| 【発明の名称】 |
撮像装置および生体認証装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岸上 勝博
【氏名】梅林 信弘
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| 【要約】 |
【課題】ノイズの発生を効果的に抑止できる撮像装置を提供すること。
【構成】本発明に係る撮像装置100は、複数の受光素子11が配列された受光部10と、複数のマイクロレンズ51を有するマイクロレンズアレイ50と、受光部10およびマイクロレンズアレイ50の間に設けられた遮光層20とを備えている。ここで、遮光層20は複数の受光素子11にそれぞれ対応して設けられた開口部30を備え、開口部30の受光素子側の開口幅の実長d1と、隣接するマイクロレンズ51間の距離の実長pと、静脈2001とマイクロレンズ51の頂点との間の距離の空気換算長t0と、マイクロレンズ51の頂点と開口部30の受光部側の開口位置の間の厚さの空気換算長t1との光学的関係が1.36・t1/p≦d1≦2.4・t1/p+p・t1/t0である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の受光素子が配列された受光部と、前記複数の受光素子にそれぞれ対応して配列されたマイクロレンズと、前記受光部および前記マイクロレンズの間に設けられた遮光層とを有する撮像装置であって、 前記遮光層は、前記複数の受光素子にそれぞれ対応して設けられた開口部を備え、 前記開口部の前記受光素子側の開口幅の実長d1と、隣接する前記マイクロレンズ間の距離の実長pと、前記受光素子から前記マイクロレンズへ向かう方向に存在する撮像対象物と前記マイクロレンズの頂点の間の距離の空気換算長t0と、前記マイクロレンズの頂点と前記開口部の前記受光素子側の開口位置の間の厚さの空気換算長t1との関係が、 1.36・t1/p≦d1≦2.4・t1/p+p・t1/t0 であることを特徴とする撮像装置。 【請求項2】 前記d1と、前記pと、前記t0と、前記t1との関係が、 1.6・t1/p≦d1≦1.9・t1/p+p・t1/t0 である請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 前記開口部は、前記開口部の前記受光素子側の開口面積が前記マイクロレンズ側の開口面積以下であるように形成されている請求項1または2に記載の撮像装置。 【請求項4】 前記遮光層は、少なくとも前記開口部と境界をなす部分が光吸収部材からなり、かつ少なくとも前記受光素子と対向する面あるいは前記マイクロレンズに対向する面のどちらかの面の開口部を除く部分が光吸収部材または光反射部材からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項5】 前記開口部の前記マイクロレンズ側の開口幅の実長d2と、前記マイクロレンズの頂点と前記開口部の前記マイクロレンズ側の開口位置との間の厚さの空気換算長t2と、前記t0と、前記t1と、前記pとの関係が、 d2≧p(1−t2/t1+t2/t0) である請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項6】 前記t1と、前記t2と、前記d1と前記d2と前記pとの関係が、 t2≦t1・(1−(d1+d2)/(2・p+d1)) である請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項7】 前記受光素子と前記開口部の前記受光素子側の開口位置との間の厚さの空気換算長t3と、前記t1との関係が、 t3<t1/3 である請求項1〜6のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項8】 前記開口部には、前記受光素子で受光できる波長範囲の少なくとも一つの波長に対して透明である材料が充填された請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項9】 可視光線が前記受光素子に入射されるのを遮断する光学フィルタを備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項10】 生体部位の方向に光を照射する光源、前記光源からの光が照射される前記生体部位を撮像する撮像部と、複数の生体情報を記憶する記憶部と、前記撮像部が撮像する前記生体部位から得られる生体情報と、前記記憶部に記憶された生体情報とを照合する照合部と、前記照合部の照合結果に応じて、生体認証を行う制御部とを備えた生体認証装置であって、 前記撮像部は、複数の受光素子が配列された受光部と、前記複数の受光素子にそれぞれ対応して配列されたマイクロレンズと、前記受光部および前記マイクロレンズの間に設けられた遮光層とを有する前記生体部位を撮像する撮像部であって、 前記遮光層は、前記複数の受光素子のそれぞれに対応して設けられた開口部を備え、 前記開口部の前記受光素子側の開口幅の実長d1と、隣接する前記マイクロレンズ間の距離の実長pと、前記受光素子から前記マイクロレンズに向かう方向に存在する前記生体部位と前記マイクロレンズの頂点との間の距離の空気換算長t0と、前記マイクロレンズの頂点と前記開口部の前記受光素子側の開口位置との間の厚さの空気換算長t1との関係が、 1.36・t1/p≦d1≦2.4・t1/p+p・t1/t0 であることを特徴とする生体認証装置。 【請求項11】 前記d1と、前記pと、前記t0と、前記t1との関係が、 1.6・t1/p≦d1≦1.9・t1/p+p・t1/t0 である請求項10に記載の生体認証装置。 【請求項12】 前記開口部は、前記開口部の前記受光素子側の開口面積が前記マイクロレンズ側の開口面積以下であるように形成されている請求項10または11に記載の生体認証装置。 【請求項13】 前記遮光層は、少なくとも前記開口部と境界をなす部分が光吸収部材からなり、かつ少なくとも前記受光素子と対向する面あるいは前記マイクレンズと対向する面のどちらかの面の前記開口部を除く部分が光吸収部材または光反射部材からなる請求項10〜12のいずれか1項に記載の生体認証装置。 【請求項14】 前記開口部の前記マイクロレンズ側の開口幅の実長d2と、前記マイクロレンズの頂点と前記開口部の前記マイクロレンズ側の開口位置との間の厚さの空気換算長t2と、前記t0と、前記t1と、前記pとの関係が、 d2≧p(1−t2/t1+t2/t0) である請求項10〜13のいずれか1項に記載の生体認証装置。 【請求項15】 前記t1と、前記t2と、前記d1と、前記d2と、前記pとの関係が、 t2≦t1・(1−(d1+d2)/(2・p+d1)) である請求項10〜14のいずれか1項に記載の生体認証装置。 【請求項16】 前記受光素子と前記開口部の上記受光素子側の開口位置との間の厚さの空気換算長t3と、前記t1との関係が、 t3<t1/3 である請求項10〜15のいずれか1項に記載の生体認証装置。 【請求項17】 前記開口部の内側には、少なくとも波長680nmから1200nmの間の少なくとも一つの波長に対して透明である材料が充填された請求項10〜16のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項18】 可視光線が前記受光素子に入射されるのを遮断する光学フィルタを備えた請求項10〜17のいずれか1項に記載の撮像装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、撮像装置および生体認証装置に関し、例えば、生体の血管を撮像する場合に好適な撮像装置および生体認証装置に関する。 【背景技術】 【0002】 鍵等の携帯が不要で利便性が高く、遺失や盗難等による不正行使の恐れも少ないセキュリティ方式として、指紋や虹彩、血管パターンといった個人の体の一部を鍵として用いる生体認証が注目されている。中でも、血管パターンを用いた認証方法は、指紋のように犯罪捜査を連想させたり、虹彩のように直接眼球に光を照射したりすることがないので、心理的抵抗感が少ないという利点がある。また、血管パターンを用いた認証方法は、容易に観測できる生体表面ではなく、生体内部の情報を利用しているため、偽造が困難という利点がある。 【0003】 従来、次のようにして、指の血管パターンを用いた認証が実現されている。指に近赤外光を照射する光源と、指を透過する近赤外線を撮像するカメラとを設置する。カメラには、近赤外線域の波長の光だけを通すような光学フィルタが装着されている。生体認証時には、光源からの近赤外光中に指を配置し、そのときの指の画像をカメラで撮る。近赤外光は、生体内の筋肉や脂肪や骨などを透過するが、血液中のへモグロビンやメラニンなどの色素成分には吸収される。 【0004】 このため、カメラが撮像した画像は、透過光を受けて白く表現されるが、血管部分は血液中のへモグロビンやメラニンなどに近赤外光が吸収されるため、黒く表現される。このように撮られた血管パターンと、登録されている血管パターンとを照合して、生体認証を行う。このような生体認証技術が、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されている。 【0005】 近年、このような生体認証を行う生体認証装置の小型化および薄型化が、要求されている。生体認証装置に用いられている撮像装置には、従来から単数または複数のレンズの縮小結像を利用した単眼縮小光学系が用いられていたが、レンズ構造の関係上、小型化および薄型化に限界がある。 そこで、マイクロレンズアレイおよび複数の受光素子を組み合わせた複眼光学系を、生体認証装置に適用しようとする試みがある。従来の複眼光学系の撮像装置として、例えば、特許文献3に記載の技術が知られている。 【0006】 特許文献3には、透明基板上に形成された複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイと、マイクロレンズアレイに対向して設けられ、複数の受光素子(光検出部)を有する受光部(密着イメージサンサ)と、マイクロレンズアレイおよび受光部の間に設けられた遮光層(遮光スペーサ)と、遮光層のうち、マイクロレンズおよび受光素子の間に挟まれた領域に円筒状に設けられ、内壁面の少なくとも一部を光吸収面とした複数の開口部(透光孔)とを備えた撮像装置が開示されている。 【特許文献1】特開2005−312749号公報(特に、段落0027〜0034、段落0064〜0070、図3、図8) 【特許文献2】特開2005−71118号公報(特に、段落0016、図1) 【特許文献3】特開平3−157602号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 図5に特許文献3に示された従来公知例の撮像装置の縦断面図を示す。特許文献3に記載の技術は、マイクロレンズアレイ(レンズアレイ板)50Aおよび受光部(密着イメージセンサ)10Aの間に、複数の円筒状の開口部(透光孔)30Aを有する遮光層(遮光スペーサ)20Aが形成されている。複数の円筒状の開口部30Aは、マイクロレンズ(微小レンズ)51Aおよび受光素子(光検出部)11Aの位置に対応して、形成されている。 【0008】 また、開口部30Aの内側には、黒色塗料が塗布されており、光吸収面として機能する。特許文献3に記載の技術にでは、このような構成にすることにより、複眼光学系の短所である、受光素子11Aに対し、隣接したマイクロレンズ51Aからの光が入り込む、いわゆるクロストークによるノイズの影響を抑制している。 【0009】 しかしながら、特許文献3に記載の技術では、隣接するマイクロレンズ51Aからのクロストークを除去できるものの、受光素子11Aには、それに対応したマイクロレンズ51Aの所望の撮像領域"領域A"に対し、全投影情報"領域B"が入射するために、像がぼやけてしまい、受光素子11Aにより取り込まれる画像の品質が低下するという問題があった。 【0010】 特に、より薄型化の要求に対し、マイクロレンズアレイ50Aと受光素子11Aの間隔を狭くした場合は、"領域B"がより広くなり、受光素子11Aにより取り込まれる画像の品質の悪化がさらに顕著になる。 【0011】 本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、ノイズの発生を効果的に抑止できる撮像装置および生体認証装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明に係る撮像装置は、複数の受光素子が配列された受光部と、複数の受光素子にそれぞれ対応して配列されたマイクロレンズと、受光部およびマイクロレンズの間に設けられた遮光層を有する撮像装置であって、遮光層は、複数の受光素子にそれぞれ対応して設けられた開口部を備え、開口部の受光素子側の開口幅の実長d1と、隣接するマイクロレンズ間の距離の実長pと、受光素子からマイクロレンズへ向かう方向に存在する撮像対象物とマイクロレンズの頂点との間の距離の空気換算長t0と、マイクロレンズの頂点と開口部の受光部側の開口位置との間の厚さの空気換算長t1との関係が、1.36・t1/p≦d1≦2.4・t1/p+p・t1/t0であることを特徴とするものである。 このような構成にしたことにより、受光素子への所望の撮像領域以外からの情報の入射を抑制でき、ノイズの発生を効果的に抑止できる。 【0013】 ここで、d1と、pと、t0と、t1との関係が、1.6・t1/p≦d1≦1.9・t1/p+p・t1/t0であるのが好ましい。これにより、ノイズの発生をより確実に抑止できる。また、開口部は、開口部の受光素子側の開口面積がマイクロレンズ側の開口面積以下であるように形成されている。また、遮光層のうち、少なくとも開口部と境界をなす部分は、光吸収部材からなり、かつ少なくとも受光素子と対向する面あるいはマイクロレンズと対向する面のいずれか面の開口部を除く部分が光吸収部材または光反射部材である。また、開口部の受光素子側の開口幅の実長d2と、マイクロレンズの頂点と開口部のマイクロレンズ側の開口位置との間の厚さの空気換算長t2と、t0と、t1と、pとの関係が、d2≧p(1−t2/t1+t2/t0)であるのが好ましい。 【0014】 また、t1と、t2と、d1と、d2と、pとの関係が、t2≦t1・(1−(d1+d2)/(2・p+d1))であるのが好ましい。また、受光素子と開口部の受光素子側の開口位置との間の厚さの空気換算長t3と、t1との光学的関係が、t3<t1/3であるのが好ましい。また、開口部の内側には、受光素子が受光できる波長範囲の少なくとも一つの波長に対して透明である材料が充填されてもよい。また、可視光線が受光素子に入射されるのを遮断する光学フィルタを備えてもよい。 【0015】 本発明に係る生体認証装置は、生体部位の方向に光を照射する光源、光源からの光が照射される生体部位を撮像する撮像部と、複数の生体情報を記憶する記憶部と、撮像部が撮像する生体部位から得られる生体情報と、記憶部に記憶された生体情報とを照合する照合部と、照合部の照合結果に応じて、生体認証を行う制御部とを備えた生体認証装置であって、撮像部は、複数の受光素子が配列された受光部と、複数の受光素子にそれぞれ対応して配列されたマイクロレンズと、受光部およびマイクロレンズの間に設けられた遮光層とを有する生体部位を撮像する撮像部であって、遮光層は、複数の受光素子に対応して設けられた開口部を備え、開口部の受光素子側の開口幅の実長d1と、隣接するマイクロレンズ間の距離の実長pと、受光素子からマイクロレンズへ向かう方向に存在する生体部位とマイクロレンズの頂点との間の距離の空気換算長t0と、マイクロレンズの頂点と開口部の受光部側の開口位置との間の距離の空気換算長t1との関係が、1.36・t1/p≦d1≦2.4・t1/p+p・t1/t0であることを特徴とするものである。 このような構成にしたことにより、受光素子への所望の撮像領域以外から情報の入射を抑制でき、ノイズの発生を効果的に抑止できる。 【0016】 ここで、d1と、pと、t0と、t1との関係が、1.6・t1/p≦d1≦1.9・t1/p+p・t1/t0であるのが好ましい。これにより、ノイズの発生をより確実に抑止できる。また、開口部は、開口部の受光素子側の開口面積がマイクロレンズ側の開口面積以下であるように形成されている。また、遮光層のうち、少なくとも開口部との境界をなす部分は、光吸収部材からなり、かつ少なくとも受光素子と対向する面あるいはマイクロレンズと対向する面のいずれかの面の開口部以外の部分が光吸収部材または光反射部材からなる。また、開口部のマイクロレンズ側の開口幅の実長d2と、マイクロレンズの頂点と開口部のマイクロレンズ側の開口位置との間の厚さの空気換算長t2と、t0と、t1と、pとの関係が、d2≧p(1−t2/t1+t2/t0)であるのが好ましい。 【0017】 また、t1と、t2と、d1と、d2と、pとの関係が、t2≦t1(1−(d1+d2)/(2・p+d1))であるのが好ましい。また、受光素子と開口部の受光素子側の開口位置との間の厚さの空気換算長t3と、t1との関係が、t3<t1/3であるのが好ましい。また、開口部の内側には、波長680nmから1200nmの間の少なくとも一つの波長に対して透明である材料が充填されてもよい。また、可視光線が受光素子に入射されるのを遮断する光学フィルタを備えてもよい。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、ノイズの発生を効果的に抑止できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 発明の実施の形態1. 本発明の実施の形態1に係る生体認証装置の構成について、図に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る生体認証装置の撮像部の構成を模式的に示す断面図である。図2は、本発明に係る生体認証装置の構成を示すブロック図である。なお、図1で示される各寸法は、実長を示している。 図2に示されるように、本発明の実施の形態1に係る生体認証装置1000は、撮像部100と、画像処理部200と、光源301、302と、記憶部400と、照合部500と、制御部600を備えている。 【0020】 撮像部100は、画像処理部200に接続され、光源301、302からの近赤外光が照射される生体部位としての指2000内の静脈2001のパターン(生体情報)を撮像する。なお、図1に示されるように、指2000は撮像部100の上部に配置される。撮像部100の構成については、後で詳細に説明する。 画像処理部200は、撮像部100および制御部600に接続され、撮像部100の受光部10で変換された静脈2001のパターンの画像データに対して、補正等の画像処理を行う。 【0021】 光源301、302は、制御部600に接続されている。光源301、302は、複数の近赤外光発光素子から構成され、撮像部100の上部に配置された指2000を透過する方向に近赤外光(波長:680nm〜1200nm、好ましくは800nm〜950nm)を照射する。 記憶部400は制御部600に接続されている。記憶部400には、予め、撮像部100により撮像された複数の静脈のパターンが記憶されている。 【0022】 照合部500は制御部600に接続されている。照合部500は制御部600の制御により、撮像部100が撮像する指2000内の静脈2001のパターンと、記憶部400に予め記憶された静脈のパターンとを照合する。 制御部600は、画像処理部200、光源301、302、記憶部400および照合部500に接続されており、これら200、301、302、400、500を制御する。また、制御部600は、照合部500の照合結果に応じて、生体認証を行う。 【0023】 次に、生体認証装置1000による生体認証方法について説明する。 まず、撮像部100の上部に、指2000を配置する。次に、光源301、302の複数の近赤外光発光素子を用いて、近赤外光を指2000へ照射する。近赤外光は指2000の内部を透過し、光学フィルタ60およびマイクロレンズアレイ50および遮光層20を介して、各受光素子11に入射される。各受光素子11は、指2000内の静脈2001のパターンの画像を赤外光により受光し、受光部10は各受光素子11が受光する指2000内の静脈2001のパターンの画像を画像データに変換する。このようにして、指2000内の静脈2001の血管パターンが撮像部100によって撮像される。 【0024】 次に、画像処理部200が、撮像部100の受光部10で変換された画像データに対して、補正等の画像処理を行う。具体的には、撮像された静脈2001のパターンのうち、不鮮明な部分を除去するなどの処理を行う。次に、照合部500が、撮像部100が撮像する指2000内の静脈2001のパターンと、記憶部400に予め記憶された静脈のパターンとを照合する。そして、制御部600が、照合部500の照合結果に応じて、生体認証を行う。 【0025】 具体的には、照合部500が、撮像部100が撮像する指2000内の静脈2001のパターンと、記憶部400に予め記憶された静脈のパターンとが一致すると判断した場合には、制御部600は認証成功信号を生成し、この認証成功信号に従って、表示部(不図示)などの認証結果出力手段に認証結果を出力させる。一方、照合部500が、撮像部100が撮像する指2000内の静脈2001のパターンと、記憶部400に予め記憶された静脈のパターンとが一致しないと判断した場合には、制御部600は認証失敗信号を生成し、この認証失敗信号に従って、表示部(不図示)などの認証結果出力手段に認証結果を出力させる。 【0026】 次に、撮像部100周辺の構成について、具体的に説明する。図1に示されるように、撮像部100の上部であって、指200の両側に、複数の近赤外光発光素子が配列されて構成される光源301、302が、設けられている。図1に示されるように、光源301、302は、撮像部100の上部に配置された指2000を透過する方向に近赤外光を照射するように、設けられている。また、光源301、302の複数の近赤外光発光素子は、撮像部100の上部に配置される指2000に沿うように配列されている。指2000が撮像部100の上部に配置され、光源300から出射される近赤外光により照射された状態で、指2000内の静脈のパターンが撮像部100により撮像される。 【0027】 図1では、光源301、302を指2000の両側部に配置して、光源301、302から出射される近赤外光が指2000の両側部側から指2000へ向けて照射されるように構成しているが、光源301、302を指2000の上側に配置して、光源301、302から出射される近赤外光が指2000の上側から指2000へ向けて照射されるように構成してもよい。また、光源301、302を指2000の下側に配置して、光源301、302から出射される近赤外光が指2000の下側から指2000へ向けて照射されるように構成してもよい。また、図1では、二つの光源301、302を備えているが、二つに限定されるものではなく、一つであっても、三つ以上であってもかまわない。 【0028】 撮像部100は、受光部10と、遮光層20と、開口部30と、マイクロレンズアレイ50と、光学フィルタ60とを備えている。 図1に示されるように、受光部10には、複数の受光素子11が一定間隔で配列されている。受光素子11は、近赤外光に感度があるものであればよく、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いて構成してもよい。なお、各受光素子11を更に複数の受光素子の集合体で形成してもよい。 【0029】 遮光層20は、受光部10およびマイクロレンズアレイ50の間に設けられている。遮光層20は、マイクロレンズアレイ50のマイクロレンズ51が形成されている面とは反対側の面上に、形成されている。遮光層20の材料には光吸収部材が用いられ、例えば、顔料や感光性樹脂が用いられている。 【0030】 複数の開口部30が、受光素子11に対応して、遮光層20を開口して形成されている。各開口部30は各マイクロレンズ51から各受光素子11に入射する光の入射光路を制御するために設けられている。すなわち、この開口部30の開口幅等を適切に設定することにより、所望の領域以外から入射される光や、隣接するマイクロレンズ51の間隙からの光や、他のマイクロレンズ51からの光、いわゆるクロストークを、開口部30の内壁で吸収して、ノイズの発生を抑止している。 【0031】 図1に示されるように、開口部30は、開口部30の受光素子11側の開口面積がマイクロレンズ51側の開口面積以下であるように形成されている。各開口部30の内側には透過部31が形成されている。各透過部31は、近赤外光透過性の透明樹脂を各開口部30の内側に充填することにより、形成される。開口部30の具体的な開口幅等は後で詳細に説明する。なお、各開口部30の内側に充填される各透過部を形成する透明材料としては、波長が680nmから1200nmの範囲で少なくとも一つの波長に対して透明である部材であればよく、例えば透明ガラス、エポキシやアクリルなどの透明樹脂が用いられている。また、各開口部30の内側に形成される各透過部31を空洞としてもよい。 【0032】 マイクロレンズアレイ50には、複数の凸状のマイクロレンズ51が設けられている。マイクロレンズアレイ50は、例えば、透明基板上に複数のマイクロレンズ51を配列して構成されている。複数のマイクロレンズ51は複数の受光素子11に対応して配列されている。すなわち、隣接するマイクロレンズ51の間の距離が、隣接する受光素子11の距離と略同一に設定されている。 【0033】 各マイクロレンズ51の焦点距離は、撮像対象物である指2000内の静脈2001からの光が開口部30の受光素子11側の面上に集光されるように、設定されている。マイクロレンズアレイ50の材料には、透明樹脂または透明ガラスが用いられている。各マイクロレンズ51は屈折レンズでもよく、回折レンズであってもよい。 光学フィルタ60は、可視光線が各受光素子11に入射するのを遮断するように、マイクロレンズアレイ50の撮像対象物側に設けられている。光学フィルタ60は可視光線を遮断し、近赤外光特に波長680nmから1200nmの範囲の少なくとも一つの波長が透過するものであれば良く、光吸収タイプや光干渉による反射タイプであってもよい。 【0034】 ここで、図1に示されるように、開口部30の受光素子11側の開口幅の実長をd1、隣接するマイクロレンズ51間の距離の実長をp、撮像対象物である指2000内の静脈2001とマイクロレンズ51の頂点との間の距離の実長をtn0、マイクロレンズ51の頂点と開口部30の受光素子11側の開口位置との間の厚さの実長をtn1とする。撮像対象物である指2000内の静脈2001とマイクロレンズ51の頂点との間の距離の空気換算長t0は、静脈2001とマイクロレンズ51の頂点との間に存在する1種類あるいは複数の物質それぞれの厚さをそれぞれの屈折率で割った値の和と定義し、図1の場合、t0=(指2000の受光素子側の表面から静脈20001までの深さ)/(指2000の屈折率)+(光学フィルタ60の厚さ)/(光学フィルタ60の屈折率)、である。なお、tn0=(指2000の受光素子11側の表面から静脈2001までの深さ)+(光学フィルタ60の厚さ)、であることは言うまでもない。同様に、マイクロレンズ51の頂点と開口部30の受光素子11側の開口位置の間の厚さの空気換算長をt1とする。 【0035】 このとき、d1、p、t0、t1の関係が、 1.36・t1/p≦d1≦2.4・t1/p+p・t1/t0・・・(1) となるように設定する。このようにすることにより、所望の撮像領域を超える領域からの情報を持つ光が、受光素子11に入射するのが抑制されるため、ノイズの発生を効果的に抑止できる。 【0036】 撮像対象物からの光が、マイクロレンズ51により開口部30の受光素子11側の面上に集光される場合、その光スポットサイズSは、光波長をλ、レンズ開口直径をDとして波動光学的にS=2・λ・t1/Dと概算できる。λが静脈認証で一般的に利用される最短波長値である680nm、D≒pの場合S=1.36・t1/pとなる。よって、d1が1.36・t1/pよりも小さくなると受光光量が減少して像が暗くなる。よってd1は1.36・t1/p以上である必要がある。 【0037】 同様に、λが静脈認証で一般的に利用される最長波長値である1200nmの光スポットサイズSは2.4・t1/pと概算できる。さらに、撮像対象物からの光のうち、マイクロレンズ51の光軸からp/2だけ離れた位置からの光は、開口部30の受光素子11側の面上ではマイクロレンズ51の光軸から(p/2)・(t1/t0)だけ離れた位置に到達することになる。これより離れた位置に到達する光は、撮像対象物においてマイクロレンズ51の光軸からp/2以上離れた位置、つまり所望の撮像領域を超える領域からの情報を持つ光でありノイズ成分になる。 【0038】 以上より、d1が2.4・t1/p+p・t1/t0を超えるとノイズ成分が受光素子に入射されることがわかる。この場合はノイズが多く品質が悪い像になるため、d1は2.4・t1/p+p・t1/t0以下である必要がある。 【0039】 また、静脈認証に用いる最適波長範囲は800nm〜950nmである。波長800nmの光スポットサイズは1.6・t1/p、波長950nmの光スポットサイズは1.9・t1/pである。 【0040】 よってd1、p、t0、t1の関係が、 1.6・t1/p≦d1≦1.9・t1/p+p・t1/t0・・・(2) となるように設定すれば、さらにノイズを効果的に除去できるため、より好適である。 【0041】 また、図1に示されるように開口部30のマイクロレンズ51側の開口幅の実長をd2とした場合、d2がd1以上であれば、光を効率よく受光素子11に入射させることができる。 【0042】 また、図1に示されるように、マイクロレンズ51の頂点と開口部30のマイクロレンズ51側の開口位置との間の厚さの空気換算長をt2とした場合、撮像対象物からの光のうち、マイクロレンズ51の光軸からp/2だけ離れた位置からの光は、マイクロレンズ51を通過後、開口部30のマイクロレンズ51側の開口位置上では、幾何光学的にマイクロレンズの光軸から最大p/2・(1−t2/t1+t2/t0)離れた位置を通過する。よって、d2と、t0と、t1と、pとの関係が、 d2≧p(1−t2/t1+t2/t0)・・・(3) を満たせば、ノイズを抑制でき、さらに、必要な情報を持つ光を遮光層20の遮光による損失を発生させることなく効率よく受光素子11に入射させることができる。 【0043】 また、t1と、t2と、d1と、d2と、pとの関係が、 t2≦t1(1−(d1+d2)/(2・p+d1)・・・(4) であるのが、好ましい。このようにすることにより、他のマイクロレンズ51からの光が、受光素子に入射するのが抑止され、つまりクロストークの発生を抑止できるため、ノイズの発生をより効果的に抑止できる。 【0044】 また、図1に示されるように、受光素子11と開口部30の受光素子11側の開口位置との間の厚さの空気換算長をt3としたとき、t1とt3の関係が、 t3<t1/3・・・(5) であるのが、好ましい。このようにすることにより、他のマイクロレンズ51からの光が、隣接する開口部30を通過した後に受光素子に入射するのが確実に抑止され、つまりクロストークの発生を抑止できるため、ノイズの発生をより効果的に抑止できる。 【0045】 次に本発明の実施の形態1に係る撮像部の製造方法について、図に基づいて説明する。複数の受光素子11が配列された受光部10と、遮光層20および開口部30と、マイクロレンズアレイ50とをそれぞれ作製し、図1に示されるように、これらを順次重ねて配置することにより、撮像部100が完成する。 【0046】 まず、マイクロレンズアレイ50の製造方法について、図に基づいて説明する。図3は、マイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。 まず、図3(a)に示されるように、ガラス製の透明基板52を用意し、透明基板52上に、全域に亘って、感光性樹脂(ネガ型透明レジスト)を塗布することによりレンズ形成層510を形成する。塗布方法には、スピンコートやスリットコートがある。ここで、透明基板52には例えば大きさ5インチの300μm厚の石英ガラス基板(屈折率1.45)を用いる。 【0047】 次に、図3(b)に示されるように、レンズ形成層510が複数の円柱形状となるように、マスク(不図示)を用いてレンズ形成層510をパターニングする。ここで、マスクはマイクロレンズ51の形状に対応して形成されている。 次に、図3(c)に示されるように、透明基板52上に形成された円柱形状のレンズ形成層510に熱処理を行い、レンズ形成層510をマイクロレンズの形状に硬化する。 【0048】 次に、図3(d)に示されるように、エッチングによりマイクロレンズの形状を透明基板52上に転写する。そして、図3(e)に示されるように、マイクロレンズ51が透明基板52上に形成される。 【0049】 以上のようにして、マイクロレンズアレイ50が完成する。ここでは、隣接するマイクロレンズ51の頂点間の距離を100μmとし、各マイクロレンズの直径を97μmとなるようにする。また、指2000内の静脈2001からの光が開口部30の受光素子11側の中央部に集光されるように、各マイクロレンズ51の焦点距離を設定する。具体的には、レンズ形成層510の厚みやエッチングレート比を調整することにより、各マイクロレンズ51の焦点距離を設定する。 【0050】 次に、遮光層20および開口部30を形成する方法について説明する。 マイクロレンズアレイ50のマイクロレンズ51が形成されている面とは反対側の面上に全面に亘り、透明感光性樹脂(透明レジスト)を塗布する。次にマスクを用いて露光、さらに現像を行うことにより、マイクロレンズ51に対応した円柱状の透過部31を形成する。 ここで、透明感光性樹脂の厚さは345μm、円柱の直径は75μmとなるようにする。また、透過部31は近赤外光に対し、透明で、その屈折率は1.60であった。 【0051】 次に、光吸収部材として黒色感光性樹脂を透過部31間に注入した後、当該吸収部材を硬化して、遮光層20を形成する。なお、黒色感光性樹脂は透過部31を完全に覆うよう、厚さが350μmとなるようにする。 さらに、遮光層20のうち、マイクロレンズ50に対向する面とは反対側の面にエッチング処理を行い受光素子11側の開口を形成する。ここで、開口の直径は12μmとなるようにする。 【0052】 以上のようにして、マイクロレンズアレイ50上に遮光層20および開口部30が形成される。ここでは隣接する開口部30間の距離が100μm、開口部30のマイクロレンズ51側の開口幅が75μm、開口部30の受光素子11側の開口幅12μm、開口部の厚さが350μm(透明樹脂345μm+空気5μm)となるように調整している。 【0053】 なお、以上では、マイクロレンズアレイ50のマイクロレンズ51が形成されている面と反対側の面上に遮光層を作製する例をあげたが、受光部10上に形成してもかまわない。また、別途遮光層保持基板を設け、その上に遮光層を形成してもかまわない。 【0054】 受光部10は、複数の受光素子11にダブルゲート型薄型トランジスタを用いている市販のものを用いる。ここで、隣り合う受光素子11の間の距離は100μm、受光部10の大きさは15mm×20mmであった。また、ダブルゲート型薄型トランジスタの電極上には屈折率1.50である酸化シリコンからなる保護絶縁層、さらにその上には屈折率1.50である透明樹脂層があわせて50μmの厚さで形成されていた。 【0055】 次に、図1に示されるように、複数の受光素子11が配列された受光部10と、遮光層20および透過部31と、マイクロレンズアレイ50とが順次積層されるように、例えばアライメントマークを用いて互いに貼り合せる。そして、マイクロレンズアレイ50の遮光層20に対向する面とは反対側の面上に、光学フィルタ60を取り付ける。ここで、光学フィルタ60の厚さは500μmであった。また、光学フィルタ60の屈折率は1.5であった。そして、最後に、ダイシングブレードを用いて、16mm×21mmの大きさに切り出した。 以上の作業を行うことにより、撮像部100を作製する。 【0056】 このように作製された撮像部100を用いて、指2000内の静脈2001を撮像してみる。 図1に示されるように、撮像部100の上部に設けられた光学フィルタ60上に、指2000を載置し、指2000の表皮から2.5mmの深さの位置を撮像対象として、撮像部100により撮像した。なお、一般的には、指静脈は指の表皮から2.5mmの深さの位置に存在する。また、近赤外光に対する指の皮膚の屈折率は1.34である。 【0057】 このときの撮像対象物である指2000内の静脈2001とマイクロレンズ51の頂点との間の距離の空気換算長t0を算出する。 t0=2500/1.34+500/1.5=2199(μm)・・・(6) 次に、マイクロレンズ51の頂点と開口部30の受光素子11側の開口位置との間の厚さの空気換算長t1を算出する。 t1=300/1.45+345/1.6+5/1=428(μm)・・・(7) 【0058】 次に、マイクロレンズ51の頂点と開口部30のマイクロレンズ51側の開口位置との間の厚さの空気換算長t2を算出する。 t2=300/1.45=207(μm)・・・(8) 次に、受光素子11と開口部30の受光素子11側の開口位置との間の厚さの空気換算長t3を算出する。 t3=50/1.5=33(μm)・・・(9) 【0059】 ここで、式(8)〜(9)の算出結果を式(2)に代入すると次式(10)のようになり、上述のd1=12(μm)は式(10)の条件を満たすこととなる。 6.9(μm)≦d1≦27.6(μm)・・・(10) また、式(8)〜(9)の算出結果を式(3)に代入すると次式(11)のようになり、上述のd2=75(μm)は式(11)の条件を満たすこととなる。 d2≧61(μm)・・・(11) 【0060】 また、式(7)、(8)の算出結果を式(4)に代入すると次式(12)のようになり、上述のt2=205(μm)は式(12)の条件を満たすこととなる。 t2<252(μm)(=t1・(1−(d1+d2)/(2・p+d1)))・・・(12) また、式(7)、(8)の算出結果を式(5)に代入すると次式(13)のようになり、上述のt3=33(μm)は式(13)の条件を満たすこととなる。 t3<141(μm)(=t1/3)・・・(13) 【0061】 このように作製された撮像部100を用いて、指2000内の静脈2001の撮像を試み、比較として作製した遮光層20の全てが透明樹脂からなる撮像部で撮像した像と比較したところ、明らかにノイズが少ない像を得ることができた。 【0062】 発明の実施の形態2. 本発明の実施の形態2に係る生体認証装置の構成について、図に基づいて説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る生体認証装置の撮像部101の構成を模式的に示す断面図である。なお、図4で示される各寸法は、実長を示している。 【0063】 実施の形態1では、図1に示されるように、マイクロレンズアレイ50の指2000側の面に、複数のマイクロレンズ51が形成されているのに対し、実施の形態2では、図5に示されるように、マイクロレンズアレイ50の受光部10側の面に、複数のマイクロレンズ51が形成されている点で、相違する。 【0064】 また、実施の形態1では、図1に示されるように、マイクロレンズアレイ50とは別部材として、可視光線が受光素子に入射されるのを遮断する光学フィルタ60を設けていることに対し、実施の形態2では、図4に示されるように、マイクロレンズアレイ50の複数のマイクロレンズ51が形成されている面とは反対側の面に、可視光線を吸収する樹脂を塗布することにより得る可視光吸収層80、さらにその上にハードコート層70を設けることにより、光学フィルタ60をマイクロレンズアレイ51と一体化させて設けている点で、相違する。 なお、実施の形態1での式(1)〜(5)で示された関係は、実施の形態2においても、そのまま適用される。 【0065】 このようにすることにより、実施の形態1と同様に、所望の撮像領域以外から入射される光や、隣接するマイクロレンズ51の間隙からの光や、他のマイクロレンズ51からの光、いわゆるクロストークが、受光素子11に入射するのが抑止されるので、ノイズの発生を効果的に抑止できる。 【0066】 次に本発明の実施の形態2に係る撮像部の製造方法について、図に基づいて説明する。複数の受光素子11が配列された受光部10と、遮光層保持基板40上に形成された遮光層20および開口部30と、マイクロレンズアレイ50とをそれぞれ作製し、図4に示されるように、これらを順次重ねて配置することにより、撮像部101が完成する。 【0067】 まず、図3の説明に準じて、マイクロレンズアレイ50を作製する。 具体的には、マイクロレンズ51を大きさ5インチの300μm厚の石英ガラス基板(屈折率1.45)である透明基板52上に形成する。このとき、隣接するマイクロレンズ51の頂点間の距離を100μmとし、各マイクロレンズの直径を95μmになるようにする。また、指2000内の静脈2001からの光が開口部30の受光素子11側の中央部に集光されるように、各マイクロレンズ51の焦点距離を設定した。具体的には、レンズ形成層510の厚みやエッチングレート比を調整することにより、各マイクロレンズ51の焦点距離を設定する。 【0068】 さらに、市販の近赤外光に透明で可視光を吸収する樹脂を、マイクロレンズアレイ50のマイクロレンズ51が形成されている面とは反対側の面に塗布し、硬化させることにより可視光吸収層80を形成する。 さらに、可視光吸収層80のマイクロレンズアレイ50と対向する面とは反対側の面上に市販のハードコート材料を塗布することによりハードコート層70を形成する。以上のようにして、マイクロレンズアレイ50上に一体化した光学フィルタ60を作製する。このとき可視光吸収層80とハードコート層の両方の屈折率は1.60、両方を合わせた厚さは100μmであった。 【0069】 また次に、遮光層保持基板40上に遮光層20および開口部30を形成する。 具体的には、遮光層保持基板40上に、フォトリソグラフィー法により円柱状の透過部31を形成した後、光吸収部材として黒色感光性樹脂を透過部31間に注入することにより遮光層40を形成し、さらにエッチング処理により開口部30を形成する。このとき、隣接する開口部30の間の距離が100μm、開口部30のマイクロレンズ51側の開口幅が85μm、開口部30の受光素子11側の開口幅が12μm、開口部30の厚さが300μm(透明樹脂295μm+空気5μm)となるように、遮光層保持基板40上に遮光層20および開口部30を形成した。 【0070】 なお、隣接する開口部30の間の距離は、マイクロレンズ51の頂点間の距離に対応されている。また、遮光層保持基板40は大きさ5インチで厚さが200μmのBK7基板(屈折率1.51)を用いる。また、透過部31の屈折率は1.60であった。 なお、以上では、遮光層保持基板40上に遮光層を作製する例をあげたが、受光部10上に形成してもかまわない。 【0071】 受光部10は、複数の受光素子11に微小受光素子が15mm×20mmの領域に10μm間隔で配列して形成されたCMOSセンサを用いている市販のものを用いる。ここではCMOSセンサを100μm×100μmで区切り、それぞれの領域を各受光素子11としている。またCMOSセンサの受光部上に形成されていた保護層(酸化シリコン)の厚みは1μm以下であった。 【0072】 次に、図4に示されるように、複数の受光素子11が配列された受光部10と、遮光層20および透過部31と、遮光層保持基板40と、マイクロレンズアレイ50とが順次積層されるように、例えばアライメントマークを用いて貼り合せた。 そして、最後に、ダイシングブレードを用いて、16mm×21mmの大きさに切り出した。 以上の作業を行うことにより、撮像部101を作製する。 【0073】 このように作製された撮像部101を用いて、指2000内の静脈2001を撮像してみる。 図4に示されるように、撮像部101の上部に設けられた光学フィルタ60上に、指2000を載置し、指2000の表皮から2.5mmの深さの位置を撮像対象として、撮像部101により撮像した。 【0074】 このとき、撮像対象物である指2000内の静脈2001とマイクロレンズ51の頂点との間の距離の空気換算長t0を算出する。 t0=2500/1.34+100/1.6+300/1.45=2135(μm)・・・(14) 次に、マイクロレンズ51の頂点と開口部30の受光素子11側の開口位置との間の厚さの空気換算長t1を算出する。 t1=200/1.51+295/1.6+5/1=322(μm)・・・(15) 【0075】 次に、マイクロレンズ51の頂点と開口部30のマイクロレンズ51側の開口中心部との間の距離の空気換算長t2を算出する。 t2=200/1.51=132(μm)・・・(16) 次に、受光素子11と開口部30のマイクロレンズ30側の開口位置との間の厚さの空気換算長t3を算出する。 t3=1/1.5=33(μm)・・・(17) 【0076】 ここで、式(14)〜(16)の算出結果を式(2)に代入すると次にようになり、上述のd1=12(μm)は式(18)の条件を満たすこととなる。 5.1(μm)≦d1≦21.2(μm)・・・(18) また、式(14)〜(16)の算出結果を式(3)に代入すると次にようになり、上述のd2=85(μm)は式(19)の条件を満たすこととなる。 d2≧65(μm)・・・(19) 【0077】 また、式(14)、(15)の算出結果を式(4)に代入すると次のようになり、上述のt2=133(μm)は式(20)の条件を満たすこととなる。 t2<189(μm)(=t1・(1−(d1+d2)/(2・p+d1)))・・・(20) また、式(14)、(15)の算出結果を式(5)に代入すると次のようになり、上述のt3=0.67(μm)は式(21)の条件を満たすこととなる。 t3<107(μm)(=t1/3)・・・(21) 【0078】 このように作製された撮像部101を用いて、指2000内の静脈2001の撮像を試み、比較として遮光層20の全てが透明樹脂からなる撮像部で撮像した像と比較したところ、明らかにノイズの少ない像を得ることができた。 【0079】 以上の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以上の実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、以上の実施の形態の各要素を、本発明の範囲において、容易に変更、追加、変換することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0080】 【図1】本発明の実施の形態1に係る生体認証装置の撮像部の構成を模式的に示す断面図である。 【図2】本発明に係る生体認証装置の構成を示すブロック図である。 【図3】マイクロレンズアレイの製造方法を示す図である。 【図4】本発明の実施の形態2に係る生体認証装置の撮像部の構成を模式的に示す断面図である。 【図5】特許文献3に示された、従来公知例の撮像装置の縦断面図である。 【符号の説明】 【0081】 1000 生体認証装置、 100、101 撮像部、 10 受光部、 11 受光素子、 20 遮光層、 30 開口部、 31 透過部、 40 遮光層保持基板、 50 マイクロレンズアレイ、 51 マイクロレンズ、 52 透明基板、 60 光学フィルタ、 70 ハードコート層、 80 可視光吸収層、 200 画像処理部、 301、302 光源、 400 記憶部、 500 照合部、 600 制御部、 2000 指
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005810 【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月4日(2006.8.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103894 【弁理士】 【氏名又は名称】家入 健
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| 【公開番号】 |
特開2008−36058(P2008−36058A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−213009(P2006−213009) |
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