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【発明の名称】 脈波測定装置
【発明者】 【氏名】吉沢 靖之

【要約】 【課題】脈波を効率よく検出する装置を提供することである。

【構成】赤外線LED10と赤外線センサー12が検査台200に取り付けられており、その上に指100を載せる。検査台200には凹部が設けられており、その縁に赤外線LED10が傾けられて取り付けられている。そしてこの赤外線LED10の角が指接触先端部20を形成し、血流をブロックしている。凹部の内部に赤外線センサー12が設けられ、指100と赤外線センサー12とが非接触となる。さらに、赤外線LED10の光軸を脈波検出エリア30に向けている。また、同様に赤外線センサー12の光軸方向も、脈波検出エリア30を向いている。このような構成によって、本実施の形態によればよりノイズの少ない脈波を検出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指を載置する平面を有する検査台と、
前記検査台の平面に設けられ、前記指に対して光を発光する発光部と、
前記発光部が発光した光が前記指から反射した光である反射光を受光する受光部と、
を備え、前記受光部の検出信号に基づき前記指の脈波を検出する脈波検出装置において、
前記検査台の平面には凹部が設けられ、前記受光部はこの凹部の内部に配置され、脈波の計測時に、この凹部によって前記指と前記受光部との間に間隙が形成されることを特徴とする脈波計測装置。
【請求項2】
請求項1記載の脈波計測装置において、
前記発光部の一部が、前記検査台の平面から隆起し、指接触先端部を形成し、
脈波の計測時に、この指接触先端部が前記指の一部を圧迫することを特徴とする脈波計測装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の脈波計測装置において、
前記発光部の光軸は、前記検査台の平面の法線方向から、前記受光部に向かって所定の角度で傾斜しており、
前記受光部の光軸も、前記検査台の平面の法線方向から、前記発光部に向かって所定の角度で傾斜しており、
前記発光部及び前記受光部の光軸は、脈波の計測時に、前記指の内部で交差することを特徴とする脈波計測装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の脈波の計測装置に関する。特に、光学的手段を用いて脈波を計測する装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の脈波の検出は、年々その重要性及び応用範囲が拡大している。人体の脈波の検出の代表的な手法の一つに、手の指を所定の検出部と接触させて計測する手法が知られており、広く利用されている。
【0003】
この検出部は、大きく分けると、赤外線や赤色光を指に対して照射する照射部と、照射部が照射した光が人体(指)から反射してきた反射光を受光する受光部と、から構成される。この受光部には例えばダイオードセンサー等が用いられる。検出の際には、赤外線や赤色光の(指からの)反射光の光量を、赤外、赤外線ダイオードセンサー等で検出することになる。検出量の脈動によって、人体の血流の脈波が検知される。
【0004】
先行特許文献の例
例えば、下記特許文献1には、押しボタンの上に脈拍センサーを配置した構成が開示されている。このような構成によって、押しボタンに対して適正な押圧力が加えられた場合に脈拍センサーを作動させることができるとされている。
【0005】
また、下記特許文献2には、光センサーを用いた加速度脈波計が開示されている。ここに記載されている加速度脈波計は、異常信号が検出されない限り、複数の脈波ではなく、1脈波のみをプリントし、プリント時間の短縮を図ることができるものである。
【0006】
また、下記特許文献3には、腕と指に装着する小型の脈波計測装置が開示されている。指に対して光を照射し、反射光を検出して脈波を検出する旨が記載されている。このような構成によって運動しながら脈波を検出することができるとされている。
【0007】
【特許文献1】特公昭61−32013号公報
【特許文献2】特公平7−53158号公報
【特許文献3】特開平8−266493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、赤外線などの光を人体に照射し、その反射光から脈波を検出することは広く実用されている。
【0009】
しかしながら、対象となる人間の個人差によって、赤外線の反射量や、脈波によって反射量が変化する際の(反射の)変化量が異なる。
【0010】
従って、この反射光を利用するという原理に基づいた装置では幅広い検出値に対応できる必要がある。
【0011】
現在一般に広く使用されている脈波検出システムは、このような低い血流量の被験者にも対応できるような工夫として抜本的な解決策は知られていない。血流量の低い方向けに装置の感度を少し上げる程度の工夫しか知られていない。その他の工夫もなされてはいるものの、いずれもノウハウ的な工夫にすぎず、根本的に問題を解決するには至っていない。特に、血流量が比較的低い被験者の場合は十分な脈波を検出することが困難であることが広く知られている。
【0012】
その結果、実際の脈波検出システムは、血流量に対する脈波検出の許容範囲(動作範囲)はその検出システム毎に大きく異なり、実用上、問題となる場合も少なくなかった。
【0013】
問題点
以下、現在実用されている脈波検出システムの問題点を列挙して挙げよう。
【0014】
(1)検出量が安定しない。
【0015】
(2)指と赤外線発光部と受光センサーとの相互位置に測定結果が大きく左右される。
【0016】
(3)受光センサー上に置く指圧に測定結果が大きく左右される。
【0017】
(4)脈波波高値の個人差が大きく、特に低血流量の場合、脈波検出が困難な場合がある。
【0018】
(5)検出脈波のS/N比が悪い。ここでいうS/N比とは外光の影響と脈波検出の比である。
【0019】
これらの問題点が脈波検出に影響を及ぼすため、所望の機器の性能が発揮できない場合が多いと考えられる。
【0020】
問題点の主要な要因
以下、上記問題点の主因と考えられる点を列挙して挙げよう。
【0021】
(1)受光センサー部が指に接触し血管を圧迫するため血流が抑制される。
【0022】
(2)受光センサー部接触に係る指圧を一定値に保つことが困難であるので、血流が変化してしまう。
【0023】
(3)血流変化の大小はそのまま顕著な脈波検出の波高値の変化をもたらしてしまう。
【0024】
(4)発光部と受光センサー部との光軸が一致していないため、検出効率が悪化してしまう。
【0025】
本願発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は脈波を効率よく検出する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記問題点を解決し、改善する手段として、以下のような工夫を行っている。
【0027】
(1)本発明は上記課題を解決するために、指を載置する平面を有する検査台と、前記検査台の平面に設けられ、前記指に対して光を発光する発光部と、前記発光部が発光した光が前記指から反射した光である反射光を受光する受光部と、を備え、前記受光部の検出信号に基づき前記指の脈波を検出する脈波検出装置において、前記検査台の平面には凹部が設けられ、前記受光部はこの凹部の内部に配置され、脈波の計測時に、この凹部によって前記指と前記受光部との間に間隙が形成されることを特徴とする脈波計測装置である。
【0028】
(2)また、本発明は、上記課題を解決するために、(1)記載の脈波計測装置において、前記発光部の一部が、前記検査台の平面から隆起し、指接触先端部を形成し、脈波の計測時に、この指接触先端部が前記指を圧迫することを特徴とする脈波計測装置である。
【0029】
隆起の手法は、どのようなものでもかまわない。例えば、後述する実施の形態では、発光部(赤外線LED)を傾けることによって、その発光部(赤外線LED)の「角」を平面上から突出させている。
【0030】
(3)また、本発明は、上記(1)又は(2)記載の脈波計測装置において、前記発光部の光軸は、前記検査台の平面の法線方向から、前記受光部に向かって所定の角度で傾斜しており、前記受光部の光軸も、前記検査台の平面の法線方向から、前記発光部に向かって所定の角度で傾斜しており、前記発光部及び前記受光部の光軸は、脈波の計測時に、前記指の内部で交差することを特徴とする脈波計測装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明の脈波計測装置によれば、指と受光部の間に間隙があるので、効率的に脈波を計測することができる。また、指接触先端部が指を圧迫するので、脈波を一層計測しやすくする。またさらに、発光部と受光部の光軸が指中で交差しているので、脈波をより一層計測しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づき説明する。
【0033】
本実施の形態に係る脈波計測装置は、指に赤外線を照射し、その反射光を計測することによって、脈波を計測する装置である。
【0034】
具体的に、本実施の形態の脈波計測装置は、
(1)赤外線を発する赤外線LED10と、
(2)赤外線LED10が発した赤外線が指から反射されてきた反射光を受光する赤外線センサー12と、
(3)上記赤外線LED10と、赤外線センサー12とを制御し、脈波を計測する制御部と、
から構成されている。これら構成の「存在」自体は従来の装置と同様である。本実施の形態において特徴的なことは、指と、赤外線LED10と、赤外線センサー12との間の関係である。以下詳述する。
【0035】
本実施の形態のポイント
本実施の形態における指100と、赤外線LED10と、赤外線センサー12との間の関係を示す説明図が図1に示されている。ここで、指100とは、脈波を検知するための対象となる人間の指100である。また、従来の脈波計測装置における赤外線LED10と赤外線センサー12と指100との関係を表す説明図が図2に示されている。また、上述した制御部自体は、従来から知られている構成であるので、図面中には表示しない。
【0036】
本実施の形態において特徴的なことは、以下の通りである。
【0037】
(a)本実施の形態では、赤外線センサー12と指100との間に間隙を設ける構造を採用し、非接触による計測を実現した(図1参照)。これに対して、従来の装置においては、検出台200が平面であるため、赤外線センサー12と指100との間には間隙が設けられない。
【0038】
(b)一方、本実施の形態では、赤外線LED10は指100に接触(密着させ、接触を安定化)させている(図1参照)。
【0039】
(c)また、本実施の形態では、指接触先端部20を構成するように赤外線LED10が取り付けられている。つまり、赤外線LED10の角が指接触先端部20を構成する。この取り付けは、赤外線LED10の光軸が、赤外線センサー12の方向に傾くように取り付けられている。換言すれば、赤外線LED10が、赤外線センサー12の光軸に向けて傾斜して取り付けられているのである(図1参照)。これに対して、従来の装置においては、検出台200の平面と垂直に赤外線センサー12が設けられており、赤外線センサー12の光軸方向は検出台200の垂直方向に向いている(図2参照)。
【0040】
(d)本実施の形態では、赤外線LED10の傾斜部分の角(かど)、すなわち上述した指接触先端部20が、指100の血流を適度にブロックし、脈波検出を容易にしている(図1参照)。これに対して、従来の装置においては、赤外線LED10の発光端は、検出台200の平面と同一平面になるように位置しており、指100の血流をブロックするという作用はない(図2参照)。
【0041】
(e)赤外線センサー12の受光軸が赤外線LED10側に傾けている。これによって、外部光線の侵入を防いでいる。これに対して、従来の装置においては、赤外線センサー12の受光端は、検出台200の平面と同一平面になるように位置しており、外部光線の侵入を防ぐという作用はない(図2参照)。
【0042】
(f)上記(c)と(e)の構成において、赤外線LED10の光軸と、赤外線センサー12の光軸が傾いているが、この傾きは、赤外線LED10の光軸と、及び赤外線センサー12の光軸との交点が脈波検出エリア30に位置するように調整されている(図1参照)。これに対して、従来の装置においては、赤外線LED10の光軸と、赤外線センサー12の光軸とは、ともに検出台200の平面と垂直方向となるように配置されており、それらの交点は存在しない(図2参照)。
【0043】
なお、赤外線LED10は、請求の範囲の発光部の好適な一例に相当し、赤外線センサー12は、請求の範囲の受光部の好適な一例に相当する。
【0044】
以下、図1に基づき詳細に説明する。
【0045】
図1に示すように、本実施の形態においては、従来と同様に赤外線LED10と赤外線センサー12が検査台200に取り付けられており、その上に指100を載せて、脈波を測定している。
【0046】
・ブロック
本実施の形態においては、検査台200が平面ではなく、図1に示すように凹部が設けられており、その凹部の縁に赤外線LED10が傾けられて取り付けられている。そしてこの赤外線LED10の角が指接触先端部20を形成し、この指接触先端部20が指を圧迫することによって血流をブロックしている(堰き止めている)。
【0047】
なお、この指接触先端部20は、検査台200に対しておよそ1mm〜6mm程度の隆起量となるように構成することが好ましい。この隆起量は、測定対象である指100の大きさに依存する。
【0048】
このブロックは、本実施の形態において特徴的な事項であり、図1の脈波検出エリア30において血流がこのブロックによって折り返される。その結果、脈波検出エリア30において脈波の振幅が拡大し、より計測しやすくなるという効果をもたらす。
【0049】
・非接触計測
また、図1に示すように、検査台200の凹部の内部に赤外線センサー12が設けられている。本実施の形態において特徴的なことは、このような構成によって、指100と赤外線センサー12とが非接触となり、脈波に影響を与えずに脈波の計測を行うことができることである。
【0050】
・脈波検出エリア
さらに、上述したようにブロックによって、図1の脈波検出エリア30が現出するので、この脈波検出エリア30に対して赤外線を発し、また、同エリアから赤外線を受光することが計測上好ましい。従って、本実施の形態においては、赤外線LED10の光軸をこの脈波検出エリア30に向けている。また、同様に赤外線センサー12の光軸方向も、この脈波検出エリア30を向いている。
【0051】
このような構成によって、本実施の形態によればよりノイズの少ない脈波を検出することができる。
【0052】
これに対して、従来の装置においては、赤外線LED10の光軸と、赤外線センサー12の光軸方向が平行であるので、脈波検出エリア30のようなエリアは存在しないし、また、信号検出もノイズが多くなりがちである。
【0053】
以上述べたように、本実施の形態によれば、人体に対して赤外線を発光し、受光することによって脈波を測定する装置において、従来より計測精度が向上した装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施の形態に係る脈波計測装置の赤外線LEDと赤外線センサー12と指100との関係を示す説明図である。
【図2】従来の脈波計測装置の赤外線LEDと赤外線センサー12と指100との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
10 赤外線LED
12 赤外線センサー
20 指接触部
30 脈波検出エリア
100 指
200 検出台
【出願人】 【識別番号】595161887
【氏名又は名称】エム・シー・エムジャパン株式会社
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】 【識別番号】100109014
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 充


【公開番号】 特開2008−48987(P2008−48987A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−229783(P2006−229783)