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【発明の名称】 内視鏡
【発明者】 【氏名】細井 正義

【氏名】竹下 利一郎

【要約】 【課題】内視鏡の内部空間の圧力が、大気圧より低いか大気圧より高いかを容易に視認することができ、内視鏡の内部空間の圧力を大気圧に戻す作業の忘失を確実に防止するとともに、内視鏡の気密性が維持されているか否かを短時間で容易に判断することができる内視鏡を提供すること。

【構成】内視鏡1の光源差込部8には、内視鏡1の内部圧力の大きさを示す圧力ゲージ(内圧表示手段)10が埋め込まれている。この圧力ゲージ10は、内視鏡1の内部圧力の大きさの指標となる目盛り11と、目盛り11を指し示す指針12とを有している。この圧力ゲージ10は、内視鏡1の内外の圧力差がもたらす力により、指針12が目盛り11に沿って連続的に左右に変位し、内視鏡1の内部圧力の大きさに応じた目盛り11を指し示すように作動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間の圧力を表示する内圧表示手段を有する内視鏡であって、
前記内圧表示手段は、前記圧力が大気圧より低い状態と、大気圧より高い状態とを、それぞれ視覚的に表示し得ることを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記内圧表示手段は、目盛りと、該目盛りを指し示す指示部とを有し、
当該内視鏡の内外の圧力差がもたらす力により、前記指示部を前記目盛りに沿って連続的に変位し、変位後の前記指示部が指し示す前記目盛りが、前記圧力の大きさの指標となるよう構成されている請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記内圧表示手段は、当該内視鏡の内外を連通するシリンダと、該シリンダ内を変位するピストンと、前記シリンダに沿って設けられた前記目盛りとを有し、
前記ピストンが、前記力の大きさおよび作用方向に応じて、前記目盛りに沿って前記シリンダ内を変位することにより、前記指示部として機能する請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記内圧表示手段は、当該内視鏡の内外の圧力差がもたらす力によって弾性変形する弾性膜を有し、
前記弾性膜は、前記圧力が大気圧より低いかまたは大気圧より高いかを、それぞれ視覚的に識別可能な形状に変形する請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記内圧表示手段は、当該内視鏡の内外を連通する筒状体と、該筒状体の外側の開口部を塞ぐように設けられた前記弾性膜とを有し、
該弾性膜は、前記圧力が大気圧より高く、その差が10kPa以上あるとき、前記開口部の端面から外側に突出するように変形する請求項4に記載の内視鏡。
【請求項6】
当該内視鏡は、前記弾性膜を備えた前記内圧表示手段を複数個有し、
各前記内圧表示手段が備える弾性膜は、互いに弾性定数が異なる請求項4または5に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記弾性膜は、当該内視鏡の外表面と色が異なる請求項4ないし6のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項8】
前記弾性膜は、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主材料として構成される請求項4ないし7のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項9】
前記内圧表示手段は、さらに、前記内部圧力が大気圧とほぼ等しく、当該内視鏡の使用に適当な状態にあることを視覚的に表示する請求項1ないし8のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項10】
光源装置に着脱可能に装着される光源差込部を備え、前記内圧表示手段は、前記光源差込部に設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の内視鏡。
【請求項11】
前記内圧表示手段は、前記光源差込部に埋め込まれている請求項10に記載の内視鏡。
【請求項12】
内部空間と外部とを連通させ、内部空間の圧力を大気圧と平衡にする開放手段を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療の分野では、消化管等の検査や診断に、内視鏡が使用されている。
内視鏡の挿入部(体腔に挿入する細長い部分)の先端部には、湾曲部が設けられている。湾曲部は、挿入部の基端側に設置された挿入部から湾曲方向および湾曲度合いを遠隔操作可能になっている。この湾曲部は、互いに回動自在に連結された多数の節輪と、この節輪の外周に被覆された外皮(湾曲ゴム)とを有しており、挿入部内に配設されたワイヤーが牽引されることにより、湾曲方向および湾曲度合いを調整することができるようになっている。
【0003】
また、内視鏡は、感染等を予防するため、使用する都度、消毒・滅菌を行う必要がある。この消毒・滅菌を高温高圧下において水蒸気滅菌により行うオートクレーブ装置が知られている。
【0004】
このオートクレーブ装置においては、内視鏡を収納した滅菌槽内を排気して減圧状態にした後、滅菌槽内に高温高圧の水蒸気を充填する。内視鏡の内部にこの水蒸気が侵入すると、故障の原因となるため、内視鏡は、その内部が気密的に密閉され、水蒸気が浸入しないようになっている。
【0005】
しかしながら、滅菌槽内を減圧する際には、内視鏡の内部空間の圧力(以下、「内部圧力」または「内圧」と言う。)が大気圧に等しいままであると、内視鏡の内外の圧力差によって湾曲部の外皮等が膨張し、破裂したり伸展したりして損傷してしまうおそれがある。このため、オートクレーブ装置内に収納する内視鏡の内部も、減圧状態(大気圧より圧力が低い状態)にする必要がある。かかる観点から、従来、内視鏡の内部から外部への一方通行に気体を通過させる逆止弁を設けている。これにより、滅菌槽内が減圧されるのに伴って、内視鏡内部の空気がこの逆止弁を通って自動的に外部に排出され、内視鏡内部も減圧されるようになっている。内視鏡内部をこのような減圧状態で水蒸気滅菌を行った後、オートクレーブ装置から内視鏡を取り出す。
【0006】
取り出された内視鏡は、内部が減圧状態になっているので、逆止弁に対して所定の操作を行うことにより、逆止弁を無効にして通気可能とし、内視鏡内部の圧力を常圧(大気圧)に戻す。
【0007】
しかしながら、忘失等の理由により、この操作が行われなかった場合、内視鏡内部は減圧状態のままになっているので、この状態で内視鏡を使用すると、例えば、次に述べるような弊害を生じる。
【0008】
すなわち、内視鏡内部が減圧状態にあると、湾曲部の外皮が外部の圧力(大気圧)に押されて節輪の間に食い込んだ状態になるため、湾曲操作を行うと、この外皮が節輪に噛み込まれて損傷したり、湾曲操作機構に無理な力が掛かって故障したりするトラブルを生じるおそれがある。
【0009】
かかる課題を解決するため、内視鏡の外部の圧力(大気圧)が内部の圧力よりも高いことにより、表示釦が沈み込むことを利用して、内視鏡内部が減圧状態にあることを視認することができる内視鏡が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
かかる内視鏡によれば、内視鏡内部が減圧状態にあることを容易に視認することができるとともに、内視鏡の気密性が維持されていることも併せて確認することができる。
【0011】
一方、内視鏡が気密性(液密性)を維持しているか否かを確認する作業は、日常的に頻繁に行われるものである。このため、この作業は、前述の水蒸気滅菌の際に副次的に行われる方法以外に、例えば、前記逆止弁を塞ぐ処置を施した後、内視鏡内部を加圧した状態(大気圧より圧力が高い状態)で、内視鏡全体を液中に浸漬し、気泡が発生するか否かを確認する方法により行われる。
【0012】
この作業終了後の内視鏡は、内部が加圧状態になっているので、前記逆止弁を有効にして、内視鏡内部の圧力を常圧(大気圧)に戻す。
【0013】
しかしながら、忘失等の理由により、この逆止弁を有効にする操作が行われなかった場合、内視鏡内部は加圧状態のままになっているので、この状態で内視鏡を使用すると、例えば、次に述べるような弊害を生じる。すなわち、内部が加圧状態にある内視鏡の湾曲部に対して湾曲操作を行うと、湾曲部内部の空間が圧縮され、この空間の圧力が極めて高くなる。このため、この高圧により湾曲部の外皮等が膨張して、破裂したり伸展したりして損傷してしまうおそれがある。
【0014】
特許文献1に記載の内視鏡では、内視鏡内部が加圧状態にあっても、そのことを外観上からは知ることができない。このため、内視鏡内部を常圧に戻す作業を忘失し易く、前記のような弊害が生じ易いという問題がある。
【0015】
また、内視鏡全体を液中に浸漬する作業は、長い時間がかかる上に、非常に手間がかかるという問題もある。このため、内視鏡内部が加圧状態にあること、さらには、その内部圧力の変化を外観から容易に判断することができる内視鏡が求められている。
【0016】
【特許文献1】特開平5−245099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、内視鏡の内部空間の圧力が、大気圧より低いか大気圧より高いかを容易に視認することができ、内視鏡の内部空間の圧力を大気圧に戻す作業の忘失を確実に防止するとともに、内視鏡の気密性が維持されているか否かを短時間で容易に判断することができる内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 内部空間の圧力を表示する内圧表示手段を有する内視鏡であって、
前記内圧表示手段は、前記圧力が大気圧より低い状態と、大気圧より高い状態とを、それぞれ視覚的に表示し得ることを特徴とする内視鏡。
【0019】
これにより、内視鏡の内部空間の圧力が、大気圧より低いか大気圧より高いかを容易に視認することができ、内視鏡の内部空間の圧力を大気圧に戻す作業の忘失を確実に防止するとともに、内視鏡の気密性が維持されているか否かを短時間で容易に判断することができる内視鏡が得られる。
【0020】
(2) 前記内圧表示手段は、目盛りと、該目盛りを指し示す指示部とを有し、
当該内視鏡の内外の圧力差がもたらす力により、前記指示部を前記目盛りに沿って連続的に変位し、変位後の前記指示部が指し示す前記目盛りが、前記圧力の大きさの指標となるよう構成されている上記(1)に記載の内視鏡。
【0021】
これにより、内視鏡の内部空間の圧力の大きさが大気圧に対してどの程度大きいか、または、どの程度小さいかを把握することができる。これにより、内視鏡の内部空間の圧力が設計上の許容値を下回ったり、または上回ったりして、内視鏡が損傷してしまうのを未然に防止することができる。
【0022】
(3) 前記内圧表示手段は、当該内視鏡の内外を連通するシリンダと、該シリンダ内を変位するピストンと、前記シリンダに沿って設けられた前記目盛りとを有し、
前記ピストンが、前記力の大きさおよび作用方向に応じて、前記目盛りに沿って前記シリンダ内を変位することにより、前記指示部として機能する上記(2)に記載の内視鏡。
【0023】
これにより、内視鏡の内部空間の圧力の大きさが大気圧に対してどの程度大きいか、または、どの程度小さいかを把握することができる。これにより、内視鏡の内部空間の圧力が設計上の許容値を下回ったり、または上回ったりして、内視鏡が損傷してしまうのを未然に防止することができる。また、かかる内圧表示手段、その構成が比較的簡単なので、製造やメンテナンスが容易であり、内視鏡の低コスト化を図ることができる。
【0024】
(4) 前記内圧表示手段は、当該内視鏡の内外の圧力差がもたらす力によって弾性変形する弾性膜を有し、
前記弾性膜は、前記圧力が大気圧より低いかまたは大気圧より高いかを、それぞれ視覚的に識別可能な形状に変形する上記(1)に記載の内視鏡。
【0025】
このような内圧表示手段は、その構成が特に簡単なので、製造やメンテナンスが容易であるとともに、その製造コストの大幅な低減を図ることができる。
【0026】
(5) 前記内圧表示手段は、当該内視鏡の内外を連通する筒状体と、該筒状体の外側の開口部を塞ぐように設けられた前記弾性膜とを有し、
該弾性膜は、前記圧力が大気圧より高く、その差が10kPa以上あるとき、前記開口部の端面から外側に突出するように変形する上記(4)に記載の内視鏡。
【0027】
これにより、前記開口部の端面の延長線上から見ることにより、前記端面から外側に突出した状態の弾性膜を特に容易かつ確実に視認することができる。したがって、このような弾性膜を備えた内圧表示手段は、内視鏡の内部空間の圧力が大気圧より高いことを特に容易に確認することができるものとなる。また、10kPaは、内視鏡の気密性の検査を行う場合に、内部空間を加圧する際の圧力と大気圧との差圧より若干小さい圧力なので、気密性の検査の度に、弾性膜の変形を確実に視認することができる。
【0028】
(6) 当該内視鏡は、前記弾性膜を備えた前記内圧表示手段を複数個有し、
各前記内圧表示手段が備える弾性膜は、互いに弾性定数が異なる上記(4)または(5)に記載の内視鏡。
【0029】
これにより、例えば、内視鏡の内部空間の圧力が大気圧より高い状態にあるとき、前記複数の内圧表示手段の間で弾性膜の突出高さが異なることとなる。したがって、予め、各内圧表示手段が備える弾性膜の間の弾性定数の上下関係を把握または表示し、さらに、各弾性膜が前記開口部の端面から突出するときの圧力を把握または表示しておくことにより、いずれの内圧表示手段の弾性膜が前記端面から突出しているかを確認するだけで、内視鏡の内部空間の圧力がどの程度であるかを大まかに知ることができる。
【0030】
(7) 前記弾性膜は、当該内視鏡の外表面と色が異なる上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡。
【0031】
これにより、弾性膜の形状が凸形状、凹形状または平坦状のいずれにあるかをより明瞭に視認することができる。
【0032】
(8) 前記弾性膜は、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主材料として構成される上記(4)ないし(7)のいずれかに記載の内視鏡。
【0033】
これらの弾性材料は、耐熱性および耐薬品性に特に優れているため、例えば、内視鏡が高温高圧蒸気滅菌処理に繰り返し供された場合でも、長期にわたって弾性を維持することができる。
【0034】
(9) 前記内圧表示手段は、さらに、前記内部圧力が大気圧とほぼ等しく、当該内視鏡の使用に適当な状態にあることを視覚的に表示する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の内視鏡。
【0035】
これにより、内視鏡の損傷を確実に防止しつつ、内視鏡の本来の性能を確実に引き出すことができる。
【0036】
(10) 光源装置に着脱可能に装着される光源差込部を備え、前記内圧表示手段は、前記光源差込部に設けられている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、内視鏡の使用者が内圧表示手段を見易くなる。
【0037】
(11) 前記内圧表示手段は、前記光源差込部に埋め込まれている上記(10)に記載の内視鏡。
【0038】
これにより、前記光源差込部に突出した部位が生じるのを避けることができる。これにより、突出した部位が少なく、取り扱い易い内視鏡が得られる。
【0039】
(12) 内部空間と外部とを連通させ、内部空間の圧力を大気圧と平衡にする開放手段を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡。
【0040】
これにより、内視鏡の内部空間の圧力を必要に応じて大気圧に戻すことができ、内視鏡を使用に適した状態に移行させることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、内視鏡に設けられた内圧表示手段を介して、内視鏡の内部空間の圧力が大気圧より低いか、大気圧より高いか、または大気圧と同等であるかを、視覚的に容易に確認することができるので、内視鏡の内部空間の圧力を大気圧に戻す作業の忘失を確実に防止することができる。これにより、内部空間の圧力が大気圧より低かったりまたは高かったりする内視鏡を誤って使用して、内視鏡を損傷させてしまうのを確実に防止することができる。
【0042】
また、内視鏡の内部空間の圧力を視覚的に容易に確認できるので、煩雑な気密性の検査を行うことなく、内視鏡の気密性が維持されているか否かを短時間で容易に検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の内視鏡を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0044】
<第1実施形態>
まず、本発明の内視鏡の第1実施形態について説明する。
【0045】
図1は、本発明の内視鏡の第1実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す内視鏡が備える光源差込部を示す部分拡大図、図3は、図2に示すA−A線断面図、図4は、図3に示すB−B線断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「基端」、下側を「先端」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0046】
図1に示すように、電子内視鏡(以下、「内視鏡」と言う。)1は、可撓性(柔軟性)を有する長尺の挿入部可撓管2と、挿入部可撓管2の先端側に設けられた湾曲部4と、挿入部可撓管2の基端部に接続され、術者が把持して内視鏡1全体を操作する操作部6と、操作部6に接続された接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端部に接続された光源差込部8とを有している。
【0047】
これらの内視鏡各部のうち、挿入部可撓管2と湾曲部4とは、例えば生体等の管腔内に挿入される挿入部を構成するものである。挿入部可撓管2および湾曲部4の内部(中空部)には、例えば、光ファイバー、電線ケーブル、ケーブル、またはチューブ類等の内蔵物(図示せず)が配置、挿通されている。
【0048】
挿入部可撓管2と接続部可撓管7とは、それぞれ、中空部を有する管状の芯材の外周を外皮で被覆した内視鏡用可撓管で構成されている。この内視鏡用可撓管等の外皮は、例えば、各種ゴム材料等の弾性材料や合成樹脂材料等で構成されている。
【0049】
湾曲部4は、通常、互いに回動自在に連結された複数(多数)の節輪と、該節輪の外周に被覆された網状管と、該網状管の外周に被覆された外皮とで構成されており、湾曲可能になっている。この湾曲部4の外皮(湾曲ゴム)は、例えば各種ゴム材料等の柔軟な弾性材料で構成されている。
【0050】
湾曲部4の先端には、硬性部(先端部)5が接続されている。硬性部5は、円柱状のブロック体(硬性部本体)で構成されている。
【0051】
この硬性部5の内部には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられており、この撮像素子は、挿入部可撓管2内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して配設された画像信号ケーブル(図示せず)により、光源差込部8に設けられた画像信号用コネクタ82に接続されている。
【0052】
硬性部5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等が挙げられる。
【0053】
操作部6には、図1に示すように、第1操作ノブ61、第2操作ノブ62、第1ロックレバー63および第2ロックレバー64が、それぞれ独立に回動自在に設けられている。
【0054】
各操作ノブ61、62を回転操作すると、挿入部可撓管2内に配設された湾曲操作ワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲部4が4方向に湾曲し、湾曲部4の方向を変えることができる。
【0055】
また、各ロックレバー63、64を反時計回りに回転操作すると、それぞれ、湾曲部4の湾曲状態(上下方向および左右方向への湾曲状態)を固定(保持)することができ、一方、時計回りに回転操作すると、湾曲した状態で固定された湾曲部4の固定を解除することができる。
【0056】
光源差込部8の先端部には、光源用コネクタ81が画像信号用コネクタ82と併設され、光源用コネクタ81および画像信号用コネクタ82を、光源プロセッサ装置(図示せず)の接続部に挿入することにより、光源差込部8が光源プロセッサ装置(光源装置)に接続される。この光源プロセッサ装置には、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)が接続されている。
【0057】
光源プロセッサ装置から発せられた光は、光源用コネクタ81、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内および挿入部可撓管2内に連続して配設されたライトガイド(図示せず)を通り、硬性部5の先端部より観察部位に照射され、照明する。このようなライトガイドは、例えば、石英、多成分ガラス、プラスチック等により構成される光ファイバーが複数本束ねられて構成されている。
【0058】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力される。この画像信号は、画像信号ケーブルを介して光源差込部8に伝達される。
【0059】
そして、光源差込部8内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0060】
また、光源差込部8には、内視鏡1の内部から外部への一方通行に気体を通過させる逆止弁83が設けられている。これにより、例えば、内視鏡1の周囲が減圧されるのに伴って、内視鏡1の内部の空気がこの逆止弁83を通って外部に自動的に排出されるので、内視鏡1の内部も減圧することができる。
【0061】
なお、逆止弁83は、必要に応じて、内視鏡1の内部と外部とを連通し、内部空間の圧力と大気圧とを平衡にする開放手段としても機能するよう構成されている。内視鏡1がかかる開放手段を備えることにより、開放操作に応じて内部圧力を必要に応じて大気圧に戻し、内視鏡1を使用に適した状態に移行させることができる。
【0062】
このような内視鏡1の各部同士は、例えば、パッキンやOリング等のシール部材を用いて気密的(液密的)に連結されている。これにより、内視鏡1の内部は、外部に対して気密的(液密的)に隔てられた密閉空間になっている。
【0063】
ここで、本実施形態の内視鏡1の光源差込部8には、図1および図2に示すように、内視鏡1の内部空間の圧力(以下、「内部圧力」または「内圧」と言う。)の大きさを示す圧力ゲージ(内圧表示手段)10が埋め込まれている。
【0064】
圧力ゲージ10が光源差込部8に設けられていることにより、内視鏡1の使用者が圧力ゲージ10を見易くなる。
【0065】
また、圧力ゲージ10が光源差込部8に埋め込まれていることにより、光源差込部8に突出した部位が生じるのを避けることができる。これにより、突出した部位が少なく、取り扱い易い内視鏡が得られる。
【0066】
本実施形態における圧力ゲージ10は、図2に示すように、内視鏡1の内部圧力の大きさの指標となる目盛り11と、目盛り11を指し示す指針(指示部)12とを有している。この圧力ゲージ10は、内視鏡1の内外の圧力差がもたらす力により、指針12が目盛り11に沿って連続的に左右に変位し、内視鏡1の内部圧力の大きさに応じた目盛り11を指し示すように作動する。
【0067】
目盛り11は、圧力ゲージ10の目盛り板111の外周に沿って、円弧状に設けられている。
【0068】
目盛り11の中央より左側の領域を指針12が指し示すとき、内視鏡1の内部圧力が大気圧より低い第1の状態にあることを示す。一方、目盛り11の中央より右側の領域を指針12が指し示すとき、内視鏡1の内部圧力が大気圧より高い第2の状態にあることを示す。
【0069】
また、目盛り11の中央には、「0」と表示されている。この「0」の表示を指針12が指し示すとき、内視鏡1の内部圧力が大気圧に等しい第3の状態にあることを示す。
【0070】
指針12は、図3に示すように、圧力ゲージ10の目盛り板111の中心を貫通するように設けられた支軸121の一端に支持されている。そして、支軸121を回転中心として左右に回転可能になっている。
【0071】
このような圧力ゲージ10は、図4に示すように、円弧状に湾曲した管状部材13と、この管状部材13の一端と内視鏡1の内部の空間とが連通するように接続する接続部14と、管状部材13の他端に一端が回動自在に接続されたリンク15と、リンク15の他端に回動自在に接続されるとともに、目盛り板111に固定された支軸162を回転中心として回転可能になっているギア部材16と、ギア部材16に形成されたギア161と噛み合うように配置され、支軸121の他端に固定された歯車17とを有している。
【0072】
かかる圧力ゲージ10では、指針12が目盛り11に沿って連続的に変位するので、内部圧力の大きさが大気圧に対してどの程度大きいか、または、どの程度小さいかを把握することもできる。これにより、内視鏡1の内部圧力が設計上の許容値を下回ったり、または上回ったりして、内視鏡1が損傷してしまうのを未然に防止することができる。
【0073】
管状部材13は、その断面が扁平になっており、弾性に優れた金属材料で構成されている。このような金属材料としては、例えば、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、ステンレス鋼等が挙げられる。管状部材13の内部は、接続部14を介して内視鏡1の内部と連通している。このため、内視鏡1の内部圧力と同等の圧力が管状部材13にも加わることになり、管状部材13は、内部圧力の大きさの変化に応じて円弧が拡径または縮径するように弾性変形する。
【0074】
例えば、内視鏡1の内部圧力が大気圧より低下すると、管状部材13の内部圧力と大気圧との圧力差がもたらす力と、管状部材13の弾性力との釣り合いが変化し、管状部材13は、円弧が縮径するように弾性変形する。これにより、管状部材13の他端は、略左下方向に移動する。管状部材13の他端が略左下方向に移動すると、この他端に接続されたリンク15が略左下方向に押されるように移動し、リンク15に接続されたギア部材16が支軸162を中心にして時計回りに回転する。この回転運動は、ギア161を介して歯車17を反時計回りに回転させ、歯車17に固定された支軸121および指針12を反時計回りに回転させることとなる。すなわち、指針12は、目盛り11の中央より左側を指し示す。
【0075】
これとは反対に、内視鏡1の内部圧力が大気圧より上昇すると、管状部材13の内部圧力と大気圧との圧力差がもたらす力と、管状部材13の弾性力との釣り合いが変化し、管状部材13は、円弧が拡径するように弾性変形する。これにより、管状部材13の他端は、略右上方向に移動する。管状部材13の他端が略右上方向に移動すると、この他端に接続されたリンク15が引っ張られるように移動し、リンク15に接続されたギア部材16が支軸162を中心にして反時計回りに回転する。この回転運動は、ギア161を介して歯車17を時計回りに回転させ、歯車17に固定された支軸121および指針12を時計回りに回転させることとなる。すなわち、指針12は、目盛り11の中央より右側を指し示す。
【0076】
このように、圧力ゲージ10は、内視鏡1の内部圧力を視覚的に表示する内圧表示手段として機能する。
【0077】
ところで、内視鏡は、一般に、その内部圧力が大気圧と同等である状態、すなわち常圧状態で使用される。
【0078】
しかしながら、従来、内視鏡の内部圧力が大気圧より低い状態(第1の状態)または大気圧より高い状態(第2の状態)にあっても、それを視覚的に容易に知り得る手段がなかった。このため、第1の状態または第2の状態で内視鏡を使用することにより、以下のような弊害を生じていた。
【0079】
例えば、内視鏡を、その内部圧力が大気圧より低い状態(第1の状態)で使用すると、内視鏡の内外の圧力差によって、湾曲部の外皮が大気圧に押されて節輪の間に食い込んだ状態になる。このため、この状態で湾曲操作を行うと、この外皮が節輪に噛み込まれて損傷したり、湾曲操作機構に無理な力が掛かって故障したりするトラブルを生じるおそれがある。
【0080】
一方、内視鏡1を、その内部圧力が大気圧より高い状態(第2の状態)で、例えば、湾曲部に対して湾曲操作を行うと、湾曲部の内部の空間が圧縮され、この空間の圧力が極めて高くなる。このため、この高圧により湾曲部の外皮等が膨張して、破裂したり伸展したりして損傷してしまうおそれがある。
【0081】
また、内視鏡に対して、オートクレーブ装置等を用いた高温高圧水蒸気滅菌処理を施すことがある。
【0082】
オートクレーブ装置では、滅菌処理の終了後、内視鏡の内部圧力が大気圧より低い状態となっている。このため、逆止弁83を無効にして通気可能とし、内視鏡の内部圧力を大気圧(第3の状態)に戻す操作を行う必要がある。しかしながら、従来は、内視鏡の内部圧力を視覚的に容易に知り得なかったので、前記操作を行ったか否かを内視鏡の外観から判断することができない。その結果、前記操作を忘失したまま、すなわち内視鏡の内部圧力が大気圧より低い状態のまま使用されるおそれが、滅菌処理の度に懸念されるという問題があった。
【0083】
さらに、内視鏡の気密性(液密性)を検査するため、逆止弁を塞ぐ処置を施した内視鏡の内部圧力を大気圧より高い状態にして、内視鏡全体を液中に浸漬し、内視鏡の外表面から気泡が発生するか否かを確認することがある。
【0084】
かかる検査においても、検査終了後、逆止弁を再び有効にして、内視鏡の内部圧力を大気圧に戻す操作を行う必要がある。しかしながら、従来は、前記と同様の理由から、前記操作を忘失したまま使用されるおそれが、気密性の検査の度に懸念されていた。
【0085】
これに対し、圧力ゲージ10を備えた内視鏡(本発明の内視鏡)1では、圧力ゲージ10を介して、その内部圧力が大気圧より低いか、大気圧より高いか、または大気圧と同等であるかを、視覚的に容易に確認することができる。これにより、内視鏡1の内部圧力を大気圧に戻す作業の忘失を確実に防止することができる。その結果、内部圧力が第1の状態や第2の状態にある内視鏡1を誤って使用して、内視鏡1を損傷させてしまうのを確実に防止することができる。
【0086】
また、内視鏡1の内部圧力を視覚的に容易に確認できるので、前述のような煩雑な気密性の検査を行うことなく、内視鏡1の気密性が維持されているか否かを短時間で容易に検査することができる。
【0087】
なお、図2に示す目盛り11は、内視鏡1の内部圧力が大気圧とほぼ等しく、内視鏡1の使用に適当な第3の状態にあることを示す目印112を備えている。この目印112を指針12が指し示すように内視鏡1の内部圧力を調整することにより、内視鏡1の損傷を確実に防止しつつ、内視鏡1の本来の性能を確実に引き出すことができる。
【0088】
<第2実施形態>
次に、本発明の内視鏡の第2実施形態について説明する。
【0089】
図5は、第2実施形態の内視鏡が備える光源差込部を示す部分拡大図(平面図)である。なお、以下の説明では、図5中の右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0090】
以下、本発明の内視鏡の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0091】
本実施形態の内視鏡は、圧力ゲージ(内圧表示手段)の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0092】
図5に示す圧力ゲージ20は、内視鏡1の内外を連通するように配置されたシリンダ21と、内視鏡1の内外の圧力差がもたらす力に応じて、シリンダ21内を変位するピストン22と、シリンダ21に沿って設けられた目盛り23とを有している。この圧力ゲージ20は、内視鏡1の内部圧力の大きさと、大気圧とのバランスにより、ピストン22を連続的に、前記圧力差がもたらす力の作用方向に変位させて前記内部圧力の大きさの指標となる目盛り23を指し示すように作動する。すなわち、ピストン22は、目盛り23を指し示す指示部として機能する。
【0093】
かかる圧力ゲージ20では、ピストン22が目盛り23に沿って連続的に変位するので、内部圧力の大きさが大気圧に対してどの程度大きいか、または、どの程度小さいかを把握することができる。これにより、内視鏡1の内部圧力が設計上の許容値を下回ったり、または上回ったりして、内視鏡1が損傷してしまうのを未然に防止することができる。また、圧力ゲージ20は、その構成が比較的簡単なので、製造やメンテナンスが容易であり、内視鏡1の低コスト化を図ることができる。
【0094】
シリンダ21は、両端付近が開放した円筒状をなしており、透明または半透明の部材で構成されている。これにより、シリンダ21内を変位するピストン22の位置を、シリンダ21の外部から容易に視認することができる。
【0095】
また、このシリンダ21の側面の一部が、光源差込部8の外表面から露出しており、シリンダ21に設けられた目盛り23を視認できるようになっている。
【0096】
ピストン22は、シリンダ21の内壁面と摺接しつつ連続的に変位する。この変位の途中において、ピストン22とシリンダ21の内壁面との間は、Oリング221を介して気密的に封止されている。これにより、シリンダ21内の空間は、ピストン22を挟む2つの空間211、212に分離されている。なお、図5に示すシリンダ21では、ピストン22の右側の空間211が内視鏡1の内部に連通しており、ピストン22の左側の空間212が内視鏡1の外部に連通している。
【0097】
目盛り23は、シリンダ21に沿って設けられており、中央に「0」と表示されている。この「0」の表示の位置にピストン22が位置したとき、内視鏡1の内部圧力が大気圧に等しい第3の状態にあることを示す。
【0098】
また、目盛り23の「0」表示の左側の領域にピストン22が位置したとき、内視鏡1の内部圧力が大気圧より低い第1の状態にあることを示す。一方、目盛り23の「0」表示の右側の領域にピストン22が位置したとき、内視鏡1の内部圧力が大気圧より高い第2の状態にあることを示す。
【0099】
コイルバネ24は、ピストン22が目盛り23の「0」の表示の位置にあるとき、自然状態となるように長さが調整されている。このコイルバネ24は、ピストン22がシリンダ21の中央から左側または右側に変位したとき、ピストン22を中央に戻すよう付勢するものである。圧力ゲージ20がかかるコイルバネ24を備えていることにより、内視鏡1の内部圧力が大気圧と等しくなったとき、コイルバネ24の弾性力によって、ピストン22を速やかにシリンダ21の中央に戻すことができる。
【0100】
このような圧力ゲージ20において、内視鏡1の内部圧力が大気圧より低下すると、図5に示すシリンダ21内の空間211の圧力が空間212の圧力より小さくなり、ピストン22を左側に押圧する力が発生する。これにより、ピストン22は、目盛り23の「0」表示の左側の領域に変位する。
【0101】
これとは反対に、内視鏡1の内部圧力が大気圧より上昇すると、図5に示すシリンダ21内の空間211の圧力が空間212の圧力より大きくなり、ピストン22を右側に押圧する力が発生する。これにより、ピストン22は、目盛り23の「0」表示の右側の領域に変位する。
【0102】
このように、圧力ゲージ20は、内視鏡1の内部圧力を視覚的に表示する内圧表示手段として機能する。
【0103】
<第3実施形態>
次に、本発明の内視鏡の第3実施形態について説明する。
【0104】
図6は、第3実施形態の内視鏡が備える光源差込部を示す部分拡大図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0105】
以下、本発明の内視鏡の第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0106】
本実施形態の内視鏡は、圧力ゲージ(内圧表示手段)の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0107】
図6に示す圧力ゲージ30は、内視鏡1の内外を連通するように配置された筒状体31と、筒状体31の上端の開口部を塞ぐように設けられた弾性膜32と、筒状体31の外周面と螺合し、弾性膜32を筒状体31の上端面に固定する固定部材33とを有している。この圧力ゲージ30は、内視鏡1の内部圧力の大きさと、大気圧とのバランスにより、弾性膜32を下方に凹没する凹形状や、上方に突出する凸形状に変形する。このような圧力ゲージ30は、その構成が特に簡単なので、製造やメンテナンスが容易であるとともに、その製造コストの大幅な低減を図ることができる。
【0108】
具体的には、内視鏡1の内部圧力が大気圧より低下する(第1の状態になる)と、弾性膜32を下方に押圧する力が発生する。これにより、弾性膜32は、図6(a)に示すように、下方に凹没して、凹形状をなす。このような凹形状に変形した弾性膜32は、その形状を容易に視認することができるので、内視鏡1の内部圧力が大気圧より低いことを容易に確認することができる。
【0109】
これとは反対に、内視鏡1の内部圧力が大気圧より上昇する(第2の状態になる)と、弾性膜32を上方に押圧する力が発生する。これにより、弾性膜32は、図6(c)に示すように、上方に突出して、凸形状をなす。このような凸形状に変形した弾性膜32は、その形状を容易に視認することができるので、内視鏡1の内部圧力が大気圧より高いことを容易に確認することができる。
【0110】
すなわち、弾性膜32は、第1の状態と第2の状態とを視覚的に容易に識別することができる。
【0111】
また、内視鏡1の内部圧力が大気圧とほぼ等しくなると、弾性膜32を下方に押圧する力と上方に押圧する力とが釣り合う。これにより、弾性膜32は、図6(b)に示すように、自然状態となり、平坦な形状をなす。このような平坦な形状をなす弾性膜32は、図6(a)の状態や、図6(c)の状態と、容易に区別することができるので、内視鏡1の内部圧力が大気圧とほぼ等しいことを容易に確認することができる。
【0112】
また、内視鏡1の内部圧力が大気圧より高く、その差が10kPa以上あるとき、図6(c)に示すように、上方に突出した弾性膜32が、筒状体31の上端面、すなわち、本実施形態では光源差込部8の外表面8aから突出しているのが好ましい。これにより、外表面8aの延長線上から見ることにより、外表面8aから突出した状態の弾性膜32を特に容易かつ確実に視認することができる。したがって、このような弾性膜32を備えた圧力ゲージ30は、内視鏡1の内部圧力が大気圧より高いことを特に容易に確認することができるものとなる。また、10kPaは、内視鏡1の気密性の検査を行う場合に、内部空間を加圧する際の圧力と大気圧との差圧より若干小さい圧力なので、上記のような構成の圧力ゲージ30を備えていることにより、気密性の検査の度に、弾性膜32の変形を確実に視認することができる。
【0113】
なお、内視鏡1は、圧力ゲージ30を複数個備えていてもよく、この場合、複数個の圧力ゲージ30が備える弾性膜32は、互いに弾性定数が異なるのが好ましい。これにより、例えば、内視鏡1が第2の状態にあるとき、複数の圧力ゲージ30の間で弾性膜32の突出高さが異なることとなる。したがって、予め、各圧力ゲージ30の弾性定数の上下関係を把握または表示し、さらに、各弾性膜32が前述の外表面8aより突出するときの内部圧力を把握または表示しておくことにより、いずれの圧力ゲージ30の弾性膜32が外表面8aより突出しているかを確認するだけで、内視鏡1の内部圧力がどの程度であるかを大まかに知ることができる。
【0114】
さらに、弾性膜32は、光源差込部8の外表面8aと色が異なるのが好ましい。これにより、弾性膜32の形状が凸形状、凹形状または平坦状のいずれにあるかをより明瞭に視認することができる。
【0115】
このような弾性膜32は、各種弾性材料で構成されている。
具体的には、フッ素ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、天然ゴムのような各種ゴム材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0116】
これらの中でも、弾性膜32を構成する弾性材料としては、フッ素ゴムまたはシリコーンゴムを主材料とするものが好ましい。これらの弾性材料は、耐熱性および耐薬品性に特に優れているため、例えば、内視鏡1が高温高圧蒸気滅菌処理に繰り返し供された場合でも、長期にわたって弾性を維持することができる。
【0117】
なお、本実施形態では、圧力ゲージ30が光源差込部8に埋め込まれている場合について説明したが、圧力ゲージは、光源差込部8の外表面8aから突出するように設けられていてもよい。これにより、弾性膜32が上方に突出するように変形した場合、視線の位置を大きく変えなくても、その形状の変化を容易に識別することができる。
【0118】
また、この場合、筒状体31および固定部材33は、それぞれ透明な材料で構成されているのが好ましい。これにより、弾性膜32の形状が凸形状、凹形状または平坦状のいずれにあるかをより容易に視認することができるのはもちろん、その形状の変化量をも視認することができる。すなわち、筒状体31の側面に目盛りを設けることにより、変形した弾性膜32が位置する目盛りの位置から、内視鏡1の内部圧力を把握することができるようになる。
【0119】
さらに、弾性膜32は光沢のある表面であることが好ましい。これにより、さらに弾性膜の表面の変化を容易に識別することができる。
【0120】
以上、本発明の内視鏡を図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、同様の機能を発揮する任意の構成のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することもできる。
【0121】
例えば、本発明の内視鏡は、前記各実施形態のうち、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0122】
また、本発明の内視鏡は、電子内視鏡に限らず、光学内視鏡(ファイバースコープ)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の内視鏡の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す内視鏡が備える光源差込部を示す部分拡大図である。
【図3】図2に示すA−A線断面図である。
【図4】図3に示すB−B線断面図である。
【図5】第2実施形態の内視鏡が備える光源差込部を示す部分拡大図(平面図)である。
【図6】第3実施形態の内視鏡が備える光源差込部を示す部分拡大図(縦断面図)である。
【符号の説明】
【0124】
1 電子内視鏡
2 挿入部可撓管
4 湾曲部
5 硬性部
6 操作部
61 第1操作ノブ
62 第2操作ノブ
63 第1ロックレバー
64 第2ロックレバー
7 接続部可撓管
8 光源差込部
8a 外表面
81 光源用コネクタ
82 画像信号用コネクタ
83 逆止弁
10 圧力ゲージ
11 目盛り
111 目盛り板
112 目印
12 指針
121 支軸
13 管状部材
14 接続部
15 リンク
16 ギア部材
161 ギア
162 支軸
17 歯車
20 圧力ゲージ
21 シリンダ
211、212 空間
22 ピストン
221 Oリング
23 目盛り
24 コイルバネ
30 圧力ゲージ
31 筒状体
32 弾性膜
33 固定部材
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉

【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫


【公開番号】 特開2008−29385(P2008−29385A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−203187(P2006−203187)