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【発明の名称】 角膜内皮細胞画像処理装置及び角膜内皮細胞画像処理プログラム
【発明者】 【氏名】高地 伸夫

【氏名】加藤 健行

【要約】 【課題】セル密度をより正確に算出することができる角膜内皮細胞画像処理装置及び角膜内皮細胞画像処理プログラムを提供する。

【構成】細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aで囲まれた各領域19aを分割し又は互いに隣接した前記領域19aを互いに統合するための分割統合手段18fは、前記領域19a内に入力手段14により複数の指定点26が入力されたときは、前記領域19aを各指定点26を中心とする複数の小領域に分割し、指定点26が各核状基準点21間の検出細胞壁20a上に入力されたときは、該検出細胞壁を介して隣接する前記各領域19aを互いに統合して大領域を形成し、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fにより形成された各小領域及び大領域内に指定点26と核状基準点21とが存在する場合は、指定点26をセル19の密度の算出のための基準指定点とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段に表示された角膜内皮細胞画像の複数のセルの細胞壁を検出するための細胞壁検出手段と、該細胞壁検出手段により検出された検出細胞壁で囲まれた各領域を前記セルとして前記角膜内皮細胞画像内の前記セルの密度を算出するセル密度算出手段と、前記各領域を分割し又は互いに隣接した前記領域を互いに統合するための分割統合手段と、前記各領域内に手動により分割条件又は統合条件を入力する入力手段とを備え、前記分割統合手段は、前記各領域のいずれかに前記入力手段により前記分割条件が入力されたときは、該分割条件が入力された前記領域を前記分割条件に基づいて複数の小領域に分割し、前記各領域のいずれかに前記入力手段により前記統合条件が入力されたときは、該統合条件が入力された前記領域と該領域に隣接する前記領域とを互いに統合して大領域を形成し、前記セル密度算出手段は、前記分割統合手段により分割及び統合された前記領域に関しては、前記各小領域及び前記大領域を前記セルとして前記セルの密度を算出することを特徴とする角膜内皮細胞画像処理装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記角膜内皮細胞画像への指定点の入力が可能であり、前記分割条件は、前記入力手段による前記領域内への複数の前記指定点の入力であり、前記統合条件は、前記入力手段による前記検出細胞壁上への前記指定点の入力であり、前記分割統合手段は、複数の前記指定点が前記領域内に入力されたとき、前記各指定点を中心とする複数の前記小領域に分割し、前記指定点が前記検出細胞壁上に入力されたとき、該検出細胞壁を介して互いに隣接する前記各領域を互いに統合することを特徴とする請求項1に記載の角膜内皮細胞画像処理装置。
【請求項3】
前記入力手段は、前記角膜内皮細胞画像上で前記領域又は前記検出細胞壁の指定が可能であり、前記分割条件は、前記入力手段による前記領域内の指定であり、前記統合条件は、前記入力手段による前記検出細胞壁上又はその近傍の指定であり、前記分割統合手段は、前記入力手段により前記領域内が指定されたとき、該領域内の分割すべき位置を検出し、該位置で前記領域内を複数の前記小領域に分割し、前記入力手段により前記検出細胞壁又はその近傍が指定されたとき、該検出細胞壁を消去することにより、該検出細胞壁を介して隣接する前記各領域を互いに統合することを特徴とする請求項1に記載の角膜内皮細胞画像処理装置。
【請求項4】
前記検出細胞壁で囲まれた前記各領域の中心点である核状基準点を前記検出細胞壁に基づいて自動的に算出する基準点算出手段を更に備え、セル密度算出手段は、前記核状基準点の数に基づいて前記セルの密度を算出し、前記入力手段は、前記角膜内皮細胞画像への指定点の入力、前記表示手段に表示された前記核状基準点の消去及び前記核状基準点の移動がそれぞれ可能であり、前記分割条件は、前記領域内の前記核状基準点が前記入力手段により移動され且つ同一の前記領域内に前記指定点が入力されることであり、前記統合条件は、互いに隣接する前記各領域の一方の該領域内の前記核状基準点が前記入力手段により消去され且つ他方の前記領域内の前記核状基準点が前記入力手段により前記両領域間の前記検出細胞壁上又はその近傍に移動されることであり、前記分割統合手段は、前記分割条件が入力されたときは、移動された前記核状基準点及び前記指定点をそれぞれ中心とする複数の前記小領域に前記領域を分割し、前記統合条件が入力されたときは、互いに隣接する前記両領域を互いに統合して前記大領域を形成し、前記セル密度算出手段は、前記分割統合手段により形成された前記各小領域及び前記大領域に関しては、前記入力手段により移動された前記核状基準点及び入力された前記指定点を前記セルの密度の算出のための基準指定点とすることを特徴とする請求項1に記載の角膜内皮細胞画像処理装置。
【請求項5】
表示手段に表示された角膜内皮細胞画像の複数のセルの細胞壁を検出するための細胞壁検出ステップと、該細胞壁検出手段により検出された検出細胞壁で囲まれた各領域を前記セルとして前記角膜内皮細胞画像内の前記セルの密度を算出するセル密度算出ステップと、前記各領域を分割し又は互いに隣接した前記領域を互いに統合するための分割統合ステップと、前記各領域内に手動により分割条件又は統合条件を入力する入力ステップとを有し、前記分割統合ステップでは、前記各領域のいずれかに前記入力ステップで前記分割条件が入力されたときは、該分割条件が入力された前記領域を前記分割条件に基づいて複数の小領域に分割し、前記各領域のいずれかに前記入力ステップで前記統合条件が入力されたときは、該統合条件が入力された前記領域と該領域に隣接する前記領域とを互いに統合して大領域を形成し、前記セル密度算出ステップでは、前記分割統合ステップで分割及び統合された前記領域に関しては、前記各小領域及び前記大領域を前記セルとして前記セルの密度を算出することを特徴とする角膜内皮細胞画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段で撮像された角膜内皮細胞像を解析するための角膜内皮細胞画像処理装置及び角膜内皮細胞画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検者の複数の角膜内皮細胞(以下、セルと称す。)を撮影したセル画像を取り込むための画像入力手段と、該画像入力手段で得られた画像信号に基づき、撮影されたセル画像に表示された複数のセルのうち選択された任意のセルの外形を識別するための外形識別手段と、該外形識別手段で識別された外形データに基づき、撮影されたセルの面積を算出するためのセル面積演算手段と、該セル面積演算手段で算出された複数のセルの面積データに基づき、セル画像のセル密度を演算するセル密度演算手段とを備える角膜内皮細胞計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
外形識別手段は、撮影されたセルの画像上で任意のセルの略中央に入力表示された指定点から半径方向に延びる複数の動径線とセルの細胞壁であるエッジとの交点を検出することにより、各セルの外形を識別する。 また、上記した角膜内皮細胞測定装置とは別に、撮影されたセル画像を表示するモニタと、該モニタに表示されたセル画像の各細胞の中心に指定点を入力する入力装置と、入力された指定点の座標を特定し、入力された指定点同士の間にある細胞壁を検出し、この検出結果に基づいて各セルの面積を演算する演算処理装置とを備える角膜内皮細胞測定装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−313442号公報
【特許文献2】特開2001−314374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、セル画像が不鮮明である場合、各セルの細胞壁が作業者により視認することができるものであっても正確に検出されない虞があり、また、セル画像がたとえ鮮明であったとしても、セル画像に表示された細胞壁を示す線以外の線を細胞壁として検出してしまう虞がある。細胞壁が正確に検出されないと、セル密度を正確に算出することができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、セル画像の鮮明度に拘らずセル密度を正確に算出することができる角膜内皮細胞画像処理装置及び角膜内皮細胞画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、表示手段に表示された角膜内皮細胞画像の複数のセルの細胞壁を検出するための細胞壁検出手段と、該細胞壁検出手段により検出された検出細胞壁で囲まれた各領域を前記セルとして前記角膜内皮細胞画像内の前記セルの密度を算出するセル密度算出手段と、前記各領域を分割し又は互いに隣接した前記領域を互いに統合するための分割統合手段と、前記各領域内に手動により分割条件又は統合条件を入力する入力手段とを備え、前記分割統合手段は、前記各領域のいずれかに前記入力手段により前記分割条件が入力されたときは、該分割条件が入力された前記領域を前記分割条件に基づいて複数の小領域に分割し、前記各領域のいずれかに前記入力手段により前記統合条件が入力されたときは、該統合条件が入力された前記領域と該領域に隣接する前記領域とを互いに統合して大領域を形成し、前記セル密度算出手段は、前記分割統合手段により分割及び統合された前記領域に関しては、前記各小領域及び前記大領域を前記セルとして前記セルの密度を算出することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記入力手段は、前記角膜内皮細胞画像への指定点の入力が可能であり、前記分割条件は、前記入力手段による前記領域内への複数の前記指定点の入力であり、前記統合条件は、前記入力手段による前記検出細胞壁上への前記指定点の入力であり、前記分割統合手段は、複数の前記指定点が前記領域内に入力されたとき、前記各指定点を中心とする複数の前記小領域に分割し、前記指定点が前記検出細胞壁上に入力されたとき、該検出細胞壁を介して互いに隣接する前記各領域を互いに統合することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記入力手段は、前記角膜内皮細胞画像上で前記領域又は前記検出細胞壁の指定が可能であり、前記分割条件は、前記入力手段による前記領域内の指定であり、前記統合条件は、前記入力手段による前記検出細胞壁上又はその近傍の指定であり、前記分割統合手段は、前記入力手段により前記領域内が指定されたとき、該領域内の分割すべき位置を検出し、該位置で前記領域内を複数の前記小領域に分割し、前記入力手段により前記検出細胞壁又はその近傍が指定されたとき、該検出細胞壁を消去することにより、該検出細胞壁を介して隣接する前記各領域を互いに統合することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記検出細胞壁で囲まれた前記各領域の中心点である核状基準点を前記検出細胞壁に基づいて自動的に算出する基準点算出手段を更に備え、セル密度算出手段は、前記核状基準点の数に基づいて前記セルの密度を算出し、前記入力手段は、前記角膜内皮細胞画像への指定点の入力、前記表示手段に表示された前記核状基準点の消去及び前記核状基準点の移動がそれぞれ可能であり、前記分割条件は、前記領域内の前記核状基準点が前記入力手段により移動され且つ同一の前記領域内に前記指定点が入力されることであり、前記統合条件は、互いに隣接する前記各領域の一方の該領域内の前記核状基準点が前記入力手段により消去され且つ他方の前記領域内の前記核状基準点が前記入力手段により前記両領域間の前記検出細胞壁上又はその近傍に移動されることであり、前記分割統合手段は、前記分割条件が入力されたときは、移動された前記核状基準点及び前記指定点をそれぞれ中心とする複数の前記小領域に前記領域を分割し、前記統合条件が入力されたときは、互いに隣接する前記両領域を互いに統合して前記大領域を形成し、前記セル密度算出手段は、前記分割統合手段により形成された前記各小領域及び前記大領域に関しては、前記入力手段により移動された前記核状基準点及び入力された前記指定点を前記セルの密度の算出のための基準指定点とすることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、表示手段に表示された角膜内皮細胞画像の複数のセルの細胞壁を検出するための細胞壁検出ステップと、該細胞壁検出手段により検出された検出細胞壁で囲まれた各領域を前記セルとして前記角膜内皮細胞画像内の前記セルの密度を算出するセル密度算出ステップと、前記各領域を分割し又は互いに隣接した前記領域を互いに統合するための分割統合ステップと、前記各領域内に手動により分割条件又は統合条件を入力する入力ステップとを有し、前記分割統合ステップでは、前記各領域のいずれかに前記入力ステップで前記分割条件が入力されたときは、該分割条件が入力された前記領域を前記分割条件に基づいて複数の小領域に分割し、前記各領域のいずれかに前記入力ステップで前記統合条件が入力されたときは、該統合条件が入力された前記領域と該領域に隣接する前記領域とを互いに統合して大領域を形成し、前記セル密度算出ステップでは、前記分割統合ステップで分割及び統合された前記領域に関しては、前記各小領域及び前記大領域を前記セルとして前記セルの密度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、細胞壁検出手段により検出された検出細胞壁で囲まれた各領域を分割し又は互いに隣接した領域を互いに統合するための分割統合手段が、各領域のいずれかに入力手段により分割条件が入力されたときは、該分割条件が入力された領域を分割条件に基づいて複数の小領域に分割し、各領域のいずれかに入力手段により統合条件が入力されたときは、該統合条件が入力された領域と該領域に隣接する領域とを互いに統合して大領域を形成し、セル密度算出手段は、分割統合手段により分割及び統合された領域に関しては、各小領域及び大領域をセルとしてセルの密度を算出する。
【0012】
このことから、角膜内皮細胞画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁であって細胞壁検出手段により検出されない細胞壁がある場合、又は、角膜内皮細胞画像に表示された細胞壁を示す線以外の線を細胞壁として検出した場合でも、細胞壁検出手段により検出されなかった細胞壁が存在する領域内に分割条件を入力することによって該領域内を複数の小領域に分割することにより、細胞壁が検出されなかった正規のセルをセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができ、また、細胞壁検出手段より細胞壁として誤って検出された検出細胞壁により囲まれた領域内に統合条件を入力することによって該検出細胞壁を介して隣接する両領域を統合することにより、複数のセルであると誤判断されて分割された正規のセルを一つのセルとしてセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができる。これにより、細胞壁検出手段により細胞壁が適正に自動検出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、入力手段は、角膜内皮細胞画像への指定点の入力が可能であり、分割条件は、入力手段による領域内への複数の指定点の入力であり、統合条件は、入力手段による検出細胞壁上への指定点の入力であり、分割統合手段は、複数の指定点が領域内に入力されたとき、各指定点を中心とする複数の小領域に分割し、指定点が検出細胞壁上に入力されたとき、該検出細胞壁を介して互いに隣接する各領域を互いに統合することから、角膜内皮細胞画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁であって細胞壁検出手段により検出されない細胞壁がある場合、又は、角膜内皮細胞画像に表示された細胞壁を示す線以外の線を細胞壁として検出した場合でも、細胞壁検出手段により検出されなかった細胞壁が存在する領域内に入力手段によって指定点を入力することにより、細胞壁が検出されなかった正規のセルをセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができ、また、細胞壁検出手段より細胞壁として誤って検出された検出細胞壁上に入力手段によって指定点を入力することにより、複数のセルであると誤判断されて分割された正規のセルを一つのセルとしてセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができる。これにより、細胞壁検出手段により細胞壁が適正に自動検出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、入力手段は、角膜内皮細胞画像上で領域又は検出細胞壁の指定が可能であり、分割条件は、入力手段による領域内の指定であり、統合条件は、入力手段による検出細胞壁上又はその近傍の指定であり、分割統合手段は、入力手段により領域内が指定されたとき、該領域内の分割すべき位置を検出し、該位置で領域内を複数の小領域に分割し、入力手段により検出細胞壁又はその近傍が指定されたとき、該検出細胞壁を消去することにより、該検出細胞壁を介して隣接する各領域を互いに統合することから、角膜内皮細胞画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁であって細胞壁検出手段により検出されない細胞壁がある場合、又は、角膜内皮細胞画像に表示された細胞壁を示す線以外の線を細胞壁として検出した場合でも、細胞壁検出手段により検出されなかった細胞壁が存在する領域内を入力手段によって指定することにより、細胞壁が検出されなかった正規のセルをセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができ、また、細胞壁検出手段より細胞壁として誤って検出された検出細胞壁又はその近傍を入力手段によって指定することにより、複数のセルであると誤判断されて分割された正規のセルを一つのセルとしてセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができる。これにより、細胞壁検出手段により細胞壁が適正に自動検出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、検出細胞壁で囲まれた各領域の中心点である核状基準点を検出細胞壁に基づいて自動的に算出する基準点算出手段を更に備えることから、例えば各セルに指定点を付す作業を作業者が角膜内皮細胞画像上で全てのセルを視認した上で全てのセル内に手動により行う場合に比べて、集団検診時のように長時間に亘る作業が必要となる場合でも、作業者の眼の疲労度を確実に緩和することができる。これにより、セル内に手動により入力した指定点がセルの中心からずれることによるセル密度の算出の精度の低下を確実に抑制することができる。
【0016】
また、入力手段は、角膜内皮細胞画像への指定点の入力、表示手段に表示された核状基準点の消去及び核状基準点の移動がそれぞれ可能であり、分割条件は、領域内の核状基準点が入力手段により移動され且つ同一の領域内に指定点が入力されることであり、統合条件は、互いに隣接する各領域の一方の該領域内の核状基準点が入力手段により消去され且つ他方の領域内の核状基準点が入力手段により両領域間の検出細胞壁上又はその近傍に移動されることであり、分割統合手段は、分割条件が入力されたときは、移動された核状基準点及び指定点をそれぞれ中心とする複数の小領域に領域を分割し、統合条件が入力されたときは、互いに隣接する両領域を互いに統合して大領域を形成し、セル密度算出手段は、核状基準点の数に基づいてセルの密度を算出し、分割統合手段により形成された各小領域及び大領域に関しては、入力手段により移動された核状基準点及び入力された指定点をセルの密度の算出のための基準指定点とする。
【0017】
このことから、角膜内皮細胞画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁であって細胞壁検出手段により検出されない細胞壁があり、又は、角膜内皮細胞画像に表示された細胞壁を示す線以外の線を細胞壁として検出してしまい、このため、基準点算出手段により核状基準点が適正に算出されない場合でも、例えば基準点算出手段による核状基準点の算出後に、前記領域内の核状基準点を入力手段により移動し、更に、同一の前記領域内に指定点を入力することにより、核状基準点が算出されなかった正規のセルをセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができ、また、互いに隣接する前記各領域の一方の該領域内の核状基準点を入力手段により消去し、更に、他方の前記領域内の核状基準点を入力手段により両領域間の検出細胞壁上に移動することにより、複数のセルであると誤判断されて分割された正規のセルを一つのセルとしてセル密度算出手段によるセル密度の算出に算入させることができる。これにより、細胞壁検出手段により細胞壁が適正に自動検出されず基準点算出手段により核状基準点が適正に算出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、角膜内皮細胞画像処理プログラムが、表示手段に表示された角膜内皮細胞画像の複数のセルの細胞壁を検出するための細胞壁検出ステップと、該細胞壁検出手段により検出された検出細胞壁で囲まれた各領域をセルとして角膜内皮細胞画像内のセルの密度を算出するセル密度算出ステップと、各領域を分割し又は互いに隣接した領域を互いに統合するための分割統合ステップと、各領域内に手動により分割条件又は統合条件を入力する入力ステップとを有し、分割統合ステップでは、各領域のいずれかに入力ステップで分割条件が入力されたときは、該分割条件が入力された領域を分割条件に基づいて複数の小領域に分割し、各領域のいずれかに入力ステップで統合条件が入力されたときは、該統合条件が入力された領域と該領域に隣接する領域とを互いに統合して大領域を形成し、セル密度算出ステップでは、分割統合ステップで分割及び統合された領域に関しては、各小領域及び大領域をセルとしてセルの密度を算出することから、これらのステップを実行することにより、角膜内皮細胞画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁であって細胞壁検出ステップで検出されない細胞壁がある場合、又は、角膜内皮細胞画像に表示された細胞壁を示す線以外の線を細胞壁として検出した場合でも、細胞壁検出ステップで検出されなかった細胞壁が存在する領域内に分割条件を入力することによって該領域内を複数の小領域に分割することにより、細胞壁が検出されなかった正規のセルをセル密度算出ステップでセル密度の算出に算入させることができ、また、細胞壁検出ステップで細胞壁として誤って検出された検出細胞壁により囲まれた領域内に統合条件を入力することによって該検出細胞壁を介して隣接する両領域を統合することにより、複数のセルであると誤判断されて分割された正規のセルを一つのセルとしてセル密度算出ステップでセル密度の算出に算入させることができる。これにより、細胞壁検出ステップで細胞壁が適正に自動検出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を図示の実施例に沿って説明する。
【0020】
[実施例1]
本発明に係る角膜内皮細胞画像処理装置10は、図1に示すように、被検眼の角膜内皮細胞を撮影するCCDカメラ等の撮像手段11と、撮像手段11で撮像された角膜内皮細胞像から角膜内皮細胞を計測や画像処理をする角膜内皮細胞計測装置12とを備える。
【0021】
角膜内皮細胞計測装置12は、処理した画像やデータを表示する液晶表示器(ディスプレイ)等の表示手段13と、表示手段13に表示された画像やデータに操作を加える入力手段14と、演算処理手段15とを備える。入力手段14は、本実施例では、図示しないが従来よく知られたマウス及びキーボードで構成されている。前記マウスには、図示しない一対のボタンが左右に設けられている。
【0022】
演算処理手段15は、画像メモリ16と、図示しないCPU,ROM,RAM,入出力インターフェース及び動作制御回路等を有する演算制御回路17と、該演算制御回路により制御される画像処理手段18とを有する。
【0023】
演算制御回路17は、起動時にROMに記憶された角膜内皮細胞画像処理プログラムをRAMに読み込んで記憶することにより、RAMに読み込まれた角膜内皮細胞画像処理プログラムに従って角膜内皮細胞画像処理装置10全体の演算や制御を実行する。
【0024】
画像メモリ16は、撮像手段11により撮像された元の画像を記憶する原画像メモリ部16aと、画像処理された画像を記憶する処理画像メモリ部16bとを有する。原画像メモリ部16aには、撮像手段11で撮像された角膜内皮細胞像が演算制御回路17を介して記憶される。
【0025】
尚、演算制御回路17は、画像メモリ16に記憶された画像を表示手段13に表示させると共に、入力手段14の操作により表示手段13に表示された画像の処理を行う。
【0026】
画像処理手段18は、図2に示すように、角膜内皮細胞画像(以下、セル画像と称す。)の拡大縮小やセル画像の指定された範囲を拡大処理して表示手段13に表示させるズーム手段18aと、各セル19の細胞壁20(図4参照。)を検出する細胞壁検出手段18bと、該細胞壁検出手段により検出された検出細胞壁20aに基づいて各セル19の重心点又は頂点若しくは中心点等を求めるための核状基準点21(図5参照。)を算出する基準点算出手段18cとを有する。
【0027】
また、画像処理手段18は、細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aを細線化する細線化手段18dと、最終的に処理されたセル画像を解析してセル密度を求めるセル密度算出手段18eとを有する。細線化手段18dは、細線化したセル19の細胞壁20から延びるヒゲ28や細胞壁20から浮いているエッジ22(図6参照。)をその長さを限定して除去し、或いは点を除去する。
【0028】
更に、画像処理手段18は、検出細胞壁20aで囲まれた各領域19aすなわち細胞壁検出手段18bによりセル19であると判断された領域を分割し又は互いに隣接した前記各領域19aを互いに統合させるための分割統合手段18fを有する。
【0029】
以下、このように構成された角膜内皮細胞画像処理装置10を用いてセル密度を解析する際の演算制御回路17による制御作用を図3に示すフローチャートに沿って説明する。
【0030】
演算制御回路17は、撮像手段11により被検眼の角膜内皮細胞が撮影されると、撮影されたセル画像を原画像メモリ部16aに記憶し、また、図4(a)に示すように、角膜内皮細胞像をズーム手段18aにより表示手段13にズーム表示させる(ステップS1)。
【0031】
演算制御回路17は、表示手段13にセル画像を表示させた後、画像処理手段18の細胞壁検出手段18bの作動を制御して、図4(b)に示すように、各セル19間の細胞壁20を検出させる(ステップS2)。このとき、細胞壁検出手段18bは、従来よく知られているように、極座標変換されたセル画像の画素にエッジ検出フィルタをかけて二値化することにより、表示手段13に表示された細胞壁20を示す線を細胞壁20であると判断して検出する。
【0032】
演算制御回路17は、細胞壁検出手段18bによる細胞壁20の検出後、細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aに基づいて該検出細胞壁で囲まれた各領域19aの重心点又は頂点若しくは中心点等の核状基準点21を基準点算出手段18cに算出させる(ステップS3)。この算出は、図5(a)に示すように、各検出細胞壁20a上の複数の位置から各領域19aの中央又は中心側に向けて延びる法線23を想定して、該法線方向における平均長さのところに投票を行う(平均長さの位置を求める)。これにより、図5(b)に示すような核状基準点21が算出される。
【0033】
演算制御回路17は、核状基準点21を算出した後、該核状基準点の中央位置のアドレスを算出し、算出したアドレスを処理画像メモリ部16bに記憶させる(ステップS4)。このような記憶はセル19毎に順に実行される。
【0034】
続いて、演算制御回路17は、細線化手段18dに、図6(a)に示すように検出細胞壁20aを細線化させ(ステップS5)、ヒゲ28や浮いているエッジ22を長さを限定して除去させると共に点24を除去させる(ステップS6)。このとき、細線化手段18dは、各検出細胞壁20aのうち+−90°以内で最短距離になる2つの端点を延長して結んで検出細胞壁20aの一つのエッジ22とする。例えば、図6の(a)の領域19a1の端点a1とa2、領域19a2の端点a3とa4、a5とa6、領域19a3の端点a7とa8を結んで、図6(b)に示すような検出細胞壁20aを得る。尚、図6(b)において修正がない領域は、図6(c)の19d1〜19d5及び19e1〜19e4のようになる。
【0035】
その後、演算制御回路17は、図7に示すように、細線化手段18dにより細線化処理されたセル画像を表示手段13に表示させる(ステップS7)。
【0036】
角膜内皮細胞画像処理装置10の操作者は、細線化されたセル画像を視認し、例えば操作者が視認することができる細胞壁20と検出細胞壁20aとが互いに一致することを確認し、細胞壁20が全て細胞壁検出手段18bにより適正に自動検出されていると判断した場合には、前記キーボードのリターンキーを押す。
【0037】
このとき、演算制御回路17は、図3に示すように、前記キーボードのリターンキーが押されたことを検出すると(ステップS8)、自動検出により検出した核状基準点21の数から前記領域19aすなわちセル19の数をセル密度算出手段18eに算出させ、そのセル19の数に基づいてセル密度をセル密度算出手段18eに算出させる(ステップS9)。このとき、セル密度算出手段18eは、基準点算出手段18cにより算出された核状基準点21をセル密度の算出のための基準指定点として用いる。更に、演算制御回路17は、セル密度算出手段18eによる解析結果を表示手段13に表示させる(ステップS10)。
【0038】
これにより、角膜内皮細胞画像処理装置10を用いたセル密度の解析が終了する。尚、各ステップで処理された画像は処理画像メモリ部16bに適宜記憶される。
【0039】
他方、操作者は、表示手段13に表示されたセル画像を視認した結果、所定のセル19内の例えば図8(a)に楕円で示された部分に本来ないはずの細胞壁20bが表示されている場合すなわち細胞壁検出手段18bが細胞壁20bを正規の細胞壁であると誤って検出してしまい一つの正規のセル19が二つの領域19aに分割された場合には、前記キーボードの前記リターンキーを押さずに、二つの領域19aを互いに統合させる以下の統合操作を行う。
【0040】
統合操作を行う際、図示の例では、表示手段13に表示された図示しないカーソルを入力手段14である前記マウスの操作によりセル画像上で細胞壁20b上に移動させ、前記マウスに設けられた前記左ボタンの操作により指定点26を細胞壁20b上に入力する。
このとき、演算制御回路17は、ステップS8で前記リターンキーが押されていないことを検出すると同時に、セル画像上で指定点26が入力されか否かを検出する(ステップS11)。
【0041】
演算制御回路17は、指定点26が入力されていないと判断した場合は、ステップS11を繰り返し行う。他方、演算制御回路17は、指定点26が入力されたと判断した場合は、指定点26が前記マウスの前記左ボタンの操作により入力されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0042】
演算制御回路17は、指定点26が前記マウスの前記左ボタンの操作により入力されていないと判断した場合は後述する分割処理を行う。他方、演算制御回路17は、指定点26が前記マウスの前記左ボタンの操作により入力されたと判断した場合は、指定点26が細胞壁20b上に入力されたか否かを判定する(ステップS13)。
【0043】
演算制御回路17は、指定点26が細胞壁20b上に入力されていないと判断した場合は、統合処理を行うことなくステップS11に戻る。他方、演算制御回路17は、指定点26が細胞壁20b上に入力されたと判断した場合は、画像処理手段18の分割統合手段18fに統合処理を行わせるべく制御信号を送ることにより、分割統合手段18fを作動させる(ステップS14)。
【0044】
分割統合手段18fは、演算制御回路17から前記制御信号を受けると、細胞壁20bが細胞壁検出手段18bによる誤検出であると認識し、図8(c)に示すように、演算制御回路17の制御下で、表示手段13に表示された細胞壁20bを除去することにより、互いに隣接した二つの領域19aを一つに統合する。この統合処理により、誤って分割された大領域すなわち正規のセル19が表示手段13上に形成される。
【0045】
操作者は、分割統合手段18fにより統合処理されたセル画像を視認し、前記各領域19aが所期した通りに統合されていないと判断した場合は指定点26の入力操作を繰り返し行い、前記各領域19aが所期した通りに統合されたと判断した場合は、前記リターンキーを押す。
【0046】
演算制御回路17は、前記リターンキーが押されたことを検出すると(ステップS8)、自動検出した核状基準点21の数と手動により入力された指定点26の数とからセル19の数をセル密度算出手段18eに算出させ、そのセル19の数に基づいてセル密度を算出させる(ステップS9)。このとき、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fによる統合処理により形成されたセル19に関しては、自動検出された核状基準点21ではなく手動により入力された指定点26を前記基準指定点としてセル密度の算出に用いる。
【0047】
また、操作者は、表示手段13に表示されたセル画像を視認した結果、例えば図8(b)の楕円で示された部分に本来あるはずの細胞壁20が表示されていない場合すなわち細胞壁検出手段18bにより正規の細胞壁20が細胞壁ではないと誤って判断されて二つのセル19が一つの領域19aに統合された場合、前記キーボードの前記リターンキーを押さずに、前記領域19aを二つの正規のセル19に分割する以下の分割操作を行う。
分割操作を行う際、図示の例では、表示手段13に表示されたセル画像上で前記マウスの操作により前記領域19aを構成する二つのセル19の中心と思われる位置に前記カーソルを移動させ、それぞれの位置で前記マウスに設けられた前記右ボタンを操作することにより指定点26を入力する。
【0048】
このとき、演算制御回路17は、ステップS8で前記リターンキーが押されていないことを検出すると同時に、セル画像上で指定点26が入力されか否かを検出する(ステップS11)。
【0049】
演算制御回路17は、指定点26が入力されていないと判断した場合は、ステップS11を繰り返し行う。他方、演算制御回路17は、指定点26が入力されたと判断した場合は、指定点26が前記マウスの前記左ボタンの操作により入力されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0050】
演算制御回路17は、指定点26が前記マウスの前記左ボタンの操作により入力されていると判断した場合は前記した分割処理を行う。他方、演算制御回路17は、指定点26が前記マウスの前記左ボタンの操作により入力されていないと判断した場合すなわち指定点26が前記マウスの前記右ボタンの操作により入力されたと判断した場合は、指定点26がいずれかの前記領域19a内に入力されたか否かを判定する(ステップS15)。
【0051】
演算制御回路17は、指定点26がいずれかの前記領域19a内に入力されていないと判断した場合は、分割処理を行うことなくステップS11に戻る。他方、演算制御回路17は、指定点26がいずれかの前記領域19a内に入力されたと判断した場合は、画像処理手段18の分割統合手段18fに分割処理を行わせるべく制御信号を送ることにより、分割統合手段18fを作動させる(ステップS16)。
【0052】
分割統合手段18fは、演算制御回路17から制御信号を受けると、指定点26が入力された前記領域19a内に細胞壁検出手段18bにより検出されなかった細胞壁20が存在することを認識し、図8(c)に示すように、演算制御回路17の制御下で、自動検出された前記領域19a内に入力された各指定点26の位置に基づいて前記領域19aを分割すべき適正な位置を検出する。このとき、分割統合手段18fは、図8(b)に示すように、各指定点26を中心とする二つの円R1、R2を形成し、この各円R1,R2を同一の割合で拡大させ、各円R1,R2が接する部分の付近で細胞壁20を検出しないとき、図8(c)に示すように、各円R1,R2が接する部分を前記適正な位置とする。その後、分割統合手段18fは、前記適正な位置に分割線27を細胞壁20として表示手段13に表示させ、これにより、前記領域19aを二つの正規のセル19に分割する。
【0053】
操作者は、分割統合手段18fにより統合処理されたセル画像を視認し、指定点26を入力した前記領域19aが所期した通りに分割されていないと判断した場合は指定点26の入力操作を繰り返し行い、前記領域19aが所期した通りに分割されたと判断した場合は、前記リターンキーを押す。
【0054】
演算制御回路17は、前記リターンキーが押されたことを検出すると(ステップS8)、自動検出した核状基準点21の数と手動により入力された指定点26の数とからセル19の数をセル密度算出手段18eに算出させ、そのセル19の数に基づいてセル密度を算出させる(ステップS9)。このとき、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fによる分割処理により形成された正規の二つのセル19に関しては、手動により入力された指定点26を前記基準指定点としてセル密度の算出に用いる。
【0055】
本実施例によれば、前記したように、細胞壁検出手段18bがセル画像の各セル19の細胞壁20を自動的に検出し、基準点算出手段18cが細胞壁検出手段18bにより検出された細胞壁20に基づいて各セル19の中心である核状基準点21を算出することから、各セル19に指定点26を付す作業を従来のように作業者がセル画像上で全てのセル19を視認した上で全てのセル19内に手動により行う場合に比べて、集団検診時のように長時間に亘る作業が必要となる場合でも、作業者の眼の疲労度を確実に緩和することができる。
【0056】
これにより、セル19内に手動により入力した指定点26がセル19の中心からずれることによる従来のようなセル密度の算出の精度の低下を確実に抑制することができる。
【0057】
また、細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aに囲まれた領域19aを分割し又は互いに隣接した前記領域19aを互いに統合するための分割統合手段18fが、基準点算出手段18cにより核状基準点21が算出された後に、前記領域19a内に入力手段14である前記マウスの操作により複数の指定点26が入力されたときは、前記領域19aを各指定点26を中心とする複数の小領域に分割することにより正規のセル19を形成し、指定点26が各核状基準点21間の検出細胞壁20a上に入力されたときは、該検出細胞壁を介して隣接する前記各領域19aを互いに統合して正規のセル19となる大領域を形成し、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fにより形成された各小領域及び大領域内に指定点26と核状基準点21とが存在する場合は、指定点26をセル19の密度の算出のための基準指定点とする。
【0058】
このことから、セル画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁20であって細胞壁検出手段18bにより検出されない細胞壁20があり、又は、セル画像に表示された細胞壁20を示す線以外の線を細胞壁20として検出してしまい、このため、基準点算出手段18cにより核状基準点21が適正に算出されない場合でも、基準点算出手段18cによる核状基準点21の算出後に、細胞壁検出手段18bにより検出されなかった細胞壁20により囲まれた領域19a内に前記マウスの操作によって指定点26を入力することにより、核状基準点21が算出されなかった正規のセル19をセル密度算出手段18eによるセル密度の算出に算入させることができ、また、各核状基準点21間の検出細胞壁20a上に前記マウスの操作によって指定点26を入力することにより、複数のセル19であると誤判断されて分割された正規のセル19を一つのセルとしてセル密度算出手段18eによるセル密度の算出に算入させることができる。
【0059】
これにより、細胞壁検出手段18bにより細胞壁20が適正に自動検出されず、このため、基準点算出手段18cにより核状基準点21が適正に算出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【0060】
また、前記したように、前記マウスが指定点26を入力すべく操作される左右一対の操作ボタンを有し、分割統合手段18fは、左ボタンの操作により指定点26が入力されたときに分割処理を行い、右ボタンの操作により指定点26が入力されたときに統合処理を行うことから、例えば細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aに囲まれた領域19a内を分割すべく該領域内に指定点26を入力したとき、指定点26が検出細胞壁20aの近傍に入力された場合に、分割統合手段18fが誤って統合処理を行ってしまうことを防止することができる。
【0061】
[実施例2]
実施例1では、分割統合手段18fによる統合処理及び分割処理を行う際、入力手段14により指定点26を入力する例を示したが、これに加えて、分割統合手段18fによる統合処理及び分割処理を行う際に、表示手段13に表示された核状基準点21の消去及び核状基準点21の移動を行うことができる。
【0062】
この場合、角膜内皮細胞画像処理装置10の操作者は、演算制御回路17の制御により図9に示すステップS101乃至ステップS107を経て表示手段13に表示されたセル画像を視認して、細胞壁20が全て適正に自動検出されていると判断した場合には、前記キーボードのリターンキーを押す。
【0063】
このとき、演算制御回路17は、図9に示すように、前記キーボードのリターンキーが押されたことを検出すると(ステップS108)、基準点算出手段18cにより算出された核状基準点21をセル密度の算出のための基準指定点としてセル密度をセル密度算出手段18eに算出させ(ステップS109)、セル密度算出手段18eによる解析結果を表示手段13に表示させる(ステップS110)。
【0064】
他方、操作者は、表示手段13に表示されたセル画像を視認した結果、細胞壁検出手段18bが細胞壁20bを正規の細胞壁であると誤って検出してしまい一つの正規のセル19が二つの領域19aに分割された場合には、前記キーボードの前記リターンキーを押さずに、二つの領域19aを互いに統合させる以下の統合操作を行う。
【0065】
統合操作を行う際、操作者は、図示の例では、表示手段13に表示されたセル画像上で入力手段14である前記マウスの操作により互いに隣接した前記両領域19aの一方の領域19a内の核状基準点21上に前記カーソルを移動させ、前記マウスに設けられた前記左ボタンのいわゆるドラッグ操作により核状基準点21を細胞壁20b上又はその近傍に移動させる。
【0066】
このとき、演算制御回路17は、ステップS108で前記リターンキーが押されていないことを検出すると同時に、セル画像上で核状基準点21が移動されか否かを検出する(ステップS111)。演算制御回路17は、核状基準点21が移動されていないと判断した場合は、ステップS111を繰り返し行う。他方、演算制御回路17は、核状基準点21が移動されたと判断した場合は、該核状基準点が細胞壁20b上又はその近傍に移動されたか否かを判断する(ステップS112)。演算制御回路17は、核状基準点21が細胞壁20b上又はその近傍に移動されていないと判断した場合には後述する分割処理を行う。他方、演算制御回路は、核状基準点21が細胞壁20b上又はその近傍に移動されたと判断した場合には、ステップS113に進む。
【0067】
次に、操作者は、前記マウスの操作により前記カーソルを他方の前記領域19a内の核状基準点21上又はその近傍に移動させ、例えば前記マウスの前記左ボタンを二回押すいわゆるダブルクリックを行う。
【0068】
このとき、演算制御回路17は、前記他方の領域19aの核状基準点21上又はその近傍でダブルクリックが行われたことを検知すると、前記他方の領域19a内の核状基準点21を表示手段による表示から消去する旨を示す制御信号を表示手段13に送る。これにより、表示手段13に表示された前記他方の領域19a内の核状基準点21が消去される。演算制御回路17は、前記他方の領域19a内の核状基準点21が消去されたことを検出すると、核状基準点21の移動操作及び消去操作がそれぞれ前記マウスの前記左ボタンの操作により行われたか否かを判断する(ステップS114)。他方、演算制御回路17は、前記他方の領域19aの核状基準点21が消去されていないと判断した場合は、ステップS113を繰り返し行う。
【0069】
演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、核状基準点21の移動操作及び消去操作がそれぞれ前記マウスの前記左ボタンの操作により行われていないと判断した場合は、統合処理を行うことなくステップS108に戻る。他方、演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、核状基準点21の移動操作及び消去操作がそれぞれ前記マウスの前記左ボタンの操作により行われたと判断した場合は、分割統合手段18fに統合処理を行わせるべく制御信号を送ることにより、分割統合手段18fを作動させる(ステップS115)。
【0070】
分割統合手段18fは、演算制御回路17から前記制御信号を受けると、細胞壁20bが細胞壁検出手段18bによる誤検出であると認識し、演算制御回路17の制御下で、表示手段13に表示された細胞壁20bを除去することにより、互いに隣接した二つの領域19aを一つに統合する。この統合処理により、誤って分割された領域すなわち正規のセル19が表示手段13上に形成される。
【0071】
操作者は、分割統合手段18fにより統合処理されたセル画像を視認し、前記各領域19aが所期した通りに統合されていないと判断した場合は指定点26の入力操作を繰り返し行い、前記各領域19aが所期した通りに統合されたと判断した場合は、前記リターンキーを押す。
【0072】
演算制御回路17は、前記リターンキーが押されたことを検出すると(ステップS108)、自動検出した核状基準点21の数と手動により移動された核状基準点21の数に基づいてセル密度算出手段18eにセル密度を算出させる(ステップS109)。このとき、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fによる統合処理により形成されたセル19に関しては、手動により移動された核状基準点21を前記基準指定点としてセル密度の算出に用いる。
【0073】
また、操作者は、表示手段13に表示されたセル画像を視認した結果、細胞壁検出手段18bにより正規の細胞壁20が細胞壁ではないと誤って判断されて二つのセル19が一つの領域19aに統合された場合、前記キーボードの前記リターンキーを押さずに、前記領域19aを二つの正規のセル19に分割する以下の分割操作を行う。
【0074】
分割操作を行う際、表示手段13に表示されたセル画像上で前記マウスの操作により前記カーソルを前記領域19a内の核状基準点21上又はその近傍に移動させ、前記マウスに設けられた前記右ボタンのいわゆるドラッグ操作により核状基準点21を前記領域19aを構成する二つのセル19の中心と思われる位置のうち一方に移動させる。
【0075】
このとき、演算制御回路17は、ステップS108で前記リターンキーが押されていないことを検出すると同時に、セル画像上で核状基準点21が移動されたことをステップS111で検知し、更に、ステップS112で核状基準点21が細胞壁20b上又はその近傍に移動されていないことすなわち核状基準点21が前記領域19a内で移動されたことを検知した後、ステップS116に進む。
【0076】
次に、操作者は、前記マウスの操作により前記カーソルを前記領域19aの二つのセル19の中心と思われる位置のうち他方に移動させ、その位置で前記右ボタンをクリック操作することにより該位置に指定点26を入力する。
【0077】
このとき、演算制御回路17は、セル画像上で前記領域19a内の他方の中心位置に指定点26が入力されたことを検出する(ステップS116)。演算制御回路17は、前記領域19a内に指定点26が入力されていないと判断した場合すなわち指定点26の入力操作が行われていない場合は、ステップS116を繰り返し行う。他方、演算制御回路17は、前記領域19a内に指定点26が入力されたと判断した場合は、核状基準点21の移動操作及び指定点26の入力操作が前記マウスの前記右ボタンの操作により行われたか否かを判定する(ステップS117)。
【0078】
演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、核状基準点21の移動操作及び指定点26の入力操作がそれぞれ前記マウスの前記右ボタンの操作により行われていないと判断した場合は、分割処理を行うことなくステップS108に戻る。他方、演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、核状基準点21の移動操作及び指定点26の入力操作がそれぞれ前記マウスの前記右ボタンの操作により行われたと判断した場合は、分割統合手段18fに分割処理を行わせるべく制御信号を送ることにより、分割統合手段18fを作動させる(ステップS118)。
【0079】
分割統合手段18fは、演算制御回路17から制御信号を受けると、指定点26を入力した前記領域19a内に細胞壁検出手段18bにより検出されなかった細胞壁20が存在することを認識し、演算制御回路17の制御下で、前記領域19a内で移動された核状基準点21及び入力された指定点26の位置に基づいて前記領域19aを分割すべき適正な位置を検出する。このとき、分割統合手段18fは、図8(b)に示したと同様に、例えば各指定点26を中心とする二つの円R1、R2を形成し、この各円R1,R2を同一の割合で拡大させ、各円R1,R2が接する部分の付近で細胞壁20を検出しないとき、各円R1,R2が接する部分を前記適正な位置とする。その後、分割統合手段18fは、前記適正な位置に分割線を細胞壁20として表示手段13に表示させ、これにより、前記領域19aを二つの正規のセル19に分割する。
【0080】
操作者は、分割統合手段18fにより統合処理されたセル画像を視認し、指定点26を入力した前記各領域19aが所期した通りに分割されていないと判断した場合は指定点26の入力操作を繰り返し行い、前記領域19aが所期した通りに分割されたと判断した場合は、前記リターンキーを押す。
【0081】
演算制御回路17は、前記リターンキーが押されたことを検出すると(ステップS108)、自動検出した核状基準点21、手動により移動された核状基準点21及び手動により入力された指定点26との数からセル19の数をセル密度算出手段18eに算出させ、そのセル19の数に基づいてセル密度を算出させる(ステップS9)。このとき、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fによる分割処理により形成された正規の二つのセル19に関しては、手動により移動された核状基準点21及び入力された指定点26をそれぞれ前記基準指定点としてセル密度の算出に用いる。
【0082】
本実施例によれば、前記したように、入力手段14が、表示手段13に表示された核状基準点21を消去する消去機能及び核状基準点21を移動させる移動機能を有し、細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aに囲まれた領域19aを分割し又は互いに隣接した前記領域19aを互いに統合するための分割統合手段18fが、前記領域19a内の核状基準点21が入力手段14により移動され且つ同一の前記領域19a内に指定点26が入力されたときは、前記領域19aを移動された核状基準点21及び指定点26をそれぞれ中心とする複数の小領域に分割することにより正規のセル19を形成し、互いに隣接する前記各領域19aの一方の該領域19a内の核状基準点21が入力手段14により消去され且つ他方の前記領域19a内の核状基準点21が入力手段14により前記両領域19a間の検出細胞壁20a上又はその近傍に移動されたときは、前記両領域19aを互いに統合して正規のセル19となる大領域を形成し、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fにより形成された各小領域及び大領域に関しては、入力手段14により移動された核状基準点21及び入力された指定点26をセル19の密度の算出のための基準指定点とする。 このことから、セル画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁20であって細胞壁検出手段18bにより検出されない細胞壁20があり、又は、セル画像に表示された細胞壁20を示す線以外の線を細胞壁20として検出してしまい、このため、基準点算出手段18cにより核状基準点21が適正に算出されない場合でも、基準点算出手段18cによる核状基準点1の算出後に、前記領域19a内の核状基準点21を入力手段14により移動し、更に、同一の前記領域19a内に指定点26を入力することにより、核状基準点21が算出されなかった正規のセル19をセル密度算出手段18eによるセル密度の算出に算入させることができ、また、互いに隣接する前記各領域19aの一方の該領域19a内の核状基準点21を入力手段14により消去し、更に、他方の前記領域19a内の核状基準点21を入力手段14により両領域19a間の検出細胞壁20a上又はその近傍に移動することにより、複数のセルであると誤判断されて分割された正規のセル19を一つのセルとしてセル密度算出手段18cによるセル密度の算出に算入させることができる。これにより、細胞壁検出手段18bにより細胞壁20が適正に自動検出されず、このため、基準点算出手段18cにより核状基準点21が適正に算出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【0083】
また、前記したように、分割統合手段18fは、右ボタンの操作により指定点26の入力、核状基準点21の消去及びその移動が行われたときは分割処理を行い、左ボタンの操作により指定点26の入力、核状基準点21の消去及びその移動が行われたときは統合処理を行うことから、例えば細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aに囲まれた領域19a内を分割すべく該領域内への指定点26の入力、核状基準点21の移動を行ったとき、分割統合手段18fが誤って統合処理を行ってしまうことを防止することができる。
【0084】
[実施例3]
図1及び図9に示す実施例に代えて、分割統合手段18fによる統合処理及び分割処理を行う際、細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁20aで囲まれた領域19a内、又は、検出細胞壁20a上又はその近傍を指定することにより、統合処理及び分割処理を行うことができる。この場合、前記領域19a内、検出細胞壁20a上及びその近傍を指定する指定手段として例えば前記マウスを用いることができる。
【0085】
本発明に係る角膜内皮細胞画像処理装置10を用いてセル画像を解析する際、操作者は、演算制御回路17の制御により図10に示すステップS201乃至ステップS207を経て表示手段13に表示されたセル画像を視認して、細胞壁20が全て適正に自動検出されていると判断した場合には、前記キーボードのリターンキーを押す。
【0086】
このとき、演算制御回路17は、図10に示すように、前記キーボードのリターンキーが押されたことを検出すると(ステップS208)、基準点算出手段18cにより算出された核状基準点21をセル密度の算出のための基準指定点としてセル密度をセル密度算出手段18eに算出させ(ステップS209)、セル密度算出手段18eによる解析結果を表示手段13に表示させる(ステップS110)。
【0087】
他方、操作者は、表示手段13に表示されたセル画像を視認した結果、細胞壁検出手段18bが細胞壁20bを正規の細胞壁であると誤って検出してしまい一つの正規のセル19が二つの領域19aに分割された場合には、前記キーボードの前記リターンキーを押さずに、二つの領域19aを互いに統合させる以下の統合操作を行う。
【0088】
統合操作を行う際、操作者は、図示の例では、表示手段13に表示されたセル画像上で入力手段14である前記マウスの操作により前記カーソルを細胞壁20b上又はその近傍に移動させ、その位置で前記マウスの前記左ボタンをダブルクリックすることにより位置を指定する。
【0089】
このとき、演算制御回路17は、ステップS208で前記リターンキーが押されていないことを検出すると同時に、セル画像上で細胞壁20b上又はその近傍が指定されたか否かを判断する(ステップS211)。演算制御回路17は、細胞壁20b上又はその近傍が指定されていないと判断した場合は後述する分割処理を行う。他方、演算制御回路17は、細胞壁20b上又はその近傍が指定されたと判断した場合は、指定操作が前記マウスの前記左ボタンの操作により行われたか否かを判断する(ステップS212)。
【0090】
演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、前記指定操作が前記マウスの前記左ボタンの操作により行われていないと判断した場合は、統合処理を行うことなくステップS211に戻る。他方、演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、前記指定操作が前記マウスの前記左ボタンの操作により行われたと判断した場合は、分割統合手段18fに統合処理を行わせるべく制御信号を送ることにより、分割統合手段18fを作動させる(ステップS213)。
【0091】
分割統合手段18fは、演算制御回路17から前記制御信号を受けると、細胞壁20bが細胞壁検出手段18bによる誤検出であると認識し、演算制御回路17の制御下で、表示手段13に表示された細胞壁20bを除去することにより、互いに隣接した二つの領域19aを一つに統合する。この統合処理により、誤って分割された大領域すなわち正規のセル19が表示手段13上に形成される。
【0092】
操作者は、分割統合手段18fにより統合処理されたセル画像を視認し、前記各領域19aが所期した通りに統合されていないと判断した場合は指定点26の入力操作を繰り返し行い、前記各領域19aが所期した通りに統合されたと判断した場合は、前記リターンキーを押す。
【0093】
演算制御回路17は、前記リターンキーが押されたことを検出すると(ステップS214)、分割統合手段18fからの信号に基づいて、統合処理により形成された正規のセル19を規定する細胞壁20に基づいてセル19の核状基準点21を算出する旨を示す制御信号を基準点算出手段18cに送る。基準点算出手段18cは、演算制御回路17からの制御信号に基づいて、分割統合手段18fの統合処理により形成されたセル19の核状基準点21を算出する(ステップS215)。
【0094】
その後、演算制御回路17は、核状基準点21の数に基づいてセル密度算出手段18eにセル密度を算出させる(ステップS209)。このとき、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fによる統合処理により形成されたセル19に関しては、基準点算出手段18cにより新たに検出された核状基準点21を前記基準指定点としてセル密度の算出に用いる。
【0095】
また、操作者は、表示手段13に表示されたセル画像を視認した結果、細胞壁検出手段18bにより正規の細胞壁20が細胞壁ではないと誤って判断されて二つのセル19が一つの領域19aに統合された場合、前記キーボードの前記リターンキーを押さずに、前記領域19aを二つの正規のセル19に分割する以下の分割操作を行う。
【0096】
分割操作を行う際、表示手段13に表示されたセル画像上で前記マウスの操作により前記カーソルを前記領域19a内に移動させ、該領域内で前記マウスの前記右ボタンをダブルクリックすることにより位置を指定する。
【0097】
このとき、演算制御回路17は、ステップS208で前記リターンキーが押されていないことを検出すると同時に、セル画像上で細胞壁20b上又はその近傍が指定されていないことすなわち前記領域19a内が指定されたことをステップS211で検知した後、前記指定操作が前記マウスの前記右ボタンにより行われたか否かを判断する(ステップS216)。
【0098】
演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、前記指定操作が前記マウスの前記右ボタンの操作により行われていないと判断した場合は、分割処理を行うことなくステップS211に戻る。他方、演算制御回路17は、入力手段14からの信号に基づいて、前記指定操作が前記マウスの前記右ボタンの操作により行われたと判断した場合は、分割統合手段18fに分割処理を行わせるべく制御信号を送ることにより、分割統合手段18fを作動させる(ステップS217)。
【0099】
分割統合手段18fは、演算制御回路17から制御信号を受けると、前記領域19a内に細胞壁検出手段18bにより検出されなかった細胞壁20が存在することを認識し、演算制御回路17の制御下で、前記領域19a内で移動された核状基準点21及び入力された指定点26の位置に基づいて前記大領域19aを分割すべき適正な位置を検出する。このとき、分割統合手段18fは、図8(b)に示したと同様に、例えば各指定点26を中心とする二つの円R1、R2を形成し、この各円R1,R2を同一の割合で拡大させ、各円R1,R2が接する部分の付近で細胞壁20を検出しないとき、各円R1,R2が接する部分を前記適正な位置とする。その後、分割統合手段18fは、前記適正な位置に分割線を細胞壁20として表示手段13に表示させ、これにより、前記領域19aを二つの正規のセル19に分割する。
【0100】
操作者は、分割統合手段18fにより統合処理されたセル画像を視認し、指定した前記領域19aが所期した通りに分割されていないと判断した場合は指定点26の入力操作を繰り返し行い、前記領域19aが所期した通りに分割されたと判断した場合は、前記リターンキーを押す。
【0101】
演算制御回路17は、前記リターンキーが押されたことを検出すると(ステップS214)、分割統合手段18fからの信号に基づいて、分割処理により形成された正規の二つのセル19を規定する細胞壁20に基づいて各セル19の核状基準点21を算出する旨を示す制御信号を基準点算出手段18cに送る。基準点算出手段18cは、演算制御回路17からの制御信号に基づいて各セル19の核状基準点21を算出する(ステップS215)。
【0102】
その後、演算制御回路17は、核状基準点21の数に基づいてセル密度算出手段18eにセル密度を算出させる(ステップS209)。このとき、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fによる分割処理により形成された各セル19に関しては、基準点算出手段18cにより新たに検出された各核状基準点21を前記基準指定点としてセル密度の算出に用いる。 本実施例によれば、前記したように、基準点算出手段18cにより核状基準点21が算出された後に、細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁21で囲まれた領域19a内が前記マウスの前記カーソルにより指定されたときは、該領域内を分割すべき位置を検出し、該位置に細胞壁20となる分割線を表示手段13に表示させることにより前記領域19a内を複数の小領域に分割し、該各小領域の核状基準点21を基準点算出手段18cに算出させ、前記カーソルにより各核状基準点21間の検出細胞壁20a上又はその近傍が指定されたときは、該検出細胞壁を消去することにより該検出細胞壁を介して隣接する前記各領域19aを互いに統合し、統合により形成された大領域内の核状基準点21を基準点算出手段18cにより算出させ、セル密度算出手段18eは、分割統合手段18fにより形成された各小領域及び大領域に関しては、基準点算出手段18cにより新たに算出された核状基準点21をセルの密度の算出のための基準指定点とする。
【0103】
このことから、セル画像が不鮮明である場合に例えば作業者が視認することができる細胞壁20であって細胞壁検出手段18bにより検出されない細胞壁20があり、又は、セル画像に表示された細胞壁20を示す線以外の線を細胞壁として検出してしまい、このため、基準点算出手段18cにより核状基準点21が適正に算出されない場合でも、基準点算出手段18cによる核状基準点21の算出後に、前記領域19a内を前記マウスの前記カーソルにより指定することにより、核状基準点21が算出されなかった正規のセル19をセル密度算出手段18eによるセル密度の算出に算入させることができ、また、各核状基準点21間の検出細胞壁20a上又はその近傍を前記カーソルにより指定することにより、複数のセルであると誤判断されて分割された正規のセル19を一つのセルとしてセル密度算出手段18eによるセル密度の算出に算入させることができる。これにより、細胞壁検出手段18bにより細胞壁20が適正に自動検出されず、このため、基準点算出手段18cにより核状基準点21が適正に算出されなかった場合でも、セル密度を正確に算出することができる。
【0104】
また、前記したように、分割統合手段18fは、前記マウスの前記右ボタンの操作により前記領域19a又は検出細胞壁20aの指定が行われたときは分割処理を行い、前記左ボタンの操作により前記領域19a又は検出細胞壁20aの指定が行われたときは統合処理を行うことから、例えば細胞壁検出手段18bにより検出された検出細胞壁21に囲まれた領域19a内を分割すべく該領域内を前記カーソルにより指定したとき、前記領域19a内の指定した位置が検出細胞壁20aの近傍である場合に、分割統合手段18fが誤って統合処理を行ってしまうことを防止することができる。
【0105】
図1乃至図10に示す例において、細胞壁検出手段18bに、セル画像に表示された各セル19の細胞壁20を示す線のうち細胞壁20であると確定するための検出要素を満たさない線であって細胞壁20である可能性がある線を検出し、該線を表示手段13に検出細胞壁20aと区別して表示させる機能を有する細胞壁検出手段を本発明に用いることができる。
【0106】
この場合、例えば細胞壁検出手段が細胞壁を検出した結果、その細胞壁で囲まれた領域の大きさ及び形状等の検出要素から、その領域が複数の正規のセルで構成されていると考えられる場合、細胞壁検出手段は、前記領域を分割すべき位置を検出し、該位置に例えば点線により分割線を表示手段に表示させる。
【0107】
これによれば、細胞壁検出手段が、セル画像に表示された各セル19の細胞壁20を示す線のうちセル19の細胞壁20であると確定する検出要素を満たさない線であって細胞壁20である可能性がある線を検出し、該線を表示手段13に検出細胞壁20aと区別して表示させることから、角膜内皮細胞画像処理装置10の操作者が前記マウスの操作により前記入力操作及び前記指定操作等を行う際に、細胞壁検出手段18bにより細胞壁20として自動検出されなかった細胞壁20を示す線を表示手段13上で視認により探すとき、細胞壁20として自動検出されなかった細胞壁20を容易に見付けることができる。これにより、角膜内皮細胞画像処理装置10の操作効率を確実に向上させることができる。
【0108】
上記した実施例では、前記マウスの前記左ボタンの操作により統合処理が行われ、前記右ボタンの操作により分割処理が行われる例を示したが、これに代えて、前記マウスの前記右ボタンの操作により統合処理を行い、前記左ボタンの操作により分割処理を行うことができる。
【0109】
また、上記した実施例では、入力手段14がマウス及びキーボードで構成された例を示したが、これに代えて、入力手段14をマウス及びキーボード以外で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係る角膜内皮細胞画像処理装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像処理手段を概略的に示す説明図である。
【図3】図1に示した演算制御回路による全体のフローチャートである。
【図4】(a)は撮像手段により撮像されて表示手段に表示された角膜内皮細胞画像を概略的に示す説明図であり、(b)は細胞壁検出手段により細胞壁が検出された角膜内皮細胞画像の状態を概略的に示す説明図である。
【図5】(a)は本発明に係る基準点算出手段による核状基準点の算出方法を概略的に示す説明図であり、(b)は基準点算出手段により算出された核状基準点を概略的に示す説明図である。
【図6】(a)乃至(c)はそれぞれ細線化手段により細胞壁が細線化された状態を概略的に示す説明図である。
【図7】本発明に係る細線化手段により細線化されたセル画像が表示手段に表示された状態を概略的に示す説明図である。
【図8】(a)は細胞壁検出手段により一つのセルが二つのセルであると間違って自動検出された状態を示す説明図であり、(b)は細胞壁検出手段により二つのセルが一つのセルであると間違って自動検出された状態を概略的に示す説明図であり、(c)はセルが統合及び分割された状態を概略的に示す説明図である。
【図9】実施例2に係る演算制御回路による全体のフローチャートである。
【図10】実施例3に係る演算制御回路による全体のフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
10 角膜内皮細胞画像処理装置
13 表示手段
14 入力手段
18b 細胞壁検出手段
18c 基準点算出手段
18e セル密度算出手段
18f 分割統合手段
19 セル
19a 領域
20 細胞壁
20a 検出細胞壁
21 核状基準点
26 指定点
【出願人】 【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄


【公開番号】 特開2008−36303(P2008−36303A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217612(P2006−217612)