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【発明の名称】 眼科用超音波診断装置
【発明者】 【氏名】清水 一成

【要約】 【課題】装置に設ける操作スイッチの数を抑えつつ簡単な構成で、操作性を高くする。

【構成】被検眼に超音波を送波すると共に被検眼にて反射されたエコー信号を受波する超音波プローブと、検者によって操作入力されるタッチパネル部を有し、前記超音波プローブに受波されたエコー信号の強度データを超音波画像として表示する表示手段と、前記超音波プローブを動作させ前記超音波画像を取得するための計測モードと前記超音波プローブの動作を待機させる待機モードとを切り換えるためのモード切換手段と、前記表示手段の表示画面外に設けられ、前記計測モード時において前記表示手段に表示される前記超音波画像の画質を調整するための画質調整手段と、前記待機モード時において前記画質調整とは異なる用途として前記画質調整手段を機能させるための機能切換手段と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼に超音波を送波すると共に被検眼にて反射されたエコー信号を受波する超音波プローブと、
検者によって操作入力されるタッチパネル部を有し、前記超音波プローブに受波されたエコー信号の強度データを超音波画像として表示する表示手段と、
前記超音波プローブを動作させ前記超音波画像を取得するための計測モードと前記超音波プローブの動作を待機させる待機モードとを切り換えるためのモード切換手段と、
前記表示手段の表示画面外に設けられ、前記計測モード時において前記表示手段に表示される前記超音波画像の画質を調整するための画質調整手段と、
前記待機モード時において前記画質調整とは異なる用途として前記画質調整手段を機能させるための機能切換手段と、
を備えることを特徴とする眼科用超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1の眼科用超音波診断装置において、前記画質調整とは異なる用途とは、前記待機モード時に前記表示手段に表示される画像計測用マーカーの移動手段、または前記表示手段に表示される複数の選択項目から検者が所望する選択項目を選択させるための選択手段であることを特徴とする眼科用超音波診断装置。
【請求項3】
請求項2の眼科用超音波診断装置において、前記画質調整手段は、前記表示手段に表示される超音波画像全体のゲインを調整するための第1回転ノブと、前記表示手段に表示される超音波画像の一部のゲインを調整するための第2回転ノブとを有し、前記機能切換手段は前記待機モード時において前記一方の回転ノブを前記表示画面上における上下方向への電子表示の移動手段として機能させ,前記他方の回転ノブを前記表示画面上における左右方向への電子表示の移動手段として機能させることを特徴とする眼科用超音波診断装置。
【請求項4】
請求項1の眼科用超音波診断装置において、
前記画質調整手段は、検者によって回転される回転ノブであって、無制限に回転可能な機構を有することを特徴とする眼科用超音波診断装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波の送受波により被検眼の診断を行う眼科用超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プローブ内の超音波トランスデューサ(超音波探触子)から超音波を送波し、眼球等の生体内各組織からの反射エコーを受波、処理することで生体組織の情報を得る眼科用超音波診断装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような装置において、得られた被検眼の生体組織情報は装置に設けられた表示パネルに表示され、例えば、被検眼の各内部組織からのエコー信号を波形として表示するAモード表示や、トランスデューサを走査することにより被検眼の奥行方向の断層像を表示するBモード表示がなされる。また、上記のような装置には、表示パネルに表示された断層画像に対して画像計測用マーカーを移動させ、そのマーカーの表示位置に基づいて被検眼の断層画像上の距離や面積を測定する機能が設けられている。
【特許文献1】特開2001−187022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような眼科用超音波診断装置は、できるだけ小型化し、取り扱いが容易である装置が望まれる。このため、各種の計測や諸条件の設定等を行うための各種操作スイッチ類をタッチパネルとして表示モニタに取り入れることが考えられる。このようなタッチパネル式の表示パネルの場合、表示モニタの画面上で種々の計測条件等を設定する必要があるため、画面上に配置される各操作スイッチの大きさは限定されてしまい、装置全体を小型化できる反面、操作性が悪化する要因となる。一方、操作性を考慮して表示パネルを大画面化するとコストアップにつながってしまう。
【0005】
本発明は、上記問題点を鑑み、装置に設ける操作スイッチの数を抑えつつ簡単な構成で、操作性の高い眼科用超音波診断装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) 被検眼に超音波を送波すると共に被検眼にて反射されたエコー信号を受波する超音波プローブと、検者によって操作入力されるタッチパネル部を有し、前記超音波プローブに受波されたエコー信号の強度データを超音波画像として表示する表示手段と、前記超音波プローブを動作させ前記超音波画像を取得するための計測モードと前記超音波プローブの動作を待機させる待機モードとを切り換えるためのモード切換手段と、前記表示手段の表示画面外に設けられ、前記計測モード時において前記表示手段に表示される前記超音波画像の画質を調整するための画質調整手段と、前記待機モード時において前記画質調整とは異なる用途として前記画質調整手段を機能させるための機能切換手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼科用超音波診断装置において、前記画質調整とは異なる用途とは、前記待機モード時に前記表示手段に表示される画像計測用マーカーの移動手段、または前記表示手段に表示される複数の選択項目から検者が所望する選択項目を選択させるための選択手段であることを特徴とする。
(3) (2)の眼科用超音波診断装置において、前記画質調整手段は、前記表示手段に表示される超音波画像全体のゲインを調整するための第1回転ノブと、前記表示手段に表示される超音波画像の一部のゲインを調整するための第2回転ノブとを有し、前記機能切換手段は前記待機モード時において前記一方の回転ノブを前記表示画面上における上下方向への電子表示の移動手段として機能させ,前記他方の回転ノブを前記表示画面上における左右方向への電子表示の移動手段として機能させることを特徴とする。
(4) (1)の眼科用超音波診断装置において、前記画質調整手段は、検者によって回転される回転ノブであって、無制限に回転可能な機構を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置に設ける操作スイッチの数を抑えつつ簡単な構成で、操作性を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明についてBモード法により被検眼の断層像を画像化する場合の眼科用超音波診断装置を一実施形態として挙げ、図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る眼科用超音波診断装置の外観略図、図2は制御系の要部構成図である。
【0010】
装置本体1にはトランスデューサ12を有するBモード用の超音波プローブ2がケーブルを介して接続されており、カラー表示可能なモニタである液晶表示パネル3が装置本体1の前面に設けられている。液晶表示パネル3には、超音波プローブによって取得されたエコー信号の強度データが超音波画像として表示される。また、液晶表示パネル3はタッチパネル式であり、検者は表示パネル3に表示される設定項目を選択操作することにより各種条件を設定することができる。タッチパネル式の表示パネル3上には、例えば、モード切換スイッチ50が配置(表示)されており、スイッチ50の入力に応じて、超音波プローブ2を動作させて超音波画像を取得するための計測モードと超音波プローブ2の動作を待機させる待機モードとが切換え可能な構成となっている。なお、測定・診断結果は図示なきプリンタにより出力することができる。
【0011】
また、表示パネル3の表示画面外には、計測モード時において超音波プローブ2によって受波されるエコー信号のゲイン(増幅度)を調整するための手段となるゲイン調整用回転ノブが設けられている。41は表示パネル3に表示される超音波画像全体のゲインを調整するためのゲイン調整用回転ノブである。42は表示パネル3に表示される超音波画像の一部(例えば、前眼部付近や網膜付近等)のゲイン(表示パネル3の所定範囲のみのゲイン)を調整するため手段となるTGC(Time Gain Control)用回転ノブであり、本実施形態では、前眼部付近のゲインを調整可能な構成となっている。なお、本実施形態におけるゲイン調整には、エコー信号のオフセット値を増減させることにより、画像全体のオフセット値や所定部位(所定範囲)のオフセット値を調整するような手法も含むものとする。
【0012】
制御部10は装置本体1に内蔵され、各種回路等を制御する(例えば、表示パネル3の表示画面を表示制御する)。また、制御部10はモード切換スイッチ50によるモード切換に応じて装置の動作を切換える。計測モードに設定される場合、制御部10はクロック発生回路11を駆動制御し、送信器17を介してプローブ2内に設けられたトランスデューサ12から超音波を発信(送波)させる。そして、被検眼の各組織からの反射エコーは、トランスデューサ12で受信(受波)され、増幅器18を介してA/D変換器13でデジタル信号に変換される。デジタル信号化された反射エコー情報は、サンプリングメモリ14に一旦記憶される。さらに、Bモードの場合、制御部10は、トランスデューサ12に設けられている走査手段を用いて順次走査させていき、1画面分の信号(画像データ)をサンプリングメモリ14に記憶させる。そして、制御部10は、サンプリングメモリ14に記憶された1画面分の画像データに基づいて断層画像を作成して表示パネル3に表示する。
【0013】
このとき、制御部10は、超音波プローブ2を繰り返し動作させることにより、1画面分の信号を随時サンプリングメモリ14に記憶していくと共に、表示パネル3の画面上の断層画像を随時更新して表示していく。より具体的には、制御部10は、超音波プローブ2の動作によって新しい断層画像が得られる毎に、リアルタイムで新しい超音波画像を表示していく。
【0014】
図3は計測モード時において、表示パネル3に断層画像Dが表示されているときの画面例である。この画面では、断層画像の他に、動画表示される断層画像をフリーズさせるためのフリーズスイッチ51、断層画像の距離や面積の計測に移行するための計測スイッチ53、モード切換スイッチ54等がタッチパネルのボタンとして、測定方法(本実施形態では、画面に右上にあるように、Bモード法、眼軸長測定、角膜厚測定から測定モードの選択が可能)や測定範囲(例えば、走査エリア50mm)等の計測条件等が表示項目として各々表示されている。ここで、検者は随時表示される断層画像Dを観察しながら、所望する断層画像が得られるようにプローブ2の位置や角度を調整する。また、検者はゲイン調整用回転ノブ41を操作することにより、表示パネル3に表示される断層画像D全体の画質を調整する。この場合、制御部10は、ゲイン調整用回転ノブ41からの操作信号に基づいて増幅器18に対してゲインを増加もしくは減少させる指令信号を送ることで、A/D変換器13に入力されるエコー信号のゲインを調整する。なお、本実施形態におけるゲイン調整用回転ノブ41は、無制限に回転可能な回転ノブ方式であって、ロータリエンコーダによってゲイン調整用回転ノブ41の回転量が検出されるような構成となっている。そして、制御部40は、ゲイン調整用回転ノブ41の回転量に比例してエコー信号のゲインを増減させる。具体的には、時計回りに回転させると感度が増加し、反時計回りに回転させると感度が減少する。
【0015】
また、検者はTGC用回転ノブ42を操作することにより、表示パネル3に表示される断層画像の一部(ここでは、断層画像Dの前眼部付近)の感度(ゲイン)を調整し、断層画像の画質を調整する。この場合、制御部10は、TGC用回転ノブ42からの操作信号に基づいて前眼部付近から検出されたエコー信号のゲインを調整する。
【0016】
検者は、上記のようにして表示パネル3に表示される断層画像Dの調整を行い、適正画像が得られるところで画像取り込みスイッチ(例えば、表示パネル3上のフリーズスイッチ51や図示なきフットスイッチ等)を使用する。ここで、フリーズスイッチ51が押されると、A/D変換器13とサンプリングメモリ14との接続が断たれ、直前の画像データがそのままサンプリングメモリ14に残り、画像データが固定される。また、制御部10は、プローブ2の動作を待機状態とする。これにより、表示パネル3の画面上で各種計測条件の選択が可能な待機モードに移行される。なお、モード切換スイッチ50によって待機モードに移行させるようにしてもよい。
【0017】
次に、表示パネル3に表示された計測スイッチ53が押されると、制御部10は、待機モードのまま、表示パネル3の画面を画像計測用マーカーの移動によって断層画像(Bモード像)の距離や面積を測定することが可能な画面に切換える。図4は待機モード時における断層画像の距離や面積を測定可能な測定画面構成の一例を示したものである。図示する測定画面では、固定された断層画像の他に、距離計測を行うためのMKスイッチ55、距離計測の際に表示される第1マーカー71を移動可能とするための+スイッチ56a、第2マーカー72を移動可能とするための+スイッチ56b、面積計測を行うためのAREAスイッチ57、測定点をプロットするためのSETスイッチ58a、プロットされた点位置に基づいて面積測定を開始するためのENTERスイッチ58b、等がタッチパネルのボタンとして、距離及び面積の計測結果や測定手法等が表示項目として各々表示されている。このとき、制御部10は、ゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42が表示パネル3に表示される画像計測用マーカーの移動に使用されるように表示系及び操作系を制御し、その機能を切り換える。すなわち、制御部10は、前述の画質調整とは異なる用途にゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42を機能させる。本実施形態では、制御部70は、ゲイン調整用回転ノブ41を表示画面上における上下方向への電子表示の移動手段として機能させ,TGC用回転ノブ42を表示画面上における左右方向への電子表示の移動手段として機能させる。
【0018】
より具体的には、ここで、MKスイッチ55が押されると、第1マーカー71及び第2マーカー72が画面上(例えば、画面中央)に電子的に表示され、断層画像Dの所定部位間の距離が測定可能となる。このとき、画面上に表示されている+スイッチ56aが押されると、第1マーカー71が選択され、固定表示された断層画像Dに対して移動可能となり、スイッチ56bが押されると、第2マーカー72が選択され、固定表示された断層画像Dに対して移動可能となる。例えば、+スイッチ56aが選択された後、ゲイン調整用回転ノブ41を操作すると、固定表示された断層画像Dに対して第1マーカー71が上下方向に移動される(時計回りが下方向、反時計回りが上方向)。また、TGC用回転ノブ42を操作すると、固定表示された断層画像Dに対して第1マーカー71が左右方向に移動される(時計回りが右方向、反時計回りが左方向)。なお、第1マーカー71の画面上での移動量は、ゲイン調整用回転ノブ41やTGC用回転ノブ42に設けられたロータリエンコーダによって検出される回転量によって決定される。
【0019】
ここで、検者は、第1マーカー71及び第2マーカー72を所望する位置に各々移動させた後、MKスイッチ55を押す。MKスイッチ55が押されると、制御部10は、第1マーカー71と第2マーカー72とを結ぶ間の距離に基づいて断層画像上の距離を求め、測定結果を表示パネル3に表示する。これにより、例えば、断層画像に表示された水晶体の前面から後面まで距離を求めることが可能となる。この場合、制御部10は、第1マーカー71及び第2マーカー72の表示位置の移動に応じて随時距離を測定し、測定距離を表示パネル3の画面上に随時表示するようにしてもよい。なお、本実施形態では、ゲイン調整用回転ノブ41を上下方向、TGC用回転ノブ42を左右方向へのマーカーの移動用操作手段として使用するものとしているが、反対にゲイン調整用回転ノブ41を左右方向、TGC用回転ノブ42を上下方向の移動用の操作手段として用いることもできる。
【0020】
また、検者によって表示パネル3の表示されたAREAスイッチ57が押されると、画面に面積計測用のマーカー73が電子的に表示され(例えば、画面中央)、このマーカー73の移動によって断層画像(Bモード像)の面積を測定することが可能となる。なお、図4に示す断層画像D上のハッチング部Hは、被検眼の出血した状態を表している。この場合、検者は、ゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42を用いてマーカー73を移動させ、面積を測定したい部分の端に重ねる。なお、マーカー73の表示位置の移動に関しては、前述の第1マーカー71の表示位置と同様な制御によって行われる。ここで、検者によって表示パネル3に表示されたSETスイッチ58aが押されると、点がプロットされる。
【0021】
そして、検者は、ゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42を用いて、次に点をプロットしたい所へマーカー+を動かす。そして、検者によってSETスイッチ58aが押されると、次なる点がプロットされ、前の点と結ばれる。
【0022】
上記のような要領で、検者は、測定したい部分を囲むように点をプロットとしていき、最後の点をプロットしたら、ENTERスイッチ58bを押す。これにより、最初のプロットした点と最後にプロットした点が結ばれる。そして、制御部10は、プロットされた点の表示位置に基づいて閉じられた領域の面積を測定し、測定結果を表示パネル3の画面上に表示する。
【0023】
以上まとめると、画像計測用マーカーの移動用操作手段として、ゲイン調整用回転ノブ41やTGC用回転ノブ42を用いることによって、新たに操作スイッチを設けることがない。また、タッチパネル式の表示パネル3を用いて画像計測用マーカーを移動させる場合に比べて、画面構成を煩雑にすることなく、操作性を向上させることができる。また、本実施形態におけるゲイン調整用回転ノブ41やTGC用回転ノブ42は、無制限に回転可能な機構を用いているため、マーカーの移動が制限されることがない。よって、検者が計測したい位置へのマーカーの移動が容易となる。
【0024】
なお、以上の説明においては、断層画像上の距離や面積を測定する際に表示パネル3に表示される画像計測用マーカーの移動に、ゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42を使用するような構成としたが、これに限るものではない。例えば、本実施形態の装置では、Bモード像の任意の一部分を拡大して記憶、表示させるような場合に、表示パネル3の画面上に記憶できる範囲を示す枠状のマーカー(画像計測用マーカーの1つとみなすことができる)が断層画像上に表示され、Bモード像の記憶したい部分が枠マーカの中に入るように枠マーカの位置が調整されるような構成を有する。そこで、上記のような構成において、表示パネル3に電子的に表示される枠マーカの上下左右方向の移動用の操作手段としてゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42を使用するような構成としてもよい。
【0025】
次に、待機モードにおいて表示パネル3に表示された複数の被検者リストから一の被検者を選択することにより、選択した被検者の超音波データを呼び出し、表示パネル3の画面上に表示する場合について説明する。
【0026】
ここで、検者によって表示パネル3に表示された図示なき被検者スイッチが押されると、複数の被検者リストが表示される。図5は、メモリ16に記憶された被検者情報を表示パネル3の表示したときの画面例である。この例では、上下方向に並べられた10個の被検者リスト(左から、ID番号、名前、最新検査日、左右眼の判別)が表示パネル3に表示されている。また、これらの被検者リストは10個毎にグループ(被検者リスト群)に分けられており、ページを変更することにより他のグループの被検者リストを閲覧することが可能である。90は被検者を選択するカーソルであり、図5では、ID番号005の被検者が選択された状態となっている。この場合、制御部10は、ゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42が表示パネル3に表示される複数の選択項目から検者が所望する選択項目を選択させるために使用されるように表示系及び操作系を制御し、その機能を切り換える。すなわち、制御部10は、前述の画質調整とは異なる用途にゲイン調整用回転ノブ41及びTGC用回転ノブ42を機能させる。本実施形態では、ゲイン調整用回転ノブ41の操作信号がカーソル90の移動に使用され、TGC用回転ノブ42の操作信号が画面上に表示されるグループの変更に使用されるような構成となっている。
【0027】
この場合、検者によってゲイン調整用回転ノブ41が時計周りに回転されると、カーソル90が下方向に移動され、ID005よりも番号の大きい被検者リストが選択される。一方、ゲイン調整用回転ノブ41が反時計回りに回転されると、カーソル90が上方向に移動され、ID005よりも番号の若い被検者リストが選択されるようになる。また、TGC用回転ノブ42が時計回りに回転されると、ID番号の大きい(ページ数の大きい)被検者リストからなるグループが画面上に表示される。また、TGC用回転ノブ42が反時計回りに回転されると、番号の小さい(ページ数の小さい)被検者リストからなるグループが画面上に表示される。
【0028】
上記のようにして、検者がTGC用回転ノブ42を操作して画面上に表示される被検者グループを変更していくと共に、ゲイン調整用回転ノブ41を操作してカーソル90を移動させ、任意の被検者リストが選択されたところで、DISPLAYスイッチ59を押すと、選択された被検者のAモード画像やBモード画像が表示される。
【0029】
以上のような構成とすれば、任意の被検者リストを選択するためのカーソルの移動やグループの変更にゲイン調整用回転ノブ41やTGC用回転ノブ42を用いることによって、タッチパネル式の表示パネル3を用いてカーソルを移動させる場合に比べて操作性を向上させることができる。また、本実施形態におけるゲイン調整用回転ノブ41やTGC用回転ノブ42は、無制限に回転可能な機構であるため、カーソルの移動が制限されることがない。よって、検者が所望する被検者リストへのカーソルの移動が容易となる。
【0030】
なお、以上の説明においては、複数の被検者リストに対してカーソル90を移動させるような構成としたが、カーソル90を固定位置とし、被検者リストを上下方向にスクロールするようにしてもよい。また、制御部10は、ゲイン調整用回転ノブ41やTGC用回転ノブ42からの操作信号に基づいて、複数の被検者リストを上下方向にスクロールさせるように表示パネル3を表示制御し、タッチパネルへの接触によって任意の被検者リストの選択を行うようにしてもよい。
【0031】
なお、以上の説明においては、Bモード像が表示パネル3に表示された場合について説明したが、Aモード像を表示パネル3に表示する場合にも本発明の適用が可能である。例えば、眼軸長測定において、制御部10は、TGC用回転ノブ42からの操作信号が網膜検出ゲートの移動に使用されるように表示系及び操作系を制御する。また、制御部10は、ゲイン調整用回転ノブ41からの操作信号が複数回取得された測定結果から一の測定結果を選択するためのカーソル90の移動に使用されるように表示系及び操作系を制御する。なお、網膜マニュアルゲートは、実際の網膜エコーの前に出血等による余分なエコーがある場合に用いられる。
【0032】
図6は表示パネル3の画面上にAモード像が表示された場合の図である。図6に示すように、画面右側には、被検眼に対するAモード計測が複数回(例えば、10回)行われた際の各測定結果からなる測定結果リスト(左から、ID番号、眼軸長、前房深度、水晶体厚、硝子体長さ)、測定結果の左側には、カーソル90によって選択された測定結果に対応するAモード波形が表示される。なお、Aモード波形の下に表示された矢印マークGは、網膜エコーの検出ゲートを示すマークである。
【0033】
ここで、ゲイン調整用回転ノブ41が操作されると、測定結果リストに対してカーソル90が移動され、任意の測定結果がカーソル90によって選択された状態となる(時計方向への回転によってカーソル90が下方向に移動、反時計方向への回転によってカーソル90が上方向に移動される)。
【0034】
上記のようにして、検者が所望する測定結果に対応するAモード波形が表示され、そのAモード波形上に余分なエコーが観察された場合、検者は、網膜検出ゲートの変更を行う。
ここで、TGC用回転ノブ42が時計回りに回転されると、網膜検出ゲートを示す矢印Gが深い側(右方向)に移動される。一方、TGC用回転ノブ42が反時計回りに回転されると、網膜検出ゲートGが浅い側(左方向)に移動される。
【0035】
ここで、検者は、実際の網膜エコーだと思われるエコー信号に検出ゲートを合わせる。そして、検出ゲートGの位置が移動されると、網膜エコーは検出ゲートGより一番左側にあるエコーになり、測定値もそのエコーを測定の終点とした位置に変わる。このため、取得されたエコー信号に基づいて被検眼の眼軸長等の計測を行う場合に、余分なエコーの影響を受けることなく、測定を行うことが可能となる。
【0036】
以上のような構成とすれば、網膜検出ゲートの移動や測定結果の選択にゲイン調整用回転ノブ41やTGC用回転ノブ42を用いることによって、タッチパネル式の表示パネル3を用いて任意の測定結果に対応する網膜検出ゲートを移動させる場合に比べて操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態に係る眼科用超音波診断装置の外観略図である。
【図2】本実施形態に係る眼科用超音波診断装置の制御系の要部構成図である。
【図3】計測モード時において、表示パネルに断層画像が表示されているときの画面例である。
【図4】待機モード時における断層画像の距離や面積を測定可能な測定画面構成の一例を示したものである。
【図5】メモリに記憶された被検者情報を表示パネル3の表示したときの画面例である。
【図6】表示パネルの画面上にAモード像が表示された場合の図である。
【符号の説明】
【0038】
1 装置本体
2 超音波プローブ
3 表示パネル
10 制御部
18 増幅器
41 ゲイン調整用回転ノブ
42 TGC用回転ノブ
50 モード切換スイッチ
53 計測スイッチ
71 第1マーカー
72 第2マーカー
73 マーカー
90 カーソル


【出願人】 【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−29468(P2008−29468A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204426(P2006−204426)