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【発明の名称】 モニタ支持装置及び超音波診断装置
【発明者】 【氏名】佐藤 友広

【氏名】平久井 克也

【氏名】小野寺 英雄

【要約】 【課題】モニタ支持装置により支持されたモニタを、特定方向への移動を規制されることなく全ての方向へ円滑に移動させることができるようにする。

【構成】モニタ支持装置において、一端側を支持されて他端側が少なくとも上下方向に回動可能である棒状の第1アームと、第1アームにこの第1アームの長手方向に沿ってスライド可能に支持される第2アームと、第2アームのスライド方向の端部に取付けられ、第2アームのスライド動作に伴って第1アームに対して移動するモニタと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側を支持されて他端側が少なくとも上下方向に回動可能である棒状の第1アームと、
前記第1アームにこの第1アームの長手方向に沿ってスライド可能に支持される第2アームと、
前記第2アームのスライド方向の端部に取付けられ、前記第2アームのスライド動作に伴って前記第1アームに対して移動するモニタと、
を備えることを特徴とするモニタ支持装置。
【請求項2】
前記第1アームをこの第1アームの前記一端側を支点として押し上げる向きに弾性支持する弾性支持部材と、
前記第2アームのスライド動作に伴って前記弾性支持部材による支持角度を変化させ、前記モニタが前記第1アームの前記一端側から離れる方向へ前記第2アームがスライドすることに伴って前記弾性支持部材による押上力を増大させる押上力調整機構と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のモニタ支持装置。
【請求項3】
前記第1アームの長手方向に沿った位置に取付けられる一対の回転体と、
一対の前記回転体に回動可能に掛け渡され、前記第2アームが連結されるベルトと、
前記ベルトにおける一対の前記回転体を挟んで前記第2アームが連結される位置と反対側の位置に連結されるバランス重りと、
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のモニタ支持装置。
【請求項4】
前記モニタは球面軸受を介して前記第2アームに取付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のモニタ支持装置。
【請求項5】
被検体の診断に用いる超音波診断具と、
前記超音波診断具による診断結果を表示するモニタと、
前記モニタを支持する請求項1ないし4のいずれか一記載のモニタ支持装置と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタ支持装置及び超音波診断装置に関し、特に、モニタをみながら診断を行う超音波診断装置、及び、このような超音波診断装置において用いられるモニタ支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載されているように、複数のアームを連結してモニタを支持するモニタ支持装置が知られている。このモニタ支持装置によれば、医師が一方の手でプローブ等の診断具を把持して被検体を診断している場合に、他方の手をモニタに掛けて押したり引いたりすることによりモニタを任意の方向に向けることができる。
【0003】
また、本出願の出願人は、特願2005−290302において、モニタ支持装置を含む超音波診断装置の発明について提案している。この超音波診断装置の発明において開示しているモニタ支持装置の構造を図4に基づいて説明する。
【0004】
このモニタ支持装置には、第1アーム100と、第2アーム101と、モニタ102とが含まれている。
【0005】
第1アーム100の一端側には垂直軸103が固定され、垂直軸103が超音波診断装置の装置本体104に支持されている。第1アーム100は、垂直軸103の軸心回りに矢印Aで示す水平方向に回動可能に支持されている。
【0006】
第1アーム100の他端側には、関節105に設けられた垂直軸106が支持されている。垂直軸106と垂直軸103とは平行な中心線をもって配置され、関節105は垂直軸106の軸心回りに矢印Bで示す方向に回動可能に支持されている。
【0007】
関節105には、第2アーム101の一端側が水平軸107により矢印Cで示す上下方向に回動可能に支持されている。
【0008】
第2アーム101の他端側には、関節108に設けられた垂直軸109が支持されている。関節108は、垂直軸109の軸心回りに矢印Dで示す方向に回動可能に支持されている。関節108には、水平軸110によりモニタ102が支持されている。水平軸110は水平向きの軸心を有し、モニタ102は水平軸110の軸心回りに矢印Eで示す上下方向に回動可能とされている。
【0009】
このモニタ支持装置には、モニタ102と第2アーム101との合計した重量を支持するためのガススプリング111が設けられている。ガススプリング111は、一端が第2アーム101に連結され、他端が関節105に連結されている。
【0010】
このモニタ支持装置によれば、被検体に対する超音波診断を行っている医師などがモニタ102に片手を掛けて押したり引いたりすることにより、モニタ102を左右方向、前後方向、上下方向の任意の方向に移動させることができる。
【0011】
これらの操作のうち、モニタ102を前後方向(矢印X方向)に移動させる場合には、モニタ102を前後方向に引っ張り又は押すことにより、第1アーム100を垂直軸103の軸心回りに矢印A方向に回動させ、及び、第2アーム101と関節105とを垂直軸106の軸心回りに矢印B方向に回動させている。
【特許文献1】特開平08−140970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、図4に示したモニタ支持装置では、垂直軸103の位置と垂直軸106の位置とモニタ102に前後方向に移動させる力を加える位置とが同一垂直面内に位置する場合、モニタ102に前後方向の力を加えてもモニタ102が前後方向に移動しにくくなるという事態が発生する。
【0013】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、モニタ支持装置により支持されたモニタを、特定方向への移動を制限されることなく全ての方向へ円滑に移動させることができるモニタ支持装置及びこのモニタ支持装置を備える超音波診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る発明の特徴は、モニタ支持装置において、一端側を支持されて他端側が少なくとも上下方向に回動可能である棒状の第1アームと、前記第1アームにこの第1アームの長手方向に沿ってスライド可能に支持される第2アームと、前記第2アームのスライド方向の端部に取付けられ、前記第2アームのスライド動作に伴って前記第1アームに対して移動するモニタと、を備えることである。
【0015】
本発明の請求項5に係る発明の特徴は、超音波診断装置において、被検体の診断に用いる超音波診断具と、前記超音波診断具による診断結果を表示するモニタと、前記モニタを支持する請求項1ないし4のいずれか一記載のモニタ支持装置と、を備えることである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、モニタを円滑に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【0018】
診断装置である超音波診断装置1は、図1に示すように、装置本体2と、装置本体2の下部に取付けられた移動用のキャスタ3と、装置本体2の上部に設けられた操作パネル4と、装置本体2に接続して使用される超音波診断具である超音波プローブ(図示せず)と、超音波プローブによる診断結果を画像表示するモニタ5と、モニタ5を含むモニタ支持装置6とを備えている。
【0019】
超音波プローブは、被検体を超音波診断する部材であり、超音波を送受波する超音波振動子を有している。超音波振動子で受波された超音波は、電気信号に変換され、装置本体2内の画像処理部で処理され、モニタ5に画像として表示される。
【0020】
図2に示すように、モニタ支持装置6には、第1アーム7と第2アーム8とモニタ5とが含まれ、さらに、垂直軸9、弾性支持部材であるガススプリング10、押上力調整機構11、一対の回転体である一対のプーリ12a,12b、タイミングベルト13、バランス重り14が含まれている。
【0021】
垂直軸9は、操作パネル4の上部に上下方向の軸心回りに回動可能に支持された支軸であり、矢印aで示す方向に回動可能とされている。垂直軸9の上端部には、垂直軸9の軸心と直交する水平向きの支軸である水平軸15が固定されている。水平軸15には、棒状に形成された第1アーム7の一端側が上下方向(矢印b方向)に回動可能に支持されている。さらに、水平軸15には、プーリ12aとギア16とが回転自在に支持されている。プーリ12aとギア16とは一体に回転するように連結されている。
【0022】
第1アーム7には、この第1アーム7の長手方向(矢印c方向)に沿ってスライド可能に棒状の第2アーム8が支持されている。第2アーム8の端部にはモニタ5が取付けられている。第2アーム8へのモニタ5の取付けは、球面軸受17を介して行われている。
【0023】
第1アーム7の他端側にはプーリ12bが回転自在に支持され、このプーリ12bとプーリ12aとの外周にはベルトであるタイミングベルト13が回動可能に掛け渡されている。タイミングベルト13における一対のプーリ12a,12bを挟んだ上方側に、第2アーム8が連結されている。
【0024】
タイミングベルト13における一対のプーリ12a,12bを挟んだ下方側にバランス重り14が連結されている。バランス重り14の重量は、第2アーム8とモニタ5との合計重量と同じ重量に設定されている。
【0025】
垂直軸9には、この垂直軸9と一体に矢印a方向へ回動し、ギア16と噛み合ってギア16の回転により上下方向に変位するラック18が取付けられている。ラック18には、第1アーム7を一端側を支点として押し上げる向きに弾性支持する弾性支持部材であるガススプリング10の一端が連結され、ガススプリング10の他端は第1アーム7に連結されている。ラック18とギア16とは、第2アーム8のスライド動作に伴ってガススプリング10による第1アーム7の支持角度を変化させ、モニタ5が第2アーム8と共に、第1アーム7の一端側である水平軸15側から離れる方向へスライドすることに伴ってガススプリング10から第1アーム7に作用する押上力を増大させる押上力調整機構19を構成している。
【0026】
このような構成において、モニタ5の位置を上下方向に移動させる場合には、第1アーム7を第2アーム8と一体に水平軸15の軸心回りに矢印b方向に回動させる。この回動操作は、モニタ5に上下方向向きの力を加えることにより容易に行うことができる。なお、モニタ5を上下方向に移動させた位置で、モニタ5を球面軸受17の回りに上下方向(矢印d方向)と左右方向(矢印e方向)との任意の方向へ回動させることができ、モニタ5の向きを調整することができる。球面軸受17による回動調節は、回動調節の構造を簡単にすることができ、また、回動調節の自由度をアップさせることができる。
【0027】
モニタ5の位置を左右方向へ移動させる場合には、第1アーム7を第2アーム8と一体に垂直軸9の軸心回りに矢印a方向に回動させる。この回動操作は、モニタ5に左右方向向きの力を加えることにより容易に行うことができる。なお、モニタ5を左右方向に移動させた位置で、モニタ5を球面軸受17の回りに上下方向(矢印d方向)と左右方向(矢印e方向)との任意の方向へ回動させることができ、モニタ5の向きを調整することができる。
【0028】
モニタ5の位置を前後方向(矢印X方向)に移動させる場合には、第2アーム8を矢印c方向にスライドさせる。このスライド操作は、モニタ5に対して、第1アーム7の長手方向に沿った力を加えることにより容易に行うことができる。なお、モニタ5を前後方向に移動させたそれぞれの位置で、モニタ5を球面軸受17の回りに上下方向(矢印d方向)と左右方向(矢印e方向)との任意の方向へ回動させることによりモニタ5の向きを調整することができる。
【0029】
したがって、このモニタ支持装置6によれば、モニタ5を上下方向と左右方向と前後方向との全ての方向に円滑に移動させることができる。したがって、一方の手で超音波プローブを操作しながら他方の手でモニタ5を移動させる診断時において、診断を円滑に行うことができる。
【0030】
第1アーム7の長手方向に沿ってスライド可能な第2アーム8には、第2アーム8とモニタ5との合計重量が、第2アーム8を下向きにスライドさせる向きに作用している。しかし、第2アーム8が一対のプーリ12a,12bに掛け渡されたタイミングベルト13に連結され、このタイミングベルト13における一対のプーリ12a,12bを挟んで第2アーム8が連結される位置と反対側の位置には第2アーム8とモニタ5との合計重量と同じ重量のバランス重り14が連結されている。このため、第2アーム8を下向きにスライドさせようとする第2アーム8とモニタ5との合計重量が、バランス重り14の重量により相殺され、第2アーム8をどの位置にスライドさせた場合であっても、及び、第1アーム7と第2アーム8とを上下方向のどの位置に回動させた場合であっても、第2アーム8とモニタ5とが第1アーム7に沿って下方へ滑り落ちるということを防止することができる。
【0031】
さらに、第2アーム8の伸縮に伴ってバランス重り14が移動することにより、モニタ5を上下動させるためにモニタ5に加える力を一定に維持することができる。
【0032】
また、第2アーム8を第1アーム7の長手方向に沿って矢印c方向へスライドさせた場合、モニタ5の位置は、例えば、図3(a),(b)に示すように変化し、水平軸15を支点として第1アーム7と第2アーム8とモニタ5とを下向きに回動させる向きに作用する力が変化する。具体的には、第2アーム8とモニタ5とを下向きに回動させる向きに作用する力は、図3(a)の場合に比べて図3(b)の場合が大きくなる。しかし、第2アーム8をスライドさせることによりタイミングベルト13が回動し、タイミングベルト13が回動することに伴ってプーリ12aとギア16とが一体に回転し、ギア16が回転することに伴ってラック18が上下方向に移動する。これにより、モニタ5が水平軸15から離れるにつれて、ラック18が下方に移動し、ガススプリング10の第1アーム7に対する傾き角“α”が大きくなる(α2>α1)。そして、このガススプリング10の第1アーム7に対する傾き角“α”が大きくなることにより、ガススプリング10が第1アーム7を押し上げようとする押上力“P”が大きくなる(P2>P1)。これにより、第2アーム8をスライドさせることにより第2アーム8及び第1アーム7に作用する下向きの力が大きくなった場合でも、それに応じてガススプリング10の押上力“P”を増大させることができ、モニタ5が水平軸15から離れる方向へ第2アーム8をスライドさせた場合に第1アーム7と第2アーム8とが下向きに回動するということを防止することができる。
【0033】
以上説明したように、このモニタ支持装置6により支持されたモニタ5は、全ての方向へ円滑に移動させることが可能となる。超音波診断装置1では、術者が片手で超音波プローブを操作をしながら患者にモニタ5を見せる場合があり、このような場合にモニタ支持装置6に支持されたモニタ5であるならば、モニタ5を患者から見易い位置に円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施の形態に係る超音波診断装置の全体構造を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】モニタ支持装置を示す側面図である。
【図3】第2アームをスライドさせた場合における押上力調整機構の作用を説明する模式図である。
【図4】本出願人が出願した他のモニタ支持装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0035】
5 モニタ
6 モニタ支持装置
7 第1アーム
8 第2アーム
10 弾性支持部材
11 押上力調整機構
12a,12b 回転体
13 ベルト
14 バランス重り
17 球面軸受
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
【出願日】 平成18年8月9日(2006.8.9)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2008−36283(P2008−36283A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−217137(P2006−217137)