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【発明の名称】 マイクロ波手術器
【発明者】 【氏名】谷 徹

【要約】 【課題】ピンセット(摂子)又は内視鏡用鉗子のように中心導体と外部導体の分離点から先端電極部までに長さが必要な処置具に応用可能なマイクロ波を利用した手術器、さらには止血、凝固能に優れたマイクロ波手術器を提供する。

【構成】マイクロ波医療用処置具であって、処置具の先端部が、マイクロ波伝送用中心導体1、絶縁体2、及び外部導体3によって構成され、中心導体1及び外部導体3が露出しており、対象物に対してマイクロ波の印加が可能であるマイクロ波手術器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波医療用処置具であって、処置具の先端部が、マイクロ波伝送用中心導体、絶縁体、及び外部導体によって構成され、中心導体及び外部導体が露出しており、マイクロ波の印加が対象物に対して可能であるマイクロ波手術器。
【請求項2】
ピンセット(摂子)型のマイクロ波医療用処置具であって、摂子の先端部が、マイクロ波伝送用中心導体、絶縁体、及び外部導体によって構成され、摂子機能を発揮する把持部内側(先端部の相対する側)において、中心導体及び外部導体が露出しており、同位相のマイクロ波の印加が対象物に対して可能であり、双極型の電極に挟んだ部分を止血、凝固させることが可能な請求項1に記載のマイクロ波手術器。
【請求項3】
双極型電極の片方のみを使用して生体表面の止血、凝固させることが可能な請求項1に記載のマイクロ波手術器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を利用した医療用処置具、即ちマイクロ波手術器に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織の手術に、RF(Radiofrequency)用のバイボーラ摂子は利用されている。マイルドな止血、凝固に優れたマイクロ波手術器として開示されているが(特許文献1)、操作性、安全性に優れたマイクロ波手術器は存在しなかった。
【特許文献1】実開平5-20715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ピンセット(摂子)のように中心導体と外部導体の分岐点から先端電極部までに長さが必要な処置具に応用可能なマイクロ波を利用したマイクロ波手術器を提供することである。さらには、止血、凝固能に優れた手術器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、処置具の先端部が、マイクロ波伝送用中心導体、絶縁体、及び外部導体によって構成され、中心導体及び外部導体を露出させることにより、マイクロ波の印加が対象物に対して可能であるマイクロ波手術器を提供しうることに成功し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、以下からなる。
1.マイクロ波医療用処置具であって、処置具の先端部が、マイクロ波伝送用中心導体、絶縁体、及び外部導体によって構成され、中心導体及び外部導体が露出しており、マイクロ波の印加が対象物に対して可能であるマイクロ波手術器。
2.摂子型のマイクロ波医療用処置具であって、摂子の先端部が、マイクロ波伝送用中心導体、絶縁体、及び外部導体によって構成され、摂子機能を発揮する把持部内側(先端部の相対する側)において、中心導体及び外部導体が露出しており、同位相のマイクロ波の印加が対象物に対して可能であり、双極型の電極に挟んだ部分を止血、凝固させることが可能な前項1に記載のマイクロ波手術器。
3.双極型電極の片方のみを使用して生体表面の止血、凝固させることが可能な前項1に記載のマイクロ波手術器(図3)。
【発明の効果】
【0006】
本発明のマイクロ波手術器は、操作し易く、マイクロ波処置が可能な生体組織の把持、圧迫、止血、凝固等を同時に効果的に行い、剥離も行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応する部分を示すものとする。ただし、これらの図は本発明の内容を象徴的に示す一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0008】
本発明のマイクロ波手術器の一は、摂子型構造からなり、先端部に対象物である生体組織等を挟み把持可能な長さの部分を有する。代表例として図1に側面図を示す。このマイクロ波手術器は、同軸ケーブル4でマイクロ波発生装置と接続されている。
【0009】
図2は、本発明のマイクロ波手術器の先端部(*)を拡大した断面図である。先端部の医療用処置具の両先端部がすこし開いた状態を斜めからみた図である。図1における先端部(*)の上下一対の同軸導電体のそれぞれ相対する部分(A,B)に中央導電体をで露出させている。図2において、1は中心導体であり、2は絶縁体であり、中心導体と外部導体3を絶縁させている。絶縁体は先端部を除いて全て覆われている。
【0010】
本発明のマイクロ波手術器は、4の同軸ケーブルを経てマイクロ波が印加される。露出された先端部の中心導体及び外部導体に同位相のマイクロ波が印加可能である。両先端部によって対象物を挟み、両先端部間を相対変位させ、生体組織を圧迫し、マイクロ波を印加すると挟まれた生体組織の部位の止血、凝固を達成させうる。
【0011】
1)本発明のマイクロ波手術器は、両脚の長い摂子の手元分岐部で、マイクロ波伝送用の同軸ケーブルをY型に分岐させ、分岐した同軸ケーブルを摂子の両脚にそわせて、脚先端部に固定し、同軸ケーブル先端の電極部(長さは波長に整合させる)を縦割りに切断している。図2の如く、中心導体、絶縁体、外部導体の切断面を露出させ、両脚の接触面を向かい合わせて固定する。
【0012】
2)両脚の接触面は、摂子を圧迫したとき、双方の中心導体、外部導体が接触するため、マイクロ波回路の短絡にはならない。なお、摂子の使用時は、両脚の圧迫が前提になるため、凝固能力は確保される。
【0013】
3)電極接触面で、対象物をはさんだときは、接触面以外はすべて外部導体(設地側)でカバーされるので、マイクロ波の不要放射は発生しない(図2)。
【0014】
本発明のマイクロ波手術器の他の一は、カギ型構造からなり、双極型の片方のみを使用し、生体組織での止血、凝固を可能とするマイクロ波手術器である。代表例として図3に側面図、下面図及び断面図を示す。図3下図は本手術器の下面図である。このマイクロ波手術器は、同軸ケーブル4でマイクロ波発生装置と接続されている。
【0015】
本手術器の先端部中心には中心導体が露出しており、その周辺を絶縁体で覆われ、さらに外部導体で覆われる形状からなる。上図は本手術器の側面図であり、先端部が対象物との接触が容易なようにくの字に曲げられている状態を示す。左図は断面図であり、本手術器の軸中央部に中心導体が通っていることを示す。下図では、本手術器のカギ型状の先端部下面に露出した中心導体が示される。該露出した中心導体を通じて、対象物にマイクロ波が印加され、生体組織での止血、凝固を可能とする。本手術具は、内視鏡用摂子としても使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
以上説明したように、本発明のマイクロ波手術器は、医療分野での外科的処置において、操作しやすく、生体組織の把持、剥離、圧迫しつつ、止血、凝固を一回の処置で達成しうるマイクロ波手術器である。本発明のマイクロ波手術器は、ミストや煙が出ず、止血能が極めて強く優れており、限られた腹腔内空間等での手術用用具として適している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】マイクロ波手術器(摂子型)の横面図である。
【図2】マイクロ波手術器(摂子型)の先端部の断面図(拡大図)である。
【図3】各種形状の双極型の片方のみを使用した生体表面の止血、凝固、切断用のマイクロ波手術器(カギ型)。
【符号の説明】
【0018】
1 中心導体
2 絶縁体
3 外部導体
【出願人】 【識別番号】504177284
【氏名又は名称】国立大学法人滋賀医科大学
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆

【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子

【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也


【公開番号】 特開2008−54926(P2008−54926A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−235474(P2006−235474)