| 【発明の名称】 |
内視鏡装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山▲崎▼ 健二
|
| 【要約】 |
【課題】カラー撮像を行う同時式の内視鏡に用いて通常照明光による観察を行う際に、撮像素子の分光感度特性による影響を抑えて、所定の色調の画像を得る。
【構成】帯域制限用フィルタ24bは、3峰性フィルタ特性を示し、例えば、赤、緑、青の各波長域において、それぞれ帯域制限透過フィルタ特性部Rb,Gb,Bbを有する。より具体的には、例えば帯域制限透過フィルタ特性部Rb,Gb,Bbは、それぞれ中心波長が630nm(半値幅λ1=30〜90nm)、540nm(半値幅λ2=20〜60nm)、440nm(半値幅λ3=50〜80nm)のバンドパス特性を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡に搭載されたカラー撮像を行うための色分離用光学フィルタを設けた撮像手段からの出力信号に基づき映像信号を生成する信号処理を行う内視鏡装置において、 通常観察モードにおいて、RGBの可視光域の光を所定の光量を有する帯域幅に制限した離散的な帯域制限通常照明光を生成する帯域制限通常照明光生成手段 を有することを特徴とする内視鏡装置。 【請求項2】 前記撮像手段における前記色分離用光学フィルタは、補色フィルタである ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。 【請求項3】 前記帯域制限通常照明光生成手段は、可視光域の光を帯域制限するフィルタより構成される ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。 【請求項4】 前記帯域制限通常照明光生成手段は、前記帯域制限通常照明光を発光するLEDより構成される ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。 【請求項5】 前記離散的な帯域制限通常照明光による前記撮像手段からの出力信号を所定のゲインに調整するゲイン調整手段を有する ことを特徴とする請求項1ないし4に記載の内視鏡装置。 【請求項6】 前記帯域制限通常照明光生成手段が制限する帯域幅より狭い帯域幅の離散的な狭帯域光を少なくとも1つ生成する狭帯域光生成手段を有する ことを特徴とする請求項1ないし5に記載の内視鏡装置。 【請求項7】 前記狭帯域光生成手段は、前記狭帯域光を発光するLEDより構成される ことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡装置。 【請求項8】 前記帯域制限通常照明光生成手段が制限する帯域幅は、前記色分離用光学フィルタの分光特性により規定される ことを特徴とする請求項1ないし7に記載の内視鏡装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、カラー撮像を行う同時式の内視鏡装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年においては、撮像手段を備えた電子内視鏡は、各種の内視鏡検査等において広く採用されるようになった。 【0003】 電子内視鏡を採用して内視鏡検査を行う場合には、照明光としての白色光の下で、カラーの光学フィルタを備えた撮像素子を用いて、カラー撮像を行う同時式の内視鏡装置と、モノクロの撮像素子を用いてR,G,Bの面順次の照明光の下でそれぞれ撮像を行うことにより、カラー画像を生成する面順次方式の内視鏡装置があり、信号処理系は両者において異なる。 【0004】 また、例えば特開2002−95635号公報には、狭帯域の照明光を利用して、通常の可視光の場合に得られる光学情報では埋もれてしまい易い粘膜表層付近における深さ方向に対する血管走行の状態等をより識別し易い画像情報として表示することができる内視鏡装置が開示されている。 【0005】 カラー撮像を行う同時式の内視鏡装置では、撮像素子であるCCDの撮像面には、光学的に色分離する色分離フィルタ30として例えば図18に示す補色系フィルタが各画素単位で取り付けてある。 【0006】 この補色系フィルタは、各画素の前に、マゼンタ(Mg)、グリーン(G)、シアン(Cy)、イエロ(Ye)の4色のカラーチップが、水平方向には、MgとGとが交互に配置され、縦方向には、Mg、Cy、Mg、YeとG、Ye、G、Cyとの配列順で、それぞれ配置されている。 【0007】 そして、この補色系フィルタを用いたCCDの場合、縦方向に隣接する2列の画素を加算して順次読み出すが、このとき奇数フィールドと偶数フィールドで画素の列をずらして読み出すようにする。そして、後段側での色分離回路により、公知のように輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとが生成されることになる。 【0008】 具体的には、nラインの読み出し時には「Mg+Cy」、「G+Ye」、…となり、n+1ラインの読み出し時には「Mg+Ye」、「G+Cy」、…となる。図19にこれらの読み出し信号「Mg+Cy」、「G+Ye」及び「Mg+Ye」、「G+Cy」の分光感度特性の例を示す。 【0009】 そして、後段側での色分離回路により、図20に示すような分光特性の輝度信号Yと色差信号Cr,Cbとが生成され、さらに公知のマトリックス回路を経ることで、RGB信号に変換される。 【特許文献1】特開2002−95635号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 しかしながら、補色系フィルタを有するCCDは、個体毎に分光感度特性が異なることがある。図21は図19とは異なるCCD(例えば第2のCCD)の読み出し信号の分光感度特性を示す。 【0011】 このように読み出し信号の分光感度特性が異なると、図23及び図24に示すように、例えば第1のCCDと第2のCCDでは、マトリックス回路を経ることで得られるRGB信号の分光感度特性も異なることとなる。 【0012】 画像に反映される実際の画像信号強度は、各RGB信号の分光感度特性に基づいて得られる。すなわち、画素(i,j)における信号X(XはRGBのいずれか)の強度をX(i,j)とすると、 【数1】
【0013】 で得られる。ここでE(λ)は、光源の分光放射輝度、赤外カットフィルタ及び集光レンズの分光透過率、内視鏡のライトガイドの分光透過率、照明レンズ及びCCD前面に設けられた対物レンズの分光透過率などを合わせた総合的な分光積を表し、Sx(λ)はCCDの分光感度に基づきマトリックス回路を経ることで算出される信号X(XはRGBのいずれか)の分光感度、O(i,j,λ)は被写体の分光反射率を示す。 【0014】 このため、上記分光積E(λ)及び被写体の分光反射率O(i,j,λ)が同一であっても、内視鏡に搭載したCCDの分光感度が異なってRGB信号の分光感度Sx(λ)が変わると、ホワイトバランス回路によってホワイトバランス処理しても、分光反射率が積分波長域で複雑に変化する生体粘膜を観察したときには、RGB信号の強度バランスが変わり、内視鏡毎に再現色調が異なる画質となるといった問題がある。 【0015】 本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、カラー撮像を行う同時式の内視鏡に用いて通常照明光による観察を行う際に、撮像素子の分光感度特性による影響を抑えて、所定の色調の画像を得ることのできる内視鏡装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0016】 本発明の内視鏡装置は、 内視鏡に搭載されたカラー撮像を行うための色分離用光学フィルタを設けた撮像手段からの出力信号に基づき映像信号を生成する信号処理を行う内視鏡装置において、 通常観察モードにおいて、RGBの可視光域の光を所定の光量を有する帯域幅に制限した離散的な帯域制限通常照明光を生成する帯域制限通常照明光生成手段 を備えて構成される。 【発明の効果】 【0017】 本発明によれば、カラー撮像を行う同時式の内視鏡に用いて通常照明光による観察を行う際に、撮像素子の分光感度特性による影響を抑えて、所定の色調の画像を得ることができるという効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。 【実施例1】 【0019】 図1ないし図17は本発明の実施例1に係わり、図1は内視鏡装置の構成を示す構成図、図2は図1のフィルタの構成を示す図、図3は図2の狭帯域用フィルタによるRGB光の分光特性の1例を示す図、図4は図2の帯域制限用フィルタによるRGB光の分光特性の1例を示す図、図5は第1のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R1(λ)、G1(λ)、B1(λ))と、従来同時式内視鏡システムの光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ec(λ)との分光積を示す図、図6は第2のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R2(λ)、G2(λ)、B2(λ))と、従来同時式内視鏡システムの光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ec(λ)との分光積を示す図、図7は図5のB信号における分光積を示す図、図8は図6のB信号における分光積を示す図、図9は第1のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R1(λ)、G1(λ)、B1(λ))と、図2の帯域制限用フィルタによる帯域制限通常照明光の分光強度特性の関係を示す図、図10は第2のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R2(λ)、G2(λ)、B2(λ))と、図2の帯域制限用フィルタによる帯域制限通常照明光の分光強度特性の関係を示す図、図11は第1のCCDに基づくB信号の分光感度(B1(λ))と、帯域制限用フィルタの分光感度特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図、図12は第2のCCDに基づくB信号の分光感度(B2(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図、図13は第1のCCDに基づくG信号の分光感度(G1(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図、図14は第2のCCDに基づくG信号の分光感度(G2(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図、図15は第1のCCDに基づくR信号の分光感度(R1(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図、図16は第2のCCDに基づくR信号の分光感度(R2(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図、図17は図1の内視鏡装置の変形例の構成を示す図である。 【0020】 図1に示すように実施例1の内視鏡装置1は、体腔内等に挿入され、内視鏡検査を行う電子内視鏡(以下、単に内視鏡と略記)2と、この内視鏡2に照明光を供給する光源装置3と、内視鏡2に内蔵された撮像手段を駆動すると共に、撮像手段の出力信号に対する信号処理を行う内視鏡用映像信号処理装置としてのビデオプロセッサ4と、このビデオプロセッサ4から出力される映像信号が入力されることにより、撮像手段により撮像した内視鏡画像を表示するモニタ5とを備えている。 【0021】 内視鏡2は、細長の挿入部7と、この挿入部7の後端に設けられた操作部8と、この操作部8から延出されたユニバーサルケーブル9とを有し、このユニバーサルケーブル9の端部のライトガイドコネクタ11は、光源装置3に着脱自在に接続され、信号コネクタは、ビデオプロセッサ4に着脱自在に接続される。 【0022】 上記挿入部7内には、照明光を伝送するライトガイド13が挿通され、このライトガイド13における手元側の端部のライトガイドコネクタ11を光源装置3に接続することにより、光源装置3からの照明光がライトガイド13に供給される。 【0023】 光源装置3は、通常光観察モード時には、通常照明光としてのRGBの可視領域の照明光を通常観察に適した所定の帯域幅に制限したRGB光の帯域制限通常照明光(WLI)を発生して、ライトガイド13に供給し、狭帯域光観察モード時には、狭帯観察に適した狭帯域の照明光である狭帯域照明光(NBI)を発生して、ライトガイド13に供給する。 【0024】 通常光観察モードと狭帯域光観察モードの切替指示は、例えば内視鏡2の操作部8に設けたスコープスイッチ等によるモード切替スイッチ14により行うことができる。なお、モード切替スイッチ14は、内視鏡2に設けたスコープスイッチで構成する他に、フットスイッチにより構成しても良いし、ビデオプロセッサ4のフロントパネルに設けても良いし、図示しないキーボードにより構成する等しても良い。 【0025】 このモード切替スイッチ14による切替信号は、ビデオプロセッサ4内の制御回路15に入力され、切替信号が入力されると、この制御回路15は、光源装置3のフィルタ切替機構16を制御して、帯域制限通常照明光と、狭帯域照明光とを選択的に切り替える。 【0026】 また、この制御回路15は、光源装置3からライトガイド13に供給する照明光の切替制御に連動して、ビデオプロセッサ4内の映像信号処理系の特性を切り替える制御も行う。そして、モード切替スイッチ14による切替操作により、映像信号処理系の特性を切り替えることにより、通常光観察モードと狭帯域光観察モードとにそれぞれ適した信号処理を行えるようにしている。 【0027】 光源装置3は、照明光を発生するランプ20を内蔵し、このランプ20は、可視光領域を含む照明光を発生する。この照明光は、赤外カットフィルタ21により赤外光がカットされた後、絞り22に入射される。この絞り22は、絞り駆動回路23により、開口量が調整されてその通過光量が制御される。 【0028】 この絞り22を通過した照明光は、フィルタ切替機構16により照明光路中のフィルタ24を介し、図2に示すように、該フィルタ24の狭帯域用フィルタ24aを通して(狭帯域光観察モード時)、或いは該フィルタ24の帯域制限通常照明光生成手段としての帯域制限用フィルタ24bを通して(通常光観察モード時)、集光レンズ25に入射され、この集光レンズ25により集光されてライトガイド13の手元側の端面、つまり入射端面に入射される。 【0029】 図3は、狭帯域用フィルタ24aによるRGB光の分光特性の1例を示す。この狭帯域用フィルタ24aは、3峰性フィルタ特性を示し、例えば、赤、緑、青の各波長域において、それぞれ狭帯域透過フィルタ特性部Ra,Ga,Baを有する。 【0030】 より具体的には、例えば狭帯域透過フィルタ特性部Ra,Ga,Baは、それぞれ中心波長が630nm、540nm、420nmであり、その半値幅λ0が20〜40nmのバンドパス特性を有する。 【0031】 従って、狭帯域用フィルタ24aが照明光路中に配置された場合には、この狭帯域透過フィルタ特性部Ra,Ga,Baを透過した3バンドの狭帯域照明光がライトガイド13に入射される。 【0032】 図4は、帯域制限用フィルタ24bによるRGB光の分光特性の1例を示す。この帯域制限用フィルタ24bは、3峰性フィルタ特性を示し、例えば、赤、緑、青の各波長域において、それぞれ帯域制限透過フィルタ特性部Rb,Gb,Bbを有する。 【0033】 より具体的には、例えば帯域制限透過フィルタ特性部Rb,Gb,Bbは、それぞれ中心波長が630nm(半値幅λ1=30〜90nm)、540nm(半値幅λ2=20〜60nm)、440nm(半値幅λ3=50〜80nm)のバンドパス特性を有する。 【0034】 従って、帯域制限用フィルタ24bが照明光路中に配置された場合には、この帯域制限透過フィルタ特性部Rb,Gb,Bbを透過した3バンドの帯域制限通常照明光がライトガイド13に入射される。 【0035】 ライトガイド13からの照明光は、ライトガイド13によりその先端面に伝送され、挿入部7の先端部26に設けた照明窓に取り付けた照明レンズ27を経て外部に出射され、体腔内の患部等の生体組織の表面を照明する。 【0036】 先端部26には、照明窓に隣接して観察窓が設けてあり、この観察窓には対物レンズ28が取り付けられている。この対物レンズ28は、生体組織からの反射光による光学像を結像する。この対物レンズ28の結像位置には、固体撮像素子として電荷結合素子(CCDと略記)29が配置されており、このCCD29により光電変換される。 【0037】 このCCD29の撮像面には、光学的に色分離する色分離フィルタ30として例えば補色系フィルタ(図18参照)が各画素単位で取り付けてある。 【0038】 この補色系フィルタは、各画素の前に、マゼンタ(Mg)、グリーン(G)、シアン(Cy)、イエロ(Ye)の4色のカラーチップが、水平方向には、MgとGとが交互に配置され、縦方向には、Mg、Cy、Mg、YeとG、Ye、G、Cyとの配列順で、それぞれ配置されている。 【0039】 そして、この補色系フィルタを用いたCCD29の場合、縦方向に隣接する2列の画素を加算して順次読み出すが、このとき奇数フィールドと偶数フィールドで画素の列をずらして読み出すようにする。そして、後段側での色分離回路により、公知のように輝度信号と色差信号とが生成されることになる。 【0040】 上記CCD29は、信号線の一端と接続されており、この信号線の他端が接続された信号コネクタをビデオプロセッサ4に接続することにより、ビデオプロセッサ4内のCCD駆動回路31とCDS回路32とに接続される。 【0041】 なお、各内視鏡2は、その内視鏡2に固有の識別情報(ID)を発生するID発生部33を備え、ID発生部33によるIDは、制御回路15に入力され、制御回路15は、IDによりビデオプロセッサ4に接続された内視鏡2の種類やその内視鏡2の内蔵されたCCD29の画素数種類等を識別する。 【0042】 そして、識別した内視鏡2のCCD29を適切に駆動するように制御回路15は、CCD駆動回路31を制御する。 【0043】 CCD29は、CCD駆動回路31からのCCD駆動信号の印加により、光電変換された撮像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS回路と略記)32に入力される。CDS回路32により、撮像信号から信号成分が抽出されてベースバンドの信号に変換された後、A/D変換回路34に入力され、デジタル信号に変換されると共に、明るさ検波回路35に入力され、明るさ(信号の平均輝度)が検出される。 明るさ検波回路35により検出された明るさ信号は、調光回路36に入力され、基準の明るさ(調光の目標値)との差分により調光するための調光信号が生成される。この調光回路36からの調光信号は、絞り駆動回路23に入力され、基準となる明るさとなるように絞り22の開口量が調整される。 【0044】 A/D変換回路34から出力されるデジタル信号は、オートゲインコントローラ(AGCと略記)50にてゲイン調整がなされた後、Y/C分離回路37に入力され、輝度信号Yと(広義の色信号Cとしての)線順次の色差信号Cr(=2R−G),Cb(=2B−G)が生成される。なお、AGC50では、帯域制限用フィルタ24bによる帯域制限のために通常観察時の光量が不足した場合に生じる信号レベルの低下を補って信号レベルが所定レベルとなるようにゲイン調整をする。 【0045】 輝度信号Yは、セレクタ39に入力される(この輝度信号をYhと記す)と共に、信号の通過帯域を制限する第1のローパスフィルタ(LPFと略記)41に入力される。 【0046】 このLPF41は、輝度信号Yに対応して広い通過帯域に設定されており、このLPF41の通過帯域特性により設定された帯域の輝度信号Ylが、第1マトリクス回路42に入力される。 【0047】 また、色差信号Cr,Cbは、信号の通過帯域を制限する第2のLPF43を介して同時化回路44に入力される。 【0048】 この場合、第2のLPF43は、制御回路15により、観察モードに応じてその通過帯域特性が変更される。具体的には、通常光観察モード時には、第2のLPF43は、第1のLPF49より低帯域に設定される。 【0049】 一方、狭帯域光観察モード時には、第2のLPF43は、通常光観察モード時における低帯域よりも広い帯域に変更される。例えば第2のLPF43は、第1のLPF41とほぼ同様に広帯域に設定(変更)される。このように第2のLPF43は、観察モードの切替に連動して、色差信号Cr,Cbに対する通過帯域制限する処理特性を変更する処理特性変更手段を形成している。 【0050】 同時化回路44は、ライン毎に交互に得られる色差信号Cr,Cbを同時化し、同時化された色差信号Cr,Cbは第1マトリクス回路42に入力される。 【0051】 第1マトリクス回路42は、輝度信号Y及び色差信号Cr,Cbから3原色信号R,G,Bに変換して、ホワイトバランス&γ補正回路(WB&γと略記)45に出力する。 【0052】 また、この第1マトリクス回路42は、制御回路15によって制御され、狭帯域用フィルタ24aの特性や帯域制限用フィルタ24bの特性に応じて(変換特性を決定する)マトリクス係数の値を変更して、混色の無い或いは混色を殆ど解消した信号R1,G1,B1に変換する。 【0053】 WB&γ45によりホワイトバランス処理及びγ補正処理が施された信号R2,G2,B2は、第2マトリクス回路46に入力され、この第2マトリクス回路46により、輝度信号Yと、色差信号R−Y、B−Yに変換される。 【0054】 この場合、制御回路15は、通常光観察モード時には、信号R2,G2,B2から輝度信号Yと、色差信号R−Y、B−Yに単に変換するように第2マトリクス回路46のマトリクス係数を設定する。 制御回路15は、狭帯域光観察モード時には、第2マトリクス回路46のマトリクス係数を通常光観察モード時の値から変更して、信号R2,G2,B2から特にB信号に対する比率(重み付け)を大きくした輝度信号Yに基づく色差信号R−Y、B−Yが生成されるようにする。すなわち、下式で得られる色差信号R−Y、B−Yが生成される。 【数2】
【0055】 ここで、M2は第2マトリクス回路46の行列(3行3列)、M3-1は第3マトリクス回路49で適用する行列M3の逆行列(3行3列)、行列M2’は通常観察モードの場合は行列Iを、狭帯域観察の場合は行列Kをとり、Iは単位行列(3行3列)を表し、m12、m23、m33は実数である。 【0056】 第2マトリクス回路46から出力される色差信号R−Y、B−Yは、Y/C分離回路37から出力されγ補正回路51を介した輝度信号Yhと共に、拡大回路47に入力される。 【0057】 この拡大回路47により拡大処理された輝度信号Yhは、強調回路48により輪郭強調された後、第3マトリクス回路49に入力され、拡大回路47により拡大処理された色差信号R−Y,B−Yは、第3マトリクス回路49に入力される。 【0058】 γ補正回路51は、制御回路15により制御され、WB&γ45と連動しγ補正している。具体的には、狭帯域光観察モード時には、通常光観察モード時よりも低輝度に対する補正値を小さく、かつ高輝度に対する補正値を大きくしたγ補正特性に変更される。これにより、コントラストが強調され、より識別し易い表示特性となる。 【0059】 拡大回路47を介した色差信号R−Y,B−Yは、強調回路48を通さないで第3マトリクス回路49に入力される。 【0060】 そして、第3マトリクス回路49により信号R,G,Bに変換された後、図示しないD/A変換回路によりアナログの映像信号に変換されて映像信号出力端からモニタ5に出力される。 【0061】 異なるCCDでは、図19及び図21に示したように補色系フィルタの分光特性が異なるため、RGB信号は図23及び図24に示したように分光特性が異なる。 【0062】 従来の同時式内視鏡システムでは、図22に示したような分光強度特性を有する通常照明光が照射されるため、CCDの分光感度特性と通常照明光の分光感度特性の関係(図23及び図24参照)から分かるように、CCDの分光感度特性と、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ec(λ)との分光積(式(1)におけるE(λ)・Sx(λ))の分光分布は、図5及び図6に示すように、CCDの分光感度の分布とほとんど変わらない。なお、図5等の縦軸は任意単位(a.u.=arbitrary unit)で示している。 【0063】 したがって、第1のCCDと第2のCCDとでは、前述の分光積の分光分布が大きく異なったままで、被写体の分光反射率との分光積を積分することで得られるRGB信号の強度は、CCDによって異なる。 【0064】 例えばB信号を一例に説明すると、CCDに基づくB信号の分光感度の分光積の特性は、図7及び図8に示すように、同じ生体粘膜を被写体としても、第1のCCDと第2のCCDで異なり、B信号の強度がCCDによって異なることとなる。 【0065】 これに対して本実施例では、図9及び図10に示すように、CCDの分光感度特性と帯域制限通常照明光の分光強度特性の関係からわかるように、CCDに基づくRGB信号の分光感度特性と、帯域制限用フィルタ24bの分光透過率特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積の分光分布は、B信号を一例に説明すると、図11及び図12に示すように、帯域制限用フィルタ24bによって制限された帯域内での変化に留まるため、CCDの分光感度の違いを抑制することができる。このため、分光積Ew(λ)との分光積の積分値が、第1のCCDと第2のCCDで略同一となり、B信号の強度はCCD間で略同等とすることができる。 【0066】 なお、G信号及びR信号についても、図13ないし図16に示すように、帯域制限用フィルタ24bによって制限された帯域内での変化に留まるため、同様にCCDの分光感度の違いを抑制することができる。 【0067】 このように本実施例では、照射する照明光を補色系フィルタの分光特性の共通分光成分の帯域に制限しているので、分光積の積分値は略同一となり、得られる通常画像の色調等の画質をCCDの分光特性に左右することなく、安定した画質に保つことが可能となる。なお原色フィルタのCCDにも適用可能である。 【0068】 なお、本実施例では、光源装置を備え、光源装置においてフィルタ24を切り替えることで帯域制限通常照明光及び狭帯域照明光をライトガイド13を介して被写体に照射するとしたが、これに限らず、例えば図17に示すように、操作部8にLEDユニット100を設け、このLEDユニット100に搭載された帯域制限通常照明光を発光する帯域制限通常照明光生成手段としてのLED(Rwli−LED100r,Gwli−LED100g,Bwli−LED100b)と、狭帯域照明光を発光するLED(Rnbi−LED101r,Gnbi−LED101g,Bnbi−LED101b)との出射光を共通のライトガイド13により照明レンズ27に導光することにより被写体を照射し、CCD29にて撮像するようにしても本実施例と同様な作用及び効果を得ることができる。 【0069】 本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。 【図面の簡単な説明】 【0070】 【図1】本発明の実施例1に係る内視鏡装置の構成を示す構成図 【図2】図1のフィルタの構成を示す図 【図3】図2の狭帯域用フィルタによるRGB光の分光特性の1例を示す図 【図4】図2の帯域制限用フィルタによるRGB光の分光特性の1例を示す図 【図5】第1のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R1(λ)、G1(λ)、B1(λ))と、従来同時式内視鏡システムの光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ec(λ)との分光積を示す図 【図6】第2のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R2(λ)、G2(λ)、B2(λ))と、従来同時式内視鏡システムの光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ec(λ)との分光積を示す図 【図7】図5のB信号における分光積を示す図 【図8】図6のB信号における分光積を示す図 【図9】第1のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R1(λ)、G1(λ)、B1(λ))と、図2の帯域制限用フィルタによる帯域制限通常照明光の分光強度特性の関係を示す図 【図10】第2のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R2(λ)、G2(λ)、B2(λ))と、図2の帯域制限用フィルタによる帯域制限通常照明光の分光強度特性の関係を示す図 【図11】第1のCCDに基づくB信号の分光感度(B1(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図 【図12】第2のCCDに基づくB信号の分光感度(B2(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図 【図13】第1のCCDに基づくG信号の分光感度(G1(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図 【図14】第2のCCDに基づくG信号の分光感度(G2(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図、図15は、図16は、図17は 【図15】第1のCCDに基づくR信号の分光感度(R1(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図 【図16】第2のCCDに基づくR信号の分光感度(R2(λ))と、帯域制限用フィルタの分光透過特性を含む、光源から内視鏡の対物光学系までの系における総合的な分光積Ew(λ)との分光積を示す図 【図17】図1の内視鏡装置の変形例の構成を示す図 【図18】従来の補色系フィルタの構成を示す図 【図19】図18の補色系フィルタの読み出し信号の分光特性を示す第1の図 【図20】図19の読み出し信号基づく輝度信号及び色差信号分光特性を示す図 【図21】図18の補色系フィルタの読み出し信号の分光特性を示す第2の図 【図22】従来同時式内視鏡システムにおける、内視鏡先端からの通常照明光の分光特性を示す図 【図23】第1のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R1(λ)、G1(λ)、B1(λ))と、従来同時式内視鏡システムにおける、内視鏡先端からの通常照明光の分光強度特性の関係を示す図 【図24】第2のCCDに基づくRGB信号の分光感度(R2(λ)、G2(λ)、B2(λ))と、従来同時式内視鏡システムにおける、内視鏡先端からの通常照明光の分光強度特性の関係を示す図 【符号の説明】 【0071】 1…内視鏡装置 2…(電子)内視鏡 3…光源装置 4…ビデオプロセッサ 5…モニタ 7…挿入部 8…操作部 11…ライトガイドコネクタ 13…ライトガイド 14…モード切替スイッチ 15…制御回路 16…フィルタ切替機構 20…ランプ 22…絞り 23…絞り駆動回路 24…フィルタ 24a…狭帯域用フィルタ 24b…帯域制限用フィルタ 28…対物レンズ 29…CCD 30…色分離フィルタ 31…CCD駆動回路 32…CDS回路 33…ID発生回路 34…A/D変換回路 35…明るさ検波回路 36…調光回路 37…Y/C分離回路 41、43…LPF 42、46…マトリクス回路 44…同時化回路 45…WB&γ 47…拡大回路 50…AGC 51…γ補正回路
|
| 【出願人】 |
【識別番号】304050923 【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年8月3日(2006.8.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
|
| 【公開番号】 |
特開2008−36035(P2008−36035A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−212561(P2006−212561) |
|