| 【発明の名称】 |
血糖値測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】磯 慎一
【氏名】森本 幸裕
【氏名】篠原 亜紀子
【氏名】保科 定頼
【氏名】河野 緑
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| 【要約】 |
【課題】血糖値の測定を非侵襲的に高い精度でかつ再現性よく行うことのできる血糖値測定装置を提供すること。
【構成】本発明の血糖値測定装置は、測定子を測定部位である被験者の上肢下腕手関節内側部に接触させ、当該測定子を介して中赤外光を測定部位に照射して中赤外光の吸収度を測定する全反射減衰法により、生体中のグルコース濃度を非侵襲的に測定するものであって、被験者の上肢下腕部を載置台に固定する固定機構と、測定子を測定部位に押圧して接触状態を維持する測定子押圧機構とを有することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 測定子を測定部位である被験者の上肢下腕手関節内側部に接触させて、当該測定子を介して中赤外光を測定部位に照射することにより中赤外光の吸収度を測定する全反射減衰法によって、生体中のグルコース濃度を非侵襲的に測定する血糖値測定装置であって、 被験者の上肢下腕部を載置台に固定する固定機構と、測定子を測定部位に押圧して接触状態を維持する測定子押圧機構とを有することを特徴とする血糖値測定装置。 【請求項2】 測定子押圧機構は、測定子を載置台の表面に対して鉛直方向に変位させる位置調整手段と、被験者の上肢下腕部が載置台に載置された状態において測定子を被験者の測定部位に対して付勢する測定子付勢手段とを備えており、 測定子の載置台の表面に対するレベル位置が位置調整手段によって調整されることにより、測定子付勢手段による測定子の測定部位に対する押圧力の大きさが調整されることを特徴とする請求項1に記載の血糖値測定装置。 【請求項3】 測定子押圧機構は、測定子の測定部位に対する押圧力の大きさを調整する押圧力調整手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の血糖値測定装置。 【請求項4】 載置台の表面には、被験者の上肢下腕部を測定部位が測定子に対して位置決めされた状態で載置するための位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の血糖値測定装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、グルコース濃度を非侵襲的に測定する血糖値測定装置に関し、具体的には、例えば中赤外光の吸収スペクトルに基づいてグルコース濃度を測定する全反射減衰法(ATR;Attenuated Total Reflection)を利用した血糖値測定装置に関する。 【背景技術】 【0002】 現在、例えば糖尿病の診断目的で利用される、患者の血糖値(血中グルコース濃度)を測定するための血糖値測定装置のある種のものにおいては、少量の血液を採取することが必要とされている。 しかし、血液を使用する血糖値測定装置は、患者にとって苦痛を伴い、感染症などへの配慮が必要である、などの問題がある。 【0003】 そこで、近年においては、グルコース濃度を非侵襲的に測定するための技術研究がなされており、多くの報告がなされている。 例えばATR結晶を生体と接触させて、1μm以上の赤外光を使用してグルコース濃度を測定する血糖値測定装置(特許文献1参照)や、ATR法を利用したものにおいて750〜4000cm-1の波数範囲の中赤外光を使用する血糖値測定装置(特許文献2および非特許文献1参照)が提案されている。 これらのうちでも、中赤外光を使用した血糖値測定は、グルコースの倍音などのスペクトルを測定する近赤外域での透過散乱光による血糖値とは異なり、グルコースの光の吸収を直接観測するため、グルコースの波数に着目すればよく、高精度の定量評価が期待できるものとされている。 【0004】 しかしながら、例えば非特許文献1に開示されている血糖値測定装置のように、例えば手の中指を測定部位とした場合には、十分に高い精度で、再現性よく測定を行うことが困難である、という問題が生ずることが判明した。 【0005】 【特許文献1】特開2003−42948号公報 【特許文献2】特開平11−155843号公報 【非特許文献1】電気学会論文誌 2004年 C 124巻9号 1759〜1765頁 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、血糖値の測定を非侵襲的に高い精度でかつ再現性よく行うことのできる血糖値測定装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の血糖値測定装置は、測定子を測定部位である被験者の上肢下腕手関節内側部に接触させて当該測定子を介して中赤外光を測定部位に照射することにより中赤外光の吸収度を測定する全反射減衰法によって、生体中のグルコース濃度を非侵襲的に測定する血糖値測定装置であって、 被験者の上肢下腕部を載置台に固定する固定機構と、測定子を測定部位に押圧して接触状態を維持する測定子押圧機構とを有することを特徴とする。 本明細書において、「中赤外光」とは750〜4000cm-1の波数範囲(13.3〜2.5μmの波長範囲)の光をいう。 【0008】 本発明の血糖値測定装置においては、測定子押圧機構は、測定子を載置台の表面に対して鉛直方向に変位させる位置調整手段と、被験者の上肢下腕部が載置台に載置された状態において測定子を被験者の測定部位に対して付勢する測定子付勢手段とを備えており、測定子の載置台の表面に対するレベル位置が位置調整手段によって調整されることにより、測定子付勢手段による測定子の測定部位に対する押圧力の大きさが調整される構成とすることができる。 【0009】 また、本発明の血糖値測定装置においては、測定子押圧機構は、測定子の、測定部位に対する押圧力の大きさを調整する押圧力調整手段を備えた構成とされていることが好ましい。 【0010】 さらに、本発明の血糖値測定装置においては、載置台の表面には、被験者の上肢下腕部を測定部位が測定子に対して位置決めされた状態で載置するための位置決め手段が設けられた構成とされていることが好ましい。 【発明の効果】 【0011】 本発明の血糖値測定装置によれば、中赤外光を利用したATR法が実施されることにより、中赤外域の吸収ピークはグルコース分子の一次吸収であり、グルコースの光の吸収を直接観測することができるので、倍音や結合音など近赤外域のピークを測定するよりも正確に測定を行うことができ、しかも、測定子押圧機構によって適正な大きさに調整された押圧力で測定子が測定部位に接触された状態で、上肢下腕部が固定機構によって固定され、この状態で、上肢下腕手関節内側部という特定の測定部位において測定が行われることにより、測定子と測定部位との良好な接触状態が達成され、皮脂や水分の影響および体毛などの影響を受けることなしに、グルコースの吸収シグナルを多く含む吸収スペクトルを取得することができるので、血糖値を非侵襲的に高い精度で測定することができる。 また、測定部位が被験者にとって可視部位であることにより、被験者に不安感を与えることがなく、また測定を個人で実施することができる。 【0012】 さらに、位置決め手段が載置台に設けられていることにより、血糖値測定を行うに際して同じ測定部位で測定することができるので、血糖値の測定を再現性よく行うことができ、得られる測定結果は高い信頼性を有するものとなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 図1は、本発明の血糖値測定装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。 この血糖値測定装置は、中赤外域の吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出部10と、この吸収スペクトル検出部10により得られた吸収スペクトルに対して所定の演算処理を行うことにより血糖値を算出する演算処理部70と、演算処理部70により得られた結果を表示する表示部80とを備えている。 吸収スペクトル検出部10は、例えばファイバー型ATR結晶からなる測定子11と、例えばモリブデンシリサイドヒータやハロゲンランプなどからなり、中赤外の波長範囲で連続スペクトルを出力する光源21と、例えば分散型赤外分光光度計やフーリエ赤外分光光度計などからなる光検出器22とにより構成されている。 【0014】 測定子11は、図2に示すように、例えばカルコゲナイドからなる直径1mmのATRファイバー12がU字型に折り返された状態で保持部材16によって保持されて、構成されており、被験者の測定部位65に接触される弧状湾曲部13は、クラッド12Bを有さず、コア12Aが露出された状態とされている。 ATRファイバー12の一端面14は、光源21に対向状態で設けられており、ATRファイバー12の他端面15は、光検出器22に対向状態で設けられている。 そして、ATRファイバー12内を伝播する中赤外光(図2において光線軌跡の一部を矢印で示す。)は、皮膚に接する弧状湾曲部13にてATRファイバー12から、光の波長長さに相当する例えば10μm程度まで皮膚に入り込み、グルコースの浸出している角質層より下の領域で反射してATRファイバー12内に戻る。 【0015】 この血糖値測定装置においては、図3および図4に示すように、載置台25上に載置される被験者の上肢下腕部における特定の測定部位に対して測定子11を押圧して接触状態に維持する測定子押圧機構30が設けられている。 測定子押圧機構30は、被験者の上肢下腕部が載置台25に載置された状態において測定子11を被験者の測定部位に対して付勢する測定子付勢手段を備えた可動部40と、この可動部40が一体に固定され、測定子11を載置台25の表面に対して鉛直方向(図3において上下方向)に変位させる位置調整手段50とにより構成されている。 【0016】 可動部40は、略箱状の筐体41と、この筐体41内部に配置された測定子付勢手段である例えばコイルバネ42と、このコイルバネ42の内部空間内に挿通されて配置されたロッド43と、このロッド43の一端部(図3において上端部)が内部空間内に挿入されると共に筐体41から突出状態で設けられたシリンダ44と、このシリンダ44の一端面に一体に固定された、載置台25の表面に沿って水平方向に伸びるアーム45とにより構成されており、測定子11は、その弧状湾曲部13が載置台25に形成された開口26を介して外部に露出される姿勢で、アーム45の他端部に設けられた保持部46によって保持されている。 ロッド43の他端部には、コイルバネ42の他端部に係止されるフランジ部分43Aが形成されており、また、シリンダ44の他端部には、筐体41の内壁面に係止されるフランジ部分44Aがコイルバネ42の一端部に対接状態で形成されている。 【0017】 位置調整手段50は、可動部40の筐体41が固定されるステージ51と、このステージ51を可動部40におけるコイルバネ42の伸縮方向(図3において上下方向)に移動可能に保持する台座52と、ステージ51に設けられたステージ移動用ネジ53とにより構成されており、台座52が装置本体の機枠28に固定されている。54は、ステージ51を台座52に固定する固定用ネジである。 この位置調整手段50によって、測定子の、載置台25の表面に対するレベル位置が調整されることにより上肢下腕部が載置台25に載置されたときのコイルバネ42の収縮量が調整され、これにより、測定子11の、測定部位に対する押圧力の大きさが調整可能とされている。 【0018】 この血糖値測定装置における測定子押圧機構30には、さらに、測定子11の測定部位に対する押圧力の大きさを調整する押圧力調整手段が設けられている。 この押圧力調整手段は、例えば可動部40の筐体41の下壁を貫通して設けられた押圧力調整用ネジ55により構成されており、この押圧力調整用ネジ55の先端部がロッド43のフランジ部分43Aの他面に対接されている。 押圧力調整手段をさらに備えていることにより、測定部位に凹凸がある場合であっても、測定子11と測定部位との良好な接触状態を確実に得ることができる。 【0019】 この血糖値測定装置においては、図5に示すように、被験者の上肢下腕部を載置台25上に固定する固定機構である、例えば血圧計などに使われるマジックテープ(登録商標)式の帯状のカフよりなる固定バンド60を備えている。 また、載置台25の表面には、位置決め手段としての、例えば碁盤目状に形成された溝25Aが形成されている。 このような固定機構および位置決め手段を備えていることにより、毎回同じ測定部位において測定を行うことができると共に、測定時において測定部位がズレてしまうことを確実に防止することができる。 【0020】 以下においては、上記血糖値測定装置による血糖値の測定方法について説明する。 上述したように、本発明の血糖値測定装置は、被験者の上肢下腕手関節内側部を測定部位として中赤外光を利用したATR法により血糖値を非侵襲的に測定するものである。 測定部位である「上肢下腕手関節内側部」とは、図6に示すように、上肢下腕部65における手首関節位置S1から肘関節位置S2までの長さLに対して、手首関節位置S1から肘関節位置S2に向かって上向するL/3の長さの範囲MA内の部位をいう。 【0021】 血糖値測定の際には、先ず、上肢下腕部65を手の甲を上方に向けた状態で位置決めして載置して固定バンド60により固定する。位置決め方法としては、例えば4箇所の指の又の位置の各々を載置台25の表面に碁盤目状に形成された溝25Aの所定位置に合わせた状態において写真を撮り、次回の測定の際に当該写真により位置を確認することにより行うことができる。 そして、測定子押圧機構30におけるステージ移動用ネジ53を調整することによりステージ51に固定された可動部40全体を上下方向に変位させて測定子11の測定部位に対する押圧力の大きさを調整する。具体的には、例えば測定前において測定子11の先端部分が載置台25の表面より突出しない状態(コイルバネ42が自然長である状態、図3参照)とされていれば、測定子11と測定部位との良好な接続状態を得ることができないことから、図7に示すように、測定子11を含む可動部40全体を上方に変位させることにより可動部40のシリンダ44が下方に変位してフランジ部分44Aによってコイルバネ42が圧縮され、これにより生ずるバネ力によって、測定子11が測定部位に対して付勢されて測定子11と測定部位との良好な接触状態が得られる。また、図8に示すように、予め押圧力調整用ネジ55を調整することによりロッド43のフランジ部分43Aによってコイルバネ42を下方から圧縮した状態としておき、さらに、上記のような位置調整を行うようにしてもよい。 具体的には、測定子11と測定部位との接触状態が、例えば測定子11の測定部位に対する押圧力の大きさが1〜11kgf/cm2 、測定子11の測定部位に対する接触面積が0.0045cm2 程度となる状態が得られるよう、測定子11の測定部位に対する押圧力が調整される。 【0022】 このように、被験者の上肢下腕手関節内側部を適正な押圧力で測定子11に対して接触するよう固定した後、吸収スペクトル検出部10による分光測定およびこれにより得られたスペクトルデータに応じた血糖値(グルコース濃度)を算出する演算処理が行われる。以下、図1および図9を参照して、分光測定および演算処理について具体的に説明する。 【0023】 <分光測定> 光源21から出射された中赤外域の波長範囲の光がATRファイバー12内を伝播してコア12Aが露出する弧状湾曲部13において被験者の測定部位に照射される。 被験者の測定部位に照射された光は、近接場光の効果によって、生体内に侵入した後再びATRファイバー12内に導入される。その後、ATRファイバー12内を伝播してATRファイバー12の他面より出射される光が光検出器22によって検出され、検出された光がスペクトル分解(分光)されてスペクトル強度が検出されることにより、吸収スペクトルが取得される。 吸収スペクトル検出部10においては、スペクトル強度の検出が例えば180回以下の範囲内で積算され、さらに、このような処理を例えば3回行うことにより得られた値の平均値をとることにより1個の吸収スペクトルデータとして集約される。 【0024】 <演算処理> 吸収スペクトル検出部10によって得られた吸収スペクトルデータは、演算処理部70おいて、スペクトルデータ格納部71に格納されると共に、吸収スペクトルデータに係る吸光度値が2階微分されて吸光度の2階微分値が算出された後、グルコースの吸収特性を示す特定の波数例えば1030cm-1付近でのピーク高さの絶対値が測定され、個人データが作成されると共に個人データ格納部72に格納される。格納された個人データは、個人用検量線の更新等に利用することができる。また、この例においては、吸収スペクトルデータに係る吸光度の2階微分値についても、データ格納部73に格納される構成とされている。 一方、予め取得しておいた、吸光度の2階微分値のピーク高さと血糖値との関係を示す個人用検量線が読み出され、上記測定値(吸光度の2階微分値)を当該個人用検量線に対照することにより測定値に応じたグルコースの濃度(血糖値)が算出される。 【0025】 以上において、個人用検量線は、次のようにして取得されたものである。 先ず、上述した中赤外光を使用したATR法によって上肢下腕手関節内側部における吸収スペクトルデータを取得すると同時に、実際に採血を行って例えば「アントセンス」などの医家用血糖値モニターにより血糖値濃度を測定する。そして、このような操作を10分間隔毎に3回ほど繰り返し行った後、日本糖尿病学会の定める糖尿病判定基準に沿ったプロトコルに従って、「トレーランG75」(グルコースの飲料、糖負荷試験薬)を被験者に摂取させた後、再び、ATR法による吸収スペクトルデータの取得および採血による血糖値濃度の測定を10分間隔毎に繰り返して行う。図10は、ATR法により取得された吸収スペクトルデータであって、(ニ)は糖負荷をかける前のもの、(イ)〜(ハ)は、糖負荷をかけた後における経時的な変化を示すものであり、(イ)〜(ハ)の順に時間が経過したものである。これらの吸収スペクトルデータは、光源21としてモリブデンシリサイドヒータを用い、ヒータの表面温度を900℃、出力される光の波数範囲が6000〜450cm-1となる条件に設定すると共に、測定子11の測定部位に対する押圧力を11kgf/cm2 に設定して得られたものである。 【0026】 ATR法により取得される吸収スペクトルデータについては、上述した演算処理、すなわちスペクトルデータに係る吸光度の2階微分値の算出および特定の波数例えば1030cm-1付近でのピーク高さ(絶対値)の測定が行われる。図11は、図10に示す吸収スペクトルに係る吸光度(相対値)の2階微分値と波数との関係を示すグラフである。 このようにして、ATR法によって得られる2階微分値のピーク高さ(血糖相当値)と、採血による実際の血糖値測定値を一対のデータとして、例えば100mg/dl程度の血糖値変動を有する複数回分のデータ群を取得する。 次いで、図12に示すように、採血による実際の血糖値測定値(横軸)に対して、吸光度の2階微分値(縦軸)をプロットし、例えば最小自乗法によって直線近似することにより、個人用検量線Lが得られる。 【0027】 そして、演算処理部70によって算出された例えばグルコース濃度が表示部80に表示される。 【0028】 而して、上記血糖値測定装置によれば、中赤外光を利用したATR法が実施されることにより、基本的には、中赤外域の吸収ピークはグルコース分子の一次吸収であり、グルコースによる光の吸収の程度を直接的に観測することができるので、倍音や結合音など近赤外域のピークを測定するよりも正確に測定を行うことができる。 しかも、上肢下腕部65が、測定子押圧機構30によって適正な大きさに調整された押圧力で測定子11が測定部位に接触された状態で、固定バンド60によって固定され、この状態で、上肢下腕手関節内側部という特定の測定部位において測定が行われることにより、測定子11と測定部位との良好な接触状態が達成されることに加え、上肢下腕手関節内側部は、(1)皮脂や水分の影響が少ない部位であること(2)角質層が薄い部位であること(3)体毛のないもしくは少ない部位であること(4)適度の弾力性のある部位であること、などの特長を有することから、皮脂や水分の影響および体毛などの影響を受けることなしに、グルコースの吸収シグナルを多く含む吸収スペクトルを取得することができるので、血糖値を非侵襲的に高い精度で測定することができる。 実際に、図12に示されているように、上肢下腕手関節内側部において取得された吸収スペクトルデータに係る検量線Lは、相関係数が0.85であり、この検量線Lに基づいて算出される血糖値濃度は、採血による実際の血糖値測定値に対して相関があり(誤差が小さく)、信頼性の高いものとなる。 これに対して、腹、指および耳朶の各々について同一の測定条件で吸収スペクトルを検出し、当該吸収スペクトルに係る吸光度の2階微分値を、採血による実際の血糖値測定値に対してプロットし、最小自乗法によって直線近似することにより得られる検量線は、それぞれ、腹の場合には相関係数が0.01、指の場合には相関係数が0.33、耳朶の場合には相関係数が0.21であり、これらの検量線に基づいて算出される血糖値濃度は、十分に高い信頼性を有するものとならないことが確認された。図12において、「○」印が腹、「▲」印が指、「●」印が耳朶のデータを示す。 【0029】 また、上肢下腕手関節内側部は被験者にとって可視部位であることにより、被験者に不安感を与えることがなく、また測定を個人で実施することができる。 【0030】 さらに、碁盤目状に形成された溝25Aによる位置決め手段が載置台25の表面に設けられていることにより、血糖値測定を行うに際して同じ測定部位で測定することができるので、血糖値の測定を再現性よく行うことができ、得られる測定結果は高い信頼性を有するものとなる。 【0031】 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。 例えば、本発明の血糖値測定装置においては、測定子押圧機構は、測定子の、測定部位に対する押圧力の大きさが調整可能に構成されていれば、具体的な構成は特に限定されるものではない。 また、固定機構についても、測定時において上肢下腕部を固定することができるものであれば、特に限定されるものではない。 さらに、個人用検量線を取得するに際してのデータの数等の具体的な条件は目的に応じて適宜に変更することができる。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の血糖値測定装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。 【図2】本発明の血糖値測定装置における測定子の一構成例を示す断面図である。 【図3】本発明の血糖値測定装置における測定子押圧機構の構成の概略を示す断面図である。 【図4】図3に示す測定子押圧機構の構成の概略を示す上面図である。 【図5】載置台の構成を示す上面図である。 【図6】測定部位を説明するための図である。 【図7】測定子押圧機構による押圧力調整方法を説明するための断面図である。 【図8】押圧力調整手段による押圧力調整方法を説明するための断面図である。 【図9】図1に示す血糖値測定装置における動作フロー図である。 【図10】ATR法により取得された上肢下腕手関節内側部における吸収スペクトルである。 【図11】図10に示す吸収スペクトルに係る吸光度(相対値)の2階微分値と波数との関係を示すグラフである。 【図12】個人用検量線を示すグラフである。 【符号の説明】 【0033】 10 吸収スペクトル検出部 11 測定子 12 ATRファイバー 12A コア 12B クラッド 13 弧状湾曲部 14 ATRファイバーの一端面 15 ATRファイバーの他端面 16 保持部材 21 光源 22 光検出器 25 載置台 25A 溝 26 開口 28 機枠 30 測定子押圧機構 40 可動部 41 筐体 42 コイルバネ 43 ロッド 43A フランジ部分 44 シリンダ 44A フランジ部分 45 アーム 46 保持部 50 位置調整手段 51 ステージ 52 台座 53 ステージ移動用ネジ 54 固定用ネジ 55 押圧力調整用ネジ 60 固定バンド 65 上肢下腕部 70 演算処理部 71 スペクトルデータ格納部 72 個人データ格納部 73 データ格納部 80 表示部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102212 【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社 【識別番号】502210600 【氏名又は名称】有限会社 マリウス
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| 【出願日】 |
平成18年9月5日(2006.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078754 【弁理士】 【氏名又は名称】大井 正彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−61698(P2008−61698A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−240147(P2006−240147) |
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