| 【発明の名称】 |
内視鏡用クリップ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 幸
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| 【要約】 |
【課題】少なくとも先端部分付近が密着巻きコイルで形成された可撓性シースに熱収縮チューブを被覆した構成をとったときに、密着巻きコイルの先端を前方に伸ばす力が作用しても密着巻きコイルが熱収縮チューブの最先端部分内から前方に伸び出さず、初期の優れた作動性を維持することができる内視鏡用クリップ装置を提供すること。
【構成】密着巻きコイル11の最先端部分付近の軸方向に位置をずらした複数箇所においてコイル巻きの境界部にスポット溶接31,32,33を施し、密着巻きコイル11を含め可撓性シース10に全長にわたって熱収縮チューブ25を被覆した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも先端部分付近が密着巻きコイルで形成された可撓性シース内に操作ワイヤーが挿通配置されて、前記操作ワイヤーの先端には、生体組織に食い付かせて留置するためのクリップに対して分離可能に連結されるクリップ連結部材が取り付けられ、前記操作ワイヤーを前記可撓性シースに対して後方から押す操作をすることにより、前記クリップ連結部材が前記可撓性シースの先端から前方に突出して前記クリップ連結部材と前記クリップとの連結を外すことができる状態になるように構成された内視鏡用クリップ装置において、 前記密着巻きコイルの最先端部分付近の軸方向に位置をずらした複数箇所においてコイル巻きの境界部にスポット溶接を施し、前記密着巻きコイルを含め前記可撓性シースに全長にわたって熱収縮チューブを被覆したことを特徴とする内視鏡用クリップ装置。 【請求項2】 請求項1に記載された内視鏡用クリップ装置において、前記熱収縮チューブがフッ素樹脂製である内視鏡用クリップ装置。 【請求項3】 請求項1又は2に記載された内視鏡用クリップ装置において、前記密着巻きコイルが金属製である内視鏡用クリップ装置。 【請求項4】 請求項1から3の何れかに記載された内視鏡用クリップ装置において、前記スポット溶接がレーザ溶接で行われている内視鏡用クリップ装置。 【請求項5】 請求項1から4の何れかに記載された内視鏡用クリップ装置において、前記密着巻きコイルの最先端部分では前記コイル巻きの1ピッチ間に複数のスポット溶接が施されて、それより後側の位置では1ピッチ毎に一個のスポット溶接が施され、さらにそれより後側の位置では1ピッチより大きな間隔をあけてスポット溶接が施されている内視鏡用クリップ装置。 【請求項6】 請求項5に記載された内視鏡用クリップ装置において、前記密着巻きコイルの最先端部分では周方向に180°異なる二方向の位置に前記スポット溶接が施されている内視鏡用クリップ装置。 【請求項7】 請求項5又は6に記載された内視鏡用クリップ装置において、前記1ピッチより大きな間隔をあけてスポット溶接が施されている領域では、2ピッチ毎に一個のスポット溶接が施されている内視鏡用クリップ装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、内視鏡用クリップ装置に関する。 【背景技術】 【0002】 内視鏡用クリップ装置は一般に、可撓性シース内に操作ワイヤーが挿通配置されて、操作ワイヤーの先端には、生体組織に食い付かせて留置するためのクリップに対して分離可能に連結されるクリップ連結部材が取り付けられ、操作ワイヤーを可撓性シースに対して後方から押す操作をすることにより、クリップ連結部材が可撓性シースの先端から前方に突出してクリップ連結部材とクリップとの連結が外れるようになっている。そして、内視鏡の挿入部先端の湾曲部内をスムーズに通過することができるように、可撓性シースの少なくとも先端部分付近は柔軟な密着巻きコイルで形成されている(例えば、特許文献1、2)。 【特許文献1】 実公昭51−53667号公報 【特許文献2】 特開2002−191609号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上述のような内視鏡用クリップ装置の可撓性シースを形成する密着巻きコイルはステンレス等のような金属材で形成されていて、フッ素樹脂等に比べると滑り性がよくない。また、可撓性シースの密着巻きコイル以外の部分は、強力な耐座屈性が必要なためPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等を用いる必要があり、これもフッ素樹脂等に比べると滑り性がよくない。そのため、内視鏡の処置具案内管内の通過が重くなり(可撓性シースの外面に外套管が被覆されているものでは、外套管との間の進退動作が重くなり)、スムーズに使用できない状態になる場合がある。 【0004】 そこで、滑り性のよいフッ素樹脂製の熱収縮チューブを可撓性シースの外面に全長にわたって被覆すれば、可撓性シースの外面の滑りがよくなって、スムーズに使用できるようになる。しかし、そのような構成にすると、図5に示されるように、クリップ1からクリップ連結部材2を外すために操作ワイヤー3を可撓性シース4(密着巻きコイル4aと可撓性チューブ4b)に対して後方から押す操作が行われて、可撓性シース4の先端に前方に伸ばす力が作用したとき、自己の熱収縮力だけで可撓性シース4に被覆固定されている熱収縮チューブ5の最先端部分内から密着巻きコイル4aが前方に伸び出し、その状態が修復されなくなって作動不良になってしまう場合がある。6が、その伸び出し部分である。 【0005】 本発明はそのような問題を解決するためになされたものであり、少なくとも先端部分付近が密着巻きコイルで形成された可撓性シースに熱収縮チューブを被覆した構成をとったときに、密着巻きコイルの先端を前方に伸ばす力が作用しても密着巻きコイルが熱収縮チューブの最先端部分内から前方に伸び出さず、初期の優れた作動性を維持することができる内視鏡用クリップ装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 少なくとも先端部分付近が密着巻きコイルで形成された可撓性シース内に操作ワイヤーが挿通配置されて、操作ワイヤーの先端には、生体組織に食い付かせて留置するためのクリップに対して分離可能に連結されるクリップ連結部材が取り付けられ、操作ワイヤーを可撓性シースに対して後方から押す操作をすることにより、クリップ連結部材が可撓性シースの先端から前方に突出してクリップ連結部材とクリップとの連結を外すことができる状態になるように構成された内視鏡用クリップ装置において、密着巻きコイルの最先端部分付近の軸方向に位置をずらした複数箇所においてコイル巻きの境界部にスポット溶接を施し、密着巻きコイルを含め可撓性シースに全長にわたって熱収縮チューブを被覆した。 【0007】 なお、熱収縮チューブがフッ素樹脂製であってもよく、密着巻きコイルが金属製であってもよい。また、スポット溶接がレーザ溶接で行われていてもよい。 そして、密着巻きコイルの最先端部分ではコイル巻きの1ピッチ間に複数のスポット溶接が施されて、それより後側の位置では1ピッチ毎に一個のスポット溶接が施され、さらにそれより後側の位置では1ピッチより大きな間隔をあけてスポット溶接が施されていてもよく、密着巻きコイルの最先端部分では周方向に180°異なる二方向の位置にスポット溶接が施されていてもよい。また、1ピッチより大きな間隔をあけてスポット溶接が施されている領域では、2ピッチ毎に一個のスポット溶接が施されていてもよい。 【発明の効果】 【0008】 本発明の内視鏡用クリップ装置によれば、少なくとも先端部分付近が密着巻きコイルで形成された可撓性シースに熱収縮チューブを被覆した構成の内視鏡用クリップ装置において、密着巻きコイルの最先端部分付近の軸方向に位置をずらした複数箇所においてコイル巻きの境界部にスポット溶接を施し、密着巻きコイルを含め可撓性シースに全長にわたって熱収縮チューブを被覆したことにより、密着巻きコイルの先端を前方に伸ばす力が作用しても密着巻きコイルが熱収縮チューブの最先端部分内から前方に伸び出さず、初期の優れた作動性を維持することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。 図1は内視鏡用クリップ装置の先端部分付近の側面断面図である。10は可撓性シースであり、その全長は例えば1〜2m程度であるが、先端の例えば数cm〜十数cm程度の範囲は、ステンレス等のような金属材を一定の径で密着巻きした密着巻きコイル11で形成され、その他の部分は例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等のような腰の強い材料からなる可撓性チューブ12で形成されている。この実施の形態の可撓性シース10は、可撓性チューブ12の先端部分が密着巻きコイル11の後端部分内に差し込まれてそこで互いに接着固定され、全体として一体に形成されている。なお、可撓性シース10全体が密着巻きコイル11で形成されたものであっても差し支えない。 【0010】 可撓性シース10内には、操作ワイヤー13が前後方向に進退自在に挿通配置されていて、可撓性シース10の後端部に連結された不図示の操作部において操作ワイヤー13が可撓性シース10内で進退操作される。ただし、操作ワイヤー13と可撓性シース10との動作は相対的なものなので、操作ワイヤー13に対して可撓性シース10を進退操作してもよい。操作ワイヤー13の外周部には、可撓性チューブ12の内周面との間のガタつきを小さくするために、例えばフッ素樹脂チューブ等からなる可撓性の被覆チューブ14が被覆されている。15は、可撓性シース10の外面に前後方向に進退自在に被嵌された例えばフッ素樹脂チューブ等からなる外套管であり、クリップ装置を内視鏡の処置具案内管に通す操作をする際に、クリップ18を窄んだ状態にさせるために前方に送り出される。 【0011】 操作ワイヤー13の先端には、クリップ18の後端部18aに係脱自在なクリップ連結部材17が取り付けられている。この実施の形態のクリップ連結部材17は、図1とは90°向きが相違する状態の図2に示されるように、外力が作用していない状態では、二点鎖線で示されるように前方に向かって開いた状態になるよう板ばね材等でピンセット状に形成されている。クリップ連結部材17は、可撓性シース10内等においては周囲の部材により弾性変形させられて窄まった状態になっており、最先端部分は互いに食い違い状態になるように内方に向かって折り曲げられて、クリップ18の後端部18aに係合して連結された状態になる。そして、操作ワイヤー13を可撓性シース10に対して後方から押す操作をすると、二点鎖線で示されるように、クリップ連結部材17が可撓性シース10の先端から前方に突出してクリップ連結部材17が自己の弾性で開いた状態になり、クリップ18の後端部18aとの係合が外れてクリップ18と分離される。 【0012】 図1に戻って、クリップ18は、生体組織に食い付かせて留置するためのものであり、外力が作用していない状態では前方に向かって大きく開いた状態になるよう板ばね材等で形成されて、最先端部分は互いに食い違い状態になるように内方に向かって折り曲げられている。そして、その後端部18a寄りの位置に被嵌されたクリップ締付リング19を図2に示されるようにクリップ18の前方に移動させると、クリップ18が強制的に閉じた状態にされて、体内組織に食い付いた状態にすることができる。 【0013】 再び図1に戻って、密着巻きコイル11の最先端部には略円筒状の先端口金21が連結固着されている。先端口金21の先端内にはクリップ締付リング19が嵌挿保持されていて、クリップ締付リング19の後端面が当接する縮径部22が先端口金21の内径を細めて形成されている。先端口金21の縮径部22より後方部分は、操作ワイヤー13を操作部側から牽引操作してクリップ18を引き込んだときにクリップ18の後半部分を窄まった状態で収納するためのクリップ収納室23になっていて、縮径部22より大きな内径に形成されている。その結果、クリップ連結部材17はクリップ収納室23内では比較的小さな抵抗で進退して縮径部22を通過する際には比較的大きな抵抗が発生する。 【0014】 このように構成された内視鏡用クリップ装置の可撓性シース10には、密着巻きコイル11を含め全長にわたってフッ素樹脂等のように滑り性のよい材料からなる熱収縮チューブ25が被覆されて、その熱収縮力によって可撓性シース10の外面に固定された状態になっている。したがって、外套管15の内周面や内視鏡の処置具案内管の内周面等に対して滑り性がよくスムーズに進退操作することができる。熱収縮チューブ25の先端位置と密着巻きコイル11の先端位置とは一致しており、熱収縮チューブ25の最先端部分付近で被覆されている密着巻きコイル11の最先端部分付近の巻きの境界部には、軸方向に位置をずらした複数箇所にレーザ溶接等によりスポット溶接31,32,33が施されて、隣接するコイル巻き部分が互いに溶着固定されている。 【0015】 図3と図4は、密着巻きコイル11の側面を軸周りに180°相違する方向から見た状態を示しており、図3に示されるように、密着巻きコイル11の一側面においては、密着巻きコイル11の最先端部分寄りの位置の隣接するコイル巻きの境界部毎にスポット溶接31が施され、密着巻きコイル11の最先端部分から離れた位置では複数のコイル巻きの境界部のうちの一部の境界部(例えば、2巻き毎)にスポット溶接32が施されている。なお、それらのスポット溶接31,32は密着巻きコイル11の周方向の同方向の位置に施されている。そして、それと180°対称位置の密着巻きコイル11の一側面には、図4に示されるように、密着巻きコイル11の最先端部分だけにスポット溶接33が施されている。このスポット溶接33も、密着巻きコイル11の周方向の同方向の位置に施されている。35は、先端口金21と密着巻きコイル11とを固着するスポット溶接である。 【0016】 このようにして、密着巻きコイル11の最先端部分では1ピッチ間の複数位置(例えば周方向に180°異なる位置)においてコイル巻きの境界部にスポット溶接31,33が施されていることにより、密着巻きコイル11の前後方向の伸びが強固に抑えられると共に、スポット溶接31,33の位置に対して直交する方向に屈曲することができ、それより後方位置では1ピッチ毎に一個のスポット溶接31が複数箇所に施されていることにより、密着巻きコイル11の前後方向の伸びが抑えられると同時に、密着巻きコイル11がスポット溶接31と反対方向以外の方向に屈曲することができ、さらにそれより後方位置では、1ピッチより大きな間隔をあけて(例えば2ピッチ毎に)スポット溶接32が施されていることにより、密着巻きコイル11の前後方向の伸びがある程度抑えられると同時に、密着巻きコイル11がどの方向にも屈曲することができる。 【0017】 図2は、クリップ締付リング19で締め付けられて強制的に閉じた状態のクリップ18に対してクリップ連結部材17を分離する動作の途中の状態における内視鏡用クリップ装置の先端部分付近の平面断面図である。スポット溶接31,32,33は相違する断面上のものであるが、理解し易さのために図示してある。ここでは、操作ワイヤー13が操作部側から可撓性シース10に対して押し込み操作され、それによってクリップ連結部材17が前方に移動して縮径部22部分を通過しようとしている。そして、クリップ連結部材17が縮径部22を通過する際には前述のように比較的大きな抵抗が発生するため、密着巻きコイル11の先端部分を熱収縮チューブ25内から前方に引き出そうとする力が作用するが、密着巻きコイル11の先端部分付近のコイル巻きの境界部に前述のようなスポット溶接31,32,33が施されているので、密着巻きコイル11が熱収縮チューブ25の先端から前方に伸び出さず、初期の優れた作動性を維持することができる。 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本発明の実施の形態の内視鏡用クリップ装置の先端部分付近の側面断面図。 【図2】本発明の実施の形態の内視鏡用クリップ装置のクリップ連結部材が可撓性シースの先端から押し出される操作の途中の状態の平面断面図。 【図3】本発明の実施の形態のスポット溶接が施された密着巻きコイルの一側面の状態図。 【図4】本発明の実施の形態のスポット溶接が施された密着巻きコイルの他の側面の状態図。 【図5】従来の内視鏡用クリップ装置のクリップ連結部材が可撓性シースの先端から押し出される操作の途中の状態の平面断面図。 【符号の説明】 【0019】 10……可撓性シース 11…密着巻きコイル 12…可撓性チューブ 13…操作ワイヤー 17…クリップ連結部材 18…クリップ 25…熱収縮チューブ 31,32,33…スポット溶接
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| 【出願人】 |
【識別番号】597089576 【氏名又は名称】有限会社リバー精工
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| 【出願日】 |
平成18年8月21日(2006.8.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−43716(P2008−43716A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−251691(P2006−251691) |
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