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【発明の名称】 覚醒度検出装置
【発明者】 【氏名】柿沼 道子

【氏名】香川 正勝

【氏名】鴨川 昌誉

【要約】 【課題】覚醒度の低下を判断するための基準となる閾値を運転時間の経過に合せて最適な値に変化させる。

【構成】閾値を経過時間に応じて変化させる。このときに、運転者の休息状態を検出し、運転者の休息状態を検出すると閾値を初期値に戻す。あるいは、運転者の休息状態を検出した時間の長さ、または、休息の質に応じて閾値を所定値に戻す。例えば、運転者の運転席への着座を検出する着座センサを備え、エンジンの始動と着座センサによる着座とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、着座センサによる非着座が検出されている時間を休息時間と判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者の覚醒度を検出する覚醒度検出手段を備え、この覚醒度検出手段には、覚醒度の低下を判断するための閾値が設けられた覚醒度検出装置において、
前記閾値を経過時間に応じて変化させる閾値可変手段を備えた
ことを特徴とする覚醒度検出装置。
【請求項2】
運転者の休息状態を検出する休息検出手段を備え、
前記閾値可変手段は、前記休息検出手段が運転者の休息状態を検出すると閾値を初期値に戻す手段を備えた
請求項1記載の覚醒度検出装置。
【請求項3】
運転者の運転席への着座を検出する着座センサを備え、
前記休息検出手段は、エンジンの始動と前記着座センサによる着座とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、前記着座センサによる非着座が検出されている時間を休息時間と判定する
請求項1記載の覚醒度検出装置。
【請求項4】
キャブサスペンションの圧力を検出する圧力計を備え、
前記休息検出手段は、エンジンの始動と前記圧力計の圧力値の変化とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、前記圧力計の圧力値の変化がない時間を休息時間と判定する
請求項1記載の覚醒度検出装置。
【請求項5】
キャブサスペンションの圧力を検出する圧力計を備え、
前記休息検出手段は、エンジンの始動と前記圧力計の圧力値の所定値以上の増加とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、前記圧力計の圧力値が所定値以上減少した時間を休息時間と判定する
請求項1記載の覚醒度検出装置。
【請求項6】
運転者の休息状態を検出する休息検出手段を備え、
前記閾値可変手段は、前記休息検出手段が運転者の休息状態を検出した時間の長さに応じて閾値を所定値に戻す手段を備えた
請求項1記載の覚醒度検出装置。
【請求項7】
運転者の休息のとり方の種別を判定する手段を備え、
前記所定値に戻す手段は、前記種別に応じて異なる所定値に戻す手段を含む
請求項6記載の覚醒度検出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物や乗客を輸送するための大型車(トラック、バス)に利用する。特に、居眠り運転の回避技術に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者の覚醒度を様々な手法によって検出し、覚醒度の低下を検出すると運転者に対して警報を行う装置が提案されている。覚醒度を検出する手法は、例えば、運転者の瞬き回数を検出する手法(例えば、特許文献1参照)、車線逸脱を検出する手法(例えば、特許文献2参照)、脳波を検出する手法(例えば、特許文献3参照)などが用いられている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−272960号公報
【特許文献2】特開2002−87107号公報
【特許文献3】特開平8−332871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような覚醒度の検出では、検出手法の如何によらず覚醒度の低下を判定するための閾値が設けられており、従来、この閾値は時間経過に依らず常に一定である。例えば、特許文献3では、道路環境(高速道路または一般道)によって閾値を変化させる提案がなされているが、この提案においても時間経過によって閾値を変化させるという発想はない。
【0005】
しかし、実際には、運転開始直後の状態と長時間運転後の状態とを比べると、長時間運転後の方が覚醒度の低下が発生し易いことは周知のとおりである。
【0006】
そこで、運転開始直後と長時間運転後とでは、覚醒度の低下を判定するための閾値を可変とし、長時間運転後の方が運転開始直後と比べて覚醒度の低下をより厳しく判定することが望ましい。しかしながら、そのような従来技術は存在しない。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、運転時間の経過に合わせて覚醒度の低下を判断する基準となる閾値を最適な値に変化させることができる覚醒度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両の運転者の覚醒度を検出する覚醒度検出手段を備え、この覚醒度検出手段には、覚醒度の低下を判断するための閾値が設けられた覚醒度検出装置であって、本発明の特徴とするところは、前記閾値を経過時間に応じて変化させる閾値可変手段を備えたところにある。
【0009】
これによれば、覚醒度の低下が起こり易い長時間運転後の方が覚醒度の低下が起こり難い運転開始直後と比べて覚醒度の低下をより厳しく判定することができる。
【0010】
さらに、運転者の休息状態を検出する休息検出手段を備え、前記閾値可変手段は、前記休息検出手段が運転者の休息状態を検出すると閾値を初期値に戻す手段を備えることが望ましい。
【0011】
これにより、運転者が休息をとった場合には、閾値を再び運転開始直後の値に戻すことにより、運転者の状態に適合する最適な閾値を設定することができる。
【0012】
例えば、運転者の運転席への着座を検出する着座センサを備え、前記休息検出手段は、エンジンの始動と前記着座センサによる着座とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、前記着座センサによる非着座が検出されている時間を休息時間と判定する。
【0013】
すなわち、運転者が着座してエンジンを始動させたときからを運転開始と判定し、その後、非着座になっている時間を休息時間と判定することにより、例えば、運転者がエンジンを停止させずに車両から降りて休息をとった場合も休息時間と判定することができる。
【0014】
これによれば、単に、エンジンの停止によって休息と判定する場合に比べてより正確に休息時間を検出することができる。例えば、休息中であってもエンジンを停止することができない保冷車などにおいて、エンジンをかけたまま運転者が車両から降りて休息をとった場合もこれを休息時間として正しく検出することができる。
【0015】
あるいは、キャブサスペンションの圧力を検出する圧力計を備え、前記休息検出手段は、エンジンの始動と前記圧力計の圧力値の変化とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、前記圧力計の圧力値の変化がない時間を休息時間と判定してもよい。
【0016】
すなわち、運転者が運転室(キャブ)に乗り込んだとき、または、車両が走行中には、キャブサスペンションの圧力値が変化するので、キャブサスペンションの圧力値が変化してエンジンを始動させたときからを運転開始と判定し、その後、車両が停車すると、運転室の揺れが無くなるために、キャブサスペンションの圧力値の変化も無くなるので、所定時間以上キャブサスペンションの圧力値の変化が無い時間を休息時間と判定することができる。
【0017】
あるいは、キャブサスペンションの圧力を検出する圧力計を備え、前記休息検出手段は、エンジンの始動と前記圧力計の圧力値の所定値以上の増加とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、前記圧力計の圧力値が所定値以上減少した時間を休息時間と判定する。
【0018】
すなわち、運転者が運転室に乗り込むと、運転者の体重の分、キャブサスペンションの圧力値が増加するため、キャブサスペンションの圧力値が所定値以上増加してエンジンを始動させたときからを運転開始と判定し、その後、キャブサスペンションの圧力値が所定値以上減少したときに運転者がキャブから降りたことがわかるので、その時間を休息時間と判定することができる。
【0019】
あるいは、本発明の覚醒度検出装置における前記閾値可変手段は、前記休息検出手段が運転者の休息状態を検出した時間の長さに応じて閾値を所定値に戻す手段を備えることもできる。これによれば、休息の程度に応じて最適な閾値を設定することができる。
【0020】
さらに、運転者の休息のとり方の種別を判定する手段を備え、前記所定値に戻す手段は、前記種別に応じて異なる所定値に戻す手段を含むことができる。これによれば、同じ時間の長さの休息であっても、休息の種別(質)に応じて最適な閾値を設定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、運転時間の経過に合せて覚醒度の低下を判断する基準となる閾値を最適な値に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第一実施例)
第一実施例の覚醒度検出装置を図1ないし図4を参照して説明する。図1は本実施例の覚醒度検出装置を搭載した車両の運転室を示す図である。
【0023】
本実施例の覚醒度検出装置1は、図1に示すように、カメラ2によって運転者の瞬きを撮影し、瞬き回数を調べることにより、車両の運転者の覚醒度を検出する警報発出部20を備える。赤外線投光器3によって、赤外線を運転者の顔に照射することにより、夜間でも運転者の瞬きを撮影することができる。なお、赤外線は運転者の目には見えないため、赤外線の照射により運転が妨げられることは無い。そして、警報発出部20は、瞬き回数を調べた結果、運転者の覚醒度の低下が検出されたときには、アラーム4に警報を発出する。なお、アラーム4は警報ブザーまたは警報ランプあるいはその両方である。この警報発出部20には、覚醒度を検出するための閾値が閾値設定部10に設けられている。
【0024】
本実施例の閾値設定部10のブロック構成を図2に示す。閾値設定部10は、図2に示すように、閾値の元値を予め記憶しておく閾値記憶部12と、この閾値を経過時間に応じて変化させる閾値可変部13と、運転時間を積算すると共に運転者の休息状態を検出する運転時間積算部11−1とを備え、閾値可変部13は、運転時間積算部11−1が運転者の休息状態を検出すると閾値を初期値に戻す。
【0025】
本実施例では、運転者の運転席への着座を検出する着座センサ6を備え、運転時間積算部11−1は、エンジンECU5からのエンジン情報に基づきエンジンの始動と着座センサによる着座とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、前記着座センサによる非着座が検出されている時間を休息時間と判定する。
【0026】
次に、本実施例の覚醒度検出装置の動作を図3を参照して説明する。図3は本実施例の運転時間積算部11−1の動作を示すフローチャートである。本実施例の運転時間積算部11−1は、図3に示すように、エンジンECU5からのエンジン情報および着座センサ6からの着座情報を監視し(S1、S3−1)、エンジンが始動され(S2)、着座が検出されたときには(S4−1)、運転開始と判断し、運転時間の積算を開始する(S5)。
【0027】
運転時間積算部11−1は、さらに着座センサ6からの着座情報を監視し(S6−1)、非着座を検出し(S7−1)、非着座のまま所定時間が経過したら(S8)、運転者は、休息をとるために座席を離れ、仮眠室で仮眠をとる、あるいは、車外で気分転換を図るなどの行為を行ったと判断できるので、運転時間をリセットする(S9)。なお、所定時間は、例えば、15分〜30分以上である。また、ステップS6−1→S7−1→S8→S9の手順の流れにおいては、エンジンの状態は考慮していない。これは、保冷車などのように、運送途中でエンジンを停止させることができない車両においては、運転者は、エンジンを停止させずに休息をとるからである。
【0028】
このときに、非着座が検出されなくても(S7−1)、エンジン情報を監視した結果(S12)、エンジン停止が検出され(S13)、エンジン停止状態のまま所定時間が経過したときには(S14)、運転者は、座席に座ったままであっても、休息をとったと判断できるので、運転時間をリセットし(S15)、ステップS1に戻る。しかし、エンジン停止が検出されても(S13)、所定時間が経過していなければ(S14)、運転時間のリセットは行わずに、ステップS1に戻る。これは、信号待ちなどのごく短時間だけ、アイドリングストップのためにエンジンを停止させる場合もあるからである。
【0029】
また、非着座状態が所定時間以上継続して運転時間がリセットされた場合には、運転時間積算部11−1は、さらに着座センサ6からの着座情報を監視し(S10−1)、着座が検出され(S11−1)、エンジンも停止されていなければ(S12、S13)、再び、運転時間の積算を開始する(S5)。
【0030】
次に、運転時間の経過と共に閾値が変化する様子を図4を参照して説明する。図4は運転時間の経過と共に閾値が減少し、休息時間後にリセットされる例を示す図であり、横軸に、運転時間をとり、縦軸に閾値をとる。図4の例において、閾値は、図1に示すカメラ2によって撮影された運転者の瞬きの回数である。
【0031】
瞬き回数によって覚醒度を検出する手法を、ごく簡単化して説明すると、覚醒度が低くなるにつれて、瞬き回数は少なくなる。よって、単位時間あたりの瞬き回数に着目した場合に、覚醒度が高い状態と低い状態とで比べると、覚醒度が低い状態の方が瞬き回数は少なくなる。したがって、単位時間あたりの瞬き回数の閾値を設定しておくことにより、覚醒度の低下を検出することができる。
【0032】
本実施例では、運転開始直後から運転時間の経過と共に閾値を徐々に低くすることにより、長時間運転後の覚醒度の低下が発生し易いと考えられる時間帯においては、覚醒度の低下の判断基準を、運転開始直後と比べて厳しくすることができる。
【0033】
さらに、本実施例では、運転者の休息の有無を検出し、運転者が休息をとった場合には、閾値を再び運転開始直後の値に戻している。安全性最優先の観点からみると、覚醒度の低下の判断基準は、厳しいままで戻さなくてもよい、という考え方もあるが、判断基準が厳しくなればなるほど、覚醒度の低下によらない挙動までもが覚醒度の低下として誤判断される確率が増加するため、覚醒度検出装置の信頼性を確保する意味では、厳しからず甘からず適切な閾値の設定は有用である。
【0034】
(第二実施例)
第二実施例の覚醒度検出装置を図5ないし図7を参照して説明する。図5は本実施例の覚醒度検出装置を搭載した車両の運転室を示す図である。本実施例と第一実施例との差異は、着座センサ6により検出された着座情報の代わりに、圧力計7により測定されたキャブサスペンション8の圧力値情報を用いるところにある。これによれば、第一実施例の着座センサ6のように、本発明を実現するための新たなセンサを設ける必要はない。
【0035】
すなわち、運転者が運転室に乗り込んだとき、または、車両が走行している間は、運転室が揺れるので、圧力計7の圧力値が変化する。車両が停車している間は、運転室が揺れないので、圧力計7の圧力値は変化しない。この点に着目し、圧力計7の圧力値によって車両の状態を判断する。
【0036】
本実施例の閾値設定部10のブロック構成を図6に示す。閾値設定部10は、図6に示すように、閾値の元値を予め記憶しておく閾値記憶部12と、この閾値を経過時間に応じて変化させる閾値可変部13と、運転時間を積算すると共に運転者の休息状態を検出する運転時間積算部11−2とを備え、閾値可変部13は、運転時間積算部11−2が運転者の休息状態を検出すると閾値を初期値に戻す。
【0037】
本実施例では、キャブサスペンション8の圧力を検出する圧力計7を備え、運転時間積算部11−2は、エンジンの始動と圧力計7の圧力値の変化とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、圧力計7の圧力値の変化がない時間を休息時間と判定する。
【0038】
次に、本実施例の覚醒度検出装置の動作を図7を参照して説明する。図7は本実施例の運転時間積算部11−2の動作を示すフローチャートである。本実施例の運転時間積算部11−2は、図7に示すように、エンジンECU5からのエンジン情報および圧力計7からの圧力値情報を監視し(S1、S3−2)、エンジンが始動され(S2)、圧力値の変化が検出されたときには(S4−2)、運転開始と判断し、運転時間の積算を開始する(S5)。
【0039】
運転時間積算部11−2は、さらに圧力計7からの圧力値情報を監視し(S6−2)、圧力値の変化を検出し(S7−2)、圧力値に変化が無いまま所定時間が経過したら(S8)、車両は停車中であり、運転者は、休息をとるために座席を離れ、仮眠室で仮眠をとる、あるいは、車外で気分転換を図るなどの行為を行ったと判断できるので、運転時間をリセットする(S9)。なお、所定時間は、例えば、15分〜30分以上である。また、ステップS6−2→S7−2→S8→S9の手順の流れにおいては、エンジンの状態は考慮していない。これは、保冷車などのように、運送途中でエンジンを停止させることができない車両においては、運転者は、エンジンを停止させずに休息をとるからである。
【0040】
このときに、圧力値に変化が無いことが検出されなくても(S7−2)、エンジン情報を監視した結果(S12)、エンジン停止が検出され(S13)、エンジン停止状態のまま所定時間が経過したときには(S14)、車両は、カーフェリーなどにより運搬されている状況であり、運転者は、休息をとったと判断できるので、運転時間をリセットし(S15)、ステップS1に戻る。しかし、エンジン停止が検出されても(S13)、所定時間が経過していなければ(S14)、運転時間のリセットは行わずに、ステップS1に戻る。これは、信号待ちなどのごく短時間だけ、アイドリングストップのためにエンジンを停止させる場合もあるからである。
【0041】
また、圧力値に変化が無い状態が所定時間以上継続して運転時間がリセットされた場合には、運転時間積算部11−2は、さらに圧力計7からの圧力値情報を監視し(S10−2)、圧力値の変化が検出され(S11−2)、エンジンも停止されていなければ(S12、S13)、再び、運転時間の積算を開始する(S5)。
【0042】
(第三実施例)
第三実施例の覚醒度検出装置を図8を参照して説明する。本実施例の覚醒度検出装置を搭載した車両の運転室を示す図および閾値設定部10のブロック構成図は、第二実施例(図5、図6)と共通である。本実施例と第二実施例との差異は、圧力計7により測定されたキャブサスペンション8の圧力値情報を、運転者の運転室への乗降情報として用いるところにある。これによれば、第一実施例の着座センサ6のように、本発明を実現するための新たなセンサを設ける必要はない。
【0043】
すなわち、運転者が運転室に乗り込むと、運転者の体重増加の分、圧力計7の圧力値が所定値以上増加する。また、運転者が運転室から降りると、運転者の体重減少の分、圧力計7の圧力値が所定値以上減少する。この点に着目し、圧力計7の圧力値によって運転者の運転室への乗降の状態を判断する。
【0044】
本実施例では、キャブサスペンション8の圧力を検出する圧力計7を備え、運転時間積載部11−2は、エンジンの始動と圧力計7の圧力値の所定値以上の増加とが双方検出されたときを運転開始と判定し、その後に、圧力計7の圧力値が所定値以上減少した時間を休息時間と判定する。
【0045】
次に、本実施例の覚醒度検出装置の動作を図8を参照して説明する。図8は本実施例の運転時間積算部11−2の動作を示すフローチャートである。本実施例の運転時間積算部11−2は、図8に示すように、エンジンECU5からのエンジン情報および圧力計7からの圧力値情報を監視し(S1、S3−3)、エンジンが始動され(S2)、圧力値の所定値以上の増加が検出されたときには(S4−3)、運転開始と判断し、運転時間の積算を開始する(S5)。
【0046】
運転時間積算部11−2は、さらに圧力計7からの圧力値情報を監視し(S6−3)、圧力値の所定値以上の減少を検出し(S7−3)、その圧力値が所定時間が経過したら(S8)、運転者は、運転室から降り、車外で気分転換を図るなどの行為を行ったと判断できるので、運転時間をリセットする(S9)。なお、所定時間は、例えば、15分〜30分以上である。また、ステップS6−3→S7−3→S8→S9の手順の流れにおいては、エンジンの状態は考慮していない。これは、保冷車などのように、運送途中でエンジンを停止させることができない車両においては、運転者は、エンジンを停止させずに休息をとるからである。
【0047】
このときに、圧力値の所定値以上の減少が検出されなくても(S7−3)、エンジン情報を監視した結果(S12)、エンジン停止が検出され(S13)、エンジン停止状態のまま所定時間が経過したときには(S14)、運転者は、運転室に乗ったままであっても、仮眠室あるいは座席で仮眠をとるなどの休息をとったと判断できるので、運転時間をリセットし(S15)、ステップS1に戻る。しかし、エンジン停止が検出されても(S13)、所定時間が経過していなければ(S14)、運転時間のリセットは行わずに、ステップS1に戻る。これは、信号待ちなどのごく短時間だけ、アイドリングストップのためにエンジンを停止させる場合もあるからである。
【0048】
また、圧力値が所定値以上減少した状態が所定時間以上継続して運転時間がリセットされた場合には、運転時間積算部11−2は、さらに圧力計7からの圧力値情報を監視し(S10−3)、圧力値の所定値以上の増加が検出され(S11−3)、エンジンも停止されていなければ(S12、S13)、再び、運転時間の積算を開始する(S5)。
【0049】
(第四実施例)
第四実施例の覚醒度検出装置を図9を参照して説明する。図9は本実施例の座席を示す図である。本実施例では、圧力計7′により測定されるシートサスペンション9の圧力値の変化を着座情報として用いる。これによれば、第一実施例の着座センサ6のように、本発明を実現するための新たなセンサを設ける必要はない。本実施例の動作については第一実施例と同じである。
【0050】
(第五実施例)
第五実施例の覚醒度検出装置を図10ないし図12を参照して説明する。図10は運転時間の経過と共に閾値が減少し、休息時間の長さに応じて閾値が増加する例を示す図であり、横軸に、運転時間をとり、縦軸に閾値をとる。図10の例において、閾値は、図1に示すカメラ2によって撮影された運転者の瞬きの回数である。
【0051】
本実施例と他の実施例との差異は、閾値可変部13は、運転時間積算部11−1または11−2が運転者の休息状態を検出した時間の長さに応じて閾値を所定値に戻すところにある。すなわち、他の実施例では、図4に示すように、所定の休息時間の後には、閾値を初期値に戻していたが、本実施例では、休息時間の長さに応じて閾値を適宜増加させる。
【0052】
次に、本実施例の覚醒度検出装置1の動作を図11を参照して説明する。図11は本実施例の運転時間積算部11−1または11−2の動作を示すフローチャートの一部を示す図であり、他の実施例のステップS8、S14およびS9、S15と置き換わる部分に相当する。他の実施例のステップS8、S14では、所定時間の経過を判断したが、本実施例のステップS8−5では、t時間の経過を判断し、t時間分だけ閾値を増加させる(S9−5)。これによれば、短時間の休息であってもそれなりに閾値を初期値に近づけることができる。
【0053】
本実施例の発展形の実施例を図12に示す。図12は休息のとり方の種別に応じた閾値増加の動作を示すフローチャートであり、第二実施例(図7)におけるステップS8、S14およびS9、S15と置き換わる部分に相当する。また、第一および第三実施例におけるステップS14およびS15と置き換えることもできる。なお、図中のα、β、γは、いずれも0よりも大きく1以下(0<α、β、γ≦1)の係数である。
【0054】
本実施例の発展形の実施例では、運転者の休息のとり方の種別(質)を判定する手段を備え、閾値可変部13は、この種別に応じて閾値を異なる所定値に戻す。この判定する手段は、閾値可変部13に備えてもよいし、別に設けてもよい。この判定する手段は、図7に示すように、圧力計7の圧力値情報を監視した結果(S6−2)、圧力値の変化が無く(S7−2)、車両が停車中であるときに、あるいは、エンジンが停止しているときに(S13)、図12に示すように、ドアスイッチの監視を行い(S20)、ドアの開閉があり(S21)、t時間経過したら(S26)、βt時間分閾値を増加させる(S27)。
【0055】
また、ドアの開閉がなく(S21)、仮眠室の利用の有無を監視するための仮眠室センサ(例えば、人体から放射される赤外線に反応するセンサ)を監視した結果(S22)、運転者が仮眠室を利用し(S23)、t時間経過していたら(S28)、αt時間分閾値を増加させる(S29)。
【0056】
また、ドアの開閉がなく(S21)、仮眠室センサを監視した結果(S22)、運転者は仮眠室を利用しておらず(S23)、t時間が経過していたら(S24)、γt時間分閾値を増加させる(S25)。
【0057】
すなわち、ドアの開閉があり(S21)、t時間経過した(S26)という状況は、運転者が車外に出て、気分転換を図った状況である(状況β)。
【0058】
また、ドアの開閉がなく(S21)、仮眠室センサを監視した結果(S22)、運転者が仮眠室を利用し(S23)、t時間経過した(S28)という状況は、運転者が仮眠室で仮眠をとったという状況である(状況α)。
【0059】
また、ドアの開閉がなく(S21)、仮眠室センサを監視した結果(S22)、運転者は仮眠室を利用しておらず(S23)、t時間が経過した(S24)という状況は、運転者が座席で休息をとったという状況である(状況γ)。
【0060】
ここで、状況α、β、γを検討すると、状況βは、気分転換を図ってはいるが、仮眠はとっておらず、仮眠をとった状況αと比較すると休息度合いは低く、閾値を増加させる割合は状況αと比較すると状況βの方を少なくすることが妥当である。また、状況γは、座席についたままの休息であり、状況αおよびβと比較すると休息度合いは低く、閾値を増加させる割合は状況αおよびβと比較して少なくすることが妥当である。よって、係数α、β、γは、仮眠をとっている状況αが最も大きな値であり、
γ<β<α
とすることがよい。
【0061】
(実施例まとめ)
第一〜第五実施例では、瞬き回数による覚醒度検出手法を前提に説明を行ったが、それ以外の覚醒度検出手法であっても、覚醒度検出に閾値を用いる手法であれば、第一〜第五実施例の説明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、運転時間の経過に合せて覚醒度の低下を判断する基準となる閾値を最適な値に変化させることができるので、居眠り運転の回避に寄与し、交通安全に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第一実施例の覚醒度検出装置を搭載した車両の運転室を示す図。
【図2】第一実施例の閾値設定部のブロック構成図。
【図3】第一実施例の運転時間積算部の動作を示すフローチャート。
【図4】運転時間の経過と共に閾値が減少し、休息時間後にリセットされる例を示す図。
【図5】第二実施例の覚醒度検出装置を搭載した車両の運転室を示す図。
【図6】第二実施例の閾値設定部のブロック構成図。
【図7】第二実施例の運転時間積算部の動作を示すフローチャート。
【図8】第三実施例の運転時間積算部の動作を示すフローチャート。
【図9】第四実施例の座席を示す図。
【図10】運転時間の経過と共に閾値が減少し、休息時間の長さに応じて閾値が増加する例を示す図。
【図11】第五実施例の運転時間積算部の動作を示すフローチャートの一部を示す図。
【図12】第五実施例の休息のとり方の種別に応じた閾値増加の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0064】
1 覚醒度検出装置
2 カメラ
3 赤外線投光器
4 アラーム
5 エンジンECU
6 着座センサ
7、7′ 圧力計
8 キャブサスペンション
9 シートサスペンション
10 閾値設定部
11−1、11−2 運転時間積算部
12 閾値記憶部
13 閾値可変部
20 警報発出部
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100078237
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 直孝

【識別番号】100083518
【弁理士】
【氏名又は名称】下平 俊直


【公開番号】 特開2008−29491(P2008−29491A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204743(P2006−204743)