| 【発明の名称】 |
デュワおよびそれを備えた生体磁気計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 正浩
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| 【要約】 |
【課題】従来、液体ヘリウムなどの冷媒が入った生体磁気計測用デュワにおいて、蒸発した冷媒の冷気によってデュワ上部蓋の部分が冷やされ、夏場などの湿度の高い環境下では結露しやすく、その結露した水滴がデュワ下に横たわっている被験者に滴下してしまう可能性があるため、デュワ上部蓋の結露防止を施した生体磁気計測システム用デュワを簡便な構造でかつ安価に提供するものである。
【構成】生体磁気計測システム用デュワにおいて、該デュワの上部蓋に発生する結露を防止するために該デュワの上部蓋を覆うようにヘリウムガスなどの融点がマイナス20℃以下の気体で満たされたバックを持つ構造を有することを特徴とするデュワ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超伝導量子干渉素子(SQUID)を有する磁気センサを冷却するための冷媒を保持するデュワであって、 該デュワの上部蓋を気密に覆うカバーを備えたことを特徴とするデュワ。 【請求項2】 請求項1記載のデュワにおいて、 前記カバーは高分子材料からなることを特徴とするデュワ。 【請求項3】 請求項1記載のデュワにおいて、 前記カバーは、デュワの上部蓋の周囲に気密的に接続され、それ以外の部位は不定形であることを特徴とするデュワ。 【請求項4】 請求項1記載のデュワにおいて、 該デュワの上部蓋の周囲を囲う壁を持ち、 更に該壁の内側にたまった水を排水する管と、 該管に接続された貯水タンクと、 を備えたことを特徴とするデュワ。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のデュワを備えた生体磁気計測装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、センサ等を冷却するデュワに係り、特に被検者の心臓や脳などから発生する微弱な磁気信号を計測するSQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)磁束計を冷却するに好適なデュワ、及びそれを備えた生体磁気計測装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、生体磁場計測におけるデュワは、SQUID磁気センサを冷やすために、内部は液体ヘリウムまたは液体窒素で満たされているが、真空層を挟んだ断熱二重容器により周りからの侵入熱を抑え、極低温液体である液体ヘリウムや液体窒素の蒸発量を抑えている。しかし、デュワ上面部は周りからの侵入熱によって蒸発したヘリウムガスを排出するための排気管が設けてあり、そのため蒸発したヘリウムガスが上面蓋を冷やし、外気との温度差により結露が発生する場合がある。 【0003】 特許文献1では、その結露を抑えるために、上面蓋をヒータ加熱手段によって温めて、結露を防止している手段が開示されている。 【0004】 【特許文献1】特開2002−261338号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1記載の技術では、ヒータ加熱手段が必要なため、加熱し過ぎないように安全装置を設けたり、また、常にヒータ加熱手段に電流を流しつづけるために、電流による磁気ノイズの影響がでないように、高い周波数の電流源を用いたりしてシステムが大掛かりになってしまうという問題点があった。 【0006】 本発明の目的は、簡単な構造でデュワ上部蓋の結露を防止する手段を有するデュワ及びそれを備えた生体磁気計測装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題を解決するための本発明の構成は以下の通りである。 【0008】 超伝導量子干渉素子(SQUID)を有する磁気センサを冷却するための冷媒を保持するデュワであって、該デュワの上部蓋を気密に覆うカバーを備えたことを特徴とするデュワ。 【0009】 該カバーはデュワに保持された液体ヘリウムが気化したヘリウムガスが外部に漏れないように気密に保持できるものであればどのような形状の物でも良い。最も簡単には、デュワ上部蓋の周囲にビニールなどの高分子フィルムで形成された袋の端部を接着したもので良い。 【発明の効果】 【0010】 従来、液体ヘリウムなどの冷媒が入った生体磁気計測用デュワにおいて、蒸発した冷媒の冷気によってデュワ上部蓋の部分が冷やされ、夏場などの湿度の高い環境下では結露しやすく、その結露した水滴がデュワ下に横たわっている被験者に滴下してしまう可能性があるという問題があったが、上記に示した本発明によれば、デュワ上部蓋の結露防止を施した生体磁気計測システム用デュワを簡便かつ安価に提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 本発明の一実施例を図を用いて説明する。 【0012】 図1は、本発明の実施例である生体磁気計測装置の構成を示す図である。図1に示すように磁気シールドルーム11内には、被験者17が横になるベッド14と複数個(複数チャンネル)の磁気センサおよび磁気センサを超伝導状態に保持するための冷媒(液体ヘリウムまたは液体窒素)が貯蔵されたデュワ12と、デュワ12を機械的に保持するガントリ13が配置されている。被験者17の測定部位を、該磁気センサの配置されているデュワ12の底面部に近づけるため、ベッド14は可動式である。あるいは、ガントリ13が可動式であってもよいし、ベッド14とガントリ13の両者が可動式であってもよい。磁気シールドルーム11の外部にはSQUID磁束計動作回路や、計測した生体磁気信号を増幅するアンプ回路および、ノイズ成分を除去するフィルタ回路などが入った電子回路ユニット15と、データ取り込みおよびデータ解析用コンピュータ16と、が配置されている。 【0013】 磁気センサによって検出された生体磁気信号は、電子回路ユニット15のアンプ回路により増幅され、かつ設定周波数より低い周波数信号を通過させるローパスフィルタや設定周波数より高い周波数信号を通過させるハイパスフィルタ、商用電源周波数だけをカットするノッチフィルタなどの信号処理を経た後、データ解析用コンピュータ16に生データとして取り込まれる。また、データ解析用コンピュータ16は、取り込んだ生データを生データファイルに格納し、波形を画面表示したり、また波形の信号処理などを行い、表示することもできる。 【0014】 図2は、本発明の実施例であるデュワ形状を示した図である。 【0015】 図2において、デュワ12の内部底面には、複数本の磁気センサ22が配置されている。また、デュワ12の内部には磁気センサ22を超伝導状態に保持するための液体ヘリウムや液体窒素などの冷媒23で満たされている。管状の24は、冷媒をデュワ内に補充するための管であり、内部まで伸びている。また、極低温の液体が冷えたまま中を通れるように、真空層をもつ断熱二重管になっている。そのため、管の表面は、内部の冷気によって冷やされることはないため結露することはない。 【0016】 管状の蒸発ガス排気管25は、デュワ内部の冷媒23が蒸発したガス26を排出するための管である。蒸発したガス26は、まだ低温であるため、蒸発したガス26(冷気)によってデュワ上部蓋27は冷やされる。そのため、デュワ上部蓋27の周りの外気温度との差により、結露する場合がある。特に、夏場などの湿度の高い環境下では結露しやすい。 【0017】 管状の蒸発ガス排気管25は、冷媒補充管24と同様に真空層をもつ断熱二重管になっているため、管の表面は、冷やされず結露することはない。 【0018】 上記デュワにおいて、デュワ上部蓋27の周りを覆うように、ヘリウムガスで満たされたバック28をもつ構造にすることで、デュワ上部蓋27の周りには結露する気体がないため、デュワ上部蓋27は結露しない。ここでは、バック28の中に満たされる気体としてデュワ内に保持された液体ヘリウムが気化したヘリウムガスを挙げているが、窒素ガス等、結露しないガス(融点がマイナス20℃以下)を別に供給できる構造を備えていても良い。その場合、バック28の中のヘリウムガス補充は、ガス吸入口29から行う。 【0019】 本発明の結露防止構造は、電気的なヒータ加熱手段とは異なるため、生体磁気計測における電気的なノイズの影響は全く無く、かつ構造的に簡便で安価に構築できるという利点がある。バックは、高分子フィルムからなる袋状の物(不定形)でも良いし、プラスチックなどで形成されたドーム状のもの(外形は固定)でも良い。 【0020】 図3は、もし万が一、バック28の中のヘリウムガスが漏れ、中に空気が混入してデュワ上部蓋が結露してしまった場合の安全対策構造を示した図である。 【0021】 デュワ上部蓋に結露した水滴は、デュワ上部の周りを段差で囲った31により、デュワ上部から水滴がこぼれ落ちてデュワ直下の被験者17(図1)に水滴がかかることはない。 【0022】 また、デュワ上部に溜まった水滴は、管32を通って、排水用タンク33に流れ落ち溜まる。 【図面の簡単な説明】 【0023】 【図1】本発明の実施例である生体磁気計測装置の構成を示した図である。 【図2】本発明の実施例である請求項1のデュワ形状を立体図で示した図である。 【図3】本発明の実施例である請求項1のデュワ形状を立体図で示した図である。 【符号の説明】 【0024】 11…磁気シールドルーム、12…デュワ、13…ガントリ(デュワを支える支柱)、14…ベッド、15…電子回路ユニット、16…コンピュータ、17…被験者、22… SQUIDを有する磁気センサ、23…冷媒(液体ヘリウム等)、24…冷媒補充管、 25…蒸発ガス排気管、26…蒸発ガス(ヘリウムガス等)、27…デュワ上部蓋、28…ヘリウムガス等で満たされたバック、29…ガス吸入口、31…デュワ上部を囲った段差、32…管、33…排水用タンク。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501387839 【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
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| 【出願日】 |
平成18年8月23日(2006.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100310 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 学
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| 【公開番号】 |
特開2008−48800(P2008−48800A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−226010(P2006−226010) |
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