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【発明の名称】 X線コンピュータ断層撮影装置
【発明者】 【氏名】神長 茂生

【氏名】森野 克人

【要約】 【課題】スキャン中断以後のスキャンの時間的及び空間的なずれを回避すること。

【構成】X線CT装置は、スキャンオペレーションを実行するスキャナ1と、再構成処理部13と、断層像表示部16と、スキャンオペレーションの回数、スキャンオペレーションの順序、スキャンオペレーション各々の開始時刻、スキャンオペレーション間の休止時間を含むスキャンスケジュールの設定を支援するとともにスキャンスケジュールに従ってスキャナを制御する制御部11と、スキャンオペレーションの実行中にその実行中のスキャンオペレーションをスキップする指示を入力するための入力デバイス10とを具備し、制御部は、入力デバイスからスキップ指示が入力されたとき実行中のスキャンオペレーションを中断して次のスキャンオペレーションの実行への移行を制御するとともに次のスキャンオペレーションの開始時刻を維持するために休止時間を修正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造影剤を注入された被検体に関する投影データを収集するためのスキャンオペレーションを実行するスキャナと、
前記被検体を載置する移動可能な天板を有する寝台と、
前記投影データから断層像データを再構成する再構成処理部と、
前記再構成された断層像データを表示する表示部と、
前記スキャンオペレーションの順序、前記スキャンオペレーション開始時刻、前記スキャンオペレーションのスキャン範囲を含むスキャンスケジュールの設定を支援するとともに、前記スキャンスケジュールに従って前記スキャナと前記寝台とを制御する制御部と、
前記スキャンオペレーションの実行中にその実行中のスキャンオペレーションをスキップする指示を入力するための入力デバイスとを具備し、
前記制御部は、前記入力デバイスを介してスキップ指示が入力されたとき、前記実行中のスキャンオペレーションを中断して次のスキャンオペレーションの実行への移行を制御するとともに、前記次のスキャンオペレーションの開始時刻を維持するために前記休止時間を修正することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】
前記スキャンオペレーションと並行して、前記再構成処理部により前記投影データから断層像データが次々と再構成され、それとともに前記再構成された断層像データが前記表示部に表示されることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】
前記スキャンスケジュールには、シングルスライススキャン、マルチスライススキャン、ヘリカルスキャンを区別するスキャンモードが含まれることを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】
前記スキャンスケジュールは、造影剤を注入された被検体に関する投影データを収集するためのものであり、
スキャンオペレーションの開始時刻を、前記造影剤の注入時刻と特定部位の造影濃度が所定値に達した時刻と任意時刻とのいずれかを起点として管理することを特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、X線コンピュータ断層撮影装置に関し、造影検査対応のX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線コンピュータ断層撮影装置は、被検体を透過したX線の強度に基づいて、被検体についての情報を画像により提供するものであり、疾病の診断、治療や手術計画等を初めとする多くの医療行為において重要な役割を果たしている。また被検体を螺旋状にスキャンして広範囲の投影データを得るヘリカルスキャンの登場はその有用性をますます押し上げるものとなっている。
【0003】
その有用性により、ヘリカルスキャンの応用範囲は拡大の一途であり、例えば造影検査に適用することで、血流の状態を広範囲で確認でき、またヘリカルスキャンオペレーションを同じ又は異なる部位で断続的に繰り返すことで、血液の広がりを経時的に観察することもできるようになっている。
【0004】
例えば、図2に示すように、#1、#2、#3の3回のスキャンオペレーションが、スキャン時間20秒で、休止時間を例えば30秒、25秒でスケジュールされていることを想定する。このようなスケジュールに従って、造影剤を注入した後は、自動的にスキャンオペレーションが実行される。
【0005】
ここで、各スキャンオペレーションのスキャン範囲は検査対象部位を含む比較的広い範囲に設定されている。典型的には、スキャンオペレーションの状態はCT透視により断層像上でモニタできるようになっている。このCT透視のもとで、操作者は、予定範囲のスキャンオペレーションが終了する前に、検査対象部位全体のスキャンが完了していることを確認することがある。この場合、おそらく操作者は、当該スキャンオペレーションの中断し、次にスキャンオペレーションにスキップする指示を、予め用意されているスキップボタンの操作により入力する。このスキップ機能は、不要な被曝を回避するために不可避な機能であり、また検査時間を短縮するためにも有用な機能である。
【0006】
しかし、このスキャンスキップは、図2の実行スキャンから分かる通り、スキャンスケジュールを乱してしまう。つまり、スキャンスケジューラは、スキャンオペレーションの開始時間を休止時間で管理しており、そのためスキャンを中断した場合、その分、2回目のスキャンオペレーション#2の開始時刻が、図2では、5秒早まってしまう。この時間のずれは、それ以後のスキャンオペレーション#3の開始時刻まで影響を及ぼしてしまう。このため造影剤注入からの経過時間がずれてしまい、造影剤の流入タイミングを逃してしまうこともある。また、スキャン範囲に関しても、前回のスキャンオペレーションの終了位置からの移動量という位置管理を行っており、従ってスキャン中断によりスキャンオペレーションの終了位置が代わってしまうと、次のスキャンオペレーションの開始位置がずれてしまう。
【0007】
この問題を解決するために、操作者はスキャンスキップ操作と共に、休止時間を修正する必要があった。この作業は、中断によって短縮された時間だけ、次のスキャンオペレーションまでの休止時間を延長するという思考を伴い、スケジュールの進行との競争によって煩雑さは増大する。また、それと共に、天板の移動量の修正作業も必要とされ、煩雑さに拍車をかけている。
【0008】
また、造影検査では、スキャンオペレーションの開始時刻の管理が重要である。この開始時刻は、通常、造影剤を注入して、操作者がトリガを押したタイミングが起点としてその経過時間で管理されている。また、造影検査では、特定部位での造影剤濃度をモニタし、造影剤濃度が所定値に達したタイミングを図るリアルプレップと呼ばれる技術があり、その場合、造影剤濃度が所定値に達したタイミングを当該起点として時間管理が行われる。
【0009】
しかし、スキャン部位によっては、造影剤を注入したタイミングを起点としてスキャンオペレーションの時間管理を行うことが有効な場合もあるが、そのような設定はできないようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、X線コンピュータ断層撮影装置において、スキャンの中断によるそれ以後のスキャンの時間的及び空間的なずれを回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、造影剤を注入された被検体に関する投影データを収集するためのスキャンオペレーションを実行するスキャナと、前記被検体を載置する移動可能な天板を有する寝台と、前記投影データから断層像データを再構成する再構成処理部と、前記再構成された断層像データを表示する表示部と、前記スキャンオペレーションの順序、前記スキャンオペレーション開始時刻、前記スキャンオペレーションのスキャン範囲を含むスキャンスケジュールの設定を支援するとともに、前記スキャンスケジュールに従って前記スキャナと前記寝台とを制御する制御部と、前記スキャンオペレーションの実行中にその実行中のスキャンオペレーションをスキップする指示を入力するための入力デバイスとを具備し、前記制御部は、前記入力デバイスを介してスキップ指示が入力されたとき、前記実行中のスキャンオペレーションを中断して次のスキャンオペレーションの実行への移行を制御するとともに、前記次のスキャンオペレーションの開始時刻を維持するために前記休止時間を修正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スキャンの中断によるそれ以後のスキャンの時間的及び空間的なずれを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明によるX線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)の実施形態を説明する。なお、X線CT装置には、X線管と放射線検出器とが1体として被検体の周囲を回転する回転/回転(ROTATE/ROTATE)タイプと、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線管のみが被検体の周囲を回転する固定/回転(STATIONARY/ROTATE)タイプ等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本発明を適用可能である。ここでは、現在、主流を占めている回転/回転タイプとして説明する。また、1スライスの断層像データを再構成するには、被検体の周囲1周、約360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ビュー角分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式にも本発明を適用可能である。ここでは、ハーフスキャン法を例に説明する。また、入射X線を電荷に変換するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線による半導体内の電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。X線検出素子としては、それらのいずれの方式を採用してもよいが、ここでは、前者の間接変換形として説明する。また、近年では、X線管とX線検出器との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線CT装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本発明では、従来からの一管球型のX線CT装置であっても、多管球型のX線CT装置であってもいずれにも適用可能である。ここでは、一管球型として説明する。
【0014】
図1は本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示している。このX線コンピュータ断層撮影装置は、被検体に関する投影データを収集するためのスキャンオペレーションを実行するスキャナ1を有する。このスキャナ1には、スキャナインタフェース5を介して、計算機ユニット3が接続される。と、その計算機ユニット3とから構成される。
【0015】
計算機ユニット3は、スキャンスケジューリング支援機能、スキャンスケジュールに従ってスキャンの実行を管理するスキャンスケジューラ機能、さらに投影データに基づいて画像データを再構成する機能等を保有している。スキャンスケジューリング支援機能、スキャンスケジューラ機能が特徴的であり、これら機能については後述する。
【0016】
計算機ユニット3には、被検体を載置する移動可能な天板を有する寝台2が寝台インタフェース6を介して接続される。スキャンに際しては、被検体は天板状に載置された状態でスキャナの内部(撮影空間)に保持される。また、計算機ユニット3には、造影剤を自動的に被検体に注入するための造影剤インジェクタ4がインジェクタインタフェース7を介して接続される。造影剤インジェクタ4は、造影剤注入したタイミングでトリガを計算機ユニット3に対して発生する。
【0017】
上述したスキャナ1は、シングルスキャン、マルチスライススキャン、及び/又はヘリカルスキャン(らせん状スキャン)を実行するために必要且つ一般的な構成要素を備えている。また、スキャナ1は、X線管とX線検出器が1つずつ搭載された普及型であってもよいし、近年開発の進んでいるX線管とX線検出器との組を複数搭載したいわゆる多管球型であってもよい。スキャナ1として典型的なものはいわゆる第3世代と呼ばれるタイプであり、そのタイプであれば、X線管とX線検出器との組を1又は複数搭載した回転リングを有している。回転中に、X線管から連続的又は断続的にX線が曝射され、それに同期してX線検出器で蓄積電荷の読み出しが一定の周期で繰り返される。この動作により出力される信号を、一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集システムで電圧信号に変換し、増幅し、さらにディジタル信号に変換して、そしてそのディジタル信号を前処理部で感度補正等の補正処理を通すことにより、再構成処理の直前段階にあるいわゆる投影データが生成される。この投影データは計算機ユニット3に送られる。
【0018】
計算機ユニット3は、CPU8を中心とし、それにデータ/制御バス9を介してスキャナインタフェース5、インジェクタインタフェース7、寝台インタフェース6、入力デバイス10、スキャンエキスパートシステム11、投影データ記憶部12、再構成処理部13、リアルプレップ処理部14、画像データ記憶部15、表示部16が接続されてなる。スキャナ1で収集された投影データは、投影データ記憶部12に記憶されると共に、CT透視のために再構成処理部13にも供給される。CT透視とは、スキャンオペレーションと並行して、断層像データの再構成を実行し、さらにその断層像を表示するというものであり、つまりX線テレビシステムのようにスキャンしながらほぼリアルタイムで断層像を観察することを実現する機能である。ここでは、当該CT透視は、専ら、造影剤の流入/流出の様子をモニタするのに利用されており、従って画質等よりも、迅速性が要求される。そのためヘリカルスキャンでは、通常実施される投影データの距離補正を行わないで、1枚の断層像データの再構成に必要とされる180°+ビュー角分の投影データが揃った時点で再構成を実施する。
【0019】
ここで、管電圧、管電流、X線曝射時間等のスキャン条件の最適化、スライス厚、スライス枚数、マトリクスサイズ等の再構成条件の最適化は、専門的知識を必要とする。その専門的知識をベースとして、経験の浅いまた専門的知識の希薄なものであっても同等の条件設定を可能にするために開発されたシステムが、スキャンエキスパートシステム11である。
【0020】
このスキャンエキスパートシステム11の支援のもとで、操作者は、スキャン条件及び再構成条件とともに、スキャンオペレーションの回数、その順序、造影剤の注入時刻と特定部位の造影濃度が所定値に達した時刻(リアルプレップでトリガがかかった時刻)と任意時刻とのいずれかを起点としたスキャンオペレーション各々の開始時刻、スキャンオペレーション間の休止時間、スキャンオペレーション各々のスキャン範囲、およびスキャンオペレーション間の天板の移動量を含むスキャンスケジュールの設定を行う。設定されたスキャンスケジュールに従ってスキャンエキスパートシステム11はスキャナ1及び寝台2を制御し、そのスケジュールを実際に実行していく。
【0021】
図2には、そのスキャンスケジュール設定画面の例を示している。このスキャンスケジュール設定画面は、入力デバイスの操作画面上に表示されるが、画像表示用の表示部16に表示されてもよい。当該画面の右上欄には、スキャノグラムが表示され、このスキャノグラム上にスキャン範囲を設定するための枠線が表示される。この枠線を拡大/縮小、移動、回転操作することにより、スキャン範囲を設定することができる。また、当該画面の下欄には、スキャンスケジュール表が表示される。このスキャンスケジュール表には、予定する複数のスキャンオペレーションがその順序に従って縦に配列される。操作者は、所望するスケジュールに従って、スキャンオペレーションの新規(追加)、複写、消去の各機能を使って所望する順番で所望するスキャンオペレーションを配列していく。
【0022】
各スキャンオペレーションの行には、そのスキャンオペレーションの開始時間(造影剤の注入時刻と、特定部位の造影濃度が所定値に達した時刻(リアルプレップでトリガがかかった時刻)と、操作者がトリガボタンを押した任意時刻とのいずれかを起点としたスキャンオペレーション各々の開始までの経過時間)、スキャンオペレーション間の休止時間、スキャンオペレーション各々のスキャンの開始/終了位置(スキャン範囲)、スキャンモード(シングルスキャン、マルチスライススキャン又はヘリカルスキャン)、スキャンオペレーション間の天板の移動量、スキャン速度(スキャン速度)、FOVのサイズ、スライス幅等の条件の項目が配列されている。各項目の値は、スキャンエキスパートシステム11により初期推奨値が挿入されており、操作者は必要に応じてその値を変更可能である。
【0023】
なお、操作者により入力が必須とされる項目として、スキャンオペレーションの開始時刻、スキャンオペレーションの開始位置、スキャンオペレーションの終了位置がある。この入力されたスキャンオペレーションの開始時刻と、スキャンオペレーションの開始/終了位置(スキャン範囲)、スライス幅等により、スキャン速度(スキャン時間)がスキャンエキスパートシステム11により計算され、また入力されたスキャンオペレーションの開始時刻と、計算されたスキャン速度(スキャン時間)とにより、スキャンオペレーションから次のスキャンオペレーションまでの待ち時間、つまり休止時間がスキャンエキスパートシステム11により計算される。
【0024】
図3には、スキャンエキスパートシステム11によるスキャンオペレーション実行中に表示されるスケジュール表の表示画面の例を示している。実行中のスキャンオペレーションが、他のスキャンオペレーションと区別するために、表示態様が相違され、ここでは白黒反転表示されている。特に、スキャンオペレーション実行中に表示されるスケジュール表には、ヘリカルスキップのためのボタンが表示される。ヘリカルスキップは、スキャンオペレーションの途中で、操作者がそのスキャンオペレーションを中断し、次のスキャンオペレーションの実行に移る動作として定義される。各スキャンオペレーションのスキャン範囲は、念のため検査対象部位を含む比較的広い範囲に設定されていることが多い。操作者は、CT透視のもとで、予定されたスキャン範囲のスキャンが終了する前に、検査対象部位全体のスキャンが完了していることを確認することがある。この場合、操作者は、当該スキャンオペレーションの中断し、次にスキャンオペレーションにスキップする指示を、予め用意されているスキップボタンの操作により入力する。
【0025】
図4に、スキャンスキップに対するスキャンエキスパートシステム11の対応処理手順を示している。図5には、スキャンエキスパートシステム11の対応処理により更新されたスキャンスケジュールを示している。スキャンエキスパートシステム11は、スキャンスキップボタンが押された時(S1)、残りのスキャンオペレーション各々の予定されている開始時刻を維持するために、その次のスキャンオペレーションの休止時間を再計算する(S2)。つまり、スキャンスキップ(スキャン中断)により予定したスキャン時間が短縮されることになり、その短縮時間を予定されていた休止時間に加える。図5では、スキャンオペレーション#1が予定より5秒前に中断され、その短縮時間の5秒だけ、次のスキャンオペレーション#2の休止時間が延長されている。
【0026】
なお、この休止時間の再計算の方法は、短縮時間を予定されていた休止時間に加えることに限定されることはなく、中断された時刻から、予定されている次のスキャンオペレーションの開始時刻までの時間幅を、当該休止時間として計算するようにしてもよい。
【0027】
それにより、残りのスキャンオペレーションの開始時間(造影剤の注入時刻と、特定部位の造影濃度が所定値に達した時刻(リアルプレップでトリガがかかった時刻と、操作者がトリガボタンを押した任意時刻)とのいずれかを起点としたスキャンオペレーション各々の開始までの経過時間)は、予定時間からずれることが回避される。
【0028】
また、スキャンスキップボタンが押された時(S1)、スキャンエキスパートシステム11は、残りのスキャンオペレーション各々の予定されているスキャン開始/終了位置を維持するために、その次のスキャンオペレーションまでの天板の移動量とを再計算する(S2)。つまり、スキャンスキップ(スキャン中断)により当該中断されたスキャンオペレーションの終了位置が変化し、その変化した距離を、次のスキャンオペレーションの予定されていたスキャン開始位置に加える、又は引き算する。図6(a)には、予定されている天板の移動量Δm1、Δm2を示している。図6(b)に示すように、スキャンオペレーション#1の中断に伴って、次のスキャンオペレーション#2への天板移動量が、図6(a)には、予定されている天板の移動量Δm1、Δm2を示している。Δm1'に修正される。このような修正により、残りのスキャンオペレーションのスキャン開始位置は、予定した位置からずれることが回避される。
【0029】
このようにスキャンスキップに伴って修正された休止時間及び天板移動量に従ってスキャンスケジュールが更新され、その更新されたスキャンスケジュールが表示され(S3)、またこの更新されたスキャンスケジュールに従ってスキャンエキスパートシステム11はスキャナ1及び寝台2を制御する。なお、表示に際して、修正された部分、ここではスキャンオペレーション#2の休止時間、スキャンオペレーション#2の天板移動量が強調され、他の無修正の項目との識別容易にするために、白黒反転、表示色、表示サイズ等の表示態様が他の無修正の項目とは相違される。
【0030】
このように本実施形態によれば、スキャンを中断したとき、スキャンスケジュールが更新され、残りのスキャンオペレーションの開始時間(造影剤の注入時刻と、特定部位の造影濃度が所定値に達した時刻(リアルプレップでトリガがかかった時刻と、操作者がトリガボタンを押した任意時刻)とのいずれかを起点としたスキャンオペレーション各々の開始までの経過時間)は、予定時間からずれることが回避され、また、残りのスキャンオペレーションのスキャン開始位置が、予定した位置からずれることが回避される。
【0031】
図7には、スキャンスケジュール表の一部分を示している。上述したように、スキャンオペレーションの開始時刻は、造影剤の注入時刻と、特定部位の造影濃度が所定値に達した時刻(リアルプレップでトリガがかかった時刻)と、操作者がトリガボタンを押した任意時刻とのいずれかを起点として、その起点からスキャンオペレーション各々の開始までの経過時間として設定される。
【0032】
スキャンエキスパートシステム11により、スキャンスケジュール表のスキャン開始時刻項目が、スキャンオペレーションごとに、造影剤の注入時刻と、特定部位の造影濃度が所定値に達した時刻(リアルプレップでトリガがかかった時刻)と、操作者がトリガボタンを押した任意時刻とのいずれかを選択的に指定できるように用意される。
【0033】
従って、例えば、図8に示すように、スキャンオペレーション#1の開始時刻は、造影剤の注入時刻を起点として、それからの経過時間として管理され、また、スキャンオペレーション#2,#3の開始時刻は、スキャンオペレーション#1のそれとは相違して、リアルプレップでトリガがかかった時刻を起点として、それからの経過時間として管理され得る。
【0034】
このようにスキャンオペレーションごとに個別に時間管理の起点を指定することができるので、それぞれの部位に応じた最適なタイミングでスキャンを実行させることができる。
【0035】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による医用画像診断装置の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】図1のスキャンエキスパートシステムによるスキャンスケジュール設定画面例を示す中間調画像。
【図3】図1のスキャンエキスパートシステムによるスキャンオペレーション実行中のスキャンスケジュール画面例を示す中間調画像。
【図4】図1のスキャンエキスパートシステムによる中断指示(スキップ指示)に対する処理手順を示すフローチャート。
【図5】図1のスキャンエキスパートシステムによる中断指示により更新された休止時間を示す図。
【図6】図1のスキャンエキスパートシステムによる中断指示により更新された天板移動量を示す図。
【図7】図1のスキャンエキスパートシステムによるスキャンオペレーションごとの開始時刻の設定画面例を示す図。
【図8】図1のスキャンエキスパートシステムによるスキャンオペレーション毎の時間管理を示す図。
【図9】従来において、スキャンの中断指示がなされた場合の実行スキャンの不具合を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1…スキャナ、2…寝台、3…計算機ユニット、4…造影剤インジェクタ、5…スキャナインタフェース、6…寝台インタフェース、7…インジェクタインタフェース、8…CPU、9…データ/制御バス、10…入力デバイス、11…スキャンエキスパートシステム、12…投影データ記憶部、13…再構成処理部、14…リアルプレップ処理部、15…画像データ記憶部、16…表示部。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成19年11月12日(2007.11.12)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久

【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎

【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹

【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克

【識別番号】100101812
【弁理士】
【氏名又は名称】勝村 紘

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【識別番号】100070437
【弁理士】
【氏名又は名称】河井 将次

【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志

【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志

【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子

【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓

【識別番号】100127144
【弁理士】
【氏名又は名称】市原 卓三

【識別番号】100141933
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 元


【公開番号】 特開2008−49197(P2008−49197A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2007−293558(P2007−293558)