| 【発明の名称】 |
X線診断装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】武井 貴史
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| 【要約】 |
【課題】映像系移動機構が、その動作限に達した場合に、標準視野外の視野を得ることができるX線診断装置を提供する。
【構成】本発明装置は、被検体にX線を照射するX線発生器3と、このX線の被検体への照射領域を複数枚の絞り羽根41〜44の駆動により制御するX線絞り4と、このX線絞りと被検体とを透過したX線を画像データとして出力するX線検出器と、この出力された画像データを画像表示する表示器と、X線発生器3、X線絞り4およびX線検出器を含む映像系機構を被検体に対して所定方向に所定の範囲内で移動させる映像系移動機構とを有するX線診断装置である。映像系移動機構の動作範囲内では、標準視野内での視野が得られるように絞り羽根41〜44を駆動し、映像系移動機構がその動作限に達した場合、標準視野外の視野が得られるように絞り羽根を駆動可能な絞り操作機構を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体にX線を照射するX線発生器と、このX線発生器より照射されるX線の被検体への照射領域を複数枚の絞り羽根の駆動により制御するX線絞りと、この絞り羽根で形成される開口と被検体とを透過したX線を画像データとして出力するX線検出器と、この出力された画像データを画像表示する表示器と、X線発生器、X線絞りおよびX線検出器を含む映像系機構を被検体に対して所定方向に所定の範囲内で移動させる映像系移動機構とを有するX線診断装置であって、 前記映像系移動機構の動作範囲内では、標準視野内での視野が得られるように絞り羽根を駆動し、映像系移動機構がその動作限に達した場合、標準視野外の視野が得られるように絞り羽根を駆動可能な絞り操作機構を有することを特徴とするX線診断装置。 【請求項2】 絞り操作機構は、映像系移動機構がその動作限に達したとき、標準視野外の視野が得られるように自動的に絞り羽根を駆動制御することを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。 【請求項3】 絞り操作機構は、映像系移動機構がその動作限に達したとき、映像系移動機構の移動を操作する映像系操作器を、絞り羽根の駆動を操作する絞り操作器として機能させることを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。 【請求項4】 標準視野で撮影を行う標準視野モードと、標準視野外で撮影を行う外部視野モードとの切替手段を備え、 この切替手段は、映像系移動機構の移動を操作する映像系操作器および絞り羽根の駆動を操作する絞り操作器とは個別に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のX線診断装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、X線発生器とX線検出器とを所定の範囲内で移動可能なX線診断装置に関するものである。特に、X線発生器とX線検出器とが移動可能な限界位置に達しても、さらに視野を調整できるX線診断装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、X線透視を行いながら治療を同時に行うインターベンショナルラジオロジー(IVR)の手技が広く行われるようになってきた。このようなIVRには、被検体の載せられる天板を持ったX線診断装置が利用されることが多い。 【0003】 この診断装置として、特許文献1に記載の装置がある。この装置は、被検体が載せられる天板と、X線を被検体に照射するX線発生器と、被検体に対するX線の照射範囲を規制するX線絞りと、被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを有する。これらX線発生器、X線絞りおよびX線検出器は映像系機構を構成する。そのうち、X線絞りは、特許文献2に示されるように、X線発生器と一体に構成されると共に、可動式の絞り羽根を複数枚備える。被検体に対するX線の照射範囲は、この絞り羽根を駆動することで変えられる。 【0004】 また、X線発生器とX線検出器は天板を挟んで対向配置され、かつアームを介して支柱に支持されている。支柱は、天板の長手方向に所定の範囲内で移動可能であり、この移動機構が映像系機構を移動する映像系移動機構となる。 【0005】 撮影時、この支柱を天板の長手方向(被検体の体軸方向)に移動させることで、X線発生器とX線検出器の被検体に対する位置を調整する。撮影により得られる視野は、絞り羽根により形成される開口の大きさにより規定される。通常、この視野の最大サイズを標準視野として設定している。例えば、X線検出器上の領域において、X線錘の光軸と同軸の中心軸を持ち、X線の照射可能域よりも小さい所定の領域を標準視野としている。撮影画像は、この標準視野内の範囲で得ることができる。 【0006】 【特許文献1】特開2003-52675号公報 図1〜図3 【特許文献2】WO 2006-006601 A1 図2 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかし、上記の装置では、撮影可能な領域が、支柱の天板長手方向への移動可能な範囲と、標準視野とにより規制され、以下のような不都合がある。 【0008】 例えば、支柱を映像系移動機構の動作限まで動かしたときに標準視野で得られる範囲が撮影可能な範囲の限界となる。その際、関心領域が標準視野内に入っていなければ、被検体を移動させるなどして関心領域が標準視野に入るようにしなければならない。このような被検体の移動は、被検体や撮影者にとって煩雑であるのみならず、撮影に要する時間の長期化を招く。特に、カテーテルを使用する検査では、検査の安全上、被検体を動かす機会を極力少なくすることが求められる。 【0009】 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、映像系移動機構が、その動作限に達した場合に、標準視野外の視野を得ることができるX線診断装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、映像系移動機構の動作範囲内と動作限とで、X線絞りの絞り羽根の動作範囲を変えることで上記の目的を達成する。 【0011】 本発明装置は、被検体にX線を照射するX線発生器と、このX線発生器より照射されるX線の被検体への照射領域を複数枚の絞り羽根の駆動により制御するX線絞りと、この絞り羽根で形成される開口と被検体とを透過したX線を画像データとして出力するX線検出器と、この出力された画像データを画像表示する表示器と、X線発生器、X線絞りおよびX線検出器を含む映像系機構を被検体に対して所定方向に所定の範囲内で移動させる映像系移動機構とを有するX線診断装置である。そして、この装置は、映像系移動機構の動作範囲内では、標準視野内での視野が得られるように絞り羽根を駆動し、映像系移動機構がその動作限に達した場合、標準視野外の視野が得られるように絞り羽根を駆動可能な絞り操作機構を有することを特徴とする。 【0012】 この装置によれば、映像系移動機構の動作範囲内では、標準視野内での視野が得られるように絞り羽根を駆動し、従来通り標準視野内での撮影を行う。一方、映像系移動機構がその動作限に達した場合、標準視野外の視野が得られるように絞り羽根を駆動可能にすることで、従来は被検体を移動させないと撮影できなかった標準視野外の領域を撮影可能な範囲とすることができる。 【0013】 本発明の構成をより詳しく説明する。 【0014】 本発明において、標準視野とは、映像系機構がその移動機構の動作範囲内に位置するとき、撮影可能な最大サイズの視野である。通常、X線発生器のX線焦点とX線検出器のX線入射面の中心とが対向するようにX線発生器とX線検出器は保持されており、このX線焦点と入射面の中心とを結ぶ軸(X線錘の光軸)を中心に標準視野が設定されている。例えば、X線検出器のX線入射面のサイズよりも小さな領域で、X線入射面の中心を中心とする矩形の領域が標準視野とされる。映像系移動機構の動作範囲内では、次述するX線絞りにより標準視野内の範囲で画像を得ることができ、映像系移動機構の動作限では標準視野外の視野、つまり外部視野の範囲で画像を得ることができる。 【0015】 X線絞りは、X線を遮蔽可能な複数枚の絞り羽根を備える。例えば、X線発生器の前面に4枚の矩形板を枠状に配置し、この枠で囲まれる開口のサイズを変えることで、被検体に対するX線の照射範囲を変える。各絞り羽は全ての羽根が又は対向する羽根同士が互いに連動して駆動するようにしても良いが、各々独立して駆動するようにしておくことが好ましい。絞り羽根が各々独立して駆動できれば、標準視野内での視野サイズや位置の変更はもちろん、外部視野のサイズや位置を任意に調整することが容易にできる。特に、外部視野を調整する場合、対向する絞り羽根同士を、X線錘の光軸を中心として非対称に開閉駆動することで、標準視野から外部視野への移行を容易に行うことができる。 【0016】 絞り羽根の駆動は、絞り操作機構により行われる。絞り操作機構は、通常、絞り操作器と、絞り羽根を駆動する絞り駆動手段と、絞り操作器からの入力指令に基づいて絞り駆動手段を制御する絞り制御部とを有する。絞り操作器は、通常、操作パネル上に設けられ、各絞り羽根を開閉するボタンスイッチやジョイスティックが利用される。絞り駆動手段には、例えばモータと、モータの動力を絞り羽根に伝達する動力伝達手段とが含まれる。 【0017】 X線発生器、X線絞りおよびX線検出器は映像系機構を構成する。この映像系機構は、映像系移動機構により移動される。映像系移動機構は、通常、映像系操作器と、映像系機構を移動する映像系駆動手段と、映像系操作器からの入力指令に基づいて映像系駆動手段を制御する映像系制御部とを有する。映像系操作器は、通常、操作パネル上に設けられ、ジョイスティックが好適に利用される。映像系駆動手段には、例えばモータと、X線発生器(X線絞り)やX線検出器を支持する支持手段と、モータの動力を支持手段に伝達する動力伝達手段とが含まれる。 【0018】 この映像系移動機構は、X線発生器(X線絞り)とX線検出器の対向状態を保持したまま、X-Y方向に映像系機構を移動できる構成が好適である。例えば、X線発生器とX線検出器との間に被検体の載せられる天板を備えたX線診断装置において、その天板の長手方向と幅方向に映像系機構を移動できるようにすればよい。 【0019】 X線検出器は、被検体の透過X線を画像データとして出力できるものであればよい。具体例としては、イメージインテンシファイヤとTVカメラを組み合わせたものや、FPD(Flat Panel Detector)などが挙げられる。 【0020】 表示器には、CRTモニタや液晶ディスプレイなど、画像の表示機器として利用されている種々の装置が利用できる。 【0021】 以上のような本発明装置において、さらに以下の構成を具備してもよい。 【0022】 本発明装置の一態様として、絞り操作機構は、映像系移動機構がその動作限に達したとき、標準視野外の視野が得られるように自動的に絞り羽根を駆動制御することが好ましい。 【0023】 この構成によれば、映像系移動機構がその動作限に達したとき、手動で絞り羽根の駆動操作を行うことなく、自動的に外部視野での撮影を行うことができる。 【0024】 上記態様の本発明装置において、絞り操作機構は、標準視野外の視野が得られた状態で、一定時間内に何らの動作も行われない場合、標準視野が得られるように自動的に絞り羽根を駆動制御するようにしても良い。 【0025】 この構成により、外部視野で撮影可能な状態から、格別の操作を行うことなく、自動的に標準視野で撮影可能な状態に復帰させることができる。 【0026】 本発明装置の別の一態様として、絞り操作機構は、映像系移動機構がその動作限に達したとき、映像系移動機構の移動を操作する映像系操作器を、絞り羽根の駆動を操作する絞り操作器として機能させることが好ましい。 【0027】 この構成によれば、映像系操作器を操作して標準視野で映像系機構を移動させていた状態から別の操作器に持ち替えることなく、そのまま絞り羽根の駆動を可能にし、外部視野を得ることができる。つまり、映像系操作器による操作で、映像系移動機構の動作範囲内では映像系機構の移動を行い、映像系移動機構の動作限では絞り羽根の駆動を行うことで、標準視野から外部視野への移行を容易に行うことができる。 【0028】 上記別態様の本発明装置において、絞り操作機構は、標準視野外の視野が得られた状態で、絞り操作器として機能している映像系操作器を標準視野から標準視野外に視野を移行させた際と反対方向に操作したとき、標準視野が得られるように絞り羽根を駆動させることが好ましい。 【0029】 この構成によれば、外部視野を得ていた状態から、絞り操作器を上記のように操作するだけで、標準視野を得る状態に復帰することができる。つまり、映像系操作器による操作で、映像系移動機構の動作限では絞り羽根の駆動を行い、映像系移動機構の動作範囲内では映像系機構の移動を行うことで、外部視野から標準視野への移行を容易に行うことができる。 【0030】 さらに、本発明装置の別の一態様として、標準視野で撮影を行う標準視野モードと、標準視野外で撮影を行う外部視野モードとの切替手段を備え、この切替手段は、映像系移動機構の移動を操作する映像系操作器および絞り羽根の駆動を操作する絞り操作器とは個別に設けられていることが望ましい。 【0031】 この構成によれば、切替手段による選択で、任意に標準視野モードと外部視野モードとの切替を行うことができる。つまり、操作者が自己の意思で標準視野モードか外部視野モードかを決定するため、現在どちらの視野モードが設定されているかを確実に把握することができる。 【0032】 その他、上記いずれの態様の本発明装置においても、標準視野と、標準視野外の視野にて撮影を行う際の最大視野とが同一サイズの領域であることが好ましい。 【0033】 映像系移動機構がその動作限に達した場合に得られる標準視野外の視野のサイズは、標準視野よりも拡大してもよいが、標準視野と同一サイズとしておくことで、被検体の被爆量を低減することができる。 【発明の効果】 【0034】 本発明のX線診断装置によれば、次の効果を奏することができる。 【0035】 (1)映像系移動機構がその動作限に達した場合、標準視野外の視野が得られるように絞り羽根を駆動可能にすることで、従来は撮影できなかった標準視野外の領域を、被検体を移動することなく撮影することができる。 【0036】 (2)映像系移動機構がその動作限に達した場合、絞り羽根の駆動で標準視野外の領域を撮影できるため、映像系移動機構の移動幅を広げて映像系機構の移動により視野を変える場合に比べてより迅速に視野の変更ができ、さらにはX線診断装置の大型化を回避できる。 【0037】 (3)映像系移動機構がその動作限に達した場合、被検体を動かすことなく視野を変えることができるため、カテーテルを利用する撮影における安全性を高めることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0038】 以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。 【0039】 (実施の形態1) <装置構成> 本発明のX線診断装置は、その主要な構成部材として、図1に示すように、天板1、脚部2、X線発生器3、X線絞り4、X線検出器5および支柱6を備える。 【0040】 天板1には、被検体Pが載せられる。この天板1は、床面上に設置される脚部2を介して支持されており、図示しない駆動機構により支持基材21に対して起倒動などが可能に構成されている。この天板1の駆動は、操作パネル7からの操作により診断装置制御部8を介して行われる。本発明装置により撮影を行うに際して必要なX線条件の設定や、後述する支柱6の移動、X線絞り4の開閉なども、この操作パネル7からの操作により診断装置制御部8を介して所定の各部を制御動作させて行う。 【0041】 X線発生器3は、天板1に載せられた被検体PにX線を照射する。このX線発生器3は、天板1の幅方向(図1の紙面直交方向)に伸びる第1アーム61(図6参照)を介して支柱6の上端側に支持され、天板1の上方に位置される。 【0042】 X線絞り4は、X線発生器3で発生されたX線の被検体Pに対する照射範囲を規制する。このX線絞り4は、図2に示すように、X線発生器3の下部に連結されており、矩形の鉛板からなる4枚の絞り羽根41〜44を備えている。図1において、図1の左側が被検体の頭部側、図1の右側が下肢側で、図2の絞り羽根のうち、左側に位置する羽根が上羽根41、つまり被検体の頭部側に位置し、図2の右側に位置する羽根が下羽根42、つまり被検体の下肢側に位置することとなる。また、図2の上下羽根41,42よりも下側に位置する羽根が左羽根43、上側に位置する羽根が右羽根44である。 【0043】 各絞り羽根41〜44は、図3に示す絞り操作機構を用いて動作される。これら絞り羽根41〜44は、枠状に配置され、モータ40により各々独立して駆動されることで、枠内に形成される開口のサイズと位置を変化させ、X線の照射範囲および照射位置を可変させる。各モータ40の駆動は、操作パネル7(図1、図4)に備える絞り操作器71(図3、図4)を用いて診断装置制御部8中の絞り制御部45に動作指令を入力して行う。各モータ40には、その回転数から絞り羽根41〜44の開閉位置を把握する絞り位置検出器46が設けられており、X線検出器5のX線入射面のうち、この検出された絞り羽根41〜44の位置に対応した領域の画像データを読み出して画像処理するよう、画像処理部9(図1)に絞り羽根41〜44の位置データを出力する。図3では、絞り位置検出器46は一つしか記載していないが、実際には、各モータ40ごとに存在し、各羽根41〜44の位置を検出できる。 【0044】 X線検出器5は、絞り羽根41〜44で形成された開口を通過すると共に、被検体Pを透過したX線を検出して、画像データに変換出力する。ここでは、X線検出器5としてFPDを用いている。このX線検出器5は、天板1の幅方向に伸びる第2アーム62(図6参照)を介して支柱6の下端側に支持され、天板1の下方においてX線発生器3と対向配置されている。X線発生器3のX線焦点とFPDの中心(X線入射面の対角線の交点)とは同一の鉛直線(図2のX線錘の光軸Xa)上に位置するよう、X線発生器3とX線検出器5の位置が保持される。FPDから出力された画像データは、画像処理部9で所定の画像処理が施された後、モニタなどの表示部10に撮影画像として表示される。 【0045】 支柱6は、上述したようにX線発生器3およびX線検出器5を支持しており、これら発生器3および検出器5と一体に天板1の長手方向にスライド自在に構成されている。また、第1アーム61および第2アーム62は、支柱に対して天板幅方向にスライド自在に構成されている。つまり、図5に示すように、支柱6の移動により映像系機構をX方向(被検体の体軸方向)に移動し、両アーム61,62(図6)のスライドにより映像系機構をY方向(被検体の体軸と直交する方向)に移動させることができる。これらの移動動作は、図6に示す映像系移動機構により行われる。 【0046】 映像系移動機構は、操作パネル7に設けられた映像系操作器72による動作指令を診断装置制御部内の映像系制御部63に入力し、その指令に応じてモータ64を駆動し、支柱6あるいは第1アーム61と第2アーム62の駆動を行わせる。ここでは、図4に示すように、映像系操作器72としてジョイスティックを用いている。映像系移動機構でも、各モータ64の回転数から支柱6の位置、或いは第1アーム61と第2アーム62の位置を把握する映像系位置検出器65が設けられている。これにより、支柱6や各アーム61,62がその動作限に達したとき、その位置情報が絞り制御部45に送られ、映像系操作器72の操作により、絞り羽根41〜44の開閉動作が可能に構成される。 【0047】 この映像系移動機構の動作範囲内では、標準視野内の視野による撮影が行われる。標準視野は、X線検出器5のX線入射面のサイズよりも小さな領域で、図2に示すように、X線入射面の中心を中心とする矩形の領域である。映像系移動機構がその動作限に達すると、映像系操作器72の操作により、絞り羽根41〜44はX線錘の光軸Xaに対して非対称に開閉動作される。それに伴って、標準視野外の視野(外部視野)を得ることができる。ここでは、映像系機構を被検体の頭部側動作限と下肢側動作限との両端に移動した場合に得られる各外部視野を合成して示しているが、実際には、実細線で示されるX線錘により得られる視野が下肢側の外部視野となる。 【0048】 <操作手順と動作> 以上の本発明装置において、支柱を天板の長手方向に移動し、支柱がその動作限に達した場合に外部視野を得るための操作手順と各部の動作と、外部視野を得ている状態から標準視野に復帰するまでの操作手順と各部の動作を図1〜図8を参照して説明する。なお、以下の説明において、映像系移動機構がその動作限に達したときの標準視野を動作限視野と呼ぶことがある。 【0049】 (1)まず、映像系移動機構がその動作範囲内にある場合、つまり、映像系機構が天板長手方向の可動範囲内にある場合、図7(A)に示すように、絞り羽根41〜44は標準視野が得られる範囲で駆動され、標準視野内での画像を得ることができる。この絞り羽根41〜44の駆動は、絞り操作器71の操作により行われる。 【0050】 (2)次に、映像系移動機構がその動作限に達した場合、つまり、映像系機構がその移動範囲の頭部側端部または下肢側端部に達した場合、映像系位置検出器65により、映像系機構が動作限に達したことを検知し、その位置情報を絞り制御部45へ出力する。 【0051】 (3)位置情報を受けた絞り制御部45では、映像系操作器72の操作により絞り羽根41〜44の開閉が可能なように制御をさせる。つまり、この時点で標準視野モードから外部視野モードに切り替わったことになる。標準視野モードとは、映像系機構が映像系移動機構の動作範囲内にあり、標準視野の範囲でのみ撮影を行えるモードであり、外部視野モードは、映像系機構が映像系移動機構の動作限にあり、標準視野外の視野にて撮影が行えるモードである。外部視野モードに切り替わると、絞り操作器71による絞り羽根41〜44の駆動はできなくなり、この羽根41〜44の駆動は専ら映像系操作器72の操作により行う。 【0052】 (4)例えば、映像系操作器72であるジョイスティックを図4の右側に操作すると、映像系機構が下肢側に移動される。そして映像系機構が移動範囲における下肢側の端部に達すると、その位置で映像系機構の移動は停止される。 【0053】 (5)さらにジョイスティックを、映像系機構が停止する直前に動作していた方向、つまり図4の右側に操作すると、このジョイスティックは絞り操作器として機能するようになる。すなわち、映像系操作器72であるジョイスティックを図4の右側に傾けると、上羽根41および下羽根42が、図8の下肢側(右側)に揺動される。その際、図7(B)に示すように、上羽根41と下羽根42は互いの間隔をほぼ保持したまま、X線錘の光軸に対して非対称に移動される。その結果、動作限視野は図8の下肢側に移行し、標準視野とほぼ同じサイズの外部視野が得られるようになる。 【0054】 (6)逆に、図4の左側にジョイスティックを傾け、標準視野モードで映像系機構を図8の頭部側端部に到達させた場合、図7(C)に示すように上羽根41と下羽根42が左側、つまり頭部側に揺動される。その結果、図8に示すように動作限視野からさらに頭部側に移行した外部視野を得ることができる。 【0055】 (7)一方、下肢側の外部視野が得られる状態でジョイスティックを左方向に傾けると、上羽根41と下羽根42は図7(A)の位置に復帰され動作限視野が得られるようになる。このとき、絞り位置検知器46で絞り羽根41〜44が動作限視野に対応した位置に復帰したことを検知し、その位置情報に基づいて映像系制御部63は映像系操作器72では絞り羽根41〜44を駆動できないようにする。その結果、外部視野モードから標準視野モードに復帰される。標準視野モードに復帰すると、映像系操作器72を図4の左側に操作すると、映像系機構が頭部側に移行され、絞り操作器71を操作すると、標準視野内の視野が得られるように絞り羽根41〜44が駆動される。 【0056】 <作用効果> 本発明装置によれば、映像系移動機構の動作範囲内では標準視野による従来通りの撮影を行い、映像系移動機構の動作限では、標準視野外の視野を得ることができる。特に、映像系操作器の操作により、標準視野モードと外部視野モードの切替を行うことができ、映像系操作器と絞り操作器の双方を操作しなくても外部視野を得ることができる。 【0057】 <その他の構成> 以上の実施形態では、外部視野モードとなり映像系操作器が絞り操作器として機能している間、本来の絞り操作器71は絞り羽根41〜44の駆動ができないようにしたが、標準視野モードと外部視野モードのいずれでも本来の絞り操作器71で絞り羽根41〜44の駆動ができるようにしてもよい。その場合、絞り操作器71による操作で、標準視野モードでは標準視野内の視野が得られる範囲で絞り羽根41〜44の駆動ができ、外部視野モードでは外部視野内の視野が得られる範囲で絞り羽根41〜44の駆動ができる。 【0058】 また、標準視野モードか外部視野モードかを表示するインジケータを有することが好ましい。例えば、モニタ或いは操作パネル上に、いずれの視野モードかを表示したりすることが考えられる。 【0059】 以上の実施形態では支柱の駆動限に合わせて上羽根と下羽根を駆動して外部視野を得る場合を説明したが、第1・第2アームの駆動限に合わせて左羽根と右羽根を同様に駆動して外部視野を得ることもできる。 【0060】 (実施の形態2) 実施の形態1では、映像系操作器の操作により標準視野モードと外部視野モードとの切り替えを行っているが、映像系移動機構がその動作限に達してからさらに映像系操作器を映像系機構が停止する直前に動作していた方向に操作しないと外部視野モードには切り替わらない。本実施形態では、映像系移動機構がその動作限に達すると、さらに映像系操作器の操作を行わなくても自動的に外部視野を得ることができるように絞り羽根を動作させる。 【0061】 本実施形態の構成は、実施の形態1とほぼ共通である。ただし、本例の絞り操作機構は、映像系位置検出器が映像系移動機構の動作限に達したことを検知すると、絞り操作手段71により直ちに絞り羽根41〜44を図7(B)または図7(C)に示すように、X線錘の光軸Xaに対して非対称に駆動制御する。それにより、標準視野モードから外部視野モードに移行する際、格別の操作を必要としない。例えば、映像系位置検出器65が映像系移動機構の下肢側動作限に達したことを検知すると、外部視野が得たいかどうかに関わらず、一旦絞り羽根41,42を下肢側に動作限界まで移動させ、外部視野が得られるようにする。その状態で関心領域が視野に対してずれている場合、絞り羽根41,42を駆動して視野位置を微調整すれば良い。 【0062】 逆に、外部視野モードから標準視野モードに復帰する場合、外部視野モードに移行してから一定時間の間、何らの入力や操作を行わない場合に自動的に標準視野モードに復帰させれば良い。例えば、図示しないタイマー手段を備え、外部視野モードに移行してから外部視野が得られる位置で絞り羽根41〜44が停止された後、一定時間経過する間に撮影条件の設定や変更、天板の駆動など、何らの入力や操作も行われない場合に、絞り羽根41〜44を外部視野に対応した位置から標準視野に対応した位置に復帰させる。上記の一定時間は適宜決定すれば良い。この構成によれば、格別の操作を行うことなく、自動的に外部視野モードから標準視野モードに移行させることができる。 【0063】 なお、外部視野モードにおいて、X線診断装置に対して何らかの入力や操作が行われると、その入力や操作が行われた時点からさらに一定時間内に何らの入力や操作も行われないかどうかを判断して標準視野モードへの復帰を行なえばよい。また、外部視野モードにおいて、X線診断装置に対して何らかの入力や操作が行われると、その外部視野モードを維持し、絞り操作器71で外部視野内に対応した範囲にて絞り羽根41〜44を駆動できるようにしても良い。 【0064】 (実施の形態3) 次に、映像系移動機構の移動を操作する映像系操作器および絞り羽根の駆動を操作する絞り操作器とは個別に、標準視野モードと外部視野モードとの切り替えを行う切替手段を備えた実施の形態を説明する。本例の基本構成は、実施の形態1と共通するため、以下の説明は相違点を中心に行う。 【0065】 実施の形態1では、映像系操作器を操作することで標準視野モードと外部視野モードとの切り替えを行い、実施の形態2では映像系機構が映像系移動機構の動作限に達したことで標準視野モードと外部視野モードとの切り替えを自動的に行った。 【0066】 本例では、例えば操作パネル7上やジョイスティック(映像系操作器72)の端部に押しボタン式の切替手段を設ける。映像系機構が映像系移動機構の動作範囲内の場合は、標準視野モードとして撮影を行う。一方、映像系機構が映像系移動機構の動作限に達すると、上記切替手段が動作可能になる。例えば、この切替手段を一回押すと、標準視野モードから外部視野モードに切り替わる。このとき、実施の形態1で述べたように、映像系操作器72を絞り操作器として機能できるようにして外部視野を得ても良いし、本来の絞り操作器71を操作して外部視野を得るようにしてもよい。 【0067】 一方、外部視野モードにおいて、切替手段を一回押すと、外部視野モードから標準視野モードに復帰し、外部視野に対応した位置にあった絞り羽根41〜44は動作限視野に対応した位置に復帰される。 【0068】 本例の構成によれば、操作者が自らの意思で切替手段を操作することにより、標準視野モードと外部視野モードとの切替を行うため、操作者自身が現時点で選択されている視野モードを確実に認識した上で撮影を行うことができる。 【産業上の利用可能性】 【0069】 本発明のX線診断装置は、X線による画像の撮影や透視に利用することができる。特に、IVRを行う際のX線診断装置として好適に利用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0070】 【図1】本発明の実施の形態1に係る装置の概略模式図である。 【図2】実施の形態1におけるX線絞りの内部構造を示す構成図である。 【図3】絞り操作機構の機能ブロック図である。 【図4】操作パネルの概略平面図である。 【図5】実施の形態1に係る本発明装置の映像系機構の移動状況を示す説明図である。 【図6】映像系操作機構の機能ブロック図である。 【図7】(A)は標準視野モードにおけるX線絞りの内部構成図、(B)および(C)は外部視野モードにおけるX線絞りの内部構成図である。 【図8】標準視野と外部視野の位置と、本発明装置の映像系機構の位置との関係を示す説明図である。 【符号の説明】 【0071】 1 天板 2 脚部 3 X線発生器 5 X線検出器 21 支持基材 4 X線絞り 40 モータ 41〜44 絞り羽根(上羽根、下羽根、左羽根、右羽根) 45 絞り制御部 46 絞り位置検出器 6 支柱 61 第1アーム 62 第2アーム 63 映像系制御部 64 モータ 65 映像系位置検出器 7 操作パネル 71 絞り操作器 72 映像系操作器 8 診断装置制御部 9 画像処理部 10 表示部 P 被検体 Xa X線錘の光軸
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成18年7月28日(2006.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100147 【弁理士】 【氏名又は名称】山野 宏
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| 【公開番号】 |
特開2008−29645(P2008−29645A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−207212(P2006−207212) |
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