| 【発明の名称】 |
磁気共鳴イメージング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】西原 崇
【氏名】高橋 哲彦
【氏名】後藤 智宏
【氏名】板垣 博幸
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| 【要約】 |
【課題】全身MRIにおいて、簡便に脂肪からの信号を排除して、短時間で高画質の画像を撮影可能な磁気共鳴イメージング装置を実現する。
【構成】被検体のスカウト画像を撮影し、撮影したスカウト画像から、領域拡張条件により、被検体の横断面、冠状断面について、楕円直径情報画像と楕円中点座標を取得し、基準楕円を作成する(ステップ1〜3)。作成した基準楕円より一定距離小さい内楕円と、基準楕円より一定距離大きい外楕円との同心楕円を作成し、これら同心楕円に囲まれる領域を示す形状関数を作成する(ステップ4)。作成した形状関数で示される領域信号抑制領域として、皮下脂肪領域を避けて被検体を全身MRI撮影する(ステップ5〜7)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波信号送受信手段と、この高周波信号送受信手段が受信した核磁気共鳴信号に基づいて、被検体の複数の断面画像を生成する演算制御手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、 上記演算制御手段は、 被検体の2以上の断面画像に基づいて、被検体の脂肪層に近似した形状の脂肪層抑制領域を算出し、算出した脂肪層抑制領域を回避して、被検体を励起して、断面画像を生成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項2】 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記被検体の2以上の断面画像のうちの1つの断面画像は、被検体の体軸方向に沿った断面画像であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項3】 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、被検体が載せられ、移動可能なベッドを備え、このベッドは、上記演算制御手段により、連続的又は間欠的に移動するように制御され、被検体の全身にわたって、断面画像が生成されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項4】 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記演算制御手段は、上記高周波信号送受信手段が受信した核磁気共鳴信号に基づいて生成した被検体の断面画像から、領域拡張条件に従って、被検体の外表面を示す楕円の直径情報と上記楕円の中心点情報とを算出して基準楕円を作成し、作成した基準楕円の径より一定距離小さい径を有する内円と上記基準楕円の径より一定距離大きい径を有する外円とを有する同心楕円を作成し、これら同心楕円により囲まれる領域を示す形状関数を作成し、この形状関数で示される画像領域を上記脂肪層抑制領域とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)に関し、特に、ベッドを連続的、または段階的に移動しながら被検体を撮影するMRI装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、連続的、もしくは、ステップ的に被検体を乗せたベッドを移動させながら全身を撮影する方法(全身MRI)が行なわれつつある。その代表的な方法として、マルチステーション撮影と、ムービングテーブル撮影とがある。これらは、全身スクリーニング検査方法として有効な手法であり、これまでCT、骨シンチ、PETなど複数のモダリティで行なっていたスクリーニング検査を、MRIのみで行なえる可能性も示されている。 【0003】 しかし、その撮影において、皮下脂肪が高信号となり診断に十分な画質を実現できない場合がある。そこで、皮下脂肪領域を指定し、これを避けて空間選択励起を行なう方法が考えられており、例えば特許文献1に開示されている。 【0004】 また、この空間選択励起は2次元的に選択する事が可能であり、特定部位のスピンを励起して画像化するのに用いられる。このため、2次元選択励起RFパルスは、血管の部位のみを励起し、励起した磁化のボーラスをトレースしたり、脂肪部位を避けて水プロトンのみを励起したりするのに有効である。また、流れがある部位や運動する部位や皮下脂肪などの特定部位を避けて励起することにより流れや体動のアーチファクトを抑制する等、多くの用途がある。 【0005】 【特許文献1】特開2001−95773号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献1の図9に示すように、複数のスライスを平面型のプリサチ領域を重ねて2次元的な形状を実現する事も可能だが、所望の形状を実現しようとすると、プリサチにかかる時間が長くなってしまう。 【0007】 このため、特許文献1に記載の技術を、全身MRIに適用した場合、被検体を移動して撮影し、それらの画像を100枚以上合成して全身のMRI画像を得ることになるが、皮下脂肪の領域は、被検体の体型、撮影部位、撮影スライスにより変化していくので、各部位で、平面型のプリサチ領域を重ねて皮下脂肪領域を指定することは作業が煩雑すぎ、撮影の長時間が必要となってしまう。 【0008】 本発明の目的は、簡便に脂肪からの信号を排除して、短時間で高画質の画像を撮影可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明の磁気共鳴イメージング装置は、静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波信号送受信手段と、この高周波信号送受信手段が受信した核磁気共鳴信号に基づいて、被検体の複数の断面画像を生成する演算制御手段とを有し、被検体の2以上の断面画像に基づいて、被検体の脂肪層に近似した形状の脂肪層抑制領域を算出し、算出した脂肪層抑制領域を回避して、被検体を励起して、断面画像を生成する。 【0010】 好ましくは、上記磁気共鳴イメージング装置において、被検体は、連続的又は間欠的に移動するように制御され、被検体の全身にわたって、断面画像が生成される。 【発明の効果】 【0011】 本発明によれば、核磁気共鳴イメージング装置において、簡便な処理により脂肪層抑制領域を算出することができ、短時間で高画質の画像を撮影可能となる。 【0012】 特に、本発明を全身MRIに適用した場合には、脂肪層抑制画像の取得時間を短縮することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。 【0014】 (第1の実施形態) 図1は、本発明が適用されるMRI装置の概略構成図である。図1において、MRI装置は、被検体301の周囲に静磁場を発生する磁石302と、静磁場空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル303と、この領域に高周波磁場を発生するRFコイル304と、被検体301が発生するMR信号を検出するRFプローブ305とを備える。 【0015】 傾斜磁場コイル303は、X、Y、Zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源309からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。RFコイル304はRF送信部310の信号に応じて高周波磁場を発生する。RFプローブ305の信号は、信号検出部306で検出され、信号処理部307で信号処理され、計算により画像信号に変換される。そして、画像処理部313で撮影画像に対する演算処理がされ、画像は表示部308で表示される。 【0016】 傾斜磁場電源309、RF送信部310、信号検出部306は演算制御部311で制御され、制御のタイムチャートは一般にパルスシーケンスと呼ばれている。ベッド312は被検体が横たわるためのものである。 【0017】 現在MRIの撮影対象は、被検体の主たる構成物質、プロトンである。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮影する。 【0018】 次に、撮影方法を説明する。傾斜磁場により異なる位相エンコードを与え、それぞれの位相エンコードで得られるエコー信号を検出する。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれる。各エコー信号は通常128、256、512、1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として得られる。これらのデータを2次元フーリエ変換して1枚のMR画像を作成する。 【0019】 尚、本発明には空間を2次元的に励起する2次元励起法を用いる。2次元励起RFパルスは、x、y軸方向の振動傾斜磁場とRFとを同時に印加することにより、撮影スライス面(x−y面)内で、任意の2次元形状を選択的に励起するパルスである。全身MRIを撮影する場合はアキシャル断面を結合して全身画像とする場合が多いので、各スライス断面は楕円に近い形状となる。 【0020】 RF波形は、次のようにして求められる。所望の励起形状を表す形状関数をD(x,y)とし、この2次元フーリエ変換から、k空間の重み関数D’(kx,ky)を作成する。一方、k空間を均一にカバーする軌跡を設定する。この軌跡は励起時に印加する振動傾斜磁場G(t)により決まる。RF波形B1(t)は次式(1)により決まる。 【0021】 B1(t)=D’(kx(t)、ky(t))・|rG(t)| ・・・(1) 本発明の第1の実施形態で用いるシーケンスを図2に示す。図2の符号401は、上記式(1)により決定したRFパルスシーケンスであり、x−y平面を2次元的に励起する。励起された磁化はクラッシャー傾斜磁場402により位相が分散し、信号へ寄与しなくなる。本発明の第1の実施形態では、z軸方向を対軸方向とし、スライス位置をz方向に移動していく場合を仮定しているが、他のスライス面でも同様に本方法を適用できる。 【0022】 図3は本発明の第1の実施形態による全身MRIの動作フローチャートである。この図3に示した動作の制御、演算等については画像処理部313、演算制御部311で行われる。 【0023】 図3のステップ1において、被検体をMRI装置にセッティングし、本撮像の前にスカウト画像を撮影する撮影はT1強調とする。また、ここで撮影するスライスは、所望の領域を含む矢状、冠状断面とする。 【0024】 図3のステップ2において、図4の(a)に示すスカウト画像(透視画像)の矢状断面601の腹部−背部(以下A−P)方向の両端602の画素から領域選択を行ない、被検体の外部つまり信号強度が領域拡張条件を満たさない場合に0を入力し、それ以外の領域に1を入力してA−P直径情報画像603(図4の(b))を得る。領域拡張方法の詳細については、後述する。 【0025】 人体のアキシャル断面(横断面)は、図4の(e)に示すような形状をしているので、矢状断面スカウト画像の撮影位置を人体の正中線609の位置で行なうと、A−P直径情報画像603におけるA−P方向の幅604は各アキシャル断面の人体A−P方向の最大の厚み610に等しくなる。 【0026】 また、この時、幅604の中点612の座標も得ておく。同様の作業を冠状断面でも行なう。冠状断面からは左−右(以下R−L)方向の最大の厚み611と中点の座標613を得る。 【0027】 図3のステップ3において、ステップ2で得た値から、図4の(c)に示すように、直径を610、611とし、中心の座標を(612,613)とする基準楕円606を作成する。 【0028】 図3のステップ4において、ステップ3で得た基準楕円606よりも一定距離607だけ小さい径の楕円を内円608、一定距離615だけ大きい径の楕円614を外円とする同心楕円を作成し(図4の(d))、内円と外円との間の領域に値1を入れ、それ以外の領域には値0を入れたものを形状関数D(x,y)616として作成する。 【0029】 形状関数D(x,y)616の内円と外円との間の領域を抑制領域にすることにより、図4の(e)に示した脂肪領域617を図4の(f)に示すようにカバーする事ができる。 【0030】 なお、内円608の径を設定すれば、外円614の径は、一定距離607が与えられていることから、自動的に算出可能である。また、アキシャル断面における形状関数Dを算出すれば、矢状断面、冠状断面に使用する形状関数も自動的に演算可能である。 【0031】 図3のステップ5において、ステップ4で得た形状関数D(x,y)の2次元フーリエ変換結果から、k空間の重み関数D’(kx,ky)を作成し、上記式(1)からRF波形を決め、図2に示したプリサチュレーションパルスシーケンス401を決定する。 【0032】 この時印加する振動傾斜磁場G(t)は代表的なものとしてk空間を螺旋状にカバーするものと櫛形状にカバーするものがあるが、本発明はこの形状を限定するものではない。 【0033】 図3のステップ6において、上述した図3のステップ2〜ステップ5を体軸方向に繰返して全身にわたり実行する。そして、全身にわたり、各スライス位置での脂肪抑制のための形状関数を、制御部311等の内部記憶部等に記憶しておく。 【0034】 図3のステップ7において、被検体の移動を開始し、本撮像を開始する。その際にステップ4で決定した形状関数に基づきプリサチュレーションパルスを各スライス位置で用いる。 【0035】 本発明の第1の実施形態では、プリサチ領域の決定を簡便にする為に形状関数を楕円としたが、プリサチ領域は楕円に限定するものではない。例えば、ステップ2における領域選択で直接脂肪領域などを抽出し、これを形状関数としてステップ5のRF波形を決めても良い。 【0036】 次に、上記領域選択方法について説明する。 【0037】 撮影した画像601から被検体の存在しない領域を抽出する。抽出する1つの方法として、ここでは特開平3−140140号公報に記載されている領域拡張法を用いる。 【0038】 上記領域拡張法においては、領域拡張を行う際の拡張条件は、パラメータa、bを持っており、このパラメータa、bの値により拡張条件が変化する。図5の(a)は局所的信号強度変化による領域拡張制限の説明図である。なお、説明の都合上、領域拡張方向は1次元に限定して示している。 【0039】 図5の(a)において、横軸上9番目の点(以後これを「P9」のように表す。)とP10の間で大きく信号強度が変化している。このような大きな信号強度変化は、充填材‐被検体の境界において生じていると考えられるので、P9にて領域拡張を停止させ、P0からP9までを抽出領域とする。本条件によって領域の拡張が行なわれるのは、次式(2)が成立するときである。 【0040】 |fi−fi−1|<A ・・・(2) ただし、上記式(2)において、fiは拡張点の信号強度、fi−1は拡張点の一つ前の点である基準点の信号強度、Aは局所閾値である。 【0041】 図5の(b)は、大域的な信号強度変化による領域拡張制限の説明図である。図5の(b)ではP8において開始点との信号強度差が予め設定した値βを超えている。空間充填材の信号強度はある範囲内に存在すると考えられるため、その範囲を超える直前のP7にて領域拡張を停止させ、P0からP7までを抽出領域とする。本条件によって領域の拡張が行なわれるのは、次式(3)が成立する時である。 【0042】 |fi−f0|<B ・・・(3) ただし、上記式(3)において、f0は開始点の信号強度、Bは大域閾値である。 【0043】 図5の(c)は領域拡張条件に局所的、大域的信号強度変化を組み合わせて用いた場合の説明図である。図5の(c)中、P4において、開始点との信号強度の差が、設定したある範囲を超えてしまっている。しかし、局所的にはそれほど信号強度が変化していないため、領域拡張は継続される。 【0044】 逆に、図5の(c)中のP7とP8間では局所的に信号強度が大きく変化しているが、開始点との信号強度の差が充分に小さいため、ここでもやはり、領域拡張が継続される。P10では局所的,大域的ともに大きな信号強度の差が生じているためここにおいて領域拡張が停止する。 【0045】 以上のように、局所、大域両者を組み合わせることにより、片方が拡張条件の範囲を多少超えても、もう一方が充分に拡張条件を満たしていれば領域拡張がおこなわれる。したがって、より柔軟に領域拡張がおこなわれる。なお、この場合の領域拡張が行なわれる条件は次式(4)で表される。 【0046】 a・|fi−fi−1|+b・|fi−f0|<R ・・・(4) ただし、上記式(4)において、パラメータa、bは局所、大域信号強度変化の拡張条件に対する重みを表す。Rは総合的な拡張条件の制約の総合的な強さを示す。 【0047】 上記領域拡張条件を用いる事により、撮影で得られた画像に見られる静磁場不均一や、RF照射の不均一に依存する信号強度の歪みの影響を受ける事無く目的領域を抽出できる。領域拡張の動作フローチャートを図6に示す。 【0048】 図6のステップ5−1において、まず、図7に示すように、図4の(a)と同じ画素数を持つ、処理の状況を書き込んでいく為の処理状況マップ1205を用意する。初期状態では1205の画素全てに画素値1を入力しておく。なお、処理状況マップは各スライス毎に用意する。図4の(a)における両端の2点602は、領域拡張の開始点とする。 【0049】 図8は、図4の(a)の拡大図であり、破線は処理状況マップ1205の画素との対応を示す。図4の(a)における両端の2点602を領域拡張の開始点とし、図9に示すように、対応する処理状況マップ上の開始点1301には、0を入力する。(4)式で示した領域拡張条件の閾値R、平均信号強度f0について予め値を決めておく。この値は全てのスライスに適用する。拡張条件のパラメータa、bの初期値は予め撮影シーケンス毎に指定しておく。 【0050】 図6のステップ5−2において、図9に示したように、開始点1301に番号1を付けた時、開始点の上下左右の隣接4点1302〜1305を拡張点として、これに対して番号2〜5を付ける。尚、図9に示した例では拡張点を最近接の4点としたが、より多くの点からなる大きな領域を拡張点としても良い。 【0051】 次に、図6のステップ5−3において、図8の1102〜1105は、図9に示した処理状況マップ上の拡張点1302〜1305に対応する位置の撮影画像の画素を示している。拡張点の画素1102〜1105の信号強度をf1102 〜f1105、平均信号強度をf0、基準点1301に対応する1101の信号強度をf1101と表す。そして、基準点の信号強度をfi−1、拡張点の信号強度をfiと表記すると、領域拡張条件は次式(5)、(6)のように表される。(本ステップでは基準点は開始点に等しい。) a・|fi−fi−1|+b・|fi−f0|<|R| ・・・(5) a・|fi−fi−1|+b・|fi−f0|>|R| ・・・(6) 上記式(5)が成立する場合は、処理状況値を0とし、上記式(6)が成立する場合は、処理状況値に1を加算する。 【0052】 上記(5)、(6)式の条件を図6のステップ5−1で指定した開始点から閾値で領域拡張をおこない、処理状況マップに上記処理状況値を入力する。 【0053】 ここで処理状況値=2になった部分を空間と被検体表面の境界と認識するので、次のステップ5−4で示す、領域拡張していく時の基準点としない。 【0054】 図6のステップ5−4において、図9に示した番号2〜5全てに状況処理値を与えたら、開始点の次に小さい番号の付いた画素を基準点とする。ここでは番号2が最も小さい番号なので、画素1302が基準点となる。 【0055】 次に、図6のステップ5−5において、図10にステップ5−5で用いる基準点と拡張点とを示す。基準点の隣接点に対して処理を行なうにあたり、隣接点が拡張点となる条件を満たしているか否かを評価する。評価は次に示す条件を満たしているかで行なう。 【0056】 つまり、隣接点評価の条件は、隣接点の状況処理値が0、2ではないこと、及び過去に評価されていないことである。この条件を満たしている隣接点に対して、図10の1402〜1404に示すように番号を与え(ここでは番号6〜8)、これらの点を拡張点として、図6のステップ51−3と同様の処理を行なう。 【0057】 図10では満たしているが、1つの隣接点も上記条件を満たしていない場合、図6のステップ5−4で指定した番号の次に小さい番号の付いた画素を基準点として、上記の評価を行う。この隣接点の評価を、全ての処理済拡張点で満たさなくなるまで行う。 【0058】 ステップ5−6(図6では省略する)において、パラメータが最適であるかどうかを、実際に抽出処理を行った後、いくつかの連続したスライスを同時に表示させ、抽出結果から実際に3次元像を作って評価する。オペレーターが抽出結果をみて、目的領域に合わない場合はパラメータa、bを変更して再度抽出処理を行なう。 【0059】 また、抽出領域が目的領域から大きく溢れてしまった場合、オペレーターがモニタ画面上で、抽出結果の溢れ領域上の1点を指定することにより、その点を開始点として逆リージョングローイングを行ない、溢れ領域を除去する。この方法については、「リージョングローイング法による軟部組織の抽出と3次元表示.佐野、及川、磯部(株)日立製作所システム開発研究所、 Medical Imaging Technology, Vol.12, No.4, 379−383(1994)」に記載されている。 【0060】 以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、被検体のスカウト画像を撮影し、撮影したスカウト画像から、領域拡張条件により、被検体の横断面、冠状断面について、楕円直径情報画像と楕円中点座標を取得し、基準楕円を作成する。そして、作成した基準楕円より一定距離小さい内楕円と、基準楕円より一定距離大きい外楕円との同心楕円を作成し、これら同心楕円に囲まれる領域を示す形状関数を作成する。作成した形状関数で示される領域信号抑制領域として、皮下脂肪領域を避けて被検体を全身MRI撮影する。 【0061】 したがって、皮下脂肪領域の指定が短時間で処理でき、短時間で高画質の全身MRI画像を撮影可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。 【0062】 なお、上述した例においては、スカウト画像を用いたが、位置決め可能な画像であれば、スカウト画像でなく、他の画像を用いることも可能である。 【0063】 (第2の実施形態) 本発明の第2の実施形態の動作フローチャートを図11に示す。この第2の実施形態は、第1の実施形態の動作フローチャート(図3)のうち、ステップ2における各スライス位置における被検体形状の検出をMRI装置以外の外部装置(レーザ等により被検体の表面形状を検出する装置)により行い、その検出結果に基づいて、図3におけるステップ3の形状関数D(x,y)の決定を行なう。他のステップは第1の実施形態と同様であり説明は省略する。 【0064】 この第2の実施形態において、第1実施形態と同様に、検出した結果を直接形状関数としてステップ5のRF波形を決めても良い。 【0065】 この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。 【0066】 (第3の実施形態) 本発明の第3の実施形態の動作フローチャートを図12に示す。この第3の実施形態は、図3に示したステップ4とステップ5との間にステップ4’が加入されている。このステップ4’は、図4の(f)のような画像を複数スライスにわたり参照し、操作者が基準楕円の半径、内円、外円の半径(パラメータ)を変更する事により最終的な形状関数D(x,y)とするステップである。 【0067】 他のステップは第1の実施形態と同様であり説明は省略する。 【0068】 この第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、操作者による、被検体の皮下脂肪の選択性を増すことも可能であるという効果がある。 【0069】 (第4の実施形態) 本発明の第4の実施形態は、第1の実施形態の動作フローチャート(図3)のステップ4、5において、RFパルスの決定の際、予め基本となるRF波形と振動傾斜磁場G(t)を決めておき、RFの照射位相、照射強度、傾斜磁場の印加強度を調節する事により所望の励起形状を実現する例である。 【0070】 この第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。 【0071】 (第5の実施形態) 本発明の第5の実施形態におけるシーケンスを図13に示す。第1の実施形態においては、皮下脂肪領域を覆う同心楕円型に形状関数を考え、プリサチュレーションパルスとして用いたが、第5の実施形態においては、図4の(d)に示した内円608を形状関数として考え、この領域のみを励起するRFパルスシーケンスを用いる。図13においては、90°パルスと180°パルスを直交させているが、交差する角度と、90°パルスの励起形状により、任意の励起形状を選択する事も可能である。 【0072】 この第5の実施形態においては、脂肪領域が薄い場合の部位の撮影に対して、脂肪領域の排除処理をより短時間とすることができる。 【0073】 なお、形状関数は楕円に限定する必要はなく、例えば、頭部の撮影に際しては、形状関数を円形とすることも可能である。また、図3のステップ2において内臓領域のみを領域選択してこの結果を直接形状関数D(x,y)としても良い。 【0074】 (第6の実施形態) 本発明の第6の実施形態におけるシーケンスを図14に示す。この第6の実施形態は、第5の実施形態における、180°パルス(図13)を空間的周波数選択パルス1501とする例である。 【0075】 これにより、励起領域を3次元的に選択することに加えて、周波数についても選択する事ができる。これは、複数スライスに対してCSI(Chemical Shift Imaging)を行なう場合に有用である。図4の(d)に示した内円608の内部領域のボクセルに関してのみ情報を取得する事により、撮像時間を短縮することも可能である。 【0076】 なお、上述した例は、本発明を全身MRIに適用した場合の例であるが、本発明は、全身MRIのみならず、被検体の各部位のみ撮影するMRIにも適用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0077】 【図1】本発明が適用されるMRI装置の概略構成図である。 【図2】本発明の第1の実施形態で用いる皮下脂肪からの信号を抑制する為のシーケンスである。 【図3】本発明の第1の実施形態による全身MRIの動作フローチャートである。 【図4】本発明の第1の実施形態における皮下脂肪抑制のための形状関数算出説明図である。 【図5】局所的・大域的な信号強度変化による領域拡張の制限の説明図である。 【図6】本発明の第1の実施形態における領域拡張の動作フローチャートである。 【図7】図4の(a)と同じ画素数を持つ処理状況マップを示す図である。 【図8】図4の(a)の一部拡大図である。 【図9】処理状況マップを示す図である。 【図10】処理状況マップを示す図である。 【図11】本発明の第2の実施形態による全身MRIの動作フローチャートである。 【図12】本発明の第3の実施形態による全身MRIの動作フローチャートである。 【図13】本発明の第5の実施形態で用いる皮下脂肪からの信号を抑制する為のシーケンスである。 【図14】本発明の第6の実施形態で用いる皮下脂肪からの信号を抑制する為のシーケンスである。 【符号の説明】 【0078】 301・・・被検体、302・・・静磁場磁石、303・・・傾斜磁場コイル、304・・・RFコイル、305・・・RFプローブ、306・・・信号検出部、307・・・信号処理部、308・・・表示部、309・・・傾斜磁場電源、310・・・RF送信部、311・・・演算制御部、312・・・ベッド、313・・・画像処理部、601・・・矢状断面スカウト画像、602・・・領域拡張開始点、603・・・A−P直径情報画像、604・・・A−P方向楕円直径、606・・・外円、607・・・抑制領域の厚み、608・・・内円
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成18年8月29日(2006.8.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077816 【弁理士】 【氏名又は名称】春日 讓
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| 【公開番号】 |
特開2008−54738(P2008−54738A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−232074(P2006−232074) |
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