| 【発明の名称】 |
生体認証装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】横山 真吾
【氏名】阿部 忠幸
【氏名】菅生 浩美
【氏名】佐藤 正一
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| 【要約】 |
【課題】生体認証装置において、簡単な構造で、高精度で短時間に生体検知すること。
【構成】認証対象となる指200へ、各々異なる波長を有する複数の光源102,103,106,107と、指を透過する光を検出する受光部104,105を設ける。上記光源からの照射光と、上記受光部で検出する検出光との光強度比である透過率を求め、予め設定した透過率の閾値との大小を比較することで、生体か否かを判定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 指を置く指置き部と、前記指へ照射する波長の異なる第一,第二,第三の光源と、前記指を透過する光を検出する受光部を有し、前記第一,第二,第三の光源からの照射光と、前記受光部で検出する検出光との光強度比である透過率を各々求め、予め設定した各々の透過率の閾値と比較することで、前記指が生体か否かを検知し、検知結果を表示することを特徴とする生体認証装置。 【請求項2】 請求項1記載の生体認証装置において、前記第一,第二の光源は、前記指置き部の底面に対してその光軸が垂線になるように配置され、前記第三の光源の光軸は、前記指置き部の底面に対して平行にかつ前記第一の光源と前記第二の光源の光軸に垂直に配置され、前記受光部の受光面は、前記指置き部の底面に平行に配置されたことを特徴とする生体認証装置。 【請求項3】 前記第一,第二,第三の光源の波長は、可視光及び近赤外光領域を含むことを特徴とする請求項1乃至2記載の生体認証装置。 【請求項4】 生体情報を得るために、指紋、または静脈の撮像装置を有する生体認証装置に、請求項1乃至3記載の生体認証装置を、前記撮像装置に干渉しない位置に組み込んだことを特徴とする生体認証装置。 【請求項5】 請求項1乃至4の生体認証装置において、前記指へ照射する第四,第五の光源を有し、前記第四,第五の光源は、前記指置き部の底面に対して直角に交わる側面に対してその光軸が垂線になるように配置され、前記第三の光源は、前記指を前記指置き部に置いた方向から見て、左側の前記側面に配置され、前記第四の光源は前記指を前記指置き部に置いた方向から見て、右側の前記側面に配置され、前記第五の光源は前記指を前記指置き部に置いた方向から見て、前記指の先端に配置され、前記第三の光源からの照射光と、前記第四の光源からの照射光と、前記受光部で検出する検出光との光強度比である透過率の差を、予め設定した閾値と比較し、前記指を左右及び水平方向に誘導する表示手段と、前記第五の光源からの照射光と、前記受光部で検出する検出光との光強度比である透過率を、予め設定した閾値と比較し、前記指を前記側面に突き当てる方向に誘導する表示手段を備えたことを特徴とする生体認証装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、生体認証装置に関する。 【背景技術】 【0002】 個人の生体的特徴(指紋,静脈,虹彩等)に基づく生体認証技術は、銀行のATM,管理区域の入退室,コンピュータのログイン等で、本人確認の手段として多数提案されている。 【0003】 生体認証装置の基本的構成は、被認証者の生体情報を予め登録し、その登録情報との照合を行うことで本人を確認するものである。しかしながら、登録情報を盗み出し、その情報を元に精巧な偽造生体(偽造指,偽造虹彩等)を製造し、本人以外になりすますことが懸念される。 【0004】 そこで、なりすましを防止する生体認証装置として、特許文献1や2記載のように、静脈画像を時間的に連続撮影し、画像の輝度値変化を脈拍に対応させ、生体か偽造指かを判定させる方法がある。 【0005】 【特許文献1】特開2003−331268号公報 【特許文献2】特開2005−46306号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献1及び2記載の脈拍を検出させる方法では、脈拍自体の信号が非常に小さく、脈拍と雑音とを精度良く分離するのは困難である。また、低温時には血流が悪くなるので、脈拍を検出するのが益々困難となり、環境に左右され易い問題がある。 【0007】 本発明の目的は、脈拍のような微弱な動的信号ではなく、生体固有の光の透過率に着目し、従来よりも簡単な構造で、高精度で短時間に生体か否かを検知できる生体認証装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的は、指を置く指置き部と、前記指へ照射する波長の異なる第一,第二,第三の光源と、前記指を透過する光を検出する受光部を有し、前記第一,第二,第三の光源からの照射光と、前記受光部で検出する検出光との光強度比である透過率を各々求め、予め設定した各々の透過率の閾値と比較することで、前記指が生体か否かを検知し、検知結果を表示することで達成できる。 【0009】 また、前記第一,第二の光源は、前記指置き部の底面に対してその光軸が垂線になるように配置され、前記第三の光源の光軸は、前記指置き部の底面に対して平行にかつ前記第一の光源と前記第二の光源の光軸に垂直に配置され、前記受光部の受光面は、前記指置き部の底面に平行に配置されることで達成できる。 【0010】 また、前記第一,第二,第三の光源の波長は、可視光及び近赤外光領域を含むことで達成できる。 【0011】 また、静脈の撮像装置を有する生体認証装置に、前記撮像装置に干渉しない位置に本生体認証装置を組み込むことで達成できる。 【0012】 また、前記指へ照射する第四,第五の光源を有し、前記第四,第五の光源は、前記指置き部の底面に対して直角に交わる側面に対してその光軸が垂線になるように配置され、前記第三の光源は、前記指を前記指置き部に置いた方向から見て、左側の前記側面に配置され、前記第四の光源は前記指を前記指置き部に置いた方向から見て、右側の前記側面に配置され、前記第五の光源は前記指を前記指置き部に置いた方向から見て、前記指の先端に配置され、前記第三の光源からの照射光と、前記第四の光源からの照射光と、前記受光部で検出する検出光との光強度比である透過率の差を、予め設定した閾値と比較し、前記指を左右及び水平方向に誘導する表示手段と、前記第五の光源からの照射光と、前記受光部で検出する検出光との光強度比である透過率を、予め設定した閾値と比較し、前記指を前記側面に突き当てる方向に誘導する表示手段を備えることで達成できる。 【発明の効果】 【0013】 本発明によると、認証対象の光の透過率を求め、予め設定した透過率の閾値と比較することで、認証対象が生体か否かを、従来よりも簡単な構造で、高精度で短時間に検知することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 (実施例1) 図1は本発明の一実施例における、生体認証装置100の外観図である。生体認証に用いる指200を置く指置き部101の底面には、LED、またはレーザー等の光源102,103の光軸が、底面に対してその光軸が垂線になるように配置され、また、フォトダイオード等の受光部104,105の受光面が、底面に平行に配置されている。また、指置き部101の底面に対して直角に交わる側面には、LED、またはレーザー等の光源 106,107,108が、側面に対してその光軸が垂線になるように配置されている。光源102,103の光軸と、光源106,107,108の光軸は垂直関係であり、受光部104と105の受光面は光源106,107,108の光軸と平行である。また 109は結果の表示部である。なお、図1では生体認証装置100と表示部109は分離しているが、表示部109が生体認証装置100と一体であっても良い。以下、原理について説明する。 【0015】 図2に、人の指(被験者A,B)と、偽造指の材料として想定される、消しゴム,石鹸,ドライバーの柄(透明プラスチック),アセタール樹脂のスペクトルを示す。これは、図1中の、指置き部101の底面に配置されている光源102,103及び受光部104,105で測定したものである。また、図2中、横軸は波長、縦軸は、照射光と検出光の光強度比である透過率である。被験者の透過率と、偽造指材料の透過率の差が大きくなる場合の波長を選定すれば、生体と擬似生体とを区別できる。そこで図2では、可視光領域の波長λ1(図中a),近赤外光領域の波長λ2(図中b)に注目した。即ち、被験者の透過率を、λ1の場合0%、λ2の場合X±α%の範囲とすれば、λ1では石鹸とアセタール樹脂、λ2では石鹸,アセタール樹脂,消しゴム及びドライバーの柄が範囲外となるので、偽造指材料を精度良く区別できる。 【0016】 一方、野菜や果物は、水分や糖分が多く、生体の成分と似ているため、偽造材料として悪用される恐れがある。そこで、被験者とサツマイモ,バナナ及び大根のスペクトルを図3に示す。λ1(図中a)の場合、大根の透過率は被験者のそれと比して十分大きく、両者の区別が可能である一方、バナナの透過率は被験者のそれに比して若干大きい程度であり、サツマイモの透過率は被験者のそれと同等(ほぼ0%)である。また、λ2(図中b)の場合、被験者と、サツマイモ,バナナ,大根の透過率の差が小さくなる波長領域があり、被験者との区別の精度が低下する恐れがある。 【0017】 そこで、人の指,サツマイモ,バナナ及び大根に対して、光源の光軸を受光部の受光面に対して平行となるように、光の当て方を変えたスペクトルを図4に示す。これは、図1中の指置き部101の側面に配置されている光源106,107及び受光部104,105で測定したものである。図4より、被験者,サツマイモ,バナナ及び大根の透過率スペクトルの形は図1〜図3と異なること、また近赤外光領域で、サツマイモ,バナナ及び大根の透過率と被験者の透過率の差が十分大きくなる波長領域があり、精度良く判定できることが分かった。そこで本発明では、図中cなる近赤外光領域の波長λ3を選定した。 【0018】 以上の可視光領域の波長λ1と近赤外光領域の波長λ2と近赤外光領域の波長λ3の組み合わせで、人の指と偽造指とを精度良く区別できる。 【0019】 図5は、本実施例に関る生体認証装置の生体検知のフローチャートである。まず、λ1の光源(図1中、光源102)を発光させ(301)、受光部(図1中、受光部104、もしくは105)の出力から物体の透過率を計測する。そして、予め設定した透過率の閾値(例えば0%)との比較判定を行い(302)、閾値を外れれば、警告表示(例えば 「生体を検知できませんでした」等)を行う(303)。閾値を超えなければ、λ2の光源(図1中、光源103)を発光させ(304)、受光部(図1中、受光部104、もしくは105)の出力から透過率を再度計測する。そして、予め設定した透過率の閾値(例えばX±α%)との比較判定を行い(305)、閾値を外れれば、警告表示(例えば「生体を検知できませんでした」等)を行う(303)。閾値を外れなければ、λ3の光源 (図1中、光源106、もしくは107)を発光させ(306)、受光部(図1中、受光部104、もしくは105)の出力から透過率を三度計測する。そして、予め設定した透過率の閾値(例えばY±β%)との比較判定を行い(307)、閾値を外れれば、警告表示(例えば「生体を検知できませんでした」等)を行う(303)。閾値を外れなければ、結果表示(例えば「生体検知完了しました」等)を行う(308)。このように、本発明の生体検知は、予め決めた閾値に対して大小の判定だけで済むため、従来の画像処理に比して回路を単純化でき、判定も短時間で済む。また、構造も光源と受光部を指置き部に配せば良いので、簡単化できる。また、これらの制御はマイコンで行うのが好適であり、低コストで信頼性が向上し、時間短縮も図れる。 【0020】 (実施例2) 図6は、本発明の生体認証装置を指紋撮像による生体認証に組み込んだ実施例である。生体認証装置120には、指紋撮像部130が、光源102,103,106,107,108と受光部104,105に干渉しない、指置き部101の底面に組み込まれている。認証方法としては、まず指を指置き部101に置き、生体検知の判定を実施後、指を指置き部101底面に軽く押し付けながら手前へ引くことで、指紋撮像部130で指紋画像を取得できる。なお、図6では、生体認証装置120と表示部109は分離しているが、表示部109が生体認証装置120と一体であっても良い。 【0021】 (実施例3) 図7は、本発明の生体認証装置を静脈撮像による生体認証に組み込んだ実施例である。生体認証装置140には、静脈撮像部150が、光源102,103,106,107,108と受光部104,105に干渉しない、指置き部101の底面に組み込まれている。また、静脈撮像用の光源として、静脈撮像部150の面に対して垂直面に撮像用光源 110を組み込んでいる。認証方法は、まず指を指置き部101に置き、生体検知の判定を実施後、指を指置き部101にそのまま置いた状態で撮像用光源110を発光させ、静脈撮像部150で指静脈を取得する。なお、図7では、生体認証装置140と表示部109は分離しているが、表示部109が生体認証装置140と一体であっても良い。 【0022】 (実施例4) 一方、生体認証では、本人であるが、本人ではない場合(誤拒否)や、本人ではないが、本人である場合(誤受理)がある。これらの認証精度を向上させるためには、生体情報である撮像画像を一定の品質で安定して取得することが重要であり、指を所定の姿勢に置くことが必要となる。そこで、図1中に示す、指置き部101の側面に配置している光源106,107,108と、指置き部101の底面に配置している受光部104、または105を用いた、指の姿勢の検出方法について述べる。 【0023】 図8は、指200を指置き部101に置かれた状態を上方から見た平面図であり、指 200が左側に寄っている状態が示されている。この時、左側にある光源106から受光部104、または105で検出された透過率は、右側にある光源107から受光部104、または105で検出された透過率と比して小さくなる。 【0024】 それに対して、指200が右側に寄っている状態を図9に示す。この場合は、図8の場合と逆で、左側にある光源106から受光部104、または105で検出された透過率は、右側にある光源107から受光部104、または105で検出された透過率と比して大きくなる。 【0025】 図8は指200が水平面上で左に寄った場合、図9は指200が水平面上で右に寄った場合であるが、指200が左右に傾く場合もある。図10は、指200が、光源106側に傾いている場合の背面図である。この場合は図8と同様、光源106側から受光部104、または105で検出された透過率が、反対側にある光源107から受光部104、または105で検出された透過率と比して小さくなる。一方、指200が光源107側に傾いている場合の背面図を図11に示す。この場合は図9と同様、光源106側から受光部 104、または105で検出された透過率が、反対側にある光源107から受光部104、または105で検出された透過率と比して大きくなる。 【0026】 図8〜図11では、水平面での指の左右方向、また傾きを検出する方法について述べたが、指先が指置き101の先端まで置かれているか否かの判定も重要である。そこで、図12に示すように、指置き101の先端中心の側面に配置された光源108を用いて、その時の受光部104、または105で検出した透過率で判定する。図では、指200が指置き部101の先端まで触れられていない状態を示しており、この場合、光源108側から受光部104、または105で検出された透過率は、ある閾値(指200が指置き部 101の先端まで触れられている状態での透過率)よりも小さくなる。 【0027】 図13は、指置きの状態を判定し、指を所定の姿勢に誘導するフローチャートである。まず、指置き部101の左右及び中心側面に配置されている波長λ3の光源(光源106,107,108)を発光させ(401)、受光部(受光部104、または105)の出力から物体の透過率を計測する。まず、左右側面光源(光源106,107)からの各々の透過率の差を、予め設定した閾値と比較判定を行う(402)。閾値以上であれば、表示(例えば「指を左右水平に正しく置き直して下さい」等)を行い(403)、401へ戻る。一方、閾値以下であれば、中心側面(光源108)からの透過率を、予め設定した閾値との比較判定を行う(404)。閾値以上であれば、表示(例えば「指を突き当て方向に正しく置き直して下さい」等)を行い(405)、401へ戻る。一方、閾値以下であれば、図5に示す、生体検知のシーケンスへ進む(406)。よって、指200が指置き部101に正しく置くことができ、生体認証(生体検知や指紋,静脈等の撮像)を精度良く行うことができる。また、これらの制御はマイコンで行うのが好適であり、低コストで信頼性が向上し、時間短縮も図れる。 【0028】 なお、閾値の設定は、上述した固定値の他、複数波長によるパラメータで記述された式で与えても良い。 【図面の簡単な説明】 【0029】 【図1】本発明の第一実施例を示す生体認証装置の外観図。 【図2】被験者及び偽造指材料のスペクトル。 【図3】被験者及びサツマイモ,バナナのスペクトル。 【図4】被験者及びサツマイモ,バナナのスペクトル。 【図5】本実施例に関る生体認証装置の生体検知のフローチャート。 【図6】本発明の第二実施例を示す生体認証装置の外観図。 【図7】本発明の第三実施例を示す生体認証装置の外観図。 【図8】指を指置き部に置いた状態を上方から見た平面図。 【図9】指を指置き部に置いた状態を上方から見た平面図。 【図10】指が傾いている場合の背面図。 【図11】指が傾いている場合の背面図。 【図12】指を指置き部に置いた状態を上方から見た平面図。 【図13】指置きの状態を判定し、指を所定の姿勢に誘導するフローチャート。 【符号の説明】 【0030】 100,120,140…生体認証装置、101…指置き部、102,103,104,105,106,107,108…光源、109…表示部、110…撮像用光源、130…指紋撮像部、150…静脈撮像部、200…指、301,304,306,401…光源発光、302,305,307,404…透過率の閾値判断分岐、303…警告表示、308…結果表示、402…透過率の差の閾値判断分岐、403,405…表示。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153535 【氏名又は名称】株式会社日立メディアエレクトロニクス
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| 【出願日】 |
平成18年8月8日(2006.8.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100310 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 学
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| 【公開番号】 |
特開2008−36182(P2008−36182A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−215193(P2006−215193) |
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