| 【発明の名称】 |
位置特定装置および超音波診断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大塚 利樹
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| 【要約】 |
【課題】骨の力学的特性の診断精度をより向上できる超音波診断装置を提供する。
【構成】超音波診断装置は、頸骨の加圧位置、および、プローブ貼着位置を特定する位置特定機構40を備えている。位置特定機構40は、伸縮自在の伸縮軸70と、当該伸縮軸70に交差する交差軸72と、伸縮軸70および交差軸72を連結して略ひし形のリンク構造体を形成する四本のリンク軸74と、頸骨の両端近傍に位置する特徴点に接触する接触体82と、を備えている。そして、この位置特定機構40の接触体82を特徴点に接触させた際の交差軸72と伸縮軸70の交点が加圧位置として特定される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加圧による対象骨の変形特性を測定するために少なくとも加圧位置を特定する位置特定装置であって、 対象骨の中心線に沿って配置される伸縮自在の伸縮軸と、 伸縮軸の両端位置に設けられた一対の接触体であって、対象骨の両端近傍において視認可能に存在する特徴点に当接する一対の接触体と、 伸縮軸と交差して設けられる交差軸と、 伸縮軸のほぼ全体および交差軸の少なくとも一部を対角線とするひし形のリンク構造を形成する四本のリンク軸を備えたリンク体であって、交差軸が伸縮軸の中心点を通るべく伸縮軸の伸縮に連動して交差軸を伸縮軸方向に移動させるリンク体と、 伸縮軸と交差軸との交点の体表への投影点を加圧位置として特定する特定手段と、 を備えることを特徴とする位置特定装置。 【請求項2】 請求項1に記載の位置特定装置であって、 特定手段は、さらに、加圧位置から一定距離、離れた位置に設定される超音波探触子の貼着位置も特定することを特徴とする位置特定装置。 【請求項3】 請求項1または2に記載の位置特定装置であって、 特定手段は、 伸縮軸と交差軸との交点から体表方向に昇降自在の昇降体と、 昇降体の先端に設けられ、体表に接触することで当該体表にマークを付与するマーク付与手段と、 を備えることを特徴とする位置特定装置。 【請求項4】 請求項3に記載の位置特定装置であって、 マークは、シールまたは印章であることを特徴とする位置特定装置。 【請求項5】 請求項1または2に記載の位置特定装置であって、 特定手段は、伸縮軸と交差軸との交点から体表に向かって光照射することにより加圧位置を特定する照射手段を備えることを特徴とする位置特定装置。 【請求項6】 請求項5に記載の位置特定装置であって、 特定手段が、加圧点から一定距離、離れた位置に設定される超音波探触子の貼着位置も特定する場合において、 特定手段は、さらに、交点から前記一定距離、離れた位置において体表に向かって光照射することにより貼着位置を特定する第二照射手段を備えることを特徴とする位置特定装置。 【請求項7】 請求項5または6に記載の位置特定装置であって、さらに、 伸縮軸の両端から体表に向かって延び、伸縮軸および交差軸を体表から離れた位置にオフセットさせる一対のオフセット柱を備え、 接触体は、オフセット柱の先端に接続されていることを特徴とする位置特定装置。 【請求項8】 対象骨を加圧するとともに当該対象骨に超音波を送受して、加圧による対象骨の変形特性を取得する超音波診断装置であって、 少なくとも対象骨の加圧する位置を加圧位置として特定する位置特定手段と、 位置特定手段により特定された加圧位置を加圧する加圧手段と、 加圧手段から一定距離、離れた位置に貼着される超音波探触子と、 超音波探触子での超音波送受により得られたエコー信号に基づいて、加圧前後での対象骨の変化を演算する演算手段と、 を備え、 位置特定手段は、 対象骨の中心線に沿って配置される伸縮自在の伸縮軸と、 伸縮軸の両端位置に設けられた一対の接触体であって、対象骨の両端近傍において視認可能に存在する特徴点に当接する一対の接触体と、 伸縮軸と交差して設けられる交差軸と、 伸縮軸のほぼ全体および交差軸の少なくとも一部を対角線とするひし形のリンク構造を形成する四本のリンク軸を備えたリンク体であって、交差軸が伸縮軸の中心点を通るべく伸縮軸の伸縮に連動して交差軸を伸縮軸方向に移動させるリンク体と、 伸縮軸と交差軸との交点の体表への投影点を加圧位置として特定する特定手段と、 を備えることを特徴とする超音波診断装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、対象骨を加圧するとともに当該対象骨に超音波を送受して、加圧による対象骨の変形特性を取得する超音波診断装置、および、この対象骨の変形特性取得に際して少なくとも加圧位置を特定する位置特定装置および超音波診断装置に関する。 【背景技術】 【0002】 骨粗鬆症などの骨代謝疾患の診断や易骨折性の判定、また、骨折治療後の骨癒合を定量的に診断するために、骨の力学的特性について簡便、かつ、定量的な診断方法が望まれている。現在、強度や弾性などを含む骨の力学的特性の診断は、X線写真に大きく依存している。しかし、X線写真では骨強度を定量的に診断することは困難であるばかりでなく、X線照射による被検者への侵襲性も問題となっている。 【0003】 そこで、近年では、超音波を利用して骨の力学的特性を評価することが提案されている。例えば、特許文献1には、骨に荷重を負荷した際の骨の形状変化を超音波を利用して測定し、その測定結果に基づいて骨の力学的特性を診断する技術が開示されている。かかる技術を用いれば、簡便に骨の強度等を診断できる。 【0004】 【特許文献1】特開2004−298205号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、この特許文献1では、骨の一部を加圧した際の撓み量で骨の強度を評価している。この撓み量は、加圧する位置によって大きく異なってくるため、診断の際には、予め規定された位置、例えば、頚骨を診断する際には当該頚骨の中心位置を正確に加圧する必要がある。従来、この加圧位置は、手動で距離測定するなどして特定されていた。しかし、手動での位置特定は、ユーザにとって煩雑であった。また、手動での位置特定は、位置精度が低く、結果として、診断結果の精度低下の原因にもなった。 【0006】 そこで、本発明では、骨の力学的特性の診断精度をより向上でき得る超音波診断装置、および、当該超音波診断装置に用いられる位置特定装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の位置特定装置は、加圧による対象骨の変形特性を測定するために少なくとも加圧位置を特定する位置特定装置であって、対象骨の中心線に沿って配置される伸縮自在の伸縮軸と、伸縮軸の両端位置に設けられた一対の接触体であって、対象骨の両端近傍において視認可能に存在する特徴点に当接する一対の接触体と、伸縮軸と交差して設けられる交差軸と、伸縮軸のほぼ全体および交差軸の少なくとも一部を対角線とするひし形のリンク構造を形成する四本のリンク軸を備えたリンク体であって、交差軸が伸縮軸の中心点を通るべく伸縮軸の伸縮に連動して交差軸を伸縮軸方向に移動させるリンク体と、伸縮軸と交差軸との交点の体表への投影点を加圧位置として特定する特定手段と、を備えることを特徴とする。 【0008】 好適な態様では、特定手段は、さらに、加圧位置から一定距離、離れた位置に設定される超音波探触子の貼着位置も特定する。 【0009】 他の好適な態様では、特定手段は、伸縮軸と交差軸との交点から体表方向に昇降自在の昇降体と、昇降体の先端に設けられ、体表に接触することで当該体表にマークを付与するマーク付与手段と、を備える。この場合は、マークは、シールまたは印章であることが望ましい。 【0010】 他の好適な態様では、特定手段は、伸縮軸と交差軸との交点から体表に向かって光照射することにより加圧位置を特定する照射手段を備える。この場合、特定手段が、加圧点から一定距離、離れた位置に設定される超音波探触子の貼着位置も特定する場合において、特定手段は、さらに、交点から前記一定距離、離れた位置において体表に向かって光照射することにより貼着位置を特定する第二照射手段を備えることが望ましい。また、さらに、伸縮軸の両端から体表に向かって延び、伸縮軸および交差軸を体表から離れた位置にオフセットさせる一対のオフセット柱を備え、接触体は、オフセット柱の先端に接続されていることが望ましい。 【0011】 他の本発明である超音波診断装置は、対象骨を加圧するとともに当該対象骨に超音波を送受して、加圧による対象骨の変形特性を取得する超音波診断装置であって、少なくとも対象骨の加圧する位置を加圧位置として特定する位置特定手段と、位置特定手段により特定された加圧位置を加圧する加圧手段と、加圧手段から一定距離、離れた位置に貼着される超音波探触子と、超音波探触子での超音波送受により得られたエコー信号に基づいて、加圧前後での対象骨の変化を演算する演算手段と、を備え、位置特定手段は、対象骨の中心線に沿って配置される伸縮自在の伸縮軸と、伸縮軸の両端位置に設けられた一対の接触体であって、対象骨の両端近傍において視認可能に存在する特徴点に当接する一対の接触体と、伸縮軸と交差して設けられる交差軸と、伸縮軸のほぼ全体および交差軸の少なくとも一部を対角線とするひし形のリンク構造を形成する四本のリンク軸を備えたリンク体であって、交差軸が伸縮軸の中心点を通るべく伸縮軸の伸縮に連動して交差軸を伸縮軸方向に移動させるリンク体と、伸縮軸と交差軸との交点の体表への投影点を加圧位置として特定する特定手段と、を備える。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、対象骨の両端近傍に位置する特徴点に接触体を接触させるべく伸縮軸を伸縮させれば、自動的に加圧位置が特定できる。そのため、手動で位置特定していた従来に比べて、簡易に、かつ、正確に加圧位置を特定できる。その結果、骨の力学的特性の診断精度をより向上できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である超音波診断装置10の構成を示すブロック図である。この超音波診断装置10は、骨、特に、人の下肢100にある頸骨104の力学的特性を診断する際に好適な構成となっている。 【0014】 超音波診断装置10のプローブ14は被検者の体表102に当接して用いられる超音波探触子である。このプローブ14は、被検者の体内に存在する対象骨104に向けて超音波ビームを形成する。本実施形態では、二つのプローブ14が用いられる。 【0015】 送受信部16は、プローブ14を制御して、断層面内において超音波ビームを電子走査する。プローブ14がリニアプローブの場合、例えば120本の超音波ビームが次々に電子走査され、各超音波ビームごとにエコー信号が取得される。送受制御部18は、操作パネル20を介して入力されたユーザからの指示に応じて、適宜、送受信部16を制御する。 【0016】 送受信部16で取得された複数のエコー信号は断層画像形成部22に出力される。断層画像形成部22は複数のエコー信号に基づいて骨の断層画像(Bモード画像)を形成する。また、送受信部16で取得されたエコー信号は、エコートラッキング処理部24にも出力される。エコートラッキング処理部24は、各エコー信号から骨表面部を抽出してトラッキングする、いわゆるエコートラッキング処理を行う。エコートラッキング処理としては、例えば、特開2001−309918号公報に詳述された技術が利用できる。エコートラッキング処理には、例えば3本のトラッキング用エコー信号が利用される。トラッキング用エコー信号は、断層画像形成に利用されるエコー信号(例えば120本のエコー信号)の中から選択されてもよく、あるいは、断層画像形成を中断して送信される3本のトラッキング専用のエコー信号が利用されてもよい。 【0017】 図2は、3本のエコー信号による骨104の表面部のトラッキングの様子を説明するための図である。骨104に向けられた3本の超音波ビームの各々に対応する各エコー信号は、骨表面に対応する部分で大きな振幅(振幅極大部44)を示す。エコートラッキング処理部24は、この振幅極大部44の位置(波形の取得時刻)に基づいて骨表面位置を特定している。なお、図2においてはエコートラッキング用エコー信号が3本の例を示したが、3本以外の複数本でも計測可能である。このエコートラッキング処理において、各エコー信号ごとに、つまり各超音波ビームごとにトラッキングされる表面ポイントがトラッキングポイント46である。 【0018】 補間ライン生成部26(図1参照)は、これらトラッキングポイント46を結ぶ補間ラインを生成する。つまり、複数のトラッキングポイント46をスプライン補間や最小二乗補間などを利用して曲線補間することで補間ラインが生成される。ここで生成される補間ラインが、骨表面形状を示す曲線となる。この補間ラインは、エコートラッキング処理用のエコー信号の数を増やすことで、本来の骨の表面形状にさらに近づけることが可能になる。生成された補間ラインは、メモリ28に一時記憶される。力学的特性演算部30は、メモリ28に一時記憶されている骨表面形状に関する情報などを参照して、骨の力学的特性値、具体的には撓み量などを演算する。 【0019】 表示画像形成部32は、診断結果としてディスプレイ34に表示すべき画像を形成する。この表示画像形成部32には、断層画像形成部22で形成された断層画像や、力学的特性演算部30で算出された力学的特性値(撓み量など)、後述する加圧機構38により対象骨に付加された荷重値などが入力される。表示画像形成部32は、入力された力学的特性値や荷重値をグラフ化した画像を、単独で、または、Bモード画像と合成して、表示画像としてディスプレイ34に出力する。ユーザは、このディスプレイ34に表示された対象骨の力学的特性に基づいて、折骨の癒合程度や強度などの評価を行う。 【0020】 診断対象である頸骨104は、被検者の下肢100に存在する骨であるが、この被検者の下肢100は下肢支持機構36により支持されている。この下肢支持機構36は、診断時に下肢100、ひいては、診断対象である頸骨104の位置ズレを防止する目的で下肢100を支持、固定する機構である。 【0021】 また、加圧機構38は、頚骨104に超音波送受する際に、当該頚骨104を加圧する機構である。この加圧機構38は、ユーザからの指示に応じて、指定された大きさの荷重を対象骨に付加する。付加された荷重の値は、既述したとおり表示画像形成部32に出力され、ユーザに提示される。 【0022】 図3は、この下肢支持機構36および加圧機構38の斜視図である。下肢支持機構36は、下肢のうち膝近傍位置(以下「近位」という)が載置される近位固定台52と、かかとが載置される遠位固定台56を備えている。これらはいずれも、鋼等の強磁性材料からなる基台50の上面に設けられている。近位固定台52には、近位を受け入れるための断面略円弧状の溝52aが形成されている。また、この近位固定台52には、当該溝52aに収容された近位(下肢)の動きを規制するためのベルト54も設けられている。 【0023】 遠位固定台56は、かかとを受け入れるためのかかと収容部57と、当該かかと収容部57の位置を調整するための調整機構58と、を備えている。かかと収容部57には、人のかかとに対応した形状の凹部57aが形成されている。このかかと収容部57は、ガイドレールや回転軸等で構成される調整機構58により、その高さや角度が調整可能となっている。頸骨の力学的特性を診断する際には、下肢の内側面が上側になるように(親指が上側、小指が下側)になるように角度調節される。 【0024】 下肢支持機構36は、さらに、外果支持台60および腓骨頭支持台62も備えている。外果、および、腓骨頭は、対象骨である頸骨の両端近傍に位置する骨の部位である。外果および腓骨頭は、いずれも、大きく出っ張った部位であり、その位置が外部から視認可能な部位である。頸骨の力学的特性を行う際には、この外果および腓骨頭近傍を外果支持台60および腓骨頭支持台62で支持し、下肢支持の安定性を向上させている。この腓骨頭支持台62および外果支持台60は、磁石を備えており、磁力により基台50に対して着脱自在となっている。そして、被検者の下肢形状に応じて、適宜、腓骨頭支持台62および外果支持台60の位置を適宜、変更できるようになっている。 【0025】 加圧機構38は、下肢支持機構36で支持されている下肢の表面から頸骨を押圧する押圧軸64を備えている。押圧軸64は、上下方向に延びた軸であり、図示しないモータの駆動に応じて進退する。この押圧軸64の進退量を調節することで頸骨への加圧量が調節される。この加圧機構38は、適宜、その位置が可変となっており、被検者の下肢形状に応じて、加圧位置を変更できるようになっている。 【0026】 再び、図1に戻り、超音波診断装置10の構成を説明する。本実施形態の超音波診断装置10は、さらに、位置特定機構40を備えている。位置特定機構40は、加圧機構38により加圧する位置およびプローブ14を貼着する位置を特定するための機構である。この位置特定機構40の具体的構成を説明する前に、まず、加圧位置およびプローブ貼着位置について簡単に説明する。 【0027】 頸骨104の力学的特性は、頸骨104を加圧した際の撓み量などに基づいて判断される。ここで、頸骨104の撓み量等は、付加される加圧量によって変動することもちろん、その加圧位置によっても大きく変化してくる。したがって、頸骨104の力学的特性を診断する際には、予め規定された位置を加圧する必要がある。本実施形態では、頸骨104の略中心位置を加圧位置としている。 【0028】 ところで、当然ながら、頸骨104は、被検者の体内に存在しており、外部から視認することはできない。そのため、従来は、以下の手順で頸骨104の中心位置、すなわち、加圧位置を特定していた。 【0029】 図4は、内側面を上側にして固定された下肢100の概略上面図である。対象骨である頸骨104は、被検者の前後方向に幅広の略板状の骨である。加圧位置PPを特定する際は、この頸骨104の位置を触診で確認したうえで、マジック等で当該頸骨104の中心線CLを書く。続いて、腓骨頭および外果(正確には腓骨頭および外果に起因する出っ張り部分)を通り、中心線CLに垂直な線PLを書く。ここで、腓骨頭および外果は、頸骨104と略平行に延びる腓骨の両端部分である。この腓骨頭および外果は、外側に出っ張っているため、その位置は、外部から視認及び触診可能である。本実施形態では、この腓骨頭および外果の位置を頸骨の端部位置と仮定して加圧位置PPを特定している。すなわち、腓骨頭および外果を通る垂線が得られれば、続いて、中心線CLのうち二つの垂線PLの中間の位置を加圧位置PPとして特定する。さらに、この特定された加圧位置PPから、中心線CLにそって両側に所定距離(例えば、3cmなど)離れた位置をプローブ貼着位置MPとして特定する。 【0030】 以上が、従来の加圧位置PPおよびプローブ貼着位置MPの特定手順である。以上の説明から明らかなとおり、この従来の位置特定手順では、診断者(例えば、医師など)が、各種線を書いたり、距離を測ったりする必要があり、煩雑であった。また、距離測定等を手動で行うため、その精度が低いという問題もあった。さらに、被検者の下肢に多数の線を書くことになり、被検者の外観等に悪影響を与えるという問題もあった。 【0031】 本実施形態の位置特定機構40は、これら従来の問題点を解消でき得る構成となっている。図5は、本実施形態の位置特定機構40の斜視図である。 【0032】 位置特定機構40は、伸縮自在の伸縮軸70と当該伸縮軸70に交差する交差軸72とを備えており、この二つの軸70,72が、四本のリンク軸74で接続されている。伸縮軸70は、対象骨である頸骨に沿って配置される軸である。伸縮軸70は、頸骨の長さに応じて、伸縮可能となっている。具体的には、伸縮軸70は、外管76と、当該外管76に挿入された内軸78と、からなる二重管構造となっており、内軸78は外管76から進退自在となっている。この内軸78には目盛りが付されており、検査者が伸縮量を容易に認識できるようになっている。伸縮軸70の両端には基準ブロック80が固着されている。この基準ブロック80には、リンク軸74、および、接触体82が取り付けられている。 【0033】 交差軸72は、伸縮軸70に直交して配された軸である。この交差軸72は、後述するリンク軸74によって、伸縮軸70の伸縮に連動して伸縮軸方向(図5における矢印X方向)に移動するようになっている。そして、この移動により、常に、伸縮軸70の中心点を通る位置に規制されている。交差軸72には、リンク軸74が取り付けられるスライダ84が二つ挿通されている。各スライダ84は、交差軸72に沿って摺動可能となっている。 【0034】 伸縮軸70および交差軸72は、四本のリンク軸74により連結されている。四本のリンク軸74は、全て同じ長さとなっている。各リンク軸74は、その一端が基準ブロック80に設けられた回転軸86に、他端がスライダ84に設けられた回転軸88に挿通されており、各回転軸86,88を中心に回転可能となっている。その結果、四本のリンク軸74は、図5に図示するように、伸縮軸70のほぼ全体、および、交差軸72の少なくとも一部を対角線とする、ひし形のリンク構造体を構成する。そして、伸縮により伸縮軸70の長さが変更された場合、各リンク軸74は、回転軸86,88を中心として回転することで伸縮軸70および交差軸72に対する傾斜角度が可変する。このリンク軸74の回転、ひいては、伸縮軸70および交差軸72に対する傾斜角度の変更に伴い、交差軸72が伸縮軸方向に移動する。ここで、ひし形の対角線は、常に、他の対角線の中心を通る。したがって、四本のリンク軸74で構成されるひし形の対角線である交差軸72は、当該ひし形の他の対角線である伸縮軸70の中心点を常に通ることになる。つまり、この四本のリンク軸74で構成されるひし形リンク構造により、交差軸72は、常に、伸縮軸70の中心を通るように規制されることが分かる。 【0035】 この交差軸72と伸縮軸70の交差位置にはセンターブロック90が設けられている。センターブロック90は、交差軸72および伸縮軸70それぞれに対して摺動自在に設けられたブロックである。すなわち、センターブロック90には、伸縮軸70が挿通される第一軸孔と、交差軸72が挿通される第二軸孔が形成されている。伸縮軸70の伸縮に伴い交差軸72が移動した場合には、このセンターブロック90も、交差軸72と伸縮軸70との交点位置に位置するべく、摺動する。このセンターブロック90には、昇降機構を介してマーキングユニット96が取り付けられている。昇降機構は、マーキングユニット96を昇降させる機構である。具体的には、昇降機構は、断面略ロ字形状のフレーム92と、当該フレーム92を上方向に付勢する付勢部材94と、を備えている。フレーム92の側壁は、センターブロック90の側面に形成されたガイド溝にはめ込まれている。そして、フレーム92は、当該ガイド溝に沿って上下方向に摺動可能となっている。なお、フレーム92の側壁には、交差軸72の挿通を許容する長孔も形成されている。このフレーム92の底面には、マーキングユニット96が固着されており、当該フレーム92を付勢部材94の付勢力に抗して下方向に押し付けると、マーキングユニット96が下降する仕組みとなっている。 【0036】 マーキングユニット96は、被検者の体表に接触することで、当該体表にマークを付与するユニットである。付与されるマークの種類は、特に限定されないが、例えば、スタンプ(印章)や、シールなどを、マークとして用いることができる。 【0037】 伸縮軸70の両端に設けられた各基準ブロック80には、さらに、接触体82も設けられている。接触体82は、対象骨である頚骨の両端近傍において視認および触診可能に存在する特徴点、具体的には、腓骨頭および外果に起因して生じる出っ張り部分に当接する部材である。各接触体82は、互いに向かいあうように、換言すれば、二つで一つの円を形成するように配置された二つの半円体83で構成される。各半円体83は、略半円形状であり、その端部は伸縮軸70と同軸上に設けられた回転軸81に挿通されている。そして、各半円体83は、回転軸81を中心に回転することで開閉されるようになっている。加圧位置等を特定する際には、この二つの半円体83で下肢を挟むとともに、当該半円体83の一部を特徴点に接触させる。このとき、半円体83は、特徴点を通り、かつ、伸縮軸70に直交する垂線とみることができる。つまり、半円体83は、従来の加圧位置特定手順における垂線PL(図4参照)に相当するといえる。 【0038】 次に、この超音波診断装置10を用いての頸骨の力学的特性診断の流れを説明する。頚骨の力学的特性を診断する場合には、まず、被検者の下肢を下肢支持機構36で支持する(図3参照)。具体的には、被検者の下肢のうち、かかとをかかと収容部57に、膝近傍(近位)を近位固定台52にそれぞれ載置する。そして、かかと収容部57の高さや角度を調整して、下肢の内側面を上向きにする。このとき、必要に応じて、腓骨頭支持台62や外果支持台60の位置も調整する。そして、適切に下肢の姿勢が調整されれば、近位固定台52に設けられたベルト54によって、下肢の動きを固定する。 【0039】 下肢の姿勢が固定されれば、続いて、位置特定機構40(図5参照)を用いて加圧位置およびプローブ貼着位置を特定する。具体的には、まず、下肢支持機構36で支持されている下肢を二つの接触体82で挟持できるように位置特定機構40を配置する。 【0040】 続いて、伸縮軸70が、頸骨の中心線に沿うように、位置特定機構40の位置を微調整する。これは、触診で頸骨の形状を概略的に確認し、この形状確認された頸骨の中心線上に伸縮軸70を位置させることで行われる。 【0041】 次に、各接触体82が特徴点、すなわち、腓骨頭または外果により生じる出っ張り部分に接触するように、伸縮軸70の長さを調整する。この伸縮軸70の伸縮に連動して、四本のリンク軸74はその傾斜角度が変化する。そして、このリンク軸74の傾斜角度の可変により、交差軸72は、常に、伸縮軸70の中心点を通るべく、伸縮軸方向へと移動する。また、交差軸72および伸縮軸70に挿通されたセンターブロック90も伸縮軸70の伸縮に連動して移動する。 【0042】 ここで、既述したとおり、特徴点は、頸骨の両端位置に相当する点である。また、接触体82は、伸縮軸70の両端に設けられた部材である。したがって、二つの接触体がそれぞれ、特徴点である腓骨頭および外果に接触した状態においては、伸縮軸70の中心点の真下位置は、頸骨の中心点、すなわち、加圧位置とみなせる。そして、交差軸72は、常に、伸縮軸70の中心点を通るべく移動するため、伸縮軸70と交差軸72の交点の真下位置が加圧位置となる。 【0043】 したがって、伸縮軸70の長さが調節できれば、当該伸縮軸70と交差軸72との交差位置にあるマーキングユニット96を用いて、体表に加圧位置を示すマークを付与する。すなわち、位置特定機構40を下肢に取り付けた状態で、昇降機構のフレーム92を押し下げて、マーキングユニット96の先端を体表に押し当てる。これにより、体表の加圧位置には、所定のマーク、例えば、スタンプやシール等が付与される。 【0044】 加圧位置をマークできれば、位置特定機構40を下肢から外す。そして、このマークされた加圧位置を基準としてプローブ貼着位置を特定する。プローブ貼着位置は、加圧位置の両側に所定距離、離れた位置である。したがって、プローブ貼着位置は、加圧位置を基準として手動で測定するなどして特定される。そして、プローブ貼着位置が特定できれば、当該特定された位置にプローブ貼着位置を示すマークを付与する。 【0045】 なお、マーキングユニット96で付与するマークとして、予め、加圧位置とプローブ貼着位置との関係を示すマークを用いれば、手動での測定作業を省略することができる。例えば、マークとして用いるシールやスタンプに目盛りを付しておけば、改めて測定する手間を省略できる。また、目盛りに代えて、シールに、一定間隔でミシン目を形成するようにしてもよい。 【0046】 加圧位置およびプローブ貼着位置が特定できれば、続いて、特定された位置にプローブを貼着する。また、特定された加圧位置を加圧できるように加圧機構38の位置調整を図る。 【0047】 プローブ貼着および加圧機構38の位置調整ができれば、事前準備は全て終了する。したがって、以降は、従来と同様に、超音波の送受および頸骨への加圧を行えばよい。すなわち、まず、プローブから頸骨に対する超音波の送受を開始し、そのとき得られたエコー信号に基づいて、無負荷状態での骨の形状情報を得る。続いて、超音波の送受を続けた状態で加圧を開始する。そして、その際、得られたエコー信号に基づいて、加圧による頸骨の形状変化に関する情報を得る。所望の情報が得られれば、加圧および超音波の送受を中止するとともに、得られた情報に基づいて頸骨の力学的特性、例えば、撓み量などを算出する。 【0048】 以上の説明から明らかなとおり、本実施形態の位置特定機構40を用いれば、接触体82を特徴点に接触させるべく伸縮軸70を伸縮させるだけで加圧位置を特定できる。したがって、距離測定や線引きなどの煩雑な作業をすることなく、極めて簡易に加圧位置を特定できる。また、その際の位置精度も向上できる。さらに、加圧位置を示すマークとして、目盛りやミシン目が付されたシール等を用いることで、プローブ貼着位置の特定作業も簡易化、かつ、高精度化できる。そして、その結果、頸骨の力学的特性診断の信頼性を向上できる。 【0049】 次に、他の実施形態について図面を参照して説明する。図6は、他の実施形態の超音波診断装置に用いられる位置特定機構40の斜視図である。また、図7は、センターブロック90周辺の斜視図である。この位置特定機構40は、マーキングユニットに代えて、光照射手段を設けている点で上述の実施形態と大きく異なる。すなわち、上述の実施形態では、加圧位置およびプローブ位置を体表に直接付与されるシールやスタンプなどマーキングしていたが、本実施形態では、体表に向かって光照射することで、加圧位置およびプローブ位置をマーキングしている。 【0050】 そのため、本実施形態では、センターブロック90に光照射用の光源97を設けている。図7から明らかなとおり、センターブロック90の底面のうち、伸縮軸70と交差軸72との交点に相当する位置には、加圧位置を示す光を照射する加圧位置用光源97aが設けられている。また、加圧位置用光源97aの両側には、プローブ貼着位置を示す光を照射する貼着位置用光源97bが設けられている。これらの光源97としては、例えば、LEDやLDなどを用いることができる。診断者は、被検者の下肢の体表のうちこの二種類の光源97から照射された光が当たる位置を加圧位置およびプローブ貼着位置として認識できる。このように加圧位置等を光でマーキングした場合、診断終了後、体表には一切、跡が残らず、マーキングしていた従来技術に比べて被検者に外観上の問題を与えないという利点がある。 【0051】 ところで、かかる光によるマーキングは、位置特定機構40を下肢から取り外した時点で消えることになる。したがって、加圧機構38の位置調整やプローブ貼着作業は、位置特定機構40が下肢に取り付けられた状態で行われる必要がある。このとき、位置特定機構40そのものがプローブ貼着作業や位置特定機構40の位置調整等の邪魔にならないように、本実施形態では、接触体82を除く位置特定機構40の構成要素を上方向にオフセットさせている。 【0052】 すなわち、本実施形態では、伸縮軸70の両端に、下方向に延びるオフセット柱98を設け、当該オフセット柱98の先端に半円体83を設けている。 【0053】 かかる構成とした場合、半円体83を下肢の特徴点に接触させた際、伸縮軸70や交差軸72等は、下肢の体表からオフセット柱98の高さ分だけオフセットされた位置に存在することになる。その結果、体表と伸縮軸70等の間にはスペースが生じる。そして、このスペースを利用してプローブの貼着作業や、加圧機構38の位置調節動作などを行うことができる。 【0054】 以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、光で加圧位置等をマーキングしているため、被検者の体表に跡を残すことなく、診断者に加圧位置等を認識させることができる。また、接触体82以外の位置特定機構40の構成要素は、オフセット柱98により、上方向にオフセットさせている。したがって、位置特定機構40を下肢に取り付けたままでも、プローブ貼着作業などを行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0055】 【図1】本発明の実施形態である超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。 【図2】エコートラッキングの様子を示す図である。 【図3】下肢支持機構および加圧機構の概略斜視図である。 【図4】加圧位置およびプローブ貼着位置を説明する図である。 【図5】位置特定機構の斜視図である。 【図6】他の位置特定機構の斜視図である。 【図7】図6の位置特定機構の一部拡大斜視図である。 【符号の説明】 【0056】 10 超音波診断装置、14 プローブ、16 送受信部、18 送受制御部、20 操作パネル、22 断層画像形成部、24 エコートラッキング処理部、26 補間ライン生成部、28 メモリ、30 力学的特性演算部、32 表示画像形成部、34 ディスプレイ、36 下肢支持機構、38 加圧機構、40 位置特定機構、70 伸縮軸、72 交差軸、74 リンク軸、82 接触体、90 センターブロック、96 マーキングユニット、97a 加圧位置用光源、97b 貼着位置用光源、98 オフセット柱、100 下肢、102 体表、104 頚骨。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390029791 【氏名又は名称】アロカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月23日(2006.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二
【識別番号】100096976 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 純
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| 【公開番号】 |
特開2008−48840(P2008−48840A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−226965(P2006−226965) |
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