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【発明の名称】 分類方法及び装置
【発明者】 【氏名】ゴパール・ビー・アヴィナッシュ

【氏名】ケニー・キシャン・イスラーニ

【氏名】バオジュン・リ

【要約】 【課題】トモシンセシスにおいて、点広がり関数(PSF)に基づいて構造(すなわち領域)を分類する能力を提供して、最終的な再構成画像でのアーティファクト及び/又はボケを低減する。

【構成】データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いる。他の観点では、データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いることをコンピュータに命令するように構成されているプログラムを組み入れたコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。さらにもう一つの観点では、システムが、X線源と、該線源から放出されるX線を受光するように配置されているX線検出器と、線源及び検出器に動作に関して結合されているコンピュータとを含んでいる。コンピュータは、データ集合において構造を分類するために点広がり関数を用いるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源(102)と、
該線源(102)から放出されるX線を受光するように配置されているX線検出器(108)と、
前記線源(102)及び前記検出器(108)に動作に関して結合されており、データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いるように構成されているコンピュータと、
を備えたシステム(100)。
【請求項2】
前記コンピュータは、トモシンセシス・データ集合において領域を分類するために前記点広がり関数型規則を用いるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記分類は、背景クラス、合焦点クラス、非合焦点クラス及び低周波数クラスを含むクラスへの分類である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記分類は、背景クラス、合焦点クラス、非合焦点クラス及び低周波数クラスから成るクラスへの分類である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記分類は、背景クラス、合焦点クラス、非合焦点クラス及び低周波数クラスを含むクラスへの分類である、請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記コンピュータは、各々のピクセルに一つずつの複数の強度プロファイルを生成するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記コンピュータは、再構成画像に前記異なる分類の視覚的指標を設けるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記分類は、背景クラス、合焦点クラス、非合焦点クラス及び低周波数クラスを含むクラスへの分類である、請求項7に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記コンピュータは、各々のピクセルに一つずつの複数の強度プロファイルを生成するようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記コンピュータは、トモシンセシス・データ集合において構造を分類するために前記点広がり関数を用いるようにさらに構成されている、請求項9に記載のシステム(100)。
【請求項11】
走査対象を設けるステップと、
データ集合を取得するために前記対象を走査するステップと、
前記データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いるステップと、
を備えた方法。
【請求項12】
前記データ集合は医用画像データ集合である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、X線の方法及び装置に関し、さらに具体的には、データ集合における構造の分類を提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル・トモシンセシスは、静止型ディジタル検出器によって角度限定型のX線投影撮像から取得される対象の三次元(3D)再構成に広く用いられている。ディジタル・トモシンセシスは、1930年代以来公知である従来の幾何学的断層写真法の改良技術である。
【特許文献1】米国特許第5375175号
【特許文献2】米国特許第6058322号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
幾何学的断層写真法と同様に、トモシンセシスでも関心平面外に位置する対象の残留ボケが起こる。重なった解剖学的構造によるこの断層写真のボケのため、関心平面内の細部が不明瞭になり、スライスのコントラスト強調が制限される。重なってボケた解剖学的構造を除去すると面内構造のコントラストが改善し、この除去は、画像のダイナミック・レンジを関心のある区画のダイナミック・レンジに制限して、かかる区画の幾つかの関心対象の周波数内容に類似した周波数内容を有し得る残留構造を除去することにより行なわれる。基本的レベルでは、トモシンセシス・データ集合の点広がり関数(PSF)が撮像容積におけるボケの広がりの特徴を決定しており、この関数は本質的にシフト・バリアント(位置依存型)である。しかしながら、完全なボケの除去は瑣末なタスクではない。このタスクは計算集約的であり、またPSFの範囲のため、ボケを排除することは容易ではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一観点では、方法が、データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いるステップを含んでいる。
【0005】
さらにもう一つの観点では、データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いることをコンピュータに命令するように構成されているプログラムを組み入れたコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。
【0006】
もう一つの観点では、システムが、X線源と、該線源から放出されるX線を受光するように配置されているX線検出器と、線源及び検出器に動作に関して結合されているコンピュータとを含んでいる。コンピュータは、データ集合において構造を分類するために点広がり関数を用いるように構成されている。
【0007】
さらにもう一つの観点では、方法が、走査対象を設けるステップと、データ集合を取得するために対象を走査するステップと、データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いるステップとを含んでいる。
【0008】
さらにもう一つの観点では、方法が、データ集合にアクセスするステップと、データ集合において領域を分類するために点広がり関数型規則を用いるステップとを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本書では、例えば限定しないがX線トモシンセシス・システムのようなイメージング・システムに有用な方法及び装置について記載する。これらの装置及び方法は図面に関して説明され、図面では類似の参照符号が全図面において同じ構成要素を指す。かかる図面は制限的ではなく説明的であることを意図しており、本発明の装置及び方法の実施形態の一例の説明を容易にするために本書に含まれている。X線トモシンセシス・システムの設定で記載されるが、本発明の利益はX線源を有する全てのシステムに齎されると思量される。この開示の一つの目的は、トモシンセシスのデータ集合を、PSFの性質に基づいて多数のカテゴリに分解する分類の枠組みを提供することにある。この分類は、本開示と同日に同時出願された米国特許出願第11/464103号に記載されている処理経路の選択を誘導することができる。
【0010】
図1は、例示的なX線トモシンセシス・イメージング・システム100を示している。イメージング・システム100は、被検構造106にX線フォトンを照射するX線源102を含んでいる。例として、X線源102はX線管であってよく、被検構造106は患者、試験用ファントム、及び/又は他の被験無生物体であってよい。
【0011】
X線イメージング・システム100はまた、処理回路に結合された検出器108を含んでいる。処理回路(例えばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はカスタムASIC等)は、メモリ及び表示装置に結合されている。メモリ(例えばフレキシブル・ディスク、又はネットワーク若しくはインターネットのような他のディジタル・ソース等のコンピュータ読み取り可能な媒体から命令及び/又はデータを読み取るフレキシブル・ディスク・ドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、光磁気ディスク(MOD)装置、又はイーサネット装置等のネットワーク接続装置を含めたその他任意のディジタル装置、並びに開発中のディジタル手段等の1又は複数を含む)は、撮像データを記憶する。
【0012】
メモリはまた、本書に記載される作用を具現化するために処理回路によって実行される命令を含んだコンピュータ・プログラムを記憶することができる。処理回路は、装置に表示するための画像を形成する。本書にさらに詳細に記載されるように、画像は様々な構造(例えば軟組織、骨)を表わしていてよい。検出器108は、例えばフラット・パネル型固体画像検出器であってよいが、メモリにディジタル形態で記憶された従来のフィルム画像を処理することもできる。一実施形態では、処理回路はファームウェア(図示されていない)に記憶されている命令を実行する。一般的には、プロセッサは後述する工程を実行するようにプログラムされる。
【0013】
言うまでもなく、本書に記載される方法は、システム100での実施に制限されてはおらず、イメージング・システムのその他多くの形式及び変形と関連して利用することができる。一実施形態では、処理回路は、本書に記載される作用を果たすようにプログラムされているコンピュータであり、従って、本書で用いられるコンピュータとの用語は当技術分野でコンピュータと呼ばれている集積回路のみに限らず、コンピュータ、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理コントローラ、特定応用向け集積回路、及び他のプログラム可能な回路を広範に指している。本書に記載される方法は、人間の患者の設定において記載されるが、本発明の利益は、小動物研究に典型的に用いられるシステムのような人間以外を対象とするイメージング・システムにも齎されると思量される。
【0014】
本書で用いる場合には、単数形で記載されており単数不定冠詞を冠した要素またはステップとの用語は、排除を明記していない限りかかる要素又はステップを複数備えることを排除しないものと理解されたい。さらに、本発明の「一実施形態」に対する参照は、所載の特徴を同様に組み入れている他の実施形態の存在を排除すると解釈されることを意図していない。
【0015】
また、本書で用いられる「画像を再構成する」との表現は、画像を表わすデータが生成されるが可視画像は形成されないような本発明の実施形態を排除するものではない。従って、本書で用いられる「画像」との用語は、可視画像及び可視画像を表わすデータの両方を広く指す。但し、多くの実施形態は少なくとも1枚の可視画像を形成する(か又は形成するように構成されている)。
【0016】
本書に記載される方法は医療の設定において記載されるが、産業の設定、又は例えば限定しないが空港若しくは他の運輸拠点での手荷物走査システムのような運輸の設定で典型的に用いられるシステム等のような非医用イメージング・システムにおいても、本発明の利益が齎されると思量される。
【0017】
再構成された複数のスライスにわたって生成される強度プロファイルに基づいて、トモシンセシス撮像容積を合焦点(in-focus)構造、非合焦点(out-of-focus)構造、背景構造及び低周波数構造に分類する新規の方法体系が開発された。
【0018】
再構成のために、線形ディジタル・トモシンセシス幾何学的構成及び逆投影アルゴリズムについて検討した。但し、本発明の利益は、PSFがシフト・バリアントであるような全ての場合に齎されると思量され、円形の幾何学的構造にも、逆投影以外の再構成手法にも同等に適用可能である。撮像容積内の全ての点における三次元PSFは、その形状及び強度に関して決定されて特徴評価されている(Avinash等、2006年3月2日、「CHARACTERIZATION OF POINT SPREAD FUNCTION IN LINEAR DIGITAL TOMOSYNTHESIS: A SIMULATION STUDY」、SPIE、第6142巻を参照されたい)。本分類手法では、PSFの強度プロファイルが重要な役割を果たす。これらの強度加重値は、有限の検出器分解能を考慮して、PSFの全てのスライスにおいて線形補間される。正確に行なわれれば、PSFの全てのスライスの加重値の積分は、(PSFを推定している)カレントのピクセルを通る投影射線の数(N)に等しくなる。撮像容積内の様々な位置でのシフト・バリアント型PSFを図2に示す。
【0019】
容積内の全ての点について、PSFによって画定される線分に含まれる強度の積分値を各々のスライスにおいてプロットした。この方法を図3に図示しており、分類に用いられる強度プロファイルに対応するプロットも併せて示す。5枚のスライスを有するトモシンセシス再構成データ集合を考える。スライス4の任意の点について、PSFは図3(A)に示すようなものである。同じ形状及び範囲を有する対応する強度マスクを図3(B)に示す。これらのマスクの単純乗算の結果を図3(C)に示す。N(スライス)が各々のスライスにおいてPSFの範囲内にあるピクセル数を表わし、W(ピクセル,スライス)が各々のスライスでのピクセルの加重値を表わし、I(ピクセル,スライス)が当該ピクセルの強度を表わすとすると、この方法の数学的な公式化を下記のように与えることができる。
スライス1:
【0020】
【数1】


スライス2:
【0021】
【数2】


スライス5:
【0022】
【数3】


全てのスライスの強度を合計した後に、結果(A、B、C、D、E)が図3(D)に示すようにプロットされる。プロット内の基準の点線は、当該ピクセルのカレントの強度に対応する。撮像容積におけるこれらのプロファイルについては、全ての構造が、別個であるが一貫した特徴を示した。全てのピクセルについて強度プロファイルの性質を解析することにより、これらの強度プロファイルを合焦点細部、非合焦点細部、背景細部及び低周波数細部に分類することができる。言うまでもなく、他の分類体系も存在する。例えば、ピクセル(及び関連するピクセルの領域)を、様々な順列で、合焦点高周波数及び合焦点低周波数等に分類することができる。
【0023】
背景ピクセル及び低周波数ピクセルでは、強度プロットはそれぞれ比較的低強度及び比較的高強度を有する平坦な曲線を示した。合焦点ピクセルでは、プロットの最大強度は当該ピクセルのカレントの強度(スライス0)と一致しており、非合焦点ピクセルでは、プロットの最大強度(スライス2)は当該ピクセルのカレントの強度(スライス0)よりも大きかった。1回目の工程の後に、この分類工程を整合性検査のために全てのピクセルについて反復的に繰り返した。様々なカテゴリについての一連の強度プロットを図4に示す。
【0024】
本書に記載される方法及び装置を、人間の観察者が分類した領域を「判断基準(gold standard)」として用いて検証した。2個の球体を有するシミュレーション・ファントムが図5に示すように画定され、ファントムの各領域を強度プロットを用いて分類した。次に、算出された分類を判断基準と比較して、この比較に基づいて本方法について感度及び特異性が画定された。
【0025】
コンピュータでシミュレートされたファントムについて全てのピクセルをそれぞれのカテゴリに分類した後に、再構成されたデータ集合を視覚的表示のために色分けした。様々な濃淡レベル(グレイ・レベル)を用いて合焦点ピクセル、非合焦点ピクセル、背景ピクセル及び低周波数ピクセルを標識した。結果を図6に示す。この方法を、本開示と同時に出願された米国特許出願第11/XXX,XXX号(出願人控番号第297494号)の添付開示に記載されているような適応型画像処理の入力として用いることができる。
【0026】
一つの技術的効果は、本書に記載される方法及び装置が、PSFに基づいて構造(すなわち領域)を分類する能力を提供することであり、すると所望に応じて各々の異なるクラスについて異なるようにデータを選択的に処理することができる。構造/領域の様々なクラスを差異化するこの改良された能力によって、最終的な再構成画像でのアーティファクト及び/又はボケの低減が導かれる。
【0027】
以上、実施形態の例について詳細に説明した。これらのアセンブリ及び方法は、本書に記載される特定の実施形態に限定されてはおらず、各々のアセンブリ及び/又は方法の構成要素を、本書に記載される他の構成要素と独立且つ別個に利用してよい。
【0028】
本発明を様々な特定の実施形態について記載したが、当業者であれば、特許請求の範囲の要旨及び範囲内で改変を施して本発明を実施し得ることを認められよう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】例示的なX線イメージング・システムを示す図である。
【図2a】再構成された容積内の様々な位置での三次元PSFを示す図である。
【図2b】再構成された容積内の様々な位置での三次元PSFを示す図である。
【図2c】再構成された容積内の様々な位置での三次元PSFを示す図である。
【図3a】複数のスライスにわたって強度プロファイルを用いたPSFに基づく分類を示す図である。
【図3b】複数のスライスにわたって強度プロファイルを用いたPSFに基づく分類を示す図である。
【図3c】複数のスライスにわたって強度プロファイルを用いたPSFに基づく分類を示す図である。
【図3d】複数のスライスにわたって強度プロファイルを用いたPSFに基づく分類を示す図である。
【図4a】背景ピクセルの強度プロファイルを示す図である。
【図4b】合焦点ピクセルの強度プロファイルを示す図である。
【図4c】非合焦点ピクセルの強度プロファイルを示す図である。
【図4d】低周波数ピクセルの強度プロファイルを示す図である。
【図5】コンピュータ・シミュレーションによる球体ファントムの模式的モデルの図である。
【図6a】逆投影再構成アルゴリズムを用いて再構成されたトモシンセシス・スライスを示す図である。
【図6b】シミュレーション・ファントムのPSFに基づく分類を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
100 イメージング・システム
102 X線源
106 被検体
108 検出器
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成19年8月6日(2007.8.6)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志


【公開番号】 特開2008−43756(P2008−43756A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−204261(P2007−204261)