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【発明の名称】 ランセット、該ランセット供給リボンおよび傷をつけるための穿刺装置
【発明者】 【氏名】ハインツ マホ

【氏名】ヨーゼフ レーパー

【要約】 【課題】糖尿病患者が自身で実行する療養作業の簡便化する方法を提供する。

【構成】ランセット10に穿刺傷を作るための動作を起こすために、該ランセット10に回転トルクを加え、一定の幾何学的軸の周りの回転運動である穿刺運動を起こすために該ランセット10に回転トルクを加え、該ランセット10に一定の幾何学的軸の周りの回転運動である穿刺運動を起こすことができるランセット駆動具21を備えている。また、部品接続用要素4を有するランセット胴体部で構成されるランセットの複数枚を収容してなる穿刺器具20で使用するランセット供給リボンを形成している。該ランセットには体液試料の評価を実施するためのものであって、ランセット先端部3が当該ランセットにより付けられた穿刺傷から引き離された後の段階でのみ当該体液試料の送入を受け入れることができる構成の試験実施部位5が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転トルクを伝達するための部品接続用要素(4)を具備した交換型のランセット(10)を用いて穿刺傷を作るためのものであって、装着されたランセット(10)に該部品接続用要素(4)によって接続し、接続相手である該ランセット(10)に穿刺傷を作るための動作を起こすために該ランセット(10)に回転トルクを加え、該ランセット(10)に一定の幾何学的軸の周りの回転運動である穿刺運動を起こすことができるランセット駆動具(21)を備えた穿刺器具において、特に前記幾何学的軸が部品接続用要素(4)を貫通する方向に伸びていることを特徴とする穿刺器具。
【請求項2】
特に複数枚のランセット(10)を擁するランセット供給リボンを充填する場である貯蔵座、ならびに該貯蔵座に充填されたランセット供給リボンに収納されているランセット(10)を一枚ずつ順番に装着使用位置に搬送し当該ランセット(10)の部品接続用要素(4)においてランセット駆動具(21)が該ランセット(10)に接続することを可能にする搬送機構を有することを特徴とする請求項1記載の穿刺器具。
【請求項3】
穿刺器具で使用するためのものであると共に、ランセット先端部(3)を併せ持つほか穿刺器具(20)が備えるランセット駆動具(21)がランセット(10)への接続を果たし該ランセット(10)に回転運動を起こさせることを可能にする部品接続用要素(4)をも有するランセット胴体部(2)で構成されるものであり、さらには穿刺傷を作るために使用されるものであるランセットであって、特に、体液試料の評価を行なうためのものであって前記ランセット先端部(3)が穿刺傷を作りその後該穿刺傷から引き抜かれた後でしか体液試料の送入が始まることにはならない構成の試験実施部位(5)を有することを特徴とするランセット。
【請求項4】
評価対象の体液試料を受け取るための試料受入れ用具(6)はランセット胴体部(2)上に形成されるが、ランセット先端部(3)自らが作った穿刺傷から該ランセット先端部が引き抜かれた後の段階においてしか当該試料の受け取りを開始できないようにするに十分な距離だけランセット先端部(3)から離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項3記載のランセット。
【請求項5】
試料受入れ用具(6)はランセット先端部(3)から少なくとも2mmの間隔だけ離して配置されていることを特徴とする請求項4記載のランセット。
【請求項6】
部品接続用要素(4)がランセット先端(3)よりも近くなる位置に試料受入れ用具(6)は配置されていることを特徴とする請求項4または5記載のランセット。
【請求項7】
ランセット先端部(3)の位置と部品接続用要素(4)の位置との間隔の0.4倍ないし0.7倍に相当する距離だけ部品接続用要素(4)から離れた位置にある地点をすくなくとも一箇所含むものであって、かつランセット胴体部(2)上にある領域を試料受入れ用具(6)としていること、さらにこのような少なくとも一箇所の地点がランセット先端部(3)から少なくともランセット先端部(3)と部品接続用要素(4)とを隔てる距離と等しい距離だけ離れて位置することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のランセット。
【請求項8】
部品接続用要素(4)がランセット先端部(3)と試験実施部位(5)とのあいだに配置されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のランセット。
【請求項9】
部品接続用要素(4)と試験実施部位(5)とのあいだの距離の1.5倍ないし1.9倍に当たる距離だけランセット先端部(3)と部品接続用要素(4)とのあいだが離れていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載のランセット。
【請求項10】
部品接続用要素(4)は開口であってその周縁部が描く輪郭線形状が真円ではないことを特徴とする請求項3〜9のいずれか1項に記載のランセット。
【請求項11】
穿刺傷を作るためのランセット先端部(3)に加えてランセット(10)を封入している包材(11)を切り裂くために前記ランセット胴体部(2)に爪(30)が配設されてなることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項に記載のランセット。
【請求項12】
試料受入れ用具(6)が様々な湿潤性を持つ一片の素材であることを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項に記載のランセット。
【請求項13】
一片の素材(6)の少なくとも一部分には試験試薬が含浸され、体液試料の評価をするための試験実施部位となることを特徴とする請求項12記載のランセット。
【請求項14】
その各々がそれとひと繋がりであるランセット先端部(3)を有するほか、当該ランセットに回転運動を生起させることを目的として、穿刺器具(20)に備わったランセット駆動部(21)と接続を形成するための部品接続用要素(4)を有するランセット胴体部(2)で構成されるランセットの複数枚を一枚ずつ個別に包材フィルム(11)で形成された収容室(12)に封入するとともに該収容室が一列に繋がって形成された複数枚のランセット(10)を備え、該包材フィルム(11)の収容室(12)がリボンを形成してなるランセット供給リボン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は回転トルクの伝達のための部品連結用素子を有する交換式のランセット(穿刺、傷口作成用メス)によって穿刺傷を作る機構の穿刺器具を前提としてなされたものである。ここで言う穿刺器具はランセット駆動具をその構成部材のひとつとし、このランセット駆動具は、その部品連結用素子により該ランセット駆動具に接続、装着されたランセットに回転トルクを加える。
【背景技術】
【0002】
このような機構を有する穿刺器具ならびにそれとはまり合う平板形状ランセットは米国特許第5951582号明細書に開示がある。ここで開示された平板形状ランセットに形成されている部品連結用素子はランセット駆動具のペグ(保持具小片)がはまり込むような、一種のスリットといえる形状の素子である。穿刺傷を作る動作時にあって、このペグは該スリット内で滑り移動し、この移動時にランセットに回転トルクを付与するものであり、この結果、装着されたランセット先端部がアーチを描くような動きをすることになる。
【0003】
穿刺器具ならびにそれにより使用するべくデザインされたランセットを必要とする人には、たとえば糖尿病患者があげられる。糖尿病患者にあっては毎日数回に渡って自らの血液中の糖濃度のレベルを測定する必要があり、そのたびに身体の一部、一般には指先に穿刺傷を作りそこから、何らかの測定器具により該試料中のグルコース濃度を測定するための体液試料を採取することが必要となる。このように背景において、たとえば国際公開第2004/086970号パンフレットには、糖尿病患者がグルコース濃度の測定に費やす作業をでき得る限り簡単なものとすることを目的として、穿刺傷から採取した体液試料の評価試験を実施するための試験実施部位をも併せ持つランセットが開示されている。
【0004】
ランセットは消耗品であり使用数量が大きくなることから糖尿病患者の治療費に占めるランセット費の割合も大きくなっている。ランセットの生産費用を小さくする目的で広く採用される手段として知られる方法にランセットをその先端部と胴体部をひと繋がりのものとしてリボン形状の金属材から打ち抜く方法があり、その例としては国際公開第2004/086970号パンフレットに開示されているものがある。一方、欧州特許出願公開第1346686号明細書にはシート形状の金属材からエッチング技術によってランセットを生産する手法が開示されている。ランセットの生産において、シート形状の金属材に替えて珪素系素材やセラミック素材などの非金属材を用いる手法もたとえば国際公開第2005/084530号パンフレットに記載がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような状況にあって、本発明は糖尿病患者が自身で実行する療養作業の簡便化する方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明のこの目的は、請求項1に記載した特徴を有する穿刺器具、請求項3に記載した特徴を有するランセット、請求項14に記載した特徴を有するランセット供給リボンによって達成できる。これら請求項に記載の発明を本目的の達成との観点においてより一層有利なものとする本発明のより具体的な特徴は従属項として記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の穿刺器具に装着されたランセットは、該穿刺器具の内部において回転運動し、この運動によって穿刺傷を生成するものである。該回転運動の回転軸の延長線は部品連結用素子である凹み穴ないしは切り抜き孔のごとき開口部を貫通する。またこの開口部は完全な円からは隔たった輪郭を有するものであることが望ましい。このような手段を採用することで、ランセット先端部を然るべきレベルの高い速度にまで加速し、該先端部が突っ突くようにして、ほとんど痛みを与えることなく穿刺傷を形成することが可能になる。
【0008】
本発明に係るランセットはその先端部と胴体部とがひと繋がりになっているものであり、たとえば、レーザー光によってリボン形状の金属から一つずつ切り出す手法によって安価な生産費にて生産できるものである。
【0009】
レーザー光による切断という技法によりリボン形状の金属から切り出された金属片にあっては、その切断部の縁に特徴的な沈積物が現れるのが一般的で、該沈積物は当該金属ないしは当該金属の酸化物でありレーザー光ビームの作用によって、該金属が溶融され、または金属酸化物にまで化学変化を起こし形成されるものである。パンチングによって切り出される金属片はその縁部分が極端に鋭利となるもので、このことからレーザー光で作成されたランセットはパンチングによって作成されたランセットとはすぐに見分けが付くものである。
【0010】
ランセットは従来から多年数に渡り大量数のロットで生産されて来ているににもかかわらず、本発明に基づいてレーザー光を使用することで生産費用の更なる節減が達成できることになる。金属製部品を作成するパンチング工程に換わるものとしてのレーザー光による切断工程は、それが少量ロットでの生産のためのものである場合、工学関連領域の内にあって医療器具とは異なる分野では頻繁に採用される工程である。少量ロットの生産品にあってはレーザー光による切断という手法を採用することでパンチングによる手法よりも生産費を節減できることの要因が、生産費単価を低下させるには作成対象物の切断輪郭形状ごとにそれ専用のパンチング工具が必要となりその作成費を大量数の生産品に分配することが必要であるが、レーサ光を利用する場合にはそのように分配が必要な初期投資費用が発生しないことにあると考えるのが一般である。従って、ランセットの生産において、その生産ロットの数量が大きいものであるにもかかわらず、レーザー光による切断という手法を採用することでパンチング手法を採用する場合よりもその生産費単価を低くできるとするとそれは驚愕すべきことなのである。
【0011】
具体的には、生産するランセットがいわゆる機能複合型ランセットである場合にはレーザー光による切断工程の採用によってランセットの生産費単価の節減が可能となるというものであり、ここで機能複合型ランセットとは、穿刺傷から採取される体液試料の評価を実施するための試験実施部位をも併設された型のものをいう。この種のランセットであり、当該分野の最新の技術によるものであって、さらにランセット胴体部のほかに比色試験によるないしは電気化学的手法による濃度測定を実施する部位をも併せて有するタイプのランセットの生産にあっては幾種類もの互いに異なる加工技術を必要とし、ランセット胴体部や先端部のような金属製の部品の加工技術を必要とする一方、試験実施部位のごとき非金属製の部品を作成するための加工技術をも必要とする。このようにそれぞれ異なる分野の技術については互いが妨害を及ぼし合うことの無いように適宜調整されることが必要で、このような要求を充足して初めて大量生産が達成できる設備の導入において、これら併用する加工技術の種類の数が増えれば増えるほど多額の設備費が必要になる。また組み合わされる生産工程の工程はその各々がそれぞれ固有の動作効率しか示さないため、これら複数の工程をつなぎ合わせてなる加工工程全体としての動作効率は非常に低いレベルのものになってしまう危険性が高い。
【0012】
当該技術分野における最新のものでかつ広くその利用が一般化しているエッチングやパンチング加工などの加工手法とは異なり、レーザー光により切断するという加工手法は金属製のランセット構成部品のみならず非金属製のランセット構成部品、すなわち当該ランセットの一部である試験実施部位を構成すると共に当該実施される試験で必要になる試薬を含有する高分子繊維布製の部品の作成にも利用することができる。このようにレーザー光を使うことでランセット先端部とひと繋がりになったランセット胴体部をシート状の金属材から切り出すことに加えて、高分子繊維布を所与のサイズに切断しその縁部分を融着固定し、さらにはそのようにして作成されたランセットを包装用フィルムで包み封入するまでの工程が実行できるようになる。
【0013】
グルコースなど分析対象成分の濃度を(たとえばその外観色の変化によって)示すことができる試薬成分を含浸させた試験実施部位は非常に敏感であり、試験実施部位を含むような構成で作成されたランセットは、その使用が始まるまでのあいだは乾燥した環境で保存すること、周囲から妨害が加わらないように保護することが必要となる。このような要請は当該ランセットをプラスチック素材の包装材で個包装、封止することでうまく充足することができる。この包装、封入の工程にはレーザー光の利用が好適である。
【0014】
本発明の上記とは異なる特徴は、本発明の方法とは別の方法により作成されるランセットに対しても同様に有用性を持つものであり、従ってそれ自身でも有用性を持つものともいえるが、ランセットがフィルム材で形成された一連の封入室内に一つずつ挿入、封入されてランセットリボンが形成されるところにある。このような形状のランセットリボンは、たとえば、プラスチックフィルム上にランセットを並べ置いて、その上方から第二のプラスチックフィルムを覆い被せてこれら二枚のフィルム同士を接着し、空気の通過を阻止された密封室が連続して並ぶように形成されたものである。
【0015】
本発明に含まれるのであるが、リボン形状の金属材から切り出すことで作成されるタイプのランセットである平面型ランセットにあっては、該ランセットに回転動を生起させるだけでこのようなフィルム包材からごく簡単に取り出すことが可能である。本分野の最新の技術に基づき作成されたランセットにおいて採用される直線的な穿刺動作に換えて回転動作をするランセットを採用し、これにより体液試料を採取するための穿刺傷を付与することが可能となる。ランセット先端部が穿刺動作するにあたってそれが180°以下の範囲内でアークを描くような回転動作をするのが望ましく、90°以下の範囲内であることがより好ましく、さらには45°以下の範囲内でアークを描くような回転動作をするものであることがより一層好ましいことを発見した。
【0016】
その形成が最も容易な部品連結用素子は前記したランセット胴体部に開口を設けそれを該素子とすることである。このように設けた開口部すなわち部品連結用素子には、ランセット駆動具からランセットに回転トルクを加えために、当該穿刺器具のランセット駆動具が型バメ形式で接続される。この接続を完成するためにはランセット駆動具の駆動素子、たとえば前記開口部の形状とはまり合うような断面を持つシャフトを、駆動素子の回転運動がランセットに伝わるようにランセットの開口部にはめ込む。このような効果を得るために必要な開口周縁部分の形状は本質的にはそれが真円形状でない限り如何なる形状であっても良いものであるが、星型や四角形といった角を持つ周縁形状にするのがより好適である。なぜならこうすることでこの開口とランセット駆動具の駆動素子とのあいだの型バメ式接続はランセットの交換の度に解除されるが、その解除作業は、該形状が真円形から大きくずれている程簡単になるからである。
【0017】
以上の説明にあって、「型バメ式接続」とは、その結果回転運動を生起させる力の伝達が当該接続において互いに向い合う相手の面の法線方向に生じることを意味する。接続相手として向い合う面とは、その一方がシャフトなどの接続素子の外側壁面であり、その面はランセット胴体部に設けられた開口部、貫通孔であることが一般的であるこの開口部の縁に存在する内側面と向い合う面である。ランセット胴体部は平板状であるのが一般的で、ここでいう開口部の縁にあたる内側面とは非常に狭いものであり、一本の縁取り線であったり極端な場合には一本の線ともなるような面であったりするこの面を前記駆動素子は押し付けるごとくして回転トルクを加える。
【0018】
ランセットが回転運動を行なうような力が加えられる部分である部品連結用素子が形成されたランセット、ならびにこのランセットが使用できるものであって、その内部に装着された該ランセットにランセット駆動具から回転トルクが加えられることで該ランセットが回転運動、すなわち穿刺動作を起こすことになるという構造の穿刺器具によってもたらされる利点は、当該ランセットがその先端部と胴体部とがひと繋がりのものとしてパンチングによりリボン状の金属材から作製されたものであっても、またはそれ以外の方法により生産されたものであっても、該ランセットがレーザー光により切断する方法によって作製されたものである場合と同様に享受できるものである。従って、既に記載したフィルム包材で形成された個装室の各々に一つずつランセットを収納してなるリボン状のランセット供給リボンが本発明の特徴の一つであると同様に、部品接続用素子をランセット胴体部に有しそれを介して該ランセットを穿刺器具のランセット駆動具と接続することができ、その結果該ランセットに回転運動が生起せられるランセット、ならびに該ランセットに対応した構造の穿刺器具も本発明の別なる特徴の一つである。
【0019】
実施形態に沿ってまた添付図の対応箇所を示しながら、以下に本発明の更なる詳細ならびにそれがもたらす効果を説明する。異なる図面に示されるものの互いに同等ないしは相当する部品については同じ部品番号が与えられている。実施形態として開示した本発明の特徴はそれぞれを別々の請求項において定義することもまたは任意に組み合わせて一つの請求項に定義することも可能である。添付図については以下の通りである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ある実施形態における平板型ランセットを生産する方法にしたがった実施形態に関して図1ないし図4を利用しながら以下に説明を加える。レーザー光による切断という手法を利用しその先端部3を含むランセット胴体部2が複数個同時進行で図1に示したリボン状の金属材1から切り出される。ここで示す実施形態にあっては、このリボン状の金属材1はその厚さが50〜200μm、より好ましくは60〜100μmの厚さを有する金属シート材である。ここでレーザー光による切断を実施するに当たり、たとえばNd:YAGレーザー光を用いることが可能である。
【0021】
リボン状の金属材1を切断するに当たりレーザー光のビームの位置を固定し、このリボン状の金属材1を移動させるように操作する方が作業効率の点で良くなる。しかし、自明の通り当該リボン状の金属材1表面上でレーザー光ビームの焦点位置を移動させてこの切断を実施することも可能である。溶融切断や昇華切断といった方法とは異なる方法の内、トーチ切断という方法はリボン状の金属材1からの切り出しを進めるのに特に好適である。トーチ切断とは切断用ガスとして酸素を使用するもので、この酸素の存在が酸化反応すなわち金属の腐食効果を促進し、一定の出力におけるレーザー光ビームによる能力を増大化することになる。ノズルを用いて、当該リボン状の金属材1表面のレーザー光ビームの焦点位置にめがけて酸素を発射することでこの目的が達成される。基本的には、酸素に替えて別のプロセスガスや別のガス成分の混合物を用いることも可能である。一方、このようにプロセスガスや切断促進用ガスを使用せずに切断することも可能である。
【0022】
最初の作業段階においてはひとまず図2に示したような切断未完了の金属材リボンを得ることを目的に、当該ランセット各々の胴体部分2の一定部分のみを当該リボン状金属材1から切り出す。この過程において各ランセット胴体部分には2個ずつの開口4、5が切り込まれる。その内の一つ、開口4は真円ではない形状の輪郭線を持つ孔であり、ここに図示した実施形態にあっては星型形状が採用されている。この開口4は部品接続用素子であって、ここに穿刺器具のランセット駆動具が接続できる。ランセットはこの部品接続用素子4によって回転運動することが可能となるものである。この状況については図6〜図9を用いてより具体的に説明することとする。
【0023】
図2に示したランセット胴体部にあるもう一つの開口5は真円形状の孔で試験実施部位となるものである。ここが試験実施部位として完成するにはこの後の作業段階において体液試料を評価するための試験試薬を含浸させた帯状物6がこの部分に必要で、たとえば糊付けするなどして、当該リボン状金属材に重ねて貼り付けられることが望ましい。図3に示したものにあっては図2に示した切断未完了の製品にこの帯状物6が糊付けされている。ここで採用されている試験試薬は侵入してくる体液試料と接触すると当該帯状物6の色に変化を生じさせるものであり、またその変化後の色の濃さがたとえばグルコースのような評価対象成分の濃度の違いに依存して決まるものである。濃度測定用の比色試験のためにここで使用するのに好適な試験試薬については、これらがグルコース濃度の測定などを目的として市販されているものにすぎないことから、ここではその詳細の説明を省くこととする。体液試料の評価試験が進行するには当該試料をこの試験実施部位5に到達しなければならないがこれは当該帯状物6を該試料液で濡らすことで完結する。これに先立つ準備段階においてこの帯状物6を所定のサイズに切断することが必要な場合にあってはリボン状の金属材1を切断するために使用すると同じレーザー光を利用しても良い。
【0024】
試験試薬を含浸させた帯状物6を貼り付けた後の作業段階において、それまで未切断で残されているランセット胴体部2をその輪郭線に沿って切断し、図4に示した複数枚のランセット10を完成する。切断された部分の仕上がりの優劣の観点からは、その切断作業において、試験試薬を含浸された帯状物6がレーザー光ビームの光源側に来るような配置とし、該帯状物6が切断された後にその下側、レーザー光の光源から遠い方に位置するリボン状の金属材1が切断されるようにするのがより好適である。
【0025】
試験試薬を含浸させた帯状物6は、該試薬のほか、高分子繊維で構成されるものであって良く該繊維がフリース、フェルト、または織布の何れとして与えられるものであっても良い。該帯状物6の周縁部ではレーザー光による溶融現象の結果として繊維が互いに融着し周縁部でのピリング発生を防止する。
【0026】
ランセット先端部3については、次の作業段階において、該先端部3に属する面を傾斜面に加工することが望ましい。この作業前においては該先端部3に属する面は平坦である。すなわち、図4に示したランセット先端部3の周縁部分7を刃物の刃のような形状に加工することが望ましい。たとえば、ランセット先端部3および/または先端部外縁線一つを、当該ランセット胴体部2を形成する平面に対して傾いた角度の面に加工することが望ましい。ランセット先端部3を傾斜面に加工することで、穿刺傷を作るに当たり該先端部3がより少ない抵抗で当該使用者の皮膚表面に入り込むことが可能となりそれに伴う痛みをより小さくできる。
【0027】
さらにその後の作業段階において、図5に示した通り完成したランセット10は一枚ずつ包材フィルム11で形成された収納室に封入される。図5はランセット供給リボンを図示するものであり、該リボンにあっては複数枚のランセット10が一枚ずつに分離されそれぞれが独立した包材フィルム11で形成された収納室12に収納され、収納室12はその複数個がリボン形状に連なっている。図5に示したランセット供給リボンを形成するために用いる包材フィルム11については、ブリスターパッケージにするための包材を採用しても良く、上下二枚のフィルムを採用しても良く、または一枚の長いフィルムをその長手方向に二つ折りして使用するやり方で採用しても良い。これらのいずれにあっても各々の収納室12については気密性を持たせた形で封止する目的で図5に示されたような融着用ライン13に沿って融着できるものとする。ランセット10を一枚ずつ封入するための包材フィルム11とするにはプラスチック製フィルムを採用するのが好適であり、それが熱可塑性のプラスチック素材から選ばれるのがさらに好適である。ライン状の融着部13はリボン状の金属材1を切断するのに使用するのと同じレーザー光を利用して形成できる。この作業にあっては、当該レーザー光のビームを適宜その目的で設計された構成に光学系によって当該融着部13ライン位置に沿って移動させるのが好適である。このような光学系として好適なものには、たとえば光学スキャナーがある。しかし一般的には図5に図示したようなライン状の融着部13は接着剤を使用する接着封止で代替することも可能である。
【0028】
図6は本発明の一実施形態における穿刺傷を作るための穿刺器具20の模式図を示すものである。この穿刺器具20には図5に示したタイプのランセット供給リボンが充填されている。図6に示した穿刺器具20は交換型のランセット10によって穿刺傷を作ろうとするものであり、本器具20に装着されたランセット10を動かし該ランセット10に穿刺傷をつくらせるランセット駆動具21を備える。このランセット駆動具21は穿刺傷を作ることを目的として装着されたランセット10に回転トルクを伝達し、ランセット10は該回転トルクに対応した回転運動すなわち穿刺傷を作るための動作をすることになる。このときの回転運動は当該ランセットの部品接続用要素4を貫通する幾何学的な意味での回転軸を回転の中心とするものである。
【0029】
このランセット駆動具21には一本のシャフト21からなる駆動用要素が備えられている。該シャフト21の形状は部品接続用要素4である凹み部分にはまり込むものであり、はまり込むことでランセット10との接続を果たす。またこの凹み部分とは、図に示した実施形態にあっては星型をしているものである。この駆動用要素21はその先端が尖った形につくられており前記した包材フィルム11を簡単に突き破ることができる。またここで、前記回転運動の中心となる幾何学的回転軸は前記した平板型ランセット2の平面と垂直に交わるものである。
【0030】
駆動要素部品21の回転運動は当該ランセット10を僅かな(望ましくは15°以上の大きさの)角度分だけ矢印Aで示した方向に回転させるものである。このようにランセット10が回転することでランセット先端部3が穿刺器具の開口部分に押し付けられた身体部分23に穿刺傷を作ることになる。このような穿刺傷を作る動作にあって、ランセット先端部3は一定の平面の上に留まった形の回転運動をするものである。ランセット先端部3の動きはアーク形すなわち円弧を描くものである。このようなことから、ランセット10はその重心が部品接続用要素4の配置位置にくるように設計するのが望ましい。本発明の図示した実施形態にあってもそのような設計となっている。このようなことから、部品接続用要素となるランセット10上の凹みの位置は当該ランセット10の物理学的重心と重なるように設計され、回転運動に伴う不均衡運動モーメントの発生が最小限に留まることになる。回転運動を行なうことでランセット先端部3は包材フィルム11を切り裂き初めて封から外に露出することから、ランセット10は使用が開始される直前まで外部環境からの影響から保護されていることになる。このランセット先端部3はこのような回転運動によって包材11を切り裂いた後、まずは準備態勢の姿勢(図示せず)に着く。一般的にはこの準備態勢姿勢で数秒間静止し、次に穿刺動作を開始するべく加速力が加えられるのを、すなわち更なる一定角度分だけの回転運動させられるのを待つことになる。このように構成することで実際の穿刺運動を行なう段階にあっては、包材がその運動の速度を減じるような作用を及ぼすことを避けることが可能となる。しかし、基本的には、必ずしもこのような構成とせず穿刺運動の過程で包材フィルムを切り裂く、すなわちひとまず準備態勢に入りそのための回転運動の中で包材を切り裂くという段階を踏まない構成とすることも可能である。
【0031】
穿刺傷を作る動作はすばやい穿刺動作とその後の引き戻し動作によって構成されるものである。従って、ランセット10の回転運動は当該ランセット先端部3が穿刺傷に関してあらかじめ設定された深さに達した時点でその方向が反転するようにランセット駆動具21が操作されることになる。すばやく穿刺動作と反転動作が実行されることでそれに伴う痛みは軽減できる。
【0032】
穿刺傷が形成された後、ランセット10はその先端部3が穿刺器具の開口部分22から離れていくように回転させられ、ランセット10とは反対側、すなわち試験実施部位5が形成されている側が該開口部分22から突き出る配置、試料採取姿勢に着き、前段で作られた穿刺傷から供給される体液を評価用試料としてその試験実施部位5に付着させることになる。
【0033】
ここに図示した本発明の実施形態にあっては試験実施部位5への体液の付着操作が終わると当該ランセット10はランセット駆動具21によって約180°回転させられ、前記試験実施部位5は穿刺器具20に備えられている測定用具24に近接した位置に移動する。この測定用具24は当該試験実施部位5の色の変化の有無を検知しまたは該変化の程度を比色分析によって測定するのに使用するものである。その色の変化を比色試験で測定するための試験試薬を含浸させた試験実施部位にかえて電気化学的手法による濃度判定のための試験実施部位を採用することもできる。
【0034】
以上説明した通りの構成とすることで穿刺傷から試験対象の試料をきわめて簡単かつ該器具の使用者にストレスを与えることなく獲得できることになる。ここに開示したランセットに特有の特徴は作られた穿刺傷からランセット先端部3が引き抜かれた後の時点になってはじめて体液試料が試験実施部位5に供給されることである。この構成はランセットの先端から試験実施部位まで繋がった毛細管を通して試験対象の試料の供給される構成の従来のランセットと本発明の実施形態に採用されるランセットとを区別するものである。このようなことから部品接続用要素4はランセット先端部3と試験実施部位5とのあいだに配置されることになる。
【0035】
図に示した本発明の実施形態にあっては帯状物6から試験対象の体液試料を受け入れる試料受入れ用具が形成されることになる。これは試料受入れ用具は試験実施部位と一体化されていることを意味する。本発明の実施形態におけるランセットにあっては、その試料受入れ用具6はランセット先端部3からは離れた位置に設けられ、その結果ランセット先端部3が直前に作られた穿刺傷から引き出された後になってしか試料の受入れ工程が開始できない構成になっている。このような構成の試料受入れ用具はランセットの外周縁部分からまたは試料供給源となる位置から当該試験実施部位5までを結ぶ毛細管群として形成しても良い。
【0036】
試料受入れ用具6はランセット先端部3よりも部品接続要素4の方が近くなる位置に配置される。試料の受入れ動作が可能な限り軽便なものになることから、この試料受入れ用具6をランセット先端部3から2mmないしはそれ以上離れて配置するのが有利である。
【0037】
穿刺動作としてランセット先端部をそれが器具の開口部分22に位置するまで回転させ、次に試料の受入れプロセスとして試料受入れ用具6をそれが該器具の同じ開口部22に位置するまで回転させるという手順が有効に機能するためには、試料受入れ用具6をランセット胴体部2の特定位置すなわち本発明の図示した実施形態における場合と同様の領域に形成することが有利である。この場合にあって、この領域はその領域内の少なくとも一箇所がランセット先端部3と部品接続用要素4とのあいだの距離の0.4ないし0.7倍の長さだけ部品接続用要素4から離れており、かつランセット先端部3と部品接続用要素4とのあいだの距離と少なくとも同じ距離だけ該ランセット先端部3からも離れているように配置される。ここで、試料受入れ用具6に属する領域がその領域内に属する上記の一箇所とは異なる一箇所がランセット先端部3と部品接続要素4とのあいだの距離と少なくとも同じ距離だけランセット先端部から離れていることにもなるように配置、設定されていると特に有利である。また、図示した本発明の実施形態におけるようにランセット先端部3と部品接続用要素4とのあいだの距離が部品接続用要素4と試験実施部位5とのあいだの距離の1.5倍ないし1.9倍となるように配置するのも有効である。なお、ランセット先端部3とはランセットが穿刺穿刺傷を作る方向に動くときにあってランセット中で最先頭のポイントとなる部分を言うものである。
【0038】
測定用具24を上記したケースとは異なる特定の位置に配置することで試験実施部位5の状態の分析がランセットを試料受入れ時の位置に留めたままで実行できるようになる。周囲から受ける影響によって、具体的には光の散乱に影響されることから、その実行が比較的に難しくなるものの、試料受け時のランセットの位置取りのままで測定対象項目に関する分析を実行することでランセットを再度回転させることが不要になり、すなわち送入された評価対象の試料を含有する試験実施部位5を包材フィルム11に囲まれた隙間を通して移動させるという工程がなくなる。このように試料受入れ時のランセットの位置取りした状態のままで分析を実行することで穿刺器具の内部に試料液体による汚染が発生する危険度を低くすることができる点でこのような構成は有利である。
【0039】
図示した穿刺器具20の内部にあって、図5に示したランセット供給リボンに収納されたランセット10はそれらが未使用であるものについては一箇所にまとめてスタック25として保管され、使用後のものについては別の一箇所にまとめて別のスタック26として保管される。これら二個所のスタック25、26は当該穿刺器具の開口部分22の右と左に位置する該穿刺器具内に設けられた二つの部屋に別々に形成される。このように構成するに当たって図5に示したランセット供給リボンを形作る包材フィルム11は該ランセット供給リボンの長手方向を横切る方向に走るライン状の融着部13に沿って折り曲げられている。本発明の一実施形態にあっては、穿刺器具20には複数枚のランセット10を擁するランセット供給リボンを充填する場である貯蔵座、ならびに該貯蔵座に充填されたランセット供給リボンに収納されているランセット10を一枚ずつ順番に装着使用位置に搬送し当該ランセット10の部品接続用要素4においてランセット駆動具21が該ランセット10に接続することを可能にする搬送機構が具備されている。このような構成に換えて、たとえば、穿刺器具の内部に充填されるランセット供給リボンを動力駆動されるローラー上に巻き上げておくこととしそれに対応した搬送機構を併せて具備することもできる。ランセット供給リボンの内、使用済みのランセット部分を保持するのにこのようなタイプのローラーを採用し未使用のランセット部分の保管には前記のようなスタック25を採用しても良く、またはローラーをもう一本用いてランセット供給リボンの未使用のランセットを収納する部分も同様に巻き上げて保持することとしても良い。
【0040】
図示した実施形態における穿刺器具20ならびにそれに対応したランセット供給リボンの利点の一つは各々のランセット10はその使用後に回転運動させて元の位置までもどし、元の包材フィルム11にて覆われるようにされることにある。このように構成されることで使用済みのランセット10は衛生的な状態にて当該穿刺器具中に保管できると共にランセット供給リボンの廃棄作業時にけるランセット先端部3によるケガの発生リスクが低下することになる。図示した実施形態においてランセット10の運動は、それが包材11を切り裂くものであれ、穿刺傷を作るものであれ、測定実行姿勢に着かせるものであれ、濃度評価の段階を終えて衛生的観点から包材11内にもどるためのものであれ、すべてが同じ一本の駆動要素部品で生起させられる。
【0041】
図7は本発明の上記とは異なる実施形態に関するもので、該図には包材フィルム11に収納された一枚のランセット10が図示されている。図7に示された実施形態におけるランセット10はこれまでに説明した実施形態におけるランセット10とは、ランセット先端部3に加えて爪30、より正確には二本の爪30がランセット胴体部2に直接続く形で形成されている。ここでランセット先端部3は穿刺傷を作るために使用されるものであり、爪30はランセット10を収納している包材フィルム11を切り裂くために使用されるものである。包材フィルム11を切り裂くために、ランセット10は、まずはじめ、図7において矢印Bで示した第一の回転方向に回転される。この最初の回転運動においてこれら二本の爪30が包材フィルム11のヘリ部分を切り裂くことになる。続いて、当該ランセット10は穿刺傷を作るために使用され、この目的で該ランセット10は先ほどとは反対方向の回転運動を行なうことになる。ランセット駆動具は、前記した矢印Bの方向への最初の回転運動に伴ってバネが緊張状態に移行するように構成されたバネ機構により動作するものが望ましい。
【0042】
二箇所にある爪30によって包材フィルム11を事前に切り裂いておくことで、そのあとに開始されるランセット先端部3の穿刺運動時にランセット先端部3自身が包材フィルムを切り裂く必要がなくなり、ランセット先端部3の穿刺運動はそれを妨害する要因のない状態で実行できることになる。これは穿刺運動が妨害を受ける状況で実行される場合に比べてより高速となり、それに伴う痛みも減少することからより有利な構成である。加えてランセット先端部3の刃先の鋭さが包材フィルム11の切り裂き時に多かれ少なかれ減じられるのを回避できることにもなる。
【0043】
穿刺動作の完了後には図8に示した姿勢にまでランセット10は回転させられる。この姿勢にあっては、当該試験実施部位5は穿刺器具の開口部分22から突き出ることになり、該試験実施部位5に体液試料が移動、付着することになる。この後、本発明の実施形態に係る図6に示した穿刺器具20の内部においてこのランセット10が180°回転させられ、それに伴い試験実施部位5も当該穿刺器具20の内部方向に回転移動することになる。この移動の結果、測定用具24を用いて試験実施部位5の色の変化を評価できることになる。図9には本発明の実施形態に係るものであって図6に示した穿刺器具20の使用に伴う試験実施部位5の色の変化を評価する段階におけるランセット10の姿勢を図示した。このようにしてなされる評価を終えるとランセット10は逆方向に回転させられ、図7に示した元の姿勢にまで戻ることになる。ランセット10はそれが廃棄されるまでこの姿勢に留まることになる。既に述べた通り、図6に係る実施形態とは異なる実施形態であって、特に測定用具24の配置について特定の構成を採用する場合には、ランセット10が図8に示した試料受入れ時の姿勢に留まった状態で評価を実施することができるものであり、こうすることで図9に示した姿勢にする必要がなくなる。
【0044】
試験実施部位5を形成するに当たって、試験試薬を含浸させた帯状物6をランセットの胴体部2またはリボン状の金属材1に糊付けする代わりに試験試薬を含有するペーストや液体をリボン状金属材1ないし該リボン状金属材1から切り出されるランセット胴体部2に直接塗布し、それが乾燥すると試験実施部位5ならびに試料受入れ用具となるように構成することもできる。以下に図10ないし図15を使いこのような代替構成を説明する。
【0045】
図10は既に説明を終えたレーザー光による切断手法を用いてランセット胴体部2ならびにランセット先端部3を切り出す元となるリボン状金属材1の一定部分を模式的に示すものである。このようにして切り出されるランセット10に試験実施部位5を形成するに当たり、ここで説明する実施形態にあっては、最初に二本の境界堤31、32をリボン状金属材1に糊付けする。境界堤31、32は一般には細い幅のプラスチックの帯で良くこれら二本をたとえば1mmないし3mmの間隔を保って平行に当該リボン状金属材1の上に配置される。図11には境界堤31、32が糊付けされたリボン状金属材1の一定部分を示した。このあとに来る段階の作業は比色法による濃度評価のための試験試薬を含有するペーストないし液体をこれら二本の境界堤31、32のあいだのスペースに塗布するものである。図12は境界堤31、32が糊付けされたリボン状金属材1の一定部分の平面図である。境界堤31、32のあいだのスペースには前記した試験試薬を含有する液体ないしペーストが保持されている。図13は図12に関わる断面図である。
【0046】
この作業の後にあって、塗布した液体ないしペーストが完全に乾燥され、これら境界堤31、32に挟まれたスペースが試験実施部位5を構成する帯状物6が完成する。境界堤31、32に挟まれたスペースに乾燥後に残される帯状物6の厚さは塗布された液体ないしペーストの固形成分含有量に依存して決まるものである。図15には境界堤31、32のあいだのスペースに塗布された液体ないしペーストが乾燥した後の状況を示す断面図を示した。図15に示した図は実際の寸法比率を必ずしも反映しているものではない。境界堤の厚みはたとえば20μm、乾燥後の試験試薬を含有する帯状物6の厚みはたとえば10μm、これらを下から支えるリボン状金属材1の厚みはたとえば80μmである。図14は図15に関わる平面図である。
【0047】
ここで説明した図10ないし図15に関わる方法を採用して形成される試験実施部位5を有するランセットには、図2に示した開口5は基本的に存在しない。このことから試験実施部位5の色の変化を比色法で評価するときに使用する試験測定用具24は、評価を実施する段階にあっては、試験実施部位5が形成されているのと同一のリボン状金属材1表面に配置されることになる。しかし、これとは異なり、帯状物6が、図1ないし図4に関係する実施形態の場合であって、ランセット胴体部2に形成された開口5の上を覆って糊付けされたものである場合には、ランセット胴体部2に設けられたこの開口5が存在することが原因して比色法による測定用具が反対側に配置され、その結果ランセット胴体部2が試験実施部帯域6と測定装置とのあいだに位置することになる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】レーザー光を用いてこの金属材からランセット先端部とひと繋がりになったランセットの胴体が切り出される、シート状の金属材の一片を示す。
【図2】リボンから部分的に切り出されているランセット胴体部を含む、リボン状の金属材から切り出されている、既に部品の切り出しが進んでいる部分を示す。
【図3】図2に示した既に部品の一部の切り出しが進んでいる金属材と、金属材に付与された試験試薬を含浸した試験片を示す。
【図4】一実施形態に関わり、完成された複数枚のランセットを示す。
【図5】図4に示した実施形態に関わる複数枚のランセットに、一実施形態において採用された方法にしたがって包装を施し完成されたランセット供給リボンを示し、これらランセットはその各々が包装材フィルムで形成される個々の収納室に一つずつ収納され密封されている。
【図6】図5に示したランセット供給リボンが充填されている、穿刺器具を示す一実施形態を示す。
【図7】包材フィルムの収納室に封入されている、本発明の別の実施形態におけるランセットを示す。
【図8】ランセットが試料を受け取るために回転させられ、包材フィルムの収納室から突き出されている、図7に示した実施形態を示す。
【図9】ランセットを使用後、測定実行姿勢についている、図7および図8に示した実施形態を示す。
【図10】境界堤が付与されており、これら境界堤のあいだの領域には試験試薬を含有する液体が塗布され試験実施部位が形成される、リボン状の金属材1の一部分を示す。
【図11】図10に関係する断面図である。
【図12】図10に示したリボン状の金属材であり、さらには所定の液体が塗布されている。
【図13】図12に関係する断面図である。
【図14】リボン状の金属材であり、塗布された液体はその乾燥を終えている。
【図15】図14に関係する断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 リボン状金属材
2 ランセット胴体部
3 ランセット先端部
4 部品接続用要素
5 試験実施用部位
6 試験用試薬を含有する帯状物
7 ランセット先端部の外縁線
10 ランセット
11 包材フィルム
12 包材フィルムの収納室
13 ライン状融着部位
20 穿刺器具
21 ランセット駆動具
22 器具の開口部分
23 本体部分
24 測定用具
25 未使用ランセットの山
26 使用済ランセットの山
30 開封用の爪
31 境界堤
32 境界堤
A 矢印の方向が穿刺動作時の回転運動の向きである。
B 矢印の方向が包材を開封する時の回転運動の向きである。
【出願人】 【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
【出願日】 平成19年7月10日(2007.7.10)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太


【公開番号】 特開2008−43741(P2008−43741A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−180830(P2007−180830)