| 【発明の名称】 |
管内移動体、内視鏡用移動装置、並びに内視鏡 |
| 【発明者】 |
【氏名】永野 和彦
【氏名】木村 宏一
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| 【要約】 |
【課題】複雑に屈曲した管路に対して好適な管内移動体、内視鏡用移動装置、並びに内視鏡を提供する。
【構成】電子内視鏡2の挿入部10に取り付けられたバルーン14の表面には、挿入部10の周方向に関して等間隔に、四本の電気抵抗体22が取り付けられている。コントローラ18は、電気抵抗体22の抵抗値からバルーン14の膨張状態を把握し、これを元にバルーン14が内壁面30aから受ける反力を検出し、管路30の屈曲状態を検出する。電気抵抗体22の抵抗値が四本とも略同じ値である場合、管路30が略直線状であることが検出される。ある方向の電気抵抗体22の抵抗値が高く、ある方向と反対側の電気抵抗体22の抵抗値が低い場合は、電気抵抗体22の抵抗値が低い方向からバルーン14は大きな反力を受け、ある方向に管路30が屈曲していることが検出される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体圧により膨張収縮するバルーンが取り付けられ、管路内に挿入される管内移動体であって、 前記バルーンを膨張させたときに、前記管路の内壁面から前記バルーンが受ける反力を検出する反力検出手段を備えることを特徴とする管内移動体。 【請求項2】 前記反力検出手段は、前記バルーンの膨張状態を把握することで、前記反力を検出することを特徴とする請求項1に記載の管内移動体。 【請求項3】 前記反力検出手段は、前記バルーンの表面に取り付けられた電気抵抗体、 および前記電気抵抗体の抵抗値を測定する抵抗測定器であることを特徴とする請求項1または2に記載の管内移動体。 【請求項4】 前記バルーンは、周方向に複数取り付けられており、 前記反力検出手段は、各バルーンに一定量の流体を供給した際に、各バルーンの内圧を測定する圧力センサであることを特徴とする請求項1または2に記載の管内移動体。 【請求項5】 前記各バルーンへの流体の出入りを制御するマイクロポンプを有することを特徴とする請求項4に記載の管内移動体。 【請求項6】 前記バルーンは、進行方向の後方に膨張し、前記管路の内壁面と接触してさらに膨張した際に、前記管路の内壁面を介して前記進行方向に駆動力を発生することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の管内移動体。 【請求項7】 前記反力検出手段の検出結果に応じて、前記管路の屈曲方向に先端部が向くように、前記バルーンを膨張収縮させることを特徴とする請求項6に記載の管内移動体。 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の管内移動体からなることを特徴とする内視鏡用移動装置。 【請求項9】 被検体内に挿入される内視鏡であって、 請求項1ないし7のいずれかに記載の管内移動体が設けられていることを特徴とする内視鏡。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、複雑に屈曲した管路に対して好適な管内移動体、内視鏡用移動装置、並びに内視鏡に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、医療分野において、例えば、大腸や小腸のように複雑に屈曲した管路内に内視鏡を挿入して、管路内壁面の観察や診断、治療を施すことが行われている。この場合、管路が細く複雑に屈曲しているために、体腔外で内視鏡の挿入部を押し進めても挿入抵抗が大きく、観察したい部位まで先端部を到達させるためには、手技に熟練度が要求されていた。また、挿入に手間取ると患者への負担が大きくなり、場合によっては誤って管路を傷付けるおそれがあった。 【0003】 ところで、内視鏡の挿入部には、ワイヤの押し引きによって先端部を所望の向きに向ける湾曲部が設けられている(特許文献1、および2参照)。このため、従来は、湾曲部を管路の屈曲した方向に向けて挿入部を押し進める操作を行って、観察したい部位まで先端部を到達させていた。この挿入操作は、内視鏡先端部に配された撮像素子により取得される画像で管路の屈曲状態を観察しながら行うが、体腔内の奥部の屈曲部に挿入する際には、湾曲部を管路の屈曲した方向に向けても、先端部を屈曲部にスムーズに挿入することが難しく、挿入部が体腔内壁を圧迫して、患者に苦痛や不快感を与えることがあり、この方法も手技に熟練度が要求される。 【0004】 そこで、複雑に屈曲した管路内に内視鏡の挿入部を円滑に挿入することができるように、内腔の自然な向きをカメラなどで感知し、感知した自然な向きに挿入部を向けるように電気制御することが可能な複数のアクチュエータを備える自動操縦内視鏡が提案されている(特許文献3参照)。 【特許文献1】特開平10−248796号公報 【特許文献2】特開2000−126120号公報 【特許文献3】特表2005−527253号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、特許文献3に記載の発明では、内腔の自然な向きを感知するためにカメラなどを用いているため、装置構成が複雑になる、部品コストが嵩むなどの問題があった。また、体腔内の奥部の屈曲部に挿入する際に、挿入部が体腔内壁を圧迫して患者に苦痛を与えるという問題に関して何の対策もなされておらず、体腔内壁が過大な力を加えられても操作者が気付かないという問題があった。 【0006】 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、複雑に屈曲した管路内により円滑に挿入することが可能な管内移動体を提供することを目的とする。 【0007】 また、本発明は、複雑に屈曲した管路内を観察する際に、手技に熟練度を必要とせず、患者への負担を減らすことが可能な内視鏡用移動装置、並びに内視鏡を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、流体圧により膨張収縮するバルーンが取り付けられ、管路内に挿入される管内移動体であって、前記バルーンを膨張させたときに、前記管路の内壁面から前記バルーンが受ける反力を検出する反力検出手段を備えることを特徴とする。 【0009】 前記反力検出手段は、前記バルーンの膨張状態を把握することで、前記反力を検出することが好ましい。 【0010】 前記反力検出手段は、前記バルーンの表面に取り付けられた電気抵抗体、および前記電気抵抗体の抵抗値を測定する抵抗測定器であることが好ましい。 【0011】 前記バルーンは、周方向に複数取り付けられており、前記反力検出手段は、各バルーンに一定量の流体を供給した際に、各バルーンの内圧を測定する圧力センサであることが好ましい。この場合、前記各バルーンへの流体の出入りを制御するマイクロポンプを有することが好ましい。 【0012】 前記バルーンは、進行方向の後方に膨張し、前記管路の内壁面と接触してさらに膨張した際に、前記管路の内壁面を介して前記進行方向に駆動力を発生することが好ましい。この場合、前記反力検出手段の検出結果に応じて、前記管路の屈曲方向に先端部が向くように、前記バルーンを膨張収縮させることが好ましい。 【0013】 請求項8に記載の発明は、内視鏡用移動装置であって、請求項1ないし7のいずれかに記載の管内移動体からなることを特徴とする。 【0014】 請求項9に記載の発明は、被検体内に挿入される内視鏡であって、請求項1ないし7のいずれかに記載の管内移動体が設けられていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0015】 本発明の管内移動体によれば、バルーンを膨張させたときに、管路の内壁面からバルーンが受ける反力を検出する反力検出手段を備えるので、簡単な構成で管路の屈曲状態を検出することができる。したがって、複雑に屈曲した管路内により円滑に挿入、移動することが可能となる。 【0016】 また、本発明の内視鏡用移動装置、並びに内視鏡によれば、請求項1ないし7のいずれかに記載の管内移動体からなる、あるいは、請求項1ないし7のいずれかに記載の管内移動体が設けられているので、複雑に屈曲した管路内を移動する際に、手技に熟練度を必要とせず、また、体腔内壁から受ける反力を検出するので、体腔内壁が過大な力を加えられたときに適切な処置を施すことができ、患者への負担を減らすことが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 図1において、電子内視鏡2は、被検体内に挿入される挿入部10と、挿入部10の基端部分に連設された操作部11とを備えている。挿入部10の先端に連設された先端部10a(例えば、外径12mmφ)には、被検体内の被観察部位の像光を取り込むための対物レンズと像光を撮像する撮像素子(いずれも図示せず)が内蔵されている。撮像素子により取得された被検体内の画像は、コード12に接続されたプロセッサ装置のモニタ(いずれも図示せず)に内視鏡画像として表示される。 【0018】 また、先端部10aには、被観察部位に光源装置(図示せず)からの照明光を照射するための照明窓や、鉗子口13と連通した鉗子出口、送気・送水ボタン11aを操作することによって、対物レンズを保護する観察窓の汚れを落とすための洗浄水やエアーが噴射されるノズルなどが設けられている。 【0019】 先端部10aの後方には、複数の湾曲駒を連結した湾曲部10bが設けられている。湾曲部10bは、操作部11に設けられたアングルノブ11bが操作されて、挿入部10内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部10aが被検体内の所望の方向に向けられる。 【0020】 湾曲部10bの後方には、可撓性を有する軟性部10cが設けられている。軟性部10cは、先端部10aが被観察部位に到達可能なように、且つ操作者が操作部11を把持して操作する際に支障を来さない程度に患者との距離を保つために、数mの長さを有する。 【0021】 先端部10aと湾曲部10bの間には、バルーン14が取り付けられている。バルーン14は、例えば、膨張収縮自在なラテックスゴムからなる。図2に示すように、バルーン14の内腔には、挿入部10の外周面に開口した給排気口20を介して、給排気路21が連通されている。給排気路21は、挿入部10の軸方向に亘って設けられ、操作部11、コード12内を通って、図1に示すバルーン制御装置15に接続されている。バルーン制御装置15には、給排気路21を介してバルーン14にエアーを供給する給気ポンプ16と、バルーン14内のエアーを吸引する吸引ポンプ17とが設けられている。これらのポンプ16、17の動作をコントローラ18で制御することにより、バルーン14が膨張収縮される。 【0022】 図3に示すように、バルーン14の表面には、挿入部10の周方向に関して等間隔に、四本の電気抵抗体22が取り付けられている。電気抵抗体22は、例えば、グラファイト、カーボンブラック、導電性ポリマーからなり、バルーン14の表面に接合または塗布される。電気抵抗体22の電気抵抗は、バルーン制御装置15の抵抗測定器19(図1参照)によって測定される。抵抗測定器19は、電気抵抗の測定結果をコントローラ18に出力する。 【0023】 コントローラ18は、抵抗測定器19の測定結果を受けて、バルーン14の膨張状態を把握し、把握したバルーン14の膨張状態を元に管路30(図4参照)の屈曲状態を検出する。 【0024】 ここで、電気抵抗体22の抵抗値は、バルーン14が膨張すると長さが長くなって相対的に高くなり、収縮すると長さが短くなって相対的に低くなる。このため、四本の電気抵抗体22の抵抗値を測定することで、バルーン14がどの方向にどの程度膨張しているかが分かる。 【0025】 したがって、四本の電気抵抗体22の抵抗値が略同じであれば、バルーン14が周方向に略一様に膨張しているので、バルーン14が管路30の内径よりも小さい状態であるか、または管路30が略直線状であることが分かる。対して、四本の電気抵抗体22の抵抗値のうち、ある方向の電気抵抗体22の抵抗値が高く、ある方向と反対側の電気抵抗体22の抵抗値が低い場合は、ある方向にバルーン14が膨張して管路30の内壁面30a(図4参照)と接触しているので、管路30が屈曲していることが分かり、また、屈曲している方向に空間が広がっているため、バルーン14がより膨張している方向が、管路30が屈曲している方向であることが分かる。このように、電気抵抗体22の抵抗値からバルーン14の膨張状態を把握し、バルーン14が内壁面30aから受ける反力を求めることができる。 【0026】 上記のように構成された電子内視鏡2で、例えば、大腸や小腸のように複雑に屈曲した管路30の内壁面30aを観察する場合には、バルーン14が収縮した状態で挿入部10を被検体内に挿入し、光源装置を点灯して被検体内を照明しながら、撮像素子により得られる内視鏡画像をモニタで観察する。 【0027】 先端部10aが管路30に到達すると、給気ポンプ16から給排気路21を介してバルーン14にエアーが供給される。これによりバルーン14が膨張し始め、図4に示すように、管路30の内壁面30aにバルーン14の表面が接触する。 【0028】 このとき、抵抗測定器19で測定される電気抵抗体22の抵抗値は、バルーン14が周方向に略一様に膨張しているため、四本とも略同じ値となっており、バルーン14の周面が各方向から受ける反力が等しいことが分かる。これにより、コントローラ18では、管路30が略直線状であることが検出される。 【0029】 一方、図5に示すように、先端部10aの先が屈曲部30bであった場合は、屈曲している方向に空間が広がっているので、屈曲している方向にバルーン14が膨張する。このため、抵抗測定器19で測定される電気抵抗体22の抵抗値は、屈曲している方向の電気抵抗体22のほうが高く、屈曲している方向の反対側の電気抵抗体22のほうが低くなり、屈曲している方向からバルーン14の周面が受ける反力が小さく、屈曲している方向の反対側から受ける反力が大きいことが分かる。これにより、コントローラ18では、管路30が屈曲していること、および屈曲している方向が検出される。 【0030】 コントローラ18による管路の屈曲状態の検出結果は、例えば、プロセッサ装置に出力され、内視鏡画像とともにモニタに表示される。操作者は、モニタに表示された検出結果に応じて、アングルノブ11bを操作して湾曲部10bを管路30の屈曲している方向に湾曲させるなどして、挿入部10を管路30に沿って移動させる。 【0031】 以上説明したように、バルーン14に電気抵抗体22を取り付け、抵抗測定器19で電気抵抗体22の抵抗値を測定するという簡単な構成で、バルーン14が内壁面30aから受ける反力を検出し、管路30の屈曲状態を検出することができる。これにより、挿入抵抗が大きい複雑に屈曲した管路30を円滑に移動させることができる。したがって、手技に熟練度を必要とせず、また、挿入に手間取って患者に苦痛を与えたり、誤って管路を傷付けたりするおそれがない。 【0032】 上記実施形態では、挿入部10の周方向に関して等間隔に、バルーン14の表面に電気抵抗体22を取り付けているが、この代わりに、あるいはこれに加えて、図6に示すように、挿入部10の周方向に沿って等間隔に取り付けてもよい。このようにすれば、挿入部10の軸方向に関するバルーン14の膨張状態を把握することができる。 【0033】 なお、バルーン14の内圧を測定するための圧力センサを設け、この圧力センサによるバルーン14の内圧と電気抵抗体22の抵抗値とから、バルーン14の膨張状態を把握し、把握した膨張状態とバルーン14の内圧との相関関係から、バルーン14が内壁面30aから受ける反力を求めてもよい。すなわち、バルーン14の内圧と電気抵抗体22の抵抗値との関係を予め実験などにより求めておき、求めたデータを参照して反力を求める。例えば、バルーン14の内圧がある値のときの電気抵抗体22の抵抗値が、予め求めたデータよりも大きい場合は、バルーン14が膨張しているため反力が小さいことが分かる。 【0034】 あるいは、バルーン14内部に供給したエアーの流量を測定するための流量センサを設け、この流量センサによるエアーの流量と電気抵抗体22の抵抗値とから、バルーン14の膨張状態を把握し、把握した膨張状態とエアーの流量との相関関係から、バルーン14が内壁面30aから受ける反力を求めてもよい。この場合も同様に、エアーの流量と電気抵抗体22の抵抗値との関係を予め実験などにより求めておき、求めたデータを参照して反力を求める。 【0035】 上記の場合、バルーン14が内壁面30aから受ける反力が正常な値であるか否かを検出することができる。すなわち、バルーン14の内圧、またはエアーの流量がある値のときの電気抵抗体22の抵抗値と、予め設定された閾値とを比較する。そして、抵抗値が閾値以下であるときに、バルーン14の内圧、またはエアーの流量に比してバルーン14の膨張量が正常な値よりも小さく、バルーン14が内壁面30aから過大な反力を受けていると判断する。このようにすれば、バルーン14が内壁面30aから過大な反力を受けていると判断した場合に、モニタに警告メッセージを表示して操作者に注意を促したり、バルーン14を自動的に収縮させて反力を小さくしたりするなど、患者への負担を和らげる適切な処置を施すことができ、複雑に屈曲した管路30内を、内壁面30aに過大な力を与えることなく移動させることができる。 【0036】 なお、管路30の屈曲状態を検出する手段としては、上記実施形態の電気抵抗体22および抵抗測定器19に限らず、図7および図8に示す系を採用してもよい。すなわち、図7において、挿入部10の周方向に関して四等分した位置に四個のバルーン40を取り付け、それぞれのバルーン40の内圧を測定するための圧力センサ41を、バルーン40の内腔に配設する。 【0037】 また、図8に示すように、マイクロポンプ42、43を用いて、バルーン40へのエアーの供給、およびバルーン40内のエアーの排気を行う。マイクロポンプ42は、給気路44と、挿入部10の外周面に開口し、バルーン40の内腔に繋がる給気口45とを繋ぐ給気路46を開閉する弁47、および弁47を開閉動作させるための圧電素子48からなる。また、マイクロポンプ43は、挿入部10の外周面に開口し、バルーン40の内腔に繋がる排気口49と、挿入部10の外周面に開口し、外部に繋がる外部排気口50とを繋ぐ排気路51を開閉する弁52、および弁52を開閉動作させるための圧電素子53からなる。なお、これらの部品は、一個のバルーン40に対して一組ずつ設けられている。 【0038】 バルーン40を膨張させる際には、マイクロポンプ43の運転を停止した状態でマイクロポンプ42の弁47を開き、給気路44、46、および給気口45を介してバルーン40にエアーを供給する。逆に、バルーン40を収縮させる際には、マイクロポンプ42の駆動を停止してエアーの供給を停止させた後、マイクロポンプ43を駆動して、排気口49、排気路51、および外部排気口50を介して外部にエアーを排気する。このようにすれば、給気路44が一本だけで済み、挿入部10が太くなることが防がれる。また、マイクロポンプ42、43の動作を制御することにより、管路の屈曲状態に応じて、バルーン14の膨張状態を変化させて、先端部10aの姿勢を調整することができる。なお、マイクロポンプ42、43は、外部から流体を供給する管とマイクロバルブとで構成してもよい。 【0039】 図7、図8に示す系で管路30の屈曲状態を検出する際には、まず、マイクロポンプ42を駆動して、各々のバルーン14に一定量のエアーを供給して膨張させた後、駆動を停止させる。そして、この状態で圧力センサ41により各々のバルーン40の内圧を測定する。 【0040】 このとき、圧力センサ41の測定結果が四個とも略同じ値であった場合は、各々のバルーン40が周方向に略一様に膨張しているので、バルーン40が管路30の内径よりも小さい状態であるか、または管路30が略直線状であることが検出される。一方、四個の圧力センサ41の測定値のうち、ある方向の圧力センサ41の測定値が低く、ある方向と反対側の圧力センサ41の測定値が高い場合は、ある方向にバルーン40が膨張しているので、バルーン40の周面がその方向から受ける反力が小さく、管路30が屈曲していることが検出され、また、バルーン40がより膨張している方向が、管路30が屈曲している方向であることが検出される。 【0041】 このように、各々のバルーン40に一定のエアーを供給したときの各々のバルーン40の内圧から、各々のバルーン40の膨張状態を把握し、バルーン14が内壁面30aから受ける反力を求めることができる。以下、上記実施形態と同様に、管路30の屈曲状態の検出結果をモニタに表示し、操作者がこれを参考にして挿入部10を管路30に沿って移動させる。なお、この場合、管路30の屈曲状態の検出結果に基づいて、各々のバルーン40を膨張収縮させることで、先端部10aを管路30の屈曲方向に向けることも可能である。 【0042】 なお、バルーンとしては、上記実施形態のように一様に膨張するバルーン14、40に限らず、挿入部10の進行方向(挿入部10の基端部分から先端部10aに向かう方向)の後方に内壁面30aを押しやるように膨張する構成や、進行方向に膨張し、内壁面30aと接触してさらに膨張した際に、内壁面30aから進行方向に駆動力を受けるような構成としてもよく、例えば、図9および図10に示すように、挿入部10の周方向に関して180°隔てた位置にそれぞれ配され、挿入部10の進行方向の後方の部分60a(斜線で示す。以下、単に後方部分という。)、および円周方向の部分60b(斜線で示す。以下、単に円周部分という。)が、他の部分よりも膨張率が小さくなるように形成された二個のバルーン60を用いてもよい。 【0043】 給排気路61、給排気口62を介してエアーが供給されると、バルーン60は、図11に示すように、後方部分60aおよび円周部分60bが他の部分よりも膨張率が小さく形成されていることにより、後方部分60aおよび円周部分60bよりも他の部分のほうが伸びて、点線で示すように進行方向の後方に向かって略扇形状に膨張する。これにより、管路30の内壁面30aに接触したバルーン60の表面が、内壁面30aに接触しながら進行方向の後方に内壁面30aを介して駆動力を発生させることによって挿入部10が進行方向に移動される。 【0044】 上記のようなバルーン60を用いれば、図12に示すように、先端部10aが管路30の屈曲部30bに到達したことを検出した場合に、屈曲部30bの外側のバルーン60を内側のバルーン60よりも膨張させるようにすれば、操作者の手を煩わせずに先端部10aの向きを自動的に屈曲部30bの屈曲方向に向けることができ、挿入部10の移動をより円滑にすることができる。 【0045】 なお、バルーンが膨張する際に、内壁面30aから駆動力を得る構成の好ましい形態として、バルーンを作製する際に、後方部分が他の部分よりも膨張率が低くなるような補強を施してもよい。 【0046】 あるいは、バルーンの材料よりも低い膨張率を有する低膨張率材(例えば、PET繊維やアラミド繊維)を表面に接合、あるいは埋め込み、若しくは一体成形し、進行方向の後方に向かって略扇形状に膨張するように、部分的に膨張率を異ならせてもよい。 【0047】 さらに、上記低膨張率材の代わりに、伸縮性のアクチュエータ、例えばコイル状に形成した形状記憶合金のワイヤを後方部分の表面に接合してもよい。バルーンが膨張したときにワイヤを伸縮させることにより、バルーンの膨張形態を変化させることができ、図9〜図12に示す例と同様に、管路30の形状に対して、膨張時の内壁面30aから受ける駆動力を変化させることができる。 【0048】 上記実施形態では、電子内視鏡2の挿入部10に直接バルーンを取り付けた例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、図13に示す内視鏡用移動装置70に適用することも可能である。内視鏡用移動装置70は、挿入部10が挿入固定される筒体71と、筒体71の先端に取り付けられたバルーン14と、筒体71から延びたコード72が接続される、バルーン制御装置15と同様の構成を有するバルーン制御装置73とから構成される。挿入部10を被検体内に挿入する際には、筒体71を挿入部10に挿入して固定し、バルーン制御装置73で上記実施形態と同様の制御を行って挿入部10を移動させる。 【0049】 なお、バルーンの個数や配置は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、挿入部10の周方向に関して複数取り付けてもよいし、挿入部10の軸方向に複数取り付けてもよい。 【0050】 上記実施形態では、管内移動体として電子内視鏡2および内視鏡用移動装置70を例示して説明したが、超音波トランスデューサが先端部に配された超音波プローブや、超音波トランスデューサおよび撮像素子が先端部に一体的に配された超音波内視鏡などの他、工業用配管内を検査するための検査スコープについても、本発明を適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】電子内視鏡の構成を示す概略図である。 【図2】バルーン周辺の拡大断面図である。 【図3】電気抵抗体の配置を説明するための図である。 【図4】略直線状の管路内におけるバルーンの膨張の様子を示す図である。 【図5】屈曲している管路内におけるバルーンの膨張の様子を示す図である。 【図6】電気抵抗体の配置の別の例を示す図である。 【図7】管路の屈曲状態を検出する別の実施形態を示す図である。 【図8】管路の屈曲状態を検出する別の実施形態を示す図である。 【図9】バルーンの別の実施形態を示す図である。 【図10】バルーンの別の実施形態を示す拡大図である。 【図11】図9および図10に示すバルーンの膨張の様子を説明するための図である。 【図12】図9〜図11に示す実施形態で管路の屈曲部におけるバルーンの膨張の様子を説明するための図である。 【図13】内視鏡用移動装置の構成を示す概略図である。 【符号の説明】 【0052】 2 電子内視鏡 10 挿入部 10a 先端部 14、40、60 バルーン 15、73 バルーン制御装置 19 抵抗測定器 22 電気抵抗体 30 管路 30a 内壁面 30b 屈曲部 41 圧力センサ 42、43 マイクロポンプ 70 内視鏡用移動装置 71 筒体
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| 【出願人】 |
【識別番号】306037311 【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月21日(2006.8.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075281 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 和憲
【識別番号】100095234 【弁理士】 【氏名又は名称】飯嶋 茂
【識別番号】100117536 【弁理士】 【氏名又は名称】小林 英了
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| 【公開番号】 |
特開2008−43670(P2008−43670A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−224478(P2006−224478) |
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