| 【発明の名称】 |
バイオセンサカートリッジ |
| 【発明者】 |
【氏名】北村 貴彦
【氏名】改森 信吾
【氏名】原田 章
【氏名】細谷 俊史
【氏名】藤村 剛
【氏名】輕部 征夫
【氏名】後藤 正男
【氏名】中村 秀明
【氏名】石川 智子
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| 【要約】 |
【課題】測定に必要な試料の採取量を少量にして使用者の負担を軽減することができるバイオセンサカートリッジを提供する。
【構成】対向する2枚の基板12a、12b間に、間隔保持材13によって所定の間隔を保持して中空反応部15を形成している。この中空反応部15では、2枚の基板12a、12bの対向する面の一方には作用極16aを設けるとともに他方には対極16bを設けたので、従来用いられているような一方の基板16a(16b)に作用極32aおよび対極32bの両方を用いた場合に比して、中空反応部15を小さくすることができる。これに伴い、採取する試料Bの量を少なくすることができ、使用者の負担を軽減することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板を所定の間隔に保持する間隔保持材と、検体から試料を採取するために穿刺する穿刺用器具と、前記2枚の基板間に設けられた中空反応部とを有し、 前記2枚の基板の対向する面の一方に作用極を設けるとともに他方に対極を設けたことを特徴とするバイオセンサカートリッジ。 【請求項2】 前記穿刺用器具は、少なくとも表面を絶縁性材料で形成して、前記2枚の基板の先端部に挟装されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサカートリッジ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えばカートリッジの中空反応部に収容した試薬を用いて化学物質の測定や分析を行うバイオセンサカートリッジに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、例えば血液中のグルコースの濃度を検出するバイオセンサが知られている(例えば特許文献1参照)。 図4は特許文献1に記載されているグルコースセンサを示す分解斜視図である。図4に示すように、バイオセンサであるグルコースセンサ100は、対極101と作用極102を有している。対極101は、長さ方向に半裁された中空針状をしており、その先端部103は穿刺しやすいように注射針状に斜切されている。そして、半裁された切断面には、一般に接着剤層を兼ねた絶縁層104、104´、例えばエポキシ樹脂接着剤、シリコーン系接着剤あるいはガラスなどが塗布されており、この絶縁層104、104´を介して作用極102が取り付けられている。作用極102は、酵素グルコースオキシダーゼ(GOD)を固定化した平板状の部材であり、GODが固定化された面を内側に向けて対極101に接着されている。 従って、針状対極101の先端部103を検体に穿刺して血液を採取し、採取した血液と固定化GOD105との反応を作用極102により検出して、グルコースの定量を行う。 【0003】 また、バイオセンサチップとランセットを一体化したバイオセンサカートリッジが開示されている(例えば特許文献2参照)。 図5(A)は特許文献2に記載されているセンサの斜視図、図5(B)はセンサの分解斜視図である。図5に示すように、ランセット一体型のセンサ110は、チップ本体111、ランセット113、保護カバー115を有している。チップ本体111は、カバー111aと基板111bとを開閉可能に有しており、カバー111aの内面には内部空間112が形成されている。内部空間112は、ランセット113を移動可能に収納できる形状をしており、カバー111aを開けることによりランセット113が交換自在となっている。 【0004】 ランセット113の先端に設けられている針114は、ランセット113の移動に伴ってチップ本体111の内部空間112の前端部に形成されている開口部112aから出没可能となっている。ランセット113は、チップ本体111の両側面を指によって押圧してランセット113の突起113aを押圧することにより、チップ本体111に固定可能となっており、この固定状態で穿刺を行う。保護カバー115は針114を挿嵌する管部115aを有しており、針114の移動に伴って管部115aもチップ本体111の内部に収納可能となっている。従って、使用前の状態では、保護カバー115を針114に被せて、針114を保護するとともに誤って使用者を傷付けないようにしている。なお、基板111bには、一対の電極端子116が設けられており、測定装置(図示省略)に電気的に接続できるようになっている。 【0005】 従って、使用時には、保護カバー115を外して、ランセット113を押して針114をチップ本体111から突出させ、チップ本体111の両側面を指で押圧して針114を固定する。この状態で検体を穿刺した後、針114をチップ本体111内部に収納し、チップ本体111の前端に設けられている開口部112aを穿刺口に近づけて、血液を採取する。 【特許文献1】特開平2−120655号公報(図1) 【特許文献2】WO02−056769号公報(図1) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献1に記載のグルコースセンサ100では、針状対極101と作用極102とを貼り合わせて形成されるため、穿刺用器具の径がグルコースセンサ100の幅と同程度となり大きくなる。このため、採血量が多くなるとともに穿刺時の痛みが大きくなり、使用者の負担が大きくなるという問題がある。 また、特許文献2に記載のランセット一体型センサ110では、穿刺駆動機構を内部空間112内に設けているため、複雑な穿刺機構が必要となる。 【0007】 本発明の目的は、測定に必要な試料の採取量を少量にして使用者の負担を軽減することができるバイオセンサカートリッジを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 前述した目的を達成するために、本発明にかかるバイオセンサカートリッジは、互いに対向する2枚の基板と、前記2枚の基板を所定の間隔に保持する間隔保持材と、検体から試料を採取するために穿刺する穿刺用器具と、前記2枚の基板間に設けられた中空反応部とを有し、前記2枚の基板の対向する面の一方に作用極を設けるとともに他方に対極を設けたことにある。 【0009】 このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、対向する2枚の基板間に、間隔保持材によって所定の間隔を保持して中空反応部を形成している。この中空反応部では、2枚の基板の対向する面が露出して対向しており、その一方の面には作用極を設けるとともに他方の面には対極を設けた対面電極構造としたので、従来用いられているような一方の基板に作用極および対極の両方を用いた並列電極構造の場合に比して、中空反応部を小さくすることができる。これに伴い、採取する試料の量を少なくすることができ、使用者の負担を軽減することができる。尚、本発明においては、針、ランセット針、カニューレ等を総称して穿刺用器具という。 【0010】 また、本発明にかかるバイオセンサカートリッジは、前記穿刺用器具は、少なくともその表面を絶縁性材料で形成して、前記2枚の基板の先端部に挟装されていることにある。 【0011】 このように構成されたバイオセンサカートリッジにおいては、穿刺用器具を中空反応部において2枚の基板間に挟んで固定することになるので、中空反応部の先端にあって、試料を採取して中空反応部に導入する試料採取口は穿刺用器具の周囲となる。このため、穿刺用器具によって穿刺された穿刺口と試料採取口との距離を小さくすることができ、微量の試料でも確実に採取することが可能になる。また、穿刺後、試料の採取の際に、あらためてバイオセンサカートリッジを穿刺口に位置決めする面倒がなく、特に年齢や糖尿病等により視力が低下した利用者の負担を軽減することができる。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、対向する2枚の基板間に、間隔保持材によって所定の間隔を保持して中空反応部を形成し、この中空反応部では、2枚の基板の対向する面の一方には作用極を設けるとともに他方には対極を設けた対面電極構造としたので、従来用いられているような一方の基板に作用極および対極の両方を用いた並列電極構造の場合に比して、中空反応部を小さくすることができる。これに伴い、採取する試料の量を少なくすることができ、使用者の負担を軽減することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 図1(A)は本発明のバイオセンサカートリッジに係る実施形態を示す平面図、図1(B)は図1(A)中B方向から見た端面図、図2は本発明のバイオセンサカートリッジを用いたバイオセンサ装置を示す構成図、図3(A)は従来のバイオセンサの平面図、図3(B)は図3(A)中B方向から見た端面図である。 【0014】 図1(A)および(B)に示すように、本発明の実施形態であるバイオセンサカートリッジ10の本体11は、互いに対向する上下2枚の基板12a、12bと、2枚の基板12a、12bを所定の間隔に保持する間隔保持材13と、検体から試料である血液Bを採取するために穿刺する穿刺用器具14と、2枚の基板12a、12b間に設けられた中空反応部15とを有している。そして、中空反応部15における2枚の基板12a、12bの一方の面に作用極16aを設けるとともに他方の面に対極16bを設けて対面電極構造としたものである。 【0015】 すなわち、先端に穿用器具針14を有するカートリッジ本体11は、互いに対向する2枚の基板12a、12bと、この2枚の基板12a、12b間に挟装される間隔保持材としてのスペーサ層13を有する積層構造となっている。2枚の基板12a、12bの内側面、すなわち基板12a、12bのスペーサ層13側の表面には、一方に作用極16aを設けるとともに他方には対極16bが設けられている。作用極16aおよび対極16bは、先端部(図1(A)において下端部)は互いに重なるようにL字状に曲げられて、所定間隔を保持している。なお、カートリッジ本体11の後端部11bにおいては、後述する測定器21(図2参照)に接続する際の便宜のために、作用極16aおよび対極16bは、カートリッジ本体11の後側で露出する構造となっている。 【0016】 カートリッジ本体11の先端11aから、作用極16aおよび対極16bが対面している部分にかけて、2枚の基板12a、12b及びスペーサ層13により中空反応部15が形成されている。中空反応部15においては、作用極16aおよび対極16bの先端部は対向して露出しており、中空反応部15における作用極16aおよび対極16bの直上或いは近傍に、例えば酵素とメディエータを固定化し血液B中のグルコースと反応して電流を発生する試薬18が設けられている。従って、中空反応部15は、試料採取口13から採取入された血液Bが、試薬18と生化学反応する部分となる。この中空反応部15の先端に、検体に穿刺用器具14を穿刺して採取した試料である血液Bを中空反応部15に導入する試料採取口17が設けられている。試薬18としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)やグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、コレステロールオキシダーゼ、ウリカーゼ等の酵素と電子受容体が例示される。例えば、血液中のグルコース量を測定するグルコースバイオセンサチップの場合は、この部分に、グルコースオキシダーゼ層やグルコースオキシダーゼ−電子受容体(メディエータ)混合物層、グルコースオキシダーゼ−アルブミン混合物層、又はグルコースオキシダーゼ−電子受容体−アルブミン混合物層等が形成される。グルコースオキシダーゼ以外の酵素、例えばグルコースデヒドロゲナーゼ等を用い、これらの層が形成される場合もある。又、添加剤として緩衝剤や親水性高分子等を薬剤中に含めても良い。 【0017】 穿刺用器具14は、2枚の基板12a、12bの先端部に挟装するのが望ましい。この場合には、穿刺用器具14の少なくとも表面を絶縁性材料で形成する。すなわち、作用極16aと対極16bは、中空反応部15において所定の間隔を保持して露出状態で対向して配置されており、2枚の基板12a、12bによって穿刺用器具14を挟む場合には、穿刺用器具14は作用極16aおよび対極16bに接触することになる。このため、両極16a、16bの短絡を防止するために、穿刺用器具14は、マルトースやポリ乳酸等の血液により溶ける材質か、あるいはプラスチックのような絶縁性の材料で全体を形成するのが望ましい。あるいは、穿刺用器具14を金属で形成する場合には、表面を絶縁性材料でコーティングするようにする。このように、穿刺用器具14を2枚の基板12a、12bで挟装する場合には、作用極16aと対極16bの間隔は穿刺用器具14の外径となる。 【0018】 次に、前述したバイオセンサカートリッジ10が適用可能なバイオセンサ装置について説明する。図2には、上述したバイオセンサカートリッジ10を用いたバイオセンサ装置20の構成が示されている。 図2に示すように、バイオセンサ装置20は、前述したバイオセンサカートリッジ10と、このバイオセンサカートリッジ10の作用極16aおよび対極16bに接続して採取された血液Bの情報を得る測定器21とを有している。なお、バイオセンサカートリッジ10の構成については上述したとおりであり、前述したバイオセンサカートリッジ10と共通する部位には同じ符号を付すこととして、その説明はここでは省略する。 【0019】 測定器21は電源22、制御装置23、端子挿入部24、表示部25を備え、これらが互いに接続されている。端子挿入部24にはバイオセンサカートリッジ10のカートリッジ本体11の後端部11bが挿入されて固定されるとともに、カートリッジ本体11の後端部11bで露出している作用極16aおよび対極16bが電気的に接続されるような構造になっている。このバイオセンサ装置20は、小型であり、例えば、検体が片手で持つことが可能なハンディタイプである。 【0020】 以上、前述したバイオセンサカートリッジ10によれば、対向する2枚の基板12a、12bの間に、スペーサ層13によって所定の間隔を保持して中空反応部15を形成し、この中空反応部15では、2枚の基板12a、12bの対向する面の一方12aには作用極16aを設け、他方12bには対極16bを設けて対面電極構造とした。このため、図3に示す従来のバイオセンサチップ30のように、一方の基板12a(12b)に作用極32aおよび対極32bの両方を所定の間隔で設けた並列電極構造の場合に比して、中空反応部31の長さを短くして小さくすることができる。これに伴い、採取すべき血液Bの量を少なくすることができ、使用者の負担を軽減することができる。なお、図3(A)および(B)においては、図1で前述した部位と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明は省略することとする。 【0021】 なお、本発明のバイオセンサカートリッジは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。 例えば、前述した実施形態においては、本発明に係るバイオセンサカートリッジが、2枚の基板12a、12bの間に穿刺用器具14を挟んで設けた場合を例示したが、穿刺用器具14を2枚の基板12a、12bの間に設けない場合のバイオセンサチップにも適用可能である。すなわち、別の穿刺器により穿刺して、血液Bの採取を本発明の構成を有するバイオセンサチップで行うことも可能である。この場合には、2枚の基板の間隔は、穿刺用器具を備えていないので、穿刺用器具の外径に左右されることなく、スペーサ層の厚さにより調整することができる。 【0022】 また、前述した実施形態においては、全体L字形状をした作用極31aおよび対極31bを用い、両極31a、31bの先端部のみが対向する位置(重なる位置)に設けられた場合について説明したが、作用極31aおよび対極31bの全体が重なる位置に設けることもできる。 【産業上の利用可能性】 【0023】 以上のように、本発明に係るバイオセンサカートリッジは、対向する2枚の基板間に、間隔保持材によって所定の間隔を保持して中空反応部を形成し、この中空反応部では、2枚の基板の対向する面の一方には作用極を設けるとともに他方には対極を設けた対面電極構造としたので、従来用いられているような一方の基板に作用極および対極の両方を設けた並列電極構造の場合に比して、中空反応部を小さくすることができる。これに伴い、採取する試料の量を少なくすることができ、使用者の負担を軽減することができるという効果を有し、例えばチップの中空反応部に収容した試薬を用いて化学物質の測定や分析を行うバイオセンサカートリッジ等として有用である。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】(A)は本発明のバイオセンサカートリッジに係る実施形態を示す平面図である。 (B)は図1(A)中B方向から見た端面図である。 【図2】本発明のバイオセンサカートリッジを用いたバイオセンサ装置を示す構成図である。 【図3】(A)は従来のバイオセンサの平面図である。 (B)は図3(A)中B方向から見た端面図である。 【図4】従来のバイオセンサを示す分解斜視図である。 【図5】(A)は従来のバイオセンサを示す斜視図である。 (B)は従来のバイオセンサを示す分解斜視図である。 【符号の説明】 【0025】 10 バイオセンサカートリッジ 12a、12b 基板 13 スペーサ層(間隔保持材) 14 穿刺用器具 15 中空反応部 16a 作用極 16b 対極 B 血液(試料)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002130 【氏名又は名称】住友電気工業株式会社 【識別番号】301021533 【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
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| 【出願日】 |
平成18年9月4日(2006.9.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100116182 【弁理士】 【氏名又は名称】内藤 照雄
【識別番号】100135194 【弁理士】 【氏名又は名称】林 智雄
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| 【公開番号】 |
特開2008−61658(P2008−61658A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−239400(P2006−239400) |
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