| 【発明の名称】 |
静脈認証用撮像ユニット及び電子機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】新井 健雄
【氏名】森本 純治
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| 【要約】 |
【課題】薄型化・小型化を実現できるとともに、広い有効認証エリアを確保することが可能な静脈認証用撮像ユニット及び当該静脈認証用撮像ユニットを搭載した電子機器を提供すること。
【構成】撮像ユニット100は、赤外LEDからなる光源1と、ユーザの指を載置する光学窓2と、非球面ミラー3と、平面ミラー4及び5と、4枚のレンズからなるレンズ部6と、撮像素子7とで構成される。複数のミラーによる折り返し光学系とすることで、ユニット全体の薄型化及び小型化を実現するとともに、十分に広い認証エリアを確保して認証精度を高めることができる。また、4枚のレンズにより収差を良好に補正して結像性能を高め、認証精度を高めることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 赤外光を出射する光源と、 前記光源から出射されユーザの手の内部で反射して当該手の外部へ出射された赤外光の光路を変更する複数のミラーからなるミラー部と、前記ミラー部により光路を変更された赤外光を集光する複数のレンズからなるレンズ部とを有し、前記手に対して前記光源と同じ側に設けられた光学系と、 前記各レンズに集光された赤外光を静脈認証用の画像として撮像する撮像素子と を具備することを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項2】 請求項1に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記ミラー部は、少なくとも一つの平面ミラーと、正のパワーを有する少なくとも一つの非球面ミラーとを有することを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項3】 請求項2に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記非球面ミラーは、コーニック定数を有し高次非球面係数を有さない非球面で形成されることを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項4】 請求項2に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記ミラー部は、 前記手の外部へ出射された赤外光を反射する第1の非球面ミラーと、 前記第1の非球面ミラーに反射した赤外光を反射する第1の平面ミラーと、 前記第1の平面ミラーに反射された赤外光を反射して前記各レンズへ導く第2の平面ミラーと を有することを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項5】 請求項4に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記レンズ部は、 第1の径を有し前記第2の平面ミラーからの赤外光を集光する第1のレンズと、 前記第1の径よりも大きい第2の径を有し、前記第1のレンズよりも前記撮像素子側に設けられた第2のレンズと、 前記第2の径よりも大きい第3の径を有し、前記第2のレンズよりも前記撮像素子側に設けられた第3のレンズと、 前記第3の径よりも大きい第4の径を有し、前記第3のレンズよりも前記撮像素子側に設けられた第4のレンズとからなり、 前記光学系は、前記第2の平面ミラーと前記第1のレンズとの間に設けられた開口絞りを更に具備することを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項6】 請求項5に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記第1乃至第4のレンズは樹脂からなることを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項7】 請求項1に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記光源は、前記手から出射される赤外光のうち、前記撮像素子において像高が高い位置に結像される赤外光ほど当該光源との距離が小さくなるように、前記ミラー部に対して前記レンズ部とは反対側に設けられることを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項8】 請求項1に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 上面及び下面を有し、当該上面に前記手を載置することが可能であり、前記光源から出射された光を前記下面側から前記上面側へ透過させ、前記手から外部へ出射された赤外光を前記各ミラーへ導くために前記上面側から前記下面側へ透過させることが可能な板状部材を更に具備することを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項9】 請求項8に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記板状部材は、前記赤外光を選択的に透過する赤外透過フィルターを有することを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項10】 請求項1に記載の静脈認証用撮像ユニットであって、 前記各ミラーは、前記赤外光を選択的に反射する誘電体膜を有することを特徴とする静脈認証用撮像ユニット。 【請求項11】 赤外光を出射する光源と、前記光源から出射されユーザの手の内部で反射して当該手の外部へ出射された赤外光の光路を変更する複数のミラーからなるミラー部と、前記ミラー部により光路を変更された赤外光を集光する複数のレンズからなるレンズ部とを有し、前記手に対して前記光源と同じ側に設けられた光学系と、前記各レンズに集光された赤外光を静脈認証用の画像として撮像する撮像素子とを有する静脈認証用撮像ユニットと、 前記撮像された画像を基に前記ユーザの認証を行う制御部と、 前記静脈認証用撮像ユニット及び前記制御部を収容する筐体と を具備することを特徴とする電子機器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えばノート型PC(Personal Computer)等の電子機器に搭載される、静脈認証用の撮像ユニット及び当該静脈認証用撮像ユニットを搭載した電子機器に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、バイオメトリクス認証方式の一つとして、ユーザの指や手のひらの静脈パターンにより認証を行う静脈認証が注目されている。当該静脈認証においては、血液中のヘモグロビンが赤外光を吸収するという特徴を利用して、光源から指や手のひらへ赤外光を照射し、レンズやイメージセンサからなる撮像部により指や手のひらを撮像することで、指の静脈部分だけが影となった静脈パターンを捉えることができる。そしてこのパターンを画像処理し、予め記憶していた認証用パターンと照合することで、登録ユーザか否かを判定することで、認証を行うことができる。 【0003】 ここで、静脈パターンを撮像するにあたっては、赤外光を指や手のひらの背面から照射して、その透過光を撮像する透過方式と、赤外光を指や手のひらに対して撮像部と同じ方向から照射して、その反射光を撮像する反射方式の2つの方式がある。下記特許文献1には、透過方式により静脈認証が可能な個人認証装置が開示されており、下記特許文献2には、反射方式により静脈認証が可能な認証装置及び携帯端末が開示されている。 【0004】 透過方式は、指や手のひらを光源と撮像部との間に挟みこむようにして配置する必要があるため、例えばノート型PC(Personal Computer)や携帯電話機等の携帯型の電子機器に静脈認証用の撮像ユニットを搭載しようとすると、機器が大型化してしまう。一方、反射方式においては、光源と撮像部とを同じ側に一体配置できるため、薄型化や小型化が望まれる電子機器に搭載するのに適している。 【特許文献1】特開2004−265269号公報(図1等) 【特許文献2】特開2006−11711号公報(図4等) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記ノート型PCや携帯電話機等の電子機器において、薄型化の要望は尽きることはなく、そのような電子機器に搭載される静脈認証用の撮像ユニットを更に薄型化しようとすると、撮像部と指や手のひらとの距離が短くなってしまう。これにより、撮像される指や手のひらに対して十分な有効認証エリアを確保することができなくなるばかりか、撮像ユニットの光学系が屈折系のみの場合、極端に短い光学焦点距離設計となってしまい、歪曲の増加、撮像部の周辺光量の低下、明るさ(Fナンバー)の低下が著しい。 【0006】 また、光学性能を確保しようとすると、撮像部に用いるレンズ枚数も増えてしまい、結局撮像ユニットの薄型化に繋がらないというジレンマが生じる。またレンズ枚数を増やすことで、コストも増加してしまう。 【0007】 このような事情から、特に上記のような屈折系のみでの撮像ユニットの薄型化・画角のワイド化は、有効認証エリアの削減によって実現されてきた。しかし、有効認証エリアの削減は認証精度を下げる要因にも繋がるため、避けることが望ましい。 【0008】 以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、薄型化・小型化を実現できるとともに、広い有効認証エリアを確保することが可能な静脈認証用撮像ユニット及び当該静脈認証用撮像ユニットを搭載した電子機器を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上述の課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る静脈認証用撮像ユニットは、赤外光を出射する光源と、前記光源から出射されユーザの手の内部で反射して当該手の外部へ出射された赤外光の光路を変更する複数のミラーからなるミラー部と、前記ミラー部により光路を変更された赤外光を集光する複数のレンズからなるレンズ部とを有し、前記手に対して前記光源と同じ側に設けられた光学系と、前記各レンズに集光された赤外光を静脈認証用の画像として撮像する撮像素子とを具備する。 【0010】 ここで光源は、例えば赤外LED(Light-Emitting Diode)であり、赤外光とは例えば600nm〜980nm、好ましくは880nmの波長の光をいう。またユーザの手とは、例えば指や手のひらをいう。 【0011】 この構成により、上記光学系をいわゆる折り曲げ光学系とすることで、ユニット全体の薄型化及び小型化を実現できるとともに、光学焦点距離を稼いで、十分に広い認証エリアを確保でき、高い認証精度を実現することができる。 【0012】 上記静脈認証用撮像ユニットにおいて、前記ミラー部は、少なくとも一つの平面ミラーと、正のパワーを有する少なくとも一つの非球面ミラーとを有していてもよい。 【0013】 これにより、非球面ミラーを用いることで画角を広げてより広い認証エリアを確保できるとともに、結像性能を向上させて認証精度を高めることもできる。また、非球面ミラーにパワーを持たせて平面ミラーにパワーを持たせないことで、ユニット全体の薄型化及び小型化を実現することができる。 【0014】 上記静脈認証用撮像ユニットにおいて、前記非球面ミラーは、コーニック定数を有し高次非球面係数を有さない非球面で形成されていても構わない。 【0015】 これにより、非球面ミラーの非球面形状を、高次非球面係数を用いないシンプルな非球面(例えば楕円面、放物面、双曲面)とすることで、偏芯による性能低下の影響を少なくすることができる。 【0016】 上記静脈認証用撮像ユニットにおいて、前記ミラー部は、前記手の外部へ出射された赤外光を反射する第1の非球面ミラーと、前記第1の非球面ミラーに反射した赤外光を反射する第1の平面ミラーと、前記第1の平面ミラーに反射された赤外光を反射して前記各レンズへ導く第2の平面ミラーとを有していてもよい。 【0017】 これにより、第1の非球面ミラーにパワーを持たせて広い認証エリアを実現するとともに、第1及び第2の平面ミラーにより光学距離を稼いで認証精度を高めることができる。 【0018】 上記静脈認証用撮像ユニットにおいて、前記レンズ部は、第1の径を有し前記第2の平面ミラーからの赤外光を集光する第1のレンズと、前記第1の径よりも大きい第2の径を有し、前記第1のレンズよりも前記撮像素子側に設けられた第2のレンズと、前記第2の径よりも大きい第3の径を有し、前記第2のレンズよりも前記撮像素子側に設けられた第3のレンズと、前記第3の径よりも大きい第4の径を有し、前記第3のレンズよりも前記撮像素子側に設けられた第4のレンズとからなり、前記光学系は、前記第2の平面ミラーと前記第1のレンズとの間に設けられた開口絞りを更に具備していてもよい。 【0019】 これにより、4枚という少ない数のレンズを用いることで、撮像ユニットの薄型化及び小型化を実現できるとともに、コスト増加を防ぐことができる。またいわゆる前絞り構成として第1のレンズの径を小さくすることで、第1のレンズが第2の平面ミラーと干渉することを防ぐことができるため、これによっても撮像ユニット全体の更なる薄型化及び小型化を実現することができる。 【0020】 ここで、前記第1乃至第4のレンズは樹脂からなっていてもよい。 【0021】 これにより、各レンズをガラス製にする場合に比べてコストダウンを図ることができる。また、各レンズが集光する光は波長が例えば600nm〜980nmの近赤外光であり、短波長でもないため、樹脂レンズによる光の吸収を気にする必要もなくなる。 【0022】 上記静脈認証用撮像ユニットにおいて、前記光源は、前記手から出射される赤外光のうち、前記撮像素子において像高が高い位置に結像される赤外光ほど当該光源との距離が小さくなるように、前記ミラー部に対して前記レンズ部とは反対側に設けられていても構わない。 【0023】 これにより、各レンズから撮像素子へ導かれる光のうち、像高が高い位置の光、すなわち各レンズの周辺部分に集光されて暗くなってしまう光ほど光源により多く照らされることとなるため、撮像画像の明るさを中心部から周辺域にかけて均一化することができ、より精度の高い認証を行うことができる。 【0024】 上記静脈認証用撮像ユニットは、上面及び下面を有し、当該上面に前記手を載置することが可能であり、前記光源から出射された光を前記下面側から前記上面側へ透過させ、前記手から外部へ出射された赤外光を前記各ミラーへ導くために前記上面側から前記下面側へ透過させることが可能な板状部材を更に具備していてもよい。 【0025】 これにより、板状部材に手を載置することで手の位置が決まるため、手の位置ずれを防止して精度の高い認証を行うことができる。 【0026】 ここで、前記板状部材は、前記赤外光を選択的に透過する赤外透過フィルターを有していても構わない。 【0027】 これにより、赤外光以外の光成分により撮像画像にノイズ等の悪影響が及ぶことを防ぐことができ、認証精度を高めることができる。 【0028】 上記静脈認証用撮像ユニットにおいて、前記各ミラーは、前記赤外光を選択的に反射する誘電体膜を有していてもよい。 【0029】 これにより、赤外光以外の光成分により撮像画像にノイズ等の悪影響が及びことを防ぐことができ、認証精度を高めることができる。 【0030】 本発明の他の観点に係る電子機器は、赤外光を出射する光源と、前記光源から出射されユーザの手の内部で反射して当該手の外部へ出射された赤外光の光路を変更する複数のミラーからなるミラー部と、前記ミラー部により光路を変更された赤外光を集光する複数のレンズからなるレンズ部とを有し、前記手に対して前記光源と同じ側に設けられた光学系と、前記各レンズに集光された赤外光を静脈認証用の画像として撮像する撮像素子とを有する静脈認証用撮像ユニットと、前記撮像された画像を基に前記ユーザの認証を行う制御部と、前記静脈認証用撮像ユニット及び前記制御部を収容する筐体とを具備する。 【0031】 ここで電子機器とは、例えばノート型PCや携帯電話機等のモバイル機器である。これにより、複数のミラーを用いることで静脈認証用撮像ユニットを小型化及び薄型化し、電子機器の薄型化を実現することができる。それとともに、光学焦点距離を稼いで、十分に広い認証エリアを確保でき、高い認証精度を実現することができる。 【発明の効果】 【0032】 以上のように、本発明によれば、薄型化・小型化を実現できるとともに、広い有効認証エリアを確保することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0033】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。 図1は、本発明の一実施形態における静脈認証用の撮像ユニット100の構成を示す略式断面図である。同図に示すように、撮像ユニット100は、光源1、光学窓2、非球面ミラー3、平面ミラー4及び5からなるミラー部、レンズ部6及び撮像素子7を有する。 【0034】 光源1は、例えば当該撮像ユニット100が搭載される電子機器の筐体202内の底面に設けられている。光源1は、例えば赤外LED(Light Emitting Diode)でなり、例えば約880nm近辺の波長の近赤外光を照射することが可能となっている。 【0035】 光学窓2は、筐体202に形成された開口部に、筐体202の上面の一部をなすように設けられている。この光学窓2は例えばガラス製または樹脂製の透明な板状部材であり、上面2a及び下面2bを有する。上面2aにはユーザの指50を載置可能である。光学窓2の幅wは例えば27mm、奥行き(図示せず)は例えば36mmである。指は、指の腹部の面が光学窓2の上面2aと略平行な状態で接触し、かつ、光学窓2の奥行き方向と指の長手方向とが平行となるように載置される。光学窓2の上面2aに指を乗せさせて認証を行うことで、指の設置位置の精度を高くとることができ、また、外乱光が撮像ユニット100内に入射するのを防ぐこともできる。これにより認証精度を高めることができる。 【0036】 光源1から出射された赤外光は、光学窓2の下面2bから上面2a方向へ透過し、上面2aに載置された指50内部へ入射する。指50の内部に入射した赤外光は、指50の内部で散乱または反射し、光学窓2を透過して非球面ミラー3、平面ミラー4及び5で光路変更されて、レンズ部6へ入射し、撮像素子7に結像される。撮像素子7は、例えばCOMS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Devices)である。指50の内部の静脈51は赤外光を吸収するため、撮像素子7は、静脈部分が影となった指50の画像を静脈パターン画像として得ることができる。電子機器の制御部は、当該静脈パターンと、予め記憶装置に保存してある認証用の画像との間のパターンマッチング処理等により、ユーザ認証を行う。 【0037】 非球面ミラー3は、第1ミラーとして機能し、上記光学窓2側に凸面を向けるように筐体202の底面に設けられている。当該非球面ミラー3の非球面は、偏芯による性能低下の影響を少なくするため、高次非球面係数を使用せず、コーニック定数(円錐定数)のみを使用して形成されたものである。本実施形態において、非球面はコーニック定数が例えば約5.28の楕円面であるが、これに限られるものではなく、放物面や双曲面であってもよい。また、非球面ではなく球面であっても構わない。非球面ミラーの寸法公差は、例えば厚み公差が±0.1mm、チルト(傾き)公差が±0.2度、偏芯公差が±0.03mmであるが、この範囲に限られるものではない。 【0038】 平面ミラー4は、第2ミラーとして機能し、上記筐体202内の上面に光学窓2に隣接して、光学窓2と略平行に設けられている。平面ミラー5は、第3ミラーとして機能し、平面ミラー4と非球面ミラー3との間に、例えば20〜25度程度傾いて設けられる。 【0039】 ミラー部の各ミラーには、例えばアルミニウムや銀等の金属反射膜が施してある。このミラー部においては、平面ミラー4及び5にはパワーを持たせず、非球面ミラー3にのみ大きなパワーを持たせることで、撮像ユニット100全体の小型化及び薄型化に大きく寄与する構成となっている。もちろん、平面ミラー4及び5を球面ミラーまたは非球面ミラーとしてパワーを持たせてもよいが、そうすると光学系の偏芯の影響が大きくなるため、平面ミラーとすることが好ましい。このように、3枚のミラーで構成された折り返し光学系とすることで、十分な光学距離を稼ぎながらも、各ミラーを適切に配置して、赤外光が干渉するのを防いでいる。また、非球面ミラー3と平面ミラー4との距離hは例えば9mmであり、撮像ユニット100を例えば厚さ10mm程度の薄型化の電子機器に搭載することが可能となっている。 【0040】 レンズ部6及び撮像素子7は、水平方向に対して光軸を例えば45度程度傾けて設けられている。 【0041】 なお、撮像ユニット100全体における寸法公差は、例えば厚み公差が±0.1mm、チルト公差が±0.2度、偏芯公差が±0.05mmであるが、この範囲に限られるものではない。 【0042】 図2は、レンズ部6及び撮像素子7の詳細を示した断面図である。 【0043】 同図に示すように、レンズ部6は、指側から順に、第1レンズ21、第2レンズ22、第3レンズ23及び第4レンズ24の4枚のレンズが互いの光軸を一致させた状態で構成されている。各レンズの径は、結像側に行くにしたがって大きくなるように設計されている。レンズ部6を3枚のレンズで構成することもできるが、4枚とした方が結像性能が高くなる。このレンズ部6においては、第1レンズ21の前に絞り26を有する前絞り構成としたことで、第1レンズ21の径を小さくすることが可能となる。これにより、レンズ部6が平面ミラー5と干渉することなく撮像ユニット100全体を小型化することが可能となる。 【0044】 レンズ部6の各レンズは例えば全て樹脂製の非球面レンズであり、当該レンズ部6において、上記非球面ミラー3による画角のワイド化に伴う収差が補正される。レンズ部6に集光される光は上記光源1から出射される赤外光であり、色収差を問題とすることがないため、各レンズに低分散ガラスのようなガラスを用いる必要はない。また、当該赤外光は短波長でもないため、各レンズを樹脂製としても、樹脂による吸収が問題となることもない。したがって、撮像ユニット100の光学系は、超ワイド化した光学系であるにもかかわらず、撮像素子7に結像される静脈パターン画像は、周辺域までシャープなものにすることができ、コントラスト低下をほとんどなくすことができる。 【0045】 第1レンズ21は、結像機能を持たせるために正のパワーを有する非球面両凸レンズとし、材質には例えばオレフィン系樹脂を使用して寸法変化を極力少なくしている。オレフィン系樹脂は、吸湿による寸法変化も少なく抑えられるため、比較的公差が厳しい第1レンズ21の材質としては最適である。第1レンズ21の寸法公差は、例えば厚み公差が±0.01mm、チルト公差が±0.1度、偏芯公差が±0.005mmであるが、この範囲に限られるものではない。 【0046】 第2レンズ22は、収差補正機能を持たせるために負のパワーを有する非球面凹メニスカスレンズとし、材質には例えばポリカーボネート樹脂が用いられる。第2レンズ22の寸法公差は、例えば厚み公差が±0.01mm、チルト公差が±0.2度、偏芯公差が±0.01mmであるが、この範囲に限られるものではない。 【0047】 第3レンズ23は、結像機能を持たせるために正のパワーを有する非球面両凸レンズとし、材質にはたとえばポリカーボネート樹脂が用いられる。第3レンズ23の寸法公差は、例えば厚み公差が±0.02mm、チルト公差が±0.2度、偏芯公差が±0.01mmであるが、この範囲に限られるものではない。 【0048】 第4レンズ24は、収差補正機能を持たせるために負のパワーを有する非球面凹メニスカスレンズとしている。第4レンズ24は、収差補正機能としての役割が大きいため、他のレンズに比べて非球面量が大きくなっている。第4レンズ24は、特に高い屈折率を必要としないが、寸法精度が要求されるため、第4レンズ24の材質には例えばオレフィン系樹脂が用いられる。 【0049】 第4レンズ24と撮像素子7との間には、撮像素子7の撮像面を保護するためのカバーガラス25が設けられている。各レンズ及びカバーガラス25を透過した赤外光は、撮像素子7上の有効領域7aに静脈パターンとして結像される。 【0050】 図3は、本実施形態における撮像ユニット100の光学的解像度を示した図である。同図においては、撮像素子7の有効領域7aにおいて、像高が-0.7375mm(像高25%)、-0.7614mm(像高約26%)、-1.1475mm(像高約39%)、-1.4750mm(像高50%)、-1.8374mm(像高約62%)、-2.2457mm(像高約76%)、-2.4485mm(像高83%)、-2.5665mm(像高87%)、-2.6550mm(像高90%)、-2.8910mm(像高98%)-2.9500mm(像高100%)の各位置におけるサジタル像面(実線S)及びタンジェンシャル像面(実線T)のMTF(Modulation Transfer Function)特性を示している。横軸に空間周波数、縦軸にMTF値をとっている。 【0051】 同図に示すように、撮像素子7の有効領域7aの周辺部においても、空間周波数40本でMTF値50%以上を確保しており、撮像ユニット100が高解像度に対応できることが示されている。 【0052】 図4は、本実施形態におけるレンズ部6の諸収差特性を示した図である。同図(a)は、レンズ部6に入射した、波長λ1(0.850μm)、波長λ2(0.865μm)、波長λ3(0.880μm)、波長λ4(0.895μm)、波長λ5(0.910μm)の各赤外光におけるサジタル像面(実線S)及びタンジェンシャル像面(破線T)の各像面湾曲及び非点収差を示している。また、同図(b)は、レンズ部6に入射した上記波長λ1の赤外光の歪曲収差を示している。両図において縦軸は像高(−Y)である。 【0053】 同図(a)に示すように、各波長域において、レンズ部6における収差は一様となっており、像高約70%近辺の位置において非点収差がやや大きくなっているが、像高約80%〜90%の位置において再び非点収差を補正していることが分かる。また同図(b)に示すように、歪曲収差は±3%以内に収まっており、超広角設計のレンズにも関わらず、極めて低い歪曲収差値を実現していることが分かる。 【0054】 図5は、本実施形態における撮像ユニット100における像高とMTF値との関係を示した図である。同図においては、横軸に像高、縦軸にMTF値がとられ、空間周波数を15本/mm、30本/mm、45本/mm、50本/mmとした場合それぞれにおいて、サジタル像面(実線S1〜S4)及びタンジェンシャル像面(破線T1〜T4)の各MTF値を示している。 【0055】 同図に示すように、撮像素子7の有効領域7aの周辺部における解像度の落ち込みがほとんどなく、また像高中間域における解像度の落ち込みもないことが分かる。 【0056】 次に、上記光源1の設置位置について説明する。図6は、本実施形態における光源1の設置位置と、レンズ部6の光量及び光源1の光量との関係を示した図である。 【0057】 同図(b)のグラフでは、横軸に像高、縦軸にレンズ部6及び光源1の相対照度をとっている。このグラフに示すように、レンズ部6の光量は、像高が高くなるにしたがって減少していき、像高約−2.15mm(約73%)の辺りで最小値(FNo=7.8)となり、像高−2.65mm(約90%)の辺りにかけてやや上昇するが、像高−2.95mm(100%)においては再び上記最小値と略同一となる。なお、本実施形態においては、撮像素子7のうち、像高約−0.76mmから約−2.891mmまでの部分を上記有効領域7aとして利用している。したがって、この有効領域7aに結像される赤外光の照度の最大値はFNo=4.4である。 【0058】 一方、光源1の光量は、像高に比例して大きくなっている。すなわち、本実施形態においては、光学窓2からの透過光のうち、撮像素子7の有効領域7aにおける像高が高い部分に結像される赤外光ほど光源1との距離が小さくなるように光源1が設けられている。 【0059】 この光源1の光量は、同図(a)の撮像ユニット100の構成図に示すように、光源1を、光学窓2の、平面ミラー4とは逆の端部に略垂直な位置に設けた場合に対応している(光源1a)。この光源1aの位置を基準として、光源1は、同図(b)に示したレンズ部6の光量が上記最小値となる、像高約−2.15mmの位置に結像される赤外光に最も近くなるような位置、すなわち、同図(a)において、光源1aからレンズ部6方向に約15mm離れた位置(光源1b)までの範囲内に設けられる。 【0060】 このように、光源1を、レンズ部6の光量が小さくなる部分を光源1が照らすように設けることで、レンズ部6の光量を補完して、明るさを均一化することができる。 【0061】 図7は、レンズ部6の有効像円と撮像素子7との位置関係、及び指の視野範囲を示した図である。同図に示すように、レンズ部の有効像円径は例えば5.9mmであり、当該有効像円のうち、その中心とは中心を異にする一部の矩形領域が撮像素子7の有効領域7aとして用いられる。有効領域7aの大きさは、例えば縦1.853mm、横2.468mmである。この有効領域7aには、被撮像物体側において、指が載置された光学窓2の縦27mm、横36mmの領域の画像が結像される。また有効領域7aは、図6でも示したように、像高2.891mmまでの部分を利用している。 【0062】 すなわち、撮像ユニット100の光学系は斜め結像光学系となっており、これにより撮像ユニット100全体の薄型化を実現している。 【0063】 以上説明したように、本実施形態によれば、複数のミラーを用いた折り返し光学系を用いることで、撮像ユニット100の小型化、薄型化を実現するとともに、十分に広い認証エリアを確保することができる。また、良好な結像性能を有するレンズ部6を用いることで、認証精度を向上させることもできる。また、撮像ユニット100の光学系が照明系(光源1)を含めて1ユニットで構成されるため、例えばノート型PC等の電子機器に容易に組み込むことができる。 【0064】 本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【0065】 上記実施形態においては、光学窓2は平面板状に形成されていたが、この形状に限られるものではない。図8は、本発明の他の実施形態における撮像ユニット110の構成を示した略式断面図である。同図においては、光学窓2を非球面凹面レンズとし、凹面が光源1側を向くように配置している。このように構成することで、光学窓2の下面2bに入射する赤外光の入射角と臨界角との差を大きくして、より多くの赤外光を取り込むことができる。 【0066】 上記実施形態においては、第1ミラーを非球面ミラーとしたが、第1ミラーは球面ミラーまたは平面ミラーとしても構わない。 【0067】 上記実施形態において、光学窓2に、上記所定波長の赤外光を透過する赤外透過フィルターを設けても構わない。また、上記実施形態の各ミラーには金属反射膜を施していたが、金属反射膜の代わりに、例えば上記特定波長の赤外光を選択的に反射する誘電体膜を有するダイクロイックミラーを設けても構わない。これらにより、赤外光以外の自然光等の外乱光の影響を少なくすることができる。 【0068】 上記実施形態における撮像ユニット100は、例えばノート型PCやPDA、携帯電話機等、様々な電子機器に搭載することが可能である。図9は、上記撮像ユニット100を、電子機器として例えばノート型PC200へ搭載した様子を示した図である。同図に示すように、ノート型PC200は、表示部203を有する第1の筐体201と、キーボード203を有する第2の筐体202とが回動可能に連結されて構成される。撮像ユニット100は、第2の筐体202のパームレスト部202aに上記光学窓2が露出するように設けられる。光学窓2の大きさは、上述したように例えば縦(l)が36mm、横(w)が27mmである。また第2の筐体202の厚さ(h)は例えば10mmである。ユーザは当該光学窓2の縦の辺と指が平行になるように指を光学窓2に載置する。ノート型PC200のCPU(Central Processing Unit)等の制御部(図示せず)は、撮像素子7に結像された静脈パターン画像と、予め記憶装置(図示せず)に記憶してある認証用画像とをパターンマッチング処理により照合することで、ユーザ認証を行う。認証時には、例えば認証手順や認証結果等を示す画面が表示部203に表示される。このように、撮像ユニット100は例えば厚さ10mmという薄型の筐体を有する電子機器に搭載可能である。 【0069】 上述の実施形態においては、本発明を指静脈認証に適用した例を示したが、撮像ユニット100の各構成を拡大することで、本発明を手のひら静脈認証に適用することも可能である。 【図面の簡単な説明】 【0070】 【図1】本発明の一実施形態における撮像ユニット100の構成を示す略式断面図である。 【図2】図1のレンズ部6及び撮像素子7の詳細を示した断面図である。 【図3】本発明の一実施形態における撮像ユニット100の光学的解像度を示した図である。 【図4】本発明の一実施形態におけるレンズ部6の諸収差特性を示した図である。 【図5】本発明の一実施形態における撮像ユニット100における像高とMTF値との関係を示した図である。 【図6】本発明の一実施形態における光源1の設置位置と、レンズ部6の光量及び光源1の光量との関係を示した図である。 【図7】本発明の一実施形態におけるレンズ部6の有効像円と撮像素子7との位置関係、及び指の視野範囲を示した図である。 【図8】本発明の他の実施形態に係る撮像ユニット110の構成を示した略式断面図である。 【図9】本発明の別の実施形態に係る、撮像ユニット100を搭載したノート型PC200を示した図である。 【符号の説明】 【0071】 1…光源 2…光学窓 2a…上面 2b…下面 3…非球面ミラー 4、5…平面ミラー 6…レンズ部 7…撮像素子 7a…有効領域 21…第1レンズ 22…第2レンズ 23…第3レンズ 24…第4レンズ 25…カバーガラス 100、110…撮像ユニット 200…ノート型PC
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月8日(2006.8.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104215 【弁理士】 【氏名又は名称】大森 純一
【識別番号】100117330 【弁理士】 【氏名又は名称】折居 章
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| 【公開番号】 |
特開2008−36226(P2008−36226A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−215997(P2006−215997) |
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