| 【発明の名称】 |
放射線撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅野 修二
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| 【要約】 |
【課題】斜入撮影に得られた画像に適正なトリミング処理が可能な放射線撮影装置を提供する。
【構成】被検体にX線を照射するX線管装置102と、前記被検体とX線管装置の間に配置され前記被検体へ照射されるX線照射域(X線照射領域)を制限するX線絞り103と、X線絞り103のX線照射域の大きさ及び形状を制御するX線絞り回転角度制御部306と、X線絞り回転角度制御部306を制御するための操作情報を設定する操作部301とを備えた放射線撮影装置において、前記X線絞り回転角度制御部306は、斜入撮影を行う際に、前記X線照射領域の変形に合わせて前記X線絞り103を制御することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体にX線を照射するX線発生手段と、 前記被検体とX線発生手段の間に配置され前記被検体へ照射されるX線照射域(X線照射領域)を制限するX線絞り手段と、 このX線絞り手段のX線照射域の大きさ及び形状を制御する絞り制御手段と、 この絞り制御手段を制御するための操作情報を設定する手段とを備えた放射線撮影装置において、 前記絞り制御手段は、斜入撮影を行う際に、前記X線照射領域の変形に合わせて前記X線絞り手段を制御することを特徴とする放射線撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、放射線撮影装置のX線絞り装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来の放射線撮影装置では、(特許文献1)に記載されるように、斜入角度に応じて、上下のX線絞り羽根の位置を調整することで、X線センサの外にX線を照射しないようにする方法がある。 【特許文献1】特許第3326922号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 従来の放射線撮影装置におけるX線絞り装置では、図4に示すように、上下左右の4つのX線絞り羽根を矢印の方向に移動させることでセンサ面における照射野サイズを調整していた。なお図4はX線絞り103を覗き込んだ場合の配置を示している。このため、センサ面に対して斜めにX線を照射して撮影した場合、照射野は台形状となる。例えば、撮影オーダーがタウンの場合には、図1に示すように斜入角度を30°で撮影を行う。このため、図2に示したように照射野が台形状の撮影画像になる。 【0004】 ここで、診療放射線技師がモニタに表示されたタウンの撮影画像に対して、台形状の照射野に内接するように長方形で画像のトリミングを行うと、図2の点線領域がトリミングにより除去されるため、点線領域については医師の診断には利用されない。このトリミング処理により無効被曝となる領域は、図2の場合、X線が被写体に照射された領域の4%に相当する。 また、タウンの他に、斜入撮影後の画像のトリミングの仕方により無効被曝領域が生じる撮影部位には、頚椎正面(15°)、鎖骨軸位(25°)、肩関節正面(20°)等がある。 【0005】 本発明の目的は、斜入撮影に得られた画像に適正なトリミング処理が可能な放射線撮影装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題は、被検体にX線を照射するX線発生手段と、前記被検体とX線発生手段の間に配置され前記被検体へ照射されるX線照射域(X線照射領域)を制限するX線絞り手段と、このX線絞り手段のX線照射域の大きさ及び形状を制御する絞り制御手段と、この絞り制御手段を制御するための操作情報を設定する手段とを備えた放射線撮影装置において、前記絞り制御手段は、斜入撮影を行う際に、前記X線照射領域の変形に合わせて前記X線絞り手段を制御することを特徴とする放射線撮影装置によって解決される。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば斜入撮影より得られた画像に適正なトリミング処理を行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。 図1は放射線撮影装置(臥位撮影台)の例であり、高電圧発生器101、X線管装置102、X線絞り103、支持器104、X線絞り回転角度制御部105、テーブル106、X線検出器107、画像処理装置108、タッチパネル付き液晶モニタ109を備えて構成されている。 【0009】 高電圧発生器101では、診療放射線技師が撮影スイッチを押した場合に、高電圧を発生し、X線管装置102の中にあるX線管球に印加するものである。 支持器104は、X線管装置102を支持し、また上下動可能なものである。 【0010】 X線管装置102は、X線管球と回転角度センサを含む。この回転角度センサにより、X線管装置102の回転角度を計測する。この管球の回転角度が斜入角度に対応する。 そして、X線絞り103は、X線を吸収する鉛板(上下左右、4枚)と、4枚のX線絞り羽根の位置を調整する駆動手段(モータ)からなる。 X線が垂直に照射される場合の斜入角度を0度とし、図1のように反時計周りに照射する場合を斜入角度を正とする。なお、斜入角度は−45°から45°まである。 X線検出器107は、被写体透過後のX線の空間的な強度分布(X線像)をデジタル画像データに変換するものであり、FPD(Flat Panel Detector)や、IP(Imaging Plate)を自動的に読み取る方式のCR(Computed Radiography)装置や、I.I.−CCDシステム等を使用することができる。 【0011】 また、CR装置のCRカセッテをテーブル106の上におき、被写体とテーブルの間に挟むように配置して撮影し、CRカセッテ読み取り装置を用いてX線撮影画像をデジタルデータとして収集し、院内のLANを経由してRISやPACSに送信し、ビュアで観察しても良い。 あるいは、増感紙-フィルムカセッテをテーブル106の上におき、被写体とテーブルの間に挟むように配置して撮影し、自動現像器を用いてX線撮影画像をX線フィルムを作成しても良い。 【0012】 画像処理装置108は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)を使用できる。画像処理装置には、CPU、メモリ、ハードディスク、LANカード、ハードディスクドライブ等を含む。 タッチパネル付き液晶モニタ109は、タッチパネルと液晶モニタとからなるもので、撮影条件の表示・調整や、患者の選択、撮影画像の選択、撮影部位の選択、そして撮影画像のプレビュー等を表示するものである。 【0013】 図3に本発明の放射線撮影装置のブロック図を示す。 操作部301には、タッチパネル等を使用できる。制御部302にはPCを使用できる。記憶部303にはハードディスク等を使用できる。表示部304には液晶モニタ等を使用できる。 【0014】 操作部301で患者情報や検査情報を入力し、撮影部位を選択入力する。撮影部位には、胸部立位PA、胸部立位LAT、腹部立位PA、タウン、頚椎正面、鎖骨正面、肩関節正面等のようなものがある。撮影部位のボタンを選択すると、制御部302において撮影部位毎に対応した撮影条件が表示部304に表示される。 【0015】 診療放射線技師はX線絞り103の中にあるランプのスイッチを押すことで、光中心や光照射野を確認しながら患者のポジショニングを行う。そして、ポジショニングが終了した後、診療放射線技師は制御部302に接続してある撮影スイッチを押す。撮影スイッチが押されると、X線検出器107から制御部302に撮影画像データが転送される。そして、制御部302において画像処理(自動階調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理、エッジ強調処理、自動表示階調処理等)を行い、表示部304に撮影画像を表示する。また、制御部302で画像処理した画像は記憶部303(例:ハードディスクトドライブ等)に記憶され、LANを経由してPACSや、RIS、LP(レーザプリンタ)等にDICOM転送される。 【0016】 斜入角度計測部305には、角度センサを用いることができる。X線管球102の回転角度を計測することで、斜入角度を計測する。 【0017】 照射野横サイズ計測部307には、ワイヤー式リニアエンコーダと加算器を用いることができる。図5に示したように、ワイヤー式リニアエンコーダ511と512を用いて、絞り位置におけるX線中心位置からの左右の絞り羽根の移動距離を各々計測した後、それらの移動距離を加算することで照射野横サイズを計測する。 【0018】 X線絞り回転角度制御部306にはPC、あるいはLUT(ルックアップテーブル)等を使用できる。斜入角度計測部305により得られた斜入角度と、照射野横サイズ計測部307により得られた絞り位置における照射野横サイズを用いて、X線絞り回転角度制御部306によりX線絞り羽根の回転角度を決定し、X線絞り103における左右のX線絞り羽根を回転させる。 【0019】 以下に、斜入角度と、絞り位置における照射野横サイズと、X線絞り羽根の回転角度について詳細に説明する。 図6は撮影オーダーがタウンの場合のX線焦点や絞り位置や、センサ面上の照射野を示す配置図である。撮影オーダーがタウンの場合、斜入角度θは30°で、撮影距離SID(Source Image Distance)は100〜120cmで行われる。 【0020】 点PはX線管球の焦点の位置を示す。点T はX線絞りの上辺を、点UはX線絞りの下辺を真横から見た位置を示す。点Vは絞り位置におけるX線中心を示す。点Qはセンサ面上の上辺の絞り像の位置を示し、点Rはセンサ面上の下辺の絞り像の位置を示す。点Wはセンサ面上のX線中心を示す。センサ面上における真横から見た照射野はQRの位置である。 また、X線焦点Pからセンサ面上に下ろした垂線との交点を点Sとする。ここで、SIDはPS間の距離である。 【0021】 点PQ間の距離をL1、点PR間の距離をL2とすると、各々の距離は以下のように表せる。 【数1】
絞り位置での絞りの上辺Tがセンサ面において、上辺Qのように拡大される。この拡大率をα1とする。また、絞り位置での絞りの下辺Uがセンサ面において、上辺Rのように拡大される。この拡大率をα2とする。 例えば、絞り位置がX線焦点から100mmの位置にあり、また、X線焦点からセンサ面までの距離が1000mmで、斜入角度が0度(センサに垂直に入射)の場合、絞り位置での照射野の長さはセンサ面では10倍に拡大される。 【0022】 また、図6の右上に、X線焦点と絞り位置の拡大図を示す。X線絞り羽根(上側)Tと、絞り位置におけるX線中心Vとの距離をH1、X線絞り羽根(下側)UとX線中心Vとの距離をH2、そして、X線焦点PとX線絞り位置におけるX線中心の間の距離をdとする。 拡大率α1、α2は以下のように表せる。 【数2】
また、cosθ1とcosθ2とsinθ1とsinθ2には以下の関係がある。 【数3】
【0023】 (式1)〜(式8)を整理すると以下のようになる。 【数4】
また、図7にX線絞り羽根の位置を示す。左右のX線絞り羽根の回転角度をφ[°]とする。ここで、左右の絞り羽根が図7のように逆ハの字になる方向を左右の絞り回転回転角度φの正の方向とする。なお、図7に示したように、左右の絞り羽根の回転は、同じ回転角度φとすればよい。 【0024】 また、図7において、上辺のX線絞り位置(AB)における照射野の長さをx1、下辺のX線絞り位置(EF)における照射野の長さをx2とし、X線中心を通過する照射野の長さをxとする。照射野の長さx1とx2は以下のように表せる。 x1=x+2H1tanφ (式11) x2=x+2H2tanφ (式12) 【0025】 図8に、センサ面上のX線照射野の形状を示す。 センサ面上における照射野の上辺(B'A')の長さをx1'、照射野の下辺(F'E')の長さをx2'とする。絞り位置における照射野の長さx1, x2は、センサ面上において拡大率α1、拡大率α2で拡大されるため、センサ面上の照射野上辺の長さx1'と照射野の下辺の長さx2'は以下のように表せる。 x1’=α1x1 (式13) x2’=α2x2 (式14) ここで、X線をセンサ面に対して斜めに入射した場合、センサ面上において照射野が台形ではなく、長方形、あるいは正方形になるための条件は、x1'とx2'とが等しいとすればよい。 x1’=x2’ (式15) 【0026】 (式11)〜(式15)を整理すると以下のようになる。 【数5】
【0027】 (式16)を(式9)〜(式10)を用いて整理すると以下のようになる。 【数6】
【0028】 ここで、例えば以下のような条件とすると、 X線焦点から絞り羽根までの距離d=100mm 斜入角度θ=30° 絞り位置における照射野中央の横幅x=30mm 絞り回転角度φは4.95°になる。 【0029】 なお、X線焦点から絞り羽根までの距離dは絞り装置固有の値であるため、固定値である。つまり、絞り回転角度φは、斜入角度θと絞り位置における照射野横サイズxによって決定される。 上述から、X線絞り回転角度制御部306はPC等を用いて式17を計算して決定すればよい。 X線絞り回転角度制御部306はPC以外に、ルックアップテーブルを用いることができる。 斜入角度は、例えば−45°から45°まであり、また絞り位置における照射野横サイズxは、例えば0〜43 mmまである。したがって、ルックアップテーブルには、図9に示したように、(式17)の関係を事前に記憶させておき、斜入角度や、絞り位置における照射野横サイズに応じて値を参照すれば良い。ここで、図9における絞り回転角度の計算には、X線焦点から絞り羽根までの距離d=100mmを使用した。 【0030】 本発明の斜入角度と絞り位置における照射野横サイズに応じたX線絞り羽根の回転角度の制御により、従来の撮影オーダーがタウンの場合には図10のような台形状の照射野(点線)になっていたけれども、図11のように長方形の照射野(点線)にすることができる。 【0031】 また、本発明は図1に示したような臥位撮影台(タウン)以外に、立位撮影台(撮影オーダーが頚椎正面、肩関節正面、鎖骨正面等の場合)でも、X線検出器とX線管装置をともに回転させることができるユニバーサルシステム(タウン、頚椎正面、肩関節正面、鎖骨正面)の場合でも斜入角度に応じてX線絞り羽根を回転させることで、照射野の形状を台形ではなく、長方形、あるいは正方形にすることができる。 なお、ユニバーサルシステムにおいては、センサと管球を独立して回転させることができる。このため、ユニバーサルシステムにおける斜入角度は、センサの回転角度と、管球の回転角度の差を用いればよい。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の放射線撮影装置を含む構成例を示すブロック図。 【図2】従来のX線絞り装置を用いて撮影した場合の撮影画像(撮影オーダー:タウン、斜入角度30°)を示す図。 【図3】本発明の放射線撮影装置のブロック図。 【図4】従来のX線絞りを示す図。 【図5】本発明のX線絞りを示す図。 【図6】X線焦点と、X線絞り位置と、センサ面上の照射野の位置関係を示す図。 【図7】絞り位置におけるX線絞りの位置を示す図。 【図8】本発明のセンサ面上のX線照射野の形状を示す図。 【図9】本発明における、斜入角度と、絞り位置における照射野の横サイズと、左右の絞りの回転角度の関係を定義したテーブルの内容を示す図。 【図10】従来の撮影画像と照射野の形状(タウン、斜入角度30°)を示す図。 【図11】本発明の撮影画像と照射野の形状(タウン、斜入角度30°)を示す図。 【符号の説明】 【0033】 101 高電圧発生器、102 X線管装置、103 X線絞り装置、104 支持器、105 X線絞り制御装置、106 テーブル、107 X線検出器、108 画像処理装置(PC)、109 タッチパネル付き液晶モニタ、301 操作部、302 制御部、303 記憶部、304 表示部、305 斜入角度計測部、306 X線絞り回転角度制御部、307 照射野横サイズ計測部、401,402,403,404 X線絞り羽根(上,下,右,左)、501,505 回転軸、502,506 モータ、503,507 伸縮可能なモータ固定具、504 X線絞り羽根(左)、508 X線絞り羽根(右)、509 絞り羽根(上)、510 絞り羽根(下)、511,512 ワイヤー式リニアエンコーダ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成18年8月10日(2006.8.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−36314(P2008−36314A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−217793(P2006−217793) |
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