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【発明の名称】 X線透視における病変位置確認方法
【発明者】 【氏名】須田 祐司

【要約】 【課題】すりガラス様病変の内視鏡サンプリング検査を、X線TV透視装置を使って行う。

【構成】X線CT装置1で取得した胸部3次元画像データからレイサムイメージAを作成する。その際、病変部が視認しやすいように、病変部の濃淡を強調する補正を施す。このレイサムイメージAをX線TV透視装置2から得られる胸部透視画像Bに重ね合せて合成画像Cを得る。レイサムイメージはX線透視画像に断続的に重ね合わせるようにすれば、合成画像上の病変部4が点滅して見えるので、視認しやすい。このような合成画像Cをモニタしながら、病変部に向けて内視鏡6を挿入し、内視鏡先端部と病変部の位置関係を確認しながら病変の写真撮影や生体サンプリング等の作業を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線CT装置を使って取得した被検体の3次元画像データからレイサムイメージを作成し、このレイサムイメージを、X線透視装置から得られる同一被検体の透視画像に重ね合わせて表示することを特徴とするX線透視における病変位置確認方法。
【請求項2】
該レイサムイメージを作成する際、病変部の濃淡を強調する補正を施すようにした請求項1に記載のX線透視における病変位置確認方法。
【請求項3】
該X線透視画像に対し該レイサムイメージを断続的に重ね合わせるようにした請求項1または2に記載のX線透視における病変位置確認方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、X線CT検査で発見される肺野のいわゆるすりガラス様病変の位置をX線透視画像に映し出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近CT検査の普及により、肺末梢にすりガラス様の陰影など小型病変が発見される機会が増えつつある。このような小型病変の確定診断は、X線CT透視下またはX線CTガイド下で行う極細径気管支鏡を使ったサンプリング検査が有効である。しかしこの検査は、高価なX線CT装置を長時間占有するところから、一般に普及していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、すりガラス様の病変の内視鏡サンプリングを、高価なCT装置ではなく、広く普及しているX線TV透視装置を使って行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
X線CT装置で発見されるすりガラス様の病変は、X線TV透視では視認することができない。したがって、X線TV透視下で肺の中に内視鏡鏡を挿入しても、その先端が病変に達しているかどうか確認できない。
【0005】
そこでこの発明方法では、まず、X線CT装置で取得した注目部位、たとえば胸部の3次元画像データからレイサムイメージを作成する。レイサムイメージは被検体を貫く投影線上のCT値を加算したもので、立体的な3次元像が一つの平面上に2次元像として投影されたものである。レイサムイメージを作成する際、病変部が視認しやすいように、病変部のマスク処理(レイサムイメージを作成するときに除外する処理)やCT値を変更する等の手法で、病変部の濃淡を強調する補正を施すことが好ましい。
【0006】
このレイサムイメージをX線TV透視装置から得られる胸部透視画像に重ね合せて合成画像を得る。レイサムイメージは、正面像だけでなく、斜め方向から見た像も作成しておき、その中から、その時々のX線透視角度に対応するものを選び出して重ね合わせる。なお、X線透視画像にレイサムイメージを断続的に重ね合わせるようにすれば、合成画像上の病変部が点滅して見えるので、視認しやすい。
【0007】
このような合成画像をモニタしながら、病変部に向けて内視鏡を挿入し、内視鏡先端部と病変部の位置関係を確認しながら病変の写真撮影や生体サンプリング等の作業を行う。すなわち、この発明によれば、高価な装置であるX線CT装置を使用するのは3次元画像データを取得するときだけで、後は、通常のX線透視装置を使って病変の内視鏡診断、病変部のサンプリングが可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の実施例を図面1に基づいて説明すると、符号1はX線マルチスライスCT装置であり、被検体の3次元画像データを取得し、それをコンピュータで加工して任意の断面の画像をモニターに表示することができる。
【0009】
このようなCT装置を使った検査で、肺野にすりガラス様陰影のような小型病変が発見された場合、病変の確定診断のため、内視鏡を使った病変サンプリングが行われる。すりガラス様病変の内視鏡によるサンプリングは、従来、マルチスライスCT装置による透視下またはX線CTガイド下で行われていたが、この発明では、広く普及しているCアーム式X線透視装置2を使って行う。X線透視装置2では、すりガラス様病変はよく見えないので、X線マルチスライスCT装置1ですでに取得してある3次元画像データを加工して、これをX線透視画像にオーバレイすることで病変位置の確認ができるようにする。
【0010】
まず、マルチスライスCT装置1から3次元画像データを画像処理装置3に取り込んで、レイサムイメージを作成する。レイサムイメージは、X線透視画像と同様の2次元透視画像であり、被検体を貫く投影線上のCT値を加算処理することによって得られる。CT装置で得られる3次元画像データは、図2に示すように、3次元グリッドの各交点に並んでいるCT値の集合体であり、CT値を垂直方向に加算すれば、X線透視画像と一見似た合成イメージができる。これに対しX線透視画像は、X線源2aからX線が円錐状に放射されて投影面に届くことにより得られるものであるから、前記合成イメージとはズレが生ずる。そこで、レイサムイメージを得るには、垂線方向でなく、透視装置の投影線7を想定し、その線に沿ってCT値を加算する。
【0011】
このように単純な加算処理を行っただけのレイサムイメージでは、すりガラス様病変の位置がはっきりしない。そこで、レイサムイメージを作成する際、病変部のマスク処理(レイサムイメージを作成するときに除外する処理)やCT値を変更する等の手法で、病変部の濃淡を強調する補正を施し、病変部4を特別に濃く、または薄く加工したレイサムイメージAを作成する。
【0012】
このようにして作成したレイサムイメージAを、X線透視装置2から得られる透視画像Bと重ね合わせて合成画像Cを得る。この画像Cをモニタすれば、すりガラス様病変4も視認できるようになる。なお、CT装置は息をいっぱいに吸って止めた状態で撮影するのが普通なので、レイサムイメージAに写る横隔膜は吸気位置に固定されている。したがって、重ね合せは、X透視中の患者に息を吸って止めてもらった状態で行うようにするとズレが少ない。また、X線透視画像BへのレイサムイメージAの重ね合わせは連続的でなく断続的に行うようにしてしてもよく、こうすると病変部4が点滅するように見えるので、病変の位置がいっそう容易に視認できる。
【0013】
レイサムイメージAを2種類、すなわち病変部を濃く加工したものと、薄く加工したものを作成し、それらを交互にX線透視画像Bに重ね合わせるようにすることもでき、この方法でも病変部が点滅するように見えるので視認性がよい。
【0014】
なお、レイサムイメージAは、正面位だけでなく、斜め方向からある角度ごとに見たものも作成しておき、画像処理装置3はX線透視装置2からそのときのアームの角度情報を受け取り、同一角度のレイサムイメージを選択してX線透視画像Bに重ね合わせるようにする。
【0015】
こうして合成画像Cには、X線透視装置2の画像Bには写らなかった病変位置が明確に映し出されるので、この画像Cを注視しながら気管支内視鏡6を挿入し、その先端を病変部4に到達させて、写真撮影や病変のサンプルを採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明方法を示すブロック図である。
【図2】CTスキャンとX線透視を比較したイメージ図である。
【符号の説明】
【0017】
1 X線CT装置
2 X線透視装置
3 画像処理装置
4 病変部
5 画像合成装置
6 気管支内視鏡
A レイサムイメージ
B X線透視画像
C 合成画像
【出願人】 【識別番号】504471942
【氏名又は名称】財団法人仙台市医療センター
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100080148
【弁理士】
【氏名又は名称】佐竹 良明


【公開番号】 特開2008−29692(P2008−29692A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208128(P2006−208128)