| 【発明の名称】 |
X線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷川 俊一郎
【氏名】貫井 正健
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| 【要約】 |
【課題】より正確なビームハードニング(BH)補正係数を求める。
【構成】X線CT装置において、断面が、厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330を位置させて多方向から複数のビューを撮影し、該撮影結果を用いて被検体の撮影情報を補正する補正係数を算出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムをX線管とX線検出器との間の撮影領域に位置させて一方向または多方向から複数のビューを撮影して得られた投影情報を用いて、前記撮像結果を用いて被検体の撮影情報を補正する補正係数を算出する補正係数算出手段と、 前記補正係数を保存する記憶手段と 前記被検体の撮影情報を補正するための補正係数を用いて、前記被検体の撮影情報を補正する補正手段と を備えた、X線CT装置。 【請求項2】 補正係数算出手段は、断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムをX線管とX線検出器との間の撮影領域に位置させて多方向から複数のビューを撮影して得られた投影情報について、投影情報のばらつきを平滑化する処理を行う第1のフィッティング手段と、前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値と前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値とに関する関数を算出して被検体の撮影情報を補正するための補正係数を求める第2のフィッティング手段とを備えた、請求項1に記載のX線CT装置。 【請求項3】 前記投影情報のばらつきを平滑化する処理は、チャネル方向及びビュー方向への平滑化処理である、請求項1または2に記載のX線CT装置。 【請求項4】 前記高次フィッティング手段は、前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値S(j)を横軸、前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値F(j)を縦軸としたグラフにプロットして第2のフィッティングを行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線CT装置。 【請求項5】 前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値は、ビームハードニング効果補正後の投影情報値である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線CT装置。 【請求項6】 前記第1のフィッティング手段は、複数種の前記環状で厚さがほぼ均一のファントムについて処理を行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載のX線CT装置。 【請求項7】 前記複数種の前記環状で厚さがほぼ均一のファントムは、互いに、厚さ、寸法、または向きが異なる、について処理を行う、請求項6に記載のX線CT装置。 【請求項8】 補正係数算出手段は、前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値と前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値とに関する2次以上の高次関数を算出して被検体の撮影情報を補正するための補正係数を求める高次フィッティング手段とをさらに備えた、請求項6又は7に記載のX線CT装置。 【請求項9】 前記第1のフィッティング手段は、断面が円形のファントムをX線管とX線検出器との間の撮影領域にボアの中心位置からずれた複数位置に位置させて多方向から複数ビューを撮影して得られた投影情報について、投影情報のばらつきを平滑化する処理を行う手段をさらに備え、 前記第2のフィッティング手段は、前記断面が円形のファントムに基づく投影情報における前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値と前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値とに関する関数を算出して被検体の撮影情報を補正するための補正係数を求める手段をさらに備え、 前記補正係数算出手段は、前記断面が円形のファントムに基づく補正係数と前記断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムに基づく補正係数とにより最終的に被検体の撮影情報を補正する補正係数を算出する総合補正係数算出手段をさらに備えた、請求項1〜8のいずれか一項に記載のX線CT装置。 【請求項10】 前記総合補正係数算出は、最終的に被検体の撮影情報を補正する補正係数を、前記断面が円形のファントムに基づく補正係数と前記断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムに基づく補正係数との平均値として算出する、請求項9に記載のX線CT装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ファントムデータに基づいて被検体の透過強度を補正(校正)するX線CT装置に関する。 【背景技術】 【0002】 CT装置としてX線CT装置を例示する。 X線CT装置で用いられるX線源は、あるエネルギー幅を持ったX線を出力する。被検体を透過するX線の線吸収係数は、X線エネルギーに依存しており、被検体の透過長さが長い程、平均エネルギーが高い方向に移動するというビームハードニング(BH)効果を呈する。よって、X線の透過強度、すなわち、X線CT装置におけるX線検出器で検出した信号からで生成する投影情報値と、透過長さとは比例関係が成立せず、非線形の関係となる。 【0003】 BH効果は、X線CT装置における再構成画像上では、中央部分の強度が低下するカッピング効果を生じさせるので、X線検出器の検出信号を補正する必要があり、均一な強度の再構成画像を生成する投影情報値の補正係数をX線検出器のチャネルごとに求めることにより補正が行なわれる。 【0004】 さらに高精度の補正を行うためにファントムを用いた補正を行なう。そのようなファントムとしては、撮像中心に配置されるFOV(撮像領域)全体を概ね覆う直径で、かつ直径の異なる複数の断面が円形で円筒形状のファントムについて撮像し、これらファントムの投影情報から補正件数の補正を精密化することが行われる(例えば、特許文献1参照。)。 【0005】 【特許文献1】特開平7−171145号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 上記方法では投影情報取得の際に、大きくて配置に手間取る、断面が円形で異なる直径を持つ複数のファントムを、繰り返し撮像するので長時間かかる上、投影情報値に上述したビームハードニング効果に起因する非線形効果も考慮した高精度の補正を行うことが出来なかった。 【0007】 さらに、高精度な投影情報値の補正を行うには、チャネルごとに異なる大きさの投影情報値が多数必要とされるので、X線管とX線検出器との間の撮像領域中心に配置される、断面が円形の多種類の直径のファントムを撮像する必要があった。 特に、X線CT装置のキャリブレーション(校正)情報の取得においては、2〜3個の20cm〜50cm径を有する断面が円形のファントムを用いて、100分を越える撮影を前記補正の精密化だけの為に行う必要があり、校正処理に時間と労力がかかっている。 【0008】 本発明は、ビームハードニング(BH)効果のチャネルごとの補正を、簡易にしかも非線形効果も考慮して精密化できる、校正情報を取得可能なX線CT装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明によれば、断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムをX線管とX線検出器との間の撮影領域に位置させて一方向または多方向から複数のビューを撮影して得られた投影情報を用いて、前記撮像結果を用いて被検体の撮影情報を補正する補正係数を算出する補正係数算出手段と、前記補正係数を保存する記憶手段と前記被検体の撮影情報を補正するための補正係数を用いて、前記被検体の撮影情報を補正する補正手段とを備えた、X線CT装置が提供される。 【0010】 好ましくは、補正係数算出手段は、断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムをX線管とX線検出器との間の撮影領域に位置させて多方向から複数のビューを撮影して得られた投影情報について、投影情報のばらつきを平滑化する処理を行う第1のフィッティング手段と、前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値と前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値とに関する関数を算出して被検体の撮影情報を補正するための補正係数を求める第2のフィッティング手段とを備える。 【0011】 好ましくは、前記投影情報のばらつきを平滑化する処理は、チャネル方向及びビュー方向への平滑化処理である。 【0012】 好ましくは、前記高次フィッティング手段は、前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値S(j)を横軸、前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値F(j)を縦軸としたグラフにプロットして第2のフィッティングを行う。 【0013】 好ましくは、前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値は、ビームハードニング効果補正後の投影情報値である。 【0014】 好ましくは、前記第1のフィッティング手段は、複数種の前記環状で厚さがほぼ均一のファントムについて処理を行うX線CT装置が提供される。 【0015】 好ましくは、前記複数種の前記環状で厚さがほぼ均一のファントムは、互いに、厚さ、寸法、または向きが異なる、について処理を行う。 【0016】 好ましくは、補正係数算出手段は、前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値と前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値とに関する2次以上の高次関数を算出して被検体の撮影情報を補正するための補正係数を求める高次フィッティング手段とをさらに備える。 【0017】 好ましくは、前記第1のフィッティング手段は、断面が円形のファントムをX線管とX線検出器との間の撮影領域にボアの中心位置からずれた複数位置に位置させて多方向から複数ビューを撮影して得られた投影情報について、投影情報のばらつきを平滑化する処理を行う手段をさらに備え、前記第2のフィッティング手段は、前記断面が円形のファントムに基づく投影情報における前記第1のフィッティング手段による処理前の投影情報値と前記第1のフィッティング手段による処理後の投影情報値とに関する関数を算出して被検体の撮影情報を補正するための補正係数を求める手段をさらに備え、 前記補正係数算出手段は、前記断面が円形のファントムに基づく補正係数と前記断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムに基づく補正係数とにより最終的に被検体の撮影情報を補正する補正係数を算出する総合補正係数算出手段をさらに備える。 【0018】 好ましくは、前記総合補正係数算出は、最終的に被検体の撮影情報を補正する補正係数を、前記断面が円形のファントムに基づく補正係数と前記断面が環状で厚さがほぼ均一のファントムに基づく補正係数との平均値として算出する。 【発明の効果】 【0019】 本発明によれば、被検体の形状、部位などに適した撮影情報の補正係数を求めることができる。そのような補正係数を用いて被検体の撮影情報を補正すれば、一層正確な断層映像が得られる。 また本発明によれば、種々の被検体に適用可能な補正係数を求めることができる。そのような補正係数を用いて被検体の撮影情報を補正すれば、種々の被検体について一層正確な断層映像が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下に添付図面を参照して、本発明にかかるCT装置における補正係数算出方法、ビームハードニング後処理方法およびそれらを用いたCT装置の好適な実施の形態について説明する。 本実施の形態においてはCT装置として、照射線としてX線を用いるX線CT装置を例示する。 【0021】 X線CT装置の構成 図1を参照して本実施の形態にかかるX線CT装置の全体構成について述べる。図1に例示したX線CT装置は、本明細書における全ての実施の形態について適用される。 図1に図解したX線CT装置は、走査ガントリ2と、撮影テーブル4と、操作コンソール6を備えている。 【0022】 走査ガントリ 走査ガントリ2は、回転部34と回転部34を回転させる回転コントローラ36とを有する。 回転部34には、図3に断面を拡大して図解したように、ボア29を介して対向配置されたX線管20と、X線検出器24とが設けられている。回転部34にはさらに、ボータイルフィルタ21(図1においては図解を省略)、コリメータ22、コリメータコントローラ30、X線コントローラ28、データ収集部26が搭載されている。 検査時はボア29に被検体が位置し、校正時にはボア29は、図3に例示した断面が円形のファントム310のが位置する。ボア29に位置する被検体あるいはファントムは、回転部34の中心に位置するボア29内のクレードル上に載置される。 【0023】 回転部34は回転コントローラ36により制御されつつ回転する。この回転において、X線管20からX線検出器24に向かってX線を射出し、X線検出器24において被検体およびファントムの透過X線を検出し、X線検出器24の検出結果をデータ収集部26が収集する。その収集結果が、操作コンソール6において各ビューごとの投影情報として処理される。 【0024】 X線管20からのX線の照射はX線コントローラ28によって制御される。X線管20から放射されたX線は、コリメータ22により、例えば扇状のX線ビーム、すなわちファンビームX線となるように成形され、さらに、ボータイルフィルタ21によりX線検出器24に向かう扇状に拡散する強度がX線検出器24全面にわたって平均化するように調整されて、ボア29を経由してX線検出器24に入射する。 コリメータ22は、コリメータコントローラ30によって制御される。 【0025】 X線検出器24は、図3に図解したように、ファンビームX線の広がり方向にアレイ状に配列された複数のX線検出素子を有する。このように、X線検出器24は、複数のX線検出素子をアレイ状に配列した、多チャネルの検出器として構成されており、全体として、円筒凹面状に湾曲したX線入射面を形成する。X線検出器24は、例えばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせによって構成される。なお、X線検出器24としては、例えばカドミウム・テルル(CdTe)等を利用した半導体X線検出素子またはXeガスを用いる電離箱型のX線検出素子であっても良い。 X線管20、ボータイルフィルタ21、コリメータ22およびX線検出器24は、本発明におけるX線照射・検出装置を構成する。 【0026】 X線検出器24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は、X線検出器24の個々のX線検出素子の検出データを収集する。 【0027】 操作コンソール 操作コンソール6は、データ処理装置60、制御インタフェース62、データ収集バッファ64、記憶装置66、表示装置68、操作装置70を有する。 データ処理装置60は、例えばデータ演算処理機能の高いコンピュータによって構成される。データ処理装置60には制御インタフェース62が接続されている。 制御インタフェース62には走査ガントリ2き撮影テーブル4が接続されている。データ処理装置60は制御インタフェース62を通じて走査ガントリ2を制御する。すなわち、走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ36が制御インタフェース62をデータ処理装置60によって通じて制御される。 【0028】 データ処理装置60にはデータ収集バッファ64が接続されている。データ収集バッファ64には走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータがデータ収集バッファ64を通じてデータ処理装置60に入力される。 データ処理装置60は、データ収集バッファ64を通じて収集した透過X線信号すなわち投影情報を用いて画像再構成を行う。データ処理装置60には記憶装置66が接続されている。記憶装置66はデータ収集バッファ64に収集された投影情報や再構成された断層画像情報および本実施の形態のX線CT装置の機能を実現するためのプログラム等を記憶している。 【0029】 データ処理装置60には表示装置68と操作装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68はデータ処理装置60から出力される断層画像情報やその他の情報を表示する。操作装置70はオペレータによって操作され、各種の指示や情報等をデータ処理装置60に入力する。オペレータは表示装置68および操作装置70を使用してインタラクティブに(対話方式で)本実施の形態のX線CT装置を操作する。 【0030】 撮影テーブル4 撮影テーブル4は、制御インタフェース62を介してデータ処理装置60に接続されており、X線CT装置を操作するための各種スイッチ、操作器具、操作コンソール6で処理したX線CT画像を表示する表示装置などが搭載されている。 【0031】 図2に、データ処理装置60の本実施の形態である、補正係数算出方法およびビームハードニング後処理方法に関連する部分のみの機能ブロック図を示す。 データ処理装置60は、本発明に関係する部分を手段として整理すると、データ収集手段201、前処理手段202、前処理手段202で前処理したデータから補正係数を算出する補正係数算出し、記憶装置66の投影情報に対して行うビームハードニング補正処理を行なうBH補正手段203、第1のフィッティング手段204、第2のフィッティング手段205、判定手段206、高次フィッティング手段207、最終補正処理手段208、および、画像再構成手段209を含む。 【0032】 データ収集手段201は、ファントムについてX線検出器24で検出した信号をデータ収集部26を介して収集して、記憶装置66に撮影情報として記憶する。 前処理手段202は、撮影情報についてビームハードニング補正する前の処理、たとえば、雑音除去処理を行なう。 BH補正手段203は、各チャネルについて補正係数B0 〜B3 を算出して、補正係数テーブルとして記憶装置66に記憶し、その補正係数B0 〜B3 を用いて記憶装置66に記憶された投影情報にBH補正を行う。X線検出器24の各チャネルで取得される投影情報値をIhとし、BH補正した補正データをICとすると、BH補正は次式により行われる。 【0033】 IC=BO ・Ih+B1 ・Ih2 +B2 ・Ih3 +B3 ・Ih4 (1) 【0034】 第1のフィッティング手段204は、記憶装置66の投影情報の各チャネル方向および各ビュー間のデータの平滑化を行う。このフィッティングで求めた関数は、関数の次数を超える高周波成分は除去されるので平滑化と同等の効果を得る。 【0035】 第2のフィッティング手段205は、X線検出器24の1つのチャネルが取得する投影情報値および第1のフィッティング手段204により第1の関数フィッティングされた投影情報値の間で一次あるいは高次関数のフィッティングを行う。これにより、BH補正手段203で用いられる(1)式と同様の補正係数を取得することができる。 【0036】 判定手段206は補正精度を向上させるため、異なるファントムについて上述した処理を行なうか否かを判定する。 高次フィッティング手段207は、異なるファントムについて求めて補正係数を用いてさらに高度なフィッティングを行なう。 最終補正処理手段208は、以上のごとく得られた補正係数を用いて撮影情報について最終的な補正を行なう。 画像再構成手段209は、記憶装置66の複数ビューからなる投影情報であるサイノグラムを用いて、被検体あるいはファントム、たとえば、図2に図解した断面が円形のファントム310の断層画像を再構成する。画像再構成には、例えばフィルタード・バックプロジェクション法等が用いられ、表示装置68に再構成画像が表示される。 【0037】 第1実施の形態 本発明の第1実施の形態として、ボア29内に断面が円形のファントム310を用いた場合について述べる。特に、ファントム310をボア29の中心位置からずれた位置に配置した場合について述べる。 ファントム310は被検体である人体に組成に近似した材料で構成されている。たとえば、ファントム310は、ポリプロピレン等の材質で作成された、円筒形状を有し、例えば径は35cmのものとする。 ボア29内に位置するファントム310についてのデータ収集、投影情報およびサイノグラムについてX線CT装置の基本動作について述べる。 【0038】 図3は走査ガントリ2のボア29内に配置された断面が円形のファントム310を示している。ファントム310は円形断面を有しており、その中心は、ボア29の撮像中心とは異なる場所に位置する。 X線管20から照射されたX線はボータイルフィルタ21を透過したとき強度調整され(X線検出器24のチャネル方向について平滑化され)、さらにコリメータ22で成形されたX線ファンビームは、断面が円形のファントム310を透過して、X線検出器24で検出される。 【0039】 X線検出器24は、X線ファンビームの拡がり方向に複数のX線検出素子がアレイ状に配列されており、アレイ状の各チャネルでファントム310の投影情報を検出する。 【0040】 図4はデータ処理装置60の各手段で行なう処理を示すフローチャートである。 ステップ1:ファントムスキャン オペレータはまず、ボア29内の所定位置に断面が円形のファントム310を配置する。ただし、ファントム310をボア29内の撮像中心からずれた位置に配置する。上述したように、断面が円形のファントム310は、ポリプロピレン等の材質で作成された、円筒形状を有し、例えば径は35cmのものとする。 データ処理装置60のデータ収集手段201は、断面が円形のファントム310を用いて、ファントムスキャンを行う。その結果、スキャンにより取得される第1の投影情報601が記憶装置66に記憶される。すなわち、X線管20、コリメータ22およびX線検出器24は、ボア29を中心にして対向配置されており、相対位置を変化すること無く、回転部34ごとボア29の周り回転するとき、データ収集部26を介してデータ処理装置60のデータ収集手段201が投影情報の取得を行い、記憶装置66に記憶する。 このように、データ処理装置60のデータ収集手段201は、回転角度に対応したビュー番号ごとに、前記投影情報を取得し、一枚のサイノグラムを生成して記憶装置66に記憶する。 【0041】 図5(A)は、断面が円形のファントム310を用いた場合のサイノグラムの一例を示した図である。サイノグラムは、チャネルの中心近傍に存在する投影情報部およびチャネルの周辺に存在する空気データ部とからなる。断面が円形のファントム310は、撮像中心からずれて配置されるので、投影情報部のチャネル幅の位置は、回転部34の回転、すなわちビュー番号の変化と共に位置を変化させ、図5(A)に図解のようにビュー番号方向に蛇行する。同様の理由により、ビュー番号の変化と共に、投影情報部のチャネル幅も変化する。 【0042】 図5(B)は、図5(A)のビュー番号がjである投影情報を、横軸をチャネル番号、縦軸を投影情報値として表示した図である。投影情報値は、断面が円形のファントム310を透過するX線ビームの透過長さに比例するので、ファントム310の中心近傍を透過するX線は、透過長さが長く、高い投影情報値を示し、ファントム310の周辺近傍を透過するX線は、透過長さが短く、低い投影情報値を示し、図5(B)の様な半円形の投影像を示す。 【0043】 一例として、ビュー番号がj、チャネル番号がiの投影情報値を示す。 図3に点線で示したX線ビームは、ビュー番号jの場合に、X線検出器24のチャネル番号1に入射する。この際、X線ビームが断面が円形のファントム310内を透過する長さを1(小文字のエル)とする。この長さlと、図5(B)のチャネルiの投影情報値hは下記のごとく比例している。すなわち、l∝h。 図3において、断面が円形のファントム310は、撮像中心からずれた位置に位置しているので、チャネルiの透過長さlは、ビューごとに変化し、図5(B)に示したチャネルiの投影情報値hもビューごとに変化する。 【0044】 図5(C)は、図5(A)のチャネル番号がiの投影情報値を、横軸をビュー番号、縦軸を投影情報値として表示したものである。投影情報値は、ビュー番号ごとに異なる、断面が円形のファントム310を透過するX線ビームの透過長さに比例するので、図5(C)に示した様な周期性のある特性を示す。 【0045】 ステップ2:前処理 図6は、本動作の際に生成される、記憶装置66に記憶される、中間的な投影情報のファイルを示す。 データ処理装置60の前処理手段202は、第1の投影情報からなるサイノグラムに対して、ノイズ(noise)除去および感度補正等の前処理を行う。 【0046】 ステップ3:ビームハードニング補正 データ処理装置60のBH補正手段203は、(1)式を用いて、投影情報値IhにBH補正を行い、補正された投影情報値Icを求める。その結果が記憶装置66に図6に示す第2の投影情報として記憶される。このファイルでは、BH効果は概ね除去されるが、X線検出器24の個々のチャネルごとのばらつきに起因する若干のBH効果が残存する。図7(A)に第2の投影情報の例を模式的に示した。概ね円形ファントムの投影情報である半円形の形状を有しているが、チャネルによっては、X線感度の違い等により、パルス状に投影情報値Icが変化する。これらは、チャネル固有の現象であるのでチャネルごとに補正する必要がある。また、図8(A)に第2の投影情報の1つのチャネルのビュー方向の投影情報値の例を模式的に示した。ビュー番号によっては、投影情報値Icがパルス状に変化する。 【0047】 ステップ4:チャネル方向の平滑化処理 データ処理装置60の第1のフィッティング手段204は、第2の投影情報602を用いて、まず、チャネル方向の平滑化を行う。その結果が図6に示す第3Aの投影情報603として記憶装置66に記憶される。この投影情報では、チャネルごとのばらつきに起因する投影情報値Icが平滑化されて除去される。 図7(B)に第3Aの投影情報の例を模式的に示した。円形ファントムの投影情報である半円形の形状のみが投影情報として求まる。 【0048】 ステップ5:ビュー方向の平滑化 データ処理装置60の第1のフィッティング手段204はさらに、投影情報603を用いてビュー方向の平滑化を行う。これにより、図6に示す第3B投影情報604が生成される。この投影情報では、1つのチャネルで生じるビューごとのばらつきに起因する投影情報値が平滑化される。図8(B)に第3B投影情報の例を模式的に示した。1つのチャネルのビュー方向の周期的な投影情報値が平滑化される。 【0049】 ステップ6:1次の補正係数の算出 データ処理装置60の第2のフィッティング手段205は、第2の投影情報および第3B投影情報から一次の補正係数を求める。ここで、チャネル番号がiの第2の投影情報の投影情報値をS(j),第3B投影情報の投影情報値をF(j)とする。 そして、すべてのビュー番号での投影情報値を、横軸をS(j)、縦軸をF(j)として図示すると図9(A)に示す様に、概ね原点を通る直線上に配列する。この直線をチャネルiの補正係数とする。 図9(A)はファントムが1個のときの第2の投影情報の投影情報値S(j)と第3B投影情報の投影情報値F(j)との関係を示すグラフである。 この補正係数は、記憶装置66に補正係数情報605として保存される。なお、この補正係数の傾きをKiとすると下記式で表すことができる。 【0050】 F(j)/S(j)≒Ki 【0051】 被検体から得られるBH補正後のチャネルiの投影情報値Icにこの補正係数Kiを乗算すると下記となる。 【0052】 Ip=Ic・Ki 【0053】 その結果、被検体の平滑化された補正後の投影情報値Ipが得られる。 図9(A)に示した、投影情報値S(j)の大きさおよび値の取得範囲は、投影情報値の大きさが図3で示した断面が円形のファントム310を透過するX線の透過長さl(エル)に比例するので、断面が円形のファントム310の径およびボア29内のファントム位置に依存する。 【0054】 ステップ7:精度向上か否かの判定 データ処理装置60の判定手段206は、補正係数の精度を向上するかどうかを判定する。補正係数の精度向上を計る場合には、オペレータが断面が円形で異なる径の断面が円形のファントムを、ボア29内の撮像中心から異なる位置に配置し、ステップ1〜6の処理を再開し、新たなファントムについて新たな補正係数を取得する。 【0055】 図9(B)に、2つの直径が異なる断面が円形のファントムを用いた場合に求められる補正係数の例を示す。ファントムの径およびファントムの位置からX線ビームの透過長さが決まり、投影情報値S(j)も決まる。従って、断面が円形のファントムの直径をA,Bとして、A<Bとすると、概ね図9(B)に示す様に、ファントムAの投影情報値は、領域Aに存在し、ファントムBの投影情報値は、領域Bに存在する。そして、これら領域の投影情報値から、補正手段203によって補正係数を求めることができる。 【0056】 ステップ8:高次のフィッティング 複数のファントムを用いて上述した処理を行なって、補正係数の精度上充分なデータが取得された場合には、データ処理装置60の高次フィッティング手段207は、取得された領域ごとの補正係数に対して高次関数のフィッティングを行う。図10に、図9(B)に示されたファントムAおよびBの補正係数を用いた場合の例を示す。高次フィッティング手段207は、領域Aの補正係数Aの値および領域Bの補正係数Bの値に対して、たとえば、以下の3次のフィッティング関数をフィッティングし、補正係数K0,KlおよびK2を決定する。 【0057】 If=K0・S(j)十K1・S(j)2 +K2・S(j)3 (2) 【0058】 この際、投影情報値の小さい領域Aの補正係数は、投影情報値の大きい領域Bの補正係数より精度が高いと考えられるので、高次フィッティング手段207は領域ごとに重み付けを行い、領域Aでより高精度にフィッティングするように式(2)の補正係数を決めることもできる。 【0059】 ステップ9:補正係数の保存 データ処理装置60の高次フィッティング手段207は、補正係数K0,KlおよびK2の値からなる高次補正係数情報606を記憶装置66に保存し、処理を終了する。 【0060】 ステップ10:表示 被検体の撮像を行う際には、データ処理装置60の最終補正処理手段208が、被検体のBH補正が行われた投影情報値Icに対して、各チャネルごとの補正係数K0,KlおよびK2を用いて、式(2)から補正された投影情報値Ifを求める。 これら投影情報値Ifを、画像再構成手段209により、画像の再構成を行い断層画像情報を取得して、表示装置68および/または撮影テーブル4の表示部に表示する。 【0061】 上述したように、第1実施の形態においては、異なる径の断面が円形のファントムを撮像中心からずれた位置に配置して、X線ビームの透過長さがビューごとに異なり、従って、投影情報値もビューごとに異なる投影情報を各チャネルで取得することとしているので、BH補正後に行うこの投影情報値のチャネルごとの補正で、補正係数を高次関数で近似し、非線形成分をも考慮した補正を行うことができ、さらに少ない数のファントムデータでも高精度な補正係数を求めることができるので、オペレータの校正処理にかける時間的および肉体的負担を軽減することができる。 【0062】 上述した方法は、式(2)を用いて3次関数でフィッティングを行ったが、2次あるいは4次以上の高次関数でフィッティングすることもできる。 【0063】 また、本実施の形態では、図4のステップ6を参照して述べたでサイノグラムごとに一次の補正係数をもとめることとしたが、サイノグラムごとの第2の投影情報602および第3の投影情報604に対して高次関数をフィッティングし、一次の補正係数を求めずに高次の補正係数を求めることもできる。 【0064】 本発明の第1実施の形態によれば、撮像領域の撮像中心からずれた位置に配置される1つあるいは複数の異なる径を有する断面が円形のファントムの第1の投影情報を、すべてのビューで撮影して、1つあるいは複数のサイノグラムを取得し、ビームハードニング補正手段により、第1の投影情報にビームハードニング効果の補正を行い第2の投影情報を生成し、第1のフィッティング手段により、第2の投影情報に第1の関数フィッティングを行って第3の投影情報を生成し、第2のフィッティング手段により、第2の投影情報を構成する各チャネルで、すべてのビューの第2の投影情報の値を独立変数とする第3の投影情報の値を第2の関数フィッティングを行って補正係数を求め、補正手段により、この補正係数から、撮像領域に載置される被検体の投影情報を補正することとしているので、ビューごとあるいはサイノグラムごとに第2の投影情報の値が異なるので、補正係数を関数フィッティングで求める際に、第2の投影情報の値の広い範囲で補正係数のフィッティングを行い、補正係数の精度を向上して画質の向上を計ることができ、あるいは、少ない数のファントムで高精度の補正係数を得ることで簡易に補正係数を求めることができる。 【0065】 第1実施の形態の評価 断面が円形のファントム310を用いた第1実施の形態は、図3に図解したように、断面が円形のファントム310を透過するX線の透過長さが方向によって異なるから、X線検出器24にいたるX線の透過強度が不均一である。たとえば、図3において、透過長さl1は透過長さl2より短い。 他方、人体の胴部および頭部は丸みを帯びた楕円状である。 もちろん、第1実施の形態においても、断面が円形のファントム310を透過するX線の透過距離が異なっても不正確にならないように、X線管20から照射されたX線はボータイルフィルタ21によってX線検出器24に入射するX線の強度が均一化されるように調整できるが、精度を高めるにはボータイルフィルタ21も種々の形状のものを交換して、校正を行なう必要がある。 第1実施の形態において述べたように、高精度の補正を行うために、撮像中心に配置されるFOV(撮像領域)全体を概ね覆う直径で、かつ直径の異なる複数の円筒形状のファントムを撮像し、これらファントムの投影情報から補正係数の補正を精密化した。 【0066】 このように、第1実施の形態の方法を行なうと、作業時間とオペレータの労力が増大する。したがって、BH効果のチャネルごとの補正を、簡易にしかも非線形効果も考慮して精密化できる、さらなるビームハードニング後処理方法およびX線CT装置をいかに実現するかが重要となる。第2実施の形態以降は、上述した第1実施の形態の不具合を改善する方法を述べる。 【0067】 第2実施の形態 第2実施の形態として、図11に図解したように、断面が楕円のファントム320をX線管20とX線検出器24との間のボア29内の撮像領域に配置し、この断面が楕円のファントム320についてBH補正を行い、補正係数を算出する方法について述べる。図11は第1実施の形態の図3に対応している。 断面が楕円のファントム320は人体の胴部の断面に近似している。ファントム320の材質は、第1実施の形態として述べた断面が円形のファントム310と同様である。 第1実施の形態と第2実施の形態との相違は、断面が円形のファントム310を断面が楕円のファントム320に代えたことである。 第2実施の形態においても、適用するX線CT装置は図1に図解したものと同様とする。したがって、図1を参照してX線CT装置について述べることは割愛する。 第2実施の形態においても、図2を参照して述べた、データ処理装置60の構成も第1実施の形態と同様である。すなわち、データ処理装置60は、データ収集手段201、前処理手段202、BH補正手段203、第1のフィッティング手段204、第2のフィッティング手段205、判定手段206、高次フィッティング手段207、最終補正処理手段208オペレータ画像再構成手段209を有する。 【0068】 校正方法 ファントムが断面が楕円のファントム320に代わったことを除いて、図2に図解したデータ処理装置60の各手段が行なう処理は、図4を参照して第1実施の形態と同様である。その概要を述べる。 【0069】 ステップ1:オペレータが被検体が位置すると同様の撮像領域の撮像中心部分で、X線管20とX線検出器24との中心線に断面が楕円のファントム320を位置させる。なお、断面が楕円のファントム320は、X線管20からX線検出器24に至る扇状に拡散しているX線の範囲で、X線検出器24の端部において、断面が楕円のファントム320を透過しないX線もX線検出器24で検出されるように配置する。 データ処理装置60のデータ収集手段201は、断面が楕円のファントム320についての第1の投影情報を、多方向からの複数ビューで撮影して1つのサイノグラムを取得する。 データ収集手段201で算出した撮影情報の特性(プロファイル)は、もちろん、断面が円形のファントム310についての図5(A)〜(C)に例示したものとは異なり、断面が楕円のファントム320についてのものとなる。 【0070】 ステップ2:必要に応じて、データ処理装置60の前処理手段202が、第1撮影情報に第1実施の形態と同様の前処理を行なう。 【0071】 ステップ3:データ処理装置60のBH補正手段203が、第1実施の形態と同様、前処理された第1の投影情報にビームハードニング効果の補正を行い第2の投影情報を生成する。(1)式における係数B0 〜B3 の値は第1実施の形態の値とはもちろん異なるが、補正式は同じである。 【0072】 ステップ4〜5:データ処理装置60の第1のフィッティング手段204が、第1実施の形態同様、チャネル方向およびビュー方向の平滑処理を行なう。 【0073】 ステップ6:データ処理装置60の第2のフィッティング手段205が、第1実施の形態同様、1次の補正係数を求める。 【0074】 ステップ7:オペレータは必要に応じて、図12(A)〜(B)に例示したように、楕円率などの異なる複数の断面が楕円のファントムについて、あるいは、図13(A)〜(C)に例示したように、寸法、形状、材料の異なる複数の断面が楕円のファントムについて、上記処理を反復するか否かを指示する。判定手段206はそのような要求があるか否かを判定する。 なおこのような、断面が楕円のファントム320としては、X線CT装置で特に診断を行なう部位、被検体の体型に類似する形状のものを複数用いることができる。 【0075】 ステップ8:複数の断面が楕円のファントムについて上記処理を終了したのち、データ処理装置60の高次フィッティング手段207が複数組の補正係数をフィッティングして、最終的な補正係数を算出する。 【0076】 ステップ9:最終補正処理手段208が撮影情報について最終的な補正係数を用いて補正する。 ステップ10:データ処理装置60の画像再構成手段209が補正された画像を再校正して表示装置68などに表示する。 【0077】 第2実施の形態の断面が楕円のファントム320は被検体である人体の胴部、頭部などと形状が類似しているので、第1実施の形態の断面が円形のファントム310を用いたときに得られる補正係数よりさらに正確な補正係数を得ることが出来る。 また、図12(A)〜(B)、図13(A)〜(C)に例示したように、種々の断面が楕円のファントムについて補正係数を求めているので、種々の条件の被検体、たとえば、大人か子供、女性か男性、肥満体かやせ型、同じ被検体について頭部、胸部、胴部、脚部などについて、統一して適用可能な補正係数を算出することができる。 【0078】 変形態様 なお、上述した実施の形態において、種々のファントムについて反復処理するして、その結果に基づいて、ステップ8において高次フィッティング手段207が高次のフィッティングをする場合について述べたが、断面が楕円のファントムの形状、材質に合わせて、個別の補正係数を算出して、記憶装置66に保存しておくこともできる。 そして、X線CT装置において、被検体の位置、たとえば、頭部、胸部、胴部、脚部などに応じて撮影情報の補正に使用できるようにしてもよい。同様に、胸部、胴部などについても、大柄な被検体、肥満体の被検体など、被検体の条件に応じて、補正係数を選択して使用することもできる。また、被検体が子供か大人かなどに応じて選択して補正係数を使用することもできる。 【0079】 第3実施の形態 第3実施の形態として、図14に図解したように、断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330をX線管20とX線検出器24との間のボア29内の撮像領域に配置し、このファントム330についてBH補正を行い、補正係数を算出する方法について述べる。図14は第1実施の形態の図3に対応している。 断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330の材質は、第1実施の形態として述べた断面が円形のファントム310と同様である。 第1実施の形態と第2実施の形態との相違は、断面が円形のファントム310を断面が断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330に代えたことである。 第3実施の形態においても、適用するX線CT装置は図1に図解したものと同様とする。したがって、図1を参照してX線CT装置について述べることは割愛する。 第3実施の形態においても、図2を参照して述べた、データ処理装置60の構成も第1実施の形態と同様である。すなわち、データ処理装置60は、データ収集手段201、前処理手段202、BH補正手段203、第1のフィッティング手段204、第2のフィッティング手段205、判定手段206、高次フィッティング手段207、最終補正処理手段208オペレータ画像再構成手段209を有する。 【0080】 校正方法 断面が円形のファントム310が断面が楕円のファントム330に代わったことを除いて、図2に図解したデータ処理装置60の各手段が行なう処理は、図4を参照して第1実施の形態と同様である。その概要は第2実施の形態として述べたものと同様である。 【0081】 ステップ1:オペレータが被検体が位置すると同様の撮像領域の撮像中心部分で、X線管20とX線検出器24との中心線に断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330を位置させる。なお、ファントム330は、X線管20からX線検出器24に至る扇状に拡散しているX線の範囲で、X線検出器24の端部において、ファントム330を透過しないX線もX線検出器24で検出されるように配置する。 データ処理装置60のデータ収集手段201は、ファントム330についての第1の投影情報を、多方向からの複数ビューで撮影して1つのサイノグラムを取得する。 断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330についてデータ収集手段201で算出した撮影情報の特性(プロファイル)は、もちろん、断面が円形のファントム310についての図5(A)〜(C)に例示したものとは異なり、断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330についてのものとなる。 【0082】 ステップ2:必要に応じて、データ処理装置60の前処理手段202が、第1撮影情報に第1実施の形態と同様の前処理を行なう。 【0083】 ステップ3:データ処理装置60のBH補正手段203が、第1実施の形態と同様、前処理された第1の投影情報にビームハードニング効果の補正を行い第2の投影情報を生成する。(1)式における係数B0 〜B3 の値は第1実施の形態の値とはもちろん異なるが、補正式は同じである。 【0084】 ステップ4〜5:データ処理装置60の第1のフィッティング手段204が、第1実施の形態同様、チャネル方向およびビュー方向の平滑処理を行なう。 【0085】 ステップ6:データ処理装置60の第2のフィッティング手段205が、第1実施の形態同様、1次の補正係数を求める。 【0086】 ステップ7:オペレータは必要に応じて、図15(A)〜(C)に例示したように厚さ、寸法、向きなどの異なる複数の断面が厚さが均一な環状(扇型)のファントムについて、上記処理を反復するか否かを指示する。判定手段206はそのような要求があるか否かを判定する。 【0087】 ステップ8:複数の断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330について上記処理を終了したのち、データ処理装置60の高次フィッティング手段207が複数組の補正係数をフィッティングして、最終的な補正係数を算出する。 【0088】 ステップ9:最終補正処理手段208が撮影情報について最終的な補正係数を用いて補正する。 ステップ10:データ処理装置60の画像再構成手段209が補正された画像を再校正して表示装置68などに表示する。 【0089】 第3実施の形態によれば、第2実施の形態の断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330についても、正確な補正係数を得ることが出来る。 【0090】 第4実施の形態 第4実施の形態は、第1の実施の形態におけるステップ9において断面が円形の種々のファントム310について求めた補正係数と、第2実施の形態におけるステップ9において断面が楕円の種々のファントム320について求めた補正係数とから、これらの共通する総合的な補正係数を求めるため、図16に図解したように、データ処理装置60に総合補正係数算出手段210を付加する。 総合補正係数算出手段210における総合的な補正係数の算出方法としては、たとえば、断面が円形の種々のファントム310について求めた補正係数と、断面が楕円の種々のファントム320について求めた補正係数との平均値をとることができる。あるいは、所定の重み付け係数を乗じた上で、その和をとることができる。 総合補正係数算出手段210によってこのように算出された総合補正係数は記憶装置66に保存され、最終補正処理手段208において撮影情報の補正に使用できる。 【0091】 第4実施の形態によれば、さらに種々の条件の被検体について広く適用可能な補正係数を求めることができ、それを用いると、正確な撮影情報の補正が可能となる。 【0092】 第5実施の形態 第5実施の形態は、第4実施の形態とは異なり、第1の実施の形態におけるステップ9において断面が円形の種々のファントム310について求めた補正係数と、第3実施の形態におけるステップ9において断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330について求めた補正係数とから、図16に図解した総合補正係数算出手段210により、これらの共通する総合的な補正係数を求める。 総合補正係数算出手段210における総合的な補正係数の算出方法としては、たとえば、断面が円形の種々のファントム310について求めた補正係数と、断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330について求めた補正係数との平均値をとることができる。あるいは、所定の重み付け係数を乗じた上で、その和をとることができる。 総合補正係数算出手段210によってこのように算出された総合補正係数は記憶装置66に保存され、最終補正処理手段208において撮影情報の補正に使用できる。 【0093】 第5実施の形態によれば、さらに種々の条件の被検体について広く適用可能な補正係数を求めることができ、それを用いると、正確な撮影情報の補正が可能となる。 【0094】 第6実施の形態 第6実施の形態は、第4、第5実施の形態とは異なり、第1の実施の形態におけるステップ9において断面が楕円の種々のファントム320について求めた補正係数と、第3実施の形態におけるステップ9において断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330について求めた補正係数とから、図16に図解した総合補正係数算出手段210により、これらの共通する総合的な補正係数を求める。 総合補正係数算出手段210における総合的な補正係数の算出方法としては、たとえば、断面が楕円のファントム320について求めた補正係数と、断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330について求めた補正係数との平均値をとることができる。あるいは、所定の重み付け係数を乗じた上で、その和をとることができる。 総合補正係数算出手段210によってこのように算出された総合補正係数は記憶装置66に保存され、最終補正処理手段208において撮影情報の補正に使用できる。 【0095】 第6実施の形態によれば、さらに種々の条件の被検体について広く適用可能な補正係数を求めることができ、それを用いると、正確な撮影情報の補正が可能となる。 【0096】 第7実施の形態 第7実施の形態は、第1の実施の形態におけるステップ9において断面が円形のファントム310について求めた補正係数と、第2の実施の形態におけるステップ9において断面が楕円のファントム320補正係数と、第3実施の形態におけるステップ9において断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330について求めた補正係数とから、図16に図解した総合補正係数算出手段210により、これらの共通する総合的な補正係数を求める。 総合補正係数算出手段210における総合的な補正係数の算出方法としては、たとえば、断面が円形のファントム310について求めた補正係数と、断面が楕円のファントム320について求めた補正係数と、断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム330について求めた補正係数との平均値をとることができる。あるいは、所定の重み付け係数を乗じた上で、その和をとることができる。 総合補正係数算出手段210によってこのように算出された総合補正係数は記憶装置66に保存され、最終補正処理手段208において撮影情報の補正に使用できる。 【0097】 第7実施の形態によれば、さらに種々の条件の被検体について広く適用可能な補正係数を求めることができ、それを用いると、正確な撮影情報の補正が可能となる。 【0098】 本発明の実施に際しては、上述した例示に限らず、種々の変形態様をとることができる。 【図面の簡単な説明】 【0099】 【図1】図1は本発明のCT装置の1実施の形態としてのX線CT装置の全体構成を示すブロック図である。 【図2】図2は図1に図解したX線CT装置におけるデータ処理装置の構成図である。 【図3】図3は図1に図解したX線CT装置における、第1実施の形態として断面が円形のファントムを用いた場合の、X線管と、X線検出器と断面が円形のファントムとの位置関係を示す図である。 【図4】図4は第1実施の形態としてのデータ処理装置の動作を示すフローチャートである。 【図5】図5(A)〜(C)は第1実施の形態としての断面が円形のファントムを用いた場合のサイノグラムおよび投影情報値を示す図である。 【図6】図6は第1実施の形態としての図1に図解した記憶装置内のファイルを示すブロック図である。 【図7】図7(A)、(B)は第1実施の形態としての投影情報値のチャネル方向の処理を示す図である。 【図8】図8(A)、(B)は第1実施の形態としての投影情報値のビュー方向の処理を示す図である。 【図9】図9(A)、(B)は第1実施の形態としての投影情報値の補正係数を示す図である。 【図10】図10は第1実施の形態としての投影情報値の第2のフィッティング関数を求める図である。 【図11】図11は図1に図解したX線CT装置における、第2実施の形態として断面が楕円のファントムを用いた場合の、X線管と、X線検出器と断面が円形のファントムとの位置関係を示す図である。 【図12】図12(A)〜(B)は、第2実施の形態の断面が楕円のファントムの種々の断面図である。 【図13】図13(A)〜(C)は、第2実施の形態の断面が楕円のファントムの種々の断面図である。 【図14】図14は図1に図解したX線CT装置における、第3実施の形態として断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントムを用いた場合の、X線管と、X線検出器と断面が円形のファントムとの位置関係を示す図である。 【図15】図15(A)〜(C)は、第3実施の形態の断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントムの種々の断面図である。 【図16】図16は図1に図解したX線CT装置におけるデータ処理装置の第2の構成図である。 【符号の説明】 【0100】 2・・走査ガントリ 20・・X線管、21・・ボータイルフィルタ、22・・コリメータ 24・・X線検出器、26・・データ収集部、 28・・X線コントローラ、29・・ボア 30・・コリメータコントローラ、34・・回転部 36・・回転コントローラ 4・・撮影テーブル 6・・操作コンソール 60・・データ処理装置 201・・データ収集手段 202・・前処理手段 203・・BH補正手段 204・・第1のフィッティング手段 205・・第2のフィッティング手段 206・・判定手段 207・・高次フィッティング手段 208・・最終補正処理手段 209・・画像再構成手段 210・・総合補正係数算出手段 62・・制御インタフェース、64・・データ収集バッファ 66・・記憶装置、68・・表示装置、70・・操作装置 310・・断面が円形のファントム 320・・断面が楕円のファントム 330・・断面が厚さが均一な環状の(扇型)ファントム 601・・第1の投影情報、602・・第2の投影情報 603・・第3A投影情報、604・・第3B投影情報 605・・補正係数情報、606・・高次補正係数情報
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| 【出願人】 |
【識別番号】300019238 【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
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| 【出願日】 |
平成19年10月31日(2007.10.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094053 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 隆久
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| 【公開番号】 |
特開2008−43820(P2008−43820A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2007−283412(P2007−283412) |
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