トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 超音波外科器具と共に使用するための機能的な平衡用非対称部分を有するブレード
【発明者】 【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー

【要約】 【課題】器具の性能を最適化する形状のブレードを組み合わせた超音波外科器具を開示する。

【構成】このブレード88の形状は、湾曲形状を形成するために丸みを付けた切断部分により特徴付けられる。切断部分が、複数の非対称部分を有する湾曲状表面を形成し、ブレード88に複数の非平衡部分を生じさせる。器具の湾曲による非平衡性は、機能的な非対称部分に近接した非機能的な非対称部分により補正される。ブレードの非対称断面による非平衡性は、機能的な非対称部分から除去される材料の容量および位置の適切な選択により補正される。ある実施形態のブレードの形状は、湾曲状の、場合によってはテーパー状の形状を形成するために、丸みを付けた2つの切断部分により特徴付けられる。2つの切断部分が、凹状および凸状表面を含む湾曲状表面を形成する。丸みを付けた切断部分の長さは、湾曲形状に起因する横方向の動きの音響的な平衡化に部分的に作用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波外科器具において、
基端部および先端部を有する超音波伝達部材と、
前記超音波伝達部材の前記先端部に取り付けられた、超音波によって作動されるブレードであって、
前記ブレードが、
先端部、
前記超音波伝達部材に、長手方向の振動の節部点において取り付けられた基端部、および、
非対称平面を画定し、かつ、実質的に単一平面における、超音波によって作動される動きを有する、湾曲状の作用部分、
を備える、
ブレードと、
前記ブレードに隣接して支持されるクランプ部材であって、
前記クランプ部材は、前記クランプ部材の少なくとも一部が前記ブレードから離れている開いた位置、および前記クランプ部材が前記ブレードに隣接している閉じた位置を有し、
前記閉じた位置から前記開いた位置への動きが、前記ブレードが動く前記平面に対して実質的に垂直な平面で生じる、
クランプ部材と、
を備える、超音波外科器具。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波外科器具において、
前記ブレードが、前記非対称平面に対して垂直な単一平面上に存在する、超音波外科器具。
【請求項3】
請求項1に記載の超音波外科器具において、
前記湾曲状の作用部分が、平衡用非対称部分をさらに含み、
前記平衡用非対称部分が、前記機能的な非対称部分によって前記ブレードの前記基端部において生じるトルクと対抗するように配置される、超音波外科器具。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波外科器具において、
前記平衡用非対称部分は、前記ブレードの前記先端部の少なくとも1つの軸における横方向の振動が、実質的にゼロに等しくなるように、配置される、超音波外科器具。
【請求項5】
請求項3に記載の超音波外科器具において、
前記平衡用非対称部分が、前記ブレードの前記先端部から前記湾曲状の作用部分内のある位置まで延在する、超音波外科器具。
【請求項6】
請求項3に記載の超音波外科器具において、
前記平衡用非対称部分が、前記ブレードの前記先端部から前記湾曲状の作用部分に近接するある位置まで延在する、超音波外科器具。
【請求項7】
基端部および先端部を有する超音波導波管を備える超音波外科器具において、
前記超音波導波管が、
平衡化され超音波によって作動されるブレードであって、
前記ブレードは、前記導波管の前記先端部に配置され、かつ、実質的に単一平面における、超音波によって作動される動きを有し、
前記ブレードが、
先端部、
基端部、および、
少なくとも1つの平衡用非対称部分を含む平衡用部分を備える湾曲状の作用部分であって、前記平衡用非対称部分が、前記湾曲状の作用部分によって生じるトルクに対抗するように配置されている、湾曲状の作用部分、
を備える、
ブレードと、
前記ブレードに隣接して支持されるクランプ部材であって、
前記クランプ部材は、前記クランプ部材の少なくとも一部が前記ブレードから離れている開いた位置、および前記クランプ部材が前記ブレードに隣接している閉じた位置を有し、
前記閉じた位置から前記開いた位置への動きが、前記ブレードが動く前記平面に対して実質的に垂直な平面で生じる、
クランプ部材と、
を備える、超音波外科器具。
【請求項8】
超音波外科器具において、
直径、基端部、および先端部を有する管状シースと、
基端部、および前記管状シース内に配置された先端部を有する、超音波伝達部材と、
超音波によって作動されるブレードであって、
前記ブレードは、前記超音波伝達部材の前記先端部に取り付けられ、かつ、前記管状シースの前記先端部の先へ延びており、
前記ブレードが、
先端部、
前記超音波伝達部材に、長手方向の振動の節部点において取り付けられた基端部、および、
湾曲状の作用部分であって、非対称平面を画定し、かつ、実質的に単一平面における、超音波によって作動される動きを有する、作用部分、
を備える、
ブレードと、
クランプ部材であって、
前記クランプ部材は、前記管状シャフトの前記直径より大きい円弧を描くように構成され、かつ、前記ブレードに隣接して支持されており、
前記クランプ部材は、前記クランプ部材の少なくとも一部が前記ブレードから離れている開いた位置、および前記クランプ部材が前記ブレードに隣接している閉じた位置を有し、
前記閉じた位置から前記開いた位置への動きが、前記ブレードが動く前記平面に対して実質的に垂直な平面で生じる、
クランプ部材と、
を備える、超音波外科器具。
【請求項9】
請求項8に記載の超音波外科器具において、
前記超音波伝達部材、前記クランプ部材、および前記ブレードと操作可能に連動する回転可能な部材、
をさらに備え、
前記回転可能な部材は、回転可能であり、これにより、前記器具の長手軸周りに、前記クランプ部材および前記ブレードの対応する回転を生じさせる、超音波外科器具。
【請求項10】
請求項8に記載の超音波外科器具において、
前記機能的な非対称部分によって生じる不所望なトルクを抑制するように、前記超音波伝達部材上に配置されたシール部材、
をさらに備える、超音波外科器具。
【発明の詳細な説明】【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は一般に超音波外科器具に関し、特に、不所望な動作を最少にするために超音波外科器具と共に使用するための機能的な非対称部分を有する多機能的な湾曲状のブレードに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
この特許出願は以下の同時係属の特許出願、すなわち、1997年10月10日に出願されている米国特許出願第08/948,625号、1997年10月10日に出願されている同第08/949,133号、1998年6月29日に出願されている同第09/106,686号、1999年6月21日に出願されている同第09/337,077号、同第09/412,557号、同第09/412,996号、および同第09/413,225号に関連しており、これらの文献は本明細書に参考文献として含まれる。
【0003】
中空コアおよび中実コアの各器具を含む超音波器具は多くの医療状態の安全で効果的な治療のために使用されている。超音波器具、特に中実コアの超音波器具はこれらが超音波周波数において外科エンド−エフェクターに伝達される機械的な振動の形態のエネルギーを用いて有機組織を切断および/または凝固するために使用できる点で有利である。超音波振動は、適当なエネルギー・レベルで有機組織に伝達されて適当なエンド−エフェクターを使用する場合に、組織を切断、切開、または焼灼するために使用できる。中実コア技法を利用している超音波器具はその超音波トランスデューサから導波管を介して外科エンド−エフェクターに伝達できる超音波エネルギーの量の理由により特に有利である。これらの器具は内視鏡または腹腔鏡による各処置を含む最少侵襲性の処置における使用に特に適しており、この場合のエンド−エフェクターはトロカールの中を通して外科部位に到達する。
【0004】
超音波振動は、例えば、器具のハンド・ピース内において1個以上の圧電変換素子または磁わい素子により構成できるトランスデューサを電気的に励起することにより外科エンド−エフェクターの中において誘発される。このトランスデューサ部分により発生される振動が当該トランスデューサ部分から外科エンド−エフェクターまで延在している超音波導波管を介して外科エンド−エフェクターに伝達される。これらの導波管およびエンド−エフェクターはトランスデューサと同一の振動数において共振するように設計されている。それゆえ、エンド−エフェクターをトランスデューサに取り付ける際に、全体のシステムの振動数がトランスデューサ自体の振動数と同一に保たれる。
【0005】
末端部分における長手方向の超音波振動の振幅dは以下のように与えられる共振振動数における単純な正弦波として機能する。
d=Asin(ωt) (式1)
この式において、
ω=周期的な周波数fの2π倍に等しい角周波数であり、
A=ゼロ−トゥ−ピーク振幅である。
また、長手方向の動作範囲はピーク−トゥ−ピーク(p−t−p)振幅として定められ、この値は上記正弦波の振幅の丁度2倍すなわち2Aである。
【0006】
中実コアの超音波外科器具は2種類の装置、すなわち、単一要素型のエンド−エフェクター装置および多数個要素型のエンド−エフェクターに分けることができる。単一要素のエンド−エフェクター装置は外科用メスおよびボール状凝固装置等の器具を含み、例えば、米国特許第5,263,957号を参照されたい。この米国特許第5,263,957号に開示されているような器具は相当に十分であることが知られているが、これらの用法ならびに別の超音波外科器具における用法において幾つかの制限がある。例えば、単一要素のエンド−エフェクター器具は組織が軟質であり緩やかに支持されている場合にブレードから組織に圧力を加える能力が制限されている。超音波エネルギーを組織に効果的に伝達するためには十分な圧力が必要である。このように組織を確実に捕らえることができなければ、超音波エネルギーの供給中に組織表面に対して完全に接着することができなくなり、不十分な止血および組織の結合の結果に到る。
【0007】
クランプ式凝固装置等の多数個要素型エンド−エフェクターの使用は超音波ブレードに対して組織を押し当てるための機構を含み、この機構により上記のような欠点が解消できる。超音波外科装置において有用であるとして開示されているクランプ機構がBalamuthに発行されている米国特許第3,636,943号および同第3,862,630号に記載されている。しかしながら、一般に、これらの特許に開示されているBalamuthの装置は十分な速度で凝固および切断せず、ブレードに対する接近がクランプにより遮られるのでクランプ無しの状態で切断/凝固のために使用できない点で融通性に欠けている。
【0008】
例えば、米国特許第5,322,055号および同第5,893,835号に開示されているような超音波クランプ式の凝固装置は組織、特に、緩やかに支持されているか全く支持されていない組織を切断/凝固するための改善された超音波外科器具を提供しており、この場合に、超音波ブレードは一定の圧縮力またはバイアス力を組織に加えるためのクランプと共に用いられており、これにより、比較的に速い組織の凝固および切断が行なえて、ブレード動作の減衰を比較的に少なくすることができる。
【0009】
既に本明細書に参考文献として含まれている米国特許出願第09/106,686号に記載されているような湾曲状の超音波器具の技法における改善は別の態様の湾曲状のクランプ式凝固装置における改善の必要性を示している。例えば、米国特許第5,873,873号は組織パッドを有するクランプ・アームを含むエンド−エフェクターを備えている超音波クランプ式凝固器具を記載している。この米国特許第5,873,873号に開示されている構成において、上記のクランプ・アームおよび組織パッドは直線状である。
【0010】
クランプ式凝固装置において使用されている超音波外科ブレードすなわちエンド−エフェクターの形状は器具における少なくとも4種類の重要な態様を定める。これらは(1)エンド−エフェクターの可視性およびその外科領域内における相対的な位置、(2)エンド−エフェクターの目的とされる組織への接近または進入の能力、(3)超音波エネルギーが切断および凝固のために組織に伝達される様式、および(4)組織が超音波的に不活性なエンド−エフェクターにより操作できる様式である。それゆえ、上記器具におけるこれら4種類の態様を最適化する改善された超音波クランプ式凝固装置を提供することが有利であると考えられる。
【0011】
しかしながら、超音波外科器具のブレードに各特徴部分が加えられるほど、その変化した形状および非対称の部分がブレードの平衡性を失わせて、ブレードが器具の長さに沿う長手方向とは異なる種々の方向に振動する傾向を有するようになる。既に本明細書に参考文献として含まれている米国特許出願第09/106,686号は平衡用の非対称部分を用いて機能的な各非対称部分の基端側におけるブレード部分の平衡化に対処している。この米国特許出願第09/106,686号は平衡用の非対称部分よりも基端側の各ブレードおよび導波管の部分の平衡化において著しく有効であることを立証しているが、一部の適用例において平衡化の作用の一部が非対称なブレードの機能的な部分において不所望になる場合が有り得る。
【0012】
それゆえ、器具の性能を最適化するためにブレードの機能的な領域内に平衡化された超音波外科器具用ブレードを備えることが望ましいと考えられる。本明細書において記載されているブレードはこのような要望に対処するために開発されている。
【0013】
〔発明の概要〕
本発明はシャー型の構成の多数の機能を最良に実行するためのエンド−エフェクター形状を組み合わせている超音波外科器具を開示する。このブレードの形状は湾曲状の形状を形成するために一定の距離だけ丸みを付けたカット・オフセット部分により特徴付けられている。この切断部分はブレード内に多数個の非平衡部分を生じる多数個の非対称部分を有する湾曲状の表面部分を形成している。この器具における曲面による非平衡性はその機能的な非対称部分よりも基端側の非機能的な非対称部分により補正される。また、ブレードの非対称な断面部分による非平衡性は機能的な非対称部分から除去される材料の容量および位置の適当な選択により補正される。本発明の実施形態の一例におけるブレードの形状は湾曲状で潜在的にテーパー状の形状を形成するために一定の距離だけ丸みを付けた2個のカット・オフセット部分により特徴付けられている。これら2個の切断部分は凹状の表面部分および凸状の表面部分を含む湾曲状の表面部分を形成している。これらの丸みを付けた切断部分の長さは上記の湾曲状の形状により誘発される横方向の移動の音響学的な平衡化において部分的に作用する。
【0014】
〔発明の詳細な説明〕
以下、本発明を本明細書に記載するように超音波器具との組み合わせにおいて説明する。この説明は単に例示的であり、本発明の範囲および適用方法を制限することを目的としていない。例えば、本発明は、米国特許第5,938,633号、同第5,935,144号、同第5,944,737号、同第5,322,055号、同第5,630,420号、および同第5,449,370号において記載されている装置を含む多数の超音波器具との組み合わせにおいて有用である。
【0015】
図1は超音波トランスデューサ82、ハンド・ピース・ハウジング20、および本発明によるクランプ式凝固装置120と共に超音波信号発生器15を備えている超音波システム10を示している図である。このクランプ式凝固装置120は切開式または腹腔鏡式の手術において使用可能である。超音波トランスデューサ82は「ランジュバァン・スタック(Langevin stack)」として知られており、一般にトランスダクション部分90、第1の共振器またはエンド−ベル92、および第2の共振器またはフォア−ベル94、および補助部品を備えている。この超音波トランスデューサ82は後に詳述するようにシステム波長の1/2の整数倍の長さ(nλ/2)であることが好ましい。音響組立体80は上記の超音波トランスデューサ82、取付部材36、速度トランスフォーマ64および表面部分95を備えている。
【0016】
エンド−ベル92の先端部はトランスダクション部分90の基端部に接続しており、フォア−ベル94の基端部はトランスダクション部分90の先端部に接続している。フォア−ベル94およびエンド−ベル92はトランスダクション部分90の厚さ、エンド−ベル92およびフォア−ベル94を製造するために使用されている材料の密度および弾性率、および超音波トランスデューサ82の共振振動数を含む多数の変数により決定される一定の長さを有している。フォア−ベル94はその基端部からその先端部にかけて内側にテーパー状にして速度トランスフォーマ64として超音波振動の振幅を増幅可能にすることができ、あるいは、増幅作用を有していなくてもよい。
【0017】
圧電変換素子100は、例えば、ジルコン酸−チタン酸鉛、メタ−ニオブ酸鉛、チタン酸鉛、またはその他の圧電変換性の結晶材料を含む任意の適当な材料により製造できる。正電極96、負電極98、および圧電変換素子100はそれぞれその中心を貫通している中ぐり穴を有している。さらに、正電極96および負電極98はそれぞれ電線102および電線104に電気的に連結されている。各電線102および電線104はケーブル25の中に包まれていて、超音波システム10における超音波信号発生器15に電気的に接続可能である。
【0018】
音響組立体80の超音波トランスデューサ82は超音波信号発生器15からの電気的信号を機械的なエネルギーに変換し、このエネルギーが超音波トランスデューサ82およびエンド−エフェクター180の超音波周波数における主に長手方向の振動動作を生じる。適当な発生器がオハイオ州、シンシナティーのEthicon Endo-Surgery社からモデル番号GEN01として入手可能である。この音響組立体80が励起すると、振動動作の定在波が当該音響組立体80の中に発生する。さらに、この音響組立体80に沿う任意点における振動動作の振幅はその振動動作を測定する音響組立体80に沿う場所により決まる。この振動動作の定在波における最小位置またはゼロ交叉位置は節部(node)(すなわち、動作が通常において最小である)として一般的に呼ばれており、この定在波における絶対値の最大位置またはピーク位置は一般に波腹部(anti-node)として呼ばれている。また、波腹部とこれに最も近い節部との間の距離は1/4波長(λ/4)である。
【0019】
各電線102および電線104は電気的な信号を超音波信号発生器15から正電極96および負電極98にそれぞれ伝達する。圧電変換素子100はフット・スイッチ118に応じて超音波信号発生器15から供給される電気的な信号により励起されて音響学的な定在波を音響組立体80の中に生じる。すなわち、この電気的な信号は各圧電変換素子100において繰り返し状態の小さな変位の形態で乱動を引き起こすことにより大きな圧縮力をこの材料の中に生じる。つまり、この繰り返し状態の小さな変位により各圧電変換素子100がその電圧勾配の軸に沿って連続的な様式で膨張および収縮することにより、超音波エネルギーの長手方向の波が生じる。この超音波エネルギーが音響組立体80を介してエンド−エフェクター180に伝達される。
【0020】
上記の音響組立体80がエンド−エフェクター180にエネルギーを供給するために、この音響組立体80における全ての部品が上記のクランプ式凝固装置120における超音波的に活性な各部分に音響学的に連結されている必要がある。例えば、超音波トランスデューサ82の先端部をスタッド50等のねじ付きの接続手段により超音波導波管179の基端部に表面部分95において音響学的に連結することが可能である。
【0021】
また、上記の音響組立体80における各部品はその任意の組立体の長さが1/2波長の整数倍(nλ/2)であるように音響学的に同調されていることが好ましく、この場合の波長λは所定の波長または音響組立体80の動作用の長手方向に沿う振動の駆動周波数fd であり、nは正の整数である。なお、上記の音響組立体80は各音響要素の任意の適当な配列構成を含むことが可能である。
【0022】
次に図2Aおよび図2Bにおいて、本発明による外科システム10におけるクランプ式凝固装置120が示されている。好ましくは、このクランプ式凝固装置120は1個のユニットとして上記の音響組立体80に対して着脱される。好ましくは、このクランプ式凝固装置120の基端部は図1に示されているように音響組立体80の先端側表面部分95に音響学的に連結されている。なお、このクランプ式凝固装置120が任意の適当な手段により音響組立体80に連結可能であることが認識されると考える。
【0023】
好ましくは、上記のクランプ凝固装置120は器具ハウジング130、および細長い部材150を備えている。この細長い部材150は以下に詳述するように器具ハウジング130に対して選択的に回転できる。器具ハウジング130は旋回式のハンドル部分136、および左側シュラウド134および右側シュラウド138にそれぞれ連結されている固定式のハンドル132Aおよびハンドル132Bを備えている。
【0024】
右側シュラウド138は左側シュラウド134においてスナップ嵌めすることに適合している。好ましくは、この右側シュラウド138は当該右側シュラウド138に形成されている内側に対向している複数のプロング70により左側シュラウド134に連結されている。これら複数のプロング70は左側シュラウド134の中に形成されている対応する各穴または孔140の中に係合するように配列されている。左側シュラウド134を右側シュラウド138に取り付ける際に、これらの間に、後に詳述するような指定機構255等の種々の部品に適合する一定のキャビティが形成される。
【0025】
上記のクランプ式凝固装置120における左側シュラウド134および右側シュラウド138はポリカーボネートにより製造されることが好ましい。なお、これらの構成部品は本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく任意の適当な材料により作成することが可能であると考えられる。
【0026】
指定機構255は上記の器具ハウジング130におけるキャビティの中に配置されている。好ましくは、この指定機構255は内側チューブ170に連結または取り付けられていて、ハンドル部分136の移動を内側チューブ170の線形動作に変換してクランプ・アーム組立体300を開閉する。すなわち、旋回式のハンドル部分136が固定式のハンドル部分130の方向に移動すると、指定機構255が内側チューブ170を後方に摺動させてクランプ・アーム組立体300を閉じた状態に旋回させる。また、旋回式のハンドル部分136が上記と反対の方向に移動すると、指定機構255が内側チューブ170を上記と反対の方向、すなわち、前方に移動するように摺動して、クランプ・アーム組立体300をその開口した状態に旋回させる。
【0027】
上記の指定機構255は細長い部材150を器具ハウジング130に対してその長手軸の回りに回転可能にするためのラチェット機構も備えている。この細長い部材150の回転により、クランプ・アーム300が選択された所望の角度位置まで回転可能になる。上記の指定機構255は好ましくは管状カラー260およびヨーク280を備えている。
【0028】
上記の指定機構255の管状カラー260は好ましくは内側チューブ170の基端部上にスナップ嵌めされていて、反対側の開口部168の中にキー係合している。この管状カラー260は好ましくはポリエーテルイミドにより製造されている。なお、この管状カラー260は任意の適当な材料により構成することができる。
【0029】
上記の管状カラー260は図11乃至図13にさらに詳細に示されている。好ましくは、この管状カラー260は拡大部分262、およびその中に貫通しているボア(中ぐり穴)266を有している。この拡大部分262は好ましくは管状カラー260の周縁部の周囲に形成されていて溝部268を形成しているリング272を備えている。この溝部268は複数のデテントまたは歯部269を有しており、これらの歯部269は上記の細長い部材150がその長手軸の回りに回転する時に当該細長い部材150を異なる回転位置に保持するために作用する。好ましくは、溝部268は12個のラチェット歯部を有していて、約30度の12個の等角度の増加分で上記の細長い部分を回転可能にしている。なお、上記の管状カラー260は任意数の歯状の部材を有することができる。また、これらの歯状の部材が本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく管状カラー260の任意の適当な部分に配置可能であることが認識されると考える。
【0030】
次に図2A乃至図4に戻り、上記旋回式のハンドル部分136は親指用のループ142、第1の穴124、および第2の穴126を有している。ピボット・ピン153がハンドル部分136の第1の穴124の中に配置されていて、図3において矢印121により示されているような旋回を可能にしている。旋回式のハンドル部分136の親指用のループ142が器具ハウジング130から離間して矢印121の方向に移動すると、リンク128が前方方向の一定の力をヨーク280に加えることにより、ヨーク280が前方に移動する。リンク128はピン129により旋回式のハンドル部分136に接続されており、さらに、このリンク128はピン127により基部284に接続されている。
【0031】
次に図2Aに戻り、ヨーク280は一般に保持または支持部材282および基部284を有している。この支持部材282は好ましくは半円形であり、上記管状カラー260の歯部269に対して係合するために内側に延出している一対の対向している爪286を有している。なお、これらの爪286は本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく管状カラー260の歯部269に対する係合のためにヨーク280の任意の適当な部分に配置可能であると考えられる。また、このヨーク280が任意数のラチェット・アームを有し得ることも認識されると考える。
【0032】
上記のヨーク280は図19乃至図22にさらに詳細に示されている。旋回式のハンドル部分136は好ましくはヨーク280の基部284におけるスロット147の中に部分的に配置されている。この基部284は基部開口部287、アクチュエータ移動停止部290、および基部ピン−ホール288を有している。上記のピボット・ピン153は基部開口部287の中を通して配置されている。ヨーク280における各爪286は管状カラー260を介して内側チューブ170に開口力を伝達し、これにより、クランプ・アーム組立体300が開口する。
【0033】
上記のクランプ式凝固装置120におけるヨーク280は好ましくはポリカーボネートにより製造されている。また、このヨーク280はABS、ナイロン、またはポリエーテルイミド等の別のプラスチック材料を含む種々の材料により作成することも可能である。さらに、このヨーク280は本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく任意の適当な材料により構成可能であると考えられる。
【0034】
図3および図4に示されているように、ヨーク280は旋回式のハンドル部分136が器具ハウジング130の方向に移動する時にクランプ・アーム組立体300に一定の閉鎖力を伝達する。アクチュエータ移動停止部290は旋回式のハンドル部分136のストロークの底部においてピボット・ピン153に接触することにより、この旋回式のハンドル部分136のさらなる移動、すなわち過剰移動を阻止する。ヨーク280の各爪286はワッシャー151、力制限スプリング155、およびカラー・キャップ152を介して管状カラー260に力を伝達する。カラー・キャップ152はワッシャー151および力制限スプリング155が拡大部分262よりも基端側の管状カラー260上に組立てられた後に管状カラー260に強固に取り付けられる。このカラー・キャップ152は図5および図6にさらに詳細に示されている。また、力制限スプリング155は図7および図8にさらに詳細に示されており、ワッシャー151は図9および図10にさらに詳細に示されている。ワッシャー151の厚さはクランプ式凝固装置120の設計または製造中に調節されて、力制限スプリング155の予荷重を変更することができる。カラー・キャップ152は超音波溶接により管状カラー260に取り付けられるが、圧入、スナップ嵌め、または接着剤による取り付けが可能である。
【0035】
図5乃至図10において、管状カラー260、ワッシャー151、力制限スプリング155、およびカラー・キャップ152は力制限用の特徴部分をクランプ・アーム組立体300に備えている。旋回式のハンドル部分136が器具ハウジング130に向かって移動すると、クランプ・アーム組立体300は超音波ブレード88に向かって回転する。超音波切断および止血の両方を行うために、クランプ・アーム組立体300の最大力を0.5ポンド乃至3.0ポンド(0.227kg乃至1.362kg)に制限することが望ましい。
【0036】
図5および図6はスプリング表面158を含むカラー・キャップ152を示している図である。図7および図8はキャップ表面部分156、ワッシャー表面部分157、および複数のスプリング要素159を含む力制限スプリング155を示している図である。この力制限スプリング155はそのスプリング要素159の形状によりウェーブ・スプリング(wave spring)として当該技術分野において説明されている。このようなウェーブ・スプリングを力制限スプリング155において使用することは、このスプリングが超音波外科器具の諸用途に良好に適合している小形の物理的寸法において高いばね率を示し、この場合に、その中心領域が超音波導波管179のために開口状態であるという理由により、有利である。力制限スプリング155はカラー・キャップ152のスプリング表面部分158とワッシャー151のスプリング面部165との間においてバイアス力を受けている。ワッシャー151はクランプ式凝固装置120(図2乃至図4参照)の組み立て後にヨーク280の各爪286に接触する爪面部167(図9および図10)を有している。
【0037】
次に、図2A、図2Bおよび図14乃至図18において、回転ノブ190が上記の細長い部材150を回転するために当該細長い部材150に取り付けられていて、管状カラー260がヨーク280に対して回転するようになっている。この回転ノブ190はポリエーテルイミド、ナイロン等の別のプラスチック材料、またはその他の任意の適当な材料を含む種々の材料により作成することも可能である。
【0038】
好ましくは、上記の回転ノブ190は拡大部分または外側ノブ192、内側ノブ194、およびこれらを貫通している軸方向のボア196を有している。内側ノブ194は外側ノブ192のキーウェイ189に協同的に取り付けるためのキー191を有している。外側ノブ192は交互に置かれている長手方向に沿う隆起部197および溝部198を有しており、これらは外科医による回転ノブ190および細長い部材150の配向を容易にする。この回転ノブ190の軸方向のボア196は細長い部材150の基端部上に適当に嵌合するように構成されている。
【0039】
内側ノブ194は器具ハウジング130の先端部における開口部139の中に延在している。この内側ノブ194は当該内側ノブ194を上記開口部139の中に回転可能に取り付けるためのチャンネル193を有している。さらに、上記の回転可能なノブ190の内側ノブ194は一対の対向している穴199を有している。これらの対向している各穴199は後に説明するような細長い部材150を貫通している通路195の一部分として整合されている。
【0040】
例えば、ピン163等の連結部材を上記通路195における対向している各穴199の中に配置できる。このピン163は、例えば、ハウジング130内のリブの間に捕捉するか、シリコーンまたはシアノアクリレート等の接着剤を含む任意の適当な手段により細長い部材150の通路195の中に保持できる。このピン163は細長い部材150を回転するために回転ノブ190から細長い部材150に回転トルクを供給することを可能にする。
【0041】
回転ノブ190を回転する場合に、管状カラー260の歯部269がヨーク280の対応する各爪286に係合して僅かに乗り上がる。これらの爪286が歯部269上に乗り上がると、ヨーク280の支持部材282が外側に偏向して各爪286が管状カラー260の歯部269の上を摺動して通過することを可能にする。
【0042】
実施形態の一例において、管状カラー260の歯部269は傾斜部または隆起部として構成されており、ヨーク280の各爪286はポスト部として構成されている。また、これらの管状カラー260の歯部269およびヨーク280の各爪286を逆にして、管状カラー260の歯部269をポスト部とし、ヨーク280の各爪286を傾斜部または隆起部とすることもできる。なお、上記の歯部269を細長い部材150の周縁部に一体に形成するか直接的に連結することも可能であると考えられる。さらに、上記の歯部269および各爪286は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、協同的な突出部分、隆起部分、カム面、ラチェット状の歯部、のこ歯部、隆起部、フランジ、または上記細長い部材150を選択的な角度位置に指定可能にするように協同作用するその他の類似手段にすることができることが認識されると考える。
【0043】
図2Bに示されているように、上記のクランプ式凝固装置120における細長い部材150は器具ハウジング130から延出している。図2B乃至図4に示されているように、細長い部材150は好ましくは外側部材または外側チューブ160、内側部材または内側チューブ170、および伝達部品または超音波導波管179を有している。
【0044】
上記の細長い部材150の外側チューブ160は好ましくはハブ162、管状部材164、およびこれらを貫通している長手方向の開口部または孔166を有している。また、この外側チューブ160は好ましくは実質的に円形の断面を有しており、ステンレス・スチールにより製造可能である。なお、この外側チューブ160が任意の適当な材料により構成可能であり、任意の適当な断面形状を有し得ることが認識されると考える。
【0045】
上記の外側チューブ160のハブ162は好ましくは管状部材164よりも大きい直径を有している。このハブ162はピン163を受容して当該ハブ162を回転ノブ190に対して連結可能にするための一対のチューブ穴161を有している。この結果、外側チューブ160は回転ノブ190が回転または回動する時に回転する。
【0046】
外側チューブ160のハブ162はさらに上記ハブ162の反対側の各面部にレンチ・フラット部169を有している。これらのレンチ・フラット部169は好ましくはハブ162の先端部の近くに形成されている。また、これらのレンチ・フラット部169はハブ162に対してトルク・レンチによりトルクを供給して超音波導波管179を音響組立体80のスタッド50に固定することを可能にする。例えば、本明細書に参考文献として含まれる米国特許第5,059,210号および同第5,057,119号はハンド・ピース組立体における取付装置に対して伝達部品を着脱するためのトルク・レンチを開示している。
【0047】
上記の外側チューブ160における管状部材164の先端部に、例えば、組織の把持、組織の切断等のような種々の作業を行うためのエンド−エフェクター180が配置されている。なお、このエンド−エフェクター180が任意の適当な構成に形成可能であることが考えられる。
【0048】
上記のエンド−エフェクター180およびその構成部品が図23乃至図33においてさらに詳細に示されている。このエンド−エフェクター180は一般に、例えば、組織を把持するため、またはブレード88に対して組織を押圧するための非振動性のクランプ・アーム組立体300を備えている。また、このエンド−エフェクター180は図23および図26においてクランプ開口状態で示されており、クランプ・アーム組立体300は好ましくは外側チューブ160の先端部に旋回可能に取り付けられている。
【0049】
先ず、図23乃至図26において、クランプ・アーム組立体300は好ましくはクランプ・アーム202、あご孔204、第1のポスト部206A、第2のポスト部206B、および組織パッド208を有している。クランプ・アーム202はピボット・ピン207Aおよびピボット・ピン207Bに対して旋回可能に取り付けられていて、親指用のループ142が図3において矢印121により示されている方向に移動する時に図3における矢印122の方向に回転する。旋回式のハンドル部分136を器具ハウジング130に向けて進行させることにより、クランプ・アーム202はピボット・ピン207Aおよびピボット・ピン207Bの回りに旋回して閉鎖状態になる。また、旋回式のハンドル部分136を後退して器具ハウジング130から離間させることにより、クランプ・アーム202が旋回して開口状態になる。
【0050】
クランプ・アーム202は超音波ブレード88とクランプ・アーム組立体300との間に組織を挟むために当該クランプ・アーム202に取り付けられている組織パッド208を有している。この組織パッド208は好ましくは高分子またはその他の柔軟な材料により形成されていて、クランプ・アーム202がその閉鎖状態にある時に超音波ブレード88に係合する。好ましくは、この組織パッド208は、例えば、ポリマー状のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に相当するE. I. Du Pont de Nemours and Companyの商標名であるTEFLON(R)(テフロン(R))のように、一定の低い摩擦係数を有しているが、組織の把持能力を示すために実質的に剛性である材料により形成されている。この組織パッド208は接着剤、好ましくは以下に説明するような機械的な固定構造によりクランプ・アーム202に取り付けることができる。
【0051】
図23、図26および、図28において示されているように、のこ歯部210が組織パッド208のクランプ表面部に形成されていて、超音波ブレード88の軸に対して垂直に延在して、組織をクランプ・アーム202と超音波ブレード88との間において滑らせることなく組織の把持、操作、凝固および切断を可能にしている。
【0052】
組織パッド208は図27乃至図29にさらに詳細に示されている。この組織パッド208はT字形状の突出部212、左側突出面部214、右側突出面部216、上面部218、および下面部219を有している。下面部219は既に説明したのこ歯部210を有している。さらに、組織パッド208は以下に説明するような組み立て中における挿入を容易にするためのベベル状の前端部209を有している。
【0053】
図26において、上記内側チューブ170における管状部材174の先端部は好ましくは当該先端部から延出しているフィンガー部またはフランジ部171を有している。このフランジ部171はクランプ・アーム202の第1のポスト部206Aおよび第2のポスト部206Bをそれぞれ受容するための開口部173Aおよび173B(図示せず)を有している。これにより、細長い部材150の内側チューブ170が軸方向に移動する時に、上記のフランジ部171がクランプ・アーム組立体300の第1のポスト部206Aおよび第2のポスト部206Bに係合しながら前方または後方に移動することによりクランプ・アーム202を開閉する。
【0054】
次に、図24、図25および図31乃至図33において、エンド−エフェクター180のクランプ・アーム202がさらに詳細に示されている。クランプ・アーム202はアーム上部228およびアーム下部230、ならびに、直線状部分235および湾曲状部分236を有している。直線状部分235は直線状のT字形スロット226を有している。また、湾曲状部分236は第1の上部穴231、第2の上部穴232、第3の上部穴233、第4の上部穴234、第1の下部切り欠き部241、第2の下部切り欠き部242、第3の下部切り欠き部243、第4の切り欠き部244、第1の棚部221、第2の棚部222、第3の棚部223、第4の棚部224、および第5の棚部225を有している。
【0055】
上記の穴231はアーム上部228からクランプ・アーム202を介して第2の棚部222まで延在している。また、上記の穴232はアーム上部228からクランプ・アーム202を介して第3の棚部223まで延在している。また、上記の穴233はアーム上部228からクランプ・アーム202を介して第4の棚部224まで延在している。さらに、上記の穴234はアーム上部228からクランプ・アーム202を介して第5の棚部225まで延在している。これらの各穴231乃至穴234および各棚部221乃至棚部225の配列構成によりクランプ・アーム202が上記の直線状部分235および湾曲状部分236の両方を備えることが可能になると共に、例えば、金属射出成形(MIM)等の方法により成形可能になる。クランプ・アーム202は上記のMIM法を利用することによりステンレス・スチールまたはその他の適当な金属により作成できる。
【0056】
図30および図31において、組織パッド208におけるT字形の突出部212はクランプ・アーム202のT字形スロット226の中に挿入可能である。クランプ・アーム202は、組織パッド208が、例えば、射出成形、機械加工、または押出成形等により直線状の部品として製造可能になるように設計されている。クランプ・アーム202においてその直線状のT字形スロット226の中に挿入されて湾曲状部分236の中に進行する時に、ベベル状の前端部209が組織パッド208の屈曲を容易にしてクランプ・アーム202の曲率に一致させる。さらに、各穴231乃至穴234および各棚部221乃至棚部225の配列構成により、クランプ・アーム202が組織パッド208を屈曲して保持することが可能になる。
【0057】
図32および図33はクランプ・アーム202が当該クランプ・アーム202の湾曲状部分236に対して一致している組織パッド208の屈曲状態を維持しながら組織パッド208を保持する方法を示している図である。図32に示されているように、第3の棚部223は右側突出面部216に接触して接触エッジ部238を形成しているが、左側の突出面部214はこの位置において支持されていない。一方、図33に示されている、先端側の位置においては、第4の棚部224が左側突出面部214に接触して接触エッジ部239を形成しているが、右側の突出面部216はこの位置において支持されていない。
【0058】
次に、図2に戻り、細長い部材150の内側チューブ170は外側チューブ160の開口部166の中に適当に嵌合している。この内側チューブ170は好ましくは内側ハブ172、管状部材174、外周溝176、一対の対向している開口部178、一対の対向している開口部168、およびこれらを貫通している長手方向の開口部または孔175を有している。この内側チューブ170は好ましくは実質的に円形の断面を有しており、ステンレス・スチールにより製造可能である。なお、この内側チューブ170が任意の適当な材料により構成可能であり、任意の適当な形状にできることが認識されると考える。
【0059】
上記の内側チューブ170における内側ハブ172は好ましくは上記の管状部材174よりも大きい直径を有している。また、この内側ハブ172における一対の対向している開口部178は内側ハブ172がピン163を受容可能にして、内側チューブ170および超音波導波管179が既に説明したように当該超音波導波管179をスタッド50に取り付けるためのトルクを伝達可能にしている。O−リング220は好ましくは内側ハブ172の外周溝176の中に配置されている。
【0060】
上記の細長い部材150における超音波導波管179は内側チューブ170の孔175の中に延在している。この超音波導波管179は好ましくは実質的に半柔軟性である。なお、この超音波導波管179が実質的に剛性であってもよく、また、柔軟性のワイヤ部材でもよいことが認識されると考える。これにより、超音波振動が超音波導波管179に沿って長手方向に伝達されて超音波ブレード88を振動させる。
【0061】
上記の超音波導波管179は、例えば、システム波長の1/2の整数倍(nλ/2)に実質的に等しい長さを有することができる。この超音波導波管179は好ましくはチタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)またはアルミニウム合金等の超音波エネルギーを効率的に伝搬する材料により構成されている中実コアの軸材により製造できる。なお、この超音波導波管179は任意の別の適当な材料により製造することも可能であることが考えられる。また、この超音波導波管179は当該技術分野において周知であるように上記の超音波ブレード88に伝達される機械的な振動を増幅することも可能である。
【0062】
図2に示すように、超音波導波管179は当該超音波導波管179の周縁部の周囲における種々の位置に配置されている1個以上の安定化用のシリコーン・リングまたは制振シース110(1個が示されている)を有することができる。この制振シース110は不所望な振動を制振して内側チューブ170からの超音波エネルギーを分離することにより、この超音波エネルギーを最大効率で超音波ブレード88の先端部まで長手方向に確実に伝達する。この減衰シース110は、例えば、本明細書に参考文献として含まれる米国特許出願第08/808,652号に記載されている減衰シースのように締り嵌めにより超音波導波管179に固定できる。
【0063】
さらに、図2において、超音波導波管179は一般に第1の部分182、第2の部分184、および第3の部分186を有している。この超音波導波管179の第1の部分182は当該超音波導波管179の基端部から先端側に延在している。この第1の部分182が実質的に連続的な一定の断面寸法を有している。
【0064】
上記第1の部分182は好ましくはその中を貫通している少なくとも1個の半径方向の穴188を有している。この導波管の穴188は超音波導波管179の軸に対して実質的に垂直に延在している。この導波管の穴188は好ましくは節部に配置されているが、超音波導波管179に沿う任意のその他の適当な位置に配置することも可能である。なお、この導波管の穴188が任意の適当な深さを有することができ、任意の適当な形状を有し得ることが認識されると考える。
【0065】
上記の第1の部分182における導波管の穴188はピン163を受容するために上記ハブ172において対向している各開口部178およびハブ162における外側チューブの各穴161に整合されている。ピン163は細長い部材150を回転するために回転トルクが回転ノブ190から超音波導波管179に加えられることを可能にする。細長い部材150における通路195は対向している各開口部178、外側チューブの各穴161、導波管の穴188、および対向している各穴199を含む。
【0066】
上記の超音波導波管179における第2の部分184は第1の部分182から先端側に延在している。この第2の部分184は実質的に連続的な一定の断面寸法を有している。この第2の部分184の直径は上記第1の部分182の直径よりも小さい。これにより、超音波エネルギーは超音波導波管179における第1の部分182から第2の部分184に伝達され、この第2の部分184において狭められている部分により当該部分を通過する超音波エネルギーの振幅が増幅される。
【0067】
さらに、上記の第3の部分186が上記第2の部分184の先端部から先端側に延在している。この第3の部分186は実質的に連続的な一定の断面寸法を有している。また、この第3の部分186はその長さに沿って変化している小さい直径を有することも可能である。この第3の部分は好ましくは当該第3の部分186の外周縁部の周囲に形成されているシール187を有している。これにより、超音波エネルギーは超音波導波管179における第2の部分184から上記第3の部分186の中に伝達され、この第3の部分186において狭められている部分により当該部分を通過する超音波エネルギーの振幅が増幅される。
【0068】
上記の第3の部分186はその外周部分に形成されている複数の溝部またはノッチ部(図示せず)を有することができる。これらの溝部は製造中において制振シース110を備え付けるための整合指示手段として作用するために超音波導波管179の各節部または当該超音波導波管179に沿う任意の別の適当な位置に配置することが可能である。
【0069】
さらに、図2において、上記外科器具150における制振シース110は超音波導波管179の少なくとも一部分を囲っている。この制振シース110は超音波導波管179の周囲に配置されて、動作中における超音波導波管179の横方向の側面から側面に到る振動を制振または制限することができる。この制振シース110は好ましくは超音波導波管179の第2の部分184の一部を囲っている。なお、この制振シース110が超音波導波管179における任意の適当な部分の周囲に配置可能であることも考えられる。また、この制振シース110は好ましくは横方向の振動における少なくとも1個の波腹部、さらに好ましくは横方向の振動における複数の波腹部において延在している。さらに、この制振シース110は好ましくは実質的に円形の断面を有している。なお、この制振シース110が超音波導波管179上に嵌合する任意の適当な形状を有することができ、任意の適当な長さを有し得ることが認識されると考える。
【0070】
制振シース110は好ましくは超音波導波管179に軽く接触して超音波導波管179からの不所望な超音波エネルギーを吸収する。この制振シース110は55,500Hzの長手方向の周波数ならびにそれ以上およびそれ以下の周波数に付随する不所望な横方向の振動を含む超音波導波管179の軸方向以外の振動の振幅を減少する。
【0071】
上記の制振シース110は超音波導波管179の軸方向の動作すなわち長手方向の振動によるエネルギーの消失を最少にするために、好ましくは一定の低摩擦係数を有する高分子材料により構成されている。この高分子材料は好ましくはフロウラ−エチレン・プロペン(floura-ethylene propene)(FEP)であり、この材料はガンマ放射線による滅菌処理における崩壊に対して耐性を有している。なお、上記の制振シース110が、例えば、PTFE等の任意の適当な材料により製造可能であることが認識されると考える。
【0072】
上記の制振シース110は好ましくはこれを貫通する開口部、および長手方向のスリット111を有している。この制振シース110のスリット111は制振シース110がいずれの端部からも超音波導波管179の上に組み合わせられることを可能にしている。なお、この制振シース110が当該制振シース110を超音波導波管179の上に嵌合可能にする任意の適当な構成を有し得ることが認識されると考える。例えば、この制振シース110はコイルとしてまたは螺旋状に形成することができ、あるいは長手方向および/または外周方向のスリットまたはスロットの種々のパターンを有することができる。さらに、この制振シース110がスリット111無しで製造可能であること、および超音波導波管179が制振シース110の中に嵌合するための2個以上の部品により製造可能であることも考えられる。
【0073】
上記の超音波導波管179が任意の適当な断面寸法を有し得ることが認識されると考える。例えば、この超音波導波管179は実質的に均一な断面を有していてもよく、また、この超音波導波管179は種々の部分においてテーパー状であってもよく、あるいはその全長にわたってテーパー状であってもよい。
【0074】
また、上記の超音波導波管179は当業界において周知のように当該超音波導波管179を介して超音波ブレード88に伝達される機械的な振動を増幅することもできる。さらに、この超音波導波管179は当該超音波導波管179に沿う長手方向の振動の利得を制御するための特徴部分および当該超音波導波管179をシステムの共振振動数に同調するための特徴部分を有することができる。
【0075】
上記の超音波導波管179における第3の部分186の基端部は好ましくは波腹部の近くにおいて内部のねじ付き接続手段により上記第2の部分184の先端部に連結することができる。なお、この第3の部分186が溶接接合等の任意の適当な手段により上記第2の部分184に取り付け可能であると考えられる。この第3の部分186は超音波ブレード88を含む。この超音波ブレード88は超音波導波管179から分離可能にすることができるが、この超音波ブレード88および超音波導波管179は単一ユニットとして形成されていることが好ましい。
【0076】
上記の超音波ブレード88はシステム波長の1/2の整数倍(nλ/2)に実質的に等しい長さを有することができる。また、この超音波ブレード88の先端部は当該先端部における最大の長手方向の偏位を行うために波腹部の近くに配置することができる。これにより、上記のトランスデューサ組立体が励起されると、超音波ブレード88の先端部は所定の振動周波数において、例えば、約10ミクロン乃至500ミクロンのピーク−トゥ−ピーク動作、好ましくは約30ミクロン乃至150ミクロンの範囲内で移動するように構成される。
【0077】
上記の超音波ブレード88は好ましくはチタン合金(すなわち、Ti−6Al−4V)またはアルミニウム合金等の超音波エネルギーを伝搬する材料により構成されている中実コアの軸材により作成されている。なお、この超音波ブレード88が任意の別の適当な材料により製造できることが認識されると考える。さらに、この超音波ブレード88がエネルギーの供給および所望の組織作用を改善するための表面処理を有し得ることも考えられる。例えば、この超音波ブレード88は凝固性および組織の切断能力を高めるため、および/または、組織および血液のエンド−エフェクターに対する付着性を減少するために、微細仕上げ、コーティング処理、めっき処理、エッチング処理、グリット・ブラスト仕上げ、粗面化またはスコア処理することができる。加えて、この超音波ブレード88はその諸特性を高めるために鋭利化または付形処理することができる。例えば、この超音波ブレード88はブレード形状、フック形状、またはボール形状にすることができる。
【0078】
図34、図35および、図36に示すように、本発明による超音波ブレード88の形状は既存の装置よりもさらに均一にクランプした組織に超音波出力を供給する。エンド−エフェクター180はブレード末端部分の改善された可視性を提供するので、外科医はブレード88が切断または凝固されている構造を横切って延在していることを確認できる。このことは特に大血管の縁を確認する場合に重要である。また、この形状は生物学的な諸構造の湾曲部分にさらに似せることによりさらに改善された組織への接近能力も提供する。このブレード88は多数の組織作用、すなわち、クランプ状態の凝固、クランプ状態の切断、把持、背部切断、切開、スポット凝固、末端部分の侵入および末端部分のスコア処理等を行うように設計されている多数のエッジ部分および表面部分を備えている。
【0079】
ブレード88の最先端部分は接線63、すなわち、当該先端部分における湾曲部分に対して接している線に対して垂直な表面部分54を有している。また、2個のすみ肉状の特徴部分61Aおよび特徴部分61Bが各表面部分51,52および54を混合するために使用されており、これによりスポット凝固に利用できる鈍い先端部分が形成されている。また、ブレード88の上部は丸み付けまたは鈍化されていて、当該ブレード88とクランプ・アーム組立体300との間に組織をクランプするための広いエッジ部分または表面部分56を形成している。この表面部分56はクランプ状態での切断処理および凝固処理のために使用されると共に、ブレードの不活性時に組織を操作するためにも使用される。
【0080】
また、下面部はブレード88の底部に沿って狭いエッジ部すなわち鋭いエッジ部55を形成している球面状の切断部分53を有している。このような材料の切断は、例えば、半径R1の円弧状に球面端部のミルを掃引した後にブレード88の底面部58に上記の切断部分を混合するさらに狭い第2の半径R2によりこの切断部分を仕上げすることにより達成できる。上記の半径R1は好ましくは0.5インチ乃至2インチ(1.27cm乃至5.08cm)の範囲内、さらに好ましくは0.9インチ乃至1.1インチ(2.29cm乃至2.79cm)の範囲内、最も好ましくは約1.068インチ(2.713cm)である。また、上記の半径R2は好ましくは0.125インチ乃至0.5インチ(0.318cm乃至1.27cm)、最も好ましくは約0.25インチ(0.64cm)である。この第2の半径R2およびこれに対応するブレード88の底面部58との混合部分はこの混合部分の無い切断状態で停止する場合に比べてその球面状の切断部分の端部に集中する応力を減少する。上記の鋭いエッジ部55は脈管の少ない組織の中の切開および非クランプ状態の切断(背部切断)を容易にする。
【0081】
上記ブレード88の底面部58における球面状の切断部分53は鋭いエッジ部55を形成すると共にブレード88から最小量の材料を除去している。このブレード88の底部における球面状の切断部分53は以下に説明するように一定の角度αを有する鋭いエッジ部55を形成している。この角度αは、例えば、オハイオ州、シンシナティーのEthicon Endo-Surgery社により製造されているLCS-K5のような既存のシャー装置と同様にできる。しかしながら、本発明のブレード88はその一般的な供給力に関して上記の角度αの配向により既存の装置よりも速く切断することができる。既存のシャー装置の場合には、その各エッジ部が対称形であり、その供給力を均等に広げる。一方、本発明の場合の各エッジ部は非対称であって、このエッジ部の非対称性が組織の分離または切断における速度の高さを示す。すなわち、この非対称性は鈍化した形状を維持しながら大きな容量の材料を除去することなく超音波により活性化される時に効果的にさらに鋭いエッジ部を提供することにおいて重要である。また、この非対称形の角度ならびに上記ブレードの湾曲部分は僅かなフック状のまたは楔状の作用により背部切断中にそれ自体で組織に張力を加えるように作用する。
【0082】
超音波ブレード88の鋭いエッジ部55は表面部分53と底面部58が球面状の切断部分53を受容した後に残された第2の表面部分57との交線により定められる。クランプ・アーム組立体300は超音波ブレード88に対して旋回移動して当該クランプ・アーム組立体300と超音波ブレード88との間に組織をクランプするために外側チューブ160の先端部に旋回可能に取り付けられている。この結果、内側チューブ170の往復移動によりクランプ・アーム組立体300が円弧状に旋回して垂直平面181が定められる。鋭いエッジ部55における球面状の切断部分53の接線60は図35に示されているように第2の表面部分57の接線62に対して一定の角度αを定めている。この角度αの二等分線59は好ましくは上記の垂直平面181内に存在せずに、角度βだけずれている。好ましくは、上記球面状の切断部分53の接線60は垂直平面181に対して約5度乃至50度の範囲内で存在しており、最も好ましくは、この球面状の切断部分53の接線は垂直平面181から約38.8度で存在している。好ましくは、上記角度αは約90度乃至150度の範囲内であり、最も好ましくは、この角度αは約121.6度である。
【0083】
図35Aにおいて、本発明の別の実施形態が非対称な狭いエッジ部を伴って示されている。鋭いエッジ部55Aにおける球面状の切断部分53Aの接線60Aは図35Aに示されているように第2の表面部分57Aの接線62Aに対して一定の角度αAを定めている。この角度αAの二等分線59Aは好ましくは垂直平面181A内に存在しておらず、一定の角度βAだけずれている。
【0084】
上記の超音波ブレード88の設計における湾曲状の形状はさらに組織をこのブレードに対してクランプした場合にこの組織に対するさらに均一な分布状態のエネルギー供給を生じる。このような均一なエネルギー供給はエンド−エフェクター180の長さに沿う一定の組織作用(熱的および横断面方向の作用)を達成するので望ましい。ブレード88における最先端の15ミリメートルの部分は作用部分であり、一定の組織作用を達成するために用いられる。後に詳述するように、上記湾曲状のシャー・ブレード88に沿う各場所に対応する変位ベクトルは、既存の器具に優る本発明の種々の改善により、図34および図35において示されているx−y平面に主として存在しているそれぞれの方向を有する。それゆえ、このブレード88の動作はクランプ・アーム組立体300からのクランプ力の方向に対して垂直な一定の平面(x−y平面)内に存在している。
【0085】
一般に、直線状の対称形の超音波ブレードは図34および図35におけるx軸で示される長手軸に沿って存在している末端部分の偏位を有する。また、横方向の動作はこの動作が内側チューブ170内における不所望な熱の発生を引き起こすために通常において望ましくない。そこで、既に本明細書に参考文献として含まれている米国特許出願第09/106,686号において記載されているような湾曲状のエンド−エフェクターを含む機能的な非対称形の部分を超音波ブレードに付加すると、この機能的な非対称形の部分が超音波導波管内に非平衡作用の部分を形成する。この非平衡部分が適正でない場合には、不所望な熱、ノイズ、および損なわれている組織作用が生じる。上記の米国特許出願第09/106,686号は平衡化用の非対称部分よりも基端側において平衡化されている超音波ブレードを提供する方法を教示しているが、そのエンド−エフェクターの先端部分は少なくとも2方向の軸における偏位を有している。そこで、このエンド−エフェクターが湾曲状のエンド−エフェクターのように単一平面の機能的な非対称部分を有していて、そのブレードがそれ以外において対称形であれば、その偏位はその最先端部分において一定の平面内に存在することになる。
【0086】
多くの場合において、任意の超音波ブレード88のz軸方向における偏位を最小にすることが望ましい。このz軸方向における超音波ブレード88の偏位はシステムを非効率的にして、不所望な発熱、出力損失、およびノイズ発生の可能性を生じる。エンド−エフェクター180におけるz軸方向の超音波ブレード88の偏位はこの超音波ブレード88とクランプ・アーム組立体300との間に存在している組織に対して当該超音波ブレード88による衝撃を与える。そこで、図34および図35に示されているx−y平面に対する超音波ブレード88の偏位を制限することが望ましい。このことは超音波ブレード88が衝撃を与えることなく当該超音波ブレード88とクランプ・アーム組立体300との間に存在している組織を擦ることを可能にし、これにより組織の発熱が最適化されて、最適な凝固処理が行える。このようなエンド−エフェクター180よりも基端側の部分および超音波ブレード88内の部分の両方におけるz軸方向の偏位を最小にすることは球面状の切断部分53の適当な選択により達成できる。
【0087】
しかしながら、図34乃至図36に示されているような超音波ブレード88を含む多数の機能的な非対称部分を有する超音波ブレード88を伴う超音波エンド−エフェクター180は適正に平衡化されていなければx,yおよびzの3個の全ての軸において末端部分の偏位を含む傾向を本質的に有している。例えば、図34に示されているような超音波ブレード88はその先端部においてy軸方向に湾曲している。この湾曲部分はエンド−エフェクター180よりも基端側において平衡化されているが、当該湾曲部分は超音波ブレード88がその活性化時にx軸およびy軸の両方の方向においてそれぞれの偏位を有するように作用する。また、上記の球面状の切断部分53を加えることによりさらに別の量の非対称部分が超音波ブレード88に加えられ、適正でない場合には全ての3個の軸において末端部分の偏位が生じて、超音波導波管179におけるz軸方向の非平衡作用も生じてその効率が低下する。
【0088】
そこで、超音波導波管179におけるz軸方向の偏位を最小にするために最適化された機能的な非対称部分を供給することにより、その機能的な非対称部分よりも基端側のz軸方向の末端部分における偏位を最小にすることが可能になり、改善された組織作用により効率を最大にできる。図34に示すように、球面状の切断部分53は最先端部から任意の位置まで超音波ブレード88内に基端側に延在することができる。例えば、図34は超音波ブレード88内に延在する球面状の切断部分53の場合の第1の位置66、第2の位置67、および第3の位置68を示している。
【0089】
以下の表1は上記第1の位置66、第2の位置67、および第3の位置68として図34に示されているような超音波ブレード88の場合における球面状の切断部分53の可能なそれぞれの長さを記載している。表1における各横の列は超音波ブレード88内への切断の長さを表しており、表1における各縦の段は各切断長さについての平衡状態および各軸に沿う偏位を表している。この表1から、第1の位置68に相当する長さに球面状の切断部分53を供給する場合に機能的な非対称部分よりも基端側のz軸方向の偏位が最小になることが分かる。なお、機能的な非対称部分よりも基端側のz軸方向の偏位を15%以下にするように超音波ブレード88を平衡化することが好ましく、さらに、機能的な非対称部分よりも基端側のz軸方向の偏位を5%以下にするように超音波ブレード88を平衡化することが最も好ましい。好ましくは、上記のクランプ式凝固装置120は空気中で活性化されている(空気のみにより負荷が加えられている)場合に平衡化されるように設計されていて、その平衡状態が別の負荷条件下において確認される。
【0090】
表1において、エンド−エフェクター88におけるクランプ器具内の規格化された偏位率(%z)はクランプ・アームがその完全に閉鎖している状態の時にこのクランプ・アームに対して垂直な方向における偏位の大きさを測定して、この大きさを最大の末端部分の振動偏位(一次の末端部分の振動偏位とも呼ばれる)により割った後に、その被除数に100を掛けることにより計算される。上記の一次の末端部分の振動偏位は超音波ブレード88の活性化時における当該超音波ブレード88の最先端部における一点により形成される楕円または楕円体の主軸の大きさである。また、上記の偏位の測定は本明細書に参考文献として含まれる超音波外科システムの基本的な出力特性の測定および表明(Measurement and Declaration of the Basic Output Characteristics)と題するIEC国際規格61847においてさらに詳細に説明されている。また、超音波ブレード88または超音波導波管179における規格化された偏位率(%x,%y,%z)は二次の振動偏位の大きさを測定して、その大きさを一次の末端部分の振動偏位の大きさにより割った後に、その被除数に100を掛けることにより計算される。上記の二次の振動偏位は超音波ブレード88の活性化時における当該超音波ブレード88の最先端部における一点により形成される楕円または楕円体の短軸またはの他の任意軸の大きさである。
【表1】


機能的な非対称部分を含むブレードによるTi6A14Vにより製造したR1の半径を有する0.946インチ(2.403cm)の長さのブレードにおいて一定範囲の平衡作用を示すための3種類の可能な長さ
【0091】
次に、図1乃至図4において、上記のクランプ式凝固装置120を音響組立体80に対して着脱するための手順を以下に説明する。医者がクランプ式凝固装置120を使用する準備ができると、この医者はそのクランプ式凝固装置120を音響組立体80に単純に取り付ける。このクランプ式凝固装置120を音響組立体80に取り付けるためには、スタッド50の先端部を伝達部品すなわち超音波導波管179の基端部にねじにより接続する。その後、このクランプ式凝固装置120を慣用的なねじ締め方向に手動で回転して、スタッド50と超音波導波管179との間のねじ接合部分をインターロックする。
【0092】
超音波導波管179をスタッド50にねじにより接合した後に、例えば、トルク・レンチのような工具をクランプ式凝固装置120の細長い部材150の上に配置して超音波導波管179をスタッド50に対して締め付ける。この工具は外側チューブ160におけるハブ162のレンチ・フラット部分169に係合して超音波導波管179をスタッド50上に固定するように構成できる。この結果、ハブ162の回転により、超音波導波管179が所望且つ所定のトルクでスタッド50に対して固定されるまで細長い部材150が回転される。なお、上記のトルク・レンチがクランプ式凝固装置120の一部分として、または本明細書に参考文献として含まれる米国特許第5,776,155号に記載されているトルク・レンチのように、ハンド・ピース・ハウジング20の一部分として別に製造可能であることが考えられる。
【0093】
クランプ式凝固装置120を音響組立体80に取り付けた後に、外科医は回転ノブ190を回転して細長い部材150を所望の角度位置に調節することができる。回転ノブ190を回転している時に、管状カラー260の歯部269がヨーク280の各爪286の上を摺動して隣接するノッチ部または谷部の中に入る。この結果、外科医はエンド−エフェクター180を所望の配向に位置決めできる。回転ノブ190は器具ハウジング130とクランプ・アーム202との間の回転方向の関係を指定するための指定手段を組み込むことができる。図17および図18に示されているように、例えば、拡大された隆起部200を利用することにより、回転ノブ190における隆起部197の内の1個を器具ハウジング130に対するクランプ・アーム202の回転方向の位置を指定するために使用できる。なお、拡大された隆起部200の使用と同様に位置を指定するために、色、シンボル、表面模様等の使用を含む別の指定手段を回転ノブ190において用いることも可能であると考えられる。
【0094】
音響組立体80のスタッド50からクランプ式凝固装置120を分離するためには、この外科器具120の細長い部材150上に上記の工具を摺動してこれを反対方向、すなわち、超音波導波管179をスタッド50に対するねじ係合から解除する方向に回転することができる。この工具を回転すると、外側チューブ160のハブ162はトルクがピン163を介して超音波導波管179に加えられることを可能にして、比較的高い係合解除用のトルクが超音波導波管179をそのねじ係合解除の方向に回転するように加えられる。この結果、超音波導波管179はスタッド50から緩み離れる。このようにして超音波導波管179がスタッド50から取り外された後に、クランプ式凝固装置全体が放出可能になる。
【0095】
以上、本発明の好ましい実施形態を本明細書において図示し説明したが、当該技術分野における熟練者においては、これらの各実施形態が例示的な目的のみにより提供されていることが明らかになる。すなわち、この時点において、多数の変形、変更、および置換が本発明から逸脱することなく当該技術分野における熟練者において考え出されるようになる。従って、本発明は本明細書に記載する特許請求の範囲における趣旨および範囲のみにより制限されるべきであると考える。
本発明の新規な特徴は特に本明細書における特許請求の範囲において記載されている。しかしながら、本発明自体は、その構成および動作方法の両方について、そのさらに別の目的および利点と共に、以下の添付図面と共にその詳細な説明を参考にすることにより最良に理解できる。
【0096】
〔実施の態様〕
(1) 超音波クランプ式凝固装置において、
アクチュエータを有するハウジングと、
前記ハウジングに連結している基端部、および先端部を有する外側チューブを備えており、当該外側チューブが一定の長手軸を定めており、さらに、
前記外側チューブの中に往復動可能に配置されている作動要素を備えており、当該作動要素が前記アクチュエータに操作可能に接続されており、さらに、
前記外側チューブの中に配置されている超音波導波管を備えており、当該超音波導波管が前記外側チューブの先端部から先端側に延在しているエンド−エフェクターを有しており、
前記エンド−エフェクターが広いエッジ部分および狭いエッジ部分を有しており、当該狭いエッジ部分が第1の表面部分および第2の表面部分の交線により定められていて、前記第1の表面部分が前記エンド−エフェクターの中に基端側に延在していて当該第1の表面部分の一定の長さを定めており、さらに、
前記外側チューブの先端部に旋回可能に取り付けられているクランプ・アームを備えており、このクランプ・アームが当該クランプ・アームと前記エンド−エフェクターとの間に組織をクランプするためにエンド−エフェクターに対して旋回移動を行い、当該旋回移動が一定の水平軸の回りに生じて、前記クランプ・アームの旋回移動における円弧が一定の垂直平面を定めており、当該垂直平面が前記長手軸および前記水平軸の両方に対して直交している一定の垂直軸を有しており、前記クランプ・アームが前記作動要素に操作可能に接続していて、当該作動要素の往復移動により前記クランプ・アームが前記垂直平面に沿って旋回し、
前記第1の表面部分の前記一定の長さが前記導波管の偏位を前記垂直平面内において最小にするように当該導波管を平衡化する超音波クランプ式凝固装置。
(2) 前記垂直軸に沿う前記エンド−エフェクターの偏位が15%以下に制限される実施態様1に記載の超音波クランプ式凝固装置。
(3) 前記垂直軸に沿う前記エンド−エフェクターの偏位が10%以下に制限される実施態様1に記載の超音波クランプ式凝固装置。
(4) 前記垂直軸に沿う前記エンド−エフェクターの偏位が5%以下に制限される実施態様1に記載の超音波クランプ式凝固装置。
(5) 超音波外科器具用のブレードにおいて、
基端部と、
先端部と、
広いエッジ部分と、
狭いエッジ部分を備えており、当該狭いエッジ部分が第1の表面部分および第2の表面部分の交線により定められていて、前記第1の表面部分が前記先端部から前記基端部に向かって前記ブレードの中に基端側に延在していて、当該第1の表面部分の一定の長さを定めており、
前記第1の表面部分の長さが前記ブレードの二次的な末端部分の偏位を当該ブレードの一次的な末端部分の偏位の15%以下に制限するように前記ブレードを平衡化する超音波外科器具用のブレード。
(6) 前記ブレードの二次的な末端部分の偏位が当該ブレードの一次的な末端部分の偏位の10%以下である実施態様5に記載の超音波外科器具。
(7) 前記ブレードの二次的な末端部分の偏位が当該ブレードの一次的な末端部分の偏位の5%以下である実施態様5に記載の超音波外科器具。
(8) 前記第1の表面部分が凹面状である実施態様5に記載の超音波外科器具。
(9) 前記第1の表面部分が凹面状である実施態様6に記載の超音波外科器具。
(10) 前記第1の表面部分が凹面状である実施態様7に記載の超音波外科器具。
【0097】
(11) 前記第2の表面部分が凸面状である実施態様8に記載の超音波外科器具。
(12) 前記第2の表面部分が凸面状である実施態様9に記載の超音波外科器具。
(13) 前記第2の表面部分が凸面状である実施態様10に記載の超音波外科器具。
(14) 超音波ブレードを平衡化する方法において、
(A)不所望なブレード偏位の最大の許容可能な量を選択する工程と、
(B)前記ブレードにおける一定の長さに沿って当該ブレードの一部分から一定量の材料を除去することにより当該ブレードに機能的な非対称部分を加える工程を含み、前記機能的な非対称部分の一定の長さが前記工程(A)において確認された不所望な偏位の許容可能な量を満足する方法。
(15) 前記工程(A)における不所望なブレード偏位の最大の許容可能な量が15%の規格化された偏位量である実施態様14に記載の超音波ブレードを平衡化する方法。
(16) 前記工程(A)における不所望なブレード偏位の最大の許容可能な量が10%の規格化された偏位量である実施態様14に記載の超音波ブレードを平衡化する方法。
(17) 前記工程(A)における不所望なブレード偏位の最大の許容可能な量が5%の規格化された偏位量である実施態様14に記載の超音波ブレードを平衡化する方法。
(18) 前記工程(B)において、前記機能的な非対称部分が狭いエッジ部分であり、当該狭いエッジ部分が第1の表面部分と第2の表面部分との交線により定められており、前記第1の表面部分が前記ブレードの先端部から前記ブレードの基端部に向かって前記ブレードの中に基端側に延在していて、前記機能的な非対称部分の一定の長さを定めており、
前記機能的な非対称部分の一定の長さが前記ブレードの二次的な末端部分の偏位を前記ブレードの一次的な末端部分の偏位の15%以下にするように前記ブレードを平衡化する実施態様14に記載の超音波ブレードを平衡化する方法。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】超音波発生器の側面図、超音波トランスデューサの断面図、および本発明によるクランプ式凝固装置の部分断面図を含む超音波外科システムを示している。
【図2A】本発明によるクランプ式凝固装置の一部分の分解斜視図である。
【図2B】本発明によるクランプ式凝固装置の一部分の分解斜視図である。
【図3】開口状態で示されているクランプ・アーム組立体を伴う本発明によるクランプ式凝固装置の部分断面図である。
【図4】閉鎖状態で示されているクランプ・アーム組立体を伴う本発明によるクランプ式凝固装置の部分断面図である。
【図5】上記クランプ式凝固装置におけるカラー・キャップの側面図である。
【図6】上記クランプ式凝固装置におけるカラー・キャップの正面図である。
【図7】上記クランプ式凝固装置における力制限用スプリングの側面図である。
【図8】上記クランプ式凝固装置における力制限用スプリングの正面図である。
【図9】上記クランプ式凝固装置におけるワッシャーの側面図である。
【図10】上記クランプ式凝固装置におけるワッシャーの正面図である。
【図11】上記クランプ式凝固装置における管状カラーの側面図である。
【図12】上記クランプ式凝固装置における管状カラーの後面図である。
【図13】上記クランプ式凝固装置における管状カラーの正面図である。
【図14】上記クランプ式凝固装置における内側ノブの側面図である。
【図15】上記クランプ式凝固装置における内側ノブの正面図である。
【図16】上記クランプ式凝固装置における内側ノブの下面図である。
【図17】上記クランプ式凝固装置における外側ノブの後面図である。
【図18】上記クランプ式凝固装置における外側ノブの上面図である。
【図19】上記クランプ式凝固装置におけるヨークの上面図である。
【図20】上記クランプ式凝固装置におけるヨークの側面図である。
【図21】上記クランプ式凝固装置におけるヨークの正面図である。
【図22】上記クランプ式凝固装置におけるヨークの斜視図である。
【図23】上記クランプ式凝固装置におけるエンド−エフェクターの斜視図である。
【図24】上記クランプ式凝固装置におけるクランプ・アームの上部斜視図である。
【図25】上記クランプ式凝固装置におけるエンド−エフェクターの上面図である。
【図26】クランプ・アームが開口状態である上記クランプ式凝固装置におけるエンド−エフェクターの側面図である。
【図27】上記クランプ式凝固装置における組織パッドの上面図である。
【図28】上記クランプ式凝固装置における組織パッドの側面図である。
【図29】上記クランプ式凝固装置における組織パッドの正面図である。
【図30】上記クランプ式凝固装置における組織パッドの斜視図である。
【図31】上記クランプ式凝固装置におけるクランプ・アームの下部斜視図である。
【図32】図31に示されているクランプ・アームの第1の断面図である。
【図33】図31に示されているクランプ・アームの第2の断面図である。
【図34】上記クランプ式凝固装置におけるブレードの下面図である。
【図35】上記クランプ式凝固装置におけるブレードの断面図である。
【図35A】上記クランプ式凝固装置の別の実施形態におけるブレードの断面図である。
【図36】上記クランプ式凝固装置におけるエンド−エフェクターの斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
10 超音波システム
15 超音波信号発生器
20 ハンド・ピース・ハウジング
80 音響組立体
82 超音波トランスデューサ
120 クランプ式凝固装置
130 器具ハウジング
150 細長い部材
179 超音波導波管
180 エンド−エフェクター
300 クランプ・アーム組立体
【出願人】 【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【出願日】 平成19年9月12日(2007.9.12)
【代理人】 【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音


【公開番号】 特開2008−36446(P2008−36446A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2007−237090(P2007−237090)