| 【発明の名称】 |
心拍情報取得装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 俊行
|
| 【要約】 |
【課題】どのような環境下でも、混信やノイズの影響を受けず常に正確な心拍情報を利用者が取得できるようにすること。
【構成】心拍情報取得装置は、本体ベルト1に取り付けられた一対の胸電極11A,11Bを備えた電極部11と、一対の胸電極11A,11Bの間に発生した心電位に基づいて心拍信号を検出する心拍検出部と、演算制御部及び報知部16,17とで構成されている。そして、前記演算制御部は前記心拍信号を処理して心拍数を算出する心拍数演算手段と、前記報知部を制御して心拍情報を利用者に報知させる制御手段を備えて構成され、本体ケースに収納されて本体ベルト1に取り付けられている。前記心拍情報は、前記心拍数が入力手段15で設定された目標値の正常範囲にある旨の情報、前記心拍数が上限目標値を超えた旨の情報、下限目標値を下回った旨の情報である。そして、前記報知部は、振動モータ17であって、利用者の胸骨20に振動を伝達する位置にして本体ベルト1に取り付けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の胸電極を備えた電極部と、前記一対の胸電極の間に発生した心電位に基づいて心拍信号を検出する心拍検出部と、演算制御部及び報知部を備えて構成され装着ベルトによって利用者の胸部に装着される心拍情報取得装置であって、 前記演算制御部は前記心拍信号を処理して心拍数を算出する心拍数演算手段と、前記心拍数と目標値を比較し且つ前記報知部を制御して心拍情報を利用者に報知させる制御手段を備えて構成されていることを特徴とする心拍情報取得装置。 【請求項2】 前記心拍情報は、前記心拍数が設定範囲にある旨の情報、前記心拍数が上限目標値を超えた旨の情報、下限目標値を下回った旨の情報の全て、又はこの中の1つ又は2つの情報であることを特徴とする請求項1に記載の心拍情報取得装置。 【請求項3】 前記報知部は、音声報知手段、電子音報知手段及び振動報知手段のうちのいずれか1つ以上を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の心拍情報取得装置。 【請求項4】 前記振動報知手段は振動モータであって、利用者の胸骨に振動を伝達する位置にして前記装着ベルトに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の心拍情報取得装置。 【請求項5】 前記振動モータには高振動を得るための分銅を備えるものであることを特徴とする請求項4に記載の心拍情報取得装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、装着ベルトに取り付けられた一対の電極の間に発生した利用者の心電位を処理して心電信号を検出し、前記心電信号を演算して心拍数を算出し、前記心拍数に基づいて心拍情報を利用者が取得できる心拍情報取得装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 心拍計は、一般に、装着ベルトに取り付けられた一対の胸電極の間に発生した心電位を処理して心拍信号を検出する検出部と前記心拍信号を送信する無線送信部とを備えた心拍信号送信器と、前記心拍信号を受信する無線受信部と前記心拍信号を処理して心拍数を算出する演算回路と前記心拍数に基づいて心拍数を表示する表示部を備えた心拍信号受信器とで構成されている。前記心拍信号送信器は前記チェストベルトにより利用者の胸部に装着され、前記心拍信号受信器は腕時計又は腕時計型受信器であって利用者の腕に装着されて使用される。 【0003】 上述の心拍信号を無線送受信する心拍計は、混信を生じさせない環境下では信頼性の高い正確な心拍測定を行うことができるものである。しかしながら、複数の利用者が上述の心拍信号を無線送受信する心拍計を近距離で同時に使用しているような場合には、混信が発生し、正確な心拍測定ができないという問題があった。また、上述の心拍信号を無線送受信する心拍計は、例えばスポーツマシンを使用しながら利用者が心拍測定を行う場合には、前記スポーツマシンが発生する電磁波による外部ノイズの影響を受け、正確な心拍数の測定が出来ないことがあった。そこで、外部ノイズの影響を受けない心拍計が、従来から種々提案されてきた。 【0004】 特許第3568954号公報(特許文献1)には、心拍信号を混信に妨げられずに送信する方法が開示されている。この方法によれば、チェストベルトによって利用者の胸に取り付けた心拍信号送信器が、心臓の拍動により発生した電気信号を検出し、フィルタ増幅、検波、波形整形し、バースト波で心電信号を送信する。前記心拍信号送信器には、チェストベルトに取り付けられた一対の胸電極を備える。このバースト波の心電信号を心拍信号受信器である腕時計に搭載した受信アンテナで受信し、受信信号に基づいて心拍数を計算し、前記心拍数を腕時計の表示部に表示する。これによって、混信防止を図るものである。 【0005】 しかしながら、チェストベルトに取り付けられた一対の胸電極で検出し心拍信号をバースト波で心拍信号受信器に送信する従来の構成においては、外部ノイズの影響を受ける場合、例えばスポーツマシン使用している場合には、心拍信号を送信してもスポーツマシンから発生するノイズの影響により正確なバースト波が検出できず、心拍信号受信器である腕時計において受信されたバースト波の心拍信号を演算しても正確な心拍数が得られないという問題があった。また、バースト信号を送信する従来の構成においては、同様の機器を近距離で使用している場合、複数のバースト信号を受信してしまうため、正確な心拍数を測定することが困難であった。 【0006】 再表96/029005号公報には、人体における心臓の近傍に装着された一対の電極から得られえる心電信号を検出して検出信号を発生する検出回路と、該検出信号の発生間隔を一定周期の信号で計数して間隔データを発生する間隔データ作成回路と、該間隔データをシリアル信号に変換してシリアルデータ信号を発生するシリアルデータ作成回路と、該シリアルデータ信号を変調して無線信号として送信する送信回路と、電源としての電池とを備えた送信器と、該送信器からの無線信号を受信して復調し受信信号を発生する受信回路と、前記受信信号をデコードして心電間隔データを発生するデータデコード回路と、心電間隔データから心拍数を算出する演算回路と、心拍数を表示する表示部を備えた受信器とで構成されている。 【0007】 この従来の心拍計は、前記受信器がノイズや無関係な信号を受信しても、この場合には正しいデータではないので前記データデコード回路が正常にデコードできず、前回の正しい受信の際のデータを表示するので、誤った心拍数を表示することがない。しかしながら、この従来の心拍計は送信器も受信器も複雑になり、従って製造コストが高くなるという問題がある。また、例えばスポーツマシン使用している場合などの如く、外部ノイズの影響を継続して受ける場合には、リアルタイムの心拍数を利用者は提供することができないという問題もある。前記受信器は、ノイズ電波の受信を防止するものではないからである。 【特許文献1】特許第3568954号公報 【特許文献2】再表96/029005号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明が解決しようとする課題は、どのような環境下でも、混信やノイズの影響を受けず常に正確な心拍情報を利用者が取得できる低価格の装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記課題を解決するために、装着ベルトに取り付けられた送信器と腕時計型受信器とで構成された従来の心拍計の利用者の行動を分析した結果、ランニング中に腕時計型受信器の表示部を見るのは利用者自身が認識し心拍数を確認する場合であること、心拍数の確認は頻繁ではないことが分かった。要するに、心拍数は運動強度の目安あり、心拍数が高すぎる場合は、運動強度が高いためペースを落としたり、心拍数が低い場合は、運動強度が低いためペースを上げるなどの目安としている。また、腕時計型受信器の表示部を見るという特別な閲覧行為をする場合に本来のランニング行為を中断したり減速したりすることもある。上述の利用者の行動分析結果に基づいて、利用者は、運動中のリアルタイムの心拍数よりも、むしろ利用者があらかじめ設定した範囲に心拍数があるか否かという心拍情報を要求している。 【0010】 上記課題を解決する装置は、装着ベルトに取り付けられている本体ケースを有し、一対の胸電極を備えた電極部と、前記一対の胸電極の間に発生した心電位に基づいて心拍信号を検出する心拍検出部と、演算制御部及び報知部とを備えて構成され、前記装着ベルトによって利用者の胸部に装着されて使用される装置である。前記演算制御部は前記心拍信号を処理して心拍数を算出する心拍数演算手段と、前記心拍数と目標値を比較して報知部を制御して心拍情報を利用者に報知させる制御手段を備えて構成され、前記本体ケースに収容されている。前記心拍情報は、前記心拍数が設定範囲にある旨の情報、前記心拍数が上限目標値を超えた旨の情報、下限目標値を下回った旨の情報の全て、又はこれら情報の中の1つ又は2つの情報である。 【発明の効果】 【0011】 本発明に係る心拍情報取得装置の利用者は、どのような環境下でも、混信やノイズの影響を受けず常に正確な心拍情報をうることができるようになった。また、本発明に係る心拍情報取得装置は送信回路と受信回路を必要としないので、回路構成が従来よりも簡単になり、従って製造コストの低減を図ることができた。更に、心拍情報は音や振動で伝えられるので、利用者は表示器を見るという特別な閲覧行為をする必要がなくなり、本来のランニングやトレーニング行為を中断したり減速したりすることがなくなった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明に係る心拍情報取得装置は、装着ベルトに取り付けられている本体ケースを有し、一対の胸電極を備えた電極部と、前記一対の胸電極の間に発生した心電位に基づいて心拍信号を検出する心拍検出部と、演算制御部及び報知部とを備えて構成され、前記装着ベルトによって利用者の胸部に装着されて使用される装置である。前記演算制御部は前記心拍信号を処理して心拍数を算出する心拍数演算手段と、前記心拍数と目標値を比較して報知部を制御して心拍情報を利用者に報知させる制御手段を備えて構成され、前記本体ケースに収容されている。前記心拍情報は、前記心拍数が設定範囲にある旨の情報、前記心拍数が上限目標値を超えた旨の情報、下限目標値を下回った旨の情報の全て、又はこれら情報の中の1つ又は2つの情報である。そして、前記報知部は、振動モータであって、利用者の胸骨に振動を伝達する位置にして前記装着ベルトに取り付けられている。 【実施例1】 【0013】 本発明の実施例1の心拍情報取得装置は、図1の斜視図、図2の主要部の部分拡大平面図に示す如く、本体ベルト1と背面ベルト2の夫々の両端を結合具3A,3Bによって結合された装着ベルトを有する。本体ベルト1の中央部には図示しない本体ケースが取り付けられている。また、本体ベルト1には、その左右の端部の近くに一対の胸電極11A,11Bからなる電極部11が埋め込まれている。 【0014】 本発明の実施例1の心拍情報取得装置は、図3のブロック回路図に示す如く、一対の胸電極11A,11Bの間に発生した心電位に基づいて心拍信号を検出する心拍検出部12と、演算制御部13及び報知部とを備えて構成されている。前記報知部は表示手段16と報知手段17で構成されている。 【0015】 演算制御部13は前記心拍信号を処理して心拍数を算出する心拍数演算手段13Aと、前記心拍数と目標値を比較し且つ報知部である表示手段16と報知手段17を制御して心拍情報を利用者に報知させる制御手段13B、及びプログラムやデータが記憶される記憶手段13Cを備えて構成されている。 【0016】 発振手段14は演算制御部13にクロックパルスを供給する手段であり、入力手段15は演算制御部13に利用者が目標値を設定するための入力ボタンなどの手段である。設定される目標値は、心拍数の上限目標値と下限目標値である。必要ならば心拍数の上限目標値と下限目標値のいずれか一方を目標値としてもよい。 【0017】 報知部を構成する表示手段16は、本体ケース1に取り付けられた液晶表示パネルを有し、現在の心拍数、心拍数の上限値、心拍数の下限値を夫々表示する。表示手段16は、入力手段15を操作する場合には、目標値設定機能の一部を構成する。 【0018】 報知部16,17が報知する心拍情報は、現在の心拍数情報(現在情報)、心拍数が目標の上限値を超えた旨の情報(上限情報)、目標の下限値を下回った旨の情報(下限情報)の全て、又はこの中の1つ又は2つの情報である。ここに、実施例1における心拍情報は、現在情報、上限情報、下限情報の3種類とする。 【0019】 報知部を構成する報知手段17は、音声報知手段、電子音報知手段、振動報知手段などである。報知手段17が音声報知手段である場合、合成音声によって現在情報、上限情報、下限情報に対応した内容の心拍情報を音声報知する。 【0020】 報知手段17が電子音報知手段である場合、現在情報、上限情報、下限情報に対応した音色や繰り返し回数による電子音で心拍情報を報知する。 【0021】 更に報知手段17が振動モータ19などの振動報知手段である場合、現在情報、上限情報、下限情報に対応した繰り返し回数による振動で心拍情報を報知する。報知手段17である振動モータ19は、利用者の胸骨20に振動を伝達する位置にして本体ベルト1に取り付けられている。従って、利用者は振動モータ19が発生する振動を胸骨20で受けるから、極めて心拍情報を正確に取得することができる。なお、図2に示す如く、振動モータ19には高振動を得るための分銅18が備えられている。 なお、報知手段17は、音声報知手段、電子音報知手段及び振動報知手段のうちのいずれか1つから構成されているのみならず、これらの手段を幾つか組み合わせた複数の手段から構成されても良い。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】実施例1の心拍情報取得装置の斜視図である。 【図2】実施例1の心拍情報取得装置の主要部の部分拡大平面図である。 【図3】実施例1の心拍情報取得装置のブロック回路図である。 【図4】実施例1の心拍情報取得装置を利用者の胸部に装着した状態を説明するための図である。 【符号の説明】 【0023】 1 本体ベルト 2 背面ベルト 3A,3B 着脱可能な結合具 11 電極部 11A,11B 電極 12 心拍検出部 13 演算制御部 13A 心拍数演算手段 13B 制御手段 13C 記憶手段 14 発振手段 15 入力手段 16 表示手段 17 報知手段 18 分銅 19 振動モータ 20 胸骨
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002325 【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年8月30日(2006.8.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079212 【弁理士】 【氏名又は名称】松下 義治
|
| 【公開番号】 |
特開2008−54795(P2008−54795A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−233172(P2006−233172) |
|