トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 内視鏡装置
【発明者】 【氏名】仁井田 巧一

【要約】 【課題】内視鏡の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合でも照明手段毎に適切な調光を行う共に、モニタ画面全体が見やすい明るさとなるように調光すること。

【構成】本発明の内視鏡装置1は、CCD12と、このCCD12の撮像視野範囲を照明する複数のLED11a〜11dと、CCD12により取得した映像信号から複数の各LED11a〜11dの照明領域における明るさをそれぞれ検出し、この検出結果に基づき前記各LED11a〜11d毎に調光する調光回路9と、を具備し、前記LED11a〜11dは、CCD12に対して、前記調光回路9の領域調光部17により複数のLED11a〜11dの照明領域における明るさを検出する際の各LED11a〜11dの照明領域(分割画面16a〜16d)に対応する位置に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段の撮像視野範囲を照明する複数の照明手段と、
前記撮像手段により取得した映像信号から前記複数の各照明手段の照明領域における明るさをそれぞれ検出し、この検出結果に基づき前記各照明手段毎に調光する調光制御部と、 を具備し、
前記複数の照明手段は、前記撮像手段に対して、前記調光制御部により前記複数の各照明手段の照明領域における明るさを検出する際の前記各照明手段の照明領域に対応する位置に設けたことを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記複数の照明手段は、前記撮像手段を中心として前記撮像手段の周囲に配置するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記調光制御部は、
前記複数の照明手段の調光後に取得した前記映像信号に基づく観察画像の画面全体の明るさが一定値となるように調光制御することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記撮像手段は固体撮像素子であり、
前記照明手段はLEDであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内に挿入される内視鏡挿入部の先端部に照明手段が組み込まれた内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡装置には従来から内視鏡とは別体の光源装置が設けられていることが多い。さらに、内視鏡の内部には例えば、光ファイバ等のライトガイドが配設されている。そして、このライトガイドの基端部が光源装置に連結され、光源装置からの照明光をライトガイドを通して内視鏡挿入部の先端部まで導光し、ライトガイドの先端部から内視鏡の外部に照射させることにより、内視鏡の観察方向の視野を照らすようになっている。
【0003】
このような内視鏡装置では、光源装置からの照明光がライトガイドの先端部まで導光される際の光路の長さが長いので、光源装置からの照明光がライトガイドの先端部まで導光される光路の途中での光量ロスが発生するとともに、光源装置内で発生する熱の放熱対策が必要である。
【0004】
そこで、最近では、このような事情に鑑みて照明光のロスがなく、光源装置内での放熱対策も軽減するために、内視鏡挿入部の先端部に例えば、LED等の照明手段が組み込まれた内視鏡装置に関する提案が数多くなされている。
【0005】
例えば、特許文献1には、内視鏡挿入部の先端部の観察窓近傍に設けられた9つのLEDとこれらの9つのLEDの光量を調節する自動調光回路とを有し、この自動調光回路によって、モニタ画面が9つのLEDと同数に分割された各分割画面の輝度信号から明るさをそれぞれ検知し、これらの検知結果に基づいて9つのLEDの光量をそれぞれ個別に調整するようにLED駆動回路を制御する内視鏡装置に関する技術が開示されている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、内視鏡挿入部の先端部の観察窓の周囲に、複数のLED等の光源、及び光検知装置を配設して、この光検知装置により検知された光量に基づいて複数の光源の光量、及び照射時間等を制御するカプセル型の生体内撮像器に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−225952号広報
【特許文献2】特開2005−288191号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記したようにLED等の照明手段が先端部に組み込まれた内視鏡装置では、LEDから照射される照明光の光量を調節する場合には、全てのLEDに供給する電源電圧値を同時に変換し、複数のLED全体で光量調節するようにしている。そのため、内視鏡の観察視野全体の照明光の光量を同時に調節することしかできないので、内視鏡の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合には適切な調光が出来ない場合がある。
【0008】
また、特許文献1により開示された内視鏡装置では、9つのLEDが先端面の撮像手段の一方向側に配置されているため被写体に対する光量のバランスが悪く、また、9つのLEDと同数に分割されたモニタ画面の各分割画面は、必ずしも撮像手段により撮像する被写体領域の位置関係とは一致してはいない。このため、結果として内視鏡の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合には、前記同様に適切な調光が出来ない場合がある。
【0009】
さらに、特許文献2により開示された生体内撮像器では、光検出装置が観察窓の近傍の周囲に配置された構成であるが、この光検出装置による被写体に対する光量の検知位置は、前記同様に必ずしも撮像手段により撮像する被写体領域の位置関係とは関係なく、前記現象を解決するには至っていない。また、光検出検出装置により検知された光量に基づいて複数の光源の光量を制御した後に、モニタ画面全体を術者が見やすい明るさとなるように調光制御する調光方法、及び手段については何等述べられてはおらず、複数の光源の光量を制御した後に、モニタ画面全体を術者が見やすい明るさとなるように調光制御することも望まれている。
【0010】
そこで、本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、内視鏡の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合でも照明手段毎に適切な調光を行う共に、モニタ画面全体が見やすい明るさとなるように調光することのできる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の内視鏡装置は、前記撮像手段の撮像視野範囲を照明する複数の照明手段と、前記撮像手段により取得した映像信号から前記複数の各照明手段の照明領域における明るさをそれぞれ検出し、この検出結果に基づき前記各照明手段毎に調光する調光制御部と、を具備し、前記複数の照明手段は、前記撮像手段に対して、前記調光制御部により前記複数の各照明手段の照明領域における明るさを検出する際の前記各照明手段の照明領域に対応する位置に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内視鏡の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合でも照明手段毎に適切な調光を行う共に、モニタ画面全体が見やすい明るさとなるように調光することのできる内視鏡装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0014】
(実施例1)
図1から図13は本発明の実施例1に係り、図1は実施例1に係る内視鏡装置のシステム全体の概略構成を示す構成図、図2は図1の内視鏡挿入部の先端部の概略構成を示す構成図、図3は図2の先端部の先端面における観察窓、及び複数のLEDの配置構成を示す斜視図、図4は図3の撮像手段、及び複数のLEDの配置位置に対応するモニタ画面の分割領域を示す構成図、図5は図1の調光回路の具体的な構成を示すブロック図、図6は図5の領域調光部の具体的な構成を示すブロック図、図7は図5の画面明るさ制御部の具体的な構成を示すブロック図、図8は図1に示す内視鏡装置全体の電気的な回路構成を示す構成図、図9から図13は実施例1の作用を説明するためのもので、図9は各種調光信号、及び処理内容を説明する説明図、図10は従来の調光状態を示す説明図、図11は図10に示す調光によって表示されたモニタ画面の表示例を示し、図12は実施例1による調光状態を示す説明図、図13は図11に示す調光によって表示されたモニタ画面の表示例をそれぞれ示している。
【0015】
図1に示すように、実施例1の内視鏡装置1は、内視鏡2と、ビデオプロセッサであるCCU(カメラコントロールユニット)3と、を有している。
内視鏡2には、体腔内に挿入される挿入部4と、この挿入部4の基端部に連結された手元側端部6とが設けられている。さらに、挿入部4の先端部5には、照明手段11、及び撮像手段12を有する撮像ユニット7が設けられている。尚、手元側端部6、又はCCU3は、操作部として構成される。
【0016】
ここで、撮像ユニット7、及び先端部5の構成を説明する。
撮像ユニット7は、図2に示すように、照明光を発生させる照明手段11である複数、例えば4個のLED(白色LEDであり、半導体発光素子)11a〜11dと、観察用の撮像手段12であるCCD(固体撮像素子)12と、このCCD12を駆動させるためのCCDドライバ13とを有している。尚、CCDドライバ13は、後述するCCU3内に設けて構成しても良い。
【0017】
4個のLED11a〜11dは、それぞれ接続線7aを介して図1に示すLED駆動回路10に電気的に接続されている。また、CCD12の前面には、図示しない対物光学系が配設されており、この対物光学系を覆うように観察窓14が先端部5の先端面5Aに配設されている(図3参照)。さらに、CCDドライバ13は、接続線7bを介して図1に示す映像信号処理回路8に電気的に接続されている。
【0018】
本実施例では、4個のLED11a〜11dは、図3に示すように、CCD12の前面に配設された観察窓14の周囲、例えば、観察窓14が中心となる先端面5A内に形成される長方形の4角に対応する4カ所に配設されている。この場合、4個のLED11a〜11dとCCD12との位置関係は、後述する4個の照明領域の明るさをそれぞれ検出する明るさ検出領域に対応している。
【0019】
つまり、CCD12より撮像された観察像、すなわち、図4に示すモニタ15の画面16を4個のLED11a〜11dと同数の4画面に分割し、分割された各画面16a〜16dに対応するように映像信号を用いてマスキング処理された各画面16a〜16dの輝度信号から明るさが検出される。したがって、各画面16a〜16dが4個のLED11a〜11dに対応する明るさ検出領域となる。
【0020】
この場合、例えば、図3、及び4に示すように、1個目のLED11a(先端面5Aの左上)の照明領域はモニタ画面16の第1画面16a(モニタ画面16の右上)に対応し、2個目のLED11b(先端面5Aの左下)の照明領域はモニタ画面16の第2画面16b(モニタ画面の右下)に対応している。また、3個目のLED11c(先端面5Aの右下)の照明領域はモニタ画面16の第3画面16c(モニタ画面16の左下)に対応し、4個目のLED11d(先端面5Aの右上)の照明領域はモニタ画面16の第4画面16d(モニタ画面の左上)に対応している。
【0021】
尚、本実施例では、照明手段11として、4個のLED11a〜11dを設けたが、これに限定されるものではなく、4個以上のLED11を設けて構成しても良い。但し、設けた4個以上のLED11とCCD12との配置関係は、前記同様に4個以上の複数のLEDと同数に設けられた各照明領域(検出領域)の各画面16a〜16nに対応したものとなる。
【0022】
また、図1に示すように、内視鏡2の手元側端部6は、CCU3のスコープ連結部に着脱可能に連結されている。
このCCU3は、撮像ユニット7内のCCDドライバ13、及びCCD12の出力側に接続線7bを介してそれぞれ電気的に接続された映像信号処理回路8と、この映像信号処理回路8からの映像信号が供給され、この映像信号に基づき照明手段11の光量値を設定する調光制御部としての調光回路9と、撮像ユニット7内の各LED11a 〜11d に電気的に接続され、調光回路9からの調光信号に基づき各LED11a〜11dを駆動させるLED駆動回路10と、を有している。
【0023】
尚、接続線7bは、図示はしないが映像信号処理回路8からの駆動信号がCCDドライバ13に供給するための入力側接続線と、CCD12からの出力信号を映像信号処理回路8に出力するための出力側接続線とで構成されている。
【0024】
映像信号処理回路8には、出力端子3aを介して図4に示すモニタ15が電気的に接続されている。そして、内視鏡2の使用時にはCCDドライバ13によってCCD12が駆動される。このとき、内視鏡2の観察像はCCD12で電気信号に変換された状態で出力される。さらに、このCCD12からの出力信号は映像信号処理回路8に入力されて映像信号化された後、この映像信号処理回路8からの映像信号出力が出力端子3aを介してモニタ15に入力され、モニタ15の画面16に内視鏡2の観察像が表示されるようになっている。
【0025】
また、調光回路9には、映像信号処理回路8、及びLED駆動回路10がそれぞれ電気的に接続されている。そして、映像信号処理回路8からの映像信号出力の一部は調光回路9に入力され、調光回路9によってこの映像信号処理回路8からの出力映像信号に基づき照明手段11の光量値が設定され、この設定された光量値に基づく各種調光信号がLED駆動回路10に出力される。
LED駆動回路10には、図示はしないが、照明手段11の4個の各LED11a 〜11dへ供給する点灯時間を制御する定電流パルス幅変調回路を有し、LED11a〜11dの光量をそれぞれ個別に調節する個別光量調節手段が内蔵されている。このため、LED駆動回路10は、供給された各種調光信号に基づき、定電流パルス幅変調手段、及び個別光量調節手段を用いて4個のLED11a〜11dの光量をそれぞれ個別に調節するようになっている。
【0026】
次に、図1に示すCCU3内の調光回路9の具体的な構成について、図5から図8を参照しながら説明する。
図5に示すように、調光制御部を構成する調光回路9は、映像信号処理回路8からの映像信号が入力端子3aを介して入力される領域調光部17と、この領域調光部17により生成された各種調光信号が供給される全画面明るさ制御部18と、を有している。
【0027】
領域調光部17は、入力された映像信号に基づく観察像、すなわち、図4に示すモニタ15の画面16を4個のLED11a〜11dと同数の4画面の照射領域に分割し、入力映像信号からこの分割された各画面16a〜16dの各照射領域に対応する画面16a〜16dの輝度信号から明るさを検出し、検出結果に基づき各光量を補正して領域1〜領域4用調光信号を生成して全画面明るさ制御部18に供給する。
【0028】
具体的には、領域調光部17には、図6に示すように、映像信号が入力端子17aを介して供給され、各LED11a〜11dに対応した領域1〜領域4マスク部19a〜19dと、これら領域1〜領域4マスク部19a〜19dの出力信号が供給される第1〜第4調光回路部20a〜20dとが設けられている。
【0029】
領域1〜領域4マスク部19a〜19dは、入力映像信号から、各LED11a〜11dの照射領域に対応する各画面16a〜16dの輝度信号から明るさを検出し、検出結果を後段の第1〜第4調光回路部20a〜20dにそれぞれ供給する。
【0030】
この場合、領域1マスク部19aは、入力映像信号から、図4中に示す画面16aのLED11aの照射領域に対応する輝度信号から明るさを検出し、領域2マスク部19bは、入力映像信号から、図4中に示す画面16bのLED11bの照射領域に対応する輝度信号から明るさを検出する。また、領域3マスク部19cは、入力映像信号から、図4中に示す画面16cのLED11cの照射領域に対応する輝度信号から明るさを検出し、領域4マスク部19dは、入力映像信号から、図4中に示す画面16dのLED11dの照射領域に対応する輝度信号から明るさを検出するようになっている。
【0031】
第1〜第4調光回路部20a〜20dは、供給された各検出結果と予め設定された基準値(閾値であり自在に変更可能である)とでそれぞれ比較を行い、適正な光量となるように補正することにより、各LED11a〜11dに対応した領域1用〜領域4用調光信号を生成し、各出力端子21a〜21dを介して、図5に示す全画面明るさ制御部18へとそれぞれ供給する。
【0032】
このことにより、図5に示す領域調光部17によって、各LED11a〜11dの各照射領域における明るさがそれぞれ検出され、さらに、各検出結果が基準値と比較され、適正な光量となるように補正された領域1〜領域4用調光信号を得ることができる。
【0033】
よって、この得られた領域1〜領域4用調光信号に基づいて各LED11a〜11dを駆動すれば、内視鏡2の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合でも適正な調光が可能となる。
【0034】
ところで、このように各LED11a〜11dを個別に最適な調光を行ったとしても、モニタ15の画面16全体の明るさが見やすい明るさとなるようにすることが望ましい。
【0035】
そこで、本実施例では、前記したように各LED11a〜11dを個別に最適な調光を行った場合に、図7、及び図8に示す全画面明るさ制御部18によってモニタ15の画面16全体の明るさが、例えば暗いときには明るく、又は明るいときには暗くするように見やすい明るさとなるように制御可能である。
【0036】
つまり、前記調光制御部を構成する全画面明るさ制御部18は、複数の各LED11a〜11dの調光後に取得した映像信号に基づく観察画像の画面16全体の明るさが一定値となるように調光制御することが可能である。
【0037】
具体的には、全画面明るさ制御部18は、図7に示すように、図6に示す領域調光部17からの各領域1用〜領域4用調光信号が供給される入力端子22a〜22dと、これらの入力端は22a〜22dからの各領域1用〜領域4用調光信号をそれぞれ加算する加算器23と、この加算器23からの出力信号を入力して係数演算処理を施して係数を出力する係数演算部24と、前記入力端子22a〜22dからの各領域1用〜領域4用調光信号に対して係数演算部24からの係数を乗算することによりそれぞれの信号レベルを増幅させるための乗算器25a〜25dと、これら乗算器25a〜25dからの出力信号をそれぞれ後段のLED駆動回路10に出力するための出力端子26a〜26dとを有している。
【0038】
また、全画面明るさ制御部18の具体的な構成例が図8に示されている。
図8に示すように、全画面明るさ制御部18には、前記加算器23としての第1〜第3加算器23a〜23cと、前記係数演算部24としての比較器24Aと、例えば、基準時間などの基準値を発生して前記比較器24Aに一方の入力端に出力する基準値発生部25と、前記比較器24Aからの比較結果に基づき信号レベルを増幅する前記乗算器25a〜25dとを有している。
【0039】
前記比較器24の他方の入力端には、前記第1〜第3加算器23a〜23cによって加算された加算結果が供給される。そして、比較器24は、この加算結果と例えば基準時間等の基準値とを比較し、比較結果、例えば加算結果が基準時間の2倍であるとすれば1/2である比較結果を係数として前記乗算器25a〜25dに供給するようになっている。
【0040】
尚、図8に示す構成例では、前記各乗算器25a〜25dからの出力信号である各領域1〜領域4用調光信号は、LED駆動回路10を構成する各LED11a〜11dに応じたLED1〜LED4駆動回路10a〜10dに供給される。
【0041】
そして、各LED1〜LED4駆動回路10a〜10dは、供給された各領域1〜領域4用調光信号にそれぞれ基づ正な光量となるように補正された領域1〜領域4用調光信号を得ることができる。よって、この得られた領域1〜領域4用調光信号に基づいて各LED11a〜11dを駆動すれば、内視鏡2の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合でも適正な調光が可能となる。
【0042】
尚、図8に示すLED1調光マスク部20Aは、図6に示す領域1マスク部19aと第1調光回路部20aとを有して構成される。また、以降のLED2調光マスク部20BからLED4調光マスク部20Dについても同様にLED11b〜11dに対応する図6に示す領域2〜領域4マスク部19b〜19dと第2〜第4調光回路部20b〜20dとをそれぞれ有して構成される。
【0043】
ここで、具体的な全画面明るさ制御部18による制御例を図9を参照しながら説明する。
【0044】
例えば、図9中のAからDに示すように、全画面明るさ制御部18に供給される領域1用〜領域4用調光信号が、本実施例の調光回路9内の領域調光部17によって、入力映像信号を用いて各LED11a〜11dの照明領域(図4中に示す各画面16a〜16d)に応じて適正な光量となるように補正された領域1〜領域4用調光信号であるものとする。
【0045】
尚、通常、調光回路9による光量補正処理は、図9中のAからDに示すように、各種調光信号において、1フレーム中のパルス幅P1を調整することによって、対応するLEDの光量の調節が可能である。
【0046】
このように、領域調光部17によってそれぞれのパルス幅P1となるように補正された領域1用〜領域4用調光信号の一例が、図9中のAからDに示されている。また、図9中に示すEは前記加算器23(図8では第1〜第3加算器23a〜23c)によって加算された領域1用〜領域4用調光信号のパルス幅P1の積算時間tLを示し、図9中に示すFは係数演算部24内で用いられる基準値である基準時間(図8では基準値発生部25からの基準値である基準時間)tOをそれぞれ示している。
【0047】
そして、係数演算部24は、例えば、供給された各領域1〜領域4用調光信号の各パルス幅P1の積算時間が図9中のEに示す積算時間tLであるので、基準時間tOと比較すると、積算時間tLが基準時間tOの略2倍となり、このため、係数を1/2として各乗算器25a〜25dに供給する。
【0048】
すなわち、モニタ15の画面16全体の明るさが基準値と比較して2倍となっているので、1/2を係数として設定し、この1/2である係数を用いて各乗算器25a〜25dによって各領域1用〜領域4用調光信号に対して乗算することで各信号レベルをそれぞれ1/2倍に小さくする。
【0049】
このことにより、全画面明るさ制御部18の出力信号の各パルス幅P1の積算時間は、例えば図9中のGに示すように、基準時間tOと略同じ積算時間tO1となる。すなわち、このように補正処理された領域用1〜領域4用調光信号に基づいてLED駆動回路10(LED1〜LED4駆動回路10a〜10d)によって各LED11a〜11dが駆動されることにより、モニタ15の画面16全体の明るさを最初の調光時よりも1/2倍となるように暗くすることができる。つまり、モニタ15の画面16の明るさが略基準時間tOと同じ明るさとなるように各LED11a〜11dの駆動が制御されることで、モニタ15の画面16全体の明るさが見やすくなる。
尚、前記係数演算部24における係数、又は基準値発生部25における基準値は自在に設定可能であり、外部からユーザーが設定することも可能である。
【0050】
次に、上記構成の作用について、図10から図13を参照しながら説明する。
本実施例の内視鏡装置1の使用時には、CCU3のLED駆動回路10とCCDドライバ13とが駆動される。そして、CCU3のLED駆動回路10によって内視鏡2のLED11a〜11dが駆動され、これらのLED11a〜11dが点灯されて照明光が挿入部4における先端部5の撮像ユニット7から内視鏡2の観察視野方向に照射される。
【0051】
また、CCU3のCCDドライバ13による内視鏡2のCCD12の駆動時には内視鏡2の観察像は、CCD12で電気信号に変換された状態で出力される。そして、このCCD12からの出力信号は映像信号処理回路8に入力されて映像信号化された後、この映像信号処理回路8からの映像信号出力がモニタ15に入力され、モニタ15の画面16に内視鏡2の観察像が表示される。
【0052】
このとき、内視鏡2による観察中において、例えば挿入部4の先端部5の観察視野方向内の先端面5Aの近傍、例えば、図10に示すように、被検体30が先端部5の先端面5Aに配された下部のLED11b、11c前方に照射を妨げるような障害物して配されたとする。
【0053】
このような場合には、従来のような調光制御では、内視鏡2の観察視野全体の照明光の光量を同時に調節することしかできないので、被検体30近傍に配される先端面5Aの下部のLED11b、11dについては明るすぎる光量で調光されると同時に、他の先端面5Aの上部のLED11a、11dについても同じ光量で調光されてしまう。その結果、図11に示すようにモニタ15の画面16に表示される観察像は、被検体30が明るすぎ、さらに他の体腔内では光量が足りずに暗くなるといった観察像になってしまう。
【0054】
そこで、本実施例では、前記したように、図5に示す領域調光部17によって、入力された映像信号に基づく観察像、すなわち、図4に示すモニタ15の画面16を4個のLED11a〜11dと同数の4画面の照射領域に分割し、入力映像信号からこの分割された各画面16a〜16dの各照射領域に対応する画面16a〜16dの輝度信号から明るさを検出し、検出結果に基づき各光量を補正して領域1〜領域4用調光信号を生成して全画面明るさ制御部18に供給する。
【0055】
具体的には、領域調光部17の領域1〜領域4マスク部19a〜19d(図6参照)は、入力映像信号から、各LED11a〜11dの照射領域に対応する各画面16a〜16dの輝度信号から明るさを検出し、検出結果を後段の第1〜第4調光回路部20a〜20dにそれぞれ供給する。そして、第1〜第4調光回路部20a〜20dは、供給された各検出結果と予め設定された基準値とでそれぞれ比較を行い、適正な光量となるように補正することにより、各LED11a〜11dに対応した領域1用〜領域4用調光信号を生成し、各出力端子21a〜21dを介して、図5に示す全画面明るさ制御部18へとそれぞれ供給する。
【0056】
このことにより、図5に示す領域調光部17によって、各LED11a〜11dの各照射領域における明るさがそれぞれ検出され、さらに、各検出結果が基準値と比較され、適正な光量となるように補正された領域1〜領域4用調光信号を得ることができる。
【0057】
その後、本実施例では、図5、図7、及び図8に示す画面明るさ制御部18によって、モニタ15の画面16全体の明るさが見やすい明るさとなるように補正処理が施される。 この場合、全画面明るさ制御部18において、係数演算部24は、例えば、加算器23から供給された各領域1〜領域4用調光信号の各パルス幅P1の積算時間が図9中のEに示す積算時間tLであるので、基準時間tOと比較すると、積算時間tLが基準時間tOの略2倍となり、このため、係数を1/2として各乗算器25a〜25dに供給する。
【0058】
すなわち、モニタ15の画面16全体の明るさが基準値と比較して2倍となっているので、1/2を係数として設定し、この1/2である係数を用いて各乗算器25a〜25dによって各領域1用〜領域4用調光信号に対して乗算することで各信号レベルをそれぞれ1/2倍に小さくする。
【0059】
このことにより、全画面明るさ制御部18の出力信号の各パルス幅P1の積算時間は、例えば図9中のGに示すように、基準時間tOと略同じ積算時間tO1となる。すなわち、このように補正処理された領域用1〜領域4用調光信号に基づいてLED駆動回路10(LED1〜LED4駆動回路10a〜10d)によって各LED11a〜11dが駆動されることにより、モニタ15の画面16全体の明るさを最初の調光時よりも1/2倍となるように暗くすることができる。つまり、モニタ15の画面16の明るさが略基準時間tOと同じ明るさとなるように各LED11a〜11dの駆動が制御されることで、モニタ15の画面16全体の明るさが見やすくなる。
【0060】
例えば、本実施例によれば、図12に示すように、被検体30近傍に配される先端面5Aの下部のLED11b、11dについては図10に示す従来例よりも暗くなる光量で調光されると同時に、他の先端面5Aの上部のLED11a、11dについては従来例よりも明るくなる光量で調光される。そして、全画面明るさ制御部18によってモニタ15の画面16全体の明るさが見やすい明るさとなるように補正処理される。
【0061】
その結果、モニタ15の画面16に表示される観察像は、図13に示すように、被検体30が見やすい明るさで識別も容易となり、さらに他の体腔内では光量が大きくなるので見やすい明るさとなる観察像となる。
【0062】
したがって、実施例1によれば、内視鏡2の観察視野全体の中の一部に局部的に明暗がある内視鏡観察像の場合でも各LED11a〜11d毎に適切な調光を行う共に、モニタ15の画面16全体が見やすい明るさとなるように調光を行うことができる。
【0063】
また、調光回路9を介して撮像ユニット7の各LED11a〜11dを、各LEDの照射領域における明るさに応じて個別に制御できるので、内視鏡2の観察像の各分割画面16a〜16dを常に最適な光量にできる。
【0064】
尚、実施例1では、撮像ユニット7の各LED11a〜11dの光量調整は各LED11a〜11dの電流制御で光量調整してもよい。
【0065】
(実施例2)
図14は本発明の実施例2に係る内視鏡装置全体の電気的な回路構成を示す構成図である。
【0066】
実施例2の内視鏡装置1は、図14に示すように、全画面明るさ制御部18内において、実施例1にて用いた基準値発生部25に替えて、全画面調光部26を設けて構成されている。
この全画面調光部26は、入力映像信号に基づき図4に示すモニタ15の画面16全体の明るさが均一となるような係数を生成し、係数演算部24を構成する比較器24Aの一方の入力端に出力する。すなわち、全画面調光部26は、図4に示す画面16の分割画面16a〜16dを合わせた全画面全体の明るさが常に均一となる係数を生成し出力する。
【0067】
尚、図示はしないが、この全画面調光部26に、CCU3、又は手元側端部6に設けられた操作部と電気的に接続し、この操作部を操作することにより複数の調光モードに応じて前記全画面調光部26により生成される係数を自動的に変更し設定するようにしても良い。この場合、全画面調光部26内に、予め調光モードに応じて設定された係数を記憶した記憶部を設ければ良い。
【0068】
したがって、このような構成の全画面明るさ制御部18においては、全画面明るさ調光部26からの係数は、実施例1と同様に係数演算部24としての比較器24Aの一方の入力端に供給される。そして、比較器24Aは、例えば、供給された各領域1〜領域4用調光信号の各パルス幅P1の積算時間と係数である基準時間とを比較し、実施例1と同様に積算時間tLが基準時間tOの略2倍である場合には1/2とする係数を各乗算器25a〜25dに供給する。
【0069】
このことにより、実施例1と同様に、この1/2である係数を用いて各乗算器25a〜25dによって各領域1用〜領域4用調光信号に対して乗算することで各信号レベルをそれぞれ1/2倍に小さくする。そして、このように補正処理された領域用1〜領域4用調光信号に基づいてLED駆動回路10(LED1〜LED4駆動回路10a〜10d)によって各LED11a〜11dが駆動される。すなわち、モニタ15の画面16の明るさが略予め設定された係数に基づく明るさとなるように各LED11a〜11dの駆動が制御されることで、モニタ15の画面16全体の明るさが見やすくなる。
したがって、実施例2によれば、実施例1と同様の効果が得られる。
【0070】
ところで、本発明の内視鏡装置1は、内視鏡2の挿入部4をディスポーザブルとして構成した場合に鑑み、製造コストを安価にすることができる工夫もなされている。このような本発明に係る内視鏡装置1に適用された技術について、図15から図17を参照しながら説明する。
【0071】
図15、及び図16は内視鏡の先端部における撮像ユニットと接続線との接続部Aにおける構成を説明するもので、図15は接続部Aに用いられた接続機構の構成を示す分解斜視図、図16は固定後の接続機構の断面図である。
【0072】
一般に、内視鏡2の先端部5内の撮像ユニット7に対する電気的な接続は、小型化、及び設計の自由度の点でフレキシブル基板を用いて行われる場合が多い。
【0073】
そこで、本発明に係る内視鏡装置1では、図15に示すようにな、接続機構を構成する上蓋32、及びケーブル受け台33を用いて、撮像ユニット7から延出されるフレキシブル基板31と挿入部4内に配されているケーブルである接続線7a(7b)とを電気的に固定するようにしている。
【0074】
上蓋32は、図15に示すように、内周側に接続線7a(7b)をそれぞれ収容するとともに、ケーブル受け台33に嵌合するための収容溝32Aを有している。また、その収容溝32Aの基端側には、図16に示すように、ケーブル受け台33方向に突出するように、且つ先端部が鋭利な形状に導電性の部材で形成された貫通刃34が設けられている。
尚、上蓋32と貫通刃34とを一体的に導電性部材を用いて構成しても良く、又は貫通刃34のみを導電性部材として構成しても良い。
【0075】
そして、ケーブル受け台33は、前記接続線7aを載せて保持するための第1受け部33aと、撮像ユニット7からのフレキシブル基板31を載せて保持するための第2受け部33bとを有して構成されている。
【0076】
撮像ユニット7からのフレキシブル基板31と接続線7a(7b)とを電気的な接続して固定する場合には、まず、作業者は、フレキシブル基板31をケーブル受け台33の第2受け部33bに載せた後、接続線7a(7b)をケーブル受け台33の第1受け部33aに載せる。このとき、接続線7a(7b)の先端部は、図16に示すように、フレキシブル基板31の先端部と重なるように配置する。
【0077】
その後、作業者は、その状態のケーブル受け台33の上から上蓋32を被せる。このとき、上蓋32の収容溝32Aにケーブル受け台33が確実に収容し、さらにこの上蓋32の上方向から強く押しつけるようにして、上蓋32をケーブル受け台33に嵌合させる。
【0078】
すると、上蓋32の貫通刃34は、図16に示すように、接続線7a(7b)を貫通した状態で下側に配置されたフレキシブル基板31に当接、又は突き刺さることになる。すなわち、導電性の部材で形成された貫通刃34によって接続線7a(7b)とフレキシブル基板31とが電気的に接続され、また同時にこの状態が保持されることになる。さらに、この固定状態は、上蓋31とケーブル受け台33との嵌合により強固なものとなる。
【0079】
したがって、このような接続機構を設けたことによって、先端部5内の撮像ユニット7からのフレキシブル基板31と接続線7a(7b)との電気的な接続を、容易に、且つ、確実に行うことができ、また、その電気的な接続状態を保持しながら強固に固定することが可能となる。
【0080】
このことにより、製造コストの低減に大きく寄与するといった効果が得られる。さらに、前記接続機構は小型化に構成することが可能であるので、省スペースで先端部5内に設けることが可能であり、よって、先端部5の小型化、及び挿入部4の細径化に大きく寄与することも可能である。
【0081】
また、図17は内視鏡の挿入部基端部と手元側端部との接続部Bにおける接続機構の構成を説明するための斜視図である。
内視鏡2の挿入部4をディスポーザブルとして構成した場合には、操作部として構成される手元側端部6に対して着脱自在に構成する必要がある。
【0082】
そこで、本発明の内視鏡装置1では、図16に示すように、接続機構を構成するケーブル基端部40、及びケーブル受け部6Aを用いて、挿入部4の基端側からの接続線7a、7bを手元側端部6側に配されている図示しない接続線とを電気的に接続して固定するようにしている。
【0083】
具体的には、図16に示すように、挿入部4の基端側には、接続機構を構成するコネクタ部としてのケーブル基端部40が設けられている。このケーブル基端部40は、例えば挿入部4内に挿通された接続線7a、7bを含む接続ケーブル41を樹脂等の材料を用いて、例えば円柱形状に形成されたものである。
【0084】
この場合、ケーブル基端部40内の接続ケーブル41の位置決め方法については特に限定されない。例えば、ケーブル基端部40を、予め接続ケーブル41を挿通する挿通孔を形成し、その後、さらに樹脂を溶着することによって接続ケーブル41の位置決めを行っても良い。
【0085】
さらに、ケーブル基端部40の基端面40Aに露出する複数の接続ケーブル41部分には、それぞれ金属端子が複数設けられている。
【0086】
一方、手元側端部6に設けられたコネクタ受け部としてのケーブル受け部6Aは、前記ケーブル基端部40の形状に対応する形状に形成されている。つまり、ケーブル受け部6Aはケーブル基端部40が嵌入されるように凹んだ円柱形状の収容溝として形成されている。
【0087】
そして、そのケーブル受け部6A内の当接面6Bには、前記ケーブル基端部40の基端面40Aの電気端子と接触して電気的に接続するための複数の電気端子42が設けられている。
【0088】
尚、ケーブル基端部40の各電気端子とケーブル受け部6Aの各電気端子との位置決めを確実に行うために、例えばケーブル基端部40の基端面40Aの外周の一部に突起部を設け、ケーブル受け部6Aの内周の一部に前記突起部と係合する係合溝を設けて各種電気端子の位置決めを行うように構成しても良い。もちろん、これ以外の方法を適用しても良い。
【0089】
挿入部4のケーブル基端部40と手元側端部6のケーブル受け部6Aとを電気的に接続して固定する場合には、まず、作業者は、前記したような突起部等の位置決め手段(図示せず)を設けた場合、この突起部と係止溝とが係合するようにケーブル基端部40をケーブル受け部6Aに嵌め入れる。
【0090】
この場合、作業者は、ケーブル基端部40の基端面40Aがケーブル受け部6Aの当接面6Bに当接するように押し込む。
したがって、ケーブル基端部40の基端面40Aがケーブル受け部6Aの当接面6Bに当接したことにより、ケーブル基端部40の各電気端子とケーブル受け部6Aの各電気端子とが接種区して電気的に導通すると同時に、ケーブル受け部6Aの収容溝にケーブル基端部40が確実に嵌入されているため、その電気的な導通状態を保持しつつ強固に固定される。
【0091】
したがって、このような接続機構を設けたことによって、挿入部4をディスポーザブルとして構成した場合に、挿入部4を手元側端部6に着脱自在に構成する必要があるが、高価なコネクタなどの部材を用いずに、挿入部4と手元側端部6との電気的な接続を、簡単な構成で、且つ容易に行うことが可能となる。このことにより、製造コストの低減に大きく寄与するといった効果が得られる。
【0092】
ところで、本発明に係る内視鏡装置1は、挿入性向上、及び観察性能向上を図るための工夫もなされている。
このような本発明に係る内視鏡装置1に適用された技術について、図18を参照しながら説明する。
【0093】
図18は内視鏡を回転自走式内視鏡として構成し、さらに先端部の前方に先導部を設けた挿入部先端部の断面図である。
従来の内視鏡装置では、円滑に内視鏡挿入部を体腔内の目的部位まで到達させるためには、熟練を要する。また、一般に行われている挿入部の挿入方法は、送気による管路拡大と大腸の直線化によって行われており、送気や、腸の形状を意図的に変形させるために、患者にとっては痛みが伴ってしまう虞れがある。
【0094】
そこで、本発明の内視鏡装置では、内視鏡の挿入部を自動的に挿入可能として、従来の挿入手技に頼ることなく、内視鏡の先端部に設けられた先導部の弾性力により腸を大きく変化させずに挿入部を円滑に挿入させることができるように改良がなされている。
【0095】
具体的には、内視鏡2Aは、例えば、回転自走式内視鏡として構成されている。すなわち、図18に示すように、内視鏡2Aの挿入部4Aは、ディスポーザブルとして構成されたもので、図示しない挿入部本体と、回転筒体4Aとを有している。
尚、図示しないが、挿入部本体内には、内層チューブ、接続線7a、7b、送気、送水管路、及び処置具管路等を構成する各種チューブ等が配設されている。
【0096】
回転筒体4Aは、例えば夫々の軸回り(例えば図18中の矢印C方向)に回動可能となるように構成されており、図示はしないが断面形状が凹凸となるように加工された生体適合性のある金属板部材を螺旋状に巻回し、可撓性を備えた筒体である。この回転筒体4Aは、前記した凹凸が略隙間なく係合しており、その外周面に螺旋状凸部(あるいは、螺旋状凹部、さらにあるいは、螺旋に沿って連設されるように突設される凸部、など)となる螺旋形状部(図示せず)が形成される。
【0097】
そして、この回転筒体4Aが回動すると、外周面の螺旋形状部(図示せず)が被検体の体腔内壁と接触して推力が発生し、回転筒体5A自体が挿入方向へ進行しようとする。
【0098】
このとき、先端部5を含めた挿入部4全体が体腔内の深部に向かって前進する推進力が付与されるようになっている。尚、回転筒体4Aは、例えば、手元側端部6内に配設されたモータ(図示せず)により回転駆動力が与えられるようになっている。
【0099】
このような回転自走式内視鏡2Aにおいて、先端部5の先端面5Aの送気、送水開口部(図示せず)には、挿入補助具としての先導部52が設けられている。この先導部52は、先端面5Aの送気管路開口部(図示せず)に設けられた第1接続部54、ベース部材53、及び第2接続部52bを介して取り付けられている。
尚、先導部52は、前記第1接続部54が送気管路開口部(図示せず)を閉塞するようにして設けたが、これに限定されることはなく、例えば先端部5全体を被せるような先端部52aを有するフード形状に形成しても良い。
【0100】
また、先導部52の先端部52aの形状は、腸壁を傷つけないような円弧形状、又はテーパー形状に形成されている。また、先導部52全体の形状を、観察窓14の視野角θに影響を及ばさないように、基端側から先端部52aにかけて細くなるテーパー形状に構成しても良い。尚、先導部52、及び先端部52aの形状は、これらの形状に限定されることはなく、腸壁を傷つけないような形状、或いは観察窓14の視野角θに影響を及ぼさない形状であればいずれの形状であっても良い。
【0101】
第2接続部52dは、弾性部材を用いて構成されている。したがって、この第2接続部52dに接続される先導部52は、挿入部4の体腔内への挿入時には、第2接続部52dの弾性作用によって上下左右に曲がったりしながら腸壁を痛めることなく腸壁を押し広げることが可能である。
【0102】
また、第1接続部54は、例えば先端部5を盲腸等の目的部位に到達した場合には、先端部5、挿入部4内に設けられた送気管路(処置具管路)51に送気する空圧によって容易に先端部5から分離することが可能である。すなわち、目的部位の観察、又は治療処置が完了した場合には、前記第1接続部54を用いて先導部52を分離するようになっている。
尚、前記第1接続部を介する先導部52の分離は、送気管路(処置具管路)51に処置具を挿通し、この挿通された処置具によって行うようにしても良い。
【0103】
その他の構成については、実施例1、及び実施例2と同様である。また、先端部5内のCCD12の前側には対物光学系を構成するレンズ12Aが設けられ、このレンズ12Aの前側には実施例1と同様に観察窓14(図3参照)が設けられている。
【0104】
尚、内視鏡2Aにおけるレンズ12A、及び観察窓14の視野範囲は、図18に示すような視野角θとなっているが、先導部52が設けられたとしても観察に影響のない視野角θで観察、処置を行うことができるようになっている。
【0105】
次に、このような内視鏡2Aの作用を説明する。尚、以下の説明において、大腸内視鏡検査を例に挙げて説明する。
いま、内視鏡装置1を用いて、例えば大腸検査を行うものとする。このとき、術者は、図示しない挿入補助具を例えば、ベッド上に横たわっている患者の肛門から挿入する。そして、術者は、挿入補助具を介して図18に示す挿入部4を肛門から直腸内に挿入し、この状態で、手元側端部6の把持部を握持し、図示しないフットスイッチの足元操作、或いは手元側端部6、又はCCU3に設けた図示しない進退スイッチの手元操作により、挿入部4の回転筒体(螺旋形状部)4Aを長手軸回りに回転させる。
【0106】
すると、回転筒体4Aには、基端部分から先端側へ回転力が伝達され、その全体が図18の矢印Cに示すような軸回りに所定の方向へ回転し、推進力が得られる。この回転筒体4Aの推進力によって、挿入部4は大腸内の深部に向かって進んでいく。
【0107】
術者は、挿入部4を把持して押し進めることなく、図示しない挿入補助具を軽く把持し、回転筒体4Aによる推進力のみで挿入部4を大腸内の深部に向かって前進させることができる。
【0108】
このとき、回転筒体4Aの図示しない螺旋形状部は、腸壁の襞との接触状態が雄ねじと雌ねじとの関係になる。螺旋形状部は、腸壁の襞との接触により発生した推進力等によりスムーズに前進し、結果として挿入部4Aは直腸からS字状結腸に向かって進む。
【0109】
その後、挿入部4の図示しない湾曲部の湾曲操作等によって挿入部4は、S字状結腸をスムーズに通過し、その後、S字状結腸と可動性に乏しい下行結腸との境界である屈曲部,下行結腸と可動性に富む横行結腸との境界である脾湾曲、横行結腸と上行結腸との境界である肝湾曲の壁に沿うようにスムーズに前進して、大腸の走行状態を変化させることなく、例えば目的部位である盲腸近傍に到達する。
【0110】
この場合、第2接続部52dに接続される先導部52は、第2接続部52dの弾性作用によって上下左右に曲がったりしながら腸壁を痛めることなく腸壁を押し広げて、視野範囲を十分に確保しながら挿入部4の先端部5をスムーズに前進させることが可能である。
【0111】
そして、挿入部4の先端部5が盲腸近傍に到達した場合には、術者は、先端部5、挿入部4内に設けられた送気管路(処置具管路)51に送気し、この空圧によって第1接続部54を送気管路開口部(図示せず)から外すことにより、ベース部材53を含む先導部52を分離する。
【0112】
このことにより、図示しない先端部5の先端面5A上の送気管路開口部が確保されて送気等を行うことができるとともに、十分に視野角θを確保することができるので、良好な大腸の観察像を得ることができる。
【0113】
その後、術者は、回転筒体4Aを挿入時とは逆に反転させて、先端部5を大腸の深部、盲腸の近傍から抜去する方向へと挿入部4を後進させながら大腸検査を行う。この場合でも、挿入部4に手を触れずとも、回転筒体4Aの後退力により、挿入部4を後退させることができる。
【0114】
したがって、このような構成の内視鏡2Aによれば、内視鏡2Aの挿入部4を自動的に挿入可能として、従来の挿入手技に頼ることなく、内視鏡2Aの先端部5に設けられた先導部52の弾性力により腸を大きく変化させずに挿入部4を円滑に挿入させることができる。また、先導部52を先端部5から分離して挿入部4を抜去する場合には、十分な視野角θを確保することができるので観察性能を損なわずに観察を行うことができる。
【0115】
以上の実施例に記載した発明は、その実施例に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、前記実施例には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0116】
例えば、実施例に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0117】
[付記]
(付記項1)
先端部内の撮像手段からの第1接続線と挿入部内に挿通された第2接続線とを電気的に接続するため接続機構を有する内視鏡装置であって、
前記接続機構は、
前記第1接続線と第2接続線との各先端部分が重なりあうように配置した状態で挟み込んで固定するための上蓋部とケーブル受け台とを有し、
前記上蓋部の前記ケーブル受け台側の内周面には、前記上蓋部とケーブル台とによる固定時に、前記第1接続線と前記第2接続線との各先端部分が重なりあう部分を貫通することで前記第1接続線と前記第2接続線とを電気的に接続するための導電性で形成された貫通刃が設けられていることを特徴とする内視鏡装置。
【0118】
(付記項2)
前記第1接続線は、フレキシブル基板であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡装置。
【0119】
(付記項4)
挿入部と操作部とが着脱自在な内視鏡装置において、
前記挿入部内に挿通された第1接続線と前記操作部内の第2接続線とを電気的に接続するため接続機構を有し、
前記接続機構は、
前記挿入部内の挿通された第1接続線の基端部を樹脂を用いて所定の形状に形成されるとともに、前記第1接続線の基端部に電気接点を設けて構成されたコネクタ部と、
前記操作部の所定位置に前記コネクタ部を嵌入して固定するため取付溝を有し、この取付溝の前記コネクタ部に対する当接面には前記電気接点と接触して電気的に接続するための前記第2接続線に導通している電気接点が設けられたコネクタ受け部と、を有して構成されていることを特徴とする内視鏡装置。
【0120】
(付記項5)
前記コネクタ部、及び前記コネクタ受け部は、前記コネクタ部の電気接点をそれぞれ適正な前記コネクタ受け部の電気接点に接触するための位置決めを行う位置決め手段を有していることを特徴とする付記項4に記載の内視鏡装置。
【0121】
(付記項6)
前記コネクタ部、及びコネクタ受け部の形状は、円柱形状に形成されていることを特徴とする付記項4、又は付記項5に記載の内視鏡装置。
【0122】
(付記項7)
照明手段、及び撮像手段を備えた内視鏡先端部と、
前記内視鏡先端部の体腔内挿入時において、前記体腔内の体腔壁を押し広げることができるように前記内視鏡先端部の前方へ突出するように前記内視鏡先端部に設けられた挿入補助具と、
を具備したことを特徴とする内視鏡装置。
【0123】
(付記項8)
前記挿入補助具は、遠隔的に前記内視鏡先端部から分離することが可能に構成されたものであることを特徴とする付記項7に記載の内視鏡装置。
【0124】
(付記項9)
前記挿入補助具は、内視鏡操作部における遠隔操作により前記内視鏡先端部から分離することが可能に構成されたものであることを特徴とする付記項7に記載の内視鏡装置。
【0125】
(付記項10)
前記内視鏡先端部を有する挿入部内に連通する送気管路が前記内視鏡先端部において開口する開口部を有し、
前記挿入補助具は、前記送気管路による送気時には空圧によって前記内視鏡先端部から分離できるように、前記開口部を閉塞するように設けられていることを特徴とする付記項7から付記項9のいずれか1つに記載の内視鏡装置。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の実施例1に係る内視鏡装置のシステム全体の概略構成を示す構成図。
【図2】図1の内視鏡挿入部の先端部の概略構成を示す構成図。
【図3】図2の先端部の先端面における観察窓、及び複数のLEDの配置構成を示す斜視図。
【図4】図3の撮像手段、及び複数のLEDの配置位置に対応するモニタ画面の分割領域を示す構成図。
【図5】図1の調光回路の具体的な構成を示すブロック図。
【図6】図5の領域調光部の具体的な構成を示すブロック図。
【図7】図5の画面明るさ制御部の具体的な構成を示すブロック図。
【図8】図1に示す内視鏡装置全体の電気的な回路構成を示す構成図。
【図9】実施例1の作用を説明するもので、各種調光信号、及び処理内容を説明する説明図。
【図10】従来の調光状態を示す説明図。
【図11】図10に示す調光によって表示されたモニタ画面の表示例を示す図。
【図12】実施例1による調光状態を示す説明図。
【図13】図11に示す調光によって表示されたモニタ画面の表示例を示す図。
【図14】本発明の実施例2に係る内視鏡装置全体の電気的な回路構成を示す構成図。
【図15】図1の内視鏡2の接続部Aに用いられた接続機構の構成を示す分解斜視図。
【図16】固定後の接続機構の断面図。
【図17】内視鏡の挿入部基端部と手元側端部との接続部Bにおける接続機構の構成を説明するための斜視図。
【図18】内視鏡を回転自走式内視鏡として構成し、さらに先端部の前方に先導部を設けた挿入部先端部の断面図。
【符号の説明】
【0127】
1…内視鏡装置、
2A…回転自走式内視鏡、
2…内視鏡、
3…CCU、
4…挿入部、
5…先端部、
5A…先端面、
6…手元側端部、
7…撮像ユニット、
7a、7b…接続線、
8…映像信号処理回路、
9…調光回路、
10…LED駆動回路、
11…照明手段、
11a〜11d…LED、
12A…レンズ、
12…撮像手段(CCD)、
13…CCDドライバ、
14…観察窓、
15…モニタ、
16…画面、
16a〜16d…分割画面、
17…領域調光部、
18…全画面明るさ制御部、
19a…領域1マスク部、
19b…領域2マスク部、
19c…領域3マスク部、
19d…領域4マスク部、
20a…第1調光回路部、
20b…第2調光回路部、
20c…第3調光回路部、
20d…第4調光回路部、
23…加算器、
24…係数演算部、
24A…比較器、
25…基準値発生部、
25a〜25d…乗算器、
26…全画面調光部。
【出願人】 【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
【出願日】 平成18年8月24日(2006.8.24)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進


【公開番号】 特開2008−48905(P2008−48905A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−228191(P2006−228191)