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【発明の名称】 断層撮影画像データの再現可能なビュー作成方法
【発明者】 【氏名】ディーター ベーイング

【氏名】グレゴール マリシュニッヒ

【要約】 【課題】僅かなメモリ需要しか要求せず、種々の画像パラメータ、特に種々の画像鮮明度/画像ノイズおよび種々の画像コントラストによるビューを作成可能にする。

【構成】CT画像データが、CT画像データの3次元の変調伝達関数とCT画像データによって包囲されたボクセルの座標を対象の固定の基準系において導き出し得る座標情報と一緒に作成され、CT画像データから、変調伝達関数と座標情報とを使用して画像フィルタ処理によって対象領域の少なくとも1つのビューが作成され、画像フィルタ処理に使用されたフィルタアルゴリズムならびに場合によってはビュー作成に必要な他のビューパラメータが、CT画像データを割り付けられたビューファイル7内に記憶され、新たなビュー作成のためにビューファイル7が呼び出され、フィルタアルゴリズムならびに場合によっては他のビューパラメータが新たにCT画像データに適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域の各ボクセルについて少なくともそれぞれ1つのX線減弱値を含んでいる対象の対象領域のコンピュータ断層撮影(CT)画像データが、CT画像データの3次元の変調伝達関数(8)または3次元の変調伝達関数(8)を導き出し得る関数とCT画像データによって包囲されたボクセルの座標を対象の固定の基準系において導き出し得る座標情報と一緒に作成され、
CT画像データから、変調伝達関数(8)と座標情報とを使用して画像フィルタ処理によって対象領域の少なくとも1つのビューが作成され、
画像フィルタ処理に使用されたフィルタアルゴリズムならびに場合によってはビュー作成に必要な他のビューパラメータが、CT画像データを割り付けられたビューファイル(7)内に記憶され、
新たなビュー作成のためにビューファイル(7)が呼び出され、フィルタアルゴリズムならびに場合によっては他のビューパラメータが新たにCT画像データに適用される
ことを特徴とする断層撮影画像データの再現可能なビュー作成方法。
【請求項2】
異なるアプリケーションのために異なるフィルタアルゴリズムの適用によって、対象領域の基礎をなす断層の画像鮮明度、画像ノイズおよびスライス厚のうちの少なくとも1つが異なっている対象領域の異なるビューが作成され、異なるビューのそれぞれについて専用のビューファイル(7)が記憶されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
他のビューパラメータとして、ビューのために選択された対象の空間方位がビューファイル(7)内に記憶されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
他のビューパラメータとして、ビューのために選択された画像切り抜きに関する情報がビューファイル(7)内に記憶されることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の方法。
【請求項5】
他のビューパラメータとして、ボリュームレンダリングのために選択されたレンダリングパラメータがビューファイル(7)内に記憶されることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の方法。
【請求項6】
他のビューパラメータとして、対象のビューのために選択された1つ又は複数のボリュームセグメントの位置および広がりがビューファイル(7)内に記憶されることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の方法。
【請求項7】
他のビューパラメータとして、キー画像のための平らなおよび/または曲がった1つ又は複数の2D断層面がビューファイル(7)内に記憶されることを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載の方法。
【請求項8】
CT画像データがボリュームデータセットとして準備されることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載の方法。
【請求項9】
CT画像データの作成時に高い空間分解能のための再構成アルゴリズムが使用されることを特徴とする請求項1乃至8の1つに記載の方法。
【請求項10】
CT画像データの3次元の変調伝達関数(8)または3次元の変調伝達関数(8)を導き出し得る関数と座標情報とを有するCT画像データが共通なデータセット(3)において準備されることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載の方法。
【請求項11】
共通なデータセット(3)が標準DICOM(医用デジタル画像と通信)オブジェクトとして使用されることを特徴とする請求項1乃至10の1つに記載の方法。
【請求項12】
ビューファイル(7)が標準DICOMオブジェクトとして使用されることを特徴とする請求項1乃至11の1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、対象の対象領域の各ボクセルに少なくとも1つのX線減弱値を含む対象領域のコンピュータ断層撮影(CT)画像データの再現可能なビュー作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばX線コンピュータ断層撮影の如き現代の医用画像化方法により、検査される測定対象、例えば患者の断層撮影画像データを取得することができる。X線コンピュータ断層撮影は、横断断層画像、すなわち体軸に対してほぼ垂直に向けられている身体断層画像を得ることができる特別なX線撮影方法である。画像内に表示される組織特有の物理学的な量は、断面におけるX線減弱値の分布μ(x,y)である。これらの横断断層画像のほかに、検出された対象領域のボリューム画像も得ることができ、ボリューム画像は減弱値の3次元分布μ(x,y,z)を意味する。検出された対象領域の各ボリューム要素(ボクセルとも呼ばれる)はX線減弱値を割り付けられている。
【0003】
コンピュータ断層撮影(CT)画像は、エンドレス回転式の走査システムを有する従来のコンピュータ断層撮影装置によって作成可能であるのと同様に、Cアーム装置によっても作成可能である。以下において、用語「CT」は両種類の画像化機器に対して使用される。CT画像データは、特別な畳み込み核(Kernel)による畳み込み処理を含む再構成アルゴリズムにより、CT装置から供給された生データから算出される。畳み込み核の数学的形態によって、画質に、生データからのCT画像の再構成時に的確に影響を及ぼすことができる。例えば、適切な畳み込み核により画像内の空間分解能を高めるために高い周波数を強調したり、あるいは相応の他の性質の畳み込み核により画像ノイズを低減するためにダンピングを効かせたりすることができる。それにより、コンピュータ断層撮影における画像再構成の際に、畳み込み核の選択を介して、画像鮮明度/画像ノイズおよび画像コントラストによって特徴づけられている画像特性に影響を及ぼすことができる。
【0004】
CT画像は、今日では、製造元および製品に固有の生データから、特にそのために開発された高出力画像再構成コンピュータ上にて計算されなければならない。この場合に生データは製造元固有のフォーマットで保存され、ピクセルデータまたはボクセルデータを含んでいない。したがって、生データは直接に表示することができず、もっぱら画像または画像シリーズの再構成に役立つ。
【0005】
しかしながら、使用者はしばしば種々の画像パラメータにより検出された対象領域の種々のビューを要求する。従来は、このために生データから任意に多数の断層画像シリーズが、生データの再構成によって種々の設定にて、例えば種々の核、種々のスライス厚、種々の増分、種々のFoV(=Field of View、撮像視野)または種々の方位にて算出される。しかしながら、これらのパラメータおよび付属の再構成アルゴリズムは、対象領域を検出したCT装置に密接に関連するために、製造元ごとにも異なっているし、また装置型ごとにも異なっている。したがって、所望の断層画像を問題なしに生データから再構成することは、それらの取得も行なったCTシステムにおいてしかできない。
【0006】
これらの断層画像シリーズは、後処理、記録保管、他の画像処理機器または画像化機器への転送のための基礎、そして最終的に診断所見のための基礎をなす。転送のために、いわゆるDICOM(=Digital Imaging and Communications in Medicine;医用デジタル画像と通信)標準が使用される。このDICOM標準により種々の画像化機器および画像処理機器の画像およびデータが相互に交換可能である。しかしながら種々の画像シリーズの供給は、生データのメモリ需要のほかに、無条件に数ギガバイトにもなり得る画像シリーズのためのメモリ需要も必要とする。それにより、画像シリーズの転送および後処理のためのCTアプリケーションへのロードも非常に時間がかかり、病院のワークフローに有害な影響を及ぼす。生データからの種々の画像シリーズの再構成は、同様に著しい時間消費を要する。後での再構成目的のためのCTシステムでの生データの蓄積は、多量のメモリを必要とするので、コスト上の理由から時間的に非常に限定されている。一般に生データは今日では数日しか蓄積されない。蓄積時間の延長のために、生データが、例えば光記憶媒体に保管されてもよい。しかしながら、記録保管過程および生データの後でのインポートは同様に時間がかかり、したがって実際にはほとんど実施されていない。
【0007】
CT画像データの再現可能なビュー作成のために、DICOM標準から、いわゆる2Dプレゼンテーションステート(2D表示状態)が知られており、この中には、表示すべき値範囲、いわゆるウィンドウ、ピクセルデータでの画像切り抜きならびにピクセルデータへのディジタルズームが記憶されている。いわゆるグレースケール(階調)、カラーおよびブレンディングプレゼンテーションステート(混合表示状態)は、カラー/グレー値コーディングテーブルの記憶ならびに2つの画像シリーズ(PET−CT、SPECT−CT)用の変換による線形レジストレーションのための回転/変換マトリックスの記憶を可能にする。可変の印象、すなわち異なる画像鮮明度/画像ノイズまたは異なる画像コントラストによるボリュームもしくはボリューム部分(3D対象)の器官に関連したデータビューが可能でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、僅かなメモリ需要しか要求せず、種々の画像パラメータ、特に種々の画像鮮明度/画像ノイズおよび種々の画像コントラストによるビューを作成することができる、断層撮影画像データの再現可能なビュー作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、本発明によれば、対象領域の各ボクセルについて少なくともそれぞれ1つのX線減弱値を含んでいる対象の対象領域のコンピュータ断層撮影(CT)画像データが、CT画像データの3次元の変調伝達関数または3次元の変調伝達関数を導き出し得る関数とCT画像データによって包囲されたボクセルの座標を対象の固定の基準系において導き出し得る座標情報と一緒に作成され、CT画像データから、変調伝達関数と座標情報とを使用して画像フィルタ処理によって対象領域の少なくとも1つのビューが作成され、画像フィルタ処理に使用されたフィルタアルゴリズムならびに場合によってはビュー作成に必要な他のビューパラメータが、CT画像データを割り付けられたビューファイル内に記憶され、新たなビュー作成のためにビューファイルが呼び出され、フィルタアルゴリズムならびに場合によっては他のビューパラメータが新たにCT画像データに適用されることによって解決される。
本発明の優れた実施態様は次の通り列記される。
(1)異なるアプリケーションのために異なるフィルタアルゴリズムの適用によって、対象領域の基礎をなす断層の画像鮮明度、画像ノイズおよびスライス厚のうちの少なくとも1つが異なっている対象領域の異なるビューが作成され、異なるビューのそれぞれについて専用のビューファイルが記憶される。
(2)他のビューパラメータとして、ビューのために選択された対象の空間方位がビューファイル内に記憶される。
(3)他のビューパラメータとして、ビューのために選択された画像切り抜きに関する情報がビューファイル内に記憶される。
(4)他のビューパラメータとして、ボリュームレンダリングのために選択されたレンダリングパラメータがビューファイル内に記憶される。
(5)他のビューパラメータとして、対象のビューのために選択された1つ又は複数のボリュームセグメントの位置および広がりがビューファイル内に記憶される。
(6)他のビューパラメータとして、キー画像のための平らなおよび/または曲がった1つ又は複数の2D断層面がビューファイル内に記憶される。
(7)CT画像データがボリュームデータセットとして準備される。
(8)CT画像データの作成時に高い空間分解能のための再構成アルゴリズムが使用される。
(9)CT画像データの3次元の変調伝達関数または3次元の変調伝達関数を導き出し得る関数と座標情報とを有するCT画像データが共通なデータセットにおいて準備される。
(10)共通なデータセットが標準DICOM(医用デジタル画像と通信)オブジェクトとして使用される。
(11)ビューファイルが標準DICOMオブジェクトとして使用される。
【0010】
本発明による方法において、対象の対象領域のコンピュータ断層撮影(CT)画像データが対象領域の各ボクセルについて少なくともそれぞれ1つのX線減弱値を含んでおり、対象領域の各ボクセルについて少なくともそれぞれ1つのX線減弱値を含んでいる対象の対象領域のコンピュータ断層撮影(CT)画像データが、CT画像データの3次元の変調伝達関数または3次元の変調伝達関数を導き出し得る関数とCT画像データによって包囲されたボクセルの座標を対象の固定の基準系において導き出し得る座標情報と一緒に作成される。CT画像データから、変調伝達関数と座標情報とを使用して画像フィルタ処理によって対象領域の少なくとも1つのビューが作成され、画像フィルタ処理のために使用されたフィルタアルゴリズムならびに場合によってはビュー作成に必要な他のビューパラメータが、CT画像データを割り付けられたビューファイル内に記憶される。その後、新たなビュー作成のためにビューファイルが呼び出され、フィルタアルゴリズムならびに場合によっては他のビューパラメータが新たにCT画像データに適用される。
【0011】
本発明による方法は、CT画像データの準備とCT画像データの3次元の変調伝達関数ならびに座標情報を含む付加情報の準備とを利用する。CT画像データは、公知のように、X線画像化により、すなわちCT装置を用いて作成されて記憶される。対象領域の検出時に発生する生データは、好ましくは高分解能画像を作成する適切な畳み込み核により、先ず画像再構成コンピュータにより再構成される。これは、データ作成場所において直接に、すなわちデータを記録するCT装置の画像再構成コンピュータにより行なわれるべきである。生データはその後に廃棄可能である。CT画像データは、画像データの3次元の変調伝達関数または3次元の変調伝達関数を導き出し得る関数と相応の座標情報と一緒に、1つの共通なデータセット内に記憶されると好ましい。このデータセットは、後での後処理、記録保管、他の装置もしくはステーションへの転送のための、そして最後に診断のための基礎をなす。データセットは、3D変調伝達関数および座標情報と共に、任意の他のワークステーションにおいて、データからの対象領域の任意のビュー(以下においてデータビューとも呼ばれる)を作成するための全ての情報を含んでいる。
【0012】
CT画像データの変調伝達関数の知識によって、適切なフィルタによる純粋な画像フィルタ処理で、生データから従来行なわれていた再構成により得られるのと同じ結果を得ることができる。この3D変調伝達関数の知識のもとに、CT画像データの種々のフィルタによって、種々の鮮明度および種々のノイズを有する画像を作成することができる。この種の画像フィルタ処理は独国特許出願公開第10238322号明細書から公知であり、この開示内容はこの点に関して本特許出願に取り込むことできる。もちろん、前述の利点は、準備されたデータもしくは情報が唯一のデータセット内に記憶されるのではなく、複数のデータセットに分割される場合にも得られるが、しかしそれらのデータセットから相互の関連付けが認識可能でなければならない。
【0013】
本発明による方法においては、付加情報と共に準備されたCT画像データから、変調伝達関数ならびに座標情報の使用のもとに、画像フィルタ処理によって、対象領域の少なくとも1つの所望のビューが作成される。このビューは、CT画像データの異なる鮮明度、異なるノイズ、異なる方位、異なる画像切り抜きおよび異なるスライス厚を有するデータビュー、特に断層画像つまりスライス画像であってよい。この場合にCT画像データのフィルタ処理に使用されたフィルタもしくはフィルタアルゴリズムならびに、例えば画像切り抜きまたは画像方位の如き他のビューパラメータは、CT画像データに割り当てられたビューファイル内に記憶される。このビューファイルは、以下において、DICOM標準から公知の2Dプレゼンテーションステートと同様にアドバンスドプレゼンテーションステート(Advanced Presentation State=APS)と呼ばれる。したがって、APSはボリュームデータセットまたは断層画像スタックとして存在し得るCT画像データに基づく任意のビューを表す。APSは今日の再構成の代わりをする。なぜならばAPSは生データをもはや必要とせず、同時にアプリケーションの全ての結果を標準フォーマットで記憶する。このパラメータ、特に使用されたフィルタアルゴリズムの記憶によって、相応のビューをいつでも任意の装置において再現可能に再び作成することができる。断層画像スタックまたはボリュームデータセットと同様にAPSもDICOMオブジェクトとしてDICOMアーカイブ(例えばPACS=医用画像管理システム)内に記憶される。それにより、使用者は、非常に僅かなメモリ要求でもって、診断にとって重要な全ての画像ビューを任意DICOMワークステーションにおいて作成することができる。診断上重要な画像データを決定するCT画像データに対する全ての対話がAPS内に記憶されるとよい。
【0014】
今日のアプリケーションは、原データセット、すなわち生データを、一般に、画像切り抜き、スライス厚、フィルタ、カラーコーディング、空間内の方位で操作し、測定値を算出し、器官および血管を限定するためのセグメントを定め、2Dビューにおいて3D効果を発生させるためにボリュームをレンダリングし、画像結果を定量化し、あるいは身体(例えば結腸、気管支)を通る仮想カメラ案内のための通路を定める。CADアルゴリズム(CAD=Computer Aided Diagnosis、コンピュータ支援診断)は、ボリュームセグメントをマークし、これを病気または健全として分類する。これらの全ての結果は、他の使用者のためにまたは他のデータステーションにおいて後の時点で、既に一度作成されたのと正確に同じビューを得るために、APS内に記憶される。このために生データからの新たな再構成はもはや必要でない。なぜならば、本発明による方法では、まさに、一度再構成されかつ3D変調伝達関数および座標情報と一緒内に記憶されたCT画像データセットが用いられるからである。
【0015】
付加情報を有するこのCT画像データセットは、APS内に記憶された全てのパラメータのためのデータベースを形成する。好ましくは、このCT画像データセットはボリュームデータセットであると好ましく、このボリュームデータセットは以下において付加情報と一緒にIVB(=Image Volume Database、画像ボリュームデータベース)とも呼ばれる。IVBは、後処理、記録保管および他の画像処理機器または画像化機器への転送の際に、今日の製造元および製品に固有のCT生データの代わりをする。IVBは、新しいDICOM標準フォーマットで記憶される。このための可能性は、今日のDICOM−CTマルチフレームの拡張にある。この場合に、IVBはCT生データの代わりをするので、CT生データはIVBの一度だけの再構成後に長くは必要とされない。この場合にIVBは種々のスライス画像からの断層スタックではなく、規定の座標系を有するボリュームデータを含んでいる。IVB内には、CT画像データのほかに、CT検査のトポグラムが検出される場合にはこの種のトポグラムも記憶される。
【0016】
対象領域のCT画像データによって包囲されたボクセルの座標を対象の固定の基準系において導き出し得る座標情報は、ボクセルの1つに対する座標値と、残りのボクセルに対する方向情報および距離情報とだけから構成されていると好ましい。ボクセルデータが一般的に等間隔ラスター上で再構成されるので、ボクセル座標は、3つの軸を記述する方向ベクトル(例えば、単位ベクトルex,ey,ez)と増分もしくはデルタ(例えば、dx,dy,dz)とによって定めることができる。ボクセルのアパーチャを記述するために、例えばx,y,z方向における3つの1次元変調伝達関数が用いられ、これらによって3D変調伝達関数が構成される。変調伝達関数の代替として、もちろん、3D変調伝達関数を導き出し得る点画像関数もしくは感度プロフィールが使用されてもよい。この伝達関数の知識は、それぞれのCT画像のための画像鮮明度/スライス厚の後からの変更を可能にする。3D変調伝達関数は、画像化システム自体すなわちCT装置および場合によっては使用される再構成アルゴリズムに依存するCT画像データへの対象領域の写像品質を記述する。変調伝達関数は、どのCTシステムに対しても決定することができ、例えばディジタル化後に値テーブルとして記憶することができる。
【0017】
本発明による方法によれば、異なるアプリケーションについて、異なるフィルタアルゴリズムの使用によって、画像鮮明度、画像ノイズおよび対象領域の基礎をなす断層のスライス厚のうちの少なくとも1つが異なっている対象領域の異なるビューを作成することができる。異なるビューのそれぞれについて、専用のビューファイル、すなわち専用のAPSが記憶されると好ましい。APSは該当基礎データセット、すなわちボリュームデータセット(IVB)または断層スタックへの照会ならびに適用されたフィルタアルゴリズムに関する情報を含んでいる。
【0018】
他のビューパラメータとして、APS内に、例えば画像切り抜き(FoV=Field of View、撮像視野)、空間内の方位および/またはVRTプリセット(レンダリングパラメータ、カラーテーブル)が記憶されるとよい。更に、ボリュームデータセットの座標系における任意多数の3Dボリュームセグメント、案内されたビュー、例えば結腸/気管支フライスルー(Fly−Through)のための通路、またはいわゆるキー画像(Keyimage)を、ボリュームデータセットの座標系における定められた回転を指向した2D断層平面(または断層曲面)として、APS内に格納することができる。付加的に、ビューにおいて実施されたマーカー、注釈または距離/容積測定がAPS内に格納されるとよい。マーカーは、例えば2Dまたは3D情報として、例えば点として、ROI(=Region of Interest、関心領域)として、またはVOI(Volume of Interest、関心ボリューム)として格納されるとよい。
【0019】
本発明による方法によれば、種々の品質特性を有する画像シリーズは、もはや個別に生データから再構成されなくてもよい。それぞれの所望の画像印象は使用者に対して直接的に表示されるとよい。再構成の従来必要であった結果待ちがなくなり、また所望の画質を確認するために最初に行われる品質チェックがなくなる。ビューの新たな作成時における大きな時間節約のほかに、データボリュームを抜本的に低減することができる。なぜならば、例えば、従来では最優先的に後処理ステップのための入力を形成する薄いスライスシリーズも、もはや生データから再構成される必要がなく、むしろAPSとして記憶するだけでよい。APSにより使用者にはデータ取得後いつでもアキシャル方向(今日での再構成の核に相当)ならびにz方向(スライス厚および再構成増分)におけるリアルタイムフィルタ処理の既述の可能性が使用できる。診断上重要な画像データを決定するボリュームへの全ての対話がAPS内に記憶されるとよい。この場合に、画像シリーズの定義のほかに個々の画像のマーキングならびに注釈または所見の入力も可能にされるとよい。
【0020】
従来使用可能な2Dプレゼンテーションステートに対する付加的な利点として、ここに提案するAPSには、腫瘍、血管ツリーなどを分離するための3Dセグメントも記憶することができる。更に、ボリュームデータセットの座標系において任意の方位を有する任意に多数のまっすぐな断面および曲がった断面がAPS内に記憶可能であり、かつ特定の2D断面をキー画像としてアドレス指定するために、どのアプリケーションからも相応に読み出し可能である。
【0021】
方法を実施するための装置は、CT画像データが好ましくはIVBとして記憶されているデータバンクへのインターフェースを有する計算ユニットを含む。画像作成モジュールはデータバンにおける所望のAPSにアクセスし、これを読み出し、そしてAPSにおいて指定されたパラメータに応じてCT画像データを処理する。更に、APS作成モジュールが設けられており、これは、使用者によって画像データに適用されたフィルタアルゴリズムおよび場合によっては付加的なビューパラメータをAPSとしてデータバンク内に記憶させる。このようにして使用者との対話によって元のCT画像データセットから新たなAPSを作成することができ、あるいはビューを既知のAPSに基づいて表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下において、図面を参照しながら実施例に基づいて本発明による方法を、特許請求の範囲によって設定される保護範囲の制限なしにもう一度詳しく説明する。
図1は断層撮影画像データの準備に関する概観を示し、
図2はAPSの作成または読み出しのためのアプリケーションサーバの例を示し、
図3はIVBおよびAPSを備えた中央メモリの例を示し、
図4はAPSの作成および記憶の例を示し、
図5は3Dセグメントの第1の参照例を示し、
図6は3Dセグメントの第2の参照例を示し、
図7は3Dセグメントの第3の参照例を示し、
図8は3Dセグメントの第4の参照例を示し、
図9は所望の画像印象を生じ得る変調伝達関数ならびにフィルタ関数の例を示す。
【0023】
図1は、本発明方法による断層撮影画像データのビュー作成時におけるワークフローに関する概観を示す。先ず、コンピュータ断層撮影(CT)装置1により対象領域のコンピュータ断層撮影(CT)画像データが記録される。このCT装置1は、コンピュータ断層撮影装置またはいわゆるCアーム装置であるとよい。CT走査から画像を再構成するために、測定された生データが画像コンピュータ2に転送され、画像コンピュータ2により生データから適切な再構成アルゴリズムの使用により3D画像データセットが作成される。この3D画像データセットはこの例ではボリュームデータセットである。ボリュームデータセットにおいては、検査された対象領域の各ボリューム要素(ボクセル)にX線減弱値μ(x,y,z)もしくはX線減弱値μ(x,y,z)から導き出されたグレー値が割り付けられている。
【0024】
このボリュームデータセットから、CT画像データの3D変調伝達関数とCT画像データセットのボクセル座標に関する情報とを含む付加情報を有するデータセットが作成される。この新たなボリュームデータセットすなわちIVB3が中央データバンク4に伝送され、そこに記憶される。中央データバンク4はアプリケーションサーバ5に接続されており、アプリケーションサーバ5においてはIVB3から所望のデータビューが作成され、相応のクライアント6に伝送される。
【0025】
中央データバンク4には、データビューに付属するAPS7も記憶され、それぞれのIVB3に対して帰属させられる。これは図3において認識することができる。図3は、模範的に3つのAPS7を有する3つのIVB3を概略的に示す。もちろん、APSの個数は制限されず、所望の種々のデータビューの個数に関係するだけである。中央データバンク4の中央範囲においては、この例では患者の胸部のIVB3aに基づいて、1つのAPS7aが肺結節の表示を含み、他のAPS7bが抽出された心臓の表示を含み、第3のAPS7cは特別に使用者によって作成されたデータビューを含む。
【0026】
図2は2つのAPS7の作成の例を示す。このために、アプリケーションサーバが、第1のアプリケーションにおいて、データバンク4内に記憶されたAPSの1つを呼び出し、これを読み取り、その中に含まれているパラメータおよびフィルタを付属のIVB3に適用し、相応のクライエント6にビューを表示する。使用者は他の画像パラメータの設定によってこのビューを変更することができる。このために、使用者は適切なツール11およびファンクション12を使用することができる。所望の画像パラメータによるビューの調整後、このビューに必要な画像パラメータ、特に場合によっては変更されるフィルタ関数ならびに他のビューパラメータが、アプリケーションサーバによって中央データバンク4内の新たなAPS7に記憶される。同じ方法が異なったAPS7を生じる第2のアプリケーションによって行なわれる。予め定められた画像パラメータを必要とする相応のアプリケーションによるAPSの自動作成も可能である。これは、例えば、確実に再現可能な結果を得るために、分解能、画像鮮明度およびノイズに特定の要求を有する自動化された肺結節評価のために置き換えら得る。この種のアプリケーションは、付属のAPSの呼び出しによってIVBに自動的に適切な画像パラメータを適用し、その後、作成されたビューに基づいてセグメンテーションが実行される。
【0027】
図4は新たなAPSを作成するための既存のAPSの調整のための更に別の例を示す。この場合に、アプリケーションサーバ5におけるアプリケーションが、アプリケーションによって処理できる形でデータを提供するために、IVBに対して既に存在するAPSを呼び出す。後続処理はフィルタ処理、ウィンドウ処理および予め定められた2D面または3Dボリュームセグメントへのデータ低減を含む。その際に得られたビューに対して、全ての必要なビューパラメータ、特に方位、位置、ズーム係数、フィルタ、セグメンテーション、マーカー、カラー/階調などが新たなAPSもしくは更に別のAPSとして記憶される。
【0028】
図5は1つのAPSにおける3Dボリュームセグメントの参照例を示す。この最も簡単なケースでは、CT撮影時に予め定められたz方向(システム軸線方向)が使用され、この方向はIVBにおいて座標情報から導き出すことができる。z方向における始端座標および終端座標の指定によってボリュームデータセット内の定められた3Dセグメントが応答させられる。この指定は、ビューのために作成されたデータを、例えば心臓を取り囲む規定領域に制限する。引続いて、場合によっては後続処理のための所望のビューを作成するために、これらの低減されたデータに適切なフィルタが適用される。
【0029】
図6は他の例を示し、この例では所望の3Dボリュームセグメントの中心の3D座標ならびにx,yおよびz方向におけるその広がりが指定される。
【0030】
図7は、3Dボリュームセグメントが球形に形成されているこの種の他の参照例を示す。このセグメントの規定は、ここでもこのボリュームセグメントの中心の3次元座標の指定と半径の指定とによって行なわれる。
【0031】
最後に、図8はCT画像データによって包囲された対象領域内のセグメント化された器官またはセグメント化された領域の参照を示す。この場合にも再び参照のためにセグメント化された器官またはセグメント化された領域の中心の座標が指定される。
【0032】
最後に述べた4つの例により、処理すべきデータ量が明らかに低減される。なぜならば、それぞれのAPS内に指定されているセグメント化範囲もしくは参照範囲のデータだけがそれぞれ表示されるからである。このAPSの新たな各呼び出しの際にも使用者に正確に同じビューが表示される。
【0033】
図9は1次元の変調伝達関数8ならびに使用者によって望まれた画像印象を生じるフィルタ関数9を具体例に説明するために模範的に示す。変調伝達関数8はIVB内にテーブルとして含まれている。使用者によって望まれた画像印象は、曲線10によってダイアグラム中に表示されている関数に相当する。この望まれた画像印象(ノイズ、鮮明度)もしくは関数とIVB内に含まれている変調伝達関数8とから、変調伝達関数8から画像印象もしくはそれに関係する関数10に到達するために必要であるフィルタ関数9が算出される。フィルタ関数9は、好ましくは僅かな補間点と共にテーブルとして、APS内に格納されている。このAPSの呼び出しによって、異なった使用者または同じ使用者がいつでもAPSの呼び出しによってIVBから同一の画像印象を、このために時間のかかる画像再構成を実施しなければならないことなしに生じさせることができる。
【0034】
本発明による方法により、多数の画像シリーズの再構成が不要となる。これは時間を節約し、病院のワークフローを最適にする。画像シリーズは、もはや、完全に生データから再構成しなくてもよい。その代わりに、あとわずかに論理的なデータビューがAPSの形で作成されるだけである。それによって相当のデータ低減が達成される。とういのは、APSはほとんどメモリを必要としないからである。診断に必要な画像データ(APSによるIVBにおけるビュー)が、製造元および装置に関係なく作成され、交換される。診断に必要な画像データの準備は、もはやCTシステム自体において行なう必要がなく、任意のワークステーションにおいて行なうことができる。画像シリーズの時間のかかる転送および後処理のためのCTアプリケーションへのこれらのデータのロードが省略される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による断層撮影画像データの準備に関する概観を示す概略図
【図2】APSの作成および読み出しのためのアプリケーションサーバの概略図
【図3】IVBおよびAPSを備えた中央メモリの例を示す概略図
【図4】APSの作成および記憶の例を示す概略図
【図5】3Dセグメントの第1の参照例を示す説明図
【図6】3Dセグメントの第2の参照例を示す説明図
【図7】3Dセグメントの第3の参照例を示す説明図
【図8】3Dセグメントの第4の参照例を示す説明図
【図9】所望の画像印象を生じ得る変調伝達関数ならびにフィルタ関数の例を示すダイアグラム
【符号の説明】
【0036】
1 CT装置
2 画像コンピュータ
3 IVB
4 中央データバンク
5 アプリケーションサーバ
6 クライアント
7 APS
8 変調伝達関数
9 フィルタ関数
10 曲線
11 ツール
12 ファンクション
【出願人】 【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【出願日】 平成19年5月16日(2007.5.16)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖


【公開番号】 特開2008−36395(P2008−36395A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2007−130351(P2007−130351)