさの差から被検者の体力を推定できる。 【0042】 なお、上記各実施の形態では、可動台12を水平横方向に移動させたが、所要の回転角度で左右の方向に往復回転させ、あるいは一方向のみに所要角度回転させ、その際の重心移動や、腰部、頚部の加速度変化を計測してもよい。 【0043】 図22は他の実施の形態を示す説明図である。 本実施の形態では、可動台12を、4つのロードセル14a〜14dを介して支持台(図示せず)上に支持するとともに、支持台を、基台18上のレール20に沿って左右方向に移動するように設けている。また、基台18そのものを、床面上にレール20とは直交する方向に設けたレール23に沿って移動可能に設けている。可動台12、基台18のリニアアクチュエータもボールネジとモータ(図示せず)等によって構成する。 【0044】 本実施の形態では、可動台12を左右方向に駆動することによって、前記と同様に被検者の主として左右方向の重心の移動を、ロードセル14a、14bによって検出するとともに、基台18と共に可動台12をレール19に沿って、図の前後方向に駆動することによって、被検者の主として前後方向の重心の移動を検出するようにしている。これによって、被検者の重心の移動をより詳細に検出することができる。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】体力判定装置の平面図である。 【図2】図1の側面図である。 【図3】荷重センサと制御部の構成を示すブロック図である。 【図4】可動台が右方向に移動した際の、被検者の動きの状態を示す模式図である。 【図5】図4(c)のときの重心の移動を示す模式図である。 【図6】図4(d)のときの重心の移動を示す模式図である。 【図7】図4(e)のときの重心の移動を示す模式図である。 【図8】被検者Aの重心の移動を示すグラフである。 【図9】被検者Bの重心の移動を示すグラフである。 【図10】被検者Cの重心の移動を示すグラフである。 【図11】被検者Dの重心の移動を示すグラフである。 【図12】20代男性と60代男性の重心の移動距離を比較したグラフである。 【図13】表示部における複数の設定ラインを示す説明図である。 【図14】重心の移動速度を表すグラフである。 【図15】図4(c)のときの加速度の変化を示す模式図である。 【図16】図4(d)のときの加速度の変化を示す模式図である。 【図17】図4(e)のときの加速度の変化を示す模式図である。 【図18】被検者Aの腰部の加速度等を示すグラフである。 【図19】被検者Bの腰部の加速度等を示すグラフである。 【図20】被検者Cの腰部の加速度等を示すグラフである。 【図21】被検者Dの腰部の加速度等を示すグラフである。 【図22】可動台をXY方向に移動可能に設け、センサを4個配設した実施の形態の説明図である。 【符号の説明】 【0046】 10 体力判定装置 12 可動台 14a、14b、14c、14d 荷重センサ 16 支持部 18 基台 20 レール 22 リニアアクチュエータ 23 レール 24 ボールネジ 26 モータ 28 制御部 29 アンプ 30 フィルタ 31 A/D変換器 32 演算部 33 表示部 34 メモリ
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| 【出願人】 |
【識別番号】504180239 【氏名又は名称】国立大学法人信州大学 【識別番号】302047950 【氏名又は名称】株式会社プリオール
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| 【出願日】 |
平成18年9月13日(2006.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077621 【弁理士】 【氏名又は名称】綿貫 隆夫
【識別番号】100092819 【弁理士】 【氏名又は名称】堀米 和春
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| 【公開番号】 |
特開2008−67822(P2008−67822A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−247673(P2006−247673) |
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