| 【発明の名称】 |
視野計 |
| 【発明者】 |
【氏名】島田 賢
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| 【要約】 |
【課題】複数の視野検査を短時間に行うことの出来る視野計の提供
【構成】被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力する入力手段、被検者が再検査であるか否かを判定する手段、被検者が再検査であると判定された場合に、被検者測定情報を読み出す手段、入力された視野検査の種類が、被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であるか否かを判定する手段、視野検査の種類が、被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であると判定された場合、過去の視野検査の感度分布データから、これから行うべき視野検査の対応する視野座標における視標の初期輝度を、感度分布データに示された感度に等しいか近い値の輝度に演算決定する手段、該決定された初期輝度を視標の初期輝度として視野検査を開始する手段、を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種類の視野検査を行うことが出来る視野計において、 被検者毎に、視野検査の検査結果を視野座標系上の視野の感度分布データとして、実施した視野検査の種類と共に格納しておくメモリ、 被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力する入力手段、 前記入力手段から入力された前記被検者の識別データから、当該識別データに対応する被検者が再検査であるか否かを判定する再検査判定手段、 前記被検者が再検査であると判定された場合に、前記メモリを検索して、当該識別データに対応する被検者測定情報を読み出す、被検者測定情報読み出し手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であるか否かを判定する、検査種類判定手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であると判定された場合、過去の視野検査の感度分布データから、これから行うべき視野検査の対応する視野座標における視標の初期輝度を、前記感度分布データに示された感度に等しいか近い値の輝度に演算決定する、初期輝度決定手段、 前記初期輝度決定手段により決定された初期輝度を視標の初期輝度として、前記視野検査を開始する検査実行手段、 を有する視野計。 【請求項2】 前記複数種類の視野検査は、各検査ポイントにおける感度を複数の段階に分ける第1の検査、各検査ポイントにおける感度を、視標の輝度を変えながら複数回提示し、詳細に測定する第2の検査及び、あるサイズ、輝度の視標を所定の移動開始位置から移動させながら提示し、当該視標が見える範囲又は見えない範囲を測定する第3の検査を含むことを特徴とする、請求項1記載の視野計。 【請求項3】 前記過去の視野検査の種類が前記第3の検査であり、これから行うべき視野検査の種類が、前記第1の検査又は第2の検査である場合に、 前記第3の検査で検出された等感度曲線の通過座標に対応する前記第1の検査又は第2の検査の視野座標系における検査ポイントを、前記第3の検査に関する感度分布データから検索する、対応領域決定手段、 を有し、 前記初期輝度決定手段は、前記検索された前記第1の検査又は第2の検査の検査ポイントについての、視標の初期輝度を、前記等感度曲線の感度に等しいか近い値に演算決定することを特徴とする、 請求項2記載の視野計。 【請求項4】 あるサイズ、輝度の視標を所定の移動開始位置から移動させながら提示し、当該視標が見える範囲又は見えない範囲を測定する移動視標検査を含む、複数種類の視野検査を行うことが出来る視野計において、 被検者毎に、視野検査の検査結果を視野座標系上の視野の感度分布データとして、実施した視野検査の種類と共に格納しておくメモリ、 被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力する入力手段、 前記入力手段から入力された前記被検者の識別データから、当該識別データに対応する被検者が再検査であるか否かを判定する再検査判定手段、 前記被検者が再検査であると判定された場合に、前記メモリを検索して、当該識別データに対応する被検者測定情報を読み出す、被検者測定情報読み出し手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記移動視標検査であり、かつ前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる検査であるか否かを判定する、検査種類判定手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が前記移動視野検査であり、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類の検査であると判定された場合、過去の視野検査の感度分布データから、これから行うべき移動視標検査に使用する視標の輝度に対応する感度を示した検査ポイントを検索し、当該検索された検査ポイントの座標位置を前記移動視標検査の視野座標系上で決定して、当該位置付近を前記視標の移動開始位置として決定する視標移動開始位置決定手段、 前記視標移動開始位置決定手段により決定された移動開始位置から前記移動視標検査を開始する検査実行手段、 を有することを特徴とする視野計。 【請求項5】 各検査ポイントにおける感度を複数の段階に分ける第1の検査、各検査ポイントにおける感度を、視標の輝度を変えながら複数回提示し、詳細に測定する第2の検査及び、あるサイズ、輝度の視標を所定の移動開始位置から移動させながら提示し、当該視標が見える範囲又は見えない範囲を測定する第3の検査を行うことの出来る視野計において、 被検者毎に、視野検査の検査結果を視野座標系上の視野の感度分布データとして、実施した視野検査の種類と共に格納しておくメモリ、 被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力する入力手段、 前記入力手段から入力された前記被検者の識別データから、当該識別データに対応する被検者が再検査であるか否かを判定する再検査判定手段、 前記被検者が再検査であると判定された場合に、前記メモリを検索して、当該識別データに対応する被検者測定情報を読み出す、被検者測定情報読み出し手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であるか否かを判定する、検査種類判定手段、 前記検査種類判定手段により、過去の視野検査の種類が前記第1の検査又は第2の検査であり、これから行うべき視野検査の種類が、前記第3の検査である場合に、 前記第3の検査で検出すべき等感度曲線の感度に対応する感度を示した前記第1の検査又は第2の検査の検査ポイントを前記感度分布データから検索し、当該検索された検査ポイントに対応する座標位置を前記第3の検査の視野座標系上で決定して、当該位置付近を視標の前記移動開始位置として決定する視標移動開始位置決定手段、 前記視標移動開始位置決定手段により決定された移動開始位置から前記第3の検査を開始する検査実行手段、 を有することを特徴とする視野計。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、スクリーニング検査、閾値検査、イソプター検査など、複数の視野検査を行うことが出来る視野計に関する。 【0002】 【背景技術】 【0003】 視野の検査は、その測定点数が多いことと、それぞれの測定点で、視標の見える輝度を判定する必要から、非常に時間の掛かる検査となっている。そこで、例えば、特許文献1に示されるように、検査時間をなるべく短縮して、被検者の負担を少なくする提案が成されている。 【0004】 【特許文献1】特開昭60−241418号公報 【0005】 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、視野の検査は、被検者の状態に応じて、複数の検査、例えば、スクリーニング検査、閾値検査、イソプター検査などを選択的に行う必要があり、そうした異なる視野検査を、被検者の負担を極力少なくする形で短時間に行うことの出来る視野計の開発が望まれていた。 【0007】 本発明は、上記した事情に鑑み、複数の視野検査を短時間に行うことの出来る視野計を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 請求項1の発明は、複数種類の視野検査を行うことが出来る視野計(50)において、 被検者毎に、視野検査の検査結果を視野座標系(VF)上の視野の感度分布データ(DAT)として、実施した視野検査の種類と共に格納しておくメモリ、 被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力する入力手段(27)、 前記入力手段から入力された前記被検者の識別データから、当該識別データに対応する被検者が再検査であるか否かを判定する再検査判定手段、 前記被検者が再検査であると判定された場合に、前記メモリ(22)を検索して、当該識別データに対応する被検者測定情報(PI)を読み出す、被検者測定情報読み出し手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であるか否かを判定する、検査種類判定手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であると判定された場合、過去の視野検査の感度分布データ(DAT)から、これから行うべき視野検査の対応する視野座標における視標の初期輝度を、前記感度分布データに示された感度に等しいか近い値の輝度に演算決定する、初期輝度決定手段、 前記初期輝度決定手段により決定された初期輝度を視標の初期輝度として、前記視野検査を開始する検査実行手段、 を有する視野計として構成される。 【0009】 請求項2の発明は、各検査ポイントにおける感度を複数の段階に分ける第1の検査、各検査ポイントにおける感度を、視標の輝度を変えながら複数回提示し、詳細に測定する第2の検査及び、あるサイズ、輝度の視標を所定の移動開始位置から移動させながら提示し、当該視標が見える範囲又は見えない範囲を測定する第3の検査を含むことを特徴として構成される。 【0010】 請求項3の発明は、前記過去の視野検査の種類が前記第3の検査であり、これから行うべき視野検査の種類が、前記第1の検査又は第2の検査である場合に、 前記第3の検査で検出された等感度曲線の通過座標に対応する前記第1の検査又は第2の検査の視野座標系における検査ポイントを、前記第3の検査に関する感度分布データから検索する、対応領域決定手段、 を有し、 前記初期輝度決定手段は、前記検索された前記第1の検査又は第2の検査の検査ポイントについての、視標の初期輝度を、前記等感度曲線の感度に等しいか近い値に演算決定することを特徴として構成される。 【0011】 請求項4の発明は、あるサイズ、輝度の視標を所定の移動開始位置から移動させながら提示し、当該視標が見える範囲又は見えない範囲を測定する移動視標検査を含む、複数種類の視野検査を行うことが出来る視野計において、 被検者毎に、視野検査の検査結果を視野座標系上の視野の感度分布データとして、実施した視野検査の種類と共に格納しておくメモリ、 被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力する入力手段(27)、 被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力するを入力手段、 前記入力手段から入力された前記被検者の識別データから、当該識別データに対応する被検者が再検査であるか否かを判定する再検査判定手段、 前記被検者が再検査であると判定された場合に、前記メモリを検索して、当該識別データに対応する被検者測定情報を読み出す、被検者測定情報読み出し手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記移動視標検査であり、かつ前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる検査であるか否かを判定する、検査種類判定手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が前記移動視野検査であり、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類の検査であると判定された場合、過去の視野検査の感度分布データから、これから行うべき移動視標検査に使用する視標の輝度に対応する感度を示した検査ポイントを検索し、当該検索された検査ポイントの座標位置を前記移動視標検査の視野座標系上で決定して、当該位置付近を前記視標の移動開始位置として決定する視標移動開始位置決定手段、 前記視標移動開始位置決定手段により決定された移動開始位置から前記移動視標検査を開始する検査実行手段、 を有することを特徴として構成される。 【0012】 請求項5の発明は、各検査ポイントにおける感度を複数の段階に分ける第1の検査、各検査ポイントにおける感度を、視標の輝度を変えながら複数回提示し、詳細に測定する第2の検査及び、あるサイズ、輝度の視標を所定の移動開始位置から移動させながら提示し、当該視標が見える範囲又は見えない範囲を測定する第3の検査を行うことの出来る視野計において、 被検者毎に、視野検査の検査結果を視野座標系上の視野の感度分布データとして、実施した視野検査の種類と共に格納しておくメモリ、 被検者の識別データ及び該被検者について行うべき視野検査の種類を入力する入力手段(27)、 前記入力手段から入力された前記被検者の識別データから、当該識別データに対応する被検者が再検査であるか否かを判定する再検査判定手段、 前記被検者が再検査であると判定された場合に、前記メモリを検索して、当該識別データに対応する被検者測定情報を読み出す、被検者測定情報読み出し手段、 前記入力手段から入力された視野検査の種類が、前記被検者測定情報に格納された過去の視野検査の種類と異なる種類であるか否かを判定する、検査種類判定手段、 前記検査種類判定手段により、過去の視野検査の種類が前記第1の検査又は第2の検査であり、これから行うべき視野検査の種類が、前記第3の検査である場合に、 前記第3の検査で検出すべき等感度曲線の感度に対応する感度を示した前記第1の検査又は第2の検査の検査ポイントを前記感度分布データから検索し、当該検索された検査ポイントに対応する座標位置を前記第3の検査の視野座標系上で決定して、当該位置付近を視標の前記移動開始位置として決定する視標移動開始位置決定手段、 前記視標移動開始位置決定手段により決定された移動開始位置から前記第3の検査を開始する検査実行手段、 を有することを特徴として構成される。 【発明の効果】 【0013】 複数の視野検査を、一度何らかの視野検査を行った被検者については、被検者の視野感度に近い初期輝度又は、検査に際した視標の移動距離の短かい移動開始位置から検査を開始することが出来、無駄な検査行程を繰り返す必要が無く、異なる視野検査を効率的に行うことが出来る。 【0014】 なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。 【0016】 図1は、視野計の構造の一例を示す図、図2は、視野測定における、異なる検査方法による検査結果の一例を示す図、図3は、視野検査の閾値検査に用いられるアルゴリズムの一例を示す図、図4及び図5は、検査プログラムの一例を示すフローチャートである。 【0017】 視野計1は、図1に示すように、視野ドーム18を有しており、視野ドーム18の中心位置に被検者のためのあご台(不図示)が配置される。測定時には不図示のアライメント機構を介して被検眼が視野ドーム18の中心に位置するようにあご台の位置がアライメントされる。視野ドーム18内部には背景照明用のランプ16、16が配置されている。なお、本発明が適用される視野計としては、図1に示す視野ドーム18を有するタイプに限らず、他のタイプの視野計にも適用することが出来る。 【0018】 被検者は、視野ドーム18内側の投影面に投影された視標19の注視を求められ、それが視認できた場合には何らかの適当な方法(応答スイッチ17の操作、あるいは音声による応答)で検者に応答を返す。 【0019】 視標19を投影するために、図1では符号5で示す視標投影機構が配置されている。符号2は光源としての視標投影ランプ(ハロゲンランプ)で、その後方には反射鏡1が配置されている。視標投影ランプ2の光は集光レンズ3、視標板4を経てリレーレンズ8に入射する。視標板4は視標の大きさを決めるためのもので、開口が複数設けられ、後述のCPU21の制御により適当なサイズの開口が光軸上に移動されるようになっている。さらに、リレーレンズ8を通って、フォーカスレンズ9、シャッタ10(の開口)を経て、ミラー11で反射され、リレーレンズ12を経由してミラー13で反射される。 【0020】 本実施形態では、視標19の投影位置を制御するために、2つのミラー14A、ミラー14B、が設けられ、不図示のモータなどの駆動機構を介してその回動位置がCPU21により制御される。そして最終的に視標19がプロジェクターレンズ15を介して視野ドーム18の投影面に投影される。 【0021】 本実施形態の視野計は、CPU21の制御により視標の投影機構5をあらかじめ定められたプログラムにしたがって制御することにより自動視野計として用いることができる。 【0022】 本実施形態の視野計の制御系は以下のように構成されている。CPU21は、I/Oポート28を介して、上記の視標の投影機構(1〜15)に含まれるモータ、ソレノイドなどを制御し、また、上記の応答スイッチ17などの情報を入力する。 【0023】 また、CPU21には、LCDやCRTなどの表示装置から成るモニタ26が接続されており、このモニタ26は検査データの出力、設定時のメニュー表示などに用いられる。また、モニタ26の画面上にはタッチパネル29(座標検出方式は任意)が配置され、このタッチパネル29は指や専用の入力ペンによりメニュー選択、視標投影位置の座標入力に用いることができる。 【0024】 検査者は、上記のタッチパネル29、あるいはキーボード27を用いて検査を制御することができ、検査プログラムの1つを指定し、検査開始の操作入力を行うことにより、定められた検査プログラムにしたがって視標投影位置が制御され、またその際の応答スイッチ17による応答が入力される。検査中、発生した検査結果に関するデータはRAM、ハードディスクなど任意の記憶装置から成るメモリ22に記憶され、また、必要に応じてモニタ26に表示し、プリンタ20で表示することができる。なお、CPU21及びメモリ22、30などが、視野計1に内蔵されたコンピュータとして機能する。 【0025】 視野の測定に際しては、公知の方法で、視標板4に配置された視標が、視野ドーム18内の適宜な位置に投影され、当該投影された視標を認識した被検者は、応答スイッチ17を所定の制限時間内に操作することにより、CPU21は当該投影された視標19を被検者が認識したことを認識する。視野測定は、視野ドーム内の多数の測定点について、視標19を所定の提示時間間隔で投影提示して、被検者がそれら視標をどの程度認識したかにより、公知の手法で演算される。 【0026】 なお、この視野測定に際して、検査者は、視野を測定すべき被検者に対して行う検査を、キーボード27又はタッチパネル29を介して選択入力する。視野計50のメモリ22(または30)には、当該視野計50で行うことの出来る複数の視野検査方法が、検査プログラムとして選択可能に格納されており、検査者は、モニタ26上に表示される、複数の検査方法、例えば、1.スクリーニング検査、2.閾値検査、3.イソプター検査の中から、適当な検査を選択することが出来る。なお、この検査方法は、上記3方法に限らず、他の任意の検査方法についても選択可能に設定することも可能である。 【0027】 それぞれの検査方法は、既に公知であり、各種の視野計及びその検査プログラムが公知となっているので、ここでは、そうした個々の検査プログラムの詳細についての説明は、省略し、本発明に関連のある部分のみを説明する。 【0028】 また、メモリ22(又は30)には、被検者の検査データが、各被検者のIDナンバーなどの識別情報と共に被検者測定情報PIとして格納されており、被検者測定情報には、当該被検者の症状などによって、検査すべきポイント、即ち、眼底の乳頭周辺、黄斑、上鼻側など、その症状、種類、病状の進行状態によって検査ポイントが設定され格納されている。また、被検者測定情報PIには、そのほかにも、検査する際の検査方法や、検査パターン、過去の検査結果などが格納され、各被検者のIDから、任意にそれらのデータをメモリから読み出してモニタ26に表示したり、今後の検査の際のデータとして利用したりすることが出来る。 【0029】 視野検査に際しては、検査者は、まず被検者のIDナンバーなどの識別番号をキーボード27などから入力する。すると、CPU21は、メモリ30から検査プログラムIPRを読み出し、当該検査プログラムIPRに基づいて、以後の視野検査の内容を管理する。 【0030】 即ち、図4に示す検査プログラムIPRのステップS1で、CPU21は、当該入力されたIDナンバーからメモリ内の被検者測定情報PIを参照して、当該被検者に関する被検者測定情報PIがメモリ22(30)に既に格納されているかどうか、即ち、これから行う視野測定が、当該被検者に取っての再検査であるか否かを判定する。 【0031】 ステップS1で、メモリ22(30)内に、当該被検者の被検者測定情報PIが格納されておらず、これから行う視野測定が、当該被検者に取っての最初の検査であると判定された場合には、ステップS2に入り、検査者に、当該被検者に対して行う視野検査の種類を、キーボード27等を介して選択させ、通常の検査パターンで各種の視野検査、即ち、1.スクリーニング検査、2.閾値検査、3.イソプター検査を選択的に実行する。 【0032】 ここで、スクリーニング検査というのは、各検査ポイント(視野座標系VF中の所定の座標又は領域)の感度を複数の段階に分ける検査であり、例えば、被検者について、図2(a)の視野座標系VFのある領域AR1について、まず、30dBの輝度の視標19を提示し、被検者が30dBの輝度の視標19を認識出来た場合には当該領域AR1の感度は、30dB以上として、例えば「白丸」を対応するメモリ領域に格納する。また、被検者が30dBの輝度の視標19を認識出来なかった場合には、同一の座標位置(領域AR1)で、今度は視標19の輝度を20dbB(より明るい)に変更して被検者に提示する。ここで、被検者が20dBの輝度の視標19を認識出来た場合には、当該領域AR1の感度は、20〜30dBとして、例えば「三角」を対応するメモリ領域に格納する。更に、被検者が20dBの輝度の視標19を認識出来なかった場合には、当該領域AR1の感度は、20dB以下として、例えば「黒丸」を対応するメモリ領域に格納する。このように、スクリーニング検査においては、所定の基準輝度、例えば30dB、20dBなどの輝度の視標を被検者に提示して、当該視標を認識出来たか否かで、当該基準輝度を境界とする複数の段階に、被検者の視野座標系VFにおける各領域ARの感度を分ける検査である。 【0033】 また、閾値検査というのは、各検査ポイント(視野座標系VF中の所定の座標又は領域)の感度を、視標の輝度を変えながら複数回提示し、詳細に測定する検査である。例えば、視標19の輝度を、例えば21dBと設定し、その輝度で視標19を視野領域AR1内の所定位置に位置決めして、被検者に提示する。この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、図3(a)に示すように、CPU21は、視標19の輝度を4dBだけ上げて(暗くする)、25dBに設定して、被検者に対して提示する。この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、更に図3(a)に示すように、4dBだけ上げて(暗くする)、視標19の輝度を29Bに設定して、被検者に対して提示する。ここで、被検者が視標19を認識せず、所定時間内に応答スイッチ17を押下しなかった場合には、CPU21は、視標19の輝度を、前述の被検者の応答時の4dB刻みのの輝度変更から、より細かな、例えば2dB刻みの輝度変更に変更幅を変え、今度は逆に2dBだけ下げて(明るくする)、27dBとして、同様に領域AR1に提示する。この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、当該領域ARでの網膜感度は、27dBと判定して、当該輝度を領域ARに対応するメモリに格納する。こうして、被検者の領域ARの感度は、27dBと決定される。 【0034】 更に、イソプター検査(移動視標検査)というのは、あるサイズ、輝度の視標が見える(又は、見えない)範囲がどの程度かを測る検査である。例えば30dBの輝度の視標を各方向において周辺から中心に移動させた場合、応答があった点を検査結果として、それらの点を等感度曲線CVとして結ぶと、30dBの見える範囲が得られる。また、 例えば盲点の大きさを測りたい場合、20dBの輝度の視標を 盲点の中心から各方向において外側に移動させた場合、 応答があった点を検査結果として、それらの点を等感度曲線CVとして結ぶと、20dBの見えない範囲が盲点の大きさとして得られることとなる。 【0035】 なお、視標の移動方向は任意であるが、主に、視野座標系VFの周辺部から原点に向けて移動する方法と、盲点などの比較的感度が低い領域の中心からその外側へ移動する方法がある。以下では、イソプター検査の視標の移動方法は前者とする。 【0036】 なお、各検査における、検査方法は、公知であり、また、各検査における測定パターンも自動化されたものが実用化されている。 【0037】 ステップS1で、メモリ22(30)内に、当該被検者の被検者測定情報PIが格納されており、これから行う視野測定が、当該被検者に取っての再検査であると判定された場合には、ステップS3に入り、当該被検者についての、過去の検査データを読み出して、モニタ26に表示する。モニタ26には、例えば、当該被検者が過去に受けた視野検査の結果RTが、例えば図2の(c)に示すように、表示され、その際の試験種別KD、この場合、「イソプター検査」と共に、表示される。 【0038】 次に、検査者は、これから被検者に対して行う視野測定検査の種類を指定してキーボード27を介して入力するが、キーボード27から視野検査の種類が入力されたところで、CPU21は検査プログラムIPRのステップS4に入り、検査者から実行を指令された検査は、当該被検者が過去に受けた検査と同じ種類の検査であるか否かを判定する。 【0039】 ステップS4で、検査者から実行を指令された検査は、当該被検者が過去に受けた検査と同じ種類の検査であると、判定された場合には、当該種類の過去の検査データが既に被検者測定情報PIとして格納されているので、検査プログラムIPRは、過去の検査データに基づいて、被検者に対する検査を、過去に行った当該検査に対応するデータを解析しながら、開始する。 【0040】 即ち、検査者から実行を指令された検査がスクリーニング検査、閾値検査又はイソプター検査のうち何れかであり、被検者の被検者測定情報PIに、検査者が実行を指令した検査と同種の検査の検査結果が既に格納されていた場合(即ち、当該被検者が過去に、同じ種類の検査を既に受け、その測定結果が格納されている場合)、検査プログラムIPRは、以下のように、各検査における検査開始輝度(初期輝度)又は、視標の移動開始位置を決定する。 【0041】 検査者から実行を指令された検査がスクリーニング検査、閾値検査又はイソプター検査の場合、CPU21は、検査プログラムIPRを介して、当該被検者が過去に受けた同種の検査の測定結果を参照する。この測定結果は、例えば、スクリーニング検査の場合、図2(a)に示すように、又、閾値検査の場合、図2(b)に示すような、更に、イソプター検査の場合、図2(c)に示すようなものである。何れの検査の場合においても、その測定結果は、被検者の視野について設定される視野座標系VF(Zを原点とする放射座標系、但し、目盛りは、原点Zを中心にした視野角度βで表示)における、視野の感度分布として示され、スクリーニング検査は、その感度分布が、所定の感度幅の、複数の領域で表され、閾値検査は、その感度分布が、感度が反転する、即ち認識が逆転する(認識から非認識へ、又は非認識から認識へ変わる時点の)視標輝度で表示され、イソプター検査は、その感度分布が、同じ感度を有する等感度曲線CV表示される。 【0042】 スクリーニング検査の測定結果は、図2(a)に示すように、視野座標系VF(図1の視野ドーム18内に設定されている)内で複数に区切られた多数の領域(検査ポイント)ARについて、各領域の代表点(1個以上)において、被検者が認識した視標19の明るさ、従って、被検者の網膜感度を示すマップとして表示され、当該マップは、各領域ARの網膜感度を所定の感度範囲で表示する形で表される。例えば、図2(a)に示す場合には、対応する領域ARで被検者の測定された網膜感度を30dB以上が「白丸」で、20〜30dBが「三角」で、20dB以下が「黒丸」で表示される。 【0043】 従って、同様のスクリーニング検査を、被検者に対して行う場合、既に当該被検者の各視野領域ARでの、過去の測定結果は判明しており、また通常、網膜感度が劇的に向上する可能性は低いことから、今回の再検査に際して、過去のスクリーニング検査の際の当該被検者の各視野領域ARの測定値を参考にして、視標19の輝度を、過去の測定値よりもやや明るい、又は暗い初期輝度(20dB、30dB、35dBなどの基準輝度の中から選択)から検査を開始するように制御する。これにより、スクリーニング検査を最初から行う場合のように、過去の測定値とは無関係の、過去の測定結果から考えて、当該被検者が到底認識出来ない程度に暗い初期(基準)輝度(通常の測定は、被検者の病状とは無関係に、最も暗い基準輝度から開始するので、特定の被検者にとっては、測定開始からしばらくの間は、視標19を認識出来ない状態が継続し、当該被検者に無駄な労力を費やさせることとなる)から測定を開始して、認識出来るまでの数度の輝度変更を繰り返すなどの無駄な測定動作を繰り返す必要が無くなり、短時間に測定を完了させることが出来る。 【0044】 即ち、CPU21は、検査プログラムIPRに基づいて、例えば、図2(a)に示すように、被検者の領域AR1に属する測定点についての測定に際しては、過去のスクリーニング検査の際の測定結果を参照して、過去の測定値が20dB〜30dBの範囲にあることを判定する。次いで、CPU21は、当該領域AR1については、視標19の初期(基準)輝度を、例えば30dBと設定し、その輝度で視標19を視野領域AR1内の所定位置に位置決めして、被検者に提示する。 【0045】 この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、当該領域AR1での網膜感度は、30dB以上と判定して、「白丸」を、対応するメモリに格納する。また、被検者が視標19を認識せず、所定時間内に応答スイッチ17を押下しなかった場合には、CPU21は、視標19の輝度を、次の基準輝度に、例えば10dB下げて明るくし、20dBとして、同様に領域AR1に提示する。この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、当該領域AR1での網膜感度は、20〜30dBと判定して、「三角」を、対応するメモリに格納する。また、被検者が視標19を認識せず、所定時間内に応答スイッチ17を押下しなかった場合には、当該領域AR1での網膜感度は、20dB以下と判定して、「黒丸」を、対応するメモリに格納する。 【0046】 一方、閾値検査の測定結果は、図2(b)に示すように、視野座標系VF(図1の視野ドーム18内に設定されている)内で複数に区切られた多数の領域(検査ポイント)ARについて、各領域の代表点(1個以上)において、被検者が認識した視標19の明るさ、従って、被検者の網膜感度を示すマップとして表示され、当該マップは、各領域ARの網膜感度を所定の感度数値(被検者が認識した視標19の輝度を示す値(dB))で表示する形で表される。例えば、図2(b)に示す場合には、対応する領域ARで被検者の測定された網膜感度がメモリ22から読み出され、表示される。 【0047】 従って、再検査に際して同様の閾値検査を、被検者に対して行う場合、既に当該被検者の各視野領域ARでの、過去の測定結果は判明しており、また通常、網膜感度が劇的に向上する可能性は低いことから、今回の再検査に際して、過去の閾値検査の際の当該被検者の各視野領域ARの測定値を参考にして、視標19の輝度を、過去の測定値よりもやや明るい、又は暗い初期輝度から検査を開始するように制御する。これにより、閾値検査を最初から行う場合のように、過去の測定値とは無関係の、過去の測定結果から考えて、当該被検者が到底認識出来ない程度に暗い初期輝度(通常の測定は、被検者の病状とは無関係に、被検者の年齢の正常感度付近の輝度から開始するので、その年齢の正常感度と大きく異なる感度を持つ被検者にとっては、測定開始からしばらくの間は、視標19を認識出来ない状態が継続し、当該被検者に無駄な労力を費やさせることとなる)から測定を開始して、認識出来るまでの数度の輝度変更を繰り返すなどの無駄な測定動作を繰り返す必要が無くなり、短時間に測定を完了させることが出来る。 【0048】 即ち、CPU21は、検査プログラムIPRに基づいて、例えば、被検者の領域AR1に属する測定点についての測定に際しては、過去の閾値検査の際の測定結果をメモリ22から読み出し参照して、過去の測定値が20dBであると判定する。次いで、CPU21は、当該領域AR1については、視標19の初期輝度を、当該測定値近傍の値、例えば21dBと設定し、その輝度で視標19を視野領域AR1内の所定位置に位置決めして、被検者に提示する。 【0049】 この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、図3(a)に示すように、CPU21は、視標19の輝度を4dBだけ上げて(暗くする)、25dBに設定して、被検者に対して提示する。この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、更に図3(a)に示すように、4dBだけ上げて(暗くする)、視標19の輝度を29Bに設定して、被検者に対して提示する。ここで、被検者が視標19を認識せず、所定時間内に応答スイッチ17を押下しなかった場合には、CPU21は、視標19の輝度を、前述の被検者の応答時の4dB刻みの輝度変更から、より細かな、例えば2dB刻みの輝度変更に変更幅を変え、今度は逆に2dBだけ下げて(明るくする)、27dBとして、同様に領域AR1に提示する。この状態で、被検者が視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、当該領域AR1での網膜感度は、27dBと判定して、当該輝度を領域AR1に対応するメモリに格納する。 【0050】 なお、閾値検査の際の輝度の変更パターンは、図3(a)に示すように、初期輝度を明るめに設定して徐々に暗くして測定したが、図3(b)に示すように、初期輝度を暗めに設定して徐々に明るくして測定することも出来る。いずれにせよ、被検者からの応答が変化した後の輝度の変更幅は、より小さくなるように制御することも可能である。 【0051】 また、イソプター検査の測定結果は、図2(c)に示すように、視野座標系VF(図1の視野ドーム18内に設定されている)内で、視野の周囲から中心に向けて移動する所定輝度に設定された視標19を、被検者が認識した位置を、所定の輝度毎に結んだ等感度曲線CVで表示したものである。従って、視標19の輝度毎に等感度曲線CVが演算される。例えば、図2(c)に示す場合、被検者が30dB の輝度の視標19を認識可能な範囲は、図中実線で示す範囲であり、20dB の輝度の視標19を認識可能な範囲は、図中点線で示す範囲となる。 【0052】 従って、同様のイソプター検査を、被検者に対して行う場合、既に当該被検者の過去の測定結果は判明しており、また通常、網膜感度が劇的に向上する可能性は低いことから、今回の再検査に際して、過去のイソプター検査の際の等感度曲線CVの値を参照して、視標19の輝度は、過去の測定値と等しい値で、また、視標19の移動開始位置を、過去の等感度曲線CVのやや外側の角度位置から開始するように制御する。(盲点などの中心からその周辺に移動させる場合は、視標19の移動開始位置を、過去の等感度曲線CVのやや外側の角度位置から開始するように制御する)これにより、イソプター検査を最初から行う場合のように、過去の測定値とは無関係に、視野の最外周部分の初期位置(通常の測定は、被検者の病状とは無関係に、正常視野の最外周部から開始するので、特定の被検者にとっては、測定開始からしばらくの間は、視標19を認識出来ない状態が継続し、当該被検者に無駄な労力を費やさせることとなる)から測定を開始して、認識出来るまでの数度の視標の移動動作や輝度変更を繰り返すなどの無駄な測定動作を繰り返す必要が無くなり、短時間に測定を完了させることが出来る。なお、視標の測定輝度が例えば、30dBと20dBなどと一定の値に決まっている場合には、再度のイソプター検査に際しては、過去のイソプター検査の検査結果は、その移動開始位置STを、予想される等感度曲線CVの近傍に配置するために用いることとなる。 【0053】 即ち、CPU21は、検査プログラムIPRに基づいて、過去のイソプター検査の際の測定結果を参照して、過去の等感度曲線CVが30dBと20dBであることと、その視野座標系VFにおける等感度曲線CVの通過位置を演算し、被検者に対して提示する視標19の初期輝度を、30dBと設定し、更に、その視標19の移動開始位置STを、図1の視野ドーム18の周縁部(通常の測定では、移動開始位置STは、全ての被検者に対応させるために視野ドーム18の周縁部に設定される)ではなく、前回のイソプター検査の測定結果を参照して、輝度が30dBの等感度曲線CVの外周近傍位置に設定して、当該移動開始位置STから、中心部に向けて所定速度で移動させることで、測定を開始する。 【0054】 CPU21が、視標19を移動開始位置STから視野の中心部に向けて、図3(c)の矢印に示すように移動させ、被検者が当該移動する視標19を認識して、応答スイッチ17を押下した場合には、CPU21は、応答スイッチ17が押下された時点の視野座標位置を演算して当該位置をモニタ26上に視野座標系VFと共に表示すると共に、メモリに格納する。こうして、視野中心Zを中心に対して異なる角度位置αにおいて、前回の測定による等感度曲線CVの近傍外側に、CPU21により設定された移動開始位置STから視野中心Zに向けて、複数回の測定を行い、そのたびに被検者が応答スイッチ17を押下した視野座標位置を演算格納し、更にそれら応答位置を結んで等感度曲線CVを形成し、モニタ26に表示する。 【0055】 この動作を、視標輝度を変えて複数回行うことにより、図2(c)に示すような、視標輝度の異なる複数の等感度曲線CVが表示され、被検者の明るさに応じた視野形状を得ることが出来る。 【0056】 また、以上のように過去に受けた検査方法と同じ種類の検査であっても、検査条件が異なる場合がある。例えば、スクリーニング検査や閾値検査で、視標のサイズや色が違う場合、イソプター検査で視標のサイズ、輝度が違う場合などである。この場合、過去の検査結果から今回の検査の各ポイントの初期輝度、または初期位置を算出する際に、条件の違いも考慮する。例えば、閾値検査で、過去の検査で使用した視標サイズよりも今回検査する視標サイズが大きい(見えやすい)場合、各ポイントの初期輝度は、過去の検査結果よりも視標サイズの差異を考慮した分だけ低くする。 【0057】 この検査条件の違いの考慮は、以下で示す過去の検査方法と今回の検査方法が異なる場合も適用する。 【0058】 ところで、ステップS4で、検査者から実行を指令された検査が、当該被検者が過去に受けた検査とは異なる種類の検査であると、判定された場合には、従来は、被検者の過去の測定結果は無視され、指令された検査を、視野検査を受けたことのない被検者に対する検査と同等に処理し、最初の視標輝度及び/又は移動開始位置STから視野測定を開始していた。これでは、視野測定の最初の測定部分が、被検者が視標19を全く認定出来ない測定が連続し、被検者にとって大きな負担を与えることとなる。特に、視野が狭くなっている被検者ほど、従って、こうした視野測定が必要な被検者ほど、無駄な測定動作が増大することとなり、測定が非効率的になる不都合が生じる。 【0059】 本発明による、視野計50は、ステップS4で、検査者から実行を指令された検査が、当該被検者が過去に受けた検査とは異なる種類の検査であると、判定された場合には、検査プログラムIPRのステップS6に入り、被検者の被検者測定情報PIに記録された過去の視野測定の検査種類と、今回測定を指令された視野測定の検査の種類を検出する。 【0060】 その結果、図5のステップS7に示すように、被検者の被検者測定情報PIに記録された過去の視野測定の検査種類がスクリーニング検査の場合で、今回測定を指令された視野測定の検査が、閾値検査の場合には、スクリーニング検査の際の視野領域ARと閾値検査の視野領域ARとの視野座標系VF上での対応関係を判定し、前回スクリーニング検査で測定された各領域(検査ポイント)ARにおける輝度測定の座標位置に対応する、閾値検査を行う視野座標系VFの座標位置が属する領域(検査ポイント)を演算決定する。通常、スクリーニング検査の際の領域ARと閾値検査の視野領域ARの位置及び大きさは、等しく設定されているので、例えばスクリーニング検査の領域AR1と閾値検査の視野領域AR1は、視野座標系VF上において一致した位置の領域となるが、スクリーニング検査の際の領域ARと閾値検査の視野領域ARの位置及び大きさが、異なる形で設定されている場合には、両者(正確には、各領域における測定点)の視野座標系VFにおける座標位置を対比し、スクリーニング検査の際のある領域AR1における輝度測定の座標値に対応する閾値検査の領域ARを判定する。 【0061】 こうして、スクリーニング検査の際の輝度測定に使用された領域と、これから閾値検査を行う際の領域の対応関係が取れたところで、CPU21は、閾値検査の対応する視野領域ARでの輝度測定に際して、スクリーニング検査の際の対応する領域における測定結果を参照し、当該測定結果に示された輝度範囲に基づいて、初期輝度を決定する。例えば、図2の(a)と(b)において、スクリーニング検査の領域AR1での前回の測定結果が「三角」で、被検者の感度が20〜30dBの範囲にあると判定されている場合には、スクリーニング検査の際の測定結果が「三角」となった際の基準輝度は、20dBなので、閾値検査の対応する視野領域AR1における視標19の初期輝度は、25dBから開始し、徐々に明るくする形で閾値を測定すると、通常の新規被検者に対する場合のように、例えば、その被検者の年齢のそのポイントの正常値が35dBとすれば、35dBから開始する場合に比して、短時間で閾値を求めることが出来る。 【0062】 同様に、例えば、図2の(a)と(b)において、スクリーニング検査の領域AR3での前回の測定結果が「黒丸」で、被検者の感度が20dB以下の範囲にあると判定されている場合には、閾値検査の対応する視野領域AR3における視標19の初期輝度は、スクリーニング検査が行われた基準輝度と同じ20dBから開始し、徐々に明るくする形で閾値を測定すると、通常の新規被検者に対する場合のように、例えば、その被検者の年齢のそのポイントの正常値が35dBとすれば、35dBから開始する場合に比して、短時間で閾値を求めることが出来る。 【0063】 また、図5のステップS9に示すように、被検者の被検者測定情報PIに記録された過去の視野測定の検査種類が閾値検査の場合で、今回測定を指令された視野測定の検査が、スクリーニング検査の場合には、閾値検査の際の視野領域ARとスクリーニング検査の視野領域ARとの視野座標系VF上での対応関係を判定し、前回閾値検査で測定された各領域(検査ポイント)ARにおける輝度測定の座標位置に対応する、スクリーニング検査を行う視野座標系VFの座標位置が属する領域(検査ポイント)を演算決定する。 【0064】 後は、前述の場合と同様にして、閾値検査の際の輝度測定に使用された領域と、これからスクリーニング検査を行う際の領域の対応関係が取れたところで、CPU21は、スクリーニング検査の対応する視野領域ARでの輝度測定に際して、閾値検査の際に対応する領域における測定結果を参照し、当該測定結果に示された閾値の輝度に基づいて、スクリーニング検査における当該領域ARの初期輝度を決定する。例えば、図2の(a)と(b)において、スクリーニング検査の領域AR3での前回の測定結果が「15dB」で、被検者の閾値が15dBであると判定されている場合には、スクリーニング検査の対応する視野領域AR3における視標19の初期(基準)輝度は、設定されている複数の基準輝度の中から、15dBに最も近く、かつそれよりも暗い基準輝度である20dBを採用し、当該基準輝度の視標が見えるか否かで当該領域AR3の感度を判定する。この場合、可能性としては、20dBの視標が認識出来ずに、感度は20dB以下と判定される可能性が高いので、 通常の新規被検者に対する場合のように、例えば、今回の例の最も暗い基準輝度である30dBから開始する場合に比して、短時間で被検者の感度を求めることが出来る。 【0065】 更に、図5のステップS8に示すように、被検者の被検者測定情報PIに記録された過去の視野測定の検査種類がスクリーニング検査の場合で、今回測定を指令された視野測定の検査が、イソプター検査の場合には、イソプター検査を行う際の、視標の移動方向、即ち測定基準軸Kからの角度αに対応した、スクリーニング検査の視野座標系VFの測定基準軸Kから角度αの線上LNにおける、各領域(検査ポイント)の感度を検索し、イソプター検査のこれから行う検査における視標輝度に対応する感度を示している領域(検査ポイント)を検索する。 【0066】 例えば、イソプター検査において、視野座標系VFの測定基準軸Kから角度αの線上LNにおける被検者の感度を測定する場合、CPU21は過去のスクリーニング検査おける測定基準軸Kから角度αの線上LNにおける被検者の検査結果を参照して、視野座標系VF上の領域(検査ポイント)AR3で、図2(a)に示すように、「黒丸」の20dB以下、領域(検査ポイント)AR5で、「白丸」の30dB以上を検索する。そこで、CPU21は、これから行うイソプター検査の30dBの、感度測定に際しては、スクリーニング検査で20dB以下の検査結果が出ている領域(検査ポイント)AR3に対応する、イソプター検査の視野座標系VFにおける座標位置を演算決定する。 【0067】 次に、CPU21は、図2(c)に示すように、当該座標位置をイソプター検査の30dBの視標19の移動開始位置ST1として決定する。以後、視野中心Zに向けて視標19を移動させて、検査を開始する。すると、イソプター検査の開始位置ST1の被検者の感度は、前回のスクリーニング検査で20dB以下と判明しているので、30dBの等感度曲線CVは、当該位置よりも視野中心Z側に有る可能性が高いので、上記した開始位置ST1から、初期輝度を30dBでイソプター検査を開始することで、試験を視野ドーム18の周縁部から開始するよりも、より視野座標系VFの内側の位置から検査を開始することが出来、検査に際した視標の移動距離を短く設定することが出来、迅速に、検査を行うことが出来る。 【0068】 また、図5のステップS10に示すように、被検者の被検者測定情報PIに記録された過去の視野測定の検査種類が閾値検査の場合で、今回測定を指令された視野測定の検査が、イソプター検査の場合には、イソプター検査を行う際の、視標の移動方向、即ち測定基準軸Kからの角度αに対応した、閾値検査の視野座標系VFの測定基準軸Kから角度αの線上LNにおける、各領域(検査ポイント)の感度を検索し、イソプター検査のこれから行う検査における視標輝度に対応する感度を示している領域(検査ポイント)を検索する。 【0069】 例えば、イソプター検査において、視野座標系VFの測定基準軸Kから角度αの線上LNにおける被検者の感度を測定する場合、CPU21は過去の閾値検査おける測定基準軸Kから角度αの線上LNにおける被検者の検査結果を参照して、視野座標系VF上の領域(検査ポイント)AR3で、図2(b)に示すように、15dB、領域(検査ポイント)AR5で、35dBを検索する。そこで、CPU21は、これから行うイソプター検査の30dBの、感度測定に際しては、閾値検査で15dBの検査結果が出ている領域(検査ポイント)AR3に対応する、イソプター検査の視野座標系VFにおける座標位置を演算決定する。 【0070】 次に、CPU21は、図2(c)に示すように、当該座標位置をイソプター検査の30dBの視標19の移動開始位置ST1として決定する。以後、視野中心Zに向けて視標19を移動させて、検査を開始する。すると、イソプター検査の開始位置ST1の被検者の感度は、前回の閾値検査で15dBと判明しているので、30dBの等感度曲線CVは、当該位置よりも視野中心Z側に有る可能性が高いので、上記した開始位置ST1から、初期輝度を30dBでイソプター検査を開始することで、試験を視野ドーム18の周縁部から開始するよりも、より視野座標系VFの内側の位置から検査を開始することが出来、迅速に、検査を行うことが出来る。 【0071】 また、図5のステップS11に示すように、被検者の被検者測定情報PIに記録された過去の視野測定の検査種類がイソプター検査の場合で、今回測定を指令された視野測定の検査が、閾値検査の場合には、CPU21は、まず、感度分布データDATで示されたイソプター検査の際の、等感度曲線CVの視野座標系VFにおける通過座標を抽出する。次に、当該抽出された通過座標の、閾値検査における視野座標系VFでの対応関係を演算し、前回イソプター検査で測定された所定の感度の等感度曲線CVが通過する閾値検査の視野領域AR(検査ポイント)を閾値検査の視野座標系VF上で演算判定する。 【0072】 即ち、CPU21は、前回のイソプター検査において、例えば、図2(b)及び(c)に示すように、等感度曲線CVが通過する領域を、閾値検査の視野領域AR上で求め、例えば20dBの等感度曲線CVが通過する、閾値検査の視野領域(例えば、領域AR1、AR4)を求める。当該領域及びその近傍の領域は、閾値検査においても、20dB前後であることが予想されるので、当該領域の閾値検査に際しては、視標19の初期輝度を、感度分布データDATに示された等感度曲線CVの感度である20dBに等しいか近い(より暗い)値として、例えば25dB程度に設定して、閾値検査を開始する。これにより、通常の測定のように初期輝度をその被検者の年齢のそのポイントの正常値が35dBとすれば、35dBから開始する場合に比して、短時間に、検査を行うことが出来る。 【0073】 また、図5のステップS12に示すように、被検者の被検者測定情報PIに記録された過去の視野測定の検査種類がイソプター検査の場合で、今回測定を指令された視野測定の検査が、スクリーニング検査の場合には、CPU21は、まず、感度分布データDATで示されたイソプター検査の際の、等感度曲線CVの視野座標系VFにおける通過座標を抽出する。次に、当該抽出された通過座標の、スクリーニング検査における視野座標系VFでの対応関係を演算し、前回イソプター検査で測定された所定の感度の等感度曲線CVが通過するスクリーニング検査の視野領域AR(検査ポイント)をスクリーニング検査の視野座標系VF上で演算する。 【0074】 即ち、CPU21は、前回のイソプター検査において、例えば、図2(a)及び(c)に示すように、等感度曲線CVが通過する座標に対応する領域を、スクリーニング検査の視野領域AR上で求め、例えば20dBの等感度曲線CVが通過する、スクリーニング検査の視野領域(例えば、領域AR4、AR3など)を求める。当該領域及びその近傍の領域は、スクリーニング検査においても、20dB前後であることが予想されるので、当該領域の閾値検査に際しては、視標19の基準輝度(初期輝度)(20dB又は30dBのいずれか)を、感度分布データDATに示された等感度曲線CVの感度である20dBとして、閾値検査を開始する。これにより、通常の測定のように初期輝度を今回の例の最も暗い基準輝度である30dBから開始する場合に比して、短時間に、検査を行うことが出来る。 【0075】 なお、上述の初期輝度の値の設定は任意であり、被検者や、測定目的に応じて任意に設定することが出来る。本発明は、過去の異なる種類の視野検査の検査結果が示された視野座標系VFのそれぞれの検査位置に対応した位置を、新たに行う種類の視野検査の視野座標系VFにおいて求め、当該位置での視標の輝度又は検査開始位置を、異なる種類の視野検査の検査結果に近い輝度又は求められた座標位置近傍に設定して、当該検査を開始する限り、どのように輝度及び検査開始位置を設定しても良い。 【産業上の利用可能性】 【0076】 本発明は、異なる複数の検査方法を行うことの出来る視野計として利用することが出来る。 【図面の簡単な説明】 【0077】 【図1】図1は、視野計の構造の一例を示す図。 【図2】図2は、視野測定における、異なる検査方法による検査結果の一例を示す図。 【図3】図3は、視野検査の閾値検査に用いられるアルゴリズムの一例を示す図。 【図4】図4は、検査プログラムの一例を示すフローチャートである。 【図5】図5は、検査プログラムの一例を示すフローチャートである。 【符号の説明】 【0078】 18……視野ドーム 19……視標 27……キーボード(入力手段) 50……視野計 AR……領域 CV……感度曲線 DAT……感度分布データ ST……開始位置 VF……視野座標系
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| 【出願人】 |
【識別番号】000163006 【氏名又は名称】興和株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月9日(2006.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083138 【弁理士】 【氏名又は名称】相田 伸二
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| 【公開番号】 |
特開2008−36295(P2008−36295A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−217448(P2006−217448) |
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