| 【発明の名称】 |
X線断層撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】リ シンレイ
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| 【要約】 |
【課題】広い範囲でガントリ回転部の回転バランスを調整することができ、且つ簡易な制御ができるX線断層撮影装置を提供する。
【構成】X線断層撮影装置100は、X線管102と該X線管からのX線を検出するX線検出器104とを有する回転部130と、回転部に配置され円周方向に移動可能な少なくとも2つの質量体(M1、M2)と、少なくとも2つの質量体を移動させる駆動部72と、回転部の振動を測定するセンサ(S)と、センサの出力に基づいて質量体を移動させるため駆動部を制御する制御部137とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線管と該X線管からのX線を検出するX線検出器とを有する回転部と、 前記回転部に配置され、円周方向に移動可能な少なくとも2つの質量体と、 前記少なくとも2つの質量体を移動させる駆動部と、 前記回転部の振動を測定するセンサと、 前記センサの出力に基づいて、前記質量体を移動させるため駆動部を制御する制御部と を備えたことを特徴とするX線断層撮影装置。 【請求項2】 前記質量体が円周方向に移動する半径は、第一半径と該第一半径とは異なる第二半径とを有することを特徴とする請求項1に記載のX線断層撮影装置。 【請求項3】 少なくとも前記X線管または前記X線検出器を前記回転部に装着する際に、前記少なくとも2つの質量体の基準位置を定めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線断層撮影装置。 【請求項4】 前記制御部は、前記センサの出力に基づいて前記回転部が共振状態と判断したときには、前記質量体の移動量を演算することなく、所定量だけ前記質量体を移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のX線断層撮影装置。 【請求項5】 前記制御部は、前記センサの出力に基づいて前記質量体の移動量を演算し、前記駆動部により演算された移動量だけ前記質量体を移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のX線断層撮影装置。 【請求項6】 前記回転部を支える二本の支柱を備え、 前記センサは、第一方向の振動を検出する第一センサおよび前記第一方向と直交する第二方向の振動を検出する第二センサとを含み、前記第一センサおよび前記第二センサがそれぞれ二本の支柱に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のX線断層撮影装置。 【請求項7】 前記質量体は、リニアモータ装置の移動子として固定子に対して移動する請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のX線断層撮影装置。 【請求項8】 前記少なくとも2つの質量体の重量が異なることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のX線断層撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、被検体である患者の周囲からX線、たとえばX線を照射して得られた投影データを処理することで被検体の断層撮像を行うX線CT(Computed Tomography)装置に関する。特に、ガントリ (gantry) 回転部のバランスを向上させるX線断層撮影に関する。 【背景技術】 【0002】 X線断層撮影装置は、ガントリ回転部にX線管および多列X線検出器を備えている。ガントリ回転部にアンバランス(unbalance)があると、ガントリ回転部が回転した際、振動が発生し、画質に大きな影響がある。このため、ガントリ製造時や、ガントリ回転部内の部品(たとえば、X線管または多列X線検出器)を交換した際には、ガントリ回転部の回転バランスの調整が行なわれる。 【0003】 一方、ガントリ回転部を高速回転させ、被検体の検査時間を短縮することが要望されている。ガントリ回転部に作用する遠心力は、ガントリ回転部の回転速度(角速度)の二乗に比例する。たとえば、ガントリ回転部の回転速度を2倍にすると遠心力は4倍になり、振動を現在の程度に抑えるためには、ガントリ回転部のアンバランス量を1/4倍にするか、ガントリ回転部の剛性を今の4倍にする必要がある。 【0004】 ガントリ回転部の剛性をあげると、装置が大型化しコストも上がるので、ガントリ回転部のアンバランス量を少なくすることが望ましい。ガントリ回転部の回転バランスを調整する方法として、特許文献1または特許文献2に開示されるような方法が用いられている。 【特許文献1】米国特許6,550,317号公報 【特許文献2】米国特許6,748,806号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1の発明は、ガントリ回転部の静的(Static)な回転バランスを調整する方法である。しかし、特許文献1で開示する方法は、小さな質量体(以下、マスと呼ぶこともある。)の配置を繰り返し行わなくてはいけないので、時間がかかる作業となる。また、動的な回転バランスの変化に対応できない。 【0006】 特許文献2の発明は、動的(Dynamic)な回転バランスを調整する方法で、少なくとも2つのマスをガントリ回転部の中心から放射方向に移動させる方法である。この発明は、特許文献1の問題点は解決できる。しかし、特許文献2で開示する方法は、2つのマスだけでは、狭い範囲でしか回転バランスを調整することができず、広い範囲で回転バランスを調整しようとすると3以上のマスが必要で複雑な制御が必要となる。 【0007】 そこで本発明は、広い範囲でガントリ回転部の回転バランスを調整することができ、且つ簡易な制御ができるX線断層撮影装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 第1の観点のX線断層撮影装置は、X線管と該X線管からのX線を検出するX線検出器とを有する回転部と、回転部に配置され、円周方向に移動可能な少なくとも2つの質量体と、少なくとも2つの質量体を移動させる駆動部と、回転部の振動を測定するセンサと、センサの出力に基づいて質量体を移動させるため駆動部を制御する制御部とを備える。 この構成により、回転部の重心の変心を少なくなくなるように質量体を移動させることができる。米国特許6,748,806号公報ではガントリ回転部の中心から放射方向に質量体を移動させていたが、同じ半径に配置された質量体を放射方向に一定量移動させるときと、円周方向に一定量移動させるときとを比較すると、円周方向に移動させた方が約1.41倍重心を変心させることができる。すなわち小さな質量体で重心を変心させることが可能となる。 【0009】 第2の観点のX線断層撮影装置は、質量体が円周方向に移動する半径は、第一半径と該第一半径とは異なる第二半径とを有する。 互いに異なる半径を有する第一半径と第二半径とに質量体が設けられているため、微調整の場合には半径の小さな方の質量体を移動させ、粗調整の場合には半径の大きい方の質量体を移動させるなど、粗調整および微調整が容易にできる。 【0010】 第3の観点のX線断層撮影装置は、少なくともX線管またはX線検出器を回転部に装着する際に、少なくとも2つの質量体の基準位置を定める。 回転部にX線管などを装着する際には、そのX線管の重量などを計算して回転部の重心が回転中心に近くなるように質量体の基準位置を定める。それから回転部を回転させてセンサにより回転部の振動を測定する。そうすれば、回転部が共振してX線断層撮影装置に被害を与えるような故障となることがない。 【0011】 第4の観点の制御部は、センサの出力に基づいて回転部が共振状態と判断したときには、質量体の移動量を演算することなく所定量だけ質量体を移動させる。 回転部の共振状態が続くと、回転部を含むX線断層撮影装置に故障などの被害が生じる可能性が高くなる。このため、迅速に共振状態から脱するために、共振状態と判断したら質量体の移動量を計算することなくすぐに所定量だけ質量体を移動させて共振状態から即刻脱する。そうすれば、回転部が共振してX線断層撮影装置に被害を与えるような故障となることがない。 【0012】 第5の観点の制御部は、センサの出力に基づいて質量体の移動量を演算し、駆動部により演算された移動量だけ質量体を移動させる。 質量体が演算された移動量だけ移動すれば、重心の変心が回転中心に近づき許容範囲に入ることとなる。これで、回転部の回転速度が速くなっても振動が小さいままである。 【0013】 第6の観点のX線断層撮影装置は、回転部を支える二本の支柱を備え、センサは、第一方向の振動を検出する第一センサおよび第一方向と直交する第二方向の振動を検出する第二センサとを含み、第一センサおよび第二センサがそれぞれ二本の支柱に設けられている。 回転部の振動を測定するセンサの配置によって、振動の検出が大きく変わる。本観点では支柱の一本に第一センサが取り付けられ第一方向の振動を検出し、他の支柱に第二センサが取り付けられ第二方向の振動を検出する。これで、回転部の重心の変心が計算しやすくなる。 【0014】 第7の観点のX線断層撮影装置は、質量体は、リニアモータ装置の移動子として固定子に対して移動する。 リニアモータ装置はレスポンスもよく、また、移動体を構成する永久磁石またはコイルがそのまま質量体として使用できる。このため、重心の変心を小さくするための質量体としては最適である。 【0015】 第8の観点のX線断層撮影装置は、少なくとも2つの質量体の重量が異なる。 少なくとも質量体の重量が異なるため、微調整の場合には軽い方の質量体を移動させ、粗調整の場合には重い方の質量体を移動させるなど、粗調整および微調整が容易にできる。 【発明の効果】 【0016】 本発明のX線断層撮影装置は、円周方向にマスを移動させることは広い範囲で回転バランスを調整することができ、且つ簡易な制御で重心の変心を小さくすることができるという利点がある。特に、マスが円周方向に移動する半径や、複数のマス自体の重量をそれぞれ異ならせることで、微調整と粗調整とが容易にできるようになる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 <X線CT装置100の全体構成> 図1は、実施形態におけるX線CT装置100の構成を示す図である。大別して、本装置は、被検体を載置するクレードル111と、被検体へのX線照射と被検体を透過したX線を検出するためのガントリ101と、ガントリ101から転送されてきたデータに基づいてX線断層像を再構成し、出力して表示する操作コンソール50により構成されている。 【0018】 ガントリ101は、その全体の制御を行うCT制御部140を備えており、以下に説明する各種装置が接続されている。 【0019】 ガントリ101の内部には、X線発生源であるX線管102、X線管102に接続されたX線管コントローラ103、X線の照射範囲を制限するための開口を有するコリメータ120、コリメータ120の開口幅を調整するための開口制御モータ121および開口制御モータ121を駆動する開口制御モータドライバ122が設けられている。コリメータ120を通過したX線は、そのコリメータ120によるX線照射範囲の制限によって、ガントリ101の回転方向に沿うコーン状のX線ビーム、つまりコーンビームを形成する。被検体はクレードル111上に横たえられた状態で被検体の体軸方向つまりZ軸方向に、クレードルモータ112によって移動される。このクレードルモータ112はクレードルモータドライバ113によって駆動される。 【0020】 また、ガントリ101の内部には、通常60°前後のファン角に依存した長さにわたる複数の検出器がエレメント方向、つまりZ軸方向に多数列に並んだ検出チャンネルを有する多列X線検出器104が設けられている。多列X線検出器104は、たとえばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせによって構成される。 【0021】 ガントリ101は、検出チャンネルの出力を投影データとして収集する複数のデータ収集部(DAS:Data Acquisition System)105を備える。データ収集部105は、1個または複数(たとえば4個,8個,16個または32個)から構成され、多列X線検出器104に接続されている。たとえば、一般に4DASと呼ばれる4個のデータ収集部105を有しているものは、エレメント方向に並んだ4列の検出チャンネルからなり、X線管102が一回転する間にスライス画像を4枚取得することができる。X線管102と多列X線検出器104とは、互いに空洞部を挟んで、すなわち、被検体を挟んで対向する位置に設けられている。 【0022】 X線管102と多列X線検出器104とは、対向する位置関係が維持された状態で被検体の周りを回転するようにガントリ回転部130に設けられている。ガントリ回転部130には回転モータ131および回転モータドライバ132が接続されており、ガントリ回転部130は、回転モータドライバ132により、たとえば約0.3秒から1.0秒で一回転するように制御されている。ガントリ回転部130の周辺に、センサSが取り付けられており、ガントリ回転部130の振動を検出する。また、ガントリ回転部130内部に取り付けられたアクチュエータMが、アクチュエータ制御部137により、駆動するようになっている。 【0023】 CT制御部140は、操作コンソール50と互いに通信を行うように接続されている。操作コンソール50の指令に基づいて、X線管コントローラ103、クレードルモータドライバ113、開口制御モータドライバ122、回転モータドライバ132、アクチュエータ制御部137およびデータ収集部105に対し、各種制御信号を出力することになる。データ収集部105で収集されたデータは、操作コンソール50に送出され、画像の再構成が行われる。 【0024】 なお、X線CT装置100は、360°分の投影データからの再構成を前提としたフルスキャンモードと、180°+ファン角分の投影データからの再構成を前提としたハーフスキャンモードとを用意し、ユーザが任意に選択できるようになっている。 【0025】 操作コンソール50は、いわゆるワークステーションであり、図示するように、ブートプログラム等を記憶しているROM52、主記憶装置として機能するRAM53をはじめ装置全体の制御を行うCPU54を備える。 【0026】 ハードディスク装置51は、ここにオペレーティングシステムのほか、ガントリ101に各種指示を与えたり、ガントリ101より受信したデータに基づいてX線断層像を再構成したり、表示したりするための画像処理プログラムが格納されている。また、VRAM55は表示しようとするイメージデータを展開するメモリであり、イメージデータ等を展開することでモニター56に表示させることができる。各種操作は、キーボード57およびマウス58で行う。 【0027】 <ガントリ101内部の構成> 図2は、ガントリ101内部を拡大した断面図である。床上に置かれたベース81上には回転球82が設けられている。回転球82上に、前後方向に傾斜可能なサブベース83が設けられている。回転モータ131(図1参照)がガントリ101内に設けられ、ガントリ回転部130はベアリング90を介して回転可能になっている。回転モータ131が回転すると、不図示のベルトを介して回転がガントリ回転部130に伝えられ、ガントリ回転部130が回転する。ガントリ回転部130内には、リニアモータ装置の固定子であるレール72と質量体としてリニアモータ装置の移動子である自走カウンタ荷重M(図3を参照)、X線管102、コリメータ120、およびX線検出部104が備えられている。 【0028】 ガントリ回転部130にはさらに、回転電極としての役割を果たすスリップリング135が取り付けられている。スリップリング135は、径の異なるリングが複数個、同心円状に取り付けられた円環状の導電体である。そして、このスリップリング135には、導電体であって静止電極としての役割を果たす板バネ形状のブラシがそのバネ力を利用して押圧接触している。これによってガントリ回転部130に内蔵されているリニアモータ装置、またはX線管102、開口制御モータ121等への給電が行われる。また、X線検出部104からのX線の検出信号がスリップリング135を介してCT制御部140へ送られる。 【0029】 <ガントリ回転部130のバランス調整> <<実施例1>> 図3は、X線CT装置100のガントリ回転部130をXY平面で示した実施例1の概念図である。図3では、X線管102などは記載していない。このガントリ回転部130には、ガントリ回転部130の回転中心Oに中心をとした半径r1の円環状のリングレール72が取り付けられている。そして、リングレール72に沿って、自走カウンタ荷重M1、M2、M3およびM4が取り付けられている。 【0030】 リングレール72と自走カウンタ荷重M1〜M4は、リニアモータ装置を構成している。リングレール72には、電流を流すことでN極S極を切り替えることができる複数のコイルが円周方向に配置されている。つまり、リングレール72はリニアモータ装置の固定子となる。自走カウンタ荷重M1〜M4はN極がコイル側に向いた永久磁石とS極がコイル側に向いた永久磁石とが交互に配置されている。つまり、自走カウンタ荷重M1〜M4はリニアモータ装置の移動子となる。そしてコイルの電流を切り替えることによりコイルに磁界(N極、S極)が発生し、自走カウンタ荷重M1〜M4の永久磁石との間の吸引・反発の力で所定方向に所定速度で移動する。自走カウンタ荷重M1〜M4には特にマスを設けなくても、永久磁石の自重だけでもよい。 【0031】 リングレール72に、N極とS極とが自走カウンタ荷重M1〜M4側に向いた永久磁石を交互に配置し、自走カウンタ荷重M1〜M4にN極S極を切り替えることができる複数のコイルを配置してもよい。この場合には、自走するカウンタ荷重M1〜M4へのコイルへの給電用の配線処理が難しい。カウンタ荷重M1〜M4には特におもりを追加しなくても、コイルの自重だけでよい。 【0032】 ガントリ回転部130を支える支柱139には、ガントリ回転部130の振動を検出する加速度センサS1および加速度センサS2が設置されている。加速度センサS1は、たとえばX軸方向の変位を検出し、加速度センサS2はY軸方向の変位を検出する。加速度センサS1またはS2は、静電方式またはジャイロ方式のセンサが適用できる。加速度センサ以外には、レーザ変位計のような非接触型変位計などの変位センサまたは、伸縮を測定する歪センサでもよい。 【0033】 図4は、ガントリ回転部130の回転バランスの調整方法を示す説明図である。図4に示すように、まず、回転中心Oを挟んでX線管102の対称な位置に、自走カウンタ荷重M3およびM4を移動させる。通常、X線管102およびコリメータ120が備えられる部分が重いため、ガントリ回転部130の重心がX線管102側に寄っているからである。また、自走カウンタ荷重M1およびM2は、X線管102の位置からプラス90度とマイナス90度の位置に配置させる。図4では、X線管102およびコリメータ120による重心の変心が、設計上、自走カウンタ荷重M3およびM4が、回転中心Oを挟んでX線管102の対称な位置まで行けば補正されるからである。もちろん、設計段階で、回転中心Oから重心がどれくらいどの方向に変心しているかが求まっていれば、自走カウンタ荷重M1〜M4をその設計に従って移動させる。 【0034】 そして、ガントリ回転部130は回転モータドライバ132を介して回転モータ131により所定速度で回転する。そして加速度センサS1および加速度センサS2でガントリ回転部130の振動データを収集し、周期的振動のピークの位相と極性とを調べて、重心CMの変心量を算出する。ここで加速度センサS1および加速度センサS2から重心CMの変心量を算出する。 【0035】 加速度センサS1はX軸方向の加速度を検出する。加速度センサS2はY軸方向の加速度を検出する。このとき以下の式が成立する。 Acc(S1)=K1*e*ω2*cos(α0+θ) Acc(S2)=K2*e*ω2*sin(α0+θ) θ=ω*t ここで、K1とK2とは、1より小さな伝達係数であり、回転部材とチルト部材およびベアリングなどの重量比で決まる未知数である。 eは回転中心Oから重心CMまでの距離であり未知数である。 α0は、ガントリ回転部130の角度位置から重心CMの位置までの角度であり未知数である。 θは、加速度センサS1およびS2を結ぶ軸(図4ではX軸と一致)からガントリ回転部130の角度であり既知である。 ωは角速度であり既知である。 【0036】 加速度センサS1および加速度センサS2の出力を、サンプル時間t1、t2 … tnごとに読み取り、上記式を解法すれば未知数を求めることができる。サンプル時間ごとの加速度センサS1および加速度センサS2の出力から、eとα0の平均値を求める。こうすることでガントリ回転部103の重心CMの変心位置を決定することができる。 【0037】 <バランス調整の動作> 次に、図5に示すフローチャートを使ってバランス調整の動作説明を行う。 ステップC31において、まず加速度センサS1および加速度センサS2が故障していないかなどのチェックを行う。また、自走カウンタ荷重M1ないしM4が移動可能か否かをチェックする。 【0038】 ステップC32では、自走カウンタ荷重M1ないし自走カウンタ荷重M4を初期位置に移動を行う。初期位置は、図4で説明したように、自走カウンタ荷重M3およびM4が回転中心Oを挟んでX線管102の対称な位置に移動した位置である。 ステップC33では、自走カウンタ荷重M1ないし自走カウンタ荷重M4の移動量の演算回数を確認するため、演算回数C=1に初期化する。 【0039】 ステップC34では、ガントリ回転部130は回転モータ131により所定速度で回転する。回転速度は速い方が加速度センサS1および加速度センサS2の検出が容易にできる。しかし、ガントリ回転部130が急に共振状態になり、故障しないように最大速度で回転させる必要はない。 【0040】 ステップC35では、加速度センサS1およびS2の出力を、時間t1、t2 … tnごとに読み取る。 ステップC36では、一定周期の強い振動が加速度センサS1およびS2で読み取られたら、共振状態であると即座に判断する。共振状態でなければステップC38に進み、共振状態であればステップC37へ進む。 【0041】 ステップC37では、共振状態を脱するため、自走カウンタ荷重M1からM4までの少なくとも一つの自走カウンタ荷重を一定距離だけ動かす。一定距離とは演算して求めるものでは無く、予め定められた10cmなどの距離である。ステップC37を経ると、再びステップC35へ進み、共振状態から脱するようにする。 【0042】 ステップC38では、図4で説明したように、加速度センサS1およびS2の出力からガントリ回転部130の重心CMの変心量を算出する。 ステップC39では、重心CMの変心量が閾値よりも小さいか否かを判断する。閾値は、CTスキャン撮影の際のガントリ回転部130の最高回転速度などを考慮して定める。重心CMの変心量が閾値よりも小さければステップC42に進み、重心CMの変心量が閾値よりも小さくなければステップC40へ進む。 【0043】 ステップC40では、自走カウンタ荷重M1ないし自走カウンタ荷重M4の移動量の演算回数Cが、所定回数Pより大きいか否かを判断する。演算回数Cが所定回数Pより大きければステップC44に進み、演算回数Cが所定回数Pより大きくなければステップC41へ進む。 【0044】 ステップC41では、各自走カウンタ荷重Mの移動量を演算し、アクチュエータ制御部137により自走カウンタ荷重Mがその移動量を移動する。理論的には、自走カウンタ荷重M1ないし自走カウンタ荷重M4の移動により、重心CMの変心量が閾値よりも小さくなるはずである。そのため、ここで動作を終了させてもよいが、確認のため、ステップC35へ進み、加速度センサS1およびS2の出力を読み取り、再度実際のガントリ回転部130の回転状態を確認する。 【0045】 ステップC42では、重心CMの変心量が閾値よりも小さいので、自走カウンタ荷重M1ないし自走カウンタ荷重M4をロックさせる。具体的にはリニアモータ装置の向かい合う移動子の極と固定子の極を異ならせればよい。 【0046】 ステップC43では、画像再構成などのためガントリ回転部130の状態を操作コンソール50に送る。X線管102の焦点変動は、投影データから画像再構成する際には重要である。このため、重心CMの変心量が閾値より小さくなった状態であってもセンサからの求められる振動状態を操作コンソール50に送ることで、X線管102の焦点変動を考慮した画像再構成を行うことができる。 ステップC44では、演算回数Cが所定回数Pより大きいのでガントリ回転部130の回転を停止する。そしてエラ−ログを操作コンソール50に送る。自走カウンタ荷重M1ないし自走カウンタ荷重M4を所定回数Pまで移動させても、ガントリ回転部130の重心CMの変心量が小さくならないのは、ベアリング90が故障しているとか、ガントリ回転部130内の部品が故障している可能性があるからである。 【0047】 <<実施例2>> 図6は、X線CT装置100のガントリ回転部130をXY平面で示した実施例2の概念図である。図6では、X線管102などは記載していない。このガントリ回転部130には、ガントリ回転部130の回転中心Oに中心をとした半径r1の円環状のリングレール72と半径r2の円環状のリングレール74とが取り付けられている。そして、リングレール72に沿って、自走カウンタ荷重M1およびM2が取り付けられている。また、リングレール74に沿って自走カウンタ荷重M3およびM4が取り付けられている。 【0048】 自走カウンタ荷重M1ないしM4がすべて同じ重量であれば、半径が小さい方が微調整できる。このため、異なる半径の半径r1の円環状のリングレール72と半径r2の円環状のリングレール74を設けている。重心CMの変心量が大きな場合には自走カウンタ荷重M1およびM2を動かすようにし、重心CMの変心量が小さな場合には自走カウンタ荷重M3およびM4を動かすようにして、重心CMの変心量が閾値より小さくすると共に、簡単に微調整ができるようにする。 【0049】 <<実施例3>> 図7は、X線CT装置100のガントリ回転部130をXY平面で示した実施例3の概念図である。このガントリ回転部130には、ガントリ回転部130の回転中心Oに中心をとした半径r1の円弧状の二つのリングレール76と、半径r1の円弧状のリングレール77とが取り付けられている。そして、リングレール76に沿って、それぞれ自走カウンタ荷重M1およびM2が取り付けられている。また、リングレール77に沿って自走カウンタ荷重M3が取り付けられている。 【0050】 自走カウンタ荷重M3は、図7から理解できるように自走カウンタ荷重M1またはM2の約1.5倍から2倍の重量となっている。円弧状のリングレール76またはリングレール77としているのは、設計段階で重心CMが回転中心Oの近傍に設計されていたら、自走カウンタ荷重Mを大きな距離移動させる必要が少ないからである。また、通常、X線管102およびコリメータ120が備えられる部分が重いため、ガントリ回転部130の重心がX線管102側に寄っているから、自走カウンタ荷重M3で重心CMが回転中心Oの近傍になるようにしている。また、自走カウンタ荷重M1およびM2は、自走カウンタ荷重M3と比べて軽いため微調整が容易にできる。 【0051】 なお、実施例3の円弧状のリングレールを、実施例2のように異なる半径のリングレールに適用してもよい。たとえば、すべて同じ重量の自走カウンタ荷重M1ないしM3、半径r1より短い半径の半径r2の円弧状の二つのリングレール76、および半径r1のリングレール77を用意する。二つのリングレール76に自走カウンタ荷重M2とM3を配置し、半径r1のリングレール77に自走カウンタ荷重M1を配置する。すると、自走カウンタ荷重M1が粗調整用として、自走カウンタ荷重M2とM3を微調整用として使うことができる。 【産業上の利用可能性】 【0052】 本実施形態における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による三次元画像再構成法でもよい。本実施形態では、特に特定のスキャン形式に限定されない。つまり、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンの場合でも同様の効果を出すことができる。また、ガントリ101の傾斜について限定されない。すなわち、ガントリ101が傾斜した、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。また、本実施形態を、生体信号、特に心拍信号に同期させて画像再構成する心拍画像再構成にも適用することができる。 【0053】 本実施形態では、医用X線CT装置100を元に書かれているが、産業用X線CT装置または他の装置と組み合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにも利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0054】 【図1】X線CT装置100の構成を示すブロック図である。 【図2】ガントリ101内部を拡大した断面図である。 【図3】X線CT装置100のガントリ回転部130をXY平面で示した実施例1の概念図である。 【図4】ガントリ回転部130の回転バランスの調整方法を示す説明図である。 【図5】バランス調整の動作の概略を示すフローチャートである 【図6】X線CT装置100のガントリ回転部130をXY平面で示した実施例2の概念図である。 【図7】X線CT装置100のガントリ回転部130をXY平面で示した実施例3の概念図である。 【符号の説明】 【0055】 50 … 操作コンソール 72、74、76、77 … ガイドレール 90 … ベアリング 101 … ガントリ 102 … X線管 104 … 多列X線検出器 105 … データ収集部(DAS) 111 … クレードル 120 … コリメータ 130 … ガントリ回転部 135 … スリップリング 139 … 支柱 M1〜M4 … 自走カウンタ荷重(質量体またはマス)
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| 【出願人】 |
【識別番号】300019238 【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
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| 【出願日】 |
平成19年7月26日(2007.7.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106541 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 信和
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| 【公開番号】 |
特開2008−29845(P2008−29845A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2007−193976(P2007−193976) |
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