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【発明の名称】 低AC損失熱シールドのための装置及びその製作方法
【発明者】 【氏名】シャンルイ・ファン

【氏名】エヴァンジェロス・ラスカリス

【氏名】ポール・エス・トンプソン

【氏名】ブーレント・アクセル

【要約】 【課題】熱シールド内のAC磁場によって生成されるクエンチ力及びうず電流を低減するように構成した装置を提供する。

【構成】低AC損失熱シールドのための装置は、所望の熱伝導方向に沿って位置決めされた複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)を含む。これらの繊維(70、88、158、168、184)は互いに電気絶縁されている。これらの繊維(70、88、158、168、184)はマトリックス(110、170)を用いて互いに結合させており、この結合させた繊維(70、88、158、168、184)をサーマルリンク(126)によって極低温コールドヘッド(144)に接続させている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温コールドヘッド(144)と、
所望の熱伝導方向に沿って位置決めされた複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)であって、該繊維(70、88、158、168、184)の各々が別の繊維(70、88、158、168、184)から電気絶縁されている複数の熱伝導性繊維と、
前記複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)を互いに結合させているマトリックス(110、170)と、
前記複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)を前記極低温コールドヘッド(144)と接続させている少なくとも1つのサーマルリンク(126)と、
を備える装置。
【請求項2】
前記複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)は銅を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)はアルミニウムを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記結合させた複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)は超伝導マグネット(124)を取り囲むように構成したシェル(112、156、164)を形成している、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記シェル(112、156、164)はさらに前記超伝導マグネット(124)を囲繞するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
可撓性のシート(160、166)をさらに備えると共に、前記マトリックス(110、170)が該可撓性シート(160、166)を前記複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)に結合させている請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記マトリックス(110、170)はエポキシを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記可撓性シート(160、166)はガラス繊維を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の熱伝導性繊維(70、88、158、168、184)はLitzワイヤ構成で互いに巻き合わされている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
さらにMR撮像装置(10)を備える請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は全般的には超伝導マグネットシステムに関し、さらに詳細には超伝導マグネットシステムの低AC損失熱シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
MRシステムは一例として、超伝導マグネット、マグネットコイル支持構造及びヘリウム容器を備えたコールドマス(cold mass)を含む。ヘリウム容器内に包含された液体ヘリウムは、超伝導マグネットに対して冷却を提供すると共に、超伝導動作のために超伝導マグネットを低い温度に維持していることは当業者であれば理解されよう。この液体ヘリウムは、概ね及び/または実質的に4.2ケルビン(K)の液体ヘリウム温度に超伝導マグネットを維持している。熱的に分離させるために、この液体ヘリウムを包含するヘリウム容器は一例として、1つまたは複数の熱シールド及び1つの真空容器を備えている。
【0003】
真空容器は対流熱負荷が排除される真空環境を維持している。熱シールドはコールドマスに対する輻射及び伝導の熱負荷を遮断する。従来の熱シールドは銅やアルミニウムなどの伝導性金属から製作されている。熱シールドは、クライオクーラや液体窒素など何らかの冷媒によって4.2Kと室温の間のある中間温度まで冷却を受ける。これが4.2Kのコールドマスを完全に囲繞して、室温の真空容器からコールドマスへの輻射熱をブロックしている。熱シールドの温度をできる限り低くさせるには熱伝導性が良いことが必要である。MR撮像の間などそのマグネットがAC磁場内で動作しているときには、熱シールド構成要素内にうず電流が誘導されることになる。このうず電流は熱シールド内に、極低温システムによって除去せねばならなくなるような熱を発生させる。さらに、マグネットコイルの電流が急速にゼロまで減衰するマグネットクエンチの間では、熱シールド内に大きなうず電流及びクエンチ力が誘導されることになる。熱シールドがこのクエンチ力に耐えることは困難である。さらに、このクエンチ力下で熱シールドを構造的に支持することも困難である。
【特許文献1】米国特許第6783059号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、熱シールド内のAC磁場によって生成されるクエンチ力及びうず電流を低減するように構成した装置があることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の欠点を克服したAC損失を低減するための装置を提供する。複数の熱伝導性繊維が所望の熱伝導方向に沿って位置決めされている。各繊維は、別の繊維から電気的に絶縁されている。これらの繊維はマトリックスによって互いに結合させていると共に、この結合させた繊維をサーマルリンクによって極低温コールドヘッドに接続している。
【0006】
本発明の一態様では、装置は、極低温コールドヘッドと、所望の熱伝導方向に沿って位置決めされた複数の熱伝導性繊維であって各繊維が別の繊維から電気的に絶縁されている複数の熱伝導性繊維と、を含む。複数の熱伝導性繊維を互いに結合させているマトリックスが含まれる。本装置はさらに、複数の熱伝導性繊維を極低温コールドヘッドに接続している少なくとも1つのサーマルリンクを含む。
【0007】
本発明の別の態様では、熱シールドを製作する方法は、所望の熱伝導経路に沿ったツーリングフォーム(tooling form)上に電気絶縁体によってコーティングされた少なくとも1つの熱伝導性繊維を位置決めする工程を含む。本方法はさらに、該少なくとも1つの熱伝導性繊維をマトリックスによって固定する工程と、該少なくとも1つの熱伝導性繊維を極低温コールドヘッドと熱的に接続する工程と、を含む。
【0008】
本発明のまた別の態様では、MRI装置は、偏向磁場を印加するように超伝導マグネットのボアの周りに位置決めされた複数の傾斜コイルを有する磁気共鳴撮像システムと、MR画像を収集させるようなRF信号をRFコイルアセンブリに送信するようにパルスモジュールによって制御を受けるRF送受信器システム及びRFスイッチと、を含む。本MRI装置はさらに、極低温コールドヘッドと、該極低温コールドヘッドと熱的に接続させたサーマルリンクと、を含む。本装置はさらに、超伝導マグネットに隣接して位置決めされた熱シールドを含み、該熱シールドは、サーマルリンクと熱的に装着されると共に該熱シールドに熱を伝導させるように構成した1組の電気絶縁ワイヤを備えている。該1組の電気絶縁ワイヤを一体に固定するために1つのマトリックスを含んでいる。
【0009】
本発明に関する別の様々な特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面では、本発明を実施するために目下のところ企図される好ましい一実施形態を図示している。
【0011】
図1を参照すると、本発明の一実施形態を組み込むことにより恩恵を受ける好ましい磁気共鳴撮像(MRI)システム10の主要な構成要素を表している。システム10の動作は、キーボードその他の入力デバイス13、制御パネル14及び表示画面16を含むオペレータコンソール12から制御を受けている。コンソール12は、オペレータが画像の作成及び表示画面16上への画像表示を制御できるようにする単独のコンピュータシステム20と、リンク18を介して連絡している。コンピュータシステム20は、バックプレーン20aを介して互いに連絡している多くのモジュールを含んでいる。これらのモジュールには、画像プロセッサモジュール22、CPUモジュール24、並びに当技術分野でフレームバッファとして知られている画像データアレイを記憶するためのメモリモジュール26が含まれる。コンピュータシステム20は、画像データ及びプログラムを記憶するためにディスク記憶装置28及びテープ駆動装置30とリンクしており、さらに高速シリアルリンク34を介して単独のシステム制御部32と連絡している。入力デバイス13は、マウス、ジョイスティック、キーボード、トラックボール、タッチ作動スクリーン、光学読取り棒、音声制御器、あるいは同様な任意の入力デバイスや同等の入力デバイスを含むことができ、また入力デバイス13は対話式幾何学指定のために使用することができる。
【0012】
システム制御部32は、バックプレーン32aにより互いに接続させたモジュールの組を含んでいる。これらのモジュールには、CPUモジュール36や、シリアルリンク40を介してオペレータコンソール12に接続させたパルス発生器モジュール38が含まれる。システム制御部32は、実行すべきスキャンシーケンスを指示するオペレータからのコマンドをこのリンク40を介して受け取っている。パルス発生器モジュール38は、各システム構成要素を動作させて所望のスキャンシーケンスを実行させ、発生させるRFパルスのタイミング、強度及び形状、並びにデータ収集ウィンドウのタイミング及び長さを指示するデータを発生させている。パルス発生器モジュール38は、スキャン中に発生させる傾斜パルスのタイミング及び形状を指示するために1組の傾斜増幅器42と接続させている。パルス発生器モジュール38はさらに、生理学的収集制御器44から患者データを受け取ることができ、この生理学的収集制御器44は、患者に装着した電極からのECG信号など患者に接続した異なる多数のセンサからの信号を受け取っている。また最終的には、パルス発生器モジュール38はスキャン室インタフェース回路46と接続されており、スキャン室インタフェース回路46はさらに、患者及びマグネットシステムの状態に関連付けした様々なセンサからの信号を受け取っている。このスキャン室インタフェース回路46を介してさらに、患者位置決めシステム48が患者を所望のスキャン位置に移動させるコマンドを受け取っている。
【0013】
パルス発生器モジュール38が発生させる傾斜波形は、G増幅器、G増幅器及びG増幅器を有する傾斜増幅器システム42に加えられる。各傾斜増幅器は、収集した信号の空間エンコードに使用する磁場傾斜を生成させるように全体を番号50で示す傾斜コイルアセンブリ内の物理的に対応する傾斜コイルを励起させている。傾斜コイルアセンブリ50は、偏向マグネット54及び全身用RFコイル56を含むマグネットアセンブリ52の一部を形成している。システム制御部32内の送受信器モジュール58は、RF増幅器60により増幅を受けて送信/受信スイッチ62によりRFコイル56に結合されるようなパルスを発生させている。患者内の励起された原子核が放出して得られた信号は、同じRFコイル56により検知し、送信/受信スイッチ62を介して前置増幅器64に結合させることができる。増幅したMR信号は、送受信器58の受信器部分で復調され、フィルタ処理され、さらにディジタル化される。送信/受信スイッチ62は、パルス発生器モジュール38からの信号により制御し、送信モードではRF増幅器60をコイル56と電気的に接続させ、受信モードでは前置増幅器64をコイル56に接続させている。送信/受信スイッチ62によりさらに、送信モードと受信モードのいずれに関しても独立したRFコイル(例えば、表面コイル)を使用することが可能となる。
【0014】
RFコイル56により取り込まれたMR信号は送受信器モジュール58によりディジタル化され、システム制御部32内のメモリモジュール66に転送される。未処理のk空間データのアレイをメモリモジュール66内に収集し終わると1回のスキャンが完了となる。この未処理のk空間データは、各画像を再構成させるように別々のk空間データアレイの形に配置し直しており、これらの各々は、データをフーリエ変換して画像データのアレイにするように動作するアレイプロセッサ68に入力される。この画像データはシリアルリンク34を介してコンピュータシステム20に送られ、コンピュータシステム20において画像データはディスク記憶装置28内などの記憶装置内に格納される。この画像データは、オペレータコンソール12から受け取ったコマンドに応じて、テープ駆動装置30上などの長期記憶内にアーカイブしたり、画像プロセッサ22によりさらに処理してオペレータコンソール12に伝達しディスプレイ16上に表示させたりすることができる。
【0015】
図2〜6は、本発明の一実施形態による熱シールドのシェルを製作する各工程を表している。図2は、リング状のツール72の周りに環状に巻き付けた熱伝導性のワイヤまたはケーブル70を表している。好ましい一実施形態では、そのリング状ツール72はガラス繊維クロス(cloth)74で裏打ちし、熱シールドを円周方向に強化している。この環状の巻き付けは、(a)内表面76に沿った軸方向、(b)外表面80に向いた第1の端部表面78に沿った半径方向、(c)外表面80に沿った軸方向、(d)内表面76に向いた第2の端部表面82に沿った半径方向でリング状ツール72の周りにケーブル70を巻き付けること、並びにリング状ツール72の周りの円周方向で(a)〜(d)を反復することを含む。ケーブル70は、熱伝導によって、環状巻き付けしたケーブル70の内側セクション84からその外側セクション86に向かって熱が熱伝導するようにしてリング状ツール72の周りに位置決めされる。
【0016】
図3は、環状に巻き付けたケーブル70の上側にらせん状に巻き付けられた熱伝導性のワイヤまたはケーブル88を表している。ケーブル70、88は別々のケーブルとすることが好ましいが、ケーブル70、88を同じケーブルとすることも想定される。ケーブル88は、環状に巻き付けたケーブル70の外径86の周りに円周方向にかつらせん状に巻き付けられている。ケーブル88は、熱伝導によって熱シールドの軸方向中心90に向かって熱が熱伝導されるようにしてらせん状に巻き付けられている。
【0017】
上述のようにしてケーブル70、88を巻き付けた後、巻き合わせたリング状ツール92は図4に示すような真空バッグ94の内部に配置される。好ましい一実施形態では、真空バッグ94は巻き合わせたリング状ツール92を囲繞するようにリング形状をしている。真空バッグ94は、巻き合わせたリング状ツール92のボア98内に挿入された内側チューブ壁96と、巻き合わせたリング状ツール92の外表面102を覆うように配置された外側チューブ壁100と、を含む。チューブ壁96及び100は真空気密性のバッグが生成されるように各端部104、106位置で互いに融合されている。
【0018】
図5に示すように、真空バッグ94の内部には真空108が生成される。この真空108によって真空バッグ94は収縮する。この方式により、ケーブル70及び88が押されてリング状ツール72に当てられてその形状となる。真空バッグ94の内部に真空108が生成された後、真空バッグ94内部の空隙に浸透するようにマトリックス110が注入される。好ましい一実施形態では、マトリックス110はエポキシである。マトリックス110は固化するように放置し、固化した後にこれから真空バッグ94が除去される。
【0019】
図6を参照すると、ケーブル70及び88、ガラス繊維クロス74並びにマトリックス110によって形成されるシェル112は少なくとも2つのセクション114、116になるように分離されると共に、該シェルをその内周118及び外周120に沿って切断することによってリング状ツール72から取り去られる。
【0020】
図7は本発明の一実施形態による熱シールド122の分解図を表している。コールドマス124の周りに該コールドマス124を囲繞するようにシェルセクション114、116が配置されている。シェルセクション114、116は互いに結合させると共に、内側プレート128、1対の外側金属プレート130、132及び複数の金属ブロック134を含むサーマルリンクまたは中心構造126と接続させている。外側金属プレート130、132はアルミニウムまたは銅から形成することが好ましくまたブロック134は銅から形成することが好ましいが、別の材料を使用することもできることは当業者であれば理解されよう。外側金属プレート130、132はシェルセクション114、116と結合させて、ブロック134とシェルセクション114、116との間の熱接触を強化している。
【0021】
図8は、シェルセクション116に合わせて組み上げた内側金属プレート128、外側金属プレート130及び複数の金属ブロック134を表している。内側金属プレート128はその内部に、各金属ブロック134内に形成した穴138と整列するようにした複数の穴136を有する。内側プレート128はシェルセクション116の内表面140と隣接して位置決めされる。シェルセクション116の外表面142は、これに隣接して位置決めされた外側金属プレート132を有する。複数の金属ブロック134は、外側金属プレート132に隣接して位置決めされると共に、内側プレート128に対して確保されている。複数の金属ブロック134は内側プレート128に対してボルト留めすることが好ましい。
【0022】
図9は、組み上げた熱シールド122を表している。複数の金属ブロック134に対して装着された極低温コールドヘッド144の概要を表している。これら極低温コールドヘッド144と複数の金属ブロック134に対して、複数の銅編組146が熱的に接続されている。熱シールド122内で発生した熱はケーブル70、88を介して複数の金属ブロック134に向けて伝導される。この熱はさらに、複数の銅編組146を介してコールドヘッドに向けて伝導される。
【0023】
図10は、図5の線10−10に沿って切って見た断面図を表している。真空バッグ94内に注入されたマトリックス110が、ガラス繊維クロス74、ケーブル70、88及び真空バッグ94の間の空隙148を満たしている。図11は、図9の線11−11に沿って切って見た断面図を表している。熱シールド122がコールドマス124を囲繞してこれに対する輻射及び伝導熱負荷を遮断している。図10及び11に示すように、熱シールド122の内壁150は軸方向に巻き付けた1層のケーブル70を有しており、一方熱シールド122の外壁152は軸方向に巻き付けた1層のケーブル70及びらせん状に巻き付けた1層のケーブル88を有している。
【0024】
図12は、ケーブル70、88に関する好ましい配列を表している。ケーブル70、88は、Litzワイヤ構成で互いに編組された複数の繊維またはストランド154から製作されることが好ましい。ストランド154は、アルミニウムまたは銅から製作されることが好ましく、またこれらは互いに電気絶縁されている。この方式により、各ストランド154がうず電流及びAC損失の発生に関して個別に作用することになる。図12に示したLitzワイヤ構成で製作されたケーブル70、88によって、同じ直径をもつ単一ストランドケーブルの場合と比べてAC磁場内におけるうず電流及びAC損失が低下した。
【0025】
図13〜15は、本発明の一実施形態に従って熱シールドを製作する各工程を表している。図13は、本発明の一実施形態による熱シールドのシェル156を表している。複数のケーブル158が平坦な可撓性のシート160上に接着剤を用いて布設されている。シート160は薄い(G10)ガラス繊維シートであることが好ましい。
【0026】
図14に示すように、シェル156は所望の形状を画定するツーリングフォーム162上に配置されている。好ましい一実施形態では、シェル156に隣接して、シート166及び複数のケーブル168を有する別のシェル164が位置決めされている。シェル164の複数のケーブル168はシェル156の複数のケーブル158を基準として90度の向きにあることが好ましい。次いで、シェル156、164の周りにマトリックス170を注入して固化させてこれらを互いに結合させる。図4及び5において上述したように、マトリックス170を注入及び固化させるために真空バッグ(図示せず)を用いることがある。
【0027】
図15は、本発明の一実施形態に従ってコールドマス(図示せず)の周りに位置決め可能な熱シールド172を表している。結合させたシェル156、164の端部174に対して上述のような中心構造126を装着し、これを極低温コールドヘッド176と熱的に接続させている。
【0028】
図16は、図15の線16−16に沿って切って見た断面図を表している。シェル156、164は、軸方向に巻き付けたケーブル158、円周方向に巻き付けたケーブル168、及びマトリックス170を囲繞している。
【0029】
図17は、本発明の一実施形態に従って熱シールドを製作する様子を表している。シャフト180に装着したモータ178によってドラム182を回転させ、この周りにケーブル184がらせん状に巻き付けられる。ケーブル184はマトリックス槽186を通過すると共に回転式ドラム182上に湿式で巻き付けられており、また同時にドラム182に沿った軸方向の並進を受けている。マトリックス槽186はエポキシを含むことが好ましい。マトリックスでコートしたケーブル184のドラム182上への湿式の巻き付けに続いて、マトリックスでコートしたケーブル184がシェル(図示せず)を形成するように固化するまで放置された後、ドラム182から除去される。シェルに対して上述のような中心構造(図示せず)が装着されると共に、このシェルがコールドマス(図示せず)の周りに位置決めされる。
【0030】
本発明の一実施形態による熱シールドによれば、うず電流が発生させる熱が減少すると共にAC損失が低下する。さらにマグネットコイルの電流が急速にゼロまで減衰するマグネットクエンチの間に、熱シールド内に誘導される大きなうず電流及びクエンチ力が最小化され、これによって熱シールドがこのクエンチ力に耐えることが可能となる。
【0031】
したがって、極低温コールドヘッドと、所望の熱伝導方向に沿って位置決めされた複数の熱伝導性繊維であって各繊維が別の繊維から電気的に絶縁されている複数の熱伝導性繊維と、を含む装置を開示する。複数の熱伝導性繊維を互いに結合させているマトリックスが含まれる。本装置はさらに、複数の熱伝導性繊維を極低温コールドヘッドに接続している少なくとも1つのサーマルリンクを含む。
【0032】
本発明はさらに、熱シールドを製作する方法であって、所望の熱伝導経路に沿ってツーリングフォーム上に電気絶縁体によってコーティングされた少なくとも1つの熱伝導性繊維を位置決めする工程を含む方法の形で具現化される。本方法はさらに、該少なくとも1つの熱伝導性繊維をマトリックスによって固定する工程と、該少なくとも1つの熱伝導性繊維を極低温コールドヘッドと熱的に接続する工程と、を含む。
【0033】
さらに、偏向磁場を印加するように超伝導マグネットのボアの周りに位置決めされた複数の傾斜コイルを有する磁気共鳴撮像システムと、MR画像を収集させるようなRF信号をRFコイルアセンブリに送信するようにパルスモジュールによって制御を受けるRF送受信器システム及びRFスイッチと、を含むMRI装置を提示する。本MRI装置はさらに、極低温コールドヘッドと、該極低温コールドヘッドと熱的に接続させたサーマルリンクと、を含む。本装置はさらに、超伝導マグネットに隣接して位置決めされた熱シールドを含み、該熱シールドは、サーマルリンクと熱的に装着されると共に該熱シールドに熱を伝導させるように構成した1組の電気絶縁ワイヤを備えている。該1組の電気絶縁ワイヤを一体に固定するために1つのマトリックスを含んでいる。
【0034】
本発明を好ましい実施形態に関して記載してきたが、明示的に記述した以外に等価、代替及び修正が可能であり、これらも添付の特許請求の範囲の域内にあることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態の組み込みにより恩恵が得られるMR撮像システムのブロック概要図である。
【図2】本発明の一実施形態による熱シールドのシェルを製作する工程を表した図である。
【図3】本発明の一実施形態による熱シールドのシェルを製作する工程を表した図である。
【図4】本発明の一実施形態による熱シールドのシェルを製作する工程を表した図である。
【図5】本発明の一実施形態による熱シールドのシェルを製作する工程を表した図である。
【図6】本発明の一実施形態による熱シールドのシェルを製作する工程を表した図である。
【図7】本発明の一実施形態による熱シールドの分解図である。
【図8】図7の熱シールドを部分的に組み上げた斜視図である。
【図9】図7の熱シールドを組み上げた形態にした斜視図である。
【図10】図5の線10−10に沿って切って見た断面図である。
【図11】図9の線11−11に沿って切って見た断面図である。
【図12】本発明の一実施形態による熱伝導性のケーブルに関する好ましい配列の図である。
【図13】本発明の一実施形態による熱シールドを製作する工程を表した図である。
【図14】本発明の一実施形態による熱シールドを製作する工程を表した図である。
【図15】本発明の一実施形態による熱シールドを製作する工程を表した図である。
【図16】図15の線16−16に沿って切って見た断面図である。
【図17】本発明の一実施形態による熱シールドのシェルを製作する工程を表した図である。
【符号の説明】
【0036】
10 好ましいMRシステム
12 オペレータコンソール
13 キーボードその他の入力デバイス
14 制御パネル
16 表示画面
18 リンク
20 単独のコンピュータシステム
20a バックプレーン
22 画像プロセッサモジュール
24 CPUモジュール
26 メモリモジュール
28 ディスク記憶装置
30 テープ駆動装置
32 単独のシステム制御器
32a バックプレーン
34 高速シリアルリンク
36 CPUモジュール
38 パルス発生器モジュール
40 シリアルリンク
42 傾斜増幅器組
44 生理学的収集制御器
46 スキャン室インタフェース回路
48 対象位置決めシステム
50 傾斜コイルアセンブリ
52 マグネットアセンブリ
54 偏向マグネット
56 全身用RFコイル
58 送受信器モジュール
60 RF増幅器
62 送信/受信スイッチ
64 前置増幅器
66 メモリモジュール
68 アレイプロセッサ
70 ケーブル
72 リング状ツール
74 ガラス繊維クロス
76 内表面
78 第1の端部表面
80 外表面
82 第2の端部表面
84 内側セクション
86 外側セクション
88 ケーブル
90 軸方向中心
92 巻き合わせたリング状ツール
94 真空バッグ
96 内側チューブ壁
98 ボア
100 外側チューブ壁
102 外表面
104 端部
106 端部
108 真空
110 エポキシ
112 シェル
114 シェルセクション
116 シェルセクション
118 内周
120 外周
122 熱シールド
124 コールドマス
126 中心構造
128 内側金属プレート
130 外側金属プレート
132 外側金属プレート
134 複数の金属ブロック
136 複数の穴
138 穴
140 内表面
142 外表面
144 極低温コールドヘッド
146 複数の銅編組
148 空隙
150 内壁
152 外壁
154 ストランド
156 シェル
158 複数のケーブル
160 シート
162 ツーリングフォーム
164 シェル
166 シート
168 複数のケーブル
170 エポキシ
172 熱シールド
174 端部
176 極低温コールドヘッド
178 モータ
180 シャフト
182 ドラム
184 ケーブル
186 エポキシ槽
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成19年7月26日(2007.7.26)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志


【公開番号】 特開2008−36421(P2008−36421A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2007−194125(P2007−194125)